自作小説発表用トピU


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[1] 自作小説発表用トピU 投稿者:凱旋管理官 dSVSgkbhHjg [Mail] (2005/12/14(水) 18:06 8ddnZlOmpKo)

dooku

鉄人のみなさんは自分のHPやプライベートでSWの小説を書いている人が多いと思います。
そんな皆さんのSWの小説をこのトピで思い切って発表してみてはいかがでしょう?
リレー小説ではない為、自分以外の人が書いた小説には続けず、
感想など(早く次が読みた〜い!など)を書いてください。
ショートショートもふざけ小説もSWに関係があれば何でも書いてください!
「こんな小説を誰かに書いて欲しい」
「小説を書きたいんだけどその時代などについてよく知らないから教えて欲しい」
と言うのも受けつけております!
SWの中の時代背景や、>>○○の続きです、などを書いて、どんどん連載して下さい!
ちなみに連続投降は可能です!物語が思い浮かんだらどんどん投降しちゃってください。


(自作小説研究所)
http://www.starwars.jp/forum/bbs3/bbs.cgi?id=2005042301;ls=30;date=1129809895


[2] (無題) 投稿者:芹沢塔哉(元コマンダー・アサルト) dSVSgkbhHjg [Mail] (2005/10/21(金) 18:38 FxwKLd.moQQ)

dooku

〜第1話旅行好きの探偵〜

遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・
銀河は暗黒の時代に突入したばかりだ。一年前にパルパティーン最高議長が帝国へと銀河を変貌させ、各惑星にはストーム・トルーパーをどこでも見ることが出来るほどの軍事による支配が始まっていた。そんなことも気にせずに惑星オルデラーンへ向かう一機のクルーザーがコルサントを離れようとしていた。このクルーザーは途中でさまざまな惑星を経由してからオルデラーンへ向かうのでさまざまな種族が入り混じっていた。中にいるのは帝国軍の兵士や旅行客、難民などだ。
その中に私がいた。世間で名探偵と騒がれているモーリス・ザブミスである。私は冷静な行動力、さえる頭脳、一流の腕を持つ射撃力等と世間に言われているが私はまだまだ学ぶことがあると思っている。さて、自己紹介はここまでにしよう。

クルーザーの中はにぎやかで、食事を終えた観光客や政治家が部屋に戻っている頃。私は食堂でブルーミルクをすすっていた。そこへ黒っぽい服装をした若者が二人、私の後ろの席に腰を下ろした。若者達はケースを持ち静かに話しをしていた。
「フー、やっとタバコを吸えるぜ」少し太っている男が言った。「いやー、それにしても簡単に取引が出来てよかったぜ」男がタバコの火をつけながら言った。。
「声がでかいぞグリー、兵士にでも聞かれたらどうする?」もう一人の男が言った。
「大丈夫だ、帝国の兵士はブリッチに今、集まっているところでしたから」太った男が水を飲みながら言った。「それにしてもクローラさんは用心深いですな、大丈夫です。」
“グリーとクローラか――”私はこの二人の名前を脳に深く刻み込んだ。何せ取引をしているやつだ、捕まえれば大手柄。
「あのデータを渡しただけで1億クレジットか・・・・・」グリーがケースにある金を見た。「何であいつはそんなに喜んで痛んだ?」
「それはな、1億クレジットなんてそんなちっぽけな金額じゃない、あのデータを使えば政府の金を奪い去ることも出来るといったんだ」クローラがタバコの火を分けてもらい、吸いながら言った。
「それであんなに喜んでいたのか・・・・・」グリーがコルサントの遠ざかる景色に目をやった。
「景色といえば・・・・・あいつはこれで自分の最後の景色をもう少しで感じることになる」クローラが冷酷に言った。
「最期の・・・・景色?」グリーが不思議な声で言った。
「あのケースには熱爆弾を仕込んである、空けたとたんにクルーザーには穴が開き、宇宙の塵になる」クローラが言った。
「そ、そしたら俺らも死んじまうじゃないか!」グリーが焦りながら言った。
「安心しろ、そのときになるまでは俺らは他の惑星で降り、発進して十分後に爆発するようになっているからな」
「つまり、二回目のハイパードライブがかかったときに爆発するような仕組みになっているんですね」
「いや、それだけではない。ちゃんと時限装置もついているさ、あいつはしらずの間にスイッチを入れ、10分後に爆発を起こすようになる。あいつにはこう言ってやったさ、まだ爆弾がセットされている。俺が行った時刻にパスワードを入力しろ、さもないと貴様の体は木っ端微塵になる。こんな幼稚なわなにかかるとはあいつの触覚もどうかしているぜ」クローラが笑をこらえながら言った。
“しかしなぜそんな危険になっても取引をしようとしたんだ――?”私は考えた。とそこに答えが聞こえてきた。
「やつが経営している会社が倒産寸前だからあっちは必死なんだろうな・・・・・。無理して金持ちの格好をしてやがる」
“金持ちの格好か・・・・・、女なのか?男なのか?種族は何なのか?触覚がある種族か――”今度は私に答えは返ってこなかった。男達は立ち上がり部屋に戻ろうとしていた。私は彼らのケースに盗聴器と発信機をつけておいた。そしてクルーザーはハイパースペースに入った。

クルーザーがハイパースペースが出て経由する惑星に近づいた。
“くそ!時間が無い!やつらはあれ以降まったく話をしていないじゃないか!?――”私は部屋の中で焦りに焦っていた。そのとき盗聴器から声が聞こえた。
「おい、そろそろ出口に行くぞ」
“逃がすものか――”私は発信機でやつらの位置へと急いだ。全力で発した先は・・・・・
“トイレだと――”私は愕然した。完全にばれていたのだ!
“これじゃ、やつらを捕まえれない!――”私はクルーザーのタラップを急いで見渡した。
“男達は?どこだ?どこにいる?――”するとクルーザーからかなりはなれたところにスピーダーにまたがっているあの男達がいた。私は急いで出口まで走った、しかし間に合わずドアが閉まり男達はスピーダーで遠くに去っていく。
“しょうがない、爆弾を探さないと――”私は多くある客室へと急いだ。

〜第1話旅行好きの探偵(完)〜


[3] (無題) 投稿者:ローグ11あーくなトルーパー hGrV/O.Eq6A [Web] (2005/10/21(金) 19:15 LgbV8ri8ZdA)

anakin_ep3

スター・ウォーズ 不幸なバウティー・ハンター

1、始まり
「あぁ〜あ!金がガッポリ入るからって、賞金稼ぎやったけど!やり始めてもう二年半経つのにまだ、一つも仕事来ねえな!」賞金稼ぎと言う仕事を紹介してくれた友達が言った。
「辛抱強く待ってれば仕事が来るさ!」俺が、そう言った瞬間、サーマル・デトネーターが爆発した様な音と共に、旧型の駄目ドロイドがホログラムを映し出した。
ホログラムに写っているのは、黒尽くめの男だった。
「いやぁ!君達は、まだ駆け出しの賞金稼ぎだったねぇ。そこで君達でもできる様な仕事を頼みたい!・・・・・・・詳しくはコルサントのハバム港まで来てくれ。明日の午後3時に港のカフェで待っていてくれ!頼むぞ!」そこで、ホログラムは終わった。
「明日の午後3時かぁ・・・・!初仕事だ!ぐっすり寝て明日の為にそなえよう!な、相棒!」その考えが、いけなかった。
しかし、この時に、俺達の身にあんな事が起こるなんてのは、誰も分からなかっただろう・・・・・
〜次の日〜
「さぁ!バハム港に行くぞ!」と、言う大声で今日は起こされた。その後は、俺達の街の宇宙港に着くまで、二人共何も言わなかった。
宇宙港に着くと、友達が口を開いた。
「ハァ〜!緊張するな!」それだけ言うと、さっさと宇宙船に乗ってしまった。
俺は、一応確認の為に依頼人に連絡をとろうとした。
しかし、向こうが出てくれなかった。何か不吉な感じがした物の、折角の初仕事なので行かない訳にはいかなかった。
俺は、宇宙船に乗り込むと脱出ポッドの近くの席を占領した。
それからは何事も無く順調にすすんだ。と、思ったが、宇宙港を出発して5時間と経たない内に、いきなり緊急機内放送が入った。
良く聞き取れないが、「・・・弾がしか・・・・いた!後4・分で・・・る!・・・・・・・逃げ・・・さい!」とは聞き取れた。俺はただ事ではないと気づき、友達を探し始めた。
大混乱の中を、やっと、友達を見つけるとすぐにオロオロしている友達に状況を説明した。友達が状況を理解すると、防災スーツを着て脱出ポッドに乗り込んだ。「何があったんだろうな?」友達が話し掛けてきたが、俺は物思いに耽っていた為まったく聞こえなかった。俺が現実に戻った瞬間に、爆発音が後方から聞こえてきた。俺は脱出ポッドの窓から周りを見回した。しかし他に脱出ポッドは無かった。「助かったぜ・・・・」友達が呟いた。俺は前方を見てみた。「良かった!助かったぁ〜!」俺もおもわず叫んでしまった。・・・・何と!目の前に、船が沢山泊まっている宇宙港があったのだ!

「大激戦!」に続く・・・


[4] (無題) 投稿者:芹沢塔哉(元コマンダー・アサルト) dSVSgkbhHjg [Mail] (2005/10/21(金) 19:21 FxwKLd.moQQ)

dooku

>>2の続き
〜第二話禁煙室のノートラン〜

“どうすればいいんだ・・・・・?まてよ・・・・・、確か奴らは金持ちの格好をしているといっていたな・・・・・。ん?クルーザーに穴が開くということはまだこのクルーザーにいるということか・・・・・、でもどうすればいいんだ?この何千人といるクルーザーの中からたった一人の問題の人物を探さなければいけないなんて・・・・・。金持ちの格好か、ファーストクラスか?いや、金はそんなに無いはずだ――”私は必死に考えた、そして答えが出た。“ファーストクラスから探していくことにしよう、黒いケースを持っているやつだ・・・・・。ケースはロックがかかっていてパスワードを入力するところがあるやつか・・・・・よし!――”そのとき、船内に放送が流れた。
「次の離陸は一時間後、ハイパースペースへのジャンプは離陸から30分後となります」
“爆発は一時間半後!それまでに探して見つけてやる!あの黒い男達と取引をした相手をな!――”私は今までで一番は約八知っているように感じた。爆発はさせてはならない!私は船内を駆け回った。やはりがむしゃらに探しても見つかりっこなかった。
“あと一時間か・・・・・、考えるんだ!――”そのときひとつの案が浮かんだ。“そういえばやつはデススティックを吸うとき「やっと吸えるぜ」と言っていたな・・・・・。てことは薬嫌いな人か禁煙室を取っているところだな”私は一番近くにある船内の見取り図を見た。
“え〜っと禁煙室、禁煙室っと・・・・・、あった!A−782bの休憩室か!他には・・・・・、ここだけか!――”私は急いでA−782bへ走った。途中で食器をひっくり返したりやくざにぶつかったりしたがこの広いクルーザーの中を5分で走ることが出来た。
“ここにいる――”私は部屋の中にある通路を一回通り黒いケースを持っている乗客を探した。
“だめだ!たくさんいるな・・・・・”とりあえず一人ひとりに質問をしながらケースを調べてみた。ロックがかかっているケースは全部で8つあった。どれも大切そうに持っている。
“どれも怪しく見えてしまうな・・・・・そうか!触覚があると言っていたな。では四3つくらいになるな”その3つとは旅行にいくと思われるノートランの女性、株の取引をしているノートランの若い男、もう一人は音楽を聞いている年寄りのノートラン。どれも連絡手段としての道具を手に持っていた。
「すいません、ちょっとここに通貨を落としてしまったんですけど・・・・・」私はノートランの女性に声をかけた。
「ええ、いいわよ」彼女はケースを床においていすの下を見れるようにしてくれた。そのときに私はケースの入力装置を動かしてみたがロックがかかっていてだめだった。
「ねぇ、ここらへんにある月見たことある?とってもきれいなのよ」ノートランは笑いながらそういった。私はあきらめ次に株の取引をしていると思われる男に近づいた。
「何をやっているんですか?」
「株の取引だよ!わかったらあっちへ行け!」ノートランは触角を立てて私に怒鳴った。彼の触角には金の腕輪のようなものがはめてあった。次はやくざのようなやつだ。
「あの?私のケースを知りません?」ノートランはサングラスを取って私を睨んだ。「そこにおいたままにしてしまって・・・・・・」ノートランは黙ってうなずくと席をどけてケースへの通り道を作ってくれた。私はノートランのケースに手を掛けた。
「やめろ!」ノートランがあわてて私からケースを奪おうとした。ケースは落下しそうになる。私はあわててそれをとろうとしたが、ケースは落ちていく。間に合わずケースが床にぶつかる。
“爆発する――”私はしゃがんだ、しかし次の瞬間目に入ってきたのはノートランのピンク色の下着だった。
「来るんじゃね!」ノートランは怒り私を蹴り飛ばした。
“まぁ、あの男じゃないと言うのはわかった――”私は残りの二人のノートランについて考え直した。

〜第二話禁煙室のノートラン(完)〜


[5] (無題) 投稿者:芹沢塔哉(元コマンダー・アサルト) dSVSgkbhHjg [Mail] (2005/10/21(金) 19:57 FxwKLd.moQQ)

dooku

>>4の続き
〜第三話月と惑星〜

“離陸まで後19分・・・・・、つまりハイパースペース――爆発――まで後49分ということ。おそらく時限爆弾のほうは爆弾が作動しないときのための第二のスイッチ!!それまでに爆弾つきの黒いケースを持っている人物を探さないと、このクルーザーは宇宙の塵となってしまう・・・・・。1億という大金と引き換えに、その黒いケースを渡したのはあの黒服の男達・・・・・。渡した場所はおそらく禁煙室だ!!そしてやつらの会話の内容からすると、渡された人物はA−782bの二人に絞られた。位置からすると惑星側が女性のノートラン、月側が株の取引をしていたノートランだ。でも、わかるのはここまで・・・・・。誰がその黒いケースを持っているかわからない・・・・・。爆発まで後34分になっちまった!時間が無い――”私は心を落ち着かせるために外を少しの間だけ眺め続けることにした。“ん?あいつらは確か・・・・・「ちゃんと時限装置もついているさ、あいつはしらずの間にスイッチを入れ、10秒後に爆発を起こすようになる」って言ってたぞ!ま、まさか・・・・・何かに反応するってことか?いや、反応はハイパードライブだしな・・・・・。しかし、知らずの間にスイッチを入れるといっていたから本人がもっている可能性が高い!二人が持っていたのはパソコンにコムリンクか・・・・・。だめだ、どれもスイッチがある。まだ手がかりが足りない――”そのとき船内に放送が入った。
「離陸を開始します。席に着くか、お近くの棒に捕まっていてください」船はその放送から約10秒後に離陸した。惑星の景色がどんどんと小さくなっていく。
“後、27分!!”
「えーーー!?お月さん見れないの?」私の隣の席にいた人間の子供が親に言った。
「あなたが寝ている間に過ぎちゃったのよ」母親が子供をなだめながら言った。
「それに惑星側の席を取っちゃったからどっちにしろ見えなかったんだよ」父親は言葉を付け加えた。
“・・・・・!?惑星側?そういえばあのひといってたな「ねぇ、ここらへんにある月見たことある?とってもきれいなのよ」あの人の席は惑星側だ・・・・・。月を見るのは窓と窓の幅があるクルーザーの中では無理だ。そうするとあの人は立ち上がってどこかに向かった可能性が高い・・・・・”私はもう一度船内の見取り図を取り出し、他に禁煙がある場所は無いか探した。“あった!客室ではないが月側にある展望台だ!これならやつらがデススティックを吸えない理由がわかる。では、爆弾は彼女が持っているんだ!!”
「お客様にご連絡します。船内では通信装置、コムリンクなどはご使用が出来ませんが、展望台のダストシュート付近ならご使用が可能となりますので、コムリンクなどを使う際は展望台へ向かうことをお勧めします。ハイパースペースへのジャンプが後3分後に行われるのでお客様は船内を立ち歩かないでください」
“や、やばい!後、三分しかない!!ここから展望台まで二分、間に合うか!?”私は走り、展望台まで来た。展望台には人が多くさまざまな種族が入り乱れていた。“後、30秒!”私は目をサラのようにして展望台を見渡した。しかしいない。“後、10秒!あ、まてよ!俺はなんて勘違いをしたんだ!!女性がここに呼び出されるのはハイパースペースに入ったとき爆弾が作動しなかったときだ!!じゃあ、彼女はまだあの客室に!!”私はとっさに時計を見た3,2,1,!!”爆発は起きなかった。運よく爆弾が作動しなかったのだ。

「兄貴、爆発・・・・・しませんね」グリーがケースの中身を金庫に移しながらクローラに言った。
「心配するな、手は打ってあるといっただろう?」そう言うとクローラは手に持っていたデススティックを投げ、コムリンクを手に取った。「これで連絡をすればすべてが終わる」彼は冷血な笑みを浮かべてコムリンクのスイッチを入れた。

女性のコムリンクが震える。
「ここではまずいわね・・・・・」女性は真後ろにある展望室へと走った。

「くそ!どこにいるんだ?」私はまだ展望室で彼女を探していた。すると通路からノートランが出てきた。手にはコムリンク、そして黒いケースを持ち、真っ直ぐダストシュートの近くまで歩いている。「まずい!」女性がコムリンクのスイッチに手を掛けようとしていた。私は客を押し寄せながら真っ直ぐ彼女へ風のように走った。女性がスイッチを入れようとした瞬間、私は右足で黒いケースをダストシュートに入れた。黒いケースは真っ直ぐ宇宙空間に放り出された。
「あぁ!!私のケース!!!」女性がそう言うとスイッチを入れた。すごい地響きと閃光が展望台に映し出された。
「ふぅ・・・・・」私は大きくため息をつくと女性が口をあんぐりと開けながら尋ねてきた。
「あ、あなた・・・・・いったい???」女性は完全に混乱していた。
「なーに、ただの探偵ですよ」私は笑いながらその場を立ち去った。

その後、女性はストーム・コマンダーにこの事件の全貌を話し、帝国軍に逮捕されたという。どうやら女性はあいつら他は深い関係は無く、倒産寸前の会社にいきなり乗り込んできたという。
え?私はどうしているかって?私はその後、無事にオルデラーンに着いたよ。友人に会うためにね。

〜第三話月と惑星(完)〜


[9] (無題) 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2005/10/21(金) 22:47 juC7TwBcpew)

tie

ーヤビン4攻撃ー

ヤビン4付近を飛ぶ、TIEファイターの中にいる彼は、は帝国軍TIEパイロット、ゾーング少佐だ。彼はヤビン4攻撃作戦に参加したのだ。TIEパイロットには10%の帝国軍軍人にしかなれない。
そのTIEパイロットに彼はなった。数々の功績をあげながら・・・。

「こちらゾーング・ヴィリター少佐だ。ヤビン4に接近中だ。」
‘‘了解。こちらも攻撃準備をする。‘‘他のTIE部隊隊長が言う。
ついに、デス・スターの恨みを晴らす時が来た・・・・・・。反乱軍よ、覚悟せよ!!
とはいっても、彼はデス・スターに居たわけではない。だが、帝国の苦しみは自分の苦しみだ。
この考えは、帝国に忠誠を誓う者しかしない考えだ。
そして今、帝国の復讐が開始される時が来ている・・・・・・・・。

帝国軍はヤビン4の大気圏に入った。反乱軍はすぐさま出撃、反撃を開始した。
「よーし。行くぞ。お前達着いて来い。」ゾーングは二機のTIEに命じた。
眼下では、AT−STが降ろされていた。ウォーカーは止まることは無いようだ。
ゾーングは獲物をすぐに見つけた。
「よし。俺に任せろ。」ゾーングはXウイングを標的にした。
彼の今日最初の、獲物だ。
彼はXウイングの後ろではなく、横に突進した。そして、ゾーングは敵が目の前を通り過ぎる瞬間に、緑の光弾を放った。
見事に命中だ。Xウイングは大破し、地面に墜落した。
「やった・・・・・。まずは一機目だ。えーと、これで俺が帝国に入ってから何機目だ?」
‘‘知りませんよ。‘‘後ろに居たパイロットが言う。
「あー、そうだな・・・・・。すまん。あとで思い出す。」ゾーングは新たなる標的を求めた。
とはいっても、味方と敵は混戦状態だ。敵は周りをみればいくらでもいるのだ。
彼はAT−STを攻撃している、二機のYウイングを発見した。
助けてやるか・・・・・・・・・。ゾーングは機体を回転させながら、レーザーを放った。
Yウイングは驚いたようだ。すぐさま逃げ出した。彼は後ろに言った。
「ブレイク3、ブレイク8!!あの一機を狙え!!俺はもう一方をやる!!」彼は反対へ逃げた、Yウイングを見ながら言った。
あとは奴らに任せておこう。ゾーングはYウイングを追いかけた。
Yウイングは焦った動きをしているので、ゾーングもなかなか狙いを定められない。
「ええい。ちょこざいな・・・・・。」ゾーングは、照準を定めずに、レーザーを撃ったが、当たらない。
その時、ゾーングのTIEをかすめたレーザーが目の前に飛び出した。
どうやら、Xウイングのようだ。
幸い、ゾーングの機体は損傷を受けてはいないのだが、TIEにはシールドという物がない・・・・・。
一発でも当たれば終わりだ。それでも、ゾーングは焦らない。
ゾーングは機体を回転させながら、飛び続け、奇妙な動きをした。
Xウイングは惑わされている。ゾーングは機体を激突しそうなくらい、地面に近づけた。
TIEは小回りが利くのだ。TIEは地面のすれすれの場所を通り過ぎた。
だが、Xウイングは地面に激突してしまった。Xウイングの機体が飛び散り、落ちた場所が、その場の雰囲気を変える事無く黒ずんでいた。
彼は一瞬、テンプルの中にトルーパーが入っていくのを見た。
だが、その光景はすぐに彼の目から消えた。
帝国のヤビン掃滅作戦は順調であるようだ。
既に反乱軍の輸送船が逃げている。これまでの仕返しと受けとるがいい。
ゾーングはストーム・トルーパーのヘルメットを、似せて造られた、TIEパイロットのヘルメットの中で思った。


[10] (無題) 投稿者:1138 jdeRXiEHDSA (2005/12/04(日) 18:13 QmkxLRltCdk)

trooper

「Vader side:episodeW A new hope」
遠い昔、遥か彼方の銀河で・・・

時は内乱の最中である。秘密基地を発った反乱軍の宇宙船は、邪悪な銀河帝国軍に対して初の勝利を収めた。

この戦いで、反乱軍のスパイは帝国軍の究極兵器の設計図を奪取することに成功する。それはデス・スターと呼ばれ、惑星をも完全に破壊できる力を持った巨大宇宙ステーションだった。

設計図を受け取ったレイア姫は、人々を救い、銀河系に平和を取り戻すべく、自船で故郷へと向かうが、帝国軍の密使に発見されてしまうのだった・・・

第一章 砂漠の惑星タトウィーン (前編)
惑星タトウィーンの軌道上に二隻の宇宙船の姿があった。一隻は大型の帝国軍艦艇、インペリアルスターデストロイヤーで、もう一隻は小型の多目的艦コレリアンコルベット―名称はタンティブW―である。この二隻のうち後者は前者から逃げようと、必死に回避飛行をしていた。しかし性能の差―前者は後者より速かった―により、スターデストロイヤーはコルベットに間合いをつめていき、それを射程範囲に捉えると、容赦なくターボレーザーを浴びせ始めた。コルベットも反撃したが、ここでも火力の差で圧倒的に不利だった。そして決着はついた。スターデストロイヤーがコルベットのメインリアクターを破壊したのだ。それによってコルベットのエンジンは停止した。


スターデストロイヤー・デヴァステーターのブリッジではダース・ヴェイダーが艦長の報告を聞いていた。
「ヴェイダー卿。タンティブWを航行不能にし、捕捉いたしました。」艦長は答えた。
「よろしい、艦長。突入部隊の準備はできているな?」感情のこもらない機械的な声が黒いマスクごしに聞こえた。
「いつでも突入できる状態にあります。」艦長は畏怖の念をこめてこの問いかけに答えた。
「ではタンティブWを収容しだいすぐに突入させるのだ。私もそちらに向かうと部隊に伝えておけ。」
「了解しました。」艦長はそう答えると、通信仕官に指示した。
ダース・ヴェイダーは感情にこそ出さないが内心焦っていた。
(なんとしても、あのデータを取り戻さなければ。)


 ハンガーベイでは、突入部隊が待機していた。白い装甲服に身を包んだ兵士たち、彼らこそストームトルーパーである。彼らはクローン大戦で活躍したクローン兵を主として構成されている部隊で、とても優秀な兵士たちだ。中には少数ではあるが一般の補充兵士も含まれている。もちろん、ストームトルーパーに選ばれる兵士は、クローン兵に匹敵する戦闘能力を持つ精鋭のみに限られる。
 数分後、ようやくタンティブWが収容され、エアロックの空気調節も完了し、部隊はハッチを開けて艦内に突入した。一方、タンティブWの艦内では反乱軍兵士が既に待ち構えていた。彼らもストームトルーパーに勝るとも劣らない精鋭ぞろいである。そのため、突然の攻撃にもすばやく対応した。せまりくる帝国軍と、それを迎え撃つ反乱軍の激しい銃撃戦が始まった。そのさなか、トルーパーの一人が被弾して倒れたが、帝国軍はその圧倒的な数の差にものを言わせ、攻撃の手を休めることはなかった。反乱軍の形勢はしだいに不利になっていき、善戦むなしく次々に撃ち殺されていった。やがて数を減らし、艦内の奥へ奥へ追いやられた兵士の中から投降するものが相次ぎ、とうとう司令室までもが制圧され、船長―キャプテン・アンティリーズ―が拘束された。


 ハッチのまわりにむっつりした顔つきの捕虜たちが集められていた。彼らは敵意もあらわにストームトルーパーを睨みつけていた。ところが、不気味な漆黒のマスクで顔をすっぽり覆い、黒い装甲服に身を包んだ長身の人物が、同じく黒いケープをはためかせ、ハッチから艦内に入って来るなり、捕虜たちの顔は恐怖にゆがみ、まるで命令されたかのように、そこにいた全員が凍りついたように動かなくなった。


 これがダース・ヴェイダーだ。帝国軍の最高司令官、銀河皇帝パルパティーンの側近、帝国の恐怖の象徴であるシスの暗黒卿だ。逆らえば、いつ万力のごとき見えざる手で首を絞められるかわからない。それゆえヴェイダーは敵に限らず味方からも恐れられる存在である。しかし彼は生まれながらこのような悪人ではなかった。むしろその正反対の存在だった。彼は自分が昔タトゥイーンの奴隷だったこと、ジェダイであったことを知っている。彼がクローン大戦で活躍したヒーロー、アナキン・スカイウォーカーだったことも。だがこれらは今のヴェイダーにとってただの記憶にすぎない。彼はもちろん昔の彼に戻ることはできないし、彼もそれを望まない。彼は皇帝の側近だ。ただそれだけの存在だ。だからこそ、ヴェイダーは待っている。来るべき自分の時代を。その手で銀河を統べる時を・・。

>>1 タイトルは Vader side のみでお願いします。


[11] スターウォーズ 英雄の変貌 投稿者:インダー・セクター・ノースカロライナ sImhCkql5WI (2005/10/24(月) 19:30 E23/JzFvkUU)

probot

新しい小説を書き始めることにします。これまで書いていたものはなぜかウイルスで壊されてしまい、中絶を余儀なくされてしまいました。

スターウォーズ「英雄の変貌」

1・再会
広大な銀河系の政治経済の中心地、コルサントにはジェダイたちの拠点となっているジェダイ聖堂があった。高い高層ビルがいくつも聳え立っているメガロポリスの中でもジェダイ聖堂は一際目に付いた。
しかし、今その聖堂は無残にもくずれ落ちた。中心の大塔は小さくなり、周りの4つの塔も何日もの間黒煙をコルサントの夜空にたち登らせてきた。かつて誰もの目を引き、歴史から生まれた威厳をかもしだしていた建物も、クローン大戦の間に飛躍的に進歩した戦闘用兵器には勝てなかった。
それは幼い頃から周りと切り離されて訓練され、自分の欲望までも押さえつけることができる熟練したジェダイ・マスターも同じだった。
501部隊クローン・トルーパーが1週間前、ダークサイドへと落ち、シスの暗黒卿へと早変わりしたアナキン・スカイウォーカーに率いられ、ジェダイ聖堂を襲い、重火器によってその城壁を破壊した。周りを包囲したトルーパーたちから逃げる事は無理だった。たとえそれが優秀で、ライトセイバーの達人だったとしてもである。それに大方のジェダイたちは自分たちがなぜ味方であり、部下だったクローン・トルーパーにブラスターの口を向けられたのかが分からなかった。
こうしてジェダイの歴史舞台に幕が降ろされ、ジェダイたちは銀河の表舞台から裏に無理矢理追いやられてしまった。それというのもシスの暗黒卿であった偽善者、最高議長パルパティーンの何年にもわたる策略によるものだった。
だが、それを知る者はいない。ケッド・グリーブナなるジェダイは暗黒卿の正体さえもだ。

コルサントの下級身分の者が住み着いている地下街の中にひどく打ち破れた屋敷があった。どうやらこの付近にはスウープ・ギャングさえ通らないようだ。
その屋敷の一室から光がわずかながらもれていた。男が椅子に座っている。ローブ姿の男だ。フードは脱いでおり、頭にゆっくりとその男の右手が近づいていく。
自然の、フォースの導きによる動きに任せて右手に握られた剃刀がゆっくりと、軽やかに頭皮を滑っていく。
男はたちまちスキンヘッドになった。
この男の名前はケッド・グリーブナ。その身分はジェダイ・ナイト。
昇格したのはちょうど伝説となった最強の若きジェダイ、アナキン・スカイウォーカーがナイトとなった時期、グリーヴァス将軍という新たなる強敵の影が見え隠れし、早々にジェダイを強化しなければいけないころだった。
ケッド・グリーブナはナイトとなり、一人前のジェダイと無事なることができた。彼は忠実だった。
だが、それらは一気に崩れ去っていった。
オーダー66。実際はクローンのほうが寝返ったというべきなのだろう。だが、そんな言葉に耳を貸すものはいない。クローン大戦中、ジェダイは子供達のヒーローである正義の戦士だったが、大人たちは彼らの中から寝返った者がいることを知っている。ダークサイドの甘い香には多くの魅力がある。そしてジェダイの技を完全に修得できた戦士は自分たちにとってドロイド一大隊の脅威にも匹敵することも人々は当然知っていた。
グリーブナは全てのクローン・トルーパーが自分達にそのブラスターの口を向けたとき、惑星ジオノーシスにいた。この惑星もはや規模が小さくなった小戦闘区域だった。(自分設定)クローントルーパーたちは5中隊、ガンシップ3隻というお世辞でも大軍隊とはいえない大きさだった。グリーブナ自身、なぜ自分がこんななんの用もない惑星に配属されたのかわからず、この落ち着いたジェダイは珍しくその内に不満をかかえていた。
グリーブナの両親はコルサントの宇宙航空局の局員で、そんな2人の間に生まれたグリーブナはまだ言葉さえも覚えないうちにマスター・アスクス・エイモに見出され、育ての親となることになるアスクス・エイモと両親の間を三歳になるまで異動し続けた。ジェダイ候補生となったグリーブナはエイモの手からも両親の手からも離れ、他の候補生と同じようにジェダイの訓練を受けた。その中でグリーブナはフォーム1の使いに長けていた。
基本的なライトセイバー戦術であるフォーム1をほぼ完璧に、そして応用がきくようになったグリーブナはアスクス・エイモの弟子となった。それが11歳の時のことで、昔から認識のあったグリーブナは本心からエイモをマスターとして尊敬していた。
そのエイモとさえも今は連絡がとれない。ただ、アンシオンにいたマスター・エイモは無事に生き残り、近々コルサントに密かに入っているという情報があるだけだ。
グリーブナ自身、はやくこのハイテク惑星からは出なくてはならない。
もっとも今この銀河系全土を考えても、安住の地があるとは思えないのだが・・・
グリーブナの腰に巻かれたベルトには光沢を放っているライトセイバーとたっぷりとエネルギーが充電された中型のブラスター・ライフルが差し込まれていた。涼しげな顔にわずかに残した少年っぽさが印象的なグリーブナにしては物騒な装備のように思えてしまう。
ケッド・グリーブナは立ち上がると、何を思ったのか、部屋の出入り口に向かった。そして一瞬の内にライトセイバーがベルトから見えない力によって軽々と抜かれ、その手中に入ったセイバーから青色の鮮やかな光が灯って、独特な音をたてて上へと瞬時に伸びてゆく。
グリーブナはライトセイバーを半円を描くように振った。パシュンというこれまた独特な音がし、グリーブナの先制攻撃をさえぎった。
「どうやら・・・」
物静かな声がした。覚えのある、温かい声色
「十分に闘える様だな」
その2声目で、グリーブナの疑問は確かなものとなり、ケッド・グリーブナのぴんと張り巡らせた神経を溶かしていくのだった。
「マスター!」
マスター・アスクス・エイモが立っていた。


感想下さい


[12] 『スリム・ジ・エッジ』 投稿者:ぜろ l4V39G6ZXtU (2005/10/23(日) 18:39 nXNimzaw9PA)

dice


コルサントの下層、“エリア616”に位置するバー、『イルヴァーナ』
シックで、どこかクラシックな内装は冷たさと、鋭い雰囲気をかもしだす。
スピーカーから流れるのはわけのわからないハット語の静かな音楽――プライベートでここに足を運ぶなんて、俺にはお断りだ。

「“スリム・ジ・エッジ”――久しぶりだな」
太く、深い声が笑いながら俺の名を呼ぶ。しばらく聞かなかった声だ。
「その呼び方はやめろレオン・・・もうはヤクとは離れたんだ」
ガタイのいい肌の黒い人間が俺の前に座る。
「ハハ・・・そのハスキーも変わらねえな。ヴィンセントさんよ」
「たった半年だぜ、お前と顔を合わせてないのは。それに連絡もいくつか交わしただろう」
俺はウエイターが運んできたビールを受け取り、一口飲む。
レオンも俺が頼んでおいたもう1本のビールを受け取る。
「・・・これも変わらない・・苦いビールだ」
2人して笑う。会いたかったぜ。
「だがレオン、そろそろ話を聞かせたらどうだ。お前が俺をここに呼び出すってことは――」
俺はここで話を切った。意味は通じる・・・『仕事』の依頼―――
レオンは乾いた笑顔を浮かべる。
「半年ぶりの再開だってのにさっそくそれか。まったく仕事人間はこまるぜ」
仕事人間、か――俺にはブラックなジョークにしか聞こえないぜ。
「まぁ聞け」
そういってレオンは革のコートの内ポケットに手を入れ、小さな試験管のようなケースを取り出した。
その底にあるのは、銀色に光る白っぽい粉のような物・・・
「おまえんとこの新商品か?」
「いいや違う。俺らが廻すのはせいぜいデススティックくらいだ」
せいぜい って言い方もどうかと思うぜ。
「知っての通り、“エリア616”は俺らの組織のシマだ」
“エリア616”――レオンの犯罪組織の支配する領域。
「そのシマにこれが出回ってる・・・俺の許可も取らずにな・・・だが問題はこのヤクの効能・・・」
「なにか特別なのか?」
「こいつを使ったやつは本能的な凶暴性を引き出される・・・俺の部下に手を出した奴がいるが、死ぬ間際に仲間を2人噛み殺した・・・それでお前には――」
「そのヤクを廻してるカスを消すってわけか」
「その通りだぜ」
そう言ってレオンは小さな電子スティックを差し出す。
「前金の300クレジットだ。やってくれるな?」
「“金をつかむため”に来たんだぜ、『イルヴァーナ』に」
俺はそのスティックを受け取り、足早にバーを出る。

「ヴィンセント!」
店を出てすぐ、奴に呼び止められる。
「なんだ」
「今回の仕事はヤバイぜ。何か変だ。俺のシマだけで出回ってるってのも鼻につく・・・まるで――」
「まるで、お前の組織を潰そうとしてる誰かの仕業のみたいだよな」
レオンは面食らった顔で俺を見た。
「あー・・・いいスピーダーだな」
レオンはそこにとめてある、黒塗りのボディのスピーダーをあごでしゃくる。
「ミアってゆーの。いい女だろ」

俺はオープンタイプの座席に座り、むき出しのエンジンをふかす。
機体はうなりをあげて発進し、真っ黒のボディはコルサントの闇に溶け込んでいく。

こいつはどうも手のかかる仕事みたいだ。
みんなとにかく俺についてこいよ。
俺たちにはちょっとした刺激が必要なのさ。
だって、それがないと空っぽな感じがするだろ?
なぁ、“スリム・ジ・エッジ”。


つづけ


[13] 終わるのかな(汗) 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/08/12(土) 20:52 umLTlEd6Ryc)

beru_ep2

スターウォーズ 英雄の道
*この話は、EP4から、20年後のオリジナルストーリーです。
登場人物紹介
ルーク・スカイウォーカー
かつての銀河大戦で活躍したジェダイ・マスター。
キップ・デュロン
優秀なパイロットでもある過激なジェダイ騎士。ルークと対立。
マクーン
銀河大戦時、スパイとして活躍していたケル・ドアのジェダイ騎士。
サナ
ジェダイ騎士である内気な女性。キップとは旧友。
サイル・ユーエイ
惑星クリムルで活動しているジェダイ。
ウェク・ユーエイ
サイルの息子で双子の兄。
シュナイブ・ユーエイ
サイルの息子で双子の弟。
ヴァルトア
クリムル国王後継者の一人。好人物と噂されているが・・・。
セルダ
クリムル国王後継者の一人。好人物と噂されているが・・・。
セスタ・タウル
宮殿で働いている礼儀正しいローディアン。
ガフェンドラシス・マドレンド
ランクス国の王。あらゆる武術に通じる。

CONTENTS(修正中につきただいま一章まで)
1英雄      
2代償>>27
3忘れられた存在>>28
4幕開けの戦い>49
5出会い>64
6未定>89
7未定>97
8未定>120
9未定>157
10未定>169
11未定>199
12未定>205
13未定>207
14未定>208

遠い昔、はるかかなたの銀河系で・・・

1、英雄
首都惑星コルサント。以前はここも大きな戦いの舞台だった。今では、眼下にあるいくつものビルのどこからでも、平和な景色を窓から眺めることができる。
ジェダイ・マスター、ルーク・スカイウォーカーは地上から300メートル離れた自分のオフィスの窓から、静けさに包まれた世界を見下ろしていた。
この銀河で彼の名を知らぬものは殆どいない。彼はデス・スターを破壊し、邪悪なパルパティーン皇帝を倒し、新共和国の要人として活躍してきた。人々はそんな彼を英雄と呼んだ。
たとえ、彼が邪悪な暗黒卿、ダース・ヴェイダーの息子だと知られた後でも、数々の内乱で妙な噂が流れた後でも、それは変わらなかった。彼の成し遂げた偉業の前には、邪悪な血でさえも色あせてしまう。
ルーク・スカイウォーカーこそ、誰もが認める真の英雄だ。
例え彼自身がそう思っていないとしても。

ルークの周りには、彼を慕うジェダイ達が距離を置いて立っていた。今日はジェダイが集まっての会合の日だ。ルークは彼らに向き直って言った。
「皆、今日は集まってくれてありがとう」
「せっかくの会合ですから。時間の無駄にはなりませんよ」
もとローグ中隊の大佐であるジェダイ、コラン・ホーンが言った。
「最近は、けっこう暇な時も多いんです」
「平和な証拠だな」隣に立っていた白髪のジェダイ、カム・ソルサーは微笑して言った。彼はルークからジェダイ・アカデミーの管理を任されている。
「でも、こうして呼ばれたって事は、どこかが平和じゃない証拠 ね」
他のジェダイと少し離れたところに立っている彼の妻、マラ・ジェイドが鋭く言い返す。
「そんなに深刻な程ではないよ、マラ。今日集まってもらったのは・・・」
ルークが言いかけると、急にフォースを通じて、周りのジェダイ達に緊張が走った。
彼はすぐにその原因がわかった。ドアが開き、キップ・デュロンが大股で入ってきたからだ。
キップ・デュロン。強大なフォースの持ち主であり、優秀なパイロットでもあるが、ルークにとっては――いや、ジェダイにとっては――頭痛の種となる存在でもある。
ルークは、少しため息をこぼした。
「ごきげんよう、マスター・スカイウォーカー」
キップは敬意のこもっていない声で軽蔑するように言った。
「新しい中隊の世話がかかって、遅れました」
「聞いたよ。忙しいそうだな」
ルークはいらだちを抑え、できるだけ穏やかに応じた。
「ええ。でも、苦にはなりません。俺は平和を守るために必要なことをしてるだけです」
コランが冷ややかに笑った。
「君が戦闘機なんて物騒なもので飛び回らなければ、すぐにでも銀河は平和になるさ」
キップがコランを睨んだ。
「わかっていないようだな、コラン。銀河にはまだ密輸業者や海賊のような脅威がうようよいるんだ。そいつらを片付けて無力な人々を守るのは、ジェダイとして当然の務めだろう?」
キップの言葉に、ルークは目を細めた。確かに、銀河では今でも毎日のように多くの犯罪が起きている。それらを食い止めるのはジェダイの仕事かもしれないが、だからといって自分からトラブルを求めに行くことが正しい選択とはいえない。
キップがルークに向き直った。
「で、一体何の話があるんです?マスター。ジェダイがこんなにたくさん集まってるんだ。さぞかし重要なことに違いない」
ジェダイ達の多くは、キップの態度に腹を立てているようだ。険悪な雰囲気になる前に、ルークは話し始めた。
「今日はみんなに報告がある。アウター・リムの惑星クリムルで、一国の王が死んだそうだ。彼には莫大な遺産があり、それをめぐって、2人の跡継ぎが争っている。サイル・ユーエイが報告してくれた」
ルークは一息入れると、話を続けた。
「そこで、その跡継ぎの交渉を助けに、俺はジェダイを送ろうと思う。サイルが言うには、状況は悪くなる一方で、暗殺未遂まで起きたらしい」
キップは突然きびすを返し、ドアの方へ向かいだした。
「どこに行く?」コランが止めようと、キップの前に出た。
「帰るんだ。くだらない任務だからさ。惑星全体ならまだしも、惑星にいくつもある国一つの争いだ。そんな交渉なんて、あんた達でやればいい」
キップは部屋を出ようとしたが、カム・ソルサーがそれをさえぎった。
「交渉任務では、偉大になれないと思うのか、キップ?君の言ってることは間違いだぞ。戦いでの解決はいつも正しい結果を招くとは限らない。真の英雄と呼ばれる者は、話し合いで全てを解決するものだ。レイア・オーガナ・ソロのように」
「新共和国の英雄は、皆戦って英雄になったんだぞ!」
キップが言い返した。
「やめないか、2人とも。英雄なんて見方をかえればどこにでもいるじゃないか。だがキップ、カムの言うように戦いが全てじゃない。交渉を経験するのも大切だぞ」
ルークが2人の間に入って言った。その時、急に戦いで散った多くの仲間達が頭に浮かんだ。ベン、ビッグズ、ダク・ラルター、ジェダイ騎士達、そして父も。
そう、彼らは皆、俺にとっては英雄だ。
「俺に行けと命令してるんですか。マスター?」
キップが憤慨するように尋ねた。
「君が決めればいい。これは提案だ」
「・・・わかりました。なら俺が行きます」
周りのジェダイ達が驚いて囁き出した。マラがキップに詰め寄る。
「あら、キップ。あなたとうとう血迷ったの?交渉なんて出来もしないのに。ルーク、この任務は私に頂戴」
「いや、俺が行く」キップは腕を組み、ジェダイ達を見回した。
「大方、あんた達は俺のことを、戦いしか脳のない過激な男だとでも思ってるんだろう。だが、それは違う。俺にだって交渉くらいできるさ。今回はそれを証明するいい機会だ」
キップはそう言って、足早に部屋を出て行った。
ルークは再びため息をついた・・・。

会合の後、コランは一人でキップと会う決意を固めた。キップのルークに対する態度は許しがたい。それに、なぜ彼が熱心に交渉任務を引き受けたのかも気になる。
キップはシュミレーションルームにいた。ここでは、戦闘機のコクピットを模したマシーンで、宇宙空間の戦闘訓練をすることが出来る。彼は部屋の一番奥にある、6台目のマシーンに座っていた。
「キップ、話がある」
コランはキップに近寄り、落ち着きのこもった声でそう言った。コクピット型マシーンのキャノピーが開く。キップが模擬戦闘を中断したのだ。彼は不機嫌そうな顔でコランを見た。
「何の話だ?」
「今日の会合のことだ。君がどうして交渉をする気になったのか、教えて欲しいんだが」
コランはそう言ってキップの隣のマシーンに座った。
「そんなこと、あんたに話すまでも無いことだ」
キップはそっけなく応じ、模擬戦闘を再開しようとした。
「いいや、教えてもらうぞ」コランは自分の座ったマシーンを起動した。「こいつで勝負しよう。俺が勝ったら交渉を引き受けた理由、言ってくれるな?」
キップが横目でコランを見た。
「勝負だと?」彼はのどの奥で笑った。「よし、受けてやる」
キャノピーが閉じ、コランの視界いっぱいに、広大な宇宙空間が映し出された。戦闘準備完了だ。
「いつでもいいぞ」
キップの声が通信機を通して聞こえてくる。そして次の瞬間、けたましいスタート音がコクピット内に響いた。
コランはいきなりフルスロットルで機体――二人ともXウイングだ――を発進させた。ローグ中隊にいたコランは、戦闘機の一対一の戦いの仕方をよく知っている。いかに相手を先に見つけ、後方に回るかが勝利の鍵だ。だが、キップも操縦の腕に関しては相当の才能がある。これは厳しい戦いになるだろう。その時、突然コクピット全体が揺れた。致命的ではないにしろ、攻撃を受けたのだ。
「コラン、早くも勝負がつきそうだな!」
キップの勝ち誇った笑い声がひびく。くそ!こんな簡単に後ろを取られるとは。
「勝ち負けはいい。俺が交渉を引き受けたのは、偉大なジェダイになるために、避けては通れない道だからさ」
「偉大になるだって?」
コランが歯を食いしばって聞き返す。彼はキップを振り切ろうと必死だった。
「そうとも。その必要があるのさ。銀河は平和だというが、それなら何で犯罪者がうろうろするのは何故だ?何で新共和国の議員達の中に、ジェダイを敵視する奴らがいるんだ?」
キップの言葉にはいつになく熱がこもっていた。
「ジェダイが守護者としての勤めをしっかり果たしてないからだ!暗黒面を恐れ、瞑想なんてする暇があるなら、無力な人々を助けるために、もっと積極的な活動をすればいい。旧共和国時代には、ジェダイは人々の尊敬の的だった。俺達も全員がそうなるべきだ」
「それが君の理想ってやつか。戦うジェダイこそが偉大って訳だ。そして君は、先頭に立ってそれを実践してる」
コランは自分にぴったりと張り付いてくるキップにいらいらしながらそう言った。相手は一向にとどめを刺そうとしない。よし、こうなったら・・・。コランは自分の機体を加速させた。だが、機体の性能は同じ。キップがぐんぐん追いついてくる。コランは機体の高度をわずかに下げ――
速度を思い切り落とした。
キップのXウイングが、コランの上を飛びすぎる。作戦成功だ!
「悪いが、この勝負はもらった」
だが、コランがまだ狙いを定めないうちに、キップは宇宙空間を漂う障害物の中に逃げ込んだ。模擬戦闘とはいえ、障害物に当たってはアウトだ。コランは障害物をかわして飛び続けたが――
キップを見失った。
「くそ」
その時、またしても彼の機体が揺れた。しまった、と思ったがもう遅い。キップの機体が再び後ろに張り付いていた。攻撃をまともに受けた次の瞬間、画面全体が真っ暗になった。

キャノピーが開き、キップは外に出た。隣では、コランが悔しさを押し殺した顔でこちらを見ている。彼は不意に口を開いた。
「理想を抱くのは勝手だが、そのためにはもっと多くを学ぶ必要があるぞ。特に君はな。英雄になるのは、大変なことだ」
キップは黙って頷いた。コランは、暗に彼の過去の過ちのことを言っているのだ。
超兵器サン・クラッシャーを使って彼が引き起こした、あの悲劇のことを。邪悪への一線を越えたこと、一生かかっても償いきれないであろう罪のことを。
そのことを、銀河の誰もが、まだはっきりと覚えているに違いない。彼が人々から信頼を勝ち取るには、まだまだ多くの時間が必要だ。
「今回の任務、まずはしっかりとやり遂げるんだな」
コランの言葉は、励ましにも、警告にも聞こえた。
キップは何も言わずきびすを返し、部屋を出て行った。


[14] (無題) 投稿者:インダー・セクター・ノースカロライナ sImhCkql5WI (2005/10/24(月) 20:30 E23/JzFvkUU)

probot

>>11の続き

「マスター!」
そこに立っていたのはマスター・アスクス・エイモだった。
茶色で薄汚れたローブに身をつつんだ年配で長身の男は緑色のライトセイバーで弟子の攻撃を防いでいた。やがて、過ちに気がついたグリーブナが青色のビームを逸らし、スイッチを切った。
「申し訳ございません。気が立っておりましたから」
「今のご時世、そうするほかないだろう。だがくれぐれもわしを後ろから襲ってはくれるな。パダワンよ」
「も、もちろんです!」
エイモは慌てるグリーブナを見て苦々しく笑った。
「しかし、マスター。よくぞご無事でおれましたね。私は運が良かったので・・・」
配属がジオノージスという小戦闘区域だったことも幸運の一つだったのだろう。ジオノージスのクローン軍が反旗を翻した時、グリーブナはすばやく最寄の崖の上に飛び移り、三人のトルーパーをその類稀なライトセイバーセンスで倒した。そして三台あったクローンのバイクに飛び乗り、他のバイクに時限熱爆弾を設置してから荒れ果てた赤色の砂地の上を逃げた。その背後で熱爆弾が爆発し、バイクのみならず何人かの白い兵士を道ずれにした。ケッドは他の味方を置いて逃げ去った。後になっては失態としかいいようがないのだが、しょうがないことといえる。少なくともグリーブナは自分にそう言い聞かせ、さらにそうした殺戮を行った皇帝への憎悪を高める(もちろんジェダイの道にそぐわない程度でのこと)事で自責の念にかられないようにしていた。そしてしばし、噂だった暗黒卿・・・グリーブナはその正体を知らない
「マスターはあのときどうしたのですか?」
グリーブナは自分のマスターの武勇伝を聞きたいと思っていた。
「わしか?わしは2人のジェダイとともに脱出をした。お互いのことは話さなかった。なぜならもしも一人が捕まってしまった時他の者までも巻き添えにしてしまうのを恐れたからだ。しかし片方、ダンベルは恐らくコルサントへと向かったのだろうな。わしは彼の後を追ったのだから。彼は恐らくマスター・ケノービの信号をキャッチすることはできなかっただろうと思う。彼の乗った愛機は満足がいく通信アンテナを持ってはいなかったから」
グリーブナはちょっとがっかりとした。マスター・アスクス・エイモは決して自分を評価する事が無い厳しい人間だった。
しかしその一方で弟子や同志はやりすぎとまでは行かないが盛んに褒め、その長所を伸ばそうとしてくれる良きマスター・ジェダイだった。実際その教育力は評議会のマスター・ヨーダ、マスター・ムンディに特に評価され、幾度か評議会入りまでもが検討されてきた。その度に偉大なるマスター・アスクス・エイモは、
「私などいまなお修行の身です」
と謙遜してきた。
そんな彼の性格を知っていながらグリーブナはエイモが自分の武勇伝を話して聞かせてくれることを期待していた。それを察したのか
「ケッド、残念だがわしは何もしておらんよ、それより・・・」
一気にアスクス・エイモの顔が引き締まる。
「実はな、急がなければいけない。なにしろここにも捜索隊の手がかかってくるだろうからだ。今もどこかでジェダイが追われているかもしれない。どうやら捜査の手はジェダイと親交があったというだけで過剰に反応するそうだ」
アスクス・エイモはちらりと驚きの色を浮かべているグリーブナの背後にあるひびの入った窓に目を向けた。その視線を一瞬の後に戻すと、重々しく、緊張感を漂わせて続きを言った。声を不気味に思ってしまうほど低くしている。
「生き残る事の出来たわれわれジェダイ・オーダーは惑星オード・マンテルに集まっているらしい。とはいってもこれが偽の情報ではないとはいいきれないのだがな。とにかく確証があるまでは私は動くつもりはなかった。そこで君に行って欲しいと思っている」
「分かりましたマスター。ところでその情報は誰から?」
「マスター・シャク・ティの通信」
「なるほど!それなら信用できるのでは?」
赤い肌に儀式的な白い模様を顔につけたトグルータのジェダイ、マスター・シャアク・ティは立派なジェダイ・マスターで、ジェダイ評議会の評議員の一人だ。冷静沈着でなにより頭がいい。
コルサントにいたはずの彼女はジェダイ聖堂が奇襲されたときクローンに射殺されてしまったという話だったが生きているのかもしれない
「まだそう判断するわけにはいかんぞ。パダワンよ。心を落ち着けるのだ。分かっているな?彼女の衣くらいいくらでも作ることはできる」
「はい、マスターすみません。平然さを忘れていました」
「多少の瞑想が必要ではないかな?」
アスクス・エイモはそれっきりで黙ってしまった。良く見れば、その目に力が入り、あたりへと神経を張り巡らしているかのようにも見えた。片手で先ほどしまったライトセイバーのシリンダーをもて遊ぶ。
だが、グリーブナの心配を他所に、エイモはいたっていつも通りにしているようだった。
やがてほんのわずかな時間を使っての瞑想が終わったと見え、その顔に再び温厚さが戻っていく。
「どうやら捜索隊の一個小隊が近づいてきておるようだぞ」
グリーブナはびくっとライトセイバーを弄んでいた片手を反応させた。
「まだ安心せい。感じた程度、未来は不透明な中にあるようだ。シス卿がこの銀河系を手中に収めたとあればなおさらのことだ」
「なら尚更急がなければなりません、マスター」
グリーブナは前々からちゃんと準備していた必須用具が詰め込まれたナップのストラップを握ると、素早く肩にひっさげた。
「マスター、すみませんがゆっくりとしてはおれません」
「賢明だぞ、ケッド。どうやらプロではないようだが、賞金狙いの不良どもだとすれば厄介な話だ」
出入り口となっている扉が見えざる力によって抉じ開けられ、2人は音をたてずにすべるような歩き方で外に出た。


[15] 2 投稿者:ぜろろ l4V39G6ZXtU (2005/10/23(日) 21:28 nXNimzaw9PA)

dice

コルサントの摩天楼を縫うように進む光の列――スカイライン。
俺は律儀に並ぶぜ。ここで騒ぎを起こすような馬鹿じゃないしな。
“ミア”を自動操縦に設定し、帰り際にレオンからもらったそのヤクのサンプルを眺める。
分かっていることは、ブッ飛ぶ効き目と、大量摂取した時の危険性、ということだけ。
それと誰が名づけたかは知らねぇが、こいつは「ヤハウェ」って名前で取引されるらしい。
まぁ、今日はまっすぐ寝床に帰るんだ。無駄に急ぐ必要も無い。
俺はオープンタイプのキャノピー越しに前を見据える――
『新しいヤクか・・・お前また薬に手を出すのか?』
しわがれた声――いや、俺には聞こえない。
『おい、無視するなよヴィンセント。久々の仕事だろう。カンが鈍ってるんじゃないのか?』
聞こえない。俺には聞こえない。
『だが今回の仕事はキツそうだな。さすがのお前も今度ばかりは・・・』
「黙れ!」
俺はブラスターを抜き、助手席のキャノピーへ銃口を向けた。
そこに写っているのは・・・
「スリム・ジ・エッジ」
キャノピーの内側に写っているのは、痩せこけ、乱暴にひげを生やし、俺をにらみ続けている“俺”―――“スリム・ジ・エッジ”。
“スリム・ジ・エッジ”はニタニタした笑いを浮かべ、あいかわらず俺をにらんでいる。
『今度ばかりは、消されるかもな』
なにも言っても無駄。ってことはとうに分かっていることだ。俺はブラスターをホルスターに納める。
「幻影がほざくな」
奴は高笑いをして助手席に深く腰掛ける。もっとも、キャノピーの中にしか奴はいないが。
『ヴィンセント様は無敵ってか?』
俺は無視して操縦桿を握り、手動操縦に切り替える。
『冗談だぜ兄弟』
お前に兄弟と呼ばれる筋合いは無ぇ。

“スリム・ジ・エッジ”―――こいつが俺の前に現れたのは1年と半年前。
鏡、キャノピー・ガラス、ピカピカのボディ、水面・・・
光を反射するものにならなんにでも顔を出す。
最初はヤクのせいだと思った。だが違った。
ヤクを離れてもこいつは変わらず出てきて俺をまどわす。
幻影だと自分に言い聞かせ、こいつを無視する毎日。
でも、こいつの言うことは確実に的を得ている。
いつになったら俺の目の前から消えてくれる―――

「黙ってろ」


続いてね


[19] はじめまして 投稿者:ボスフェット zqg3LWuxx1s (2005/10/26(水) 20:23 OA8XH7zrWSU)

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スターウォーズ ボバフェット

第1話帝国のフリゲート(ラサシ)
遠い昔遥か彼方の銀河系で・・・
あるときボバはジャバから帝国のフリゲート(ラサシ)をこわせと言う依頼がきたボバはその依頼をしょうちしスレーブ1で宇宙に飛び去った。
ボバはさっそく帝国のフリゲート(ラサシ)をスレーブTについているコンピューターでさがしていた、そして数分後ボバは(ラサシ)のいる場所を見つけた。
ボバは(ラサシ)のいるところまでワープした、そしてボバは(ラサシ)100mまえでとまり作戦をたてていた。
そうしたらタイファイターにみつかり大量のタイファイターのブラスターにあたってスレーブTはかなりのダメージをうけた。
そしてボバはスレーブTのエンジンをぜんかいさせ(ラサシ)につっこみスレーブTは(ラサシ)のドッキングベイにとまった、
そしてボバはスレーブTからおり走り出した。
そうするとダースベイダーの弟子ダークサイザーがボバの前に現れた。
第2話に続く


[21] (無題) 投稿者:ボスフェット zqg3LWuxx1s (2005/10/25(火) 17:24 OA8XH7zrWSU)

slave1_boba

19の続き
第2話 強敵ダークサイザー
ボバの前に現れたダークサイザーはボバにこう言った。
ダークサイザー「すばらしい」
ボバ「なにがすばらしいだ」
ダークサイザー「お前みたいなやつが帝国にはいれば反乱軍など敵でもない、ボバ帝国にはいれ」
ボバ「ことわる」
ダークサイザー「ならこうするまでだ」
と言いいきなりボバの首をフォースでしめあげた。
だがボバは膝についている小型ミサイルでダークサイザーの腕にあてボバはセーバーダートでうった。
ダークサイザーは「ボ・・ボバと言い」死んだ。
そしてボバは司令室へと行った。
そうすると奥に大佐らしき人がいてボバはセーバーダートでそいつを撃った。
そのあとボバは爆弾を仕掛け終わって逃げようとしたら、帝国特殊部隊ストームコマンドが出てきた。
ボバは腕にあるファイアーバーナーで道をふさぎスレーブ1にいそいだ、そしてスレーブ1でドッキングベイを破壊した。
その破壊のしょうげきでフリゲート(ラサシ)は近くにあるアステロイドにあたりこなごなになった。
そしてボバはタトゥーインにワープした。
第三話に続く


[22] 英雄の変貌3 投稿者:インダー・セクター・ノースカロライナ sImhCkql5WI (2005/10/26(水) 14:39 E23/JzFvkUU)

probot

>>14の続き

ボロボロになったローブをまとっていては人目についてしまうと思ったジェダイ・マスター・アスクス・エイモはいまやコルサントの低身分の民が着ているような、いかんせんこの男にはそぐわない格好をしていた。もっとも本人にしてはこれで他人の目をごまかす事が出来るし、なによりずっとローブを着用していたジェダイには新鮮な心地さえ与えていた。だが、常に周りへと向けられている疑念の視線は変わってはいない。
アスクス・エイモは様々な格好をしたエイリアン、人間の中を進み、壮大で、コルサントの太陽から届けられた光で輝いている元老院ホールに向かっていた。
やがて、建物の入り口にたどり着くと、2人の門番の制止をフォースの力によってかいくぐった。2人のアクアリッシュはコロリと騙されてしまった。
元老院議会ホールの中に元老院会議のときを除いて、人はほとんどの場合はいない。時々クリーン用の旧式のドロイドが中を掃除するだけで、エイモがフォースで騙さなければいけなかったのは外の門番2人だけだった。
アスクス・エイモをここに招いた者はだからこの場所を選んだ。もっとも危険なように見えて、実際のところはノーガードに等しいところ。パルパティーンの死角にジェダイ・マスターは潜り込んだ。
中心部の、パルパティーン最高議長らがいつもいるエア・リフトの下を通り過ぎ、もう10歩ほど進むと、ふいにエイモの真上にある元老院議員用のエア・リフトからトワイレックの男が姿を現した。その男の体躯は鍛えられていて重みがあるように見えた。
「無事だったか・・・アスクス」
その声は驚くほど低かった。まるでその顔よりずっと年上の操り師が喋っているかのような錯覚があった。
「お久し振りですマスター」
トワイレックは自分より年上のように見えるエイモからの丁重な挨拶に笑みを浮かべた。
「相変わらずだな。エイモ。変わったのは外だけということかな?」
「そうですな。マスター。それにしてもよくできた見事な変身ですね」
トワイレックのジェダイはぱっとエイモの近くに飛び降りた。
「まさかずっと年下のパダワンであるお前よりもわかく見えてしまうのだからな」
このトワイレックは最新テクノロジーによって作られた自分の姿を誇りに思い、またエイモに対して優越感さえも感じているようだ。
トワイレックの男はにやりと笑い、音をたてずに歩き始めた。そのあとにエイモが続く。
トワイレックのマスター、バーモ・ドジソンはもう100歳を越えている。アスクスより23歳年上なのだが、最先端のクローニングによる変身を遂げたドジソンはずっと若く見えた。
そしてドジソンはアスクス・エイモの元・マスターでもあった。
ドジソンはエイモを立派なジェダイ・マスターにまで育て上げる事ができた事を見届けると、ジオノーシスの戦いからクローン大戦が勃発し、自分に緊急召還命令が下るまで故郷である惑星コレリアに隠居していた。そこのトワイレックの名家の出身であるドジソンはジェダイ評議会の加護を受けなくても十分な生活水準を得ることができていた。
クローン大戦で再び8年間のスランプを経て、復帰したドジソンだったが、評議会はその扱いに困ってもいた。ドジソンは召還したものの、扱いにくい戦士でもあった。結局、ドジソンはコレリアン星系に進出しようとしているドロイド軍の監視役となった。
あるとき、コレリアに一つの脱出ポッドが投降されてきた。それを開けてしまった工場の作業員が毒ガスによって殺され、そこから疫病の心配がされた。ドジソンは自分の仕事を最低限果たすためにコレリアの衛生局に出向き、フォースを使って毒ガスがたんなる催眠ガスであることを見抜いた。ドジソンが2人の作業員に手をかざすと2人は回復したのだった。だが、そのポッドはそれ自身が脅威だった。投降された場所から姿を消したポッドは変形し、探査ドロイドとなった。しかもそれはでかかった。鋭利な腕を合わせて23本も持っている殺人ドロイドはプログラムに従って、電力発電所に接近した。発電所を破壊し、敵を混乱させ、そのうちに司令艦隊が到着し、侵略を開始する、というのが当初の計画だった。だが、ドジソンはそのドロイドに立ち塞がるとあっという間にそれを破壊してしまうのだった。その英雄伝はコルサントにまで日を変わらせないうちに届き、エイもにも伝わっていた。
「連絡をくださったときには正直驚きましたよ」
「私の連絡はどうやって知った?」
「少年からです」
ドジソンはくっくっくと笑った。首にまかれた二本のレッグがぴくぴくとまるでトカゲの尻尾かのような動きをする。
「キットか。あいつはコルサントの地下で育った幼きエージェントだよ。よくやってくれたもんだ」
ドジソンはまるでトーントーンをたらふく喰ったワンパのような満足そうな笑みを浮かべた。ドジソンの顔はそのときだけ顔中に皺をつくり、この男の高齢さを物語るのだった。
「ところでオーガナ議員は?」
エイモが尋ねた。ドジソンは言った。
「モン・モスマ議員の説得でこの反乱騒動に力を貸してくれることを約束してくれたようだ」
「ではいつ?いつパルパティーンに詰め寄る事ができるのですか?」
「分からない」
ドジソンはここで足をとめ、エイモに向き直った。
「実際、パルパティーンは頑固に政権を持続させるだろう。オーガナ議員を殺すやも知れぬ。実は議員の旗艦、ブロッケード・ランナーに工作員が浸入していたらしい。その騒動でクルーが一名死んだということだ。相手はそれを圧力に変えてオーガナ議員の戦意消失を狙ったのだろうが、結局は反対になった。オーガナ議員はそれで後に戻れない事を悟ったらしい」
「なるほど、ともあれば・・・」
エイモは心配そうに言った。
「今度は殺しに来るでしょう」
ドジソンは再び歩き出した。その方向に向かって一つ一つ照明が灯されていき、光の道筋を作り出した。その道は一つのなんの変哲もない扉まで続いていた。
「あの先に何がある?」
ドジソンはかつてエイモを見ていた、マスターの目になった。
「あの向こうは・・・」
エイモはドジソンを見た。その心はかつてのパダワンのようになっていた。そして言った。
「情報室ですね?」
「そうだ!アスクス」
ドジソンの声は高ぶっていた。この老年のトワイレックはこの新しい戦乱の世の中に興奮しているようだ。アスクスはそれを危険だと思ったが、口には出さなかった。ただ、ドジソンの後ろに従う。自分だけは冷静に、フォースの目を開いていかなければ。
2人は入っていった。

次回予告・事態はいよいよ動き出す。ケッド・グリーブナはオード・マンテルで意外な人物と再会する!?


[24] (無題) 投稿者:ボスフェット zqg3LWuxx1s (2005/10/26(水) 20:21 OA8XH7zrWSU)

slave1_boba

21の続き
第三話ダッシュレイダーを追え
ボバはタトゥイ−ンのジャバの宮殿に戻り賞金をもらった、そうするとジャバは困った顔をして次の依頼をいった「ソロの仲間ダッシュレイダーを生け捕りにせよ、そしたら好きなほど金をやろう」ボバは早速タトゥーインの街に行た。
そしてカンティーナにいった。
そしたらライバル賞金稼ぎグリードの兄ガリードがいてボバにむかってブラスターをむけた。
ボバ「なんだおまえは」
ガリード「ボバおまえダッシュをおっているだろう」
ボバ「お前もか」
ガリード「ああそうだ、ボバおれがその依頼を承知するだからおまえは邪魔なんだよ、ベスーガ渓谷にいるダッシュは俺がしとめる」
そうするとボバはガリードにブラスターをあて殺しベスーガ渓谷に行った。
第4話に続く


[26] (無題) 投稿者:ボスフェット zqg3LWuxx1s (2005/10/26(水) 22:36 OA8XH7zrWSU)

slave1_boba

24の続き
第4話 賞金稼ぎどうしの対決

そしてボバはスープンバイクでべスーガ渓谷をはしっていたそしてボバがべスーガ渓谷の入り口らへんに人影がみえた。
ボバは少しずつ近ずくとその人影はダッシュレイダーだった。
ボバは麻酔銃で眠らそうとしたら、IG−88がボバのまえにでてきてマシンガンでボバを撃とうとした。
ボバはミサイルをうちIG−88がきをそらしているうちにブースターで飛びダッシュを麻酔銃でうった。
そしてダッシュは倒れた、ボバは倒れたダッシュをジャバの宮殿にもってこようとしたら、IG−88がボバにブラスターを連射してきた。
ボバはファイヤーでIG−88のうごきをふうじサーマルデトネーターをなげ爆発しIG−88はばらばらになった。
ボバは倒れたダッシュをもってジャバの宮殿に帰り150万クレジットもらった


[27] (無題) 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/07/09(日) 17:26 9iy1zCe673.) [SAGE]

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2、代償

修正中


[28] (無題) 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/07/09(日) 17:26 9iy1zCe673.)

beru_ep2

修正中


[29] (無題) 投稿者:ボスフェット zqg3LWuxx1s (2005/10/30(日) 00:33 OA8XH7zrWSU)

slave1_boba

26の続き
第5話 ジェダイ
ボバはいっかいジャバの宮殿にでてナブーへとむかった。
ボバはナブーへいき、あるジェダイを探してた。
ボバはそのジェダイのいるジャバの宮殿よりも一回り小さい宮殿に足を踏み入れた。
そして奥へと進んでいくとセーバーダートが飛んで来た。
ボバはなんでセーバーダートが飛んできたのかと思いながら進んでいくと後ろから死んだはづだと思われるモントロスが出てきた。
モントロスはボバの頭にむかってブラスターをむけてきた。
ボバはブーストの点火させるところの向きをかえブーストを点火した。
モントロスはブーストを点火した衝撃で吹っ飛び、ボバは走りだしすぐ近くにあるキャノンを発射しモントロスは撃たれた。
しかし奇跡的にたすかったが、モントロスは気絶してしまいそのうちにボバはジェダイのいるところ大広間にいった。


[31] (無題) 投稿者:ボスフェット zqg3LWuxx1s (2005/10/30(日) 00:32 OA8XH7zrWSU)

slave1_boba

29の続き
第6話ジェダイを殺せ
ボバは大広間に来た、だが中には誰もいなかった。
ボバは恐る恐る中を探るとライトセーバーの出る音が聞こえた。
なんだと思い後ろを振り向くとジェダイがたっていた、ボバは「これがメイスの弟子の生き残りアース・ダーロだな」そうそるとアースはそうだと大きく叫び襲い掛かってきた。
ボバは愛用のブラスターをジェダイにむかってたっぷりと撃ったしかし、ジェダイはそんなの簡単によけさらにボバのジェットパックをフォースで点火させ、ボバは天井に頭をぶつけた。
だがボバはすぐに立ち上がりセーバーダートを撃った、そして命中しジェダイは倒れたそして、ボバはスレーブ1にもどろうとしたらモントロスがスレーブ1の前に立っていた。


[32] 連続投稿してついません 投稿者:ボスフェット zqg3LWuxx1s (2005/10/30(日) 12:34 OA8XH7zrWSU)

slave1_boba

31の続き
第7話 ドックファイト
モントロスはボバにブラスターを撃ってきた、だがボバはスレーブTに近かずきながらよけモントロスにブーストの先端にあるミサイルをうちモントロスはスレーブ1の近くにある柱にぶつかりボバはそのうちに、スレーブTに乗り込みナブーからでた。
しかし、後ろから何か近ずくおとが聞こえブラスターが飛んできた。
スレーブ1は向きを変え、ツインブラスターを撃ったそうするとその宇宙船がモントロスのだった。
ボバは大型プロトン魚雷を撃った。
みごと命中したが、あっちは強力なシールド装備しててなかなかてごわかった。
スレーブTもモントロスからの攻撃で壊れるすんぜんだった。
そして、ボバは最後の切り札としてツインブラスターを連射し強力な武器サイズミック・チャージを発射した。
モントロスの宇宙船は、サイズミック・チャージとツインブラスターにあたり破壊された。
そしてボバは、スレーブ1を修理するためもう一回ナブーへ戻った。


[34] SWバックトゥザフューチャーの番外編なんで、質問は受け付けません 投稿者:Ω型スターファイター(元(VдV)=) J7lZ8oIAbxo [Web] (2005/11/03(木) 19:35 5hsbRcilVYE)

chewie

半オリジナルストーリー
〜オーダー67〜
時は18BBY、この時代にジェダイはいないとされていた。
ついこの間、オーダー66という指令の名と共に滅び去ったはず
だった。中には確かに生き残ったジェダイもいた。
ケノービ、ヨーダ……もう一人いたのだった。
彼の名はマッド。幻のシス卿の弟子であった。
幻のシス卿の名はトゥーニー、彼は今この時代にはいない。
彼は時間を超えることができるのだ。
今頃は平和な時代で遊んで暮らしているだろう。
しかし、マッドはこの時代で生きていかねばならない。
マッドはシス卿よりジェダイに近かった。
「R10−W2、今回はキャッシークへ行くぞ。」
マッドには趣味があった。歴史を調べることだ。
「よし、ジャンプする。」
彼は帝国の脅威から逃げていた。ダース・ヴェイダーから。
彼は、人に慈悲をかけない性格だった。
キャッシークにて
「こちら、討伐軍。反乱軍か?あぁ、そうだパスワードはUSO800…よし」
彼は一時期帝国討伐軍に入っていた。今は全滅しているが…
「やぁ、ターフル今日は調べ物に…」
「ウォオォォォ」
「逃げろ?何…」
後にはコマンダー・ブライがいた
マッドはブライを切り倒し逃げ切った…


[35] (無題) 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2005/11/03(木) 23:08 juC7TwBcpew)

tiefighter

>>9の続き

ゾーングはあることに気づく。Yウイングを逃がしてしまったのだ。
まあ、Xウイングを粉砕したから無駄骨は折ってない。
第一、そなことでいちいち悔しがってはTIEパイロットなど務まらない。
さっきと同じ獲物を狙うのも、偶然に偶然が重ならなければ無理だろう。
アストロメイク・ドロイドの種類を覚えているわけでもない。
さっきの獲物は形が変わっているわけでもない。
色が違うわけでもないだろう。
さっきの獲物は諦めたゾーングは新たな獲物を探す。
攻撃が激しくなるに連れて、反乱軍もどんどん撤退していく。
ヤビンが帝国の手に渡るのもあと少しだ。
「お前達、敵はやったか?」ゾーングは部下に無線で言う。
“やりました。そちらは?”
ゾーングは少し言いにくかったが、仕方がなしに答える。
「逃がしてしまったよ。そのかわりXウイングを罠に落とした。」
“それは残念でしたね。”
「ああ。俺はいま、テンプル付近にいる。来てくれ。」
“了解。離れないでくださいよ。”
「勿論だとも。」ゾーングは部下に言った通り、テンプル上空を飛び続けた。
今頃、この中ではトルーパーが戦っているのだな。


[43] (無題) 投稿者:左手 vBMq9CF4nmU (2005/11/23(水) 19:44 r1fRyiOKWYs) [SAGE]

ig88

Request to the Bounty Hunter
 
序章
遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・・

パルパティーン最高議長が帝国樹立宣言をして早2年。
帝国の土台も固まり大規模な反乱を考える者は居なくなったかに思われた。
しかし、いまだに反乱軍が存在する事は明らかであり小規模だが帝国にも被害を与えていた。
皇帝パルパティーンは犯罪者、賞金首などが旧共和国の時よりも増えた事により、賞金稼ぎも増えた事に目をつけ、ついに反乱軍の幹事達を賞金首にし、事態の解決を図ったのだった・・・・

主要人物



賞金稼ぎ
カティー・メイドン:陽気な酒場のマスターであったが帝国により故郷の惑星を占領され、ひょんな事から賞金稼ぎになる。

ハリス・バディ:カティの賞金稼ぎ仲間、オードマンテルの酒場で出会い以後カティーとタッグを組む。

オードマンテルの酒場

ニーダ:経歴、素性が全て謎に包まれているが、どの客にも親しく接することから誰からも親父と呼ばれている。
カティーを賞金稼ぎにした人物と言われているが・・・?

サラ:気の利く優しい彼女はニーダの妹と言われているが、拾われてきた養子らしい。いつから彼女が店員として働いているかは知る人物は居ない。誰に聞いても「いつの間にか居た。」と口にする。



反乱軍

フレイ:反乱軍の指導者、彼のお陰で反乱軍は何回か窮地を救われている。

キャメル:女性にして反乱軍の幹事にまでのし上がった。彼女は一見弱々しく見えるが外見だけで判断した愚か者は痛い目をみるだろう。

デックス:反乱軍の幹事、まだまだ経験は浅いが実力は確かである。

>>46の第一話へ。


[44] スターウォーズ「英雄の墜落」 投稿者:インダー・セクター・ノースカロライナ sImhCkql5WI (2005/11/06(日) 15:59 E23/JzFvkUU)

probot

>>22の続き
ケッド・グリーブナはローブで自分を過保護に包みながらこの役六標準時間にも及ぶ旅をすごしていた。それもこんなに安い船で!!
船がちょうどハイパードライブに入り始め、大きなガタンという揺れの後で静かになった頃、近くでうたたねをしていた老婆が突然目を覚ますと、ケッドのほうに向き直ってきた。
「あんた、アレだろ?アレ」
老婆はそう目をつぶっているケッドに問い掛けた。グリーブナが無視しているのに関わらず老婆は喋りつづけた。
「あんたたちも大変な事になっちまったねぇ。若者」
老婆はグリーブナが依然目をつぶっているのには関わらず、身振り手振りをはじめた。老婆は自然と笑いはじめ、グリーブナが分からないような民族の言葉まで喋り始めた。
「エン・ダラーラ・ゲッペルフ、わかいの、分かるかい?「騎士(ナイト)は大衆のためにあらず、それは「闇というなの弟子の師(ナイト・マスター)」のためにあるんだ、って意味さ」
グリーブナは本当にうとうととしてきたころだった。この老婆の言葉には何か思い当たってしまうところがあるが、仮にこの老婆がジェダイ、もしくはフォースの使い手だったのなら心にフォースを送り込んで会話をするだろう。じゃなければ今賞金首となっているものが自ら自分の正体を大声で語っているようなものだ。
だが、今の言葉、ナイト・マスターというのは気になった。老婆が喋っているのは昔話や神話の類なのだろうか?
「おばあさん、今の話は?」
「気になるのかね?」
老婆は不気味な笑みを浮かべ、じっとグリーブナの両目を見つめた。
そのとき、、唐突になんの前触れもなく、天井に備え付けられたスピーカーから片言のベーシックがながれはじめた。その声には緊迫した感じがあった。
「コルサント保安部のクルーザーを確認した」
放送はそれだけだった。すると潜んでいた乗客たちは一斉にせきをきったように動き出した。
グリーブナは老婆の呼びかけを無視して、荷物のストラップを肩にかけ、わけありの者たちに続いて殺風景な船室を出たグリーブナはアンモニアのような刺激臭がただよっている通路を歩いていった。途端に大男がぶつかってきた。
「馬鹿野郎!!」
グリーブナは男の怒号を無視して歩きつづけようとしたが、男は強引にも彼をとめた。
「お前、ここをただで通れると思ったのか?小僧」
グリーブナはフォースで男の心に働きかけたが、どういうわけかこの男が必死なことに気がついた。そして男はさっと腰のブラスターを抜き去り、グリーブナにあてがった。
「分かってんだろ?今お前はピンチだ」
「なあ、今はこんなことしている場合じゃないだろう?コルサントの・・・」
「黙るんだ」
男は恐ろしく冷静な声で言葉を制し、グリーブナの腹にぐりぐりとブラスターを押し当てていった。
「俺に反抗しようなんて考えるなよ」
男の後ろからもう二本の腕が伸びてきて、グリーブナの肩をぎゅっとつかんだ。
「俺は4本も腕を持っているんだ」
グリーブナは拳でこの男を殴りつけるという案を頭からかき消した。この一風変わったエイリアンを相手にするのは賢明ではない。それに今は時間をかけるのも、派手なことをするのも得策とはいえない。では、このままコルサント保安部のクルーザーがこの難民船を見過ごしてくれる事を神に願い、待っているか。
「何が目的だ?」
グリーブナはとりあえず、この男の心中を知る事にした。
「お前の船を俺によこせ」
4本腕の男はそういった。
「船を?」
この難民船に乗るとき、他の乗員は自分の脱出用の船を乗せただろう。だが、グリーブナは乗せる事ができなかった。
「船はない」
グリーブナは正直に告白した。これが男を逆なでしなければいいのだが。
グリーブナはフォースで男の心に働きかけた。だが、予想とは違い、男の心の中は冷静そのものだった。そして、男が途端にこちらへの敵対心を解くのも感じられた。
「そうか、お前もか。ならこの船から逃げる方法は一つだ」
「なんだ?」
「俺と協力するのさ」
男は言った。


コルサント保安部隊のクルーザー「ティファンダム」艦長のエル・ドビッチ艦長は乗員クルーに難民船の捕獲を命じた。トラクター・ビームで捕らえられた赤茶色の難民船に一個小隊の捜索隊が乗り込む。
このクルーザーではこれでもう7回目の調査だ。だが、今までの調査で見つかったのは違法なドラック薬品が1ダースだけだった。
「艦長、この中にジェダイと思われしものはいませんでした」
副官が言う。老年の艦長はひとしきりマニュアル通りの注意事項を聞き終えると、一連の動作が終わった事が意味する、「発進命令」を出すのだった。
「艦長・・・」
「どうした?」
「スターファイターの発進を命令しましたか?」
「いや、そんなはずは・・・」
艦長の言葉が言い終わらないうちに副官は声を張り上げた。
「発着場に命令違反者がいる!」
その直後、蚊の羽音ほどのエンジン音が聞こえ、レーダーに青色の目標が表示される。
「発着場からスターファイターが一機発進しました!」
レーダー員の報告に艦長は冷静に対処した。
「なら呼びかけろ!」
「イェッサー!!」
通信兵はすぐさまチャンネルを切り替える。


「こちら「ティファンダム」こちら「ティファンダム」・・・」
女性士官の声が命令違反を犯しているARC1700スターファイターの2つのコクピット内で響く。
「こちら「ティファンダム」中央指揮室。すぐさま回線を開き、5・884Hzにあわせろ。これは命令だ。貴様は命令違反を犯している。これ以上の上官の命令違反は軍法会議に処せられる可能性がある。回線を開け。じゃなければ軍法会議に処せられる可能性がある・・・」
「このうるさい声に悩まされなきゃいけないのか?」
前部キャノピーの中にいるのはあの4本腕の男だった。そしてその呼びかけにこたえているのはパイロット用のヘルメットだけを装備したケッド・グリーブナだった。
「にしても・・・」
4本腕の男がいう。
「まさか無傷で船を奪えて、まんまと脱出できるとはな!!」
男の勧めで余儀なく協力をさせられたグリーブナだったが、この戦闘機を奪うために腰につけたライトセイバーを一度抜いてしまった。あのクローントルーパーは目を白黒させて、ジェダイが現れたこと上官に報告するだろう。
「俺の名前はディードン・ナッシっていって、オード・マンテルは俺の故郷だ」
「アル・ディーだ」
グリーブナはうんざりとし、一番はじめに頭の中に浮かんだ名前を出した。これは子供用のホログラム・アニメの主人公の名前だ。
「オード・マンテルには何をしにいくんだ?」
「別に・・・会いたい人がいるんだ」
「ほう、誰だいそれは?」
「答えるつもりはない。少し黙っていてくれ」
グリーブナはそう言うと2つのコクピットをつないでいる通信チャンネルを切った。これで少しは静かになるだろう。だが、そのあまい予想に反して静寂がキャノピーの中に訪れることはなかった。
「―――――こちら「ティファンダム」。3機の戦闘機を発進させた。間もなく追いつくだろう。彼らは魚雷の照準をお前らのケツにひっつけているぞ!指示に従え。今すぐ我われのトラクター・ビーム射程内に戻れ!繰り返す・・・」
グリーブナはため息をついた。フォースを使って後ろを見透かしてみると、確かに、3つのスターファイターの存在が感じとれた。どうやらARCよりも小柄なVウィングのようだ。なるほど、ならすぐにでも追いついてくるだろう。
グリーブナが今度はキャノピー内の通信チャンネルを開く。
「よう、あぶなくなってきたな。あ?おっと!」
ナッシの声が響く。
「俺が操縦する」
「願ってもない」
グリーブナは心を操縦ではなく、攻撃に集中させた。やがて、センサーよりも鮮明に敵の存在がわかってくるのが感じられるようになる。
「―――――もはや後戻りはできないぞ」
「ティファンダム」からの声だ。
そしてレーザーの閃光が光、機体に迫ってくる。
2人が乗ったスターファイターは大きく右に旋回した。圧力で席に押さえつけられたグリーブナは力いっぱい体を最も適している位置になおすと、反撃にでた。船尾に設置されたキャノンが意思を持ったかのように動き始めるのを追っ手のパイロットは見ただろう。そしてそれが驚くほどの狙いで自分たちを襲う瞬間を・・・
ARC170スターファイターは再び大きく――今度は逆に――旋回した。グリーブナのキャノピーすれすれをレーザーが飛んで行った。
「あぶなかった」
ナッシの声だ。依然うわづいている感じが抜けないでいる。
グリーブナはその間にも次の標的に狙いをつけた。


「ティファンダム」から泥棒たちに果敢な警告を吐き棄てたドビッチ艦長だが、今は逆に拳で艦長席を力いっぱい握り締めている。
「あ、あぶなかった!」
一機がやられてから動揺していた3号機のパイロットからそんな言葉が漏れた。
続いてその横を飛ぶ1号機から通信が入った。
「メイデン、支援をお願いします!」
「分かりました。艦長!」
通信兵が艦長に向き直る。
「ああ、そうだな。だがこの船にはもう戦闘機はないぞ!」

「―――――艦長」
通信兵が言う。
「失敗です。目標はハイパードライブに入りました」


[46] (無題) 投稿者:左手 vBMq9CF4nmU (2005/11/23(水) 19:43 r1fRyiOKWYs) [SAGE]

ig88

>>43の続き。

第一話 〜依頼〜

ここはオードマンテルの端っこの酒場。民間人はこんな遠い所まで来ないし、
近寄ったとしても店が小さく他の建物の陰に隠れて分からない。
そんな理由からこの場所は、ならず者や賞金稼ぎの数少ない心が安らぐ場所として喜ばれている。
その中で誰とも話さずに、席にずっと腰掛けて腕を組んでいる男が居た。その男は小柄な感じの男だ。顔に右眉毛の上から左目の下まで特徴的な傷が付いている。
小柄な男は無言で立ち上がり酒場を出て行こうとしたが、それを見た別の逞しく2メートルは有ろうかという男が女性との話を中断して小柄な男を呼び止めると、声を掛けた。
「カリル、まてよ!もう少しここに居ようぜ。」大柄な男が言うと
「ここで何をしろってんだ?俺は外の空気を吸ってくる。」小柄な男はきびすを返し酒場を出て行く。
「あの人は、いつもあんな感じなの?」さっきまで大柄な男と話していた女性が聞くと
「いや、今日は機嫌が悪いだけさ。」大柄な男はそう答えると酒場から出て行った小柄な男を追いかけて行く。
「喋っている場合じゃない、客から注文が来てるぞ!」酒を注いでいる男が少し大声で怒鳴る。
「分かってるわ。すぐ行く。」と女性は言って、また人ゴミの中に入って行き、やがて姿が見えなくなった。
酒場の外では、酒場から出て来た小柄な男がタバコを吸いながら、じっと空を見上げている。彼の名はカリル、まだまだ駆け出しの賞金稼ぎである。
カリルの後を追って付いてきた大柄な男がカリルを見つけると話しかけた。
「どうしたんだ、今日は機嫌が悪いみたいだな。」話しかけた大柄な男の名前はバリス、彼もまた駆け出しの賞金稼ぎである。
カリルとは賞金稼ぎ同士でタッグを組んでいる。
「よく分かったな。」ぶっきらぼうにカリルが答える
「2,3ヶ月も一緒に過ごせばそれくらい判るようにも成るさ」笑いながらバリスは答える。そこへストームトルーパーがやって来た。清潔その物の純白の装甲服を着ている。
「君達、ここら辺に酒場があると聞いたんだが知っているかい?」
「ええ、この先を進んで左に曲がれば在りますが何のようです?」即座にバリスが答えた。
「賞金稼ぎ達に用があるんだ。」トルーパーが答えるとバリスは
「良いですよ、案内します。付いて来てください。」
カリルはバリスと共にトルーパーを案内する。
カリルは少し心配だった。オードマンテルの酒場にトルーパーが来た事なんか一度も無かったからだ。
「嫌な予感がするな。」小声で彼は呟いた。
そして、トルーパーを酒場に案内すると、トルーパーが賞金稼ぎ達に大声で呼び掛けた。
「賞金稼ぎの皆さん、帝国からの依頼です。」静まりかえる酒場。異様な光景である。
「つきましては今回の依頼は」とトルーパーが話し始めようとしたが一人の賞金稼ぎが
「説明は結構だぜ!早く本題に入ってくれよ。」と、言い放つとトルーパーはむっとした様だが話し始める。
「分かりました、本題に移らせてもらいます。今回の依頼は反乱軍の主要幹事らの殺害です、そしてその人物はこの三人です」トルーパーがホロ映像を映し出した。
「一人はフレイ、知っていると思いますが反乱軍の指導者です報酬は1,000,000クレジット。二人目はキャメル女性です、フレイが不在の際に代理として指導者をしているようです賞金は750,000クレジット。三人目はデックス、彼も男ですこの人物については余り情報がありません、賞金は600,000クレジット。以上が賞金首の情報です。では」トルーパーが立ち去ると共に賞金稼ぎは酒場から我先にと出て行こうとしている。
「いきなりトルーパーが来たから何かと思ったがお前、勿論行くよな?」バリスが話しかけてもカリルは黙ったままだった。
「おいどうしたんだ?」と体を叩かれてはじめてカリルは返事をした。
「ああ。」カリルはうわの空で答えた。
「ねぇ、仕事に行くなら家の人に聞いていったら?」と女性が話しかけてくる、彼女の名はサラ、この店で店員として働いている、即座にバリスは
「そのつもりだよ。」と、当たり前の様に答えた。
「おい親父。情報くれ情報。」とバリスが店のバーテンに話しかけると疲れたような声で
「分かっとる、そんな大きな声で言わなくても聞こえとる、だがまず金だ。」手のひらをバリスに差し出した。この男の名前はニーダ、殆どの客は彼が世間に興味の無い、気さくで優しいみすぼらしい服を着たバーテンだと思っているが彼のもう1つの姿は常に銀河の動きを見ている優れた情報屋である。
「ほらよ!5000クレジットだ。」そう言うとバリスはニーダの手にクレジットを置いた。
金を受け取るとニーダは少しけだるそうに、店の奥に入っていく。
ニーダが奥から出てくると、
「奴らの情報が1つだけ在る、それは奴らがコルサントで艦隊のエネルギー補給をするという事だ。情報はそれだけだ。行くんだな。」
「ありがとよ!さすが情報屋だな。」バリスは嬉しそうに言うと酒場から出て行こうとする
しかし、カリルは相変わらず突っ立ったままだった。彼は内心困惑していた。(一体どうして奴が?何故あいつの姿がホロ映像に?)
しかし、悩んでいる暇はカリルには無かった。バリスに大声で呼ばれたからだ。
「分かった、分かった。すぐ行くよ。」
こうして、オードマンテルから二人の賞金稼ぎが出発した。
一人は久しぶりの依頼だと嬉しそうに言って、もう一人は1つの事を悶々と考えながら。

>>55の第二話へ続く。


[48] この小説はテレビ版と重なっている、マイワールドものです 投稿者:インダー・セクター・ノースカロライナ sImhCkql5WI (2005/11/17(木) 15:47 E23/JzFvkUU)

probot

>>44の続き

オルデランの自然がいとおしい。
オルデラン選出議員、ベイル・オーガナは自室のベージュ色の高級ソファに腰掛けながら思った。
ベイルは一心にオルデランの美しい自然が映し出されているホログラムの置物を見つめていた。これは妻からのほんの5日前、オルデランから再度コルサントに向かう前日に貰った贈り物だった。
ベイルは妻の顔を頭の中に映し出し、それもいとおしいと思った。それとまだ赤ん坊のレイアの無邪気で愛くるしい顔を思い出した。
正直今ここにいる意味が分からなくなりそうになっていく自分がベイル・オーガナには良く分かっていた。そして彼はそれを押さえる事さえできなくなっていくようだった。日々、圧倒的な支持のもとで長期政権を取り続けているパルパティーン最高議長改め、パルパティーン皇帝への帝国政治への反対をしているが、それが他の議員たちに認められることは今までではなかった。それどころか自分たちを反逆者扱いされ、自分の議員生命だってもはやあやういところまでいってしまっている。いつ祖国でも自分の再選を求める者が出てくるかも分からない。
ベイルはそんな不安が入り混じったため息をホログラム像に向かって吐いた。むなしい気持ちになったベイルはホログラムのスイッチを無気力な感覚で切った。
そのとき、部屋中にベルの音が鳴った。
腰を重々しくも浮かしたベイルは横開きの自動ドアに歩み寄り、ドアの開閉スイッチにゆっくりと手を伸ばした。
その向こうには清潔感を漂わせる白いドレスに身をつつんだ、シャンドリラ選出議員、モン・モスマがいた。
「こんばんはオーガナ議員」
モスマは驚くほどの清んだ声で言った。だがベイルの気持ちは晴れない。それどころかまた飛び火に焼けどするのではないだろうかと警戒しつつあった。モン・モスマはこのベイルと同じ反対派の首謀者でもあったからだ。それもベイル以上に盛んな反対精神を持っている。
「なんの用ですか?」
ベイルは無愛想に応じながらも部屋に入れた。金色のプロトコル・ドロイドがお盆にいい香のするお茶が入ったカップと茶菓子を載せてやってくる。
「ありがとう、3PО」
ドロイドが声の聞こえないところにいったところで、モスマが口を開く。
「ベイル、さっそだけど事態が進んだわよ。私たちはもしかしたら近いうちにパルパティーンに直談判できるかもしれないわよ。少なくとも私たちは上言できるほどの署名を集められそうよ」
「なんだって?署名?」
ベイルは腰をモスマが座ったのとは別のソファに落ち着けた途端、モスマのせきをきったような喋りにたじたじとしながらも尋ねた。
「私たちに同調する人々はそれほど少なくは無かったわ。むしろ予想より多いくらいなの。ただみんな自分たちにも反逆者のレッテルを押されてしまうのではないかと怯えているだけだったわ」
「なるほど。それは賢明だな」
ベイルは紅茶をすすりながら冷たく言った。その声は自分が意図した以上に残虐性に富んでいたようだ。
それを聞いたモスマの顔がさっと曇り、エレガントで輝いていた美貌から相手の心に詮索をかけようとする政治家そのものの顔になった。
「ベイル、まさかあなたまで私を批難するのではないわよね?」
ベイルの口の中の紅茶がまるでバンサのよだれに化学反応で変わったかのような苦味を唐突に出した。ベイルはそれを喉を鳴らして無理に飲み込むと、モスマの両目を一心に見た。そしてまるで自分の負けだ、とでも言うように腹を割って話しはじめた。大丈夫、モン・モスマは自分の心情を語る上で十分に信用のおける人物だ。
「時々思う。私たちに勝利はあるのかと」
「あなたは昔と変わったわね。共和国軍創立にひどく遺憾を示していたベイル・オーガナは勇敢だったわ。たったの1週間前までの、ジェダイ狩りがはじまるまでのあなたもよ。スキャンダルを恐れる事なんてなかったのに。誇りを持って、立派に自分の勤めを果たそうとしていたのに!それが今では落ちぶれてしまったのね」
ベイルは居心地が悪くなり、ソファの上で座りなおした。
「やめてくれないか・・・!」
ベイルは語尾を荒げ、モスマの次に出てくるであろう言葉を制した。
「ごめんなさい」
「・・・・すまなかった。本当に」
ベイルは取り乱している心を落ち着けるためにもう一口紅茶をすすると、かわいた唇をなめた。
モスマの付き人のチャドラ・ファン人女性が書類の一つを開く。
「オーガナ議員。これが同志の名簿です。読み上げましょうか?」
「いや、いい」
もしかしたら盗聴機がこの部屋につけられているかもしれない。それにこれだけは自分の目で確かめたかった。
手渡しされた書類の名簿をざっと目に通す。ガール・ベル・イブリス、ゾー・ホウラー(アンクス)、ヤルア、チー・イクウェイ、ギディーン・ダヌーなどなど・・・・
「モン、これだけの議員が本当に仲間なのですか?ここには恐らく2000近い同志の名がある。しかし実際はほとんど中立の姿勢をとっているものたちばかりです」
モスマはそれを聞きながらふんふんとうなづいた。
「ええ、確かにそうです。もう反対政権ができてから二ヶ月半がたとうとしているわ。気づき始めた彼らを行動に駆り立てるのはほとんど無理なのが現実です。皆々が皇帝を怖がっているのです」
「ええ、そうだろうとも。私たちも賢明にそうすればよかったんだ」
ベイルはまたもや語尾を荒げた。モスマは今度は落ち着いた様子でまるで幼い子供に話し掛けるように言った。
「ベイル、お願いだから・・・お願いよ。今、この新共和国を救うにはあなたと私が力をあわせる必要があるのよ」
「共和国を救う・・・か」
ベイルは紅茶を飲み干した。するとすぐさま察した3PОがとことことやってきて、お盆の上にカップをのせ、自分の主人に、
「お代りはいかがでしょう?」
と上づいた声で尋ねた。
ベイルはそれには答えず、ただドロイドの胸板を軽く押した。
「ええ!分かりましたとも!」
3PОはヒステリックにも聞こえかねない声をだし、踵を返して奥に戻って行った。
「分かった・・・モスマ元老院議員」
ベイルは先ほどとは打って変わった、彼の出す最大限の重みのある声で言った。
「協力することを約束します。必ず、この誓いをやぶることはもうありません」
「ありがとう。ベイル、あなたは今分かれ道の上にいるの。ここで道を誤まってパルパティーンとの妥協なんて道を選んでしまっては、永遠に政府を変えるチャンスはずっとないわ」
モン・モスマはここではじめて生ぬるくなった紅茶に唇をつけた。
「先ほどの話に戻りましょう・・・」とベイル
「ええ、もちろんよ。けどそれにはシャンドリラからある人物の到着を待たなければいけないわ」
「ある人物?誰ですそれは?」
モスマは微笑んだ。

ベイルはすっと立ち上がると、昼間の光が降り注ぎ、スピーダ―の飛び交っているメガロポリスに目を凝らした。
ベイルの目の先にはジェダイ聖堂と同じくらい巨大で、威厳高い建物がある。
そこにはパルパティーンがいるのだろうか?そして彼もこちらに眼を向けているのだろうか?
ベイル・オーガナの先には大勢の人々に支持さえて晴れ晴れしく完成したインペリアル・パレス、皇帝の住居があった。


[49] (無題) 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/06/02(金) 20:30 47vIZtbtmL.)

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5、二人の息子

貴賓席からアリーナを見ていたサイルが、少しばかり観客席の端ほうを向いたとき、彼の目はそこに釘付けになった。
彼と同じ黒髪をした青年が、一人で座っている。
それは間違いなく、息子の一人であるウェクだった。ウェクが生きていた。やはりこの国に来れたのか!
サイルは喜びを抑えられず席を立ち上がった。
「後継者の方、少し失礼させていただきます」
そう言ったサイルを、隣にいたヴァルトアは眉をひそめて見た。
「構わんが・・・君まで参戦する気かね?」
「いえ、ささやかな希望がかなったんです」
サイルは一礼し、すぐその場を後にした。

サナはキップの視線が自分に注がれているのを感じた。彼がこの惑星に来ていることは知っていたが、まさかこんな形で会うことになるとは思っていなかった。彼と会うのはたしか・・・5年ぶりだ。目の前のキップは、昔のような背が高い痩せた青年ではなく、逞しい体つきの戦士になっていた。それに比べ、私はちっとも変わっていない・・・。まあ、銀河を放浪しながら修行を積むうちに、傷は嫌というほど増えたけど。
二人はしばらく黙っていたが、やがてキップが口を開いた。
「意外だな。君がこんな人目につく競技に参加するとは」
返す言葉もなく、サナは黙り込んだ。何も好きこのんで競技に参加したわけではない。
シュナイブとともにテムエラ国に来た彼女は、まず疲れを取ろうと、休める場所を探した。だが、この国には外部からの客が少ないせいで、宿が一軒しかなく、また宿泊代がとんでもなく高額だったのだ。そこで、仕方なくこの競技で金を稼ぐことにしたのだが・・・。
「いったいここに何をしに来たんだ?」
キップの口調はさっきより厳しくなった。
「あの、お金が必要になったの。いろいろあって」
サナは少し恥ずかしくなりながら言った。少なくとも、これは間違った答えではない。キップが呆れた表情を浮かべ、鼻を鳴らす。
「ジェダイが金稼ぎか。やれやれ」
あなたこそ、交渉の任務はどうしたの?彼女はそう言ってやりたかったが、口に出す勇気が足りなかった。
「まあ、丁度いい機会だ。君と戦うチャンスなんて滅多にないからな」
キップはにやっと笑い、スタッフを構えた。
「かかってこいよ。金くらいなら万が一俺が勝っても、君に全部くれてやるさ」
その言葉に、サナは少しばかり頭がカチンときた。言葉での攻撃ほど、彼女が嫌っているものはない。
キップは昔からそれを知っているのに。おそらく、挑発のためにわざとやったのだろう。そう思うと気に食わなかった。
サナはスタッフを低く構え、相手の攻撃に備えた。

キップが最初に動いた。突き出した一撃をサナが受け、逆に攻撃を返す。二人は、じりじりと移動しながらこれを繰り返した。スタッフで打ち合う動きが次第に早くなっていく。この光景に、静かだった観客席が沸き立った。

少し離れた場所からこの戦いを見ていた者がいた。ケル・ドアのジェダイ、マクーンだ。彼は二人が消耗するのを待って攻撃をかけるつもりだった。格好から察するに、あの女性もジェダイなのだろう。しかも、小柄な体に似合わず、なかなかの腕らしい。いいぞ、二人ともせいぜい疲れてくれよ。二人が疲れきったところを狙えば、俺の勝利は確実だ。戦いは楽にやる。これが彼の鉄則だった。

キップは感心した。彼は相当修行をしてきたつもりだったが、武器の扱いや技に関してはサナのほうが一枚上手のようだ。彼女のスタッフは流れる動きでキップの猛攻をたくみに防ぐと、癖のある型で反撃してきた。そのどれもが創意工夫に満ち溢れている。だが、彼女にはキップが持っているような強力なフォースがない。キップはサナの複雑な攻撃を、フォースの力を借りて予測して、それほど苦労せずに防ぐことができた。そうとも、こちらがミスをしなければ、勝機なんていくらでもある。彼はそう思い、繰り出されたスタッフを受け、反撃に出ようとしたが、サナが容赦なく攻めかかり、彼に攻撃の隙を与えようとしなかった。キップがジャンプで宙返りをうって着地し、間合いをとる。今度はこっちの番だ。すぐさま彼は自分から攻撃を掛けにかかった。

マクーンは自分の目を疑いはじめた。キップもあの女性も勢いが落ちるどころか、さらに速いスピードで戦っている。
彼とは比べ物にならない。
俺と同じジェダイだというのに・・・。
マクーンはおもわず持っていたスタッフをぎゅっと握り締めた。
「くそ・・・これじゃ漁夫の利は無理だな」
こうなったら、二人が戦いに夢中になっている間に割り込むほうが良いかもしれない。攻撃をかけるなら、今がその時だ。

「ウェク!ウェク!」
観客席に座っていた黒髪の青年はその声に驚いて振り向いた。
「父さん!」
次の瞬間、彼は立ち上がり父に飛び込んでいった。
「ウェク、よくここに来たな!無事でよかった」
サイルはウェクの髪をくしゃくしゃに撫で回した。
「ああ、父さん。あの人が助けてくれたんだ」
ウェクがあごでしゃくった先には、先ほど見たケル・ドアの男がいた。
「父さん、シュナイブは?」
「一緒じゃなかったのか!?」
父は雷が落ちたような顔になった。ウェクの顔が沈む。
「俺は、シュナイブとはぐれたんだよ・・・」

戦いはまた激しさを増した。スタッフが唸り、回り、ぶつかる。キップとサナのどちらも、一歩も相手に優勢を譲らなかった。それを見ている観客達の歓喜の叫びも止まない。
キップはなんとかしてサナの手からスタッフを叩き落そうと、知っている限りのあらゆる手を使った。スタッフをひねる、突き出す、振るう。そのどれ一つとして成功しない。だが、それはサナも同じだ。キップもフォースを通じて彼女の攻撃を予測し、けっして決定打を与えなかった。二人は周りに目もくれず、夢中で戦っていた。
その時、予想外のことが起きた。
あのケル・ドアが二人の間に勢いよく割り込んできたのだ。キップは彼の攻撃をあっさりはじき、フォースを使ってアリーナの端に吹き飛ばしたが――
続くサナの攻撃に対応できなかった。彼のスタッフが宙を舞い、音を上げ、むなしく地面に落ちる。
気がつくと、あたりは既に歓声でいっぱいになっていた。

貴賓席にいた後継者が立ち上がり、ヴァルトアが手に持っていた小型のスピーカーでで声をとどろかせた。
「民の方々、どうか静かに願いたい」
今度はセルダがスピーカーに口を近づけた。
「今回のウェスタクスは非常に興味深かった。優勝者はこの国の者でもなく、普通の人間でもない。だが――」
セルダは一呼吸置き、それから言った。
「私もヴァルトアも大いに楽しませてもらった。優勝金は、彼女がもらうにふさわしい!」
観客がこの言葉に、再び沸き立った。

「まったく・・・酷い目にあった」
マクーンはそう呟いて、のろのろと立ち上がった。衝撃を受けた尻がひりひりする。痛みが治まるのまで少し時間がかかりそうだ。
「大丈夫ですか?マクーンさん」
いつの間にか傍に来ていたウェク・ユーエイが心配そうな顔で言った。いや、彼だけではない。長身の人間の男が一緒だ。男はマクーンの前に進み出た。
「私はサイル・ユーエイ。以後、お見知りおきを。息子を救っていただき、お礼の言葉もない」
「なあに、お安い御用だ。ところで、何でこの惑星にはジェダイが大集合してるんだ?」
マクーンはちらっとアリーナの中央を見た。そこでは先ほど優勝した女性が、表彰台で後継者から賞金を受け取っている。
「キップ・デュロンはこの国の王の後継者を決める交渉任務で来た。だが、あの女性のほうは良くわからない。キップと知り合いらしいがね」
「交渉?あのキップ・デュロンが?」
マクーンの驚きに、サイルは眉をひそめた。
「何だ・・・問題があるのか?」
「君はキップがどんな男なのかを知るべきだぞ。あいつの噂の半分でも話せば、任務が絶望的に見えてくるだろうよ」
サイルは少し唖然としたようだった。
「そうか・・・それは・・・困るな・・・ところで、君はここに何をしに?」
「ああ・・・特に用って程のことはないんだが」
マクーンは落ち着き払って言った。
これは嘘だ。彼にも任務はある。だが、決して知られてはならない任務だ。
「そうか。なら一緒に宮殿に来ないかい?最近は後継者の暗殺も起きているのだが、ジェダイがいれば充分な防衛になる」
ほう、そいつは好都合だ。宮殿に侵入する手間が省ける。マクーンはちらっとそう思った。
「ああ。俺でよければ同行しよう」
「ありがたい」

その日、サナは国で一躍有名になり、町の人々が彼女を一目見ようと集まってきた。
だが、サナはそれらを避けて帰り道を急いだ。なぜなら、彼女を頼って、待っている人がいるから。
やがて、サナは下町に一つしかない宿に着いた。この国は外部からの入国者が殆どいないのだ。そのため、宿泊料も非常に高い。中に入ると、カウンターにいた老人が微笑んでいた。
「あんたの試合を見たぞい!まったくもって凄かった!」
「それは・・・どうも」
サナは曖昧な返事をして、手に入れた賞金7万クレジットの中から宿泊代1000クレジットを取り出し、カウンターに置いた。
老人がサナを睨んだ。
「金なんて要らん。タダでいいわい!あんたの戦いっぷりには楽しませてもらったからのう」
「でも・・・宿泊代を稼ぐために、わざわざ大会に出たんですよ」
「構わん構わん!あんたに会いに来る輩がここに来たとき、見物両をたっぷりいただくつもりじゃ」
私は展示品じゃないのに。サナは口に出して言おうとしたが、老人の好意を考えて思いとどまった。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
彼女はカウンターのクレジットを自分の砂色の荷物袋にいれ、二階の部屋に上がっていった。

「ああ、サナさん。お帰りなさい!ホロで見てましたよ、あの活躍!」
部屋に入った途端、シュナイブ・ユーエイが暖かく迎えてくれた。
「ああ・・・そう」サナは思わず赤くなった。人に賞賛されるのにも、そろそろ慣れていいころなのに。
「お夕飯、もう食べたの?」
「いえ、まだです」
「じゃあ、頼みましょうか」
その時、待ち構えていたかのように勢いよくドアが開き、数人の従業員が笑顔で駆け込んできた。
「ご注文は何にします?バクラン・シーフードサラダ、バンサ・ニュー・ステーキ、カラマリ・ソテーとその他沢山揃っておりますが」
サナとシュナイブは、しばらく唖然としたままだった。

キップはサイル、マクーンと一緒に、宮殿の窓から景色を眺めつつ談笑していた。
「――その活躍が認められて、俺はアウターリムで賞賛されたのさ」
キップが得意げにそう言った。彼が話しているのは、この任務にくる一ヶ月前のアウターリム海賊事件のことだ。三人はこの他にも、ダークジェダイの襲撃の事や、この星に来たいきさつなどを話し合っていた。
「騙されるなよ、サイル。彼の言ってることは間違いだ。本当は海賊が奪った宝ごと船を撃沈して非難を浴びたんだ」
マクーンがわざと大きめの声でサイルに耳打ちする。サイルはくすっと笑い、それから言った。
「これではどちらの言うことが正しいのかわからないな。話題を変えないか?」
キップもマクーンも同意した。
「じゃあ、サイルに聞こう。俺はウェクと一緒にいて話したんだが、どうして自分がジェダイだということを隠していたんだ?」
「ああ、そのことかね」サイルはつかの間、思案顔になった。
「そもそも、ジェダイの道は過酷なものだ。危険と常に隣り合わせだし、責任も付きまとう。シュナイブもウェクも、長い間平和な環境で過ごしてきたせいで、世の中に対する厳しさがかけてる。だから、ジェダイのことは、彼らが大人になってからじっくりと話し合うつもりだった」
マクーンは納得したように頷いた。
「大人になる、か。ウェク・ユーエイにはまだ先の話だな」


[51] ・・・あげ 投稿者:鉄人戦隊オンミツジャー!! 9xk5mfOT6D2 (2005/11/14(月) 23:21 HNFSirx8y4g)

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スターフレイター――クローン大戦開戦当時、多くの難民を輸送するため客船に改装されたスター・シップの一つ。
一隻で三万もの人々を輸送することができ、通常は特級は3級のみだが、中には2級まであるスターフレイターも存在していたという・・・

          スターフレイター
一章 浮遊

漆黒の闇には一隻のスターフレイターが音を立てるまでも無く滑るように進んでいた。
近くにはオレンジのガス惑星ヤヴィンが静かにスターフレイター<ランディクション>をオレンジ色に染めている。
その<ランディクション>の老船長は何時になれば終わるか分からないハイパードライブの修理終了を待っていた。
乗員人数は離陸時に知っている。
さらに食糧を人数で割ると二週間分ということも同時に把握していた。
そして五日でハイパードライブの休息の為ハイパースペースを出た途端に故障だ。
まったく、悪意すら感じるよ。このボロ船は・・・。
そんな瞑想に浸っていると船員の一人が報告する。
「船長、修理の70%が完了しました。あと三じゅ・・」
船員の口が閉じる前に船長が口を挟んだ。
「それがどうした?ワシは結果が聞きたい。途中報告などただの気休めだろう。全てに片がついたら聞こうか」
そうだ、途中報告などただの気休め。途中報告が良くとも結果が悪ければ意味が無い。逆ならまだしもな・・。
そんな意固地な船長は船長室に背に腕を組みながら向かい、靴をコツコツと鳴らしながらドアまで近づき、暗証キーをパネルに叩き込んだ。

同時刻二等客室の角――
「姉さん。こんなボロ船、ジャックしてどうするんですかい?特別いい女がいる訳でもなさそうだし・・・」
少々顔の汚い男がなかなかの顔をしていてグラマーな女に訊いた。
「女じゃなくて男だろ?まぁいいさ。あたいの目的はあの爺さんがまだ“アレ”を持っているかってことさ。そのためにわざわざハイパードライブまで壊したんだ。失敗はできないからね・・・」
訊ねた男は未だに混乱しているようで、顔が元の顔より酷くなっている。
「悪い。アンタの頭の中を考えてなかったあたいが悪かった。それよりもアンタはコムリンクで実行しろと伝えてくれ。実行は十五分後だよ」
醜い男は二つ返事で腰から白く小さな筒を取り出すと周波数を合わせてグラマー姉さんの伝言をそのまま声に出す。
そのグラマー姐さんはスイッチが一つ付いた古典的な送信機を持ち、指で弄んだ。
「楽しみだねぇ、あの頑固爺が慌てる姿が見れるなんてねぇ・・・」

同時刻三等船室――
四角い貨物を四つ並べた安易ベットから一人の男が落っこちた。
太ももには一本ずつソルジャー・ナイフがベルトに納まっており、腰のベルトには小さなポーチが一つとサーマルデトネーターが何個か付いている。
胸には斜めにベルトを掛けており、真ん中には正式名称ウェスター34デュアル・デロリアン合金製ブラスター、一般的に分かりやすく言えば銀河最強の賞金稼ぎジャンゴ・フェットが使用していたブラスターと言えば分かるであろうブラスターが一丁ホルスターの中で輝いていた。
顔はイケメンとは言えないが中々の顔立ちだ。
流石に寝起きでは頭が少し寝ている。
そしてその小柄な男は大きく背伸びをしながら欠伸を大きく口を開きながら息を吐き出し、眼をこすった。
目の前の窓からはオレンジ色の惑星が眼に映る。
「・・・ヤヒィン?」
寝ぼけた声からは濁点が消えていた。


[53] (無題) 投稿者:インダー・セクター・ノースカロライナ sImhCkql5WI (2005/11/17(木) 15:55 E23/JzFvkUU)

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>>48の続き

ケッド・グリーブナとディードン・ナッシが乗ったARC170スターファイターは半日のハイパードライブを経て、オード・マンテルの上空に踊り出た。
工業惑星であるオード・マンテルは裕福な惑星とは言いがたい。そこでは犯罪があふれ、多くの星系がこの惑星をただのゴミ捨て場としか考えていない。この惑星に降り積もった産業廃棄物が減ることは永遠にないだろう。だが、この星は環境的には苦しいところではない。少なくともそこで普通に生活していればそれなりの天寿をまっとうできた。ディードン・ナッシもそんな理由でここにぐずぐずと居残りつづけていた。
グリーブナはナッシから多くのことを学んだ。そのうちにこの男がそこらへんにいくらでもいる詐欺師ではなく、部下を従えている一介の「親分」であることも知った。
やがて、予定通り、スターファイターは大気圏内に入り、無事に地表を見る事ができた。そして機は見事に着陸した。
「ありがとよ」
ナッシはキャノピーから出るなり、グリーブナに言った。
「どうだ、俺のところに来ないな?ミスター・ジェダイ」
グリーブナは身構えそうになった。もし頭がこれほど冷静ではなかったらこの男を斬り捨てていただろう。だがこの男が役所にジェダイの存在を告げ口するとは思えない。それにナッシの申し出は少なからずありがたかった。
「遠慮する事は無いぞ」
ナッシは言う。
「居候はもうすでにたくさん抱え込んでいるんだ。賭場の仕事は親から受け継いだんだ」
「ありがたい。よければ・・・」
「ああ、いいとも」
ナッシは顔を両手でぬぐうと、先導して歩き始めた。
2人は宇宙港を離れて、スラム街を歩いていった。ここの住民は皆々が薄汚れていた。だが、そんなことは苦にもしていないかのようだった。
2人はナッシの賭場にやってきた。なるほど、確かにこの町では一番大きい。グリーブナはこういったところをいくらか見たことがある。たいてい、こういったところにはトラブルが付き物だ。そして情報が一番良く集まる。
「ミスター・ナッシ」
グリーブナは賭場に入る前に問い掛けた。
「僕以外のジェダイを知ってはいないか?」
「知らないな」
ナッシは賭場に入り、あちこちから威勢のいい声がしている中を歩いていった。屋敷の中には大きな廊下が一直線に続いていて、その壁にあたるところの中から声がしている。どうやら引き戸のようだ。
「なら、新しく入ってきたような連中は?」
「わからないな。少なくともそれほど目立った奴じゃなさそうだ」
「そう・・・」
ナッシは引き戸の一つをあけて入った。グリーブナもそれに続く。
「よお!やっているな」
すると威勢のいい声がかえってきた。その声を発したローディアンは親分の後ろにグリーブナがいるのを見ると顔をしかめた。
「ナッシさん、あいつは?」
「俺の用心棒だ」
ナッシはどかっと座り込み、グリーブナもそれに習った。
「無礼すまんな。あいつはオドマンっていうんだ」
ローディアンのオドマンは再び賭けのほうに戻った。彼らがやっているのはどこかのリゾート施設にあるようなサバックではなく、何年も使い古しているようなサバックだった。
「ミスター・ナッシ、すこしはずさせてもらう」
「おう。もっともこの星の宿にはお前みてえなやろうを留めてくれるようなところはねえぞ。特に・・・」
「騎士の名はふせてくれ」
グリーブナは言い、部屋を出て行った。

それから2時間ばかりたったころ、ケッド・グリーブナはこの惑星に来るまでの疲れも災いして、くたくたになって情報収集から戻ってきた。そのころにはナッシの賭場はなるほど確かに繁盛している。様々な種族が入り乱れ、その中にはちらほらと上品な顔立ちをした者が何かいかがわしい者と会話しているのも見えた。
「ディードン・・・」
グリーブナは少しおどおどしながらも聞いた。何も恐れる事はないのだが何かと周りにいる子分たちの目が気になって仕方ない。案の定親分の周りに群がっている子分たちはいっせいにグリーブナに視線を投げかける。
「ああ、戻ってきたかケッド・・・」
その言葉がいい終わらないうちにナッシはぐいとグリーブナを自分の目と鼻の先まで引き寄せると小声で言う。
「俺のことを今は気安く呼ばないでくれ。こっちにも面があるんだ。いくらあんたが協力してくれたから助かったとしてもだ。言っておくが、俺は宿を貸してやってんだ。それも何も感謝してじゃねえ。ちょっとお前のことが気に入ったからさ。うぬぼれるなよ「ミスター・ジェダイ」」
「すまない・・・」
グリーブナは力いっぱい自分の体を離すと、自分の荷物を置いていった個室に入った。そこはそれほど広くはないがなかなかの部屋なのだろう。グリーブナは何も床にしくことはなく、ただ呼吸さえしないように眠りこけた。ケッド・グリーブナは警戒を怠る事はないように睡魔と闘っていたが、それも時間の無駄だった。ケッドはあっという間に眠りに落ちていった。
その姿をそっとのぞいていた人がいた。それは人間の女だった。逞しい筋肉ですらりと背の高いその女はまだ若く、歳は多く見積もっても20歳を越えていないだろう。女はグリーブナが寝たのを見届けると、音をたてることなく、賭場のほうへと帰っていった。
「おう、キエル」
ローディアンの子分、オドマンが声をかけた。オドマンはデフェルとアイソリアンのサバックゲームの審判をしていた。キエルまるで猫のようにしなやかな物腰でオドマンの隣に座ると、ローディアンの不愉快な体臭にまったく動じることなく、オドマンの耳元に顔を近づけた。
「あの男、眠りこけてしまったわよ」
「本当か?ごまかされたんじゃねえのか?」
オドマンは怪訝な視線をキエルに向ける。キエルは眉間に小さな皺を寄せ、反感をしめした。
「あんたは私をそんなことも分からないようなスパイに育てたの?そんなんじゃ親分の役にたてないじゃない」
「ああ、分かってるさ、我が娘よ」
オドマンはいくぶんか酒を飲んで、酔っ払っていた。そしておもむろにキエルの華奢ながらも意外としっかりした感触の肩を組むと、
「俺はお前が市場にいるところを買い取ってやったんだ。あのまま人食い族に売り渡してやってもよかったんだが、なんだかな、お前に情を感じたんだ。それから俺はナッシの親分の許可をもらって、お前を立派なスパイに育て上げたつもりだ。銀河一のな!!」
キエルはそれがいい終わらないうちにするりと抜け出した。
「ありがとう、感謝してるわ」
キエルはすくっと立ち上がるとすぐにそこを立ち去った。
「お、おい、ったく、酌でもしてもらおうかと・・・」
「オドマン!!」
オドマンは顎を捕まれて、くるりと本来見ていなければいけない方向に視線を戻させられた。やったのはデフェルのほうだった。
「見てたか!?」
デフェルの博打打の荒々しい質問にオドマンのずるがしこい脳みそは高速回転をはじめた。
「ああ、もちろんだとも!!」
サッバクカードが散らばっているところを見るとどうやらイカサマをどちらかがしたらしい。
「ああ、判定だな?よしじゃあこうしようじゃねえか」
オドマンはそう言うなり、2人の前から積み上げられたクレジットを取り上げた。そしてそれをおもむろに懐にしまった。
「こいつは俺がもらってやろう。この賭場に役立つようにな」
オドマンはそういうと2人の目をしばし見つめ、それが終わると普段通り立ち上がり、すたすたとその場を後にした。


[54] (無題) 投稿者:Mr.RATAMACUE vId3OjBL2S. (2005/11/19(土) 21:18 VhjaR5OGsio) [SAGE]

20thfox

ジェダイ・ホロクロン:ディル=ラウ・イノヴェンの生涯

1.はじめに

コルサントを覆う灰色の雲は私の心を映しているようだった───

 私はディル=ラウ・イノヴェン。共和国に仕える平和の守護者、ジェダイの一人だ。まぁ、今ではそのジェダイもただの兵士だが・・・。クローン戦争が勃発してから私の生活は百八十度変わった。それまでの私はジェダイ聖堂で、幼いジェダイ見習いにフォースの道を教える役目を担っていたのだが、戦争が始まり一変、戦地に駆り出され、クローン兵に指示を出し共に戦う共和国軍将軍に任命される。だが私にはどうやらこの任務は重すぎたらしい。日を重ねるごとに私の心の海は干からび、機械的に指示を出し敵を討つ将軍となってしまっていた。そして、亡き師から受け継いだ教えが自分の中から抜け出すの感じた時、私は敵の一発の弾によって大怪我を負う。フォースに自らの神経を集中させて行動することを忘れれば、私はただの人間と同じ存在。敵の攻撃を光刃で弾くことも出来なくなった。
 両足の大部分を失う程の大怪我を負った私は今、コルサントの医療センターに入院している。下半身をドロイド化することを医者に進められたが、手術をして義足を得たとしても、もうジェダイに戻ることは出来ない。そう悟っていたため、私はその誘いをはっきりと断った。それからはずっとこの病室で生活している。私は自らの墜落の様を後世のジェダイのために残そうと考えた。悪い見本を示すためである。そして私は自らの半生を古代から伝わるジェダイの記録装置「ジェダイ・ホロクロン」に記録することにしたのだ。


[55] (無題) 投稿者:左手 vBMq9CF4nmU (2005/11/25(金) 18:28 r1fRyiOKWYs) [SAGE]

ig88

>>46の続き。
第二話〜船内〜

オードマンテルを出発するとバリスは座表計算を始める。
バリスは機嫌が悪いらしい。怒った時や不満が有る時は右手の人差し指で頭をコツコツと叩くのだ。今、バリスは頭をコツコツと叩いている。
カリルはバリスの機嫌が悪いらしい事を見抜くと、にやけながら
「何かあったのか?機嫌が悪いみたいだが。」この言葉に対してバリスが怒りを現にした。
「てめぇ、カリル。何言ってやがる。俺の機嫌を悪くしたのは他ならぬお前だろう。」
久しぶりにバリスが怒鳴る。カリルは驚いた、“自分が何か悪い事をしたか”と考えたが
思い当たる節は無い。思い切って聞いてみる。
「何か俺が悪い事をしたか?別にお前をちゃかしてもいないだろう。」静まり返る船内。
自分が何か“マズイ事でも聞いたんだろうか”と思ったが解らない。
バリスがゆっくりと口を開いていく。
「解らないなら良いよ、教えてやる。何故ずっと黙ってた?」穏やかな声だ。そう思うと
安心した、がカリルは焦った。この事はまだ話さなくて良いだろう。と判断したカリルは
「何でもないよ、大丈夫だ。」バリスが納得するかどうかが気になる。
バリスは心の中では“やっぱりか”と思っていた。こいつは何か隠し事が有ると
「何でもない、大丈夫だ」って言うんだよな・・・素直に悩みを打ち明けてくれれば俺だって力に成れるのに。バリスは相棒に対する軽い失望を覚えた。
そう思ったが、カリルには
「分かった。なら良いよ」と、出来るだけ納得した様に聞こえるよう頑張った。
少しの間、船内に沈黙が流れる。
「そういえば何故奴らはコルサントに艦隊を向けたんだ?」だしぬけにバリスがカリルに話しかける。
「帝国もまさか自分達の主要都市に敵が来るとは思っていないだろう。裏を欠いたのさ。」
「そうか。」
賞金稼ぎとしてはバリスの方が経験が多いが、知識等の面ではカリルの方が秀でているのだ。
船がハイパースペースへとジャンプをした。

>>81の第三話へ続く


[57] バランスを取るための加筆修正をしました。原作は>>40、>>50 投稿者:クラベス AJmyjEtQNkE [Web] (2005/11/19(土) 13:09 1rNH3rmHBLg)

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若き日のクワイ=ガン・ジン物語
遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・
 平和な銀河共和国に突如として争乱の時が訪れた。元老院は共和国の極度のインフレの打開策として、今まで使用されてきた通貨を全て無効とし、新たに紙幣を発行する法案を提出。国民には全く不満のないいきとどいた配慮が多く組み込まれていたため、この案は大成功に思われた。しかし、邪悪でがめつい銀河ハット連盟がこれにしぶとく反発。彼らは密かに組織した自警軍に軍事要請し、またジェダイ評議会を去ったスコービット将軍もこれに寝返って事態はさらに悪化した。一方、戦争が激化することを恐れたジェダイ評議会は、二人のゲリラをスコービット将軍の船に送るのだった。

第一章 潜入
「マスター・ドゥークー、ここは危険です。裏から回りましょう」
 若きジェダイ、クワイ=ガン・ジンが輝く青のライトセーバーを起動させながら言った。しかし、彼の師はその威厳を守ったまま身じろぎもしない。
「クワイ=ガン、ドロイディガなど我々にとってはなんでもない。正面から突破していけばいい」              
 ドゥークーは低く、透き通った声でゆっくりと言った。口元にはほんのわずかに嘲笑の色が表れている。
「自信がないのかね?」
「しかし、ですねマスター・・・」
 クワイ=ガンはそれでもおぼつかない様子で顔をしかめた。
「君は物事の真髄を見抜いていない。人生に退屈したくなかったら、少しは賭ける事を覚えるんだな」
 彼の言葉には威圧感こそなかったが、その貫禄で弟子はついに折れ、いつもこれだというあきれ顔で彼についていった。自動で入り口が開き、二人は中に入った。
「お出迎えだぞ」
 ドアの向こうからは何千ものバトルドロイドが溢れ出してきていた。カチカチと耳障りな足音を立てながら、我先にという足取りで迫ってくる。二人は背中合わせになり、大きく息をついた。
 それからは一瞬のできごとだった。二人はライトセーバーでことごとくドロイドを破壊し、最後の1体は難なくフォースでばらした。ドロイドの残骸は火花をあげ、砕けた部品がカランカランと床を回っていた。
「人間を雇うこともできないのか、ハットどもは・・・」
 ドゥークーがドロイドの残骸を見下ろしながら、ため息混じりに言った。
「問題はスコービットの軍ですよ、マスター。ヤツは何故ハットなんかに寝返ったんでしょうか。いくらヤツが近代でもっともすぐれたジェダイであったとしても、さすがに多勢に無勢です。共和国の勝ちですよ」
 クワイ=ガンは考え深げに言った。ドゥークーは肩をすくめ、まるで、銀河全てを軽蔑するような目で壁を見据えた。
「クワイ」
 ドゥークーはおもむろに顔をそむけ、胸の奥底からふんと息を出した。
「お前は……この共和国をどう思う?」
「へ・・・?」
「元老院は・・・あきらかに腐敗しているというのだ。今回のような戦争がまた何度でも起こってみろ。あっとう間に国民の安泰は崩れることだろう・・・。平和主義だのとうつつを抜かして、結局、ない軍備をジェダイに補わせている・・・」
 クワイは、師匠の不可解な質問に疑問をもった。なにか自分だけの正義を掲げる師匠は、何度も見たことがある。そんなとき、彼は必ず夢見ごこちで目を光らせていた。クワイ=ガンは、そんな自分の師匠が好きだったし、尊敬もしていたが、こんな風に質問を振られたことは初めてのことであった。
「私は・・・」
「まあいい、いずれ話そう。時が来たらな。ほら、また来たぞ。鉄が」
 ドゥークーはクワイ=ガンの答えをさえぎり、真っ直ぐと目を見つめた。クワイ=ガンは不思議でたまらなかったが、目の前のバトルドロイドの数を見て、今ある問題に精を出すことにした。
 裕に、2万はいる。一人一人が完璧な列を作って、ブラスターを片手に少しずつ近づいてくる。肩は、ゆらゆらと揺れ、今にも編隊を横に開いて囲まれてしまいそうだ。
「シネ、ジェダイ」
先頭のドロイドがそう言うと、一斉に銃口が火を噴いた。クワイ=ガンとドゥークーは背中合わせになって、双方に散った。飛んで、蹴って、斬る。ドロイドはライトセーバーでもろく崩れるが、これだけの数だと、全ての銃口に注意していなければならないので、かなりきつい。あらかた倒し終わってふと部屋を見ると、さらにドロイドが出てくる。
「きりがないな」
 ドゥークーは頭上高くに飛び上がって、回転しながらばっさっばっさとドロイドを蹴散らしていった。ふと一体のドロイドが、クワイのすぐ横から飛び出してきて、クワイの腕をブラスターで一発撃った。
「くっ!!」
 傷は浅いし、クワイはそのドロイドを周りのドロイドも巻き添えにして切り払ったが、その瞬間にリズムがくずれ、バトルドロイドたちが一斉にのしかかってきた。ドゥークーが、叫びながら助けにやってくる。しかし、間に合わない。ああ・・・・。
「もうよい」
 冷たく、喉の中でたっぷりと反響させた声が聞こえた。クワイたちがいる部屋のもう一つ向こうの部屋からだ。
 その鶴の一声でおびただしい数のドロイドは一斉に猛攻撃を止め、散り散りに道を空けた。他でもない、スコービット将軍の通り道を。
「スコービット・・・、貴様は必ず自分から出向いてくると思っておった。貴様の血を流れる好奇心が、興奮が、そして強い独立心がさぞ猛っていることだろう・・・」
 ドゥークーはライトセーバーの光刃を一度消し、眼前の男に意味深にほくそえんでからまた作動させた。
「そこまでわかっているのなら・・・」
 真紅のローブに真っ黒なマントを着たスコービット将軍が進み出た。彼の背はドゥークーやクワイよりも一段と高く、狡猾そうな顔にはぎらぎらと野望に光る目があった。髪はオールバックで、わずかに不揃いの前髪がある。
「わが友ドゥークーよ、何故まだ共和国にいるのだ?お前はこの我輩よりも独立心が旺盛だ。規則、しきたり、時間的猶予、その全ての束縛から放たれようとしている。お前からそれを取ったら何も残らんだろうよ・・・」
「確かにそうかもしれないな、スコービット。しかし貴様は時期を間違えた。汚らわしいハットなぞに手を貸して、それが自分の何になる?私から独立心を取ってもまだ残る物があるぞ・・・それは、貴様にはない計画力だ」
 クウイ=ガンはいったい何をしていいのか分からなくて、じっとライトセーバーを握り締めていた。一筋の汗が手の甲を走る。今、自分の師の中にわずかに、しかしはっきりと悪を見た。
 二人の戦いは、クワイがこれまで見た戦いの中でも最も激しいものだった。ドゥークーが、持ち前のしなやかな動きでスコービットを壁ぎわに追い詰める。すると、将軍は空中に逃れ、上から反撃に出た。豪風を吹き荒らす打ち合いや、つばぜりを織り交ぜながら、しばらくこれが続き、スコービットが空中から舞い降りた瞬間、ついに勝負がついた。
 将軍の左腕は切れていた。
 スコービットは悲鳴一つあげない。はあはあという息づかいだけが、妙にクワイの頭の中で響く。
 ドゥークーは弟子を見やってふと瞬きすると、クワイ=ガンに向かってこう言った。
「クワイ・・・処分はお前が決めろ」

 クワイ=ガンは覚悟した。
「殺す・・・やはりそうなるんですかねマスター」
 クワイはドゥークーを横目で見た。その顔にはもはや持ち前の落ち着いた雰囲気がなく、息を荒げてスコービットをにらみつけていた。
「くくく・・・はっはっはっは!」
 突然スコービットが大きな高笑いをあげ始めた。狂気を入り交えた、何もかも割り切った笑いだ。
「どうした、何がおかしい?」
 クワイ=ガンはライトセーバーをさらに突きつけて問いただしたが、スコービットはまるでその場にクワイがいないかのようにドゥークーをじっと見つめていた。
「さぞやご満悦か・・・え?我が友よ。教えてやろう。行動を起こすのに、時期などないのだ。縛られたくなかったらまず、今を否定しろ。そうしなければお前はこれから死ぬまで評儀会のすねをかじって生きていくことになるぞ・・・」
 スコービットはうつろな目でニッと笑い、肩から下をぐらりと垂らした。彼はなおも語り続ける・・・。
「お前は我輩に勝ったつもりでいるだろうが、実はそうでもない。見るがいい。これが死を緩和した男の生き様だ」
 そうして彼は静かに仰向けになった。
 クワイはいったいどうすればいいのかさっぱりわからなかった。眼前で自らの運命を受け入れようとするこの男を、自分は殺すべきなのだろうか。それとも、ジェダイの教えを守って生かすべきなのか。ドゥークーは判断を仰ぐかのように、目をつぶり、瞑想に入った。
「私だったら・・・」
 クワイが出し抜けに言った。
「そんな風に命を投げ出した時点で、あまり尊敬は出来ないな。結局はマスターの勝ちだ」
「死刑執行人はただ黙って殺ればいいのだ」
 スコービットが仰向けになったまま、指摘するのも面倒くさいという風に言った。もはや何の表情もなく、空を見つめている。
「賢い判断とはいえない」
「なら生かせばいい」
 「しかし・・・」
 クワイ=ガンは再びドゥークーを横目で見た。彼は目を開けていた。
「もうよい、ジン」
 
 ドゥークーがやっと口を開いた。
「生と死の選択すらできぬようでは、まだまだ経験が足りなすぎる。下がっていろ、わしが殺る」
 ドゥークーはライトセーバーを起動させ、まっすぐに下ろしてスコービットの胸に突きつけた。と、その時・・・。
「シネ、ジェダイ」
 なんと、何の前触れもなく、停止していたドロイド軍が急に動き始めたのだ。
「下がれ、下がれといっておるのだ。これは我輩の戦いだ」
 スコービットが命令した。
「ジラール・ザ・ハット様カラノ最優先命令デス」
 ドロイドたちは一方的にスコービットを担ぎ込み、近くにあった脱出ポッドに放り込んだ。
「いやはや・・・、何だかんだで我輩は生き延びることになってしまったよ。運とは恐いものだ。もっとも、これもフォースの導きかもしれんがな」
 脱出ポッドはそのまま宇宙の彼方へと飛び去った。ドゥークーとクワイ=ガンはしばらくその場に突っ立っていた。


[60] し、死ぬ・・・ 投稿者:おん 9xk5mfOT6D2 (2005/11/19(土) 18:20 v0CugoCLj52)

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二章 オペレートスタート

オレンジ色の光が眼に焼き付きそうで顔を船内に向ける。
そしてふと、胃の寂しさに気が付く。
「ハラ減ったな・・」
彼はポシェットに左手を突っ込み、チーズを取り出してソルジャーナイフで一口分に切り取った。
そして口に放り込む。
流石コルサント、チーズまで鉄の風味だ。
口から鉄の風味が消え失せると男はソルジャーナイフを弄びながら立ち上がるとWCと書かれた部屋に歩を進めた。

「姐さん、準備完了ですよ」
さっきの醜い顔ではない男がグラマー姐さんに声をかけた。
指先には小型コンピューターのキーボードがあり、コンピューターの後部からはコードが何種類かつないであり、何本かはモニターへ、何本かはパイプまで伸びていた。
「よし、カメラを奪うよ」
男はうなずき、一回だけキーを人差し指で押す。
その直後、モニター群に鮮明な映像が流れた。
モニターには廊下や各船室、はたまた制御室やジェネレーターの映像が映っていた。
無論、船長室も映っている。
「これで監視カメラはこっちのものだよ。次は亜光速ドライブを吹っ飛ばすよ」
グラマー姐さんは指をスイッチまで伸ばし、押した。

「船長、監視映像が消えました」
船員は口を大きく開けて放つ。
「モニターの故障か?」
船長の老いた声が各船員の耳に入る。
「いえ、モニターは生きています。恐らくはコードが切れたと思われます。しかし、全てのコードが同時に切れる事など・・・」
「ジャックか・・・」
船員達は血の気が引く音を感じ取った。それも自分のものを。
「でも、こんな船をジャックして何の得がある・・・」
再び船員の言葉は途切れ、別の報告が飛び込んだ。
「船長!亜光速ドライブが停止しました。爆発です!」
監視カメラの故障、亜光速ドライブの停止。これは完全に・・・。
老船長の口が開いた。
「全ての区間の扉を閉めろ。確認したらロックだ。それと修理班にに緊急連絡しろ『さっさと直せ』とな!」
船員達の指がキーを滑り始めた。

WCと書かれた扉から出てきた彼は今までと変わったところを四つ発見していた。
その一、今まで微妙に感じ取れた揺れが感じられない。亜光速ドライブが停止したのか?
その二、ドアが閉まってロックの赤が表示されている。緊急事態なのか?
その三、なにやら皆静かになっている…というよりは怯えているといったほうが近いな。どうしたんだ?
その四、さっきは居なかった大柄でブラスターを持つ男が三人ほど追加されている。先ほどからの疑問はこれで解けそうだ。
「これは、何かのショーかな?」
彼は試しに質問してみる。
すると予想通りの返事が戻ってきた。
「まさか、スペース・ジャックに決まってるだろ」
大柄な男のブラスターの銃口は彼に向けられていた。


[61] 久々に投稿します。 投稿者:1138 jdeRXiEHDSA (2005/11/27(日) 18:13 QmkxLRltCdk)

trooper

 >>10の続き
 第一章 (後編)

 司令室から駆けだしてきた帝国軍将校はベイダーに向き直り、首を振った。
「ベイダー卿、情報検索システムはすべて初期化されております。」
ベイダーはかすかにうなずくと、船長の前に進み出た。そこで立ち止まると、無言のまま腕を伸ばし、彼の首をつかんで吊るし上げた。
「傍受したデータはどこだ。」ベイダーの声には殺気がこもっていた。
 船長は答えなかった。そんなものは知らないといった表情だ。だが、ベイダーのフォースをごまかすことはできなかった。この男はデータの事を知っている。
「データをどこに隠した!」ベイダーは彼の首をさらに締め上げる。船長はベイダーの手をふりほどこうとしたが、どうすることもできなかった。そして、とうとう口を開いた。
「知っているのは・・議員だけだ。」その声はしゃがれて弱々しかった。最後の言葉はほとんど聞き取れなかった。
 満足のゆく返答が得られず、ベイダーは彼をさらに締め上げた。首がへし折れ、船長は息絶えた。デッキに死体が転がる。
「艦内をくまなく捜索せよ。なんとしてもあのデータを奪いかえすのだ。」一息いれてから言い添える。「乗員を見つけたら生け捕りにしろ。」
 兵士たちが去った後、ベイダーはため息―もっとも呼吸機にそんな機能はないが、彼はそのつもりだった。―をついた。
(いやな予感がする・・・)


トルーパーたちは艦内を捜索していた。彼らは艦内の隅から隅まで調べているが、データはおろか乗員すら見つかっていない。あるのは反乱軍兵士の死体と、破壊された機器だけである。本当にこの艦にデータなどあるのかと、半信半疑に捜索をしているトルーパーもいた。ところが、彼がきびすを返し来た通路を戻ろうとすると、動くものが目に入った。暗がりに誰かが隠れている。彼はブラスターを構え、暗がりに踏み込んだ。乗員を捕獲できれば昇進ものだなと彼は思った。
 だがその望みはあえなく断たれた。一瞬の隙が彼の命を奪った。隠れていた乗員が、隠し持ったブラスターでトルーパーを撃ったのである。すぐさま銃声を聞いた兵士たちがなだれこんできた。乗員―白いローブを着た小柄な若い娘である―はこれにも光線を浴びせたが、反撃もそこまでだった。一人のトルーパーがスタンモードにセットしたブラスターで彼女を撃ち、気絶させた。トルーパーたちはすぐさま娘を取り囲み、武器を奪って、抱き起こした。
「命に別状はない。」下士官がいった。「ベイダ―卿に報告しろ。」


 トルーパーたちは捕らえた捕虜を連れて戻ってきた。ベイダーはその娘が誰であるかすぐに分かった。レイア・オーガナ元老院議員、オルデランの総督であり議員であったベイル・オーガナの娘だ。しかし議員というのは仮の姿で、彼女こそ反乱軍のリーダーであることをベイダーは確信していた。そしてデータのありかを知っているのもこの娘のみだということも。
 ベイダーは反乱軍の捕虜にやって見せたようにレイアにも恐怖を植え付けようとした。ところが彼女はおびえるそぶりもみせず、周囲の沈黙を破って口を開いた。
「ダース・ベイダーやはりあなただったのですね。外交使節を襲撃するとは、元老院にこれをどう正当化するつもりですか。」彼女の発言は完全に理にかなっていた。もしここが法廷で、対等な立場にあるならば、軍配は彼女に上がっていることだろう。だがあくまで対等な立場であればの話だ。ここは法廷でなく、これは話し合いではない。
「ごまかしても無駄だ。」ベイダーが口を開く。「反乱軍のスパイからこの船に情報が転送されたはずだ。」彼の言葉には根拠こそなかったが、有無をいわせぬ響きがあった。「この船は外交使節などではない。反乱軍どもの船だ。お前は反乱軍のかたわれだ。」彼の発言にもはや理性などなかった。ただ力と恐怖が圧力を加えているだけだ。だがこれはまぎれもない真実だ。彼のフォースがそう告げている。「連れてゆけ。」レイアはベイダーを睨みつけたまま、兵士にこずかれて遠ざかってゆく。彼はその様子を興味深げに見送った。やがて彼らがハッチの奥に消えていった。
 この一部始終を見ていた士官がベイダーに歩み寄った。
「この事が公になれば、元老院は騒ぎ立てるに違いありません。彼らは反乱軍を支持するでしょう。」しかしベイダーはそんな心配などは全くしていなかった。
「元老院のことは私にまかせておけ。それから広域通信網に遭難信号を流せ。隕石流の衝突による事故だと思わせるのだ。オルデランと元老院には全員死亡と伝えておけ。」これで十分だろう。元老院のことは皇帝が引き受けてくれるはずだ。
 先程とは別の兵士の一団が司令室に入ってきた。艦内を捜索していたグループだ。彼らはベイダーに報告をしにきたのである。
「データは見つかりませんでした。消去された又はどこかへ転送された形跡もありません。」これは満足のいく結果ではなかった。しかしまた捜索し直している時間はない。一体反乱軍はデータをどこに隠したというのだろうか。すると捜索担当の士官が一つ付け加えた。
「また戦闘中に救命ポッドが発射されましたが、生命体が乗っていないので誤作動だと思われます。」この報告を聞いたベイダーは自分の周囲の宇宙にフォースを送った。そしてポッドの存在を確かに感じた。それはタトゥイーンの重力に引かれ、少しずつ速度を上げて落下していく。内部にもフォースを送ってみたが、無駄だった。しかし何らかの違和感があった。彼はじっと考えた。
「あやしいな。データはその中かもしれぬ。念のため捜索隊を派遣してポッドを調べさせろ。」
 彼らが立ち去ると、彼は士官を振り返った。
「この船を爆破しろ。ポッドの誤射を軽く見てはならん。なんとしても機密データを捜し出して回収するのだ。」
「了解しました。ベイダー卿。」これで大丈夫だデータが見つからないのならば船ごと破壊してしまえばよい。万が一データが脱出ポッドに入っていたとしてもすぐに回収されるはずだ。後はあの生意気な小娘から反乱軍の居場所を吐かせればいい。そうすれば我らが帝国は安泰だ。
 ベイダーはエアロックを渡ってスターデストロイヤーに戻った。


 数分後、ベイダーは艦のブリッジに立っていた。彼の指示を受け、この艦はまもなくハイパースペースに跳躍する。秒読みはもう始まっており、周囲は各々の作業に没頭していた。しかしベイダーだけはビュースクリーン映る惑星を見て、物思いにふけっていた。
 タトゥイーン。彼がアナキン少年であった時の故郷だ。彼の人生の出発点、彼という存在が生まれ、成長した地だ。アナキン・スカイウォーカーの伝説はここから始まったのである。
 だがこの星は今の彼にとって、ダース・ベイダーにとっては禁断の地だ。彼はこの星には決して立ち入るつもりはない。たとえそれが機密データの入っているかもしれない脱出ポッドを調査するという任務であったとしても。なぜならば彼はこの星で悲しい記憶があるからだ。それは母の死だった。あの時彼は母に関する予知夢を見た。急げば母の死を未然に防ぐことができた。ところが、間に合わなかった。母は彼の手の中で静かに息を引き取った。この時彼の心は母を殺した―少なくともその原因となった―タスケン・レイダーヘの怒りで満たされた。そしてタスケンを皆殺しにした。ダース・ベイダーはこの時からアナキンの心に存在するようになり、今の彼に至っている
 思いを断ち切るようにベイダーはタトゥイーンから目をそらした。同時に星々の光が糸を引くようにのび、ビュースクリーンを覆った。艦はハイパースペースに跳躍した。
 後には砂漠の惑星がぽつんと浮かんでいるだけである。


[62] ほとんど挫折している自分の小説(個室っていう自体がおかしいかも 投稿者:やぼ(もとsuzu NAcjOWI8UxM (2005/11/25(金) 20:36 IwcBz8rgNo2)

boga

帝国の咆哮
 
遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・・・・
エンドアの戦いから九年後、帝国は壊滅状態に陥っていた。
エンドアの戦いで帝国は大敗し、皇帝は滅びた。さらにはスローン大提督の脅威やダーラ提督の復讐という小競り合いもあったがさらに帝国の力は弱体化していったのであった。そこで立ち上がったのがイーグス・ドミタル准将が帝国の再建をしようと立ち上がったのだった・・・・・・

第一部 動き出す帝国将校

第一章 復讐

インペリアル・スター・デストロイヤー<ロード>の個室にいるイーグス・ドミタル提督はビューポートから緑に染まった惑星――ソリダ――を見つめていた。
ソリダはアウター・リムの外れにあり資源が豊富で移住する民も多い。<ロード>はソリダ星系の惑星アルソルの裏に隠れている。
「准将」後ろから誰かの呼ぶ声が聞こえた。
イーグスはイスをくるりと振り向いた。「なんだね?大尉」
「ソリダが新共和国の加盟を現在交渉中のようです」
イーグスは一瞬驚いたが、すぐにその驚きは消えた。
「政府に説得させますか?武力で」
イーグスは首をふった。「無駄なことをする必要はない。わたしもソリダ星系の防衛軍の司令官とコンタクトしようとしている。三日後の夜に会うつもりだ」


[63] あ、三途の川が見えたよ、母ちゃん・・・ 投稿者:おん 9xk5mfOT6D2 (2005/11/23(水) 17:00 ueso30NcOzo)

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三章 “名無しの彼”

「スペース・ジャックに決まってるだろ」
男の銃口は確実に彼に向けられていた。
「そうかい、」
彼の口が少し開いたままの沈黙がコンマ数秒流れ、次の一言が続いた。
「助かったよ」
彼は微笑んでいた。
「何が、だ?」
大柄な男の問い、彼は答えを用意していたように答えた。
「テメェらが間抜けで」
彼は言い終わらないうちに銃口の先には居なかった。
「な!?」
男のホント間抜けに拍子抜けした声。
なにせ男の手からブラスターが抜けたのだから、それも真上に。
原因は彼の蹴り上げだ。
彼は素早く体勢を整え、跳躍し、真上に上がったブラスターを右手でつかみ、スタンに切り替える。
そして会話していた男を横にした。
この一部始終を見ていた残りの男はすぐさまブラスターを彼に合わせようとした。
が、合わせる間にもう一発のスタン独特の音。
最後に残った男はもう照準を合わさずに引き金を引き始めた。
赤い閃光が彼の髪を焦がし、他の荷物に当たる。
「部外者に当たったらどうすんだよ?」
ま、もうみんな部外者じゃないか。
彼は近距離から超近距離まで間合いを詰め、腹に四、五発打ち込んだ。
彼は倒れ横になっている男達の腕に手を伸ばして脈を計る。
OK、脈あり。
彼はモードをスタンに固定し、客員の一人に投げ渡した。
「目を覚ましたらブチ込んでやりな。殺すなよ」
彼は念を押してからドアまで行き、ロックをどうすれば解除できるか悩み、ふと見上げた。
通気孔―――抜け道発見。
「あの・・・」
後ろからかすれた声が聞こえる。
彼は振り返り、声の元が老婆だと気づく。
「名は・・・?」
老婆は少なくとも名前だけは知りたかったようだ。
ま、礼なんかいらないが。
彼は少し悩んでから答えた。
「・・・・・エックス、Mr.x(ミスター・エックス)とでも覚えておいてくれ」
彼―――エックスは老婆の返事を待たないうちに通気孔に突入した。

「・・・エックス・・ねぇ」
グラマー姐さんの感心したような声が漏れた。
「あいつらを倒すとは、しかも殺さずにねぇ」
「腕は良いようですが、性格が悪いですねぇ」
醜い男の声だ。
「しかし、まぁ、通気孔とはは流石に見れないわねぇ」
「でも、この船の通気孔は隣の部屋までしか伸びてないようですよ、姐さん」
今度は機械ヤローの声だ。しかも不気味に笑ってる。
「そんでもって隣の部屋は・・・二等船室(ここ)ですよ」
グラマー姐さんはクスリ、と笑う。
なるほど、こいつは・・・。
「楽しみだ」


[64] やっと更新 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/05/02(火) 22:49 5uJLtRshfqA)

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6,賭け

「じゃあ、君はまだキップを送ったことに反対なのかい?」
ルークは自分のオフィスで、ソファにゆったりと座りながら、妻のマラにそう尋ねた。
「あたりまえでしょ。彼は自分がいかに偉大なジェダイかを証明するために、できもしない交渉の任務を引き受けたのよ。最近のキップの行動を考えてみて。戦闘機であちこち飛び回ったり、自分の中隊を作ったり・・・」
マラは腹を立てているようだった。
「彼の攻撃的行動は若いジェダイ達に悪影響を与えてるわ。そろそろキップを鎖でつなぐとか、どこかに閉じ込めるとかしないと、ジェダイ全体に分裂が広がるかもしれないのよ」
確かにマラの言うとうりだった。いまや百人にのぼるジェダイ達の中には、キップのように過激な行動に出る者も少なくない。そのため、ルークは彼らの行動を統制するために、ジェダイ・カウンシルの再建を考えるようになっていた。
「交渉のことなら心配はいらないよ。サイルが一緒だからな」
「まったく、楽観的な人ね」

ウェスタクスから一夜が明けたその日、いよいよ交渉が開始されることになった。宮殿の広く豪華な部屋ではキップ、サイル、ヴァルトア、セルダの4人が丸いテーブルを囲んで座っている。
「後継者の方々はもうご存知だろうが、キップ・デュロンはあなた方の意見の対立を調停するために来てくれた」
サイルが身を乗り出して言った。


[65] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2005/11/21(月) 21:07 jzLqoNMp61k) [SAGE]

default

-The first ending
1.特別な存在
 彼は物心ついたときから私と一緒にいた。白い装甲服を身にまとい、素顔は見たことがない。いつも冷静沈着で、父の命令に背かず私がどんなわがままを言っても聞いてくれた。私にとって兄のような存在。クローントルーパーのボディガード、LC-1562。愛称はモス。今日もそんな彼と一緒にコルサントの夕暮れを散歩していた。窓の外からは人工の海が太陽の光を受けて黄金に輝いている。
「綺麗ね……」
「ええ、お嬢様」モスがヘルメットのマイクを通して変化した声で答える。
「この平和な時が、いつまで続くのかしらね……?」
「何をおっしゃいます。いつまでも続きますよ」
「なら何故あなたのような兵士が生まれてきたの?」
「平和を維持するためです。私はあなたを守るために存在している」
 私は溜息をついてこう言った。「そうね。私は元老議員の娘だものね。しっかり護衛してもらわなきゃ」モスが頷く。
「本当は他の仲間みたいに戦場で戦いたかったんじゃないの? ほら、いつか飛行場であったクローントルーパーの小隊をうらやましそうに見てたじゃない」
「それは違います。私は戦場に行った仲間をかわいそうだな、と思って見ていたのですよ」
「うそ? ブラスターを強く握り締めてたじゃない」
「私にはお嬢様がいてくれればそれで十分ですから」
「何言ってるのよまったく」
「見てください、ほら」そういってモスはトランスパリスチールの向こうを指差した。海の上に虹がかかり、大きな鳥が飛んでいる。
「わぁ、綺麗……」
「ええ、本当に」
 私たちはしばらくそれに見とれていた。いつまでもこんな平和が続きますようにと、その時私は願っていた。

 事件は一週間後に起こった。いつもの様に朝食をとりながらホロを見ていると、モスが部屋に飛び込んできたのである。
「どうしたの、寝坊なんてあなたらしくない」私は言った。本来ならモスはいつも私が朝食を食べるのを隣で見ている。
「すいません。ですが、私は寝坊したのではありません。お父上に呼ばれていたのです」
「お父様に? 何かあったの?」
「はい。落ち着いて聞いてください」そういって彼は話し始めた。話の内容は、共和国の崩壊を告げるものだった。新たなる支配者が誕生したのである。ジェダイ狩りが始まり、私の父はジェダイと関わりが深かったので父の、そして私の命までもが危ないこと、今すぐコルサントを出発してジェダイが匿ってくれる遠い星まで逃げないといけないことなどを話した。私は驚いてただ頷き、とにかく荷物をまとめた。ちょうど終わった頃に、ドアの呼び出し音が響いた。
「……見てきます。じっとしててくださいね」私がゆっくり頷くと、彼はドアのほうに走っていった。
 すぐに彼は戻ってきた。二人のジェダイと一緒に。
「さぁ、行きましょう。早くしないと、帝国軍が来てしまいます」
「あなたが議員の娘さんか。急ぎましょう、船が待ってます」人間のジェダイが言った。私は頷き、モスの後ろについて走り出した。家を出て廊下を走る。「もう、あの家には帰れないのね……」私が寂しく思ってそう呟くと、モスは「大丈夫です。悪い帝国なんてジェダイの皆さんが倒してくれますよ。そしたらまた、帰れます」といって慰めてくれた。トワイレックのジェダイが苦笑している。
 その時だった。後方から複数の足音と声がする事に気づいたのは。「ねぇ、後ろに誰かいる」私がそういうと、人間のジェダイが「分かっている。とにかく、足を止めないことだ」と言った。「帝国の人たち?」私が聞いても三人は答えなかった。――そして、ビームが飛んできた。トワイレックのジェダイが飛び上がって緑に光る刃を出してそれを弾く。「急げ!」敵はもう見えるところまで近づいてきていた。何十人もいる。モスと人間のジェダイも応戦し始めた。「ねぇ、大丈夫なの……?」私が言うとモスは「安心してください、私たちにはジェダイがついています」と言った。「違うの。そうじゃない。だってモス、敵はあなたの仲間なのよ? 同じトルーパーたちを今あなたは撃ったのよ?」モスは少し俯いて言った。「彼らは新型です。私と同属ではない。それに、前言ったでしょう? 私はお嬢様がいてくれればそれでいいと」
「だけど……」
「今は生きることだけを考えてください」彼はそういってまた一人撃ち殺した。きりがない位に敵がいる。少しずつ後退し、スピーダー乗り場にたどり着いた。
「急いで乗れ!」そういいながら人間のジェダイが飛び乗り、続いてモス、私、トワイレックのジェダイと乗った。その間もモスは打ち続けている。
「お嬢さん、ちょっとゆれるかもしれませんが我慢してくださいよ」そういって人間のジェダイはスピーダーを思いっきり加速させてコルサントの上空へと飛び出した。外では待ち構えていたように何台ものスピーダーがいた。人間のジェダイが悪態をついて急降下した。追って敵も降下してくる。一般人のスピーダーをかわしながらコルサントの最下層にたどり着き、そこから細い道に入り込んで追っ手をまこうとする。私はゆれるのを必死に我慢しながらモスの顔を見ていた。マスクの向こうで何を考えているのか分からないが、彼はじっと前だけを見据えていた。やがて人間のジェダイが歓声を上げ、スピーダーは上昇した。ビルを飛び越し、先に宇宙船が見える。――ガクン、とスピーダーが揺れた。人間のジェダイが叫んだ「畜生! エンジンをやられた。衝撃に備えろ!」モスが私を抱きかかえてくれた。「大丈夫ですよ、私がついてます」スピーダーはゆっくり降下しているように思えた。そして物凄い揺れとともに、轟音が響き、スピーダーは止まった。私とモスは衝撃で投げ出され、床を転がった。
「大丈夫か?」トワイレックのジェダイが立ち上がって私たちに言った。人間のジェダイも既に立ち上がっている。「急げ、もう追っ手が来やがった」
 私たちは立ち上がり、人間のジェダイの先導の下で先へと進んだ。どうやら宇宙船が待っているビルの下のほうに突っ込んだらしく、階段を上る作業になりそうだ。モスはビームが飛んでくる方向へサーマルデトネーターを投げた。爆発の音がして、しばらく砲撃がやむ。しばらくすると階段を降り、普通の道を直進し、ついに扉が見えてきた。
「あのドアの向こうに宇宙船がある、もうすぐだ」人間のジェダイが言った。後ろから足音が聞こえる。「ねぇ、モス。また来てる……」私がそういうとモスは頷いてまた撃ち始めた。ドアにたどり着いた。トワイレックのジェダイが暗証番号を押している間に、人間のジェダイとモスが応戦していた。
「開いたぞ!」トワイレックのジェダイが叫ぶとそれを合図に皆走り出した。私は人間のジェダイに抱えられて、モスが敵に応戦しながら遅れて一番後ろについてくる。ドアの向こうは橋になっていて、橋の終わりが大きく開けていて、そこに宇宙船があった。
 その時、敵の一人が投げたサーマルデトネーターが橋の上に転がった。私と、モスの間に。次の瞬間にサーマルデトネーターは爆発を起こし、橋は分断された。モスだけ、取り残された。彼も爆発で吹き飛び、敵側に倒れている。白い装甲服が赤く染まっていた。私は叫んだ。泣き叫んだ。彼の名前を呼び続けた。私を抱えている人間のジェダイの手から逃れようと必死にもがいた。しかし彼はそれを許さず、無理やり宇宙船の方へ連れて行こうとする。
「何してる! 行くぞ!」
「嫌よ! モスをおいていくことなんてできない! モス! 返事をして! モス!」
その時モスがゆっくりと立ち上がり、こちらを向いて言った。「どうやらここまでのようです。お嬢様、生きてください。生きて、この世界に平和をもたらしてください」
「何言ってるのよ!? ジャンプすれば届くわこのくらいの距離!」
「この体では無理です。私は、あなたが生きていてくれればそれでいいんです。いいですか、ジェダイの人たちの言うことをしっかり聞くんですよ。決して迷惑をかけないように。私は、あなたのボディーガードになれたことを誇りに思っています。あなたにあえて、本当によかった……」モスはそれだけ言って敵の方に向き直り「私は共和国軍所属クローントルーパーLC-1562! 義によってお嬢様をお守りする。ここから先は何人たりとも通しはしない!」と叫んだ。私はずっとモスを呼び続けていた。ジェダイが無理やり私を連れて行き、宇宙船に乗せた。宇宙船が飛び上がる間もモスは戦い続けていた。やがて高度が上昇するにつれモスは点になり橋は棒になりビルが点になった。そしてただの茶色になってからも、私はモスがいたところを見続けていた。ずっと一緒だった。彼と一緒にいなかった日は一日たりともなかった。もう会えないなんて、信じられない。彼は生きてる。そう思いたい。あそこを切り抜けて、私がジェダイの隠れ家につく頃にはもう向こうにいるんだ、きっとそうに違いない。そう自分に言い聞かせても、泪が止まらなかった。分かっている。いくらモスでもあれだけ大勢の敵と逃げ場のないところで戦ったら勝てるわけがない。泪が止まらなかった。モスがいないなんて考えられない。私にとっての兄のような存在。どんなわがままでも笑って――顔は見えないけれど――聞いてくれた。こんなこと起こっていいはずがなかった。私は自分が半分居なくなったような気がして、泪が止まらなかった。
「悲しいのは分かるが、そんなに泣いてばかりいてもしょうがないぞ。あいつは立派な戦士だった」人間のジェダイが言ってくれた。
「君は彼の死を無駄にしちゃだめだ。生きて、いつか帝国を滅ぼすんだ」トワイレックのジェダイも慰めてくれる。私は頷くしかなかった。ただ、泪だけがとめどなく流れた。もう、彼は居ない。この世のどこにも。何かが間違ってる気がしてならなかった。モス。私がつけた名前。ホロのヒーロー物の主人公の名前だった。あんなこともしてくれた。こんなこともしてくれた。思い出だけが頭をよぎる。私からモスを奪った帝国が許せなかった。いつか、必ずモスの仇をとって彼が望んだ平和な世界を作ろうと決意した。私は一人じゃない。モスはいつでも私とともに居る。たとえ魂になっても。そう信じている。私は泪を拭いて、しっかりと前を見た。彼のように。宇宙船のキャノピーからは無数の星が輝いて見える。これら全てを敵に回すのだ。――戦いはもう、始まっている。


[66] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2005/11/21(月) 21:09 jzLqoNMp61k) [SAGE]

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2.絶望と喪失
 スティーヴは気がつくと公園のベンチに座っていた。どうやら眠ってしまっていたらしい。寝る前のことは思う出だそうとしても思い出せなかった。なんだか意識がはっきりしない。太陽の光が妙にまぶしく、手足が思うように動かない。まるで生まれたての赤子のようにゆっくりと立ち上がり、おぼつかない足取りで家に向かった。公園の時計を見るともう午前5時である。なぜこんなところに居るのか、今まで何をしていたのかということがまったく思い出せないが、おそらくパーティの帰りに酔って公園でつい眠ってしまったというところだろう。そう、今日はパルパティーンの皇帝就任パーティだったのだ。スティーヴは彼のセネイト・ガードの一人である。彼は皇帝に忠誠を誓っており、世界の誰よりも尊敬していた。
 ゆっくりとビルとビルをつなぐ橋を渡り、エレベーターのボタンを押した。明日から忙しくなるだろうな、そんなことを考えながら。そしてエレベーターの扉が開いたとき、向こうから一体のクローン・トルーパーが走ってくるのが見えた。不審に思いスティーヴは呼び止めてみた。
「おい、そこのクローン! 何をしている?」
 クローンがこちらに気づいて全力で走ってきた。
「やっと見つけました、スティーヴ殿。至急皇帝閣下のオフィスまで来てください」よほど急いでいたらしく、クローン・トルーパーは息切れしている。
「事件か?」
「ええ、重大事です」
 スティーヴは頷いてクローン・トルーパーについて走った。

 扉がシュッという音と共に開いた。部屋の奥の大それた椅子には皇帝になったばかりの元議長が座っている。
「来たかスティーヴよ」皇帝が低い声を発した。スティーヴはただひざまずく。皇帝はかまわず続けた。
「今すぐコルサント発ってもらいたい。行き先はリムの惑星で通商連合と我が軍が交戦中である。詳しい説明は同行するシャンデロンに聞くがよい」それだけいって皇帝は顎をしゃくった。下がれ、の意である。言われるままスティーヴは下がり、部屋を退出した。
 外に出たところで声をかけられた。不気味な笑いを浮かべた青白い長身の男である。彼はスティーヴを見て顔をゆがめた。
「君が……お前がスティーヴか」彼は少し腹が立った。人を見て嫌な表情を浮かべたばかりか、君と一度言ったのをわざわざお前に言い換えた。
「あんたは誰だ?」
「皇帝から聞いてないか? 今回の任務に同行するシャンデロンだ」シャンデロンの顔にはまた薄気味悪い笑いが顔に浮かんでいる。
「あぁ、あんたがそうか。よろしく頼むぞ」
「ミスだけはするなよ」
「そっちこそな」スティーヴは任務が終わったらこいつを殺そうかと考えた。まぁ、皇帝なら許してくれるだろう。「で、行き先はどこだ?」
「聞いてないのか?」
「あぁ」
「まぁ、行けば分かる」そういってシャンデロンは空港の方へ歩き出した。スティーヴもそれに続く。行き先を教えてもらえないのを少し不審に思いながら、黙って歩いた。これ以上シャンデロンと会話したくなかったのだ。

 宇宙船に乗り込み、シートベルトを締める。少しの衝撃と共に船は浮かび上がり、あっという間に宇宙空間に出、ハイパースペースへ入った。
「家族は元気かね?」シャンデロンが話しかけてきた。
「あぁ」
「奥さんと、息子さんだったかな?」
「そうだ。あんたは?」
「私はそんなもの必要ないのでな」
「家族はいいもんだぞ」そういった途端、シャンデロンは笑い出した。
「何がおかしい?」
「悪い、悪い。ただ、君が言うのかと思っておかしくなったのだよ」シャンデロンは腹を抱えている。スティーヴは家族思いで有名だった。そんな自分がなぜ家族のことを言って笑われるのか分からなかった。とにかく腹が立った。
「どういう意味だ」
「気にしないでくれ」まだ半笑いである。帰ってからなんて我慢できない。任務の途中で殺そう。そう考えながら必死に自分を押さえつけた。
「あぁ、もう着くぞ」シャンデロンがそういったとほぼ同時にリアルスペースに出た。前方に戦争の光が見える。
「私は何をすればいい?」敵を蹴散らせば少しは憂さ晴らしになるだろうか。そんなことを思いながら尋ねた。
「あぁ、そうだな。まずはファイターに乗って雑魚を蹴散らしてもらおうか。30機撃退したら戻ってくるといい」スティーヴは鼻で笑った。馬鹿にしてるのか、コイツは。その程度は朝飯前である。
「すぐに片付ける」そう言って格納庫へと走った。
 戦闘機のエンジンを入れ、機能のチェックをする。すべて正常だ。
「オールグリーン。ハッチを開けてくれ」ハッチが開くと同時に轟音が鳴り響き、ファイターが浮き上がり漆黒の宇宙空間へと飛び出した。共和国のファイターたちの間を縫う様に飛び、後方でクルーザーを守っているドロイド・スターファイターとトライ=ファイターの群れを発見する。軽く100機以上いそうだ。
「30機だって? それどころかあのクルーザーごと落としてやるさ」そう呟いて、そちらに加速した。スティーヴを察知したドロイド・スターファイターが5機ほどこちらに向かってくる。彼はギリギリまで近づくことにした。ドロイドの照準システムなんて適当だから、ランダムに動いていればよけれる――実際、当たらなかった。そこで急降下し更に急ブレーキをかけ、5機のファイターの間に入り込んだ。前方に2機、後方に3機。後方のファイターのが撃ってくるビームを適当に避けていると自然と前方の2機に当たり、瞬く間に炎上した。そのまま宙返りを打ち、後方の3機の更に後ろに回りこみ、ビームを乱射すると、もうそこには爆発の炎しかなかった。
「よし、まず5機」勝利をかみ締めるように言い、次の敵に向かう。今度はトライ=ファイターの小隊が向かってきていた。敵の最新鋭機とあって、なかなか強そうである。どう料理しようか。とりあえず反転して逃げることにしよう。一機一機相手にできる場所を探しながら最高速度で戦場を突っ切る。トライ=ファイターが撃ってきたので、ランダムに動いた。だが、今度は何か違った。とっさに嫌な予感がして右に動くのをやめ、降下した。移動しようとしていたところをビームが霞め飛んでいく。そんなことが5回も続いた。どうやら偶然ではないらしい。奴らは進化している。ドロイド・スターファイターよりも格段に強い。照準もしっかりしているらしい。ターンも人間じゃ不可能な速度で行っている。そこでスティーヴはスピンして友軍の中に突っ込み、友軍がトライ=ファイターに応戦するのを見てターンし、友軍に夢中になっているトライ=ファイターを1機ずつ打ち落とした。2機は友軍が打ち落としてしまった。これで15機である。
 20分後には、30機どころか50機打ち落としたスティーヴは余裕の笑みを浮かべてブリジに入ってきた。
「どうだ?」
「無駄な動きが多いな。パフォーマンスは必要ないぞ。それに誰が50機も打ち落とせといった?」
 スティーヴはむっとした。また、こいつは。
「で、次は何をすればいい? 俺たちはこの戦闘を終わらせるために来たんだろ?」彼がそういうとシャンデロンは少し考えるような表情をした。
「次は、今回のようにはいかんぞ。なんせ相手はジェダイだ」スティーヴは耳を疑った。
「ジェダイだって? どうして彼らと戦わなきゃいけないんだ?」
「彼らは反逆者だからだ。セネイト・ガードのくせに知らなかったのか? ジェダイが皇帝を暗殺しようとしたことを」
「あぁ、そうか、そうだったな……。だが、彼らにはフォースがあるんだぞ。どうして俺なんかが勝てるんだ」
「最強のセネイト・ガードと謳われた男が怖気ついたのか?」
 少しの沈黙の後、スティーヴは言った。
「……武器は?」
「もちろんいつもどおりの装備だ」
「フォースパイクとブラスター? そんなものでライトセイバーに太刀打ちできるものか」
「分かっているとも。だがお前ならできるさ」
 5分後、スティーヴは惑星の地表近くの施設に降りていた。そこでクローン達に迎えられ円形闘技場のような場所に連れて行かれると、そこにはジェダイが鎖でつながれていた。どこかで見たことのある光景だ。たしか、ジオノーシスのホロだったか。闘技場にはさまざまな障害物が存在している。ただの平面で戦ったら勝てそうもない相手だけに少し希望が出てきた。しかし、すでに捕まえてあるなら何故俺に殺させるんだ?
 ジェダイの鎖がはずされ、クローン達が下がりながらライトセイバーを投げた。ジェダイはジャンプしてそれを受け取り、丸い柱の天辺に着地して低いうなりとともに緑色の光刃が起動される。こちらはまずブラスターを乱射してみた。するとすべてあっけなく偏向され、スティーヴは横転した。ブラスターがだめとなるとやはり接近戦しかない。覚悟を決めてフォースパイクを構える。ジェダイが突っ込んできた。上段から振り下ろしてきたその剣を避けながらフォースパイクを突き出すと、向こうは体をよじらせて跳ねた。次はスティーヴが切りかかった。が、それはあっけなく受けられ、同時に光刃がフォースパイクを焼ききった。これはまずい。ジェダイの攻撃を紙一重でかわしながらブラスターを取り出し、至近距離で射撃したがこれもやはり偏向され自分に帰ってくる。すべてを避けきれず右手の端を光刃が霞め、肉の焦げるにおいがした。痛みに顔がゆがむ。だがジェダイは容赦ない攻撃を繰り返してくる。ひとまず飛びながら後退して、闘技場のギャラリーの席のほうへ飛び上がった。
「誰か武器を貸してくれないか!?」クローン達は無視である。まぁ、考えてみれば彼らもブラスター類しか持ってないか。そう思ったスティーヴは自らのブラスターでジェダイを打ちながら、闘技場の外へ出た。この惑星は地表を海に囲まれており、この施設は浮いている。ジェダイをこの下の海に落とせば勝てるかもしれない。そう踏んだ彼は柵ギリギリまで近づいて敵の接近を待った。そして敵がライトセイバーを振りかざして向かってきたときスティーヴは突進した。とっさのことでジェダイも反応できず体当たりが成功し敵はバランスを崩した。その隙に腕をつかみ、ライトセイバーをもぎ取ろうとする。もみ合っているうちに敵の腕からライトセイバーがするりと抜け、床を転がった。二人同時にそちらに飛ぶ。次に立ち上がったときにはライトセイバーはスティーヴの腕に握られていた。
「勝負あったな」彼は笑いながらそう言って光刃を起動する。
 勢いよく振りかぶってジェダイに突進し、ライトセイバーを振り下ろした――その瞬間足のほうがふわっと浮き上がり、スティーヴは勢い余って一回転し、転がった先に地上は無かった。


[67] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2005/11/21(月) 21:09 jzLqoNMp61k) [SAGE]

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>>66の続き
「落ちたか……」シャンデロンはそう呟くと、クローンの攻撃で肉塊と化したジェダイの上を通り過ぎて柵の下を見た。
「この高さから落ちたんじゃ助かるまい。もし生きていてもあの海には凶暴なモンスターがいるしな。皇帝には一応実験成功といっておくか」
 しばらくすると彼らは去っていき、戦場だった惑星に再び平穏が訪れた。


 スティーヴは気がつくとコンクリートの上にいた。なんとも幸運なことに下まで落ちる前に下層のバルコニーに落ちたらしい。
 体のあちこちが痛むが、とりあえず立ち上がり上に上がる道を探すことにした。
 数分後エレーベーターを見つけた彼は最上階まで上がり、ハンガーにたどり着いていた。しかしそこにはクローンが使っていたと思われるファイターの残骸があるだけだった。毒づいて別のハンガーへ向かう。
 隣のハンガーには民間のシャトルが何隻か残っていた。スティーヴはそれに乗り込み、とっととこの惑星から出て行った。途中連絡を入れようかと思ったが、驚かせてやろうという思いで連絡するのをやめ、コルサントまで戻ってきた。
 宇宙船から飛び降り、ちょうど昨日眠っていた公園を通り過ぎ、今度こそエレベーターに乗った。最上階のボタンを押す。ガタン、という音とともにエレベーターが止まり扉が開く。家族に会うのがすごく久しぶりに思える。任務から帰ってきたのならまず皇帝に会いに行くべきなのだが、またいつ会えるか分からないと思うと、先に家族にあっておきたかった。次の角を曲がれば家のドアというところで、男の後姿がそこを曲がるのが見えた。おかしいな、あの奥には俺の家以外ないはずなのに。客か? 不審に思い角からそっと家の方を伺った。男は家のキーを持っていた。カードを通し、扉が開く。中から出てきた妻はうれしそうに笑い、あろうことか男にキスをした。
 家の鍵は家族しか持ってないはずである。ひょっとすると妻は俺が仕事であまり帰らないからって浮気でもしたのだろうか。そう思うと胸の中に怒りが湧き上がった。あって確かめなければ。男が中に入った後で、スティーヴは家に入ろうと扉の前に立ち、ポケットを探った。だが、ポケットの中は空だった。おかしいな、ジェダイと戦ってるときにでも落としたのか? ほかのポケットも探ったが、何も無い。仕方がないのでジャンプして通りかかったスピーダーに飛び乗り、運転席を奪って窓へ向かう。リビングが見える位置まで来て、スティーヴは凍りついた。中にいたのは、うれしそうに笑う息子、料理を作っている妻、そして、ソファーでくつろぐ――――スティーヴだった。
「残念だが、今見ているものは現実だよ、スティーヴ君」突然後から声をかけられ、ハッとわれに返って後ろを向くと、そこにはシャンデロンがいた。
「な、お前なんでここにいる!?」
「君の体にはビーコンが埋め込まれているのだよ。コルサントに入った瞬間からずっと尾行していたのだ。そしてたまたま君が私のスピーダーを奪ったってわけさ」
「いつの間に俺の体にそんなもの!? それよりあいつは何なんだ!」スティーヴはわめき散らした。
「パニックになる気持ちも分かる。だが、最強のセネイト・ガードと謳われたほどの男が、いやむしろ最強だったというべきか。そんな君がわからないのか?」
「あいつは誰だ!? なんで俺の家にいる!?」スティーブは意味が分からなかった。家族と楽しそうに話す自分。あれは一体何なんだ?
「愚かだな。わからないのなら私が言ってやろう」
 そういったシャンデロンの顔にはいつもの薄気味悪い笑みが浮かんでいた。
「お前はクローンだ」
「な、何を言ってるんだ。俺がクローンだと?」
「よく思い返してみろ。皇帝の就任パーティから昨日の朝5時までの間、何をしていた? 目覚めたとき体は思うように動いたか? その服も新品だ。今までの闘いの傷が無いだろう? 家のキーも、家族の写真が入ったロケットも。ビーコンはいつ取り付けられたかって? 最初からさ。君が生まれたとき――複製されたときというべきか? そのときから入ってるんだよ」
「馬鹿な……うそだ、うそだ。こんなこと……」
 スティーヴは叫んだ。怒りと悲しみが同時に押し寄せてきて、たまらなくなった。夢中で目の前にいたシャンデロンにめちゃくちゃに殴りかかった。彼はニヤニヤしたまま一発も避けずに食らっている。
「無駄だ、やめたまえ」
「うるさいお前に何が分かるって言うんだ!」
「分かるさ、自分と同じ顔の存在を認めれない心というのはな。私の場合はもっとひどかった」
 スティーヴは手を止めた。
「お、お前は……。お前もまさか……」
 シャンデロンは首を振った。
「私はロボットだ」
「……ドロイドなら同じ自分なんていくらでもいるんじゃないのか」
「私とお前は、トルーパーを高性能にするための試作品なんだよ」
 シャンデロンは悲しげな目をして続けた。
「私は、トルーパーをすべて機械にするための計画だ。共和国の軍人シャンデロンそっくりに作られ、その記憶を埋め込まれた。君の場合は、クローンの成長速度を無くし、いきなり大人の状態の体でも十分な戦力になるかという実験だ。結果、実験は成功したがな。私は最後の任務を皇帝から預かっている」
「どんな任務だ?」
「このスピーダーを爆破して、私もろとも君も始末するという内容だ」
 そういったと同時にシャンデロンはスピーダーのハンドルの隣にあるスイッチを押した。
 スティーヴはとっさにスピーダーからジャンプしたが、爆発に巻き込まれ、コルサントの摩天楼を真逆さまに落ちていった。途中薄れ行く意識の中で、もし生き残れたら皇帝を殺してやろうと思った。
 やがてスティーヴは意識の闇へと落ちていった。


[68] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2005/11/21(月) 21:10 jzLqoNMp61k) [SAGE]

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3.炎と氷
―――あれからどのくらい時が過ぎたのだろう?
 私は今、コルサントのどこかにいる。閉鎖された空間。固い鋼鉄で作られた真四角の部屋には粗末なベッドと机、そしてトイレだけがある。窓はなく、唯一の出入り口である扉に通気口を兼ねた食料差込口があるだけだ。私はここで毎日の様に机に向かい、与えられたノートに只々思いついたことを日記として書き綴っているだけだ。


 もう時間など忘れてしまいましたが、最後にカレンダーを見たのが何年も前のように思えます。恐らくは、そうなのでしょう。ホロのニュースで見た情報によると、日々帝国は拡大し続けているようですね。とても恐ろしい限りです。行進するクローンたちを見ていると、怒りとも悲しみともつかぬ感情が私を襲います。あの日以来、世界はすっかり変わってしまった。今こうしている間にも、多くの罪も無い人々が殺され続けてい


 そこまで書いて私は手を止めた。足音が近づいてきたからだ。その音は私の部屋の前でとまり、食料差込口から皿が入ってきた。一斤のパンと牛乳。いつも同じこのメニューである。育ち盛りの子供にはつらい。おかげですっかり痩せ細ってミイラのようになってしまった。今は食欲が沸かない。
「いつになったら出られるのかしら……」そう呟くと、思いがけず返事が返ってきた。
「貴方の罪が消えるまでです。もっとも、そんなことは無いと思いますが。」機械で作られた声だった。この声は何かを思い出させる。クローン達の声は皆一緒だ。
「あなた、名前は?」
「MT-0418です。無駄話はしないように言われておりますので、これにて。」そういってMT-0418という名の看守の足音は遠のいていった。
 いつかのクローンにもこう聞いたことがある。そのとき彼はこう答えた。LC-1562でございます、お嬢様。私は貴方を守るためにやってきました、と。そして私は確か、味気ない名だといって彼に名前を与えた。そう、モスという名を。でも彼は死んだ。私を残して。
 あの日、コルサントを脱出した後、ジェダイのコムリンクに緊急のコードが入った。テンプルに戻れ、と。ごく少数生き残っていたジェダイたちはそれに従った。もちろん、私を乗せていた船のジェダイも彼らのスターファイターで飛んでいった。そしてすべてが終わった。私はドロイドに囲まれて宇宙船に一人ぼっちだった。ドロイドはジェダイに指示された座標に向かい、そこで待ち受けていたクローンの艦隊になすすべもなく捕まってしまった。私は身元を調べられ、反逆者の娘ということが分かるとコルサントに送り返され、ここに入れられた。それからはずっとこの生活である。
 いつか出れると信じていたが、待ってるだけじゃ何も変わらない。こんなところで終われない。私にはまだやらねばならないことがある。モスが命がけで守ってくれたこの命を、そう簡単に失くしていい訳がない。帝国を潰すまで、私は死ねない。私は脱走計画を立てていた。
 週に一回、ここの看守はどこかに出かける。この牢獄の規模はまだわからないが、私のいるブロックは5部屋ほどあるだけで、看守は一人である。看守が出かけた隙に食料差込口から抜け出すのだ。やせ細った子供の私は何とか通ることができる。その後はまだわからない。運がよければこの牢獄はたった5部屋程度の小規模ですぐに抜け出せるかもしれないし、悪ければ何百とある牢獄の一角でまた捕まるかもしれない。でも今の私にはこれしか思いつかない。待ってる暇などないのだ。看守がいなくなるのは明日の早朝から昼ごろまで。それまで眠っておこう。私はベッドに横になって目を閉じた。

 目が覚めると、空が白み始めた頃だった。といってもこの部屋には窓などないので、ホロに写った時間を見ただけだが。あと約1標準時間で看守は出かける。出かける前にいつもの食料を部屋においていくので、それが合図だった。私はこの牢獄最後の日記を書くことにした。


 昔、飼っていた小鳥が死んで私が泣いていたとき、お父様は私に言いました。
「この鳥はね、幸せだったんだよ。こんなに可愛がってもらえて。生き物はね、いつか死ぬんだよ。それは逆らえない摂理だ。でも、お前が泣いたら天国の鳥が悲しむだろう? あの子だってずっとお前といたかったのに。お前は、これからもこんな場面に出くわすことが幾度となくあるだろう。でも立ち止まってはいけない。しっかりと前を見て、死んだ者の分も生きなきゃならないんだよ。」と。今思えば、あの頃はクローン大戦が始まった頃で、千年続いた共和国の平和に蔭りが見え始めた頃でした。お父様は私が大人になったら戦いに巻き込まれると考えていたのでしょうか。いずれにせよそれは的中し、私はモスを失い、ジェダイも居なくなり、お父様の安否すらわからない状況になってしまいました。でも私は止まることはしません。進み続けることが、死んだ者達への手向けになるから。私は今日、ここを出ます。先に何が待っているかわからないけど、行くしかないから……


 足音が近づいてきた。時間だ。食料差込口から牛乳と、少しカビの生えたパンが入ってきた。私はカビの生えた部分をちぎって捨て、残りを食べながら牛乳を飲んだ。向こう側でドアが開いて看守が出て行く音がする。急いで食べた私は少し咳き込みながら、パンが入ってきた食料差込口に頭を入れた。肩で少し引っかかり、少し身をよじって部屋から抜け出した。そして看守の部屋に行き、地図を探す。幸いデータがあったのでそれを端末にコピーし、ついでに置いてあった囚人用のスタンガンも懐に入れて、出口に向かった。地図によるとこの牢獄は十部屋一ブロックの十ブロックからなる物で、それが各階ごとにある地下施設だ。ここは地下二階の第三ブロック、エレベーターは使えないので出口までは階段で上るしかない。
 階段に行くにはまず右の通路を真っ直ぐだ。いつどこで敵に出会うかわからないので、足音を忍ばせて走った。曲がり角で壁に張り付き、首だけで向こうを見る。誰も居ない。ふっと息を吐きまた走る。先に十字路があるので少しゆっくり行き、また首だけで左右を確認すると、右側から一体のクローンが歩いてくる。隠れる場所はない。戻っても曲がり角までは結構あるが、前はすぐ先で曲がれる。姿を見られても飛び込むしかない。そう考えて十字路を走りぬけ、曲がった。気づかれただろうか。そう思って後ろを振り返った。とりあえず足音は近づいてこない。むしろ近くから遠のいていくような―――。改めて前を見ると、別の兵士が遠ざかっていくところだった。少し焦りながらも息を殺し、向こうが角を曲がるのを待つ。後からスタンガンで打てば倒せるだろうか? 恐らく、無理だろう。あの装甲服は思ったより硬い。そんなことを思ってる間に敵は角を曲がった。そこで私も足音を殺し、ゆっくりと進み始める。
 しばらくするとドアに辿り着いた。上には『非常階段』の札。それを確認してからゆっくりとドアを開け、向こう側を見る。人はいないようだ。一応上や下に人がいるかもしれないので足音を殺して階段を上りはじめた。
 地下一階、一階――誰もいないのを確認してドアを開ける。出口はすぐそこだ。端末から地図を出して見ると、出口には受付があるらしい。確かにそのとおりだった。小さな部屋に窓がひとつだけあってそこから暇そうな帝国士官が一人顔を出している。少し迷ったが、そのまま進むことにした。案の定呼び止められる。
「おいお前! 何をしている?」
「何って、見てわからないの? 脱獄に決まってるじゃない。」そう言って微笑みながら懐からスタンガンを出し、士官に向かって発砲する。彼は苦しそうな表情でもがき、やがて白目を向いてその場に倒れこんだ。私は受付に窓から手だけ入れて出口の扉をあけるボタンを押した。扉はするりと開き、監獄から抜け出した。
「あまりに簡単すぎて不気味だわ……帝国ってこの程度なの?」私は一言呟いてから走って逃げた。
 コルサント最下層はまだ朝だというのに薄暗く嫌な臭いが充満していて、ひどいところだった。道で見かけた人は衰弱しきった浮浪者やいかにも悪そうな人など、いずれにせよ嫌な感じしかしなかった。息が切れるまで走って、止まった所からはもう監獄は見えなかった。ただ、ここがどこかもわからない。肩で息をしながらその場に座り込み、これからどうしようか考える。とにかく、ひどく疲れた。しだいにまぶたが重くなってくる。しかし、こんな所で寝ていたらすぐまたつかまってしまう、隠れるところを探さないと。嫌がる体に鞭を打ち、立ち上がってフラフラと歩き出した。声を掛けられたのはどこかに廃屋でもないかとキョロキョロしている時だった。
「お譲ちゃん、何か探し物かい?」驚いて声をしたほうを向くと、人のよさそうな顔をした小太りの中年の人間が立っていた。
「ええ、今夜とまるところを。」どうしたものか困ったが、とりあえずここがどこかくらい聞いてもいいだろう。
「そうかい? こんな朝から熱心だねぇ。それよりももうすぐ昼飯時だ。そっちのほうを心配したほうがいいんじゃないのかい?」それもそうだった。何でこんなことも気づかなかったんだろう。
「人にはいろいろ事情ってもんがあるのよ。それよりあなた、ここがどこだか知ってて?」
「ここかい? 見てのとおりコルサント最下層だ。」
「それはわかってるんだけど……」
「なんでそんなこと聞くんだい? お譲ちゃんは自分が何でここにいるのかわからないのか?」
「怖い人に捕まって、逃げてきたから……」男はハッとして、すぐに哀れみの表情になった。
「そうかい、それは怖かったろうに……よし、じゃあ昼飯はおじさんがおごってあげよう。君、名前は?」
「ほんとに!? ありがとうおじさん!」私は大げさに喜んで見せた。名前は言いたくない。
「喜んでくれてうれしいよ。さて、じゃああの店にでも入ろうか。」おじさんが示した店は薄汚い、大して流行ってもなさそうな店だった。まぁ、文句は言えない。しかしそう思ったのがうっかり顔にでも出たか、おじさんが「この店、見た目は汚いが味は確かだよ。」と言った。私は笑ってうなずいて、促されるがままに店に入った。入ってすぐにウェイトレスドロイドがやってきて人数を聞いて席に案内された。
「スパゲティを二つ。」
「カシコマリマシタ。」おじさんが注文するとウェイトレスドロイドはそう言ってキッチンの方へ消えていった。
「さて、改めて君の名前を聞こうか?」
「人に聞く前にまず自分から名乗るものだと思うけど?」と言うとおじさんは笑った。
「それもそうだな。俺の名前はドンファだ。」
「そう。私はローズよ。よろしくね、ドンファ。」偽名である。ローズというのは親戚のお姉さんの名前だった。あの人は今元気だろうか。
「ローズか、うん。いい名前だな。」ドンファは頷いた。
「さて、ローズ。君はこれからどうするんだい? 親御さんはどこに?」
「……わからないわ。恐らく両親とも怖い人に殺されちゃったし、正直途方にくれてるの。いつまたあの人たちに襲われるかもしれないし。」
「そうか……。なんなら私の所にこないか? ただでとはいはないが、少し雑用をしてくれるだけでいいから。」
「ほんと? そうしてもらえるとありがたいわ。ドンファは何の仕事してるの?」
「組織の下っ端さ。配達とか、そういう事をするのが多いかな。」
「へぇ……」丁度そのときスパゲティが来たので他愛もない会話をしながら食べ、その後彼の家に向かった。彼の家は崩れかけのみずぼらしい宇宙船の残骸だった。
「さて、ちょいと仕事にいってくるから、ローズは適当にくつろいどいてくれ。」そういい残してドンファは出かけていき、私は一人取り残された。家を見て回りたい気もするが、眠気が戻ってきたので横になった。


[69] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2005/11/30(水) 23:25 jzLqoNMp61k) [SAGE]

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>>68の続き
 目が覚めるとすっかりあたりは暗くなっていた。しかし暗くなっていて当然、ここはコルサント最下層である。時計を見るとコルサント上層でも暗くなる時間だった。ドンファはまだ帰ってこない。とりあえずキッチンらしきところに向かって水を飲んだ。まずい。しかし文句は言えなかった。これからどうしたものかと考えていたら、ドンファが帰ってきたらしい物音がした。
「ただいま、ただいま!」彼はあわただしく挨拶してドスドス歩いてきた。手には大きな袋を抱えている。
「元気にしてたかい? 君のことが気になって仕事が手につかなかったよ。」
「それはどうも。ずっと寝てたわ。」
「そうかい。じゃあご飯でも食べようか。」彼はそう言って携帯食のようなものとジュースの瓶を取り出した。
「昼飯は奮発したからな、すまないがこれで我慢してくれないか。」
「私は居候だもの。文句は言えないわ。」私はにっこり笑って答えた。ドンファは満足そうに頷く。私は黙って食べた。ジュースを貰って飲み干すと、彼がニヤニヤしながらこっちを見ているのに気がついた。
「何?」
「いや、おいしそうに食べるなと思って。」私は彼の表情を見て何か嫌な予感がした。その瞬間全身の力が抜け、私は椅子に倒れこんだ。
「うむ、あのクソジジイの薬もたまには役に立つらしい。」ドンファは笑っている。何が何だか分からなかったが、ひとつ分かることは彼が善人ではなかったらしい。信用した私が馬鹿だった。またあの監獄に戻るのだろうか。そう思っていると彼は私を掴んで、ニヤニヤしながら服を脱がし始めた。私は絶望した。こんな男にレイプされるなら帝国の監獄に戻ったほうが遥かにマシである。声を出そうにも、抵抗しようにも体が意思どおりに動かない。自然と目に涙があふれた。モス、助けて……。モスはもういない、誰も私を助けてくれるわけないのにそう願わずに入られなかった。
 そのときだった。ドアを叩く音が聞こえた。彼は舌打ちをして「誰だ!?」と叫んだ。
「今日あんたが品を届けた所のもんだ。」男の声だった。ドンファは面倒くさそうにドアを半分開け「なんだよ? こっちは今忙しいんだ。」と言った。
「品物に不備があったってじいさんが激怒してる。全身麻酔の薬らしいんだが、確認してくれないか?」ドアとドンファの間に強そうな男の顔が見えた。私は必死で彼を見た。助けて、お願い……。ドンファは少し焦っているようだった。
「お、俺はしらねぇよ。そういうことは組織に直接言ってくれ! 俺はただ届けただけだ!」男は彼をにらんだ。一瞬こっちを見た気もするが、気のせいかもしれない。
「……そうか。」
「あぁ、そうだ! わかったならとっとと帰ってくれ! 俺は忙しいんだ!」
「最後にひとつ聞くが、そこに倒れてる子はなんだ? あんなかっこしてるのにさっきからピクリともせず俺におびえた目を向けてくるんだが。」
「関係ないだろ!? 帰ってくれ!」
「まさか薬を使ったんじゃないだろうな。」その一言にドンファは黙り込んだ。先に沈黙を破ったのは男だった。
「人の品物を盗んで使うってことは、死ぬ覚悟はできてるんだろうな?」
「な、何言ってるあいつはただ病気なだけだ!」
「病気なら尚更気になる。俺は医者だ。見てあげよう。」
「お、おいやめてくれ勝手に……!」男が無理やりドアを押し開け中に入ってきた。
「止まれ! う、撃ち殺すぞ!」ドンファはブラスターを取り出して構えた。男はチラッと見ただけで気にせず私のほうに近寄ってきて服をかぶせてくれた。
「もう大丈夫だ。」
「ほんとに打つぞぉぉぉ!」ドンファが叫んで引き金を引いた。ブラスターの音が廃船に響く。しかし彼のブラスターから発射されたビームはむなしく壁に突き刺さり、ドンファの頭には風穴が開いていた。男が構えたブラスターを下げる。
「その程度の腕で俺に挑もうなんて、千年早い。」
 男は私に服を着せて、まだ力の入らない私を抱えあげて廃船を出た。しかし抵抗もできなかった。たとえ体に力が戻っていてもさっきのブラスター捌きを見せられた後じゃ逃げるに逃げれなかっただろう。真っ暗な路地を抱かれて私が見た景色は、闇に光るコルサントの上空だけだった。やがて眠気が訪れ、私は目を閉じた。


[70] (無題) 投稿者:やぼ NAcjOWI8UxM (2005/11/22(火) 21:43 IwcBz8rgNo2) [SAGE]

boga

>>62のつづき

イーグスはソリダ星系防衛軍本部の司令室で待っていた。彼は約束の時間がたっても司令官がこないのでいらだっていた。待つこと一〇分後ようやく司令官が来た。
「すみません。ちょっと用事があって遅れてしまいました。席に座ってください」司令官は礼をしたあとイスに手を差し伸べた。イーグスはいらだちを隠しながらもイスに座った。
「君の名前は?」
「わたしはソリダ星系の最高司令官のサート・ロリタルと申します。よろしくお願いします。イーグス提督」
イーグスはマグカップを一口飲んだあと、カップをカチンと音をたて、皿に置いた。「では、そろそろ本題に入ろうか。司令官」
サートは小さくうなずいた。「はい――我々はイーグス提督のもとに仕えます」
イーグスはニヤッと笑った。「よろしい。現在防衛軍の艦隊はどれぐらいあるのかね?」
サートはディスプレーに防衛軍の艦隊が映し出された。
「艦隊はアタック・クルーザーが二〇隻、フリゲート艦が二十五隻、その他の宇宙防衛ステーションも多数やその他の戦艦も造船所で造船を早めています」
室内に沈黙が流れた。数十秒後にサートが口を開けた。
「もしやと思いますが、この艦隊で――」
「まさか」イーグスはサートの言葉を遮った。「わたしの第一目標はソリダ星系を帝国の傘下にすることだ」

つづけ


[73] (無題) 投稿者:ボスフェット zqg3LWuxx1s (2005/11/23(水) 15:51 OA8XH7zrWSU)

boba

32の続き
第8話 ソロを追うために・・・

スレーブTが修理できるまでボバはナブーの酒場で依頼をまっていた。
するとある旅人がボバにむかってかなぎり声を出しながら依頼をいった。
「おれはハン・ソロとゆう男を探している、お前なら絶対生け捕りにできるはずだ、どうか捕まえてきてくれ賞金ならいくらでもやる」
ボバは席からたち依頼を承知し酒場の出口へとむかおうとしたら、旅人はボバと大きい声でいい旅人はボバにこう言った。
「あいつは帝国の兵士の一人だ、ボバの身に危険があると困るか
らこれをもっていろ」
そうすると旅人はボバにコムリンクを渡した。
「あとはまかしたぞ」
旅人はそういい椅子に座り酒を飲み始めた。
ボバはいまスレーブTが使えないので違う宇宙船を探しに宇宙港にいった。


[74] (無題) 投稿者:インダー・セクター・ノースカロライナ sImhCkql5WI (2005/11/23(水) 17:18 E23/JzFvkUU)

probot

>>53の続き
前回までの話
オーダー66をからくも逃れた若きジェダイ、ケッド・グリーブナは師でありアスクス・エイモと再会を果たし、エイモからオード・マンテルでジェダイの再起を図ろうとしている計画の実態を調査うるよう命じられる。一方、エイモはコルサントでそのまた師匠のバーモ・ドジソンと再会、コルサントの情報を影から盗み取っていた。彼らは密かに独裁政権反対派と繋がっていたのだった。
さて、コルサント保安部に危険を冒して戦闘機を奪い取ったケッドとオード・マンテルの賭場を経営する親分、ディードン・ナッシは無事オード・マンテルに辿り着き、ケッドはジェダイの居所を捜すのだが・・・・あの老婆がこの地に足をつけたのはグリーブナがちょうど眠ってしまった頃だった。コルサント保安部の予想以上の調査に時間をくってしまったさきほどグリーブナも乗っていたボロ船に乗った残りの一行はスケジュール通りの時間より3時間も晩く到着することになってしまった。
グリーブナの隣に座っていた老婆は腰をまげ、ゆっくりと寝静まる事のない夜の町を歩いていった。
途中、とある市場の前を歩いていた老婆に小男が4人走りよってきた。いずれもまだ声変わりをしているかしていないかぐらいの子供である。その子供たちは老婆にむらがり、口々に興奮した歓喜の声を出していた。だが老婆はそれを見てもにこりともせず、ただしかめっつらをし、その子供の中で一番頭の良さそうな男の子をちょいちょいと招いた。
「分かっておるだろうね?いっとくがわしはまだ報酬を渡すつもりはないぞ」
「大丈夫です。マスター・ティ様。しかし報酬は前払いでなければこまります。じゃなければ僕たちは働く事ができません。僕らは飢えているんです。病気の者もいます。今日の朝、一人が死にました。どうか先に・・・」
「ああ、分かったよ。ダン」
そういうと老婆はたちまちその手にあふれんばかりのゴールドを乗せて、再びダンの前に差し出した。その小金が地面に落ち、それを2、3人が争そって取り合う。ダンはごくりと唾を飲み込み、老婆をひしと見つめた。このとき、ダンはこの老婆の瞳の色が右目は青、左眼は黄色であることに気がついた。ぶるっと身を振るわせたダンは老婆の手からゴールドを受け取った。
ダンはゴールドが出すまばゆい光に目がくらんだかのような錯覚を抱いた。
しかしそれもつかのまだった。ダンの隣にいるやせぎすの少年がダンからゴールドを叩き落すと、乾いた赤土の上に広がった。それに残りの少年たちが群がる。ダンは慌ててその中に割って入ろうとしたが、逆に3人がかりで跳ね飛ばされてしまった。
「この!畜生め!!」
ダンは飛び跳ねて起き上がると、そのすりきれたズボンの間に挟めたブラスターに手を伸ばした、そしてそれを抜くと、少年の一人、一番体の小さな子に狙いを定めた。ダンは震える銃身をしっかりと固定させ、その引き金を引いた。だが、その直後、ブラスターは暴発して、逃げ場を求めて荒れ狂うレーザーは当のダンのほうに飛んでいってしまった。残りに3人が唖然としている中、ダンはまるで信じられないというかのような顔をしたまま胸からレーザーによってつくられた銃創から煙を立ち上らせて、後ろに倒れこんだ。
「昇進だよ。喜びな」
マスター・ティと呼ばれている老婆はダンの手からゴールドを叩き落した少年の方に骨格だけでできている手を置くと耳もとで言った。
「あんたが仕事をやりな。やってくれればもっとゴールドをあげよう」
「は、はい。でも・・・仕事の内容は教えてくれなかったんです」
「ああ、そうか、名前は?」
「ベガです」
ベガの目はいつしかうつろになり、老婆によって洗脳を受けていた。
「今からいうことを噂するんだ。みんなにだよ。誰もが知るようにするんだ。いいかい?「トグルータのジェダイ・マスターがランベンの城壁で再起をしようと仲を集っている」とね。いいかい?ベガ」
ベガはこくこくとうなづいた。途端にベガの両目に生気が戻り、彼は仲間のところに戻って行った。
「さあ!仕事をしよう!」
ベガは意気揚揚と高らかに言った。
残りの2人はダンの死体に見向きもせすに続いた。
老婆は彼らの姿を見ながらほくそえんだ。
「後はあの男だけね・・・」
その老婆の言葉はひどく低く、その目はうつろに、獲物を求める爬虫類の目になっていた。




後に銀河系全土でその名を恐れられていくようになることなど知りもしない、マンダロアの装甲服の男、ボバ・フェットがオード・マンテルに降り立ったのはその日の早朝、まだ朝日が昇ってこないころだった。このころでも宇宙港は荒くれ者で賑わっている。そんな中を歩く、風変わりな格好をしたボバに時たま視線を投げかける者がいるが、ボバにちょっかいを出そうと考える愚かものはそういない。ここの世界での生きる鉄則はできることなら自分の知らないものには関わり合いを持たないようにする事だった。かつて銀河系で名を知らしめていた事もあるマンダロア族の戦士の装甲を身に付けているとあらば尚更だ。
そんなボバ・フェットは仕事を得るためにここにきた。彼を雇ったのはエマ・ラーという女性だ。だが、彼は直接その姿を見ていない。そのため熟練のバウンティハンターにとって、この仕事は本来馬鹿を見る危険性もあり、その上逆にかつての恨みをはらされてしまう恐れもある、できる限り避けたいような仕事だった。
だが、ボバはまだまだ無名のハンターだ。フェットの名前を聞けば父親である有名なマンダロア人の賞金稼ぎ、ジャンゴ・フェットを連想する人がいるかもしれないが、彼らバウンティ・ハンターの世界ではそんなことは何の意味も示さない。ジャンゴがすでにこの世の人ではないとすれば親の七光というものは全くない。というわけでボバは実力があるもののまったく無名のハンターで小さな仕事をちまちまとこなして食いつないでいるに過ぎない。だから仕事にはたとえそれがどんなにうさん臭いものでも飛びついてしまうのだ。
ボバは辺りに目を配りながら、待ち合わせ場所となっている酒場町を歩いていった。すると、まだボバの腰にまで届かないほど背の低い、幼き少年が駆け寄ってきた。さすがにこれにまでボバは警戒しようとはしなかった。
だが、少年はまっすぐこちらに向かって来る。ボバは自分の周りを見回した。辺りにこの少年の向かう先があることを確信しながら・・・
ドスっという鈍い音とともにボバのわき腹に振動ナイフが突き刺さった。
慌ててボバが前に向き直ると、まさか、という思いとともにその体が冷酷にもわき腹にナイフをつきたてている少年の首もとへと伸びていった。
「お前!」
ボバが力いっぱい少年の首を締め上げると、ゴキっという不快な音とともに少年の首ががくっと後ろにのけぞり返った。だが、腕につきたてられているナイフをしっかりと握り締めている小さな手は依然ナイフに力をこめている。
ボバは首をしめている腕を放し、その腕に備え付けられたバタフライナイフをシャキンと出し、それで少年の2の腕を断ち切った。
ズチャっという身も凍るような音がして、ボバは思わず目をつむりそうになってしまった。だが、その数秒後、ボバの心は氷のように閉ざされる。
少年はドロイドだったのだ。危険なプログラミングを施されたドロイドに気がつくことができなかった自分をボバは恥じた。だが彼にそんな時間がないことは彼自身が熟知している。次の攻撃が襲ってくるだろう。
ボバは刺されたナイフを抜取ると、それを構えた。
だが、新たなる敵は来なかった。
「どうゆうことだ?」
ボバは思わず声に出して言ってしまった。
どうやらこの仕事には何か嫌な予感がするな。
ボバはくるりと警戒しながら背を向けた。
その瞬間、自分が向き直った方向から今度は目に見えるか見えないかぐらいの矢(ダート)が飛んで来た。
ボバは飛び上がった。ジェットパックが轟音と煙を巻き上げてボバを空高く一気に浮かせる。ボバは巧に体の向きを変えると、その矢が飛んで来た方向へと向かった。
赤い閃光が光り、それが大きな扇形を描いてボバの目と鼻の先をかすめそうになった。
「ああ、良き腕ね・・・」
その声は老いた女だった。だが、ひどく汚らわしい感じがし、ボバは容赦ない嫌悪感を抱き、殺意を投げかけた。
ボバはさっと右手に備え付けられた父親譲りのセイバー・ダートを発射した。
だが、ダートは目標に当ることなく、赤い閃光によってかき消されてしまった。
「ジェダイ!!」
ボバは心の底からこみ上げてくる父親の仇に対する憎悪を口に出していった。
赤い閃光を放つライトセイバーを持った影が跳躍し、別の酒場の屋根の上に着地した。ボバは一度空高く登りつめると、一度ジェットパックのエンジンを切り、その体をオード・マンテルの重力にまかせた。風をきって落ちていくボバは必死に目の焦点をあわせ、老婆の影と赤いライトセイバーを捜した。難なく見つける事のできたボバはその手をジェットパックのエンジンをすぐ起動できる位置にもってきて、その一方でブラスターを連射した。レーザービームの雨が老婆のジェダイに注ぎ込まれていく。が、いずれもライトセイバーによって跳ね返されてしまう。
ボバの脳裏に父親の勇姿が浮かんだ。まだ10歳を少したってしかないころからすでにハンターとしての訓練を受け、それらを身に付けてきたボバにとって、父ジャンゴがジェダイ・ナイトと闘っている姿は興味深いとしか言いようがなかった。そのときもジェダイはこうして降り注ぐレーザーを跳ね返していった。そして父はその偏光されたビームを避ける事も視野に入れなければいけなかった。
ボバはそれらに特に注意をはらいながらブラスターを撃ちつづけた。やがて敵の影が再び跳躍したかと思うと、ボバはにやりとほくそえんだ。全て読みどおりにことがすすんでいる。
ボバは前もって準備していたジェットパックを吹かすと、老婆の後を追った。
そして影の裏にぴたりとくっつくいたかと思うと、シャキンと濃縮ナイフを突き出すと、それを影にむかって刺した。
だが、ボバの必死の攻撃はむなしく空をきってしまった。そして次の瞬間、立場は完全に入れ替わり、今度は赤いライトセイバーがボバの装甲と首との間にできたノーガードな位置に突きつけられた。
ボバは地面に叩きうけられた。あまりの出来事に感覚器官が全て途絶えてしまったかのようだ。そして自分の父親もこのように全ての感覚を奪われて敗れたのかもしれないという推測をつくった。ともなれば、あのジェダイは俺の首をかっきてしまうだろう。もっともボバに未練はない。こうなることはハンターとしての人生を歩む前から分かっていたことだ。
「あたしはジェダイなんかじゃないよ、ボバ・フェット」
「ならば誰だ?」
「私はシス。そしてお前の依頼人だ・・・」
老婆の顔がはじめてボバには見えた。そして装甲服の中を冷や汗が垂れていった。


[75] 『LAST ROYAL 〜最後の忠義〜 』 投稿者:うるふぁんぐ 3ZhxDp2aq8U (2005/11/25(金) 21:07 Dio9jp2cY2k)

tsavong

〜序章〜

漆黒の銀河の片隅、スターデストロイヤー<キメラ>内で結ばれた銀河帝国と新共和国の歴史的和平協定は、それが締結された数時間のうちに銀河の津々浦々にまで、ホロネットニュースを介して伝えられた。
数十年にわたる内乱が静かに動かされるペンによって終結されるその様を、銀河市民は固唾を呑んで見入った。希望に溢れた瞳で。
かつて、偉大なる帝国の中興者スローン大提督の片腕であった<キメラ>の艦長ペレオンと元首ポンク・ギャヴリソムの感動的な映像は無論各地の帝国軍残党部隊にも伝えられ、数日のうちには、ほぼ全銀河の残党部隊はペレオンに従い、新共和国との和平に甘んじたのである。

一人の男を除いては


キャベル=セルゲウス。彼は帝国軍外宇宙機動艦隊の一司令官として、かつてペレオンと共にスローン大提督の栄光ある帝国復興の一連の戦争に加わり戦った男である。

決して凡庸とは言えない彼の能力はペレオンの目にとまり、スターデストロイヤー三隻からなる艦隊の提督にまで短期間のうちに昇進した。
彼の異例の昇進は当然スローンの耳にも届き、その能力の真偽を見定めるためにセルゲウスは自艦隊と共にワイルドスペースにある中規模な新共和国軍基地攻撃の任務を与えられた。
彼にとって決して難しくは無いこの任務は、命令が下されてから僅か数日のうちに完遂された。
セルゲウスは栄誉ある凱旋のため、主であるスローンが自ら指揮を執っているビルブリンギの戦場に艦首を向けた。
しかしその矢先、「スローン大提督。ノーグリの反逆者に撃たれ、戦死」の報が彼の元に緊急通信回線から伝えられたのである。
さらに回線は「ペレオン艦長以下、残存帝国軍艦隊は再起を図り未知領域に撤退」と伝えた。
言うまでも無く彼もその撤退部隊に加わろうと最大速度で艦隊を飛ばしたのだが、後一歩のところで撤退部隊は、ハイパースペースにジャンプしてしまい、彼の三隻のスターデストイヤーは孤軍追っ手と戦わざるを得なくなってしまう。
一隻のスターデストロイヤーを犠牲に、残された彼の艦隊もまた銀河の辺境であるワイルドスペースに姿を消した。
それからまさに十年近くの間、セルゲウスとその部下たちはワイルドスペースの小惑星帯の極秘基地でペレオンの反撃命令を待った。待ち続けた。


が、待ち続けて彼に届けられた報告は「貴艦隊も他の残存部隊同様、早々に武装解除し新共和国軍の軍門に下るべし」という、かつての上官ペレオンからの指令であった。
十分に整えられた反撃の準備。それを全て無駄にするわけにはいかない。何よりも十年耐え忍んだ部下に申し訳が立つものではない。

「すまんな。ペレオン艦長。私は最後まで帝国に忠義を尽くす。たとえそれが形骸だとしても。」

セルゲウスは彼の旗艦<ラスト・ロイヤル>の艦橋で、そうペレオンに向けて言葉を発した。
幸いにして彼の元にはまだ、二隻のスターデストロイヤーを始めとして旧式だが使用に耐えうる兵器の類が多く残されていた。またそれらを自らの体のように操ることの出来る勇敢な部下たち。
そして、十年の月日の間に機密裏に建造したかつての帝国軍の究極たる兵器「デス・スター」のごく小型であるプロトタイプ。
対共和国軍の為に使用されるはずであったこれらの全てを使えば、事実上解体した帝国に最後の忠義の花を咲かせることが出来るかもしれない。
そう考えるとセルゲウスは、部下に向かい本拠地への回頭を静かに命じた。


[77] 『LAST ROYAL 〜最後の忠誠〜 』 投稿者:うるふぁんぐ 3ZhxDp2aq8U (2005/11/25(金) 21:08 Dio9jp2cY2k)

tsavong

>>75の続き

〜第二章 帰還〜

セルゲウスの指揮下にある二隻のスターデストロイヤーは、まもなくワイルドスペースの最深部にある小惑星帯に近づきつつあった。
そもそも彼が十年もの期間、一度も共和国側に見つからなかったのは、根城がこの宙域であったというだけでなく、共和国側がすでに帝国に何の興味も抱いていないということのまさに表れであった。
それはセルゲウス含め、彼の部隊全員の怒りを滾らせるだけでなく戦力の増強に非常に効果をもたらした。共和国側は決して静かにとは言えなく流れた十年の月日の間、セルゲウスはあらゆる手を尽くして来るべき栄光の大反撃に備えた。他の宙域に流れた残党部隊との連絡、および小規模反乱軍基地への攻撃、部隊の攻撃訓練などに加えて彼がもっとも熱
心に行ったのは、本拠地である基地の建造であった。


艦橋から宇宙をどこまでも深く蒼い眼で見つめている老将の耳に、若い士官が近づいて来る足音が聞こえた。どんどん近くなってくる。足音は老将のちょうど背後でピタリと止まった。
「閣下。まもなくハイパースペースから出ます。シャトル御移乗の準備の程を。」
と仕官は老将に伝えた。老将は深く息を吸って言葉を発した。
「ご苦労。<瓦礫の谷>の管制区域に入り次第シャトルを出せ。皆も待ちかねておろう」
「了解いたしました。セルゲウス閣下。」
仕官は一度敬礼すると、バンカーの方向に足早に歩いていった。


<瓦礫の谷>それはセルゲウスの本拠地の暗号名である。このワイルドスペースの最深部にあり、さらに重力の関係からいくつもの小惑星帯が集中するこの危険な宙域の最も奥深くにある秘密基地は、彼が十年をかけて建造した鉄壁の要塞であった。
この要塞は、中央部に位置するクレーターだらけの小惑星にさらにいくつかの同様の小惑星を人為的に結びつけ、対空砲塔などを設置し戦艦や廃棄されたクローン大戦時代の宇宙ステーションの残骸で、施設を補完した比較的簡易な基地である。
しかし、いくつもの発着ベイ。それにスタデストロイヤーをも収納しうるドライドックやAT-ATに代表される帝国軍が誇る兵器の数々の修理・建造センター、シールド発生装置、光熱を利用した発電所、食料増産ファームをも兼ね備えたまさに小国家とも言える施設であった。計三万人近くのセルゲウスの部下たちが維持・運営に日々を追われていた。
彼らは自分たちのことを、セルゲウスの旗艦の名にちなみ「ラスト・ロイヤル」。つまり「最後の忠誠」と呼んでいた。これはまさに彼らの自らの誇りの象徴であった。

スターデストロイヤーの下部に位置するベイから、一基のシャトルが<瓦礫の谷>へと飛び立った。インペリアルシャトルとも呼ばれるこのラムダ級シャトルは、その名の通りにかつての帝国軍要人のためのシャトルであり、今は無きパルパティーン皇帝を始めとする歴代重要人物も多数使用したもので、かつてセルゲウスがスローン大提督から直に賜った栄誉ある機体でもある。

「識別コード認証終了 ようこそ<シャトルスレニアン> セルゲウス閣下のご帰還を歓迎します」
管制官からの声は、シャトルの操縦室に低くこだました。
「歓迎をありがたく思う。われ帰還せり。計画の中核をなす重要な任務を終えた。専用ベイに着陸する」
管制官にそう返した声の主は、先ほど老将に到着の報を伝えた若い士官である。
「閣下。いよいよです。いよいよ我々の悲願が達成されます。十年を待った甲斐がありました。」
仕官は後部座席に座る、彼および「最後の忠誠」最高司令官、キャベル=セルゲウスである。
「待った。待ち続けた。だがそれも終わるのだ。私、そして全ての部下の悲願がな。拡散スーパーレーザーさえ完成すれば、最後の一花を咲かせることが出来る。銀河帝国に、な。」
セルゲウスは静かに答えた。彼は思わず口元が緩みそうになったが、いや、今はまだ笑う時ではない。本当に笑う時は、拡散スーパーレーザーをコルサントに放った時以外にはない。
長い月日の間に彼がしたその不断の決心が達成されるまで、あとそう長くは無い。

シャトルは静かに要塞の上部のベイに吸い寄せられるように飛んでいった。


[78] 次章、最終章!!!(でもエピローグもあるから 投稿者:おん 9xk5mfOT6D2 (2005/11/24(木) 20:53 DaWrjNW60/Q)

obiwan_ep3

四章 拘束

x(エックス)は細く狭い通気孔を匍匐前進で確実に前へ進んでいた。
その確実に進む中、良いものを彼は何個か見つけ、作動させていた。
一つはライフポットの配線だ。
何とか誤作動させて一つ発射できた。
もし上手くいけば・・・。
もう一つはカメラの回線を切断できた。
あのデカ男のいうことが正しいのなら必ずハックされているからだ。
・・・ん?行き止まりか?
彼の目の前には下からの光に照らされる壁があった。
壁に数回ノック。詰まってる音がする。
「降りるのかよ・・・」
彼は足からソルジャーナイフ――振動小太刀なども呼ばれるナイフだ――網目の鉄を音もなく切断していく。
残り一センチというところで垂直に引き抜き、ブラスターをホルスターから抜いた。もちろん、ソルジャーナイフは元にあった場所へ戻す。
銀に輝くブラスターが手にあることを確認し、光源に乗った。
そして、切れていない鉄を打ち抜いた。
瞬間的に床となった場所を勢い良く蹴り、上手い事に背を向けていた男の背中に向かって飛び蹴り。
勢いが余りに余った蹴りは男の背骨へジャストミートした。
xは男がそのまま横になったことをいいことに背中の上に仁王立ちした。
「ジャックしたのはそこにいる女(テメー)か?」
xの目の前にはグラマーな女性が胡坐(あぐら)をかいていた。
「なんでアタイだと思うんだい?コイツに無理やり連れてこられただけだったらどうする?」
グラマー姐さんは親指の先をコンピューターをいじっている男へ向ける。
「そんなオタク野朗はただの妄想に終わるしオレが乗ってるコイツは弱すぎる。それに醜すぎる。
だけどテメーは目がピシッとしてるし、何より・・・」
彼は息を吸うだけの時間ほど間を空け、鋭く言った。
「血の匂いがする」
グラマー姐さんは少しばかり驚いたようだが、すぐに口を開いた。
「はは、今まで色々言われたけど『血の匂いがする』ってのは初めてだ。それによく堂々としていられるねぇ、周りに他の仲間が居るとは思わないのかい?それか、私がこいつを持っていたりとか」
グラマー姐さんの手には小型発信機があった。これまた古典的な。
オレが起きたときとっくに通り過ぎて次のジャンプに入る予定だったヤヴィンが見えた。つまりハイパードライブが壊れていたのだ。次にトイレから出たときには感じられなかった亜光速ドライブの微振動。
そして最後の飛行装置は・・・。
リパルサーリフト!!!
考えがまとまった彼は次の考えに移る前に足が動いてた。
あれを取らなければ―――ん?
xは突如足に猛烈な違和感を感じた。
ハッと振り向いた彼は既に斜めになっている。
そして彼の額(ひたい)にあのオタク野朗のコンピューターがガツン、といい音を出して反対側が跳ねてまた人口重力に引き寄せられた。
xの意識があるうちに見た光景は蹴り倒した男が足首を掴んでいる光景だった。
しまった、と意識の遠退く中で思ったことは既に後の祭りだった。

「船長!レーダーに巨大戦艦の影です」
レーダー士が報告を入れた。
「機種は?」
老船長のゆったりとした声が部屋に響く。
「ええと、このシグナルと形からしてこれは・・・」


[80] 『LAST ROYAL 〜最後の忠誠〜 』 投稿者:うるふぁんぐ 3ZhxDp2aq8U (2005/11/25(金) 21:09 Dio9jp2cY2k)

tsavong

>>77 の続き

〜第三章 談話〜

<瓦礫の谷>中央小惑星のコントロールセンター最上階にセルゲウスの司令室はある。
見た目以上に広い司令室には多くの「ラスト ロイヤル」高官達が居並んでいる。その広間の中央奥、広大な銀河をワイルドスペースから一望できる巨大な円形ビューポートの前には、偉大なるスローン大提督の胸像が威厳に満ちた姿勢で飾られている。
ちょうどその胸像の正面下にセルゲウスの司令官用の椅子が置かれていた。この椅子の背もたれおよび肘置きにはコムリンク始め各種の通信機が内蔵され、常時<瓦礫の谷>のあらゆる区域との連絡が取れるようになっている。
その椅子に深く腰掛けたセルゲウスが、取り巻きの高官達に向かって話し始めた。

「いよいよ計画が最終段階に入った。諸君らの十年もの長い長い働きがあってこそ私はここで話すことが出来る。」
彼の労いともとれる口調は、緊張した空気を幾分和ませたようであった。
「拡散スーパーレーザーを搭載したデススターの小型プロトタイプが間もなく完成する。我々が待ちに待った共和国に対する帝国の意地を見せ付ける日も近い。今回私が直接指揮を執った共和国中規模艦隊への強襲攻撃は、数日のうちに未だ潜伏している多くの同志にも伝わるであろう。頃合を見はかり、私は残存部隊を終結させコルサントに攻撃を加える。」
おお、と取り巻き達はどよめいた。「コルサントへの攻撃」という言葉には、全宇宙のどの言語を使ってでも表しきれまい深い意味合いがあった。こと帝国には。
「諸君。今が一番肝心な時期である。かつて皇帝の確立した新秩序の世に戻すための戦いはすでに始まっているのだ。今がその最も肝要とも呼べる時期である。」
ふたたび場に緊張した空気が流れた。が、その場に立ち並ぶどの高官の目にも明らかに「何か」がたぎっている。情熱希望か。その両方なのであろう。
「心せよ!全ては我等が敬愛してやまない帝国のためである。祖国に光を!」
セルゲウスは敬礼とともに話を終えた。居並ぶ高官達もそれに倣った。


「閣下。時期尚早かと存じます。プロトタイプも射撃実験が終了しない限りは使用には・・」
高官達が去った会議の後の広場に、壮年の士官が一人セルゲウスに向かって話していた。
セルゲウスは自分の椅子をビューポートに向け、目を閉じ、彼の話に耳を貸した。
「我々の計画に協力すると申し出た部隊は、モレイン艦長のクルーザー部隊。それにロッキンガム提督のガレオン部隊、メルソン大佐のステーション防衛小隊、ゾク准尉のフリゲート大隊にガルバルスン司令官の輸送船団のみです。いかにも戦力が足りません。」
セルゲウスはただ彼の話を聞いているようだった。彼は話を続けた。
「これらの部隊はいずれもスターデストロイヤーを一隻も持ち合わせていませんぞ。前年のコレリア反乱の一件で、共和国側は宙軍の戦力強化を活発に行っているのです。十年前とは質も量も違うのです。ですからあと一年なりとも戦力の強化を・・・」
そこまで士官が話すと、セルゲウスはゆっくりと口を開き、言った。
「ダーミン司令官。戦いはスターデストロイヤーの数で決まるものではないのだよ」
セルゲウスは士官に語りかけた。士官の名はタジス・ダーミン。彼はかつて帝国の象徴と言われた恐怖の兵器デス・スターに配備された戦闘技術と武器の技能について訓練を受けた帝国軍のエリート兵士であり幾多の同盟軍との戦いを経て、今ではセルゲウ
スの副官というポストに落ち着いている有能な司令官である。
「準備を余念なく行うのは有意義なことだ。が、これ以上時間をかけると今以上に戦力の差が開いてしまう。それにこの基地を隠すにも限界が来ているのだよ。現に、何人かの雇われ賞金稼ぎがすでにこの宙域に手を伸ばしているそうな。」
セルゲウスはゆっくりと息を吐いて続けた。
「それに司令官。何よりも和平を結んだ同胞達に危険が及ぶのだよ。共和国側との同盟締結直後にコトを起こしたのならまだ申し訳がつく。しかしほとぼりが冷めてからでは何か裏で手引きがあったのではないかと疑われるとも限らん。」
彼はビューポートから司令官の正面に椅子を回転させた。
「この作戦は、なんとしてでも我々のみが行った武装決起だと思わせねばならん。余計な疑いを同胞達にかけさせてはならん。そのためにも、決起は早めねばならんのだ。」
セルゲウスは目を開き、司令官の目を見た。

「万事、コトが上手く進むように手筈は整える。全ては悔しくも和平に甘んじた同胞の無念を晴らさんがため、われらは立ち上がるのだ!帝国の名を誇りに!」

そう言うと老将は再び椅子の位置をビューポートに向け、目を瞑り、口を閉じた。
「了解しました閣下。われらどこまでも閣下とともに」
司令官はスローンの胸像の裏側に深く座っている主に敬礼をし、振り向いて昇降機の方に去っていった。
銀河の闇はどこまでも広く深く続いている。


>>1さん、作品の一覧に追加を希望します。


[81] (無題) 投稿者:左手 vBMq9CF4nmU (2006/01/07(土) 22:05 r1fRyiOKWYs)

ig88

>>55の続き

第三話 〜出発そして到着〜

コルサントの下層部分、光が届かずに、元は人間だと思われる怪物が徘徊している。
そんな暗い場所で艦隊を停泊させ、明りを灯し、会議を行っている人間が居た。
常人ではこんな事を考え付かないよな。
会議で話し合っている小柄な男はそんな事を考えた。男の名前はデックス。
「ちょっと、聞いてんの?」中肉中背の女性がデックスの肩を叩く。
「あ?ああ。すまない、少し気が散っていた様だ」
中背の男がその事を聞くと怒鳴った。
「何?気が散っていた?しっかりしてよ。反乱軍に所属しているならはどんな時でも油断しちゃ駄目よ。」
女性は押し黙り、デックスの言葉を待っている。彼女の名前はキャメル。
「ほらほら、喧嘩はしなさんな。」陽気な声の男が暗闇から現れた。
この男も中肉中背だ。彼の名前はフレイ。
「どうだった?何か異変は有ったの?」素早くキャメルがフレイに聞く。
「な〜んにも。他の奴にも連絡取ったけど。」まるで興味が無い様にフレイが答えた。
「そうか。なら良いわね」満足そうにキャメルが答えた。
しかしフレイはまだ何か言いたそうだ。それを察したらしく
「言いたい事が有るなら言ってよ?」とキャメルが話す。
「い〜や、さすがに神経質に成りすぎじゃないかとね」少し飽きれた様にフレイが言った。
「こんくらい警備は必要よ。それでも貴方は反乱軍の代表なの?」
キャメルが即座に言い返す。
ふいにデックスが二人に向けて
「俺達にも賞金が掛けられた様だな。賞金稼ぎが狙ってくるな」
と言ってタバコを吹かし始めた。
「だから、警備を厳重にする必要が有るのよ。殺されたら元も子も無いわ」
待ってました、とばかりにキャメルが強く言う。
しばらく三人は沈黙した。しかし、警備兵からの連絡が沈黙を破った。
「どうした?何か有ったのか?」フレイが素早く応答する。
「しょ、賞金稼ぎと想われる者が・・・・・・・・」
「おい!どうした?・・・・・おい!・・・・・・くそ!」通信が途切れてしまった、、、、どうすれば?仕方ない、もう少しここに居たかったが・・・・・
「直ぐにここを脱出だ、キャメル!燃料補給と修理が終った筈だろ、連絡を取って艦隊を発信させてくれ」きびきびとフレイが言い放つ。彼はいざと成ると驚くべき指揮力を発揮するのだ。
しかし、その事にキャメルが反論をした。
「どうせなら、ここで追っ払っちゃいましょ」そしてデックスが割って入った。
「なら俺が行くよ、じゃあな」そう言ってデックスは暗闇に消えて行く。
「やれやれ、あいつの猪突猛進は困ったもんだな。まぁいいか」フレイが諦めた様に
言い放つ。
「艦隊を集結させて出発だ。デックスが戻って来るまで待とう」
「解ったわ、他の奴らに知らせてくる」今度はキャメルが暗闇に消えて行った。


「そろそろ、ハイパースペースを抜けるぞ」バリスが威勢よく言う。
「ああ、解ってるよ、何時まで初心者扱いする気だ?」不満そうにカリルが言った。
コルサントは二年前まで銀河の宝石と呼ばれていた場所だったのだ。
しかし、パルパティーン最高議長が帝国樹立宣言をしてからインペリアル・センター
なる名前を持ったのだ。だが殆どの人が未だにコルサントと呼んでいる。
それは、人々が昔のコルサントに戻って欲しいという願いの象徴なのかもしれない。
「さて、何処を探す?」バリスに向かってカリルが問いかける。
「俺に聞くなよ、初心者じゃないんだろう?」
「うるせぇな」二人とも笑っている、彼等の間では日常茶飯事なのだ。
「まぁ、とりあえず下層の酒場に行こう」バリスが真面目な顔つきに成る。
仕事の始まりの合図だ。
「へいへい、じゃあ行くか」カリルが気合を入れ直した。

艦隊が出発し様としている所へデックスが駆けて来た。
「どうだった?逃がしたか?」直ぐさまフレイが聞く。
平常心でデックスが
「逃がす?おいおい、何時までも初心者扱いするなよな」と言う。
「よし、じゃあ出発だ。行くぞ」
小規模な艦隊が下層部分から出発していく。誰もそれには気付かない。
1人の男を抜いては――――

>>153の第四話へ続く


[82] (無題) 投稿者:ボスフェット zqg3LWuxx1s (2005/11/25(金) 19:55 OA8XH7zrWSU)

boba

73の続き
第9話 ボスクの逆襲

ボバは宇宙港に行ったがろくな宇宙船がなくシード宮殿にあるナブーロイヤルスターファイターに乗って再度タトゥーインに行った。
さっそくボバはソロの情報を入手すべくタトゥーインの情報屋に向かった。
「ソロという帝国兵士は知らないか」
「ハァ、ソロが帝国の兵士馬鹿いわないでくれよ、やつは確かモス・エスパの宇宙港にいる」
「ありがとうだがお前にはもう用はないさらばだ」
ピシューン
情報屋はその場に倒れた。
その後ボバはモス・エスパの宇宙港に行きソロのいると結われる87番着陸所にいった。
だがボバがきたときにはソロはいなかった。
「なぜいない、ここにいるはずなのに」
そうするとボバはいきなりブラスターを上げた。
ボバのブラスターの先には高台の上にいるボスクと思われるトラドーシャンの賞金稼ぎがソロを抱えていた。
ボバはブラスターを撃ち始めた。
ボスクは必死にブラスターをよけたしかし、ボスクは運が悪く脇腹にボバのブラスターが当たり倒れこんだ。
ボバはブーストで高台に上がりブラスターを翳した。
「俺の邪魔をするなんてまったくいい度胸だ」
するとボスクはソロを抱えながら全力で走り始めスキッフに乗りタトゥーインの外れにあるクレイト・ドラゴンの墓と結われるところに行き始めた。
ボバはいったん宇宙港に戻りセールバージに乗ってボスクの追跡を始めた。


[84] とりあえず、出来あがったところまで。 投稿者:Mr.Ratamacue vId3OjBL2S. (2005/11/26(土) 00:06 VhjaR5OGsio)

20thfox

>>54の続き

2.出会い

ナー・シャッダのギャングは私の両親にとてつもない恨みを持っていたらしい。とても残忍な殺し方だった───

 両親が殺されるまでは、とても優雅な時を過ごしていた。父はホロネットワーク関連の会社の社長で、ナー・シャッダでも有名な、大富豪の一人だ。幼き私は父を心から尊敬していた。僅か七歳にして将来は父のような人間になり、会社を継ぎたいと思っていた。そう思っていた矢先、悲劇が起こった。高貴なるイノヴェン家の豪邸に、どういう訳か、場にそぐわないナー・シャッダのギャング達が責め込んできたのだ。母は悲鳴をあげる。「ディル、逃げろ!」と父は叫ぶ。父と母の眼は完全に凍り付いていた。あんな両親を見るのは初めてだ。そして私も恐怖で腰を抜かしてしまった。そしてその時だった。父の体を何発もの閃光が貫いたのだ。母は父のまだ生暖かい死体に飛びかかった。その瞬間、母の体にも閃光の嵐が降り注いだ。あまりの恐怖に、涙さえ流れなかった。そして、ギャングは次なる標的として私に目を向けた。逃げようと思っても、体が動かない。「子供も殺してやる。」ギャングはそう言うとピストルの銃口を私に向けた。あのギャングがあの壁に突っ込んで怯んでくれればいいのに、そしたら逃げれるのに、神様どうにかしてください、ひたすらに願っていた。その時だ。ギャング達は何かに突き飛ばされるようにして、部屋の壁に叩きつけられたのだ。何が起こったのが分からなかった私は、神が願いを受けとめてくれたのだ信じ、なんとか体を起こし全速力で豪邸を脱出した。我が家から出た途端、涙が止めど無く流れた。しかし逃げなければ、もっと遠くまで、奴らに見つからない所まで・・・。
 もうどれだけ走ったのだろうか、ここはどこら辺だろう、私は走るのをやめた。ここまで来ればきっと大丈夫だろう。
「君、落し物だよ。」人混みの中、茶色のローブを着た中年の男が近寄ってきた。「君のだよね?」男は優しくそう言うと、金のロケット・ペンダントを私の手に渡した。「ありがとう。」悲しみと恐怖に暮れる私はぼそっと呟き、その場を離れようとした。「ちょっと、待って。坊や、どうしたんだい?顔がくしゃくしゃだ。ご両親とはぐれたのかな?」
男の優しい言葉が僕の心を少し温めてくれた。その時、自分でも何故だか分からなかったが、さっき見た恐怖、両親の偉大さ、神が願いを受け取り叶えてくれたことについての言葉が溢れるように出てきた。
 「怖かっただろう。」男は私を優しく抱きしめると、少し真顔になってこう言った。「自己紹介が遅れたが、私の名はサージェント・アンソロ。共和国に仕えるジェダイだ。よろしく。」彼は私に握手を求めてきた。私は手を握り、サージェントの暖かさに触れた気がしていた。「私は今、ジェダイの道を学ぶべき者を銀河中旅して捜している。だが、今、その学ぶべき者に出会ったみたいだ。」サージェントは微笑み、私に言った。「僕が?」


[85] やっと続きが書ける・・・・・。w 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2005/11/25(金) 23:04 juC7TwBcpew)

needa

>>35の続き

ゾーングはその様な事を考えていたが、そんな事はしていられなくなった。
またXウイングが後ろに着いたのだ。しまった!!ゾーングは油断した自分を責めた。
いくら責めても仕方がないが。
ゾーングは機体を激しく動かした。一発でも当たればシールドの無いTIEにとっては大打撃だ。
Xウイングは誘導ミサイルのように後ろにくっついて離れない。
このままではまずい。ゾーングは味方がすぐに来て欲しいと願った。
だからなおさらテンプル上空から離れることは出来ない。ゾーングはテンプル上空を逃げ惑う。
振り切れない・・・。TIEパイロットやってればこんな事はよくある。
だが、いい状況では無いのは確かだ。もし死ぬのなら戦艦のブリッジに体当たりして死にたいと彼は思っている。
ここで死ぬのはごめんだ。ここでは。
Xウイングは赤いレーザーを放つ。危うくゾーングのTIEを掠りそうになった。
「あー全く、迷惑な話だ!!」ゾーングは思いっきり叫んだ。
その時、後ろで何かが爆発した。敵機が損傷を受けたのだ。
“隊長!!”
「来てくれたか!!援護を頼む!!」
“もうやってます!!”仲間はXウイングに熾烈な攻撃を浴びせた。
Xウイングは見事に散った。
「ふう・・・・。助かったよ。恩にきるよ。」ゾーングはため息をついた。彼は辺りを見回した。反乱軍は見当たらない。恐らくもう逃げたんだな。
そして、また通信が届いた。スター・デストロイヤーからだ。
“反乱軍の撤退はほとんど終わっている。これから反乱軍の合流地点に攻撃を仕掛ける。合流地点はここだ”
ゾーング達だけではなく、すべてのTIEパイロットに合流地点の座標が届く。
ゾーングは逃げようとする輸送船を撃ち落すのは好きではない。
「了解」ゾーングらは、座標の位置に向った。テンプルの中の様子を見てみたいと思ったが無論、無理だ。
TIE部隊はテンプル周囲から離れていった。

続く


[86] (無題) 投稿者:やぼ NAcjOWI8UxM (2005/11/26(土) 18:11 IwcBz8rgNo2)

boga

「提督」
後ろからシュリ大尉の呼ぶ声がした。イーグスは彼を呼んではいなかったがちょうどいい。これを大尉に見せてやろう。
「見たまえ。大尉」
イーグスはディスプレーのスイッチを押した。
そこには驚くべき光景が映し出されていた。その光景にシュリは唖然とした。
「これは完成するまでわたしと君の秘密にしておいてくれ」
シュリは重くうなずいた。
なんとディスプレーには建造中のスーパー・スター・デストロイヤーが映し出されていたのだった・・・・・・。
「――ところで提督。分析してみたらところ、反乱軍が大艦隊を率いてきた場合、防衛軍の全艦隊を投入しても勝てません」シュリは口が震えていた。イーグスに怒られるのが怖いのだ。だがイーグスは別に怒らなかった。
「こういうことも想定して、ほかの帝国将校との通信をしておいた」
イーグスはホロ・プロジェクターのスイッチを押した。そこにはイーグスとほかの帝国将校がディスプレーで交信していたのが見えた。
「これはファロン・ガーディスという准将で帝国の艦隊を五隻率いている。今は未知領域付近にいる」イーグスはプロジェクターのスイッチを切った。「彼だけではない。ほかの帝国艦隊を率いる大将軍などにも通信した」
シュリは驚きのあまり唖然とした。彼の権力はここまであるのか、と。
「すばらしいです。提督。わたしは数十年間あなたの部下になってそれが正しかったことがわかりました。いつか反乱軍どもは壊滅状態――首都コルサントは再び帝国の手中に収まるでしょう」
「ありがとう。大尉」イーグスは笑顔をシュリに見せた。
「明日、帝国将校との会合がある。極秘プロジェクトも彼らに見せてやろう」


[87] 久しぶりっていってもだれも知らないと思いますが・・・ 投稿者:ダース・デクスター 6H3ydp4GCtw (2005/11/28(月) 18:35 SFSFURUu5q6)

obiwan_spirit

STAR WARS
EPISODE1.9/クローン対戦へ

A long time ago in a galaxy far far away....

千年間もの間続いてきた共和国による銀河
の秩序が破られようとしていた。
元ジェダイのドゥークー伯爵率いる分離主義者
の誘いで、共和国同盟諸国が、つぎつぎと共和国
離脱を表明したのだ。
ジェダイは、シス卿の復活を感じているため、その背後
にシス卿の存在の疑いをもつが確証を持つにはいたら
なかった。
ジェダイは、力に限りがでてきたことを感じ取りながらも、
共和国から離脱する惑星を一つでも減らすため、銀河全域
に散らばるのであった・・・

プロローグ

宇宙は、四方八方どこを見ても光にみちている。
静寂。というより、無という言葉がふさわしい。
そんな無の空間を二機のジェダイ・インターセプターが通り過ぎた。
ひらりひらりと舞うように動きながら、その後を追う三機のドロイド・スターファイターの攻撃を避けている。
「しかし、豪勢なお出迎えだな。」
オビ=ワン・ケノービがそうぼやいた。
ドロイド・スターファイターの次の攻撃は、惜しくもオビ=ワンの機体をそれ、どこかへと無事にとんでいく。
「おっと。」
オビ=ワンは、ぎこちない動作でハンドルを操作し、機体を急降下させた。
「いや、R4 。いいよ。アナキンに任せておこう。」
ディスプレイにでてきたR4のことばを読んで、オビ=ワンはつぶやいた。
「アナキン。後ろにつかれた。」
しかし、アナキンはいっこうに現れる気配もない。
「仕方ない。」
オビ=ワンは、思いっきり機体を上昇させると、そのまま宙返りの要領でドロイド・スターファイターの後ろにつき、照準をあわせ、敵の機体を宇宙の藻屑とした。
ふりかえり、後ろを見ると超空間から敵が何機もでてきているのをみて、オビ=ワンはため息をついた。
「いやな予感がするよ。」

「ははははははは。」
アナキンは、迫り来る敵の集団に真っ向に立ち向かいながら笑い声をあげた。
敵の銃口がこちらに向かって火を噴いたが、アナキンは、すこしもあわてずにいった。
「R2。」
R2は機体を完全に操ると、嵐のような銃弾をかいくぐり、敵の目の前まで接近した。
「おみごと、R2 。」
敵を全機消滅させると、急旋回して、来るべき敵にそなえようとしたところで―。
オビ=ワンからの通信が入った。
「アナキン。きりがない。超空間にうつるぞ。」
「しかし、マスター。ここが目的地では?」
オビ=ワンは諭すように続けた。
「まず逃げるのが先決だ。アナキン。無意味な戦闘は避けねばならん。」
「・・・わかりました。」
アナキンは、しぶしぶ言うと、旋回し、オビ=ワンのインターセプターの後ろについた。
前のオビ=ワンの機体が、宇宙空間に尾を引くように残像を残しながら一瞬できえる。
「R2 。座標はだいじょうぶだな。」
画面に返事がでる。
「そうだ。R2 。またお預けだよ。」
アナキンがレバーを引くと、アナキンの機体も尾を引くように宇宙へすいこまれていった。
後には、ドロイド・スターファイターが何十機もとりのこされた。


[88] うは、ついに最終章。x君暴走中!!!(エピローグもあるから・・・ 投稿者:おん 9xk5mfOT6D2 (2005/11/29(火) 23:06 7zo4MJIOEdw)

obiwan_ep3

最終章 任務

・・・ここは・・・・・・・?
xは眼を開けた。
まだ頭がふらふらする。そして手首の違和感。
xは眼を擦ろうと手を眼の近くまで寄せた。いや、寄せようとした。
!?届かない・・・。
xは頭の苦痛を振り払い、右手首を未だハッキリ見えない眼で凝視した。
ぼんやりとだが、見えてきた。
銀色・・・鎖がついてる・・・鍵穴?大体状況が分かってきた。
手錠――それもまた古典的ですげー旧式な物。アンティークといっても過言ではない。
でも、この程度なら・・・・。
そのとき、“あの声”が聞こえた。
「お目覚めかい?Mr.x(ミスター・エックス)」
今度は声の元――真正面を凝視。
「へ、二つも推進機構を壊されたこの船に比べりゃあ元気そのものさ」
xはとりあえず悪態をつく。
「ここは二等船室かい?他のエイリアン種族が見えるが?」
だいぶハッキリした眼で周りを観察。
そこにはトワイレックやローディアン等の様々なエイリアンがいた。見たことのない種族やもちろん人間もいる。
中には泣いている子供もいた。
「そうさ、二等船室だよ。パイプが丸出しの部分が多いね。―――うるさいな」
グラマー姐さんの目線は泣き喚いているトワイレックの子供に向いていた。
4〜5歳だろうか?しかし、今はそんな事どうでもよかった。
グラマー姐さんの手に握られているのはxのブラスターだ。
その銃口はトワイレックの子供に向けられている。
「やめ・・」
xが止めようとした。
だが、グラマー姐さんは聞かずに、銀のトリガーを絞り、ボルトが発生した。。
銃声が響き、トワイレックの子供の眉間にまるで第三の目のような風穴が開き、トワイレックの子供は口をパクパク開けながら、冷たい床に倒れる。
xには…永遠に感じられた。
今までに自分がしてきた事を思い出したのだ。
「て、テメーーーーー!!!!!!!!!!」
怒りの声を通り越し悲鳴のようにグラマー姐さんの耳に届く。
しかし、グラマー姐さんはxの右手から聞こえる機械音までは聞き取れなかった。
それは、xの右手の手の平からプラズマ切断トーチが伸びた音だった。
「・・・覚悟しとけよ」
その直後、本当に直後だった。
右手の手の平から青い電流が飛び出し、右手にはまっている手錠からパイプに伸びる鉄の鎖を切る。
次に左の腕を解放し、素早く前へ体重移動。グラマー姐さんのあごに狙いを定めると強烈なアッパーを繰り出す。
そしてそのまま左へ回転しひじで頬を突いた。
グラマー姐さんはxから見て左へ倒れ、ブラスターを貨物の上に落としていた。
xはブラスターを拾い上げ、横を向いているグラマー姐さんに銃口を向けた。
「血の匂いがする事が分かったのは、過去のオレがそうだったからだ」
「それで?」
xはそっけない彼女の返事はどうでもよかった。
「そして過去のオレは死んで行く者の・・・・感情を知った」
そうだ、どうでもいい。ただ、訊きたいのは――知りたいのは・・・。
「そこでオレは生きるか死ぬかの選択肢を言い渡された。オレはその時・・・」
生きたいか、死にたいか、だ。
「生きていく事にした!!!!」
xはグラマー姐さんに赤い閃光を放った。
死なない程度に。
「お前はどうだ?生きたいか?」
グラマー姐さんは顔を歪めながら、口を開いた。
「罪人(つみびと)なら・・・・・罪人らしく死ぬよ」
xは「そうか」と小さくつぶやき、心臓に向け、エネルギービームを発射した。
グラマー姐さんは音もなく、ずり落ちた。
xはトワイレックの子供の抜け殻に近寄り、ハンカチを顔に被せた。
xの心が底まで落ちかけたそのときだ。
扉が空気の擦れる音をたて、開いた。
そこにはクローン・トルーパー数人とブロンズ色の髪と口ひげが生えたジェダイ・ナイトといかにもパダワンの証(あかし)である三つ編みを切ったばかりのジェダイ・ナイトが立っていた。
銀河の英雄、ケノービとスカイウォーカーだ。

xと英雄二人は船長室への廊下を歩いていた。
「遅かったではないですか、ケノービ将軍」
xの感情を含まない声が英雄に届く。
「それをいうならあなたこそ、よくあそこを通りかかると分かりましたね」
ケノービ将軍が陽気に“はぶらかした”。
「いや、ラジオで『惑星ローンの戦いに勝利』と速報が入ったので、ローンとコルサンドなら必ずここでドライブを休めますから」
「よく、覚えてましたね。カルド将軍」
「いや、“元”将軍だ。今はただの平民だ」
x・・いや、カルドは腕を組んだ。
「ただの平民がジャック事件を一人で解決しますか?それにライフポットとは良い手ですよ」
若い青年の声、スカイウォーカーだ。
「スカイウォーカーか、ナイトに昇格したとか・・・。遅れたが言わせてもらうぞ、おめでとう」
若いジェダイは照れを隠し切れないようですこし“にやつき”、元マスターに訊ねた。
「船長室へは私達で充分でしょう?なぜカルドしょうぐ・・カルドを連れて行くのですか?」
「ふむ、本人の要望なんだが、何か訳でもあるのかね?カルド将軍?」
二、三歩前を進んでいたカルドが振り向き、答えた。
カルドの目の前には赤い船長室の扉があり、ロックカラーは緑色でロックは効いてない。
「それならちゃんと、上に訊いてくれ、ケノービ将軍。この“お使い”はマスター・ヨーダからの要請だ」
カルドは人差し指でパネルを押し、赤い扉が左右に割れる。
奥には老船長が深くイスに凭れ掛かり(もたれかかり)ながらパイプを吹かせていた。
「スキャンダルデータを渡してもらいましょうか?フィンガー船長。いや、マスター・フィンガー」
オビ=ワンとアナキンは眼を大きく開けていた。


[89] PC変えました。 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/03/01(水) 21:19 VFVb.uH1MjU)

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7,困難

ジェダイ達は未熟な弟子を連れて、サイルの家から1キロ離れた草原に来ていた。あたりには一面緑が広がっているが、所々に高さ七メートルほどの岩山もある。
理想的な場所だ。キップはにやっと笑って、シュナイブの方を向いた。
「さっさと修行をはじめるぞ。」
キップは背負っていたバッグを下ろすと、中から灰色の棒のようなものを取り出した。
「見てろよ」
キップが棒についているスイッチを押すと、棒が二倍以上に伸び、両端から紫色のプラズマが現れた。
「これはエレクトロスタッフだ。お前たち兄弟はこれを使って戦う。お互い傷つかないようにな。」
シュナイブは真剣な顔でこちらを見ていた。だが、キップは不安だった。彼に言わせれば、シュナイブはフォースがうまく使えず、覚えも悪い最悪の弟子だった。ガノクの弟子にどれほどの実力があるかは知らないが、今のままではシュナイブが勝つのは困難だろう。
「エレクトロスタッフは、優秀な武器だ。さまざまな使い方があるし、種類も多い。」キップは話を続けた。
「必要に応じて長さも変えられるし、片方だけプラズマを出すこともできる。」
彼はそう言いながら、実際にスタッフを収縮させ、プラズマのひとつを消した。
「ほら、この長さなら、ライトセーバーと同じ戦い方ができるだろう?」
キップはスタッフを片手で回しながら言った。
「なるほど。」シュナイブは、わかったと言うように頷いた。
「だが、よく聞け。俺たちが教えるのはライトセーバーの技だけじゃない。エレクトロスタッフの戦い方も教える。半年後の決闘までに、二つの戦法をなんとしてもマスターするんだ。多くの技を持っていれば、それだけこちらが優位に立てる。」
キップはシュナイブのほうを見た。
「わかったか?」
「はい、マスター。」シュナイブははっきりと答えた。
マスター、か。いい響きだ。キップはつかの間、ルークが自分に敬意をこめて、マスター・デュロンと呼んでいるところを想像した。悪くない・・・。
「マスター?どうかしましたか?」
シュナイブがスタッフを持ちながら尋ねた。
「いや、なんでもない。修行を始めるぞ。」
キップは顔をしかめて、シュナイブに言った。

マクーンとサナは草原に座って、忍耐強くスタッフの技を教えているキップを見ていた。もう三時間は立っただろうか。
「驚いたな。あいつの自制心がここまで持つとは思わなかった。」
マクーンはそう言いながら、持ってきた弁当箱からチャーボットの根を取り出し、マスクを一瞬開いて口に入れた。惑星ドーリンのエイリアンであるケル・ドアは、酸素の豊富な惑星で暮らすことができないため、いつもマスクをつけていなければならない。
だが、食事くらいならとることができる。
やがて、キップとシュナイブが息を切らして戻ってきた。特にキップは・・・精神的にもつかれているようだ。
「サナ。君の番だ。」キップはそう言うと、草の上に座り込んだ。サナはシュナイブを連れて立ち上がり、マクーンたちから離れていった。
「まったく、あいつのせいでかなり余計に年をとったぞ。」
キップが弱々しい声で言った。

シュナイブは目の前にある四メートルほどの急斜面の岩を見上げた。隣には、彼のマスターが立っている。
「ジェダイは、フォースの助けを借りることで、普通の人には不可能な運動能力を得られるの。高くジャンプしたり、速く走ったりもできる。熟練したジェダイなら――」
「岩を飛び越えることも・・・できるんですか?」
シュナイブは信じられずそう言った。そんな話は聞いたことがなかったからだ。
「そうだけど・・・。なぜそんなに驚くの?」
彼のマスターはけげんな顔をした。
「父は、何も教えてくれませんでした。フォースのことも。あなた方のことも。ジェダイという存在を知ったのも、つい・・・最近なんです。」
最近。父が死ぬすぐ前だ。よく考えたら、父はジェダイを呼んだせいで死ぬ羽目になったのだ。だが、マスターの前ではそんなことは言えない。あなたたちのせいだと責めることはしたくない。
「始めて・・・いい?シュナイブ?」
隣で優しい声が彼を呼んだ。マスター・サナが心配そうにこちらを見ているのに気づいて、シュナイブは急に現実に引き戻された。
「あの・・平気です。やりましょう。」
「じゃあ、まずフォースを高めましょう。瞑想の準備をして」

それから二十五分、彼らはその場に座り、自分たちのフォースを引き出して、あらためて岩の前に立った。
「私がお手本を見せるから。コツは、ええと・・・自分で飛ぼうとするんじゃなくて、フォースに身を任せること。いい?シーカーボールの訓練を思い出して。あの時みたいにやるの。」
シュナイブのマスターはそう言いうと、上を見上げ、一気にジャンプした。一秒後、彼女が岩の上に立っているのを見て、シュナイブは目をぱちくりさせた。
「やってみて」
マスターが岩の上から叫んだ。
「は、はい!」
シュナイブは大きく十歩下がり、助走をつけて走り出しながら、岩に向かって勢いよくジャンプして――
岩に激突した。

「あのばか」
マクーンは地面で痛みにのた打ち回るシュナイブを見て言った。
「おい見ろ。まだやるようだぞ。」
キップが見たときには、シュナイブはすでに立ちあがっていた。
そして、再び岩に向かって走りだし―――
再び激突した。
サナが岩から飛び降り、シュナイブに駆け寄っている。
キップは歯ぎしりした。二週間訓練したにもかかわらず、シュナイブはフォースの使い方をまったくといっていいほど覚えない。
このままでは・・・負ける。
キップの中には、怒りが渦巻いていた。
サナに連れられてくる情けない弟子の姿を見て、彼の心は決まった。
「もう我慢できん!あいつを殴ってやる!」
「待てよ、キップ。」
マクーンが立ち上がったキップに言った。
「なんだ?文句があるのか?」
「俺の分も頼む」
キップはやや考え、頷いた。
「任せろ」
彼はシュナイブに駆け寄ると、鼻血を出している弟子の頬を、平手で二発、思い切りたたいた。シュナイブがしりもちをついて倒れる。
「ちょっと――」
サナが叫ぶのも気にかけず、キップは弟子の襟をつかんで、強引にその場に立たせた。
「いいか。いまのは俺とマクーンからのだ。殴られたくなかったら、しっかりやれ!これからは容赦はしない」
「・・・・・・はい、マスター。」
シュナイブは黙っていたが、やがて素直にそう言った。
「よし。今日は終わりだ。」
キップはシュナイブの肩をたたき、マクーンの元へ歩き出した。
サナがこちらを意味ありげにじっと見ている。
「俺は必要なことをしただけさ」
キップはサナの目を見ながら威嚇するように言った。
「マスター・スカイウォーカーなら、あんなことはしないのに!」
サナは怒っているようだ。心を読まなくても、それがわかった。
「マスターと俺を一緒にするなよ。彼がすべて正しいわけじゃない」
キップはきっぱりそう言って背中を向けて歩き出した。
「待って」
後ろでセーバーを起動する音がして、キップは振り向いた。
「何の真似だ?」
「勝負しましょう。条件付きで。私が勝ったらあんな乱暴な真似をしないと誓って。負けたら・・・あなたの言うことをひとつ聞くから」
サナが青い光刃をキップに向けて言った。
キップは少し考えた。アカデミー時代に、彼はトレーニングでサナと戦い、油断したせいで負けたことがあった。
どうやらサナは今でも俺に勝てる気でいるらしい。間違いを思い知らせるいい機会だ。
「いいだろう。俺が勝ったら俺に従ってもらうぞ。昔のままだと思うなよ。」
キップはセーバーを起動した。

「マスター、まずいですよ。止めなきゃ――」
マクーンは走り出そうとしたシュナイブの腕をつかんだ。
「黙って見てろ。殺し合いをするわけじゃない。彼らの戦い方を見て参考にしろ。」
「あの、はい・・・。」
キップとサナの戦いは既に既に始まっていた。
キップが踏み込んで攻撃をしかけていく。サナは最初の一撃をよけ、次の三回はセーバーで防御した。キップは容赦なく攻めていき、サナはじりじり後退していった。だが、全ての攻撃を的確に受けている。その表情は冷静だった。
突然、サナはすばやく切り込んで反撃に出た。
キップは後ろにさがりながら受けると、次の攻撃が来る前にすばやく切り返した。サナがその光刃を横に払い、さらに攻撃を続ける。
今度はキップが後退し始めた。
マクーンはだんだん不安になってきた。なぜなら目の前の戦いは意見の相違で起きたけんかとは程遠いものだったからだ。
二人の戦いはさらにキレがましていく。
ジェダイはライトセーバーで戦ってお互いのテクニックを磨くこともあるが、マクーンにとって目の前の戦いは、命をかけた決闘のように見えた。
参考にしろとは言ったが、俺にだってそれができるかどうか・・・。
彼は心の中で毒づいた。俺はジェダイだというのに。俺は・・・俺には、彼らのようなことはできない・・・。

キップは感心した。昔のままでないのはサナも同じらしい。
なぜなら、彼女のフォームはキップがこれまで見たことのないものだったからだ。
サナは急にすばやく、低く切りつけた。
おっと、あぶない。
キップは後ろにさがりつつ、この複雑な攻撃を受けた。
彼はにやっと笑い、どうだと言わんばかりにサナのほうを見た。
彼女は汗を流しているが、顔色一つ変えなかった。
キップは彼女の心をフォースで感じることができない。
だが、サナは戦いを通じてキップに語りかけているように思えた。このことは、昔と変わらないようだ。
サナは今度は高く切り込んできた。
”これを受けられる?”サナがそう言っているのがわかる。
もちろん。できるとも。
キップは攻撃を受けながら心の中でそう答えた。
フォースを使わなくとも、二人は不思議と通じている。
疲れが押し寄せてきたが、二人はかまわず激しく切り結んだ。
キップはまたしてもサナの攻撃が速くなるのを感じた。
これ以上相手のペースに持ち込ませるのはまずい。
キップはサナの勢いを止めようと、後ろに下がりながら、ライトセーバーをまわして牽制した。
一瞬サナの攻撃が弱まった。その隙を逃さず、キップはだしぬけに素早い一撃を繰り出した。
光刃がサナのセーバーの柄をたたき、それと同時に青の刃が消える。キップは光刃を消して一歩後ろに下がり、おおげさに一礼してから、顔を上げにやっと笑った。
「俺の勝ちだ。これからは、俺のやることに文句はつけるな。」
キップは汗をかき上げた。彼女にライトセーバーで勝つのは容易ではない。さすがの彼も疲れていた。
「・・・今回はね。」
サナはそう言ってその場に座り込んだ。彼女も少しばかり苦しそうに息をしている。
彼はもう一度大きく息を吹き出した。まったく、この惑星に来てからは疲れる事だらけだ。

その後、彼らは支度をして、サイルの家に帰り始めた。帰路の途中、不意にキップはサナとの言い争いを思い出した。
ルークだけが正しいわけじゃない。いつかは銀河の人々が、キップを英雄として、彼がすること全てが正しいとみてくれるような日が来るに違いない。
その日のために、彼は突き進むのだ。


[90] ハンターの銃 投稿者:ストーム・デストロイヤー r4V1I3KZi4Y (2005/11/30(水) 20:07 OgO4kqMAdzY)

neyo

プロローグ
一機の輸送船がダンテュイーンに降り立った。
続けてもう一機降りる。
輸送船から疲れながら森の中へ誰かが消えていった。
しかし、もう一機からも追いかけるように誰かが森の中へ入っていった。
そしてその数秒後森の中に一発の銃声が鳴り響いた。


[91] 久々に投下!今回は挫折しないように頑張るぞ〜(苦笑 投稿者:ポチ uo5SLPDAPdU (2005/12/02(金) 22:27 Am7Y9PmhV.2) [SAGE]

default

ジオノーシス戦。全てはそこから崩れ始めた・・・。

Love of the created people …
〜創造された者の愛〜

――遥かなる広大な闇、そして幾億もの光。その光の中の一つに惑星ムーニリンストが存在した。
その惑星は現在、戦闘状態にあった。
軌道上には幾百もの艦隊が壮絶な戦闘を繰り広げている。至る所で艦船が星の様に煌き、スペース・デブリと化す・・・。
そのスペース・デブリは惑星の重力に引かれ、惑星に次々と降り注ぐ・・・。
それが流星群のように見えるところでも壮絶な銃撃戦が行われている。
幾千もの白い装甲の兵器と紺、茶等の色をした機械人形が摩天楼の中で銃撃戦を行い、破壊される。
至る所で銃声や爆音、悲鳴が聞こえ、更なる“それ”が“それら”を消し去っていく・・・。

一体こんな戦いに何の意味があるのだろうか・・・?
どちらにも正義はある。両軍とも正義を掲げている。いや、正義を掲げる事で“カモフラージュ”しなければこんな馬鹿馬鹿しい行動は出来ない。
惑星の独立自治権の確立・・・。共和国の平和と秩序、威厳の維持・・・。
果して、それは本当に正義と呼べるのだろうか?
この摩天楼には住民も居る筈だ。何の罪も無い住民も居る筈だ。
そんな住民をも巻き込み、醜い争いをすることが正義なのか?
しかし、そのような事を考える者はこの戦場に一人としていない。
例外として言えば、両軍の“司令塔”のみ。“駒”は命令されたことを実行するだけだった・・・。


ムーニリンストでの戦闘は終結した。
巨大な摩天楼は廃墟と化し、至る所に犠牲者が転がり、至る所から黒煙が舞い上がっていた・・・。

戦闘は独立星系連合軍の重要人物であり、インターギャラクティック銀行グループ会長のサン・ヒル氏の拘束、所謂共和国の勝利で幕を閉じた。
しかし、この戦闘にはサン・ヒル拘束以外にもう一つの理由があった。
サン・ヒル拘束だけなら、これだけの大規模な戦略レベルの軍事行動は必要無い。ムーニリンストに駐屯する敵兵力を削るという事を頭に入れても多過ぎる。
共和国の真の作戦、それは独立星系連合が極秘裏に開発していた“最終兵器”を奪取する事であった。
その最終兵器はインターギャラクティック銀行グループとテクノ・ユニオン、そしてコマース・ギルドの独立星系連合を代表する三大企業が極秘裏に開発戦争を進めていたらしく、その産物らしい。
また、その兵器の詳細は知られていないが、戦局を変えかねない兵器だと言う話である。
そのような兵器を投入されでもすれば、銀河共和国の掲げる“正義”は崩れるやも知れない・・・。
それは共和国崩壊を意味し、一気に威厳が崩れ落ちる・・・。それはなんとしても避けたかった。
同時に、共和国はそれをなんとしても手に入れたかった。戦局を変えかねない兵器であるならば共和国優勢の戦局に更に拍車を掛ける事ができる。そんな兵器を逃す手は無いのである。


サン・ヒルが拘束された司令室。
そこは先程まで戦闘が行われていたらしく、何かの爆発でできたのであろう床には大きな穴がぽっかりと口を開けており、司令室中央に置かれていた机が真っ二つに折られている。更に銃撃の焦げ臭さと何かの生き物が焼けたような生臭さが部屋を包んでいる。
サン・ヒルを拘束した特殊な兵器とジェダイの“兵士”は既に帰還し、ここの散策は共和国軍第3機甲師団砲兵大隊第2分隊に回されていた。
その部隊に配備された“消耗品”の中にジオノーシス攻略戦を生き残り、この戦線に投入された兵器があった。個体識別番号【CT-1305】。彼も他の兵器と同じで自我を持たず、純粋な子供のように“大人に言われた事を忠実に護る”事しかできなかった。
この部屋に配備された兵器は全5体。赤いラインが入った装甲服を着用している1体、そして何も描かれていない真っ白な装甲服を着用した4体、その計5体である。赤ラインは部屋の中央、そして残りは隅を散策している。
「こちらCT-1322。異常無し」
「こちらCT-1369。異常無し」
「こちらCT-1310。異常無し」
純白の兵器が全く同じ声、口調で報告する。
彼らは姿形は人間だ。しかし、顔、遺伝子は全て同一、所謂クローンだ。
共和国軍は“創られた生命体”を戦線に投入した。それは、機械人形を使う独立星系連合よりも性質が悪いであろう。
クローンにも痛みはある。血が出る。骨が折れる。しかし、彼らは腕がもぎ取られようが、足が圧し折れようが“機能停止”するまで任務を遂行しようとする。何の文句も言わずに・・・。
戦闘で生き残れば新たなる戦闘に投入され、功績を立てれば人間、エイリアンには“当たり前の名”を与えられるだけ。“大破”すれば二階級特進も勲章も与えられず、ゴミのように一箇所に集められ焼却される。この兵器は無残なものである・・・。

散策を続けていたCT-1305は部屋の隅の一角に四角いハッチのようなものを見つける。
「分隊長」
CT-1305は他の兵器と同じ様に報告する。他の4体がCT-1305の元に駆け寄った。
赤ラインが隣に来たことが合図のようにCT-1305はそのハッチをこじ開けた。開いたハッチの中にはキーが十数個とカードキーの差し込み口がある。
「・・・解除装置」
赤ラインが進み寄り、ある機器を催促する。それに反応した1体の兵器が直ぐに機器を渡す。その機器には小型モニターと複数のキーが一体化しており、本体から伸びるコードの先にはカードキーのようなものが付いている。
赤ラインはコンソールの差し込み口に渡された機器のカードキー部分を接続し、作動させる。
機器の電子音が鳴る。その数秒後、近くの壁が開かれた。どうやらその壁の先は隠し通路、そしてこのコンソールは隠し通路への扉を開ける為のものであったらしい。
「・・・即刻、司令部に報――」
赤ラインが頭部のゴーグルから真紅の液体を飛び散らせながら突然倒れた。ゴーグルには3cm大の穴が開いていた。しかし、兵器達は分隊長のそんな光景を目にしても微動だもせず、瞬時に戦闘態勢に移行する。
「応戦。応戦」
1体の兵器が隠し通路に向け発砲する。それを確認した残りもコンマ数秒遅れて引き金を引く。
鮮やかな色をした光弾は通路の先も判らぬ闇に無数に放たれる。が、それが跳ね返ったのが確認できた。相手はシールドを張っているのであろうか?
隠し通路から発砲しながらゆっくりとこちらに1機の機械人形が接近してくる。その機械人形はこちら側の照明に徐々に照らされ、正体が判った。それはコードネームドロイディカ及びデストロイヤー・ドロイド、戦闘目的で開発された機械人形の中で最も厄介な人形である。
1体、また1体と純白の兵器はその機械人形に“破壊”されていく。所詮クローンにジェダイを苦しめるほどの機械人形を相手にすることはできない。
CT-1305は機転を利かし、いや、“プログラム通り”に榴散弾数個を通路に転がした。転がる榴散弾は機械人形の足元で爆発、それは機械人形を覆っていたシールドを消滅させた。シールド消滅から再起動を行う数秒の隙を突き、2つの銃口から毎分1000発以上もの光弾が放たれる。それは茶色い機体を貫くと直ぐに茶色の機体は跡形もなく爆散させた。
「・・・撃破確認」
残ったCT-1322が言う。誰に向かって言うわけでもなく。何故か言わされるように教え込まれていた。
「・・・長いぞ。進むか?」
「・・・任務続行、これより確認に向かう」

2体の兵器は長く続く隠し通路を進んだ。
兵器は臨戦態勢で、慎重に進んで行く。
所々電灯が暗い通路を照らし、不気味な空間を漂わせていた。
しばらく進むと2体の前に異様な威圧感を漂わせる鉄製のドアが現れる。
「解除装置」
CT-1305は装置を催促し、先程の機器が手渡された。それをドアの隣に設置されたカードスロットに先程のように取り付ける。
ピッピッと言う電子音を通路に山彦のように響かせ、数秒でロックを解除すると同時にドアが物凄い勢いで開かせた。
2体はドアの両側に身を隠す。これは室内に敵が存在した場合には有効且つ“初歩的”な戦法である。
CT-1322が指で合図を送る。すると、CT-1305は何かを部屋に投げ込んだ。投げ込まれた物は爆発とは違い、大規模な光を発す。閃光弾である。
光が消えたと同時に2体は銃を構えながら突入、それと同時に小動物のように警戒する。部屋には誰も居ないようだ。
部屋は照明が無く、中央にある巨大なバクタ・タンクが黄緑色の光を発して部屋を照らす。それの周りを囲むようにコンピュータ等の大小様々な機械が並び、それを繋ぐコードが部屋中を蛇のように這いまわっている。
この部屋を一言で言い表すのであれば“不気味”。その言葉が一番良く似合う。
警戒を緩め、CT-1305はバクタ・タンクに近づき、CT-1322は近くのコンピュータを確認する。
「内部に何かを確認、詳細は不明」
CT-1305がバクタ・タンクを覗きこんだ。
内部には何かが薄らと確認できる。しかし、それが何かは判らない。
「生命維持装置が作動している」
コンピュータのデータを確認しそれを簡易的に読み上げるCT-1322。
生命維持装置の作動。それは何よりも中に“生き物”が居ると言う事を語っていた。
バクタ・タンクはすりガラスのようになっており中の物が薄らとしか確認できない。スモークモードが作動しているらしい。
「・・・スモークモードが作動していないか?」
「確認。解除する」
CT-1322はキーボードを叩き、バクタ・タンクのスモークモードを解除した。途端にタンク内の視界がクリアになり、発光していた光が更に明るく部屋を照らす。
タンクに近かったCT-1305は目を顰め、額に手を当てる。急激な光の変化の為だ。
徐々に眼が慣れ、タンクを視認できるようになった。
「・・・これは?」
CT-1305が呟く。
タンクの中には身体中にコードが繋がり、足を抱え込んだ姿勢の全裸の少女が眠っていた・・・。

to be continued…


[92] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2005/12/01(木) 22:41 jzLqoNMp61k)

default

04.接触―Contact―
「で、どっから拾ってきたんじゃそんなもの。」
 夜遅く帰ってきたスティーヴにドクターが尋ねた。
「運び屋んとこだ。あの馬鹿やろう、薬を使っちまいやがった。」
「そうか……。まぁ、いいじゃろう。その子をソファーにでも寝かせてやれ。」
「わかった。」
 スティーヴは言われたとおりに少女をソファーに運んで寝かせた。少女はぐっすり眠っている。
「お前もお人よしじゃな。わざわざ助けなくてもよかったものを。家族思いで有名なのは伊達じゃないってことか?」
「そんなところだ。」
スティーヴ、彼があの墜落事故で助かったのは本当に奇跡としか言いようがない。あるいは、彼の皇帝への復讐心、生への執着が幸運を引き寄せたのかもしれない。ともかく彼は生き延びた。体はぼろぼろだったが、ドクターの治療のおかげで何とか回復できた。ドクターは道端に倒れていたスティーヴを拾って治療してくれた命の恩人である。

「ドクター、俺は明日皇帝を殺すよ。」
 スティーヴが唐突に切り出した。少しの沈黙の後、ドクターは少しさびしそうな表情をして「そうか。」とだけ言った。
「明日、あいつがセレモニーに出席する。そんときを狙う。俺の狙撃の腕が試されるな。」
「厳重警戒じゃろ。平気なのか?」
「何とかして見せるさ……刺し違えても殺す覚悟だ。」
「死ぬ覚悟、か。まぁいいじゃろう。ただひとつだけ、お前が死んだら悲しむものがいる。それだけは覚えておいてくれ。」
「ドクター……。ありがとう、あんたが助けてくれたこの命、決して無駄に散らせはしないさ。」
「あぁ、じゃがなるべく死ぬなよ。」
「ちょっと待ってよ!」
 急に飛び込んできた声に二人は飛び上がった。声の主を探すと、助けてきた女の子だった。
「そんなの間違ってるわ! 死にに行くなんて駄目よ。あなたもなんで止めないのよ!?」
 女の子はそう言ってドクターを睨んだ。
「お前には関係ないだろ、部外者は黙ってろ。」
 スティーヴが言った。
「関係ないわけないじゃない! 恩人なのよ!? 勝手に死なれちゃ困るわ。」
「恩人だからってなんで死なれたら困るんだ? 言ってることがわからんぞ。」
「あのね、命を捨てるってことがどういうことかわかってる? 全て投げ出すのと同じよ。」
「目的さえ果たせればそれでいい。どうせ一度失った命さ。」
「だからって、無謀すぎるわよ……。」
「無謀かどうかは俺が決める。何故そこまで止めるんだ。お前、皇帝に死なれたら困る理由でもあるのか?」
「あるわよ。」
「何だ、お前皇帝の信者か? 助けるんじゃなかったな。」
 その瞬間、パチンと痛そうな音がした。スティーヴの右ほほが赤くなっている。
「……何のつもりだ。」
「誰がっ、あんな下衆の信者なんかに……。」
 女の子は目に涙をためながらビンタした手を痛そうにさすっている。
「お前も皇帝に恨みがあるのか。」
「恨みのない人間なんてほとんどいないんじゃない?」
「そうかもな。だったら尚更、何故止める?」
「貴方に殺されちゃ困るのよ。……私がこの手で殺すって決めたんだから。」
 スティーヴとドクターは顔を見合わせた。そして、笑った。大笑いした。
「な、何がおかしいのよ!?」
「悪い悪い、あんまり突拍子もないこと言うもんだからつい。」
「こっちは大真面目よ!」
「まったく、大したお嬢さんだぜ……。」
「あぁ、大それたことを言うの。」
「ところで、それだけ言うからには何か策でもあるんだろうな?」
「……ないわ。」
「は?」
「ないのよ! 無いからこそ貴方に死なれちゃ困るのよ。せっかく見つけた仲間なんだから。」
「そうか……。しかしなぁ。俺には殺す自信があるんだぜ? 任せてくれないか。」
「駄目。無謀よ、本当に。」
「何故そう言える。」
「……とにかく駄目なものは駄目なのよ!」
「子供が駄々こねてるようにしか聞こえないんだが。」
「黙りなさい!」
「まぁ、お前が止めても俺は行くぜ。チャンスは二度と来ないかもしれないんだ。子供の戯言に付き合う気は無い。」
「馬鹿っ!」
「さ、明日に備えて俺は寝る。うるさいから騒ぐなよ。」
 そう言ってスティーヴは自分の部屋に行った。少女は今度はドクターに突っかかっていったよう――あの男はいつもあんな自己中なの!? 嬢ちゃん、あんた人のこと言えねぇよ――だが、スティーヴは気にせずベッドに入った。気が高ぶって眠れないかと思ったが、少女と会話したせいか、すぐに眠りが訪れた。

 誰かが泣いている。誰だろう。声のする方を見ると、小さな女の子が泣いていた。助けた女の子だった。その姿が息子に重なった。小さくて、いつも泣いていた息子。あいつは元気だろうか。今となっては知る由も無い。同じ惑星にいながら、会いにいけない苦痛。俺はもう、父親ではないのだから……。いつのまにか、少女は息子に変わっていた。そして息子は俺にこう言った。お父さん、いかないで。何故か分からないが、涙があふれた。俺の中で急に死にたくないという思いが芽生えた。何でお父さんも泣いてるの? 息子が訊いた。死にたくない、お父さん、死にたくないよ……。

 気が付くと、ベッドの上だった。夢か。胸騒ぎがしたが、気にせず支度をした。昨日のうちに狙撃スポットは決めておいて、そこに銃など必要なものはおいてある。適当な朝食をとって、家を出ようとすると後から声がかかった。
「行くの?」
 少女だった。眠そうに目をこすっている。
「あぁ。お前の恨みも一緒に晴らしてきてやるよ。」
「私は失敗してほしいけど。くれぐれも死なないでよ。」
「止めないのか?」
「止めても行くんでしょ? あなたが馬鹿だってことは昨日でよーくわかったから。」
「お前も人のこといえねぇがな。さて、いってくる。」
「いってらっしゃい。」
 スティーヴは家を出た。ゆっくりと、一歩一歩かみ締めるように歩いた。標準時間で午前9時30分にセレモニーが始まり、パレードが10時ごろからだ。現在9:00。空は曇り気味だった。灰色の雲が一面に広がって、太陽が隠れている。目的のビルはコンクリートの外壁に雲の色が重なって薄暗い。そのビルに足を踏み入れ、三階の右端の窓に向かう。――そこが、道を通る皇帝を狙う絶好のスポットだった。たどり着いた窓は、角にあるためかビル側の人間からも見えにくい。もっとも、このビルは普段人通りがゼロの忘れられたビルである。そこまで考えてこのビルだ。
 昨日セットしておいた銃に掛けてある布を取った。上着と帽子、サングラスにスナイパーライフル。まずは上着を着る。灰色の、風景に同化するような色である。そして帽子。これも灰色のニット帽で、サングラスもかけると遠くからだと完全に風景に同化することを知っている。銃のスコープを覗いて道に照準を合わせた。現在9:47分。セレモニー開始の喧騒が聞こえてきた。銃を握る手に汗が滲む。もうじきパレードの行列がここを……。
 9:57分。行列が見えてきた。スコープを覗き込んでそちらを見る。皇帝の醜い顔がいすに座って運ばれている。パレードなのににこりとも笑わない。もうすぐだ……。皇帝の周りには真紅の装束を着たロイヤル・ガードが立っていた。見知った顔がいる。しかし、あの衣装にはなれないな。やはり、セネイト・ガードのころのほうがよかった。その時だった。違和感に気づいたのは。俺がいない。オリジナル・スティーヴが。こういったパレードにはガードは全員参加のはずだった。しかし、一人足りない。嫌な予感がした。後から声がかかったのはその時だった。
「手を上げろ。俺のブラスターは今お前の頭のど真ん中を狙ってる。観念するんだな。」
 聞きなれた、しかし初めて聞く声だ。オリジナル、こいつがでてくるとは予想外だった。考えてみれば、当然である。地図を見てこの位置しかないと思ったのはほかでもない自分。俺が皇帝の下にいたときも念のためそういうスポットは見てまわっていた。何故忘れていたんだろう。
「どうした? 怖気づいたのか? この位置を選ぶからにはなかなか腕のいい殺し屋だと思ったんだがな。装備もなかなかいいじゃないか。」
 迷ったが、手を上げ立ち上がって後ろを向いた。どうせ帽子とサングラスで顔は見えないだろう。目の前には、真紅の服を着た自分がいた。
「よーしいい子だ。ほかに武器は無いか?」
「あるとすれば俺自身さ。」
 オリジナルの顔が驚きの表情に変わった。そう、この台詞はほかでもないスティーヴが昔犯人に同じ台詞を言われたときに言った台詞、驚くのも無理は無い。そして俺はその一瞬の隙を見逃さなかった。タックルをくらわしてそのまま走る。万が一のための逃走ルートも頭に入れてあった。向こうはそこまでは考えてないはず。
 ビルを出てすぐにパレードの人ごみに紛れ、反対側の路地に入って上着とニット帽を脱ぎながら走った。大通りに出てすぐにタクシーを呼び止め、それに乗って逃げる。もう、追ってくる自分の姿は無かった。ほっと胸をなでおろし、タクシーの運転手の横顔を見てぞっとした。
「シャンデロン――!」
「は、はぃ!?」
 素っ頓狂な声を上げて振り向いた運転手の顔は、シャンデロンでは無かった。ただ、髪型と青白い肌が似ていただけだった。
「あの、お客さん……?」
「ああ、すまない。友人に似ていたもので。」
「そうですか。私に似てるなんて、かわいそうな人ですねぇ。」
 スティーヴは笑った。


[93] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2005/12/01(木) 22:30 jzLqoNMp61k)

default

>>92の続き
 家に帰ると女の子が寂しそうにうつむいて何かを飲んでいた。ドクターはホロを見ている。ただいま、と言うと女の子はハッとしてこっちを向いて急に膨れた。
「何やってんのよ!? 皇帝死んでないじゃない!!」
「な、なんだ? 何で知ってるんだ?」
「ホロでパレードの様子が放送されてるからよ!」
「おいおい、こっちがどんなに大変だったと思ってるんだ。」
「何で戻ってきたのよ! 馬鹿っ!」
 そう言ってスティーヴの胸のあたりをぽかぽかと殴ってくる少女がほほえましかった。
「お前な、行く前と言ってることが違うだろ……」
「決意決めて出て行ったからには殺してきなさいっていってるの! それとも怖気づいたの!?」
 スティーヴは笑った。
「あぁ、怖気づいたよ。死ぬのが怖かった。やっぱり。」
「何よそれっ……。」
「お前を残して逝くとドクターに迷惑かかるしな。もともと俺が拾ってきたんだし。」
「人を荷物扱い?」
「あぁ、世話の焼けるやつだ。」
「馬鹿……。」
 急に少女がうつむいた。
「どうした?」
「……生きてて、よかった……。」
 少女の目から涙が流れている。
「おいおい、どうしたんだ急に。」
「う、うるさいわよ。目にごみ入っただけだから。」
 スティーヴは苦笑して、話題を変えた。
「ドクター、これからどうしよう。」
「どうとは?」
「しばらくコルサントを離れようと思うんだ。頭を冷やしてちゃんと計画を練りながら、味方になってくれるやつを探す。」
「……ふむ。それもいいじゃろう。」
「あんたはどうするんだ?」
「わしはここにいたほうが何かと都合がいいんじゃよ。住み心地もいいしな。」
「そうか……。この嬢ちゃんも連れてくぜ?」
「勝手にせい。」
「ありがとう。」
「私も行くの?」
「あぁ、そうだ。」
「ところで、お前ら行く当てはあるのか?」
「……無い。」
「そんなこったろうと思った。いいところを紹介してやる。」
「いいところ?」
「あぁ、反乱軍じゃ。」
「反乱軍!?」
 スティーヴと少女が同時に叫んだ。
「そんなのあったのか!?」
「何でもっと早く言わなかったのよ!」
「普通は知ってる人のほうが少ない。わしはちょっと知り合いがいてな。その基地がタトゥイーンにある。紹介状と地図を描いてやろう。」
「恩に着るぜ。」
「ねぇ、その反乱軍って誰が作ったの!?」
「詳しくは知らんが、オーガナ議員とモスマ議員が発案者だったかな。二人は皇帝に忠誠を誓った振りをしているから、実際責任者として動いているのは元議員でジェダイとの繋がりから処刑されたはずの、ストレイカー議員じゃ。」
「へぇ……オーガナにモスマにストレイカー。どいつも正義感の強いやつだったな。」
「あなた、三人を知ってるの?」
「あぁ、俺は元セネイト・ガードだからな。」
「それはドクターから聞いたわ。あなたがクローンだってこともね。でもセネイトって議員と話すこともあるの?」
「いや、話さなくても演説とかで分かるぞ。」
「まぁ、そういうことじゃ。密輸船にでも乗せてもらってタトゥイーンに行くといい。」
 二人はうなずいた。
「ところでドクター、あなたそこまで知ってるってことは、幹部の人と知り合いなんでしょ?」
「……勘が鋭いお嬢さんじゃな。どのとおりだよ。」
「誰? 誰と知り合いなの!?」
「ストレイカー議員じゃよ。わしが処刑から逃れてきたあの人を助けてやったんじゃ。」
「そう……貴方が……。」
「それがどうかしたのか?」
「えぇ。紹介状はいらないわ。」
「何故?」
「何故って、そりゃあたしがストレイカーの娘だからよ。」
「は?」
 スティーヴは間抜けな声を出した。
「疑ってるの?」
「だってお前、何で議員の娘が――」
 その後はドクターの笑い声にかき消された。腹を抱えて笑っている。
「道理で、そっくりなわけじゃ。似てるとはおもっとったが。」
「えぇ!? どの辺が似てるのよ? そんなの言われたことないけど……。」
「強情なところがそっくりじゃよ。あー腹が痛い。」
「そ、そう……。」
「まぁ、行くなら急いだほうがいいじゃろう。一応知り合いに宇宙船を借りれるか聞いてみてやる。」
「あぁ、頼む。俺たちは行く準備するか。」
「私、準備するも何もこの体以外何も無いんだけど。」
「そういや、俺もだ。」
 二人は顔を見合わせ、吹き出した。しばらく笑った後、ため息を付く。
「これって、笑うことでもないわよねえ……。」
「むしろ悲しむべきじゃないのか。」
「はぁ……。」
 その時電話をしていたドクターが「よし、借りれるぞ。IDと格納庫の場所を教えるから、ちょっとまってろ」と言って紙と鉛筆を取り出して何か書き始めた。
「ほれ。ついでに反乱軍基地の地図も書いといてやったわ。」
 そう言って差し出した紙をスティーヴは受け取り、ありがとうと言った。ドクターは背後の棚から携帯食と酒を取り出し、テーブルに置いた。
「出発祝いだ。ここで食う最後の飯がこんなんですまんな。」
「上々だ。酒がありゃなんでもいいさ。」
「私飲めないんだけど……。」
「固いこと言うなよ。飲め。」
 スティーヴは無理やり少女の口をあけさせ酒を流し込んだ。少女はむせ帰っている。
「こんの……馬鹿っ!!」
 少女はスティーヴをビンタして、洗面台に走っていった。ドクターが大笑いしている。
「痛ぇ……。」


[94] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2005/12/01(木) 22:31 jzLqoNMp61k)

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>>93の続き
 そんなこんなで出発の時間が来た。駐車場まで来て、スピーダーに乗った。
「ドクター、今までありがとう。短い時間だったけど、俺はあんたのことを忘れない。」
「あぁ、達者でな。」
「お父様を助けてくれてありがとね。親子で世話になっちゃったわ。」
「うむ、お前ら親子はうるさかったよ。ストレイカーによろしく言っといてくれ。」
「うん、じゃあね!」
「さよならだ、ドクター。」
「あぁ、またいつか生きてたら会う事もあるじゃろう。それまで元気で。」
 スティーヴはアクセルを踏んで発進した。少女はずっとドクターに手を振っている。しばらく進んで、上層に上がるルートに乗る。格納庫に着くまではずっと無言で運転した。うるさい少女も話さないので不思議に思って横目で見ると泣いていたようだった。考えてみれば、まだこんなに小さいのに、こんなとこにいて、苦労したんだろうな。そんなことを思いつつ、格納庫の前でスピーダーを降り、彼女も抱き上げて下ろした。扉にIDコードを打ち込むと、重苦しい音を立てて扉が開いた。古そうなおんぼろ船である。貨物船、だろうな。
 船内に入って、エンジンを入れる。ちゃんとついたが音が心許ない。文句は言えないのだが、やはり不安だった。十分にエンジンが温まったところで、発進する。轟音とともに浮き上がった船は、一気にスピードを上げて警備を無視し、大気圏を突破した。女の子は窓の外を寂しそうに見つめていた。
「そんなにドクターと離れるのが嫌か?」
 そう言うと、彼女は首を振った。
「いいえ。まぁ、それもちょっぴりあるけど。住み慣れたコルサントを離れるって言うのが。」
「……ホームシックか。」
「うーん。それもやっぱりちょっとだけ。この景色を見るのは二回目なの。帝国につかまる前の話。その時のことを思い出して……。」
「あぁ、ストレイカーの娘だもんな。捕まって当然か。」
「うん。ほんとは家で捕まってたんだろうけど、私には優秀なボディーガードがいたの。彼が守ってくれたから。」
「それでも捕まったってことは、そいつは……。」
「死んだわ。でも、悲しくは無いの。彼は私の中にいる――」
「そうか……お前は強いな。」
「そうかしら? あなたが子供なだけじゃなくって?」
「てめぇ……。」
 お互い笑いあって、スティーヴはふとあることに気づいた。普通最初に気づくことなのに、あんな出会いだったからかな。
「そういやお互い名前しらねぇよな?」
「あなたはスティーヴ。」
「何で知ってるんだ……。」
「ドクターが言ってたじゃない。馬鹿?」
「そ、そうか。で、お前の名前は?」
「ストレイカーよ。」
「それは知ってるよ。ファーストネームだ、聞いてるのは。」
「もちろん分かってるけど、言いたくないわ。」
「俺が信用できないのか?」
「そういうわけじゃないけど、人には名乗らないようにしてるの。私の名前を知ってるのはお父様とお母様だけ。ほかの人は皆お嬢様とか、ストレイカー様って呼ぶわ。」
「そうですか、ストレイカー様。」
「……なんかむかつく。」
 二人は笑った。この旅の間ずっと他愛も無い話をし、タトゥイーンに着くまで二人の笑い声がやむことは無かった。

 着陸完了。エンジン音がじょじょに小さくなっていき、やがて聞こえなくなった。教えてもらった反乱軍の基地から少しはなれた荒野に着陸し、歩いて基地まで行った。
「行くぞ。」
「うん。それにしてもあっついわねぇここ……。」
「そうだな。砂漠だからしょうがないだろ。ここが基地らしいな。こんなに普通にあるとは思ってなかったよ。」
「まぁ、わざわざこんなとこまで来る人も少ないんだし、いいんじゃない?」
 スティーヴは同意した。見た目は普通の民家である。ただ、少し大きいが。とりあえず門にドロイドがいるので話しかけてみる。
「ここが反乱軍の基地だと聞いてきたんだが、入隊させてくれないか。」
「ここはそんなところじゃありません。帰ってください。」
「……俺はドロイドより人間と話がしたいんだが。」
「ご主人様は外出中です。」
「おい、お前ら誰だ?」
 急に後から声がかかって振り返ると、男が二人こっちを見ていた。手には買い物袋のようなものを持っている。
「あんたらが反乱軍か? 入隊希望者はどうすればいい。」
「住所間違ってるんじゃないか? ここはただの民家だぞ。」
「おかしいな。俺はある人からここが反乱軍の基地だと聞いてきたんだが。」
「そうか。そいつが間違ってたんだろう。んで、どっから聞いて来たんだ?」
「知り合いだ。」
「……。」
 お互いに懐の中にある武器に手を伸ばしている。一触即発、その時だった。
「あんたたち馬鹿じゃないの!? 反乱軍の人たち、さっさとストレイカーを出しなさい。それで全て話はつくんだから。スティーヴ、あんたもあんたよ。言い方が悪いっての。」
 反乱軍の二人は顔を見合わせた。
「そうか、ストレイカーさんのことまで知ってるのか。帝国軍も侮れないな。どうやらお前らはここで死んでもらうしか――」
「なんでわからないのよ! あんたたちじゃ話にならないからストレイカーを呼びなさいって!」
「お前も交渉できてねぇじゃん……。」
「スティーヴは黙ってなさい!」
「あのね、反乱軍の人たち。私はストレイカーの娘なの。だから大丈夫、入れなさい。」
「それが人に物を頼む態度なのか?」
「だからあんたは黙ってなさいって。」
「やっぱドクターに紹介状貰ったほうがよかったんじゃ……。」
 一連のやり取りを見ていた男二人は急に笑い出した。
「何がおかしいのよ!」
「いや、あんたがストレイカーさんの娘っての、間違いじゃない気がしてきて。なぁ?」
「確かに。」
「何よそれ……。」
「まぁ、残念だがストレイカーさんは情報集めに行ってるから今はいないぜ。」
「そ、そう? じゃあ中で待たせてくれないかしら。」
「まだ信用したわけじゃないから無理だ。そこで待ってろ。水くらいは持ってきてやる。」
 少女はため息を漏らした。交渉があまりうまくいかなかった上、これ以上外にいるとあまりの暑さに溶けそうで、ため息をつきたい気持ちはわかる。その時だった。さらに別の声が聞こえたのは。
「おぉ、誰かと思えば……。」
 皆が一斉に声のしたほうを向く。
「わが娘じゃないか。生きてたんだな。」
「ストレイカーさん!!」
 反乱軍二人が叫ぶ。少女はストレイカーを凝視していた。
「お、お父様……。」
 ストレイカーは色が白く背の高いすらっとした中年で、ブルーの目にブロンズの髪。ダンディ、と呼ぶには少し若すぎる感じのする人だった。
「……その男は、モスではなさそうだな。彼はどうした。」
「死んだわ。お父様がいない間にね。」
「気の毒に。私も大変だったのだよ。」
「馬鹿! 肝心なときにいないんだから!」
「まぁ、そういうな。せっかくまた生きて会えたんだ。感動の再会と行こうじゃないか。」
 そういってストレイカーは少女に近寄って抱き寄せた。
「馬鹿……。」
 少女はただ泣き崩れた。強がっていても所詮は15かそこらの女の子、ずっと寂しかったのだろう。家族を失ったスティーヴにはこの光景が痛いぐらいにまぶしく、目に焼きついた。コルサントに置いて来た家族、妻と息子の顔が浮かぶ。そしてセレモニーでみた自分の顔も。泣きたいのは、こっちの方だった。


[96] お題小説。お題:遺跡、静寂の空、ブラスター、小型戦闘機、R2ユニット、帝国、復讐、虐殺 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2005/12/03(土) 01:51 jzLqoNMp61k)

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 痛い。ただそれだけだった。足が、腕が、体が、痛い。しかし何よりも痛むのは、心だった。俺はその痛みから逃れるように足を引きずり、腹を抱え、息を切らしながらただひたすら歩き続けた。振り返ると、まるで何かが這いずり回ったようなどす黒い血の跡が残っている。ここまで、か。この遺跡に入ったのはいつごろだったろうか。明るかった場所は今、いつの間にか足元から伸びた影に包まれていた。暗い、暗い空間だった。人一人の命がこんなに重いものなんて、誰が想像しただろう? 少なくとも、俺には命なんてちっぽけに思えた。そう思ったからこそ、これまで何人もの人を殺してきた。それが今、あいつを殺したこのブラスターが、それを持つ腕が、こんなにも重い。よく、復讐の炎は決して消えないとか耳にするが、それと同じくらい、復讐しても虚しいだけ、とも聞く。確かに、そうだった。過去の俺はただあいつを殺すことしか考えてなかった。だが今、俺の心には虚しさだけが残っている。やめておけばよかった。今更後悔なんてしてももう遅いのに。時を巻き戻すことはできないのだから。もし、過去に戻れるなら俺は、あの大虐殺よりもはるか昔、まだ平和だったあのころに戻るだろう。そう、帝国の崩壊が全ての始まりだった。俺も、あいつも、全ての人の人生が狂った。まぁ、それを言うならもっと昔、万年続いた旧共和国が崩壊した時点で、まともな人生を送れたやつなんて少ないだろう。生きるためには手段を選べない時代だった。俺のような男には都合のいい、しかしながら女子供には辛い、まさに弱肉強食。俺も弱いものを狩って、相当悪いことをやってきた。その結果が、これだ。
 その時、暗闇に横たわる何かにぶつかって俺は倒れた。起き上がって見ると、筒型の物で、先が陥没していてなにやら電子回路が飛び出ている。――R2ユニット、それの残骸だった。改めてあたりを見渡すと、どうやら開けた場所に出ていたようだった。相当天井の高い、ほこりっぽい場所だった。中央から俺のいる場所まで何かものすごく重いものが滑ったような、削られた後がある。ふと振り向くと、巨大な漆黒が目の前に立ちはだかっていた。主翼がもがれコクピットが燃え尽きた小型戦闘機。R2ユニットはこれに積まれていたものだろう。打ち落とされた戦闘機が天井を突き破って墜落。無常、だな。生きることに意味なんて有るんだろうか。この戦闘機のパイロットは何を思って死んでいったのか。或いは、考える暇すらなかったかもしれない。このR2ユニットは――。二人とも、生きたかっただろう。皆、死にたくなんて無いんだ。今更のように気づいた。俺が今まで殺してきた名前も知らないやつ、そいつらの顔が眼に浮かぶようだった。目から熱いものが流れ落ちた。俺は自嘲する。まだ、流す涙があったのか。とっくに枯れたと思っていたのに。
 ふいに全身の力が抜け、俺は仰向けに倒れこんだ。天井には戦闘機が開けた巨大な穴があった。そこから夜空が覗く。漆黒の闇に浮かぶ幾億もの星の瞬き。眼前に広がるその景色、音の無い世界。それを仰ぐうち、だんだんと俺の意識は薄れていった。最後に見たその光景、それは正に静寂の空、だった。


[97] あらすじ付です。 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/02/21(火) 20:11 IXDj6PZVxgU) [SAGE]

beru_ep2

これまでのあらすじ 7章まで
>>13

王位の後継者争いの交渉任務のため、惑星クリムルのテムエラ国を訪れた三人のジェダイ達。
だが、彼らがそこで見たのは、謎のダークジェダイに殺されたジェダイ騎士サイル・ユーエイの姿だった。自体が複雑化し、新たにジェダイ・マスターのガノク・ロムもクリムルにやって来る。彼は残されたサイルの二人の息子を別々の陣営に分けて戦わせ、勝者側に王位を譲ることを提案した。後継者とジェダイ達の合意により、キップ、サナ、マクーンの三人のジェダイはシュナイブ・ユーエイを、ガノクはウェク・ユーエイにジェダイの修行を始めた。彼らに与えられた時間は半年間。その間に、サイルを殺したダークジェダイの存在を、なんとしても暴かなくてはならない・・・・。

8,捜索の時

急に目が覚めて、キップはベッドの上で体を起こし、時計に目をやった。このごろ眠れない日が多い。
そろそろ朝が来る。
この惑星に来て、もう三週間が過ぎようとしていた。
時の流れは速いものだ。キップはちらっとそう思った。あの間抜けな弟子を早く何とかしなければ・・・。
ジェダイが三人がかりで教えた弟子がもし賭けに負けてしまえば、キップはジェダイ達の嘲笑の的となってしまうだろう。
もしかしたら、彼の率いる中隊の存続も危うくなるかもしれない。考えるだけで頭痛がする。キップはこの恐ろしい思いを振り払って、ベッドから立ち上がった。

キップ以外の三人が起きて、朝食になったのはそれから三時間ほど後だった。結局あれから寝ていない。今日もうまそうな料理が並んでいたが、キップの頭はシュナイブの修行のことでいっぱいだった。
「キップ」
急に誰かに呼ばれ、彼は現実に引き戻された。
「どうかしたのか。」
心配そうな声の主はマクーンだった。
「いや、なんでもない。ちょっと寝ぼけてたのさ。」
「そうか。ところで、さっきガノクから連絡があってな。今日こっちに来るそうだ。」
「何?なんのために?」
キップは急に目がはっきりと覚めた。
「ダークジェダイの件で話があるそうだ。」

コルサントのオフィスにいるルーク・スカイウォーカーはガノク達からの連絡を待っていた。今日は惑星クリムルでの状況を話あう日だからだ。
キップ達はどうしているだろうか。正直、彼も不安だった。
彼らはまだまだ学ぶべきことが多い。
キップは自分の感情に流され、ダークジェダイを捕らえるために無謀なことをするかもしれない。心を開けないサナが、この任務で良いチームワークを築けず、よけい殻にこもってしまう可能性もある。マクーンは優秀なスパイだったが、ジェダイとしてはほとんど任務をこなしていない。この任務が成功するか否かで、彼のこれからは大きく変わるだろう。
だが、ルークにできるのは、彼らが試練を乗り越えるのを信じることだけだ。
それと、フォースを信頼すること。
ルークはそばにいる相棒に言った。
「R2。トライ・バーナに繋いでくれ。」

キップ達の船"トライ・バーナ"にガノクを含めたジェダイ達4人が集まった。
彼らは丸いテーブルを囲んで座っている。
ガノクがスイッチを入れると、青いルーク・スカイウォーカーのホロが現れた。
「やあ、諸君。そちらは順調かい?」
ルークの声は穏やかだった。
「最高ですね。ストレスの宝庫ですよ、ここは」
キップが皮肉っぽく言った。
「そうか。それで、ダークジェダイの件は?」
ルークは冷静だった。
「弟子の修行で、まだ本格的な捜索は始まっていません。申し訳ありません」
キップより早くガノクが応じた。
「時間は半年だ。そんなにあわてる必要はない。それより、サイルの息子達には、危険な真似をさせないようにすることが必要だ。ダークサイドの誘惑にさらされるかもしれない。捜索は弟子達を十分鍛えてからにするんだ。」
「マスター、俺達はあわてるべきですよ。サイル・ユーエイは殺されたんです。息子達を守るなら、こちらからダークジェダイをたたくほうがはるかに効果的です。」
今度はキップがガノクより先に応じた。
「キップ。ダークジェダイが罠を仕掛けている可能性もある。むやみにこちらが動いては相手の思うつぼだぞ。」
「俺が罠にかかるほどヤワだと思ってるんですか?!それとも、俺が信頼できないんですか!?」
キップは怒りに燃えて言った。
「これは信頼の問題ではない。重要なのは任務をこなすことだ」
ルークは冷静な表情を保っている。
「だから言ってるじゃないですか!こちらから仕掛けるんですよ、マスター。それが一番効果的な手段です。」
キップはやっきになって言い返した。
「そのために払う代償を君は考えているのか?キップ。」
「代償なんてありませんよ。払うのはダークジェダイです」
「俺達にもあるとも。このような複雑な状況では特にある。何事にも慎重にならなくてはならない。」
「わかってます」
キップはうんざりした。もしシュナイブが負けるようなことがあれば、彼の半年間の苦労は無駄になってしまう。だが、ダークジェダイの首をコルサントに持っていけば、多少なりともキップがこの任務に参加した意味はある。だから彼はルークの許可を得て、ダークジェダイをできるだけ早く、自分の手で捕らえたかった。しかし、ルークはそれを許してくれないようだ。
彼は再び口を開こうとしたが、ガノクの手がそれをさえぎった。
「マスター、進展があればまた報告します。何かあったら、私のR5に言ってください。」
「・・・わかった。フォースがともにあらんことを」
少しばかり名残惜しそうな表情したまま、ルークのホロが消えた。
「おい!なんてことを!」
キップがうなだれた。
「キップ、君の気持ちはわかる。三日後、宮殿の下町で落ち合おう。君の希望どうり、できるだけ早く行動するつもりだ。」
「おまえと一緒にか?お断りだ!やり方が違うんでね。」
「キップ――」
「いいか、ガノク。こっちはあんたのために何度も妥協してるんだ。これ以上言いなりにはならないぞ」
キップは立ち上がると、足早に宇宙船を出て行った。

「なぜ止めないの?」
サナは平然としているガノクとマクーンに、内心腹を立てながら言った。
「放っておけばいい。いつか自分の選択の過ちに気づくさ。それに、俺たちが言ったところで何にもならんしな。」
マクーンは当然のように言った。
「あなたはキップの味方だと思っていたのに」
「味方じゃないか」
「そうじゃなくて・・・あなたは・・キップを信頼してるんでしょ?なんでそんな言い方を・・・。彼は最高のフォースの持ち主で、ジェダイ騎士団の――」
「ジェダイ騎士団の目の上のたんこぶってトコだろだろうな」
サナは何か言い返そうとしたが、言葉が思いつかなかった。そもそも、彼女は議論や口げんかがひどく苦手だ。
「で、君はどっちの味方だ?俺達と来るのか?言っておくがキップはいいパートナーとは言えんぞ。君達には少なからず意見の相違があるからな」
「私は・・・・・あなた達とは行かない」
サナは肩を落として、船を出て行った。

「君達をチームと呼んでいいものかな?」
ガノクが少しばかり呆れ顔で言った。
「好きにしてくれ。俺はあいつらとは違う」
マクーンは自信たっぷりに言った。だが、ガノクの顔には厳しい表情が浮かんでいる。
「マクーン・・・ここに来てからずっと思っていたことだが、強がりはいいことではないぞ。」
「何だと?」
「君はキップ達の前であたかも実力者のごとく振舞っているが、それはやめたほうがいい。後で痛い目を見ることになる。」
マクーンは手で天を仰いだ。
「何もかもばれてる訳だ。さすがは交渉のプロといったところか。相手の弱みを突くのが得意だな」
「そうじゃない。君が自信をなくすのが心配なんだ。君はダークジェダイと1対1で戦って本当に勝てるか?この任務は――」
「俺にとって初めての任務だ。だからこそ、俺は証明したいんだ。自分にジェダイとして任務をこなすだけの実力があることを。そのためには・・・少しの自信や強がりは必要さ」
「そこまで言うなら・・・まあ・・・応援するしかないな」
ガノクは苦笑いしてそう言った。
だが、マクーンは自分の気分が重くなっているのに気づいた。俺はガノクにまで嘘をついてる・・・。ダークジェダイと戦って勝つ自信も無ければ、自分がたいした実力を持っていないこともわかっているのに。
「ありがとよ、ガノク。俺は大丈夫だ。」
そうとも。俺は大丈夫だ。
マクーンは心の中で何度もそう繰り返し、無理やり自分を納得させ続けた。


[98] かなり修正してあるんで、最初から読んでね。 投稿者:クラベス AJmyjEtQNkE [Web] (2005/12/05(月) 15:32 1rNH3rmHBLg)

quigon

若き日のクワイ=ガン・ジン物語
遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・
 平和な銀河共和国に突如として争乱の時が訪れた。元老院は共和国の極度のインフレの打開策として、今まで使用されてきた通貨を全て無効とし、新たに紙幣を発行する法案を提出。国民には全く不満のないいきとどいた配慮が多く組み込まれていたため、この案は大成功に思われた。しかし、邪悪でがめつい銀河ハット連盟がこれにしぶとく反発。彼らは密かに組織した自警軍に軍事要請し、またジェダイ評議会を去ったスコービット将軍もこれに寝返って事態はさらに悪化した。一方、戦争が激化することを恐れたジェダイ評議会は、二人のゲリラをスコービット将軍の船に送るのだった。

第一部「独創の将軍」

 序章 潜入
「マスター・ドゥークー、ここは危険です。裏から回りましょう」
 若きジェダイ、クワイ=ガン・ジンが輝く青のライトセーバーを起動させながら言った。しかし、彼の師はその威厳を守ったまま身じろぎもしない。
「クワイ=ガン、ドロイディガなど我々にとってはなんでもない。正面から突破していけばいい」                             ドゥークーは低く、透き通った声でゆっくりと言った。口元にはほんのわずかに嘲笑の色が表れている。
「自信がないのかね?」
「しかしですね、マスター・・・」
 クワイ=ガンはそれでもおぼつかない様子で顔をしかめた。
「君は物事の真髄を見抜いていない。人生に退屈したくなかったら、少しは賭ける事を覚えるんだな」
 彼の言葉には威圧感こそなかったが、その貫禄で弟子はついに折れ、いつもこれだというあきれ顔で彼についていった。自動で宇宙船の入り口が開き、中に入る。
「お出迎えだぞ」
 ドアの向こうからは何千ものバトルドロイドが溢れ出してきていた。カチカチと耳障りな足音を立てながら、我先にという足取りで迫ってくる。二人は背中合わせになり、大きく息をついた。
 それからは一瞬のできごとだった。二人はライトセーバーでことごとくドロイドを破壊し、最後の1体は難なくフォースでばらした。ドロイドの残骸は火花をあげ、砕けた部品がカランカランと床を回っている。一瞬遅れて攻撃を仕掛けてきた最後のドロイドも、間髪いれずにドゥークーが両断した。
「人間を雇うこともできないのか、ハットどもは・・・」
 ドゥークーがドロイドの残骸を見下ろしながら、ため息混じりに言った。
「問題はスコービットの軍ですよ、マスター。ヤツは何故ハットなんかに寝返ったんでしょうか。いくらヤツが近代でもっともすぐれたジェダイであったとしても、さすがに多勢に無勢です。共和国の勝ちですよ」
 クワイ=ガンは考え深げに言った。ドゥークーは肩をすくめ、まるで、銀河全てを軽蔑するような目で壁を見据えた。
「クワイ」
 ドゥークーはおもむろに顔をそむけ、胸の奥底からふんと息を押し出した。
「お前は……この共和国をどう思う?」
「へ・・・?」
「元老院は・・・あきらかに腐敗しているというのだ。今回のような戦争がまた何度でも起こってみろ。あっとう間に国民の安泰は崩れ去ることだろう・・・。平和主義だのとうつつを抜かして、結局、ない軍備をジェダイに補わせている・・・」
 クワイは、師匠の不可解な質問に疑問をもった。なにかしら自分だけの正義を掲げる師匠は、何度も見たことがある。そんなとき、彼は必ず夢見ごこちで目を光らせていた。 クワイ=ガンは、そんな自分の師匠が好きだったし、尊敬もしていたが、こんな風に質問を振られたことは初めてのことであった。
「私は・・・」
「まあいい、いずれ話そう。時が来たらな。ほら、また来たぞ。鉄が」
 ドゥークーはクワイ=ガンの答えをさえぎり、真っ直ぐと前を見つめた。クワイ=ガンは先程の疑問がまだ頭に引っかかっていたが、目の前のバトルドロイドの数を見て、今ある問題に精を出すことにした。
 裕に、2万はいる。一人一人が完璧な列を作って、ブラスターを片手に少しずつ近づいてくる。肩は、ゆらゆらと揺れ、今にも編隊を横に開いて囲まれてしまいそうだ。
「シネ、ジェダイ」
 先頭のドロイドがそう言うと、一斉に銃口が火を噴いた。クワイ=ガンとドゥークーは背中合わせになって、双方に散った。飛んで、蹴って、斬る。ドロイドはライトセーバーでもろく崩れるが、これだけの数だと、全ての銃口に注意していなければならないので、かなりきつい。あらかた倒し終わってふと部屋を見ると、さらにドロイドが出てくる。
「きりがないな」
 ドゥークーは頭上高くに飛び上がって、回転しながらばっさっばっさとドロイドを蹴散らしていった。ふと一体のドロイドが、クワイのすぐ横から飛び出してきて、クワイの腕をブラスターで一発撃った。
「くっ!!」
 傷は浅いし、クワイはそのドロイドを周りのドロイドも巻き添えにして切り払ったが、その瞬間にリズムがくずれ、バトルドロイドたちが一斉にのしかかってきた。ドゥークーが、叫びながら助けにやってくる。しかし、間に合わない。息が苦しくなる・・・。
「もうよい」
 冷たく、喉の中でたっぷりと反響させた声が聞こえた。クワイたちがいる部屋のもう一つ向こうの部屋からだ。
 その鶴の一声でおびただしい数のドロイドは一斉に猛攻撃を止め、散り散りに道を空けた。他でもない、スコービット将軍の通り道を。
「スコービット・・・、貴様は必ず自分から出向いてくると思っておった。貴様の血を  流れる好奇心が、興奮が、そして強い独立心がさぞ猛っていることだろう・・・」
 ドゥークーはライトセーバーの光刃を一度消し、眼前の男に意味深にほくそえんでからまた作動させた。
「そこまでわかっているのなら・・・」
 真紅のローブに真っ黒なマントを着たスコービット将軍が進み出た。彼の背はドゥークーやクワイよりも一段と高く、狡猾そうな顔にはぎらぎらと野望に光る目があった。髪はオールバックで、わずかに不揃いの前髪がある。
「わが友ドゥークーよ、何故まだ共和国にいるのだ?お前はこの我輩よりも独立心が旺盛だ。規則、しきたり、時間的猶予、その全ての束縛から放たれようとしている。お前からそれを取ったら何も残らんだろうよ・・・」
「確かにそうかもしれないな、スコービット。しかし貴様は時期を間違えた。汚らわしいハットなぞに手を貸して、それが自分の何になる?私から独立心を取ってもまだ残る物があるぞ・・・それは、貴様にはない計画力だ」
 クウイ=ガンはいったい何をしていいのか分からなくて、じっとライトセーバーを握り締めていた。一筋の汗が手の甲を走る。今、自分の師の中にわずかに、しかしはっきりと悪を見た。
 二人の戦いは、クワイがこれまで見た戦いの中でも最も激しいものだった。ドゥークーが、持ち前のしなやかな動きでスコービットを壁ぎわに追い詰める。すると、将軍は空中に逃れ、上から反撃に出た。豪風を吹き荒らす打ち合いや、つばぜりを織り交ぜながら、しばらくこれが続き、スコービットが空中から舞い降りた瞬間、ついに勝負がついた。
 将軍の左腕は斬られていた。
 スコービットは悲鳴一つあげない。はあはあという息づかいだけが、妙にクワイの頭の中で響く。
 ドゥークーは弟子を見やってふと瞬きすると、クワイ=ガンに向かってこう言った。
「クワイ・・・処分はお前が決めろ」
 師匠の目は、ほとんど挑戦するような目だった。
 クワイ=ガンは覚悟した。
「殺す・・・やはりそうなるんですかねマスター」
 クワイはドゥークーを横目で見た。その顔にはもはや持ち前の落ち着いた雰囲気がなく、息を荒げてスコービットをにらみつけていた。
「くくく・・・はっはっはっは!」
 突然スコービットが大きな高笑いをあげ始めた。狂気を入り交えた、何もかも割り切った笑いだ。
「どうした、何がおかしい?」
 クワイ=ガンはライトセーバーをさらに突きつけて問いただしたが、スコービットはまるでその場にクワイがいないかのようにドゥークーをじっと見つめていた。
「さぞやご満悦か・・・え?我が友よ。教えてやろう。行動を起こすのに、時期などないのだ。縛られたくなかったらまず、今を否定しろ。そうしなければお前はこれから死ぬまで評儀会のすねをかじって生きていくことになるぞ・・・」
 スコービットはうつろな目でニッと笑い、肩から下をぐらりと垂らした。彼はなおも語り続ける・・・。
「お前は我輩に勝ったつもりでいるだろうが、実はそうでもない。見るがいい。これが死を緩和した男の生き様だ」
 そうして彼は静かに仰向けになった。
 クワイはいったいどうすればいいのかさっぱりわからなかった。眼前で自らの運命を受け入れようとするこの男を、自分は殺すべきなのだろうか。それとも、ジェダイの教えを守って生かすべきなのか。ドゥークーは判断を仰ぐかのように、目をつぶり、瞑想に入った。
「私だったら・・・」
 クワイが出し抜けに言った。
「そんな風に命を投げ出した時点で、あまり尊敬は出来ないな。結局はマスターの勝ちだ」
「死刑執行人はただ黙って殺ればいいのだ」
 スコービットが仰向けになったまま、指摘するのも面倒くさいという風に言った。もはや何の表情もなく、空を見つめている。
「賢い判断とはいえない」
「なら生かせばいい」
 「しかし・・・」
 クワイ=ガンは再びドゥークーを横目で見た。彼は目を開けていた。
「もうよい、ジン」
 ドゥークーがやっと口を開いた。
「生と死の選択すらできぬようでは、まだまだ経験が足りなすぎる。下がっていろ、わしが殺る」
 ドゥークーはライトセーバーを起動させ、まっすぐに下ろしてスコービットの胸に突きつけた。と、その時・・・。
「シネ、ジェダイ」
 突然、何の前触れもなく、停止していたドロイド軍が急に動き始めたのだ。
「下がれ、下がれといっておるのだ。これは我輩の戦いだ」
 スコービットが命令した。
「ジラール・ザ・ハット様カラノ最優先命令デス」
 ドロイドたちは一方的にスコービットを担ぎ込み、近くにあった脱出ポッドに放り込んだ。
「いやはや・・・、何だかんだで我輩は生き延びることになってしまったよ。運とは恐いものだ。もっとも、これもフォースの導きかもしれんがな」
 脱出ポッドはそのまま宇宙の彼方へと飛び去った。ドゥークーとクワイ=ガンはしばらくその場に突っ立っていた。


[100] 一日、一章♪三日で三章♪あ、100ゲットしてた!! 投稿者:クラベス AJmyjEtQNkE [Web] (2005/12/29(木) 12:53 1rNH3rmHBLg)

dooku

>>98の続き
第一章 推断
「ふむ・・・スコービットに逃げられたとな」
 グランドマスター・ヨーダがため息混じりに言った。評議会は、ハット軍の本格的遠征を阻止すべく、今や一日に何度も会議を繰り返していた。今日も10数名のジェダイたちがフォースの元に集まっている。
「しかし、スコービット将軍は自分の意思で逃げたのではないようでした、マスター・ヨーダ。ハットとスコービットの間にはまだ完璧な主従関係が築かれていないようです」
 クワイ=ガンは円形の部屋の真ん中で、身を乗り出しながら興奮して話していた。
「即刻、手を打つべきでしょうか?」
「それがよかろうな」
 ヨーダは日光がさんさんと降り注ぐ窓辺をチラっと見ると、深く目を閉じた。やがて、少し顔を傾けるとため息をついた。
「フォースの乱れを感じる。これは、善と悪を真っ二つに分けたような乱れの類ではない。なにか・・・とても大きな何かが・・・孤独を求めて走っている」
「それはいったい、どんな未来を指しているのでしょうか?」
 ヨーダの隣にどんと腰掛けている、ジェダイ・マスターのラミスホッフが問い掛けた。赤ら顔にがっしりとした長身という外見どおり、勇ましい熟練のジェダイだ。彼は、短い首をゆっくりとヨーダの方に傾けた。クワイもあわててそれに習う。ヨーダは微かにうつむいた。
「さあ、どうじゃろう・・・少なくとも正しき力ではない。もっと・・・別の格に存在するものじゃ・・・ただ・・」
 クワイはじっと聞き入った。
「ただ・・・その者が考えに考えた末に選んだものが【力】だったのなら・・・その者は確実に落ちるじゃろうな・・・ダークサイドに」
 ジェダイたちは息を飲んだ。その時、小さな足音を立てて、ドゥークーが入ってきた。持ち前のいとも落ち着いた様子で、クワイの隣までやってくる。
「遅れて報告に参りました」
 ドゥークーがそっけない態度で言った。
「マスター・ドゥークー。スコービットの身になにがあったか、教えてもらえないかのう」
 ヨーダはドゥークーの深い目を見上げた。ドゥークーはその視線に答えず、あご髭をゆっくりとなでている。
「なにがあったか聞き出して、どうするつもりですかな?マスター・ヨーダ?」
「貴様・・・」
 乗り出すラミスホッフを手で制し、ヨーダはゆっくりと息を吸った。
「話してくれぬかのぅ。ドゥークー、戦争の激化だけはどうしても止めるべきなんじゃ」
 ドゥークーはヨーダをしばらく見つめたかと思うと、一番左端にいるサイフォ・ディアスに目をやった。彼だけが唯一ドゥークーが心の許せるジェダイだということをクワイは知っている。そのサイフォがドゥークーにゆっくりと頷いた。ドゥークーはそれを受けて話し出した。
「私の弟子の話したことと特に変わりはありません、マスター。しかしながら、もともとあやつと私は旧知の仲。私から見えた何か特別なものがあると、あなたは察したんでしょう。よろしい、この国の【国民】のために貢献しましょう。あやつは・・・もうすぐハットを裏切ると私は考えます」
 彼はきっぱりと告げた。

 コルサントの夜。人々は眠りに着くどころかいっそう忙しく、かつ騒がしなっていた。もちろんそれはジェダイにおいても同じことである。あの、一人のマスターによる突拍子もない発言が終わってからすでに8時間は経過していたが、それでも評議会ではその可能性についての審議が何度も何度も行われていた。
「つまりですね。何度も言っているようにスコービット将軍は独立を求めた野心家なんです。やっと共和国から離脱することが出来たというのに、思ったよりハット連盟の束縛がきつくて不満を持っているのでしょう。いいですか?やつのことはマスターが一番知り尽くしているんです」
「ほほう。それなら何故君に代弁させておいて、会議には出席しないのだ?ドゥークーは。確か国民のために貢献したかったのではないかな?」
 マスター・ラミスホッフの目が光った。それを言われてはクワイ=ガンはどうとも言えない。ドゥークーは今、自分の部屋で休養を取りながらゆっくりと物思いにふけっているところだった。
「だ・・・だからそれは・・・」
「お言葉ですが」
 クワイが思わぬ助け舟かとハッとして振り向くと、そこに立っているのはサイフォ・ディアスだった。
「マスター・ラミスホッフ。今まで彼の考えが間違っていたことなど、一度もなかったことはあなたもよくご存知のはずです。深い瞑想にはいるのは、フォースに通じている証拠でしょう」
 ディアスはあたりのジェダイたちを見回した。みんなうつむいている。しばらく沈黙が流れた。
「君のいう通りじゃマスター・ディアス。彼の功績がいかに今の共和国を形作ってきたかは、ここにいるだれもが知っている事実じゃ・・・」
 沈黙を破ったのはヨーダだった。みんな目をゆっくりと閉じて同意する。もちろん、ラミスホッフもだ。ここでは、ドゥークーはいろいろな意味で恐れられていた。その歴然たる強さもだが、あくることなき独立心で、いつしかダークサイドの手に渡ってしまうのではないかと考えられていたのだ。しかし、ここにいるジェダイたちはみな、ドゥークーを信じることを固く誓った。
「しかし・・・万が一、万が一ですよ。彼がスコービットのように自由を求めてダークサイドに渡ってしまったらどうするんです?」
 傍らにいた一人の若いジェダイが恐る恐る身を乗り出した。
「心配はない・・・・」
 ヨーダはそのジェダイに子供をあしらうようなやさしい笑みを向けると、杖の柄を強く握り締め、言った。
「そのときは・・・・師匠としてわしがやつを全力を持って倒す!!!!!」
 
 
 コツ・・・・コツ・・・広い廊下に足音が低く響き渡る。ドゥークーはもう何分もこうして今度のことについて考えていた。考えると考えるほど、スコービットの顔が浮かぶ・・・そして、これからの自分についても・・・。ふと見ると、踊り場からもう一つの人影が出てきた。
「なにか・・・・悩み事かね?」
 その男は品良く微笑んだ。
「パルパティーン議員?」


[102] (無題) 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2005/12/05(月) 22:20 juC7TwBcpew)

imp_gunner

>>85の続き

反乱軍はヤビンの軌道上に集まっている。無論、帝国軍に見つかりにくいところであった。
だが、既に見つけられていた。スター・デストロイヤー部隊は合流地点に突撃している。
反乱軍は逃げ腰である。
TIE部隊は敵に少しでも多く損害を与えるのが目的である。
ゾーングは逃げ腰の輸送船よりも、せめて戦闘機を狙うことにした。
まあ、この作戦はもうすぐ終わる。ゾーングはそう思う。
TIEが輸送船、戦闘機を攻撃している。彼もそれに加わっている。
早速彼は一機のYウイングを狙う。逃げ腰のせいか、逃げ足が速く感じる。
なかなか狙いが定められない。ゾーングは上手く敵の航路に沿いながら飛び続ける。
そのうち照準が定まった。Yウイングはゾーングの手によって破壊されたように見えた。
だが、まだ飛んでいた。
「しぶどい奴だ。お前たち、離れるなよ」
“大丈夫です。ずっと着いています”
「ならいい」ゾーングは仲間と会話した。
Yウイングを再び狙おうとした。だが、他のTIE部隊に先を越されてしまった。
くそ・・・・・横取りは勘弁してくれよ・・・・・。
仕方がなしに彼は他の標的を探す。だが、敵はどんどん逃げている。
「くそ!!逃がすか!!」彼は戦闘機が集めっている場所に緑の光を仲間と共に激しく撃ち込んだ。
だが、敵は逃げるのを優先し、そのまま遠のいていく。
そして・・・・ハイパー・スペースに逃げた。
彼は辺りを見た。敵はいつの間にか全て消えていた。
“全機、帰還せよ。繰り返す、全機、帰還せよ”通信が届いた。
「しょうがないな。帰ろう」ゾーングは仲間を率いて、味方艦に戻った。

彼はベイの天井にTIEを寄せた。そして、TIEは天井に装着された。
TIEは天井から乗り降りするシステムとなっているのだ。
ゾーングは機体から降りようとした。しかし、内部に頭を打ち付けてしまった。
「イッテ!!」ゾーングは座り込んだ。その時、彼は思い出した。
今日で俺は敵撃墜は15機だったんだ!!

ー完ー


[103] (無題) 投稿者:ポチ uo5SLPDAPdU (2005/12/05(月) 22:50 Am7Y9PmhV.2)

default

(・・・ワタシハ・・・、ダレ?・・・ココハ、・・・ド・・・コ?)

薄暗い隠し部屋。そこはコンピュータ等の機械しか配置されておらず、照明すらない状況だった。
その部屋を照らす明かりはコンピュータの画面から漏れる光、そして中央に陣取る巨大なバクタ・タンク内の発光する黄緑色の液体だけだった。
『調子はどうだ?』
インターギャラクティック銀行グループの会長、サン・ヒルが部屋に入ってきた途端にキーボードを叩く科学者に話掛ける。
『心拍数、脈拍、脳波・・・、全て異常無しです。会長』
『そうか、それは良かった・・・。クックック、コイツが完成すれば・・・、我々インターギャラクティック銀行グループの連合内での上位の地位が確立される!』
常に冷静沈着な策士、サン・ヒルが珍しく大きな声で言った。興奮しているらしく鼻息も荒荒しい。
独立星系連合と言う大層な名を語っているが所詮は企業同盟、その同盟の中にも醜い順位争いが存在した。彼らインターギャラクティック銀行グループもまた、同志である筈の他企業を毛嫌いしているのだ。
『もう既に90%近く完成済みです。あとは彼女が“力をコントロールできるか”否かだけです』
『何としてもテクノ・ユニオンの量産型ミュータントより先にコイツを完成させて、ドゥークーに売りつけるのだ!』
拳を握り締めるサン・ヒル。更に荒荒しくなる鼻息。
『大丈夫です。このまま順調に行けば、奴らには負けません』
『そうか、それでは後は任せた。・・・ああ、あとコイツは“彼女”じゃない。ただの“兵器”だ。“ドロイド”と同じさ・・・』
サン・ヒルはそうを言い残し、隠し部屋を後にした・・・。

Love of the created people …
〜創造された者の愛〜

「・・・子供を確認。これが目標(ターゲット)か?」
「わからん・・・。しかし本部に報告をせねばな」
1体の兵器が通信機を手に取った。
だが、ここは場所からして地下。更に先程まで戦闘が行われていた地域だ。
どれほど技術が進歩していてもそれと平行し発展を続ける妨害電波と厚い地表の2連攻撃の前には無力であろう。
「通信機使用不能。現地点にて待機」
「ィエッサ」
CT-1305を残し、兵器は隠し部屋中に足音を響かせながら来た道を戻っていく。それを見送ったCT-1305は銃を肩に掛け、バクタ・タンクの周りを覗き込みながら一周する。
中の少女は銀色の髪を液体に靡かせ、眠っている。
10〜12と言った所であろうか?少女の顔はまだ幼い。しかし絵に描いたかのように整っている。まるで天使のように。
口元にマスクが付けられ、そのマスクは一定の間隔をあけ、白く曇る。呼吸をしている証拠である。
身体に着衣は着けておらず、代りに無数のコードが張り巡らされているだけである。栄養を送るコードや心拍数などを測るためのコードであろう。
CT-1305は床を這い回る1本の太い大蛇に腰を下ろしたと同時に、タンクの下部に張られた銀色のラベルに気が付いた。ラベルには文字が書かれてある。【Αθηνα III】と。
「・・・アテナ?こいつの名前(コードネーム)か?」
CT-1305は呟く。クローンとは言えど少しばかしは個性があるようで、CT-1305は純白の兵器の中にしては口数の非常に多い兵器である。
その時であった。CT-1305の直ぐ右を一筋の光弾が走る。
その光弾は真っ直ぐバクタ・タンクに突き刺さる。タンクを囲っていたガラスは砕け散り、中を満たしていた液体と共に兵器が流れ出る。
「?!」
兵器は即座に立ち上がりヘルメットの暗視モードを作動させ、ライフルを構え警戒する。一瞬で戦闘態勢をとったのである。
「・・・」
銃を真っ直ぐ構え左右を何度も確認する。しかし、敵機を確認することができない。
暗視モードは失敗した。CT-1305の“データバンク”にそう過った。
床一面に流れ出た液体が発光している為に足元は白く映り天井は暗い為に黒く映る。黒と白とで真っ二つに分かれている状態なのである。
兵器は次ぎにゴーグルのモードを赤外線モードに変更した。
相手が幾ら機械人形であっても、動力部、可動部、発砲した銃口は発熱する。その為、現状では暗視モードよりも赤外線モードの方が確認し安いのである。
その選択は正しかった。天井に這いつくばるようにして機械人形らしき機影を確認したのである。しかも、データにない新手だ。
しかし、何故攻撃してこない?再びデータバンクに過る言葉。
CT-1305が機械人形を確認できなかった間に攻撃し、機械人形はCT-1305を“破壊”することも可能だった筈である。
だが、機械人形はそれをせずに、こちらの様子をじっと見ているようだ。
兵器は正面を機械人形に向けて、蟹のように少し右側に移動する。その瞬間、狂ったように光弾を無数に放つ機械人形。
CT-1305は元の位置に戻る。機械人形は攻撃をピタリと止めた。
やはりだ。この機械人形は後ろのアテナとやらに被害を与えぬようにこちら側が動くのを待っていたのだ。
共和国の兵器は首から上だけを動かし後方を確認する。CT-1305の立ち位置は丁度アテナと重なる位置である。これで機械人形はアテナを危険に晒したくないということが判った。
しかし、機械人形が移動すれば良いのでは?データバンクにそんな言葉が浮かぶ。
だが、その答えもすぐに判った。答えは天井。暗かった為に視認できなかったが、天井にはレールが至る所に走り回っている。
なるほど、この機械人形は機械人形ではなく、恐らく施設防衛用の“ロボット”というところか・・・。
CT-1305はライフルを天井に這いつくばる機械人形に向ける。それからコンマ数秒もしない内に引き金を引く。
チュンッと短く乾いた音を発し、ライフルの銃口から蒼く光り輝く光線が真っ直ぐ機械人形に向かう。そして貫く。
機械人形は火花を散らしながら重力に身を任せ床に落ち、爆発はしなかったものの無残に砕け散った。
CT-1305はライフルを降ろし、辺りをもう一度見回す。
他の機械人形が居ない事を確認し終えると、ヘルメットのモードを標準に戻した。
「・・・うっ・・・、ぅう・・・」
突如として声がした。
共和国の兵器は振り向く。そこにはもがき苦しむアテナの姿があった。

to be continued…


[104] ゾルバは伏線だから突っ込まないでね 投稿者:クラベス AJmyjEtQNkE [Web] (2005/12/29(木) 12:54 1rNH3rmHBLg)

tarfful

>>100の続き
第二章 理想
「それで・・・、まんまと軍を引き返させられたというわけか?スコービットよ・・・」
 将軍の前には、巨大な赤いイスに座ったハットが腰掛けている。羽毛のついた贅沢な扇子を仰ぎ、ハアハアと嫌な息を出すその邪悪の前で、スコービットは頭を垂れていた。
「はあ・・・ジラール様。しかし、今回の敗走で敵の警戒態勢をいち早く知ることができたのも、まぎれもない事実。ここは、ぜひとも我輩のやり方で戦わせていただきたい」
 ふむ・・・と、ハットが頬杖を付く。考えるということそのものが面倒くさくてしょうがないが、それでも他人の意見には口出しをしないと気がすまないらしい。
「そうか・・・。しかし・・まあ・・」
 ジラール・ザ・ハットは首を横に傾け、傍らで眠りこけている小さなハットに声をかけた。
「おまえはどう思う?かわいいゾルバや」
 ゾルバと呼ばれた幼いハットは、声をかけられたことに気が付くとすぐに眠るふりをやめて、ジラールに向き直った。
「ぼくは、どっちでもいいよパパ。今まで通りの生活ができれば」
 スコービットはその醜い親子を横目で見やると、クスリと笑った。
「今までどおり・・・ねぇ。そんな贅沢をするだけの資金があれば、すぐにでも軍備を整えられるんですがな」
「そ・・・それは、本当か!」
 ジラールが転げそうになるほどイスから身を乗り出した。スコービット将軍はにやりとせせら笑った。
「パパ!!どういうこと?お金・・・使っちゃうの?」
 ゾルバがわめき散らす。ジラールは一瞬うっとうしそうに顔を振ったが、すぐに醜悪な笑顔を息子に向けた。
「大丈夫だよ・・・・。金を使い果たそうが、また客から巻き上げればいい。第一、この戦争に勝てばもっともっと豊かな暮らしが出来るのだぞ」
 ゾルバは意味がわからなくてずっと頭をひねっていたが、やがて結局前と変わらないんだと妥協して、奥の部屋に去っていった。
「さて・・・これで決まりですな」
 スコービットが愉快そうに笑いをかみ殺しながら言った。ジラールは、ふっとため息をついた。
「では、わたしはこれからスラミスに向かいます。昔からのツテがありますので、なにかと役に立つ者が見つかるでしょう。失礼」
 将軍は、マントを翻して足音も高く宇宙船に向かった。

「かけてもいいかね」
 パルパティーンは愛想よく微笑むと、ドゥークーが答える前にロビーの長イスに腰掛けた。
「どうした・・・・辛らつそうな顔をして。今度の戦争は、敵がどうあがこうともこちらの勝ちは決まったようなものではないか」
 ドゥークーは、ニコニコと微笑むこの老いた議員から目をふせ、膝の上で両手を組んだ。
「しかし、なんだ・・・」
 パルパティーン議員は、あいかわらず一方的に語りかけ、首だけでうーんとのびをする。
「弱くなったものよのぉ、共和国も」
 ドゥークーはハッとした。今まで自分だけで入っていた世界に、突然、足を踏み入れられたような気がしたのだ。驚いてまん丸に膨らんだ目を快活に笑う議員に向け、ようやく口を開く。
「と・・・いいますと?」
「言うまでもないじゃないか、軍備・政治・体制、その全てにおいてだよ」
 パルパティーンは、表も裏もない顔でまたしても微笑んだ。
「実は、私もそのことで悩んでいたんです」
 ほう、とパルパティーンが目を見開く。
「今回は、ハットなどが敵だったので良かったものの、これがもっと大きな戦争になっていたらジェダイ評議会だけではとても太刀打ちできないでしょう。例えば・・・・」
「シスの復活・・・とかな」
 ドゥークーは、一瞬口を開いたまま動きを止めたが、また両手を組んで頭の力を抜いた。
「まさか、そんなこと・・・ありえない」
「まあ、そうだろうな」
 パルパティーンの顔は真剣になった、そして、夢見るような顔で空を見つめた。
「私はな・・・。いつか、この国を変えようと思っておる。もっと、国民が平和に、安心して暮らせるような理想の国に・・・」
「はあ・・・」
 ドゥークーは顔を輝かせた。この人なら、この発想豊かなこの老人になら、全てを任せられそうな気がする・・・。
「わたしも、同じようなことを考えています。もっと軍備が強く、情報伝達の早い、すばらしい国を築きたいと。まあ、所詮夢の話ですが」
「夢などではないぞ!」
 パルパティーンがその情熱に燃える目をドゥークーに向けた。
「私は、それを現実にするつもりだ。いつか必ず、この手で。そうだな。銀河第一帝国とでも言っておこうか」
「そしたら私も、ぜひお手伝いさせていただきたいものですな」
「そうだな」
 二人はしばらく各々の世界に入りこんでいたが、やがてドゥークーが席を立った。
「では・・・私はこれで。また機会があればお話がしたいです」
 ドゥークーは心にこみ上げてくる熱いものをかみ締めながら、階段まで歩いていった。自分をわかってくれる人がいる・・・。理想を分かち合える人がいる・・・。そう思うと、期待で胸が膨らんできた。ドゥークーは踊り場にでる直前で、ふっと振り返った。
「今から私に・・・できることはないですかね?」
 パルパティーンはにこりと微笑むと、言った。
「とりあえずは強くなることだな」
 ドゥークーも笑い返して、そのまま上の階に向かった。


[105] 二本立てどぞー♪ 投稿者:クラベス AJmyjEtQNkE [Web] (2005/12/29(木) 12:56 1rNH3rmHBLg)

tarfful

>>104の続き
第三章 行動
 ジェダイ評議会の一角に、はりつめた空気が流れていた。ほとんどのジェダイが腕を組んで瞑想にふけっている。やがて、ラミスホッフが目を開いた。
「クワイ=ガン、やはりこの任務はお前に受け持ってもらうことにしよう」
 クワイは耳を疑った。
 共和国はここ数年の間、大規模な軍隊一つ持たずに国民の平和と安全を守ってきた。出る杭は打つ。このやり方一つで、ジェダイたちは迅速に的確に悪の芽を潰してきたのだ。しかし、今回の戦争はそのようにはいかないという結論が打倒だった。
 クワイ=ガン・ジンとドゥークー。この師弟がスコービット軍の船に逃げられたことによって、ジェダイたちの考えは一つにまとめられた。誰もが、スコービット将軍を恐れている・・・。仲間として戦場を共にしてきた頃も、こうしてぶつかり合っている今も、彼が野望に胸をたぎらせているのが評議会の者達には手に取るようにわかった。そして、長年の策をこうして行動に示したスコービットは、一筋縄にはいかないと感じているのだった。
「惑星スラミスに小さな軍事施設が隠されている」
 いつの頃か、ドゥークーはクワイ=ガンにこう話してくれた。スラミスというのは、銀河系の中心付近にある、のどかで温暖な星である。あんな平安な惑星にそのようなものがあるということに、クワイはひどく驚いた。
「考えてもみろ・・・」
 その時、ドゥークーは珍しく皮肉をこめずに笑った。
「いくら今までの功績があってもここは一つの国だ。完全に黙秘とされた基地の一つや二つ、不思議でもなんでもないだろう」
 それから数ヶ月して、クワイ=ガンは一度だけドゥークーと共にそこへ向かった。今でも、その時感じた驚愕はしっかりと彼の胸に刻まれている。しかし、今度はそこへ単独で出向き、対ハット連盟のための軍事要請をするのだ。
・・・・・・それが、彼の初めての単独任務だった・・・・・・
 ラミスホッフはじっとクワイ=ガンの目を見つめ、返答を待った。彼の輝く目には、動揺の色を隠しきれないクワイ=ガンの様子が移っている。
「マスターがなんというでしょうか」
 クワイはそれを思うと気が気でならなかった。
「パダワンなどにこんな重要な任務を任すなんて・・・」
「彼は、任務を冒険か何かと思い違えておる」
 ヨーダが出し抜けに言った。
「確かに、人生を豊かにするにはそういった心は必要じゃ。しかし、わしらの双肩にかかっているものは国じゃからのォ」
 ヨーダはかぶりを振った後、クワイに向き直ってゆっくりと微笑んだ。
「大丈夫。お前はもう立派なジェダイじゃ。行っておいで」
 クワイ=ガンは全身から湧きあがってくる暖かいものと、罪悪感に似たピリピリとした緊張が胃の中で闘っているのを感じた。やがて、彼は品よく頷くと、一礼して出口に向かった。
「フォースと共にあらんことを」
「フォースと共にあらんことを」
 クワイ=ガンが部屋を出て行ってから、ラミスホッフが心配顔に戻った。
「しかし・・・、本当にドゥークーはどうすればいいのでしょうか。ヤツの腹の虫を収めるのは大変ですよ」
「なあに、ドゥークーにはやってもらいたいことがある」
 ヨーダは部屋の出口をまだ見つめていた。
「サイフォ・ディアスを呼んで来てくれるかね?」

「昔とまったくかわらないなあ」
 スコービットはその長身が工具にぶつからないように、慎重に基地の中を歩いていた。
「くっくっく・・・、ただ一つ違うのはもうすぐこのオレがここの派遣を握るということだよ」
 その男ガルバコフは、玉座に似た真紅のゆったりとしたソファに腰掛けていた。彼は屈強なアーマーの下に黒いシャツといういでたちで、目はするどく、時々大きく見開き、鼻はいかつい鷲鼻だった。口元は、直線に整えられた深いひげが覆い隠している。
「では、なにもかも順調ということだな、ガルバコフ卿よ」
 背の高い将軍は周りを見渡しながら聞いた。
「ああ、もちろんだ。あの日貴様が持ちかけた計略のそっくりそのままさ。ただ一人、ルック・イストの野郎が仲間から信頼を勝ち得ているが、いずれオレが一泡も二泡も吹かせてやる」
「それは、結構なことだ」
 スコービットは目だけでにやりとすると、窓際の桟に手を触れた。地上から、あふれんばかりの日光が降り注いでいる。
「フォースがうずいている・・・」
 スコービットはつぶやいた。
 ここは、惑星スラミスにある地下軍事基地である。誰にも話を聞かれないような比較的小さな部屋で、スコービットとガルバコフは会談をしていた。
「ガルバコフさーん!!!」
 一人の若いクリエイターがノックもなしに部屋に入ってきた。ハアハアと息を切らし、額には一筋の汗が流れている。ガルバコフは一瞬ビクっと身をよじったが、あらかじめ空気を感じていたスコービットは体を傾けようともしなかった。
「いったい何の用だ?ラップ」
「お客さんですよ!!」
 ラップは子供の用に無邪気な笑顔を満面に広げた。
「ジェダイの方です!!また、何年も前のように、共和国のお役に立つことが出来るんですよ!ルック・イストさんがどれだけお喜びのことか・・・」
 ガルバコフは考えを巡らせた。瞬時に、スコービットとアイコンタクトを取る。
「ラップ君といったかな・・・。そのジェダイの名は何と言うのだい?」
 スコービットは特にやさしさを演じたわけでもないが、ゆっくりと言った。
「連絡によると確か・・・クワイ=ガン・ジンとか・・・」
 スコービット将軍は顔を手のひらで覆い隠した。その顔には、まぎれもない・・・喜びが表れている。
「ふん、良かろう。パーティの再開というわけか」
 将軍は大きく伸び、マントをひるがえして部屋を後にした。
 


[106] (無題) 投稿者:ポチ uo5SLPDAPdU (2005/12/09(金) 23:06 Am7Y9PmhV.2)

default

外の世界に出たのは、多分その時が初めてだった・・・。
そこで最初に感じたのは激しい吐き気と喉の渇き。そして割れそうな程の頭痛・・・。
「・・・うぅ・・・」
本能的にその苦しみから逃れようとする。が、逃れる為に何をすれば良いのかが判らない。
外での生き方など・・・、私は知らない。知っている筈がない・・・。
タンクと言う閉鎖された空間の中でずっと眠っていた。
ただ眠っていただけで生きられた。
だから知らない。外での生き方など・・・。
私は必死で生きようとした。
何故生きようと思うのかも判らないが、
・・・それでも生きたい。
死にたく、ない・・・。

Love of the created people …
〜創造された者の愛〜

「・・・うぅ・・・!・・あ・・・ぁ!!」
タンクの中から零れ落ちた少女は、培養液が作った水溜りの中で頭を抑えもがき苦しんでいる。
目や鼻からは体液を流し、何も入っていない胃袋をひっくり返す。ただ、それを繰り返す。何度も何度もだ。
「大丈夫か・・・ん?」
共和国軍の量産型生態兵器であるCT-1305が駆け付けようとした。が、兵器はその足に送った指令を中断させる。理由は兵器の視覚がある物を捕らえ、脳に緊急連絡したからである・・・。
「・・・はぁ・・・ん・・・!!」
もがき苦しむ少女を中心に、床がクレーターのように凹んでゆく。更に、周辺に置かれたコンピュータ等の機器はアルミ缶のように潰れ爆散し、壁も内側から外側に向け圧力がかかったように潰れていく。床を這いまわっていた大蛇は切り裂かれ“血”を撒き散らす。
この光景は以前何処かで見た覚えがあった。CT-1305はそう感じ、データバンクを引っ繰り返す。そして、データバンクから答えが出された。
全てを崩し始めた原因である惑星ジオノーシス駐留独立星系連合軍奇襲殲滅作戦。所謂彼等にとっての初陣である。
そこで彼の所属していた部隊の指揮官として着任していたジェダイが敵の機械人形を手も触れずにアルミ缶を潰すかのように圧し折った光景である。
「・・・た・・・助け・・・て!助・・・け・・・て!!死ぬ・・・嫌!!死ぬ・・・嫌ぁぁぁぁ!!!」
少女がもがきながら絶叫に似た声を上げた。途端、CT-1305の体が宙に浮き上がる。彼が事態を理解する間も無く閉じていた鉄製のドアに叩きつけられた。
「があぁ?!!」
CT-1305は床に這いつくばるような形で崩れ落ち、ヘルメットに設置された呼吸口から真紅の液体を床にぶちまけ、咳き込んだ。咳き込む度に真紅の液体は床に零れ落ちる。
兵器の視覚から再び緊急連絡が入電する。連絡内容は彼の装甲服が潰されたアルミ缶のように凹んでいると言うものだ。
(大破するよりも一度退いて本部に報告することが妥当か・・・)
データバンクに過る言葉。CT-1305は振り返った。しかし、
「・・・くっ!」
兵器は嘆く。鉄製のドアが変形しているのである。本隊が来て抉じ開けるまで口を開けることはないであろう。
そうなるとすれば、ここで“大破”するか、もがき苦しむ少女を止めるかの二つしか選択肢は残されていなかった。
人間ならここで諦め、死と言う道を選ぶ者も居るだろう。
しかし、彼等クローン・トルーパーは造られた生命体。例え身体が砕け散ろうが四肢が切り裂かれようがクローン・トルーパーは任務を最優先する。それはCT-1305も例外ではなかった。
CT-1305の下した命令。それは“止める”だった。
本部から最優先事項で各部に命令を送る。命令された各部は呼応し、体勢を低くし、這いつくばる。そして、ゆっくりともがき苦しむ少女に接近していく。俗に言う匍匐全身である。
装甲服は少女に接近すると連動し徐々に凹み、ヘルメットのゴーグルに罅が入ったと思えば砕け散った。1cm、いや、1mm進む度に自分の骨や内臓が押し潰されるような感覚を覚える。生身の人間には絶える事の出来ない激痛。
ヘルメットの呼吸口から夥しい量の真紅の液体が流れ、既にCT-1305の意識は朦朧としている。
遂に、CT-1305は少女の元に辿り着いた。依然頭を抑え嘔吐を繰り返し、涙と鼻水を流しているアテナ。
朦朧とする意識の中、兵器の腕がアテナの白い肩を掴む。
「・・・落ち・・・着け!落ち着くんだ・・・!」
アテナの肩を揺するCT-1305。
「頭痛い!頭痛い!!頭痛い!!!死ぬ・・・嫌!!死ぬ・・・嫌ぁぁぁ!!!」
アテナが再び絶叫に似た声を上げる。次の瞬間CT-1305の腕に着けられた装甲が砕け散り、その破片が肉に深く突き刺さる。
「うぐっ!・・・死なない!落ち着くんだ!」
大声で叫んだ。しかし、壁や床が変形する音によってその大声は掻き消され、発した本人でもその声が聞こえない。
「死なない!死なない!絶対に君は死なない!!」
CT-1305はクローンとは思えない行動を取る。アテナを抱きしめたのである。
しかし、これは“彼が行った行動”ではなく、“プログラムされた行動”なのだ。彼等兵士に代わる量産型生態兵器は戦争によって親を失った孤児や戦争被害者を安心させ保護する為にいくつかそう言った“戦法”を教え込まれているのだ。
アテナを、この現象の原因を抱きしめている為にCT-1305の装甲服は丸で刃で切り裂かれたかのようにいくつも傷が現れる。
「死なない!死なない!」
CT-1305は願う様に叫ぶ。そのとき、ある事に気付いた。
自分の声が聞こえる・・・。
それは先程よりも怪現象が弱まっているという事を伝えている。
CT-1305はアテナに視線を向けた。少女は先程とは打って変わり、CT-1305の流した真紅の液体で染まってはいるが穏やかな、何か疑問を浮かべているような表情でCT-1305を見詰めている。
アテナの宝石のような銀色の瞳にCT-1305の顔が映る。
「・・・」
「・・・死ぬ・・・違う?」
突然口を開いたアテナ。
その声は疲れきっていて、尚且つポンコツドロイドがデータフォルダから単語だけを引っ張り出し、そのまま音声として発しているような話し方だ。
「ああ、死なない」
「・・・死な・・・ない?」
CT-1305は頭部防護の役割を果さなくなったヘルメットを投げ捨てると少女に優しく微笑み、そして呟いた。
「死なない」

to be continued…


[107] (無題) 投稿者:ボスフェット zqg3LWuxx1s (2005/12/11(日) 01:32 OA8XH7zrWSU)

slave1_boba

82の続き
第10話 奇妙な声

ボバはスキッフの速度を落とし周りを見回した。
「この辺は仏葬だな、ボスクの趣味はどうにかなっているな」
ボバは近くにある谷を越えて墓場の端のほうにいくと奇妙な音が数回か聞こえた。
「だれだ!」ボバはいった。
だが誰も返事はしなかった。
ピシュン パシュン
ボバは数分たってこの音がなにかわかった、「これはライトセーバーの音だ」
そおボバが言うとどこかで聞いたことがある声がハァハァハァハと笑い、ブラスターがあちこちに飛び回った。
「この声はボスクの声ではないぞ、お前はいったい何者だ」
すると声の持ち主はいった。
「生意気な賞金稼ぎめ、われにソロを渡すのだ」
「渡すものかお前みたいなドロイドに」
「ドロイドではない」
ピシュン
「ウヮァァァ」
ボバは気になりブースターで上空に飛び上がった。
ボバの目の前には4つの光が見え、おそるおそる前にきたら声の持ち主はボバを殴り、ブーストを起動させられて墓場のどこかになぎ倒された。
ボバが気がついたときは奇妙な声の持ち主とボスクはいなかった。
「奇妙な声の持ち主になぎ倒された・・・わ、わかったぞ、やつはグリーバス将軍だでもやつは死んだはずなのに」
ボバは疑問を持ちながら、宇宙港に戻りスレーブTを発車させた。
「グリーバスが復活するなんてきっと帝国が復活させたに違いない、少し帝国から情報を聞かなければな」
そおいいボバはハイパースペースにジャンプした。


[108] 『LAST ROYAL 〜最後の忠誠〜 』 投稿者:うるふぁんぐ 3ZhxDp2aq8U (2005/12/13(火) 19:41 Dio9jp2cY2k)

tsavong

>>80の続き

〜第四章 気炎〜

<瓦礫の谷>のメインドッキングベイは、ちょうどセルゲウスの指令タワーの150階下にある。
このベイには、この衛星基地にあるほぼ全ての艦艇が収められ、常時腕利きの「ラスト・ロイヤル」パイロット達が来るべき時のために詰めいていた。
老セルゲウスは肩称以外飾りの無い白い軍服に身を包み、やや斜め後方にいるダーミン司令官と共に、このベイに繋がるメインエレベータの中で、銀河辺境部に待機しているロッキンガム提督とホロリンクで連絡を取合っていた。

「提督。時は来た。間もなくこちらで建造中の例の兵器が完成する。よくぞここまで耐えた。」
ホロビーコンに映る青白く立つ壮年の男に、セルゲウスは話しかける。壮年の男は答えた。
「はっ。我々の部隊が少しでもお役に立てるのであれば、光栄であります、閣下。」
「うむ。」
セルゲウスは短く切った。ロッキンガム提督はもともとスローン大提督に従い、外宇宙の遠征に出向いたアカデミー主席卒業生である。ビルブリンギの戦いではセルゲウスの部隊よりも先に戦場から脱出したのだが運悪く共和国の艦隊に発見され、スターデストロイヤー一隻を犠牲に、そのままアウターリムに潜んでいたのだ。
彼の部隊は今ではインペリアル・スター・ガレオンのみの戦力になってしまったが、ゲリラ的な活躍とある一人のパイロットの腕で今日まで果敢に共和国と戦ってきた。
「提督。兵器は完成次第作戦に使用する。ついては君に、君の部隊に作戦を言い渡す。」
セルゲウスは続けた。
「資源調達上の問題から、兵器は本体。つまりメインレーザー昨日の開発建造のみに留まった。これを戦場配備するにはそれ相応の大きさを誇る戦艦が必要だ。それも超一級の、な。」
セルゲウスとロッキンガムの会話を、ダーミンは記録装置にスタイラスを使って記入していく。
「提督。君達の部隊が待機している宙域には、共和国軍の艦艇建造基地がある。そこにはかつて陛下が再臨なされた時に使用されたエクリプス級スターデストロイヤーの“つがい”がある。
陛下が御自らのお力で破壊されたほうのかたわれだ。」
<エクリプス級>は、恐らく銀河で一番大きいだろと思われていた<スーパー級>よりも巨大な戦艦で、全長17000メートルのこの化け物はかつてパルパティーン皇帝が惑星ビィスのクローンセンターで復活した時に、初めて建造されたものである。
初期の一隻は、建造後間もなくの処女航海の折にスカイウォーカー兄妹によって、フォースの嵐の渦に巻き込まれ宇宙の塵と化したものだ。
しかし密かに建造されたもう一隻の<エクリプス>はビィスの地下ドッグにて共和国軍に接収されるまで眠っていたのである。
接収された後には、現在ロッキンガム部隊が潜伏している宙域の隠された共和国軍基地に係留されている。
セルゲウスの拡散レーザーを換装するにはもってこいの大きさである上に、なんとこの巨大戦艦には皇帝の虚栄心と支配欲を表わしているが如く独自のスーパーレーザーが搭載されているのだ。
デス・スターのそれとは異なり単一放射型ではあるが、そのエネルギーは計り知れない。このエネルギーを拡散レーザーに流用すれば、共和国軍に一泡吹かせることが出来るだろう。
「それを強奪、いや、拝借して来て貰いたいのだよ提督。」
セルゲウスはビーコンに向かって話し続ける。
「これは非常に危険な任務ではあるが、それ以上に価値がある作戦だ。幸い貴公の部隊には共和国軍から接収した輸送用トランスポーターが数隻あるはずだ。特殊部隊を貨物に忍ばせれば造船所への潜入も容易だろう。」
セルゲウスの手のひらのビーコンが映す男は頷いて話し出す。
「了解しました閣下。なに。今まで私の部隊は補給物資奪取のためにインナーリムにも足を運んだことがあるのですぞ?
それに腕利きのパイロットも数多く抱えています。インターセプターもです。ご安心ください。必ずお届けいたします。」
ホロに映るロッキンガムは、敬礼した後その青い姿を消した。

エレベータがベイの奥まった司令室に着く頃には、すでにダーミンは会合記録をデータバンクに保存していた。
「閣下。ロッキンガム提督ならば、きっとやり遂げてくれるでありましょう。」
ダーミンはセルゲウスの背中に、真っ直ぐに向かって話した。彼が話を続けようとした時、ふいに腰のコムリンクがなった。
「こちらダーミン。何だ?緊急回線が使用されているぞ。」
ダーミンがルージュほどの大きさの通信機に話しかけているのをセルゲウスは振り返って聞いた。
「こちら通信センター1348。セルゲウス閣下に至急繋いでください。」
通信センターの主任は、ダーミンがセルゲウスに手渡したコムリンクに向かってけたたましく話した。
「閣下。緊急です。ミッドリムのジャミン宙域に潜伏中のメルソン大佐の部隊が共和国の機動艦隊の奇襲を受けた模様です。
偵察部隊がたった今伝えてきました。」
セルゲウスはあせらずに主任にコムリンクを通して問いかけた。
「生存者は?」
「・・・・ほぼ全員が・・・絶望かと・・・・」
短い沈黙の後に帰ってきた主任からの返答に、セルゲウスは目を瞑り深く鼻腔から息を出した。
ダーミンはセルゲウスから小さな通信機を返されると、主任に向かって引き続きの捜索を命じて通信を切った。
セルゲウスの大きな背中には、彼が表には決して出さない深い悲しみの色がにじみ出ていることにダーミンは気付いた。
メルソン大佐の小規模ながら勇敢なステーション防衛部隊は、「ラスト・ロイヤル」の最も古い盟友であった。
それがたった今全滅したという事実はセルゲウスにとっても受け付け難い事なのだろうとダーミンは悟ったのだ。
間もなくエレベータが司令室に到着し、ドアがゆっくりと片方に開いた。照明光が入ってくる。

セルゲウスとダーミンがベイ司令室に入ると、そこにいた管制士官達は揃って二人に敬礼をした。
それを見て頷きながらセルゲウスはベイ司令室の一番奥に足を運ぶ。そこのビューポートからはベイを一望できる。
ビューポートの前に二人が立つと、その眼下には三隻のストライク級クルーザーと黒い軍服を着たパイロット達、それに白い装甲を身にまとった多くのトルーパーが整然と列を作り、並んでいた。
セルゲウスがビューポートの外にあるバルコニーに立つと、兵士達はさらに背筋を伸ばしその場に固まった。
大きく息を吸ってセルゲウスは拡声マイクに手を伸ばした。

「諸君!時は満ちた。ついに我等がその真価を示す時が来たのだ!」
セルゲウスの演説が始まると皆は、ヘルメットの下でそれを一言一句逃すまいとして聞き入った。
「ロッキンガム提督が誇る精鋭部隊が動き出した。間もなく我が軍に最大級の戦力が補充される。我らの究極兵器を換装するためだ!これが成功すればいよいよ我らの悲願とも言えるコルサントへの奇襲が可能になるのだ!これは諸君!銀河帝国軍人としての最後の輝きを煌かせるチャンスである!全軍心せよ!ロッキンガム提督の作戦を円滑にかつ最速で終わらせるべく、我らはカラマリ星系に陽動攻撃を行う。
この両面作戦が我らの銀河帝国軍人の根底に眠る魂の咆哮であることを共和国に見せ付けるのだ!
全ては銀河帝国のために!!散っていった戦友達のために!!奮え!わが兄弟達よ!!!」

セルゲウスが拡声マイクから手を離すと、兵士達はブラスターを持たない片側の拳を振り上げ、興奮したように雄叫びを上げた。
「銀河帝国!銀河帝国!銀河帝国!」
彼らの気炎はベイと、そして拡声マイクを通して演説を聴いた<瓦礫の谷>の兵士達全員から発せられ、セルゲウスはそれを全て包み込んでいるようだった。
「どこまで大きな人だ」
ダーミンと管制センターのスタッフは、セルゲウスの背中に敬礼の片手を上げつつ、この老司令官に絶対の忠誠を心の奥底で誓うのだった。

戦端が開かれるのは間もなくだ。


[109] 『LAST ROYAL 〜最後の忠誠〜 』 投稿者:うるふぁんぐ 3ZhxDp2aq8U (2005/12/14(水) 18:02 Dio9jp2cY2k)

tsavong

>>108の続き

〜第五章 将星〜

「了解しました閣下。なに。今まで私の部隊は補給物資奪取のためにインナーリムにも足を運んだことがあるのですぞ?それに腕利きのパイロットも数多く抱えています。インターセプターもです。ご安心ください。必ずお届けいたします。」
ブルーのホロに向かって、壮年の男は答えた。すぐにホロの投影する男は頬を緩めると、姿を消した。
壮年の男は映像が消えた投影装置に向かい敬礼をすると、後ろに振り返り言葉を発した。
「さて、いよいよ閣下からご命令が下されたぞ。我らの我慢の甲斐もあったというものだ。」
男の言葉に正面の若く、いや、若いがその顔はどこかもう少し年を重ねているように見える士官が答えた。
「はっ。ロッキンガム提督。ついに銀河帝国軍人の決起の時が来ました。ビルブリンギの戦役では遺憾千万撤退を余儀なくされましたが、今は違います。私の腕も10年前よりも格段に上昇していると自負しております。」
「うぬぼれは危険だぞ。ゼルファー大佐。君の腕は私が誰よりも買っているのだ。自負などせずとも良い。」
笑いながらロッキンガムは若い士官に答える。士官も謙遜の言葉で返答した。今二人は並んでインペリアル・スター・ガレオン<パブルブレイカー>の艦橋に立っている。

ゼルファー=レノックス大佐。これがロッキンガムの隣に立つ若者の名である。
父をかのダース・ヴェイダーの、死の小艦隊に属するスターデストロイヤー艦長レノックスに持つ名家の出身である。
彼の父は、欲憎渦巻く帝国軍の中でも高潔を貫いたことで有名で、内外にその名を轟かせエンドアの戦いで見事に散っていった。そんな父を誇りに持つゼルファーは、スローン大提督が新共和国攻撃のためにかなたの宙域から艦隊を率いて戻ってくると、「救国の志」を持つパイロットとして志願し、スルイス・ヴァンの戦いでは共和国方のボサンクルーザーとエスコートフリゲートなどを含む、数多くの艦艇を自らのTIEファイターのみで撃破するという戦功を立てている。この尋常ならざる成果がスローンに認められ、彼はその若さで大佐への異例の昇進を遂げたのであった。
その後はロッキンガムの機動部隊に配属され、スローンの指揮の下多くの戦場で活躍したのだが、忌まわしきビルブリンギにて彼はレベルアサルトフリゲート2隻を同時に轟沈させたその時、スローン暗殺の報を受け取ったのである。
ロッキンガムの退却命令に従い、ゼルファーはロッキンガムのスターデストロイヤーに帰還すると同時に退却したのだが共和国の機動艦隊に、ハイパースペースへジャンプする直前に捉まり戦いを余儀なくされてしまう。ロッキンガムは旗艦のスターデストロイヤー一隻をスクラップにしてしまったが、ゼルファーは機動艦隊の旗艦であるエスコートフリゲートを木っ端微塵にしてロッキンガムの後を追った。
共和国側は一連の戦いで、彼一人のためにまるまる艦隊一個分の船舶を失ったことになる。それほどの男であった。

「君たちには特殊部隊を率いてジュラスVにある共和国造船所に潜入してもらいたい。潜入が確認された後一時間後に私のガレオン部隊が基地の司令部に機動爆撃を行う。当然小型戦闘機が応戦してくるだろうが、君たちはそれにかまわずエクリプス級スターデストロイヤーの艦橋を占領し、所定の宙域にジャンプしてくれ。それが今回の作戦任務だ。」
ロッキンガムはゼルファーと艦橋に集合している特殊部隊の隊長らに向かって作戦の概要を説明した。
「潜入には共和国側の中型輸送船、通称ツナ・シップを使用してもらう。これは通常90名しか搭乗出来ないのだが貨物の集積スペースを大幅に改造したため、さらに多くの乗員を乗せることが出来る。」
彼の説明に、参列する者全員の視線が集められた。
「艦橋に登場するものには共和国方の制服を着てもらう。なに、少しの我慢だ。辛抱してくれ。そしてジュラス造船基地にはエクリプスへの物資補給の名目で寄港してもらう。その後は先ほどの説明どおりだ。」
隊長たちは口々に意見を言ったがゼルファーは黙ってロッキンガムを見つめていた。
「この任務が成功し、無事にエクリプスをセルゲウス閣下の元へ届ければ、計画は第二段階へと進む。言わばこの作戦は全ての作戦の根底を成すと言っても過言ではない。諸君の活躍を期待する。以上だ。」
ブリーフィングが終わると、出席した全員はロッキンガムに向かって敬礼をし、ツナシップへと急いだ。

「正直この作戦は賭けだよ。」
操縦要員と一部の士官しかいなくなった艦橋で、壮年の提督はゼルファーにむかって話し始めた。
「私の艦隊のみでこのような大掛かりな任務を遂行せねばならぬほど、帝国の勢力は日を追う毎に縮小している。閣下もそれをご存知の上で、私が信頼を裏切るまいとして任務を任された。しかし、だ。先程言ったようにこれはこの先にある全ての作戦の根底だ。裏を返せば、絶対に失敗が許されない作戦でもある。もし失敗したら「ラスト・ロイヤル」の全滅は免れまい。他の小艦隊も間違いなく狩り尽されるだろう。」
冷静さと表裏一体の深刻さを持って、彼はゼルファーに話を続けた。
「帝国軍残党部隊の柱とも言えるペレオン艦長の和平同盟へのショックが大きすぎるのだ。閣下はもともとその決起をペレオン艦隊と連携して行うことをお考えであったらしい。だが、それを情勢が許さなかったのだろう。かつての味方が今では敵に下ったも同然。なんとも皮肉なことだ。」
深い溜息を落としたロッキンガムを見たゼルファーは強い口調で答えた。
「提督。そこまで落胆されることはありますまい。我々は帝国軍人としての大義を果たすまでです。そうお考えの上でセルゲウス閣下は今回の決起に取り掛かられたのです。我々が立ち上がれば、乾いた火口に火がつくことは間違いありません。各地の残存艦隊は我先にと集ってくれるでありましょう。」
ゼルファーの目には大義に燃える青白い炎が青々と燃えていた。
「必ずやエクリプスを怠惰に満ちた共和国から奪取してご覧に入れます。提督は艦隊の指揮のみに集中していただきたい。」
ゼルファーはそう言うとロッキンガムに向かって敬礼をした。ロッキンガムが敬礼を返すと、彼は体を後ろに向けベイに向かって消えていった。

それから間もなく、艦橋のビューポートに向かうロッキンガムの目に6隻のツナシップがハイパースペースにジャンプするのが見えた。

時代が動き出す音は、誰の耳にも届いた。


[110] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2005/12/14(水) 18:50 7DcpqDe1vmg)

ackbar

載せさせていただきます。時代クローン戦争中期です。
以前1章だけ載せたのですが、過去ログの奥深くに眠ってしまい、大きく手直ししたので1章から載せます。
全7章です。全部できているのでちょっとずつ載せていきます。

第1章 ジェダイ・ナイト
 戦争の真っ只中であるというのに、銀河の中心に位置するコルサントの光景は、何百年も前から変わらない。超高層ビルが樹立し空はエア・スピーダーの流れに覆われていた。
そんな中一際目立つピラミッド型のジェダイ・テンプルは恐ろしいほど静寂に満たされていた。戦争が長引いているせいで、平和と正義の守護者であったはずのジェダイはいつしか将軍として戦場に駆り出されるようになり、テンプルに残っている者は非常に少ないのだ。
この戦争でジェダイは守護者から将軍に成り代わった。それが正しいことなのかどうかはもはや誰にもわからない。ヨーダでさえ分からないのではないか。ダークサイドが彼らの判断を曇らせていた。彼らはただフォースを信じ、身をゆだね、この戦いを戦ってきたのだ。
 コルサントは平和そのもの、戦いははるか彼方アウター・リムで行われている。だがテンプルの静寂――混沌 は、あらゆるものをフォースの渦に取り込み、溶け、混じり合い、この戦いそのものを象徴しているようでもあった。
 メイス・ウィンドゥは、静寂の中瞑想室でひとりフォースに浸っていた。彼はフォースを通して未来を予見しようとしていた。光り輝くフォースのライトサイドの一部が、輝きを失い・・・次の瞬間一斉に光は消えた。闇が全てを覆った。いや、小さな光がまだ残って・・・
ヨーダの彼を呼ぶ声が、彼の瞑想を遮った。覚醒したメイスは何事かと部屋を出ると、ヨーダは目の前に立っていた。
「マスター・ヨーダ、どうしました何か――」
「マスター・ヨーダ!」ほぼ同時に走りこんできたジェダイが彼の言葉を遮った。中肉中背で、30代前半のジェダイだ。その茶髪は整っていない。
「ライトセーバーの新しい技を――」ジェダイは言った。
「ガレーラ、待て待て、マスター・ウィンドゥちょっと来てくれんか」ヨーダは遮った。
「いいですとも」ヨーダが歩き出すと、メイスはその後に従った。ロイド・ガレーラは、密かに後をつけた。
 ロイドは平均的な年齢より遅く、先日ジェダイ・ナイトに昇格したばかりだった。彼のフォースは弱い。それに、30を越えてもまだパダワンの幼さを残していて、はっきり言ってジェダイに向いているとはいいがたい。おそらく一生かかってもジェダイ・マスターにはなれないんじゃないか。
2人は通信室に入った。「今さっき、これが届いたのじゃ。レン・ヴァーからな」ヨーダはそう言って投影機のスイッチを入れた。
「レン・ヴァー?」メイスは言って、映し出されたホログラムに驚いた。そこに映っているのは間違いなく分離主義者の幹部たちだった。ドゥークーもいる。
 驚いたメイスは言った。「こ、これは・・・」
「レン・ヴァーに入り込んだ情報部のスパイが奴らの基地を見つけおった。さらに、彼らの会議の様子までも送ってきたのじゃ」ヨーダは厳格な顔つきで言った。
メイスは言った。「早速、レン・ヴァーに軍を――」
「まあ待て、重要なのはここからじゃ」ヨーダは言った
ホログラムのドゥークー伯爵が言った。『前から話に出ていた早期のコルサント占領についてだが』
「コルサント占領だと?」メイスは耳を疑った。「いくらなんでも早すぎる。アウター・リムでの決着もまだついていないと言うのに。いったいドゥークーはどういうつもりで・・・」
『バトル・ドロイドの大群を差し向けてやればいい。ジェダイなど、大したことは無い』トレード・フェデレーションのヴァイスロイを務めるニモーディアン、ヌート・ガンレイが口を挟んだ。
『まさかナブーでの失敗を忘れたわけではあるまいな、ヴァイスロイ』ドゥークーが言う。ガンレイは言葉を詰まらせた。『あ、あれは・・・」
『ふん、ドロイドなど、彼らの前では無力なのだ・・・そこでだ』ホログラムの中の者とメイスは彼の次の言葉を待った。
『オルデラン星系を占領する』2人のジェダイは言葉を失った。
『あそこはコア・ワールドの多くの惑星とトレード・ルートが結ばれている。そこを押さえれば周りの惑星の物資を絶つことができよう。しかもオルデランは愚かにも軍隊を持っていない。奇襲攻撃を仕掛ければ少数のバトル・ドロイドでも占領できるだろう』
『名案ですな』ガンレイがそう言ったが、ドゥークーに睨まれ顔をそむけた。
『早速バトル・ドロイドをオルデランへ送りましょう。一刻を争いますぞ』インター・ギャラクティック銀行グループのサン・ヒル会長がガンレイの後を引き継いだ。
 ホログラムは揺れ、消えた。一瞬の静寂の後、ヨーダが言った。「やつらはオルデランを落とすつもりじゃ。わしらの目は節穴じゃった」
「今すぐオルデランへクローン軍を差し向けねばなりません」メイスはヨーダに言った。ヨーダは考え込んでいた。「やはりダークサイドはわしらの目を曇らせておる。」
「ジェダイも行かなくてはなりません。だれが?」メイスが問う。
「そなたが行くかの?」この言葉はメイスに向けられたものではなく、壁に聞き耳を立てていたロイドに向けられたものだった。
 ロイドは驚いて姿を見せた。「す、すいません。でも、オルデランは私の故郷です。私に行かせてください・・・お願いします」彼は怒に身を震わせていた。
「ジェダイ・ナイトになりたてのお主だけで行かせることはできん。マスター・ウィンドゥ、そなたも行ってくれるか」
「もちろんです」メイスは答えた。
「そうと決まれば行くぞ。ガレーラ。時間が無いんだ。マスター・ヨーダ、フォースとともにあらんことを」
「マスター・ウィンドゥ、フォースとともにあらんことを」
メイスは足早に立ち去った。そのあとをロイドが小走りに追いかける。
ドアが閉まると部屋にはヨーダだけが残り、テンプルには再び静寂が戻った。ヨーダはゆっくり目を閉じた。目の前に広がるオルデランの風景、そこにあるのは・・・苦痛、死。
 ヨーダは目を見開き、窓からコルサントの夕暮れを見た。「今回も、厄介かの」


[111] 久々の更新 投稿者:クラベス AJmyjEtQNkE [Web] (2005/12/29(木) 13:00 1rNH3rmHBLg)

quigon

>>105の続き
第四章 招待
「イスト、これはいったい何事なのだ?」
 ガルバコフがひょろっとした青年に声をかけた。青年は一瞬敵意のまなざしを向けたが、すぐに眉を吊り上げて笑って見せた。
「君もあのラップの喜びようを見たらわかるだろう。彼はあの時期にはまだここにいなかったが、我々が若い頃共和国に手を貸して戦争を終わらせた話は知っている。そう、ジェダイが来たのさ。ヨーダはまたいつか頼るといっていたが、それが今なのに違いない」
 ルック・イストは見かけはとても若々しく、快活に見えるが、熟年の落ち着きと判断力を駆使している。髪は淡いブロンドで、ひょうひょうとした動きとよく合っていた。
「本当にそうか?」
 ガルバコフがいぶかしげにひげをなでた。
「本物のジェダイなら喜んで迎えるが、なんの連絡も受けていないぞ」
 ルック・イストは首を振った。
「いいや、前に彼らが来たときも何の連絡も受けていないじゃないか。クワイ=ガンは、あのドゥークーの独立的な行動を受けついだんだろうよ」
 そんなイストにガルバコフは鼻で笑うと、近くにいる整備兵に警戒態勢をしくように命じた。驚いたイストが彼の肩をつかむ。
「何をしようというんだガルバコフ」
「決まってるさ・・・」
 ガルバコフは当たり前のことを言っている様な口調で唸った。
「見知らぬ戦闘機がクワイ=ガンの名を語ってる。これは明らかに不法な侵入者だ。ただちに追い払うまでだ。おい、そこの軍備兵!!ファイターブリッツを何対か出動させろ!!」
「よせ!!!本物のクワイ=ガンだったらどうする気だ!彼は我々の友人だぞ・・・」
「その偽者を打ちのめすのだ。何も悪いことはなかろう」
 ガルバコフは怒鳴るイストに対抗し、ふーふー言ってラウンジに出た。
「狂ってる・・・」
 イストはイスにどさっと腰を下ろしてそう言うと、ただちに警戒態勢をやめさせるように指令を出した。しかし、ガルバコフに命令を受けた兵はすでに算段を整え終え、基地は光に包まれていた。
 ラウンジでアーチ状の柱に背をもたせかけたスコービットが、すれ違いざまにガルバコフに声をかけた。
「おい・・・。我輩の見込みだと本物だと思うがな」
 ガルバコフはわかってるくせにとでも言うように鼻を鳴らした。
「だからこそ今、宇宙のチリになってもらうのさ。お前にはドゥークーがいるんだ。獲物の一匹や二匹、分けてくれてもいいだろう」
 スコービットはクスリと笑うと、完全に軽視した様子で肩をすくめた。
「我輩が言いたかったのは、軍事要請を任されるほどのジェダイに貴様の頭脳力が勝てるかどうかという問題なんだがね・・・」
 とたんにガルバコフが大きく振りを被り、スコービットを壁に押し付けた。将軍の表情は微動だにしない。
「いいか、このオレは変わったんだ。もう、4年前のようなヘマはしない。例え天下のスコービット将軍様とて、オレを嘲ることはできないぞ」
 スコービットは健康的な満足笑いを演じて見せた。
「嘲ることはできなくとも、貴様を殺すことはできるぞ」
 ハッとしたガルバコフが腰をかがめる。彼の上半身にはギラリと光るブラスターが突きつけられていた。スコービットはますます笑みを膨らませた。ガルバコフは、恐怖で声を出すこともできない。まるで、しんしんと流れる冷や汗だけが時を得たようだった。
「つまり、こういうことなのだ」
 スコービットはガルバコフの手を払いのけると、ブラスターをベルトにしまった。放されたガルバコフはゼエゼエと息を切らしている。
「し・・・しかし、それでも・・・」
 ガルバコフが胸に手を当てながら重い口を開けた。
「オレは・・・、お前にとって必要なハズだぞ!」
「ふふ・・・、変わらないよ。お前は」
 スコービットはかかとを軸にして機械的に後ろを向くと、奥の部屋へと去っていった。ラウンジにはガルバコフの荒い息だけが妙に静かにこだました。
 

「妙だぞ」
 クワイ=ガンはジェダイスターファイターの中で独りつぶやいた。
「私が前に来たときはすぐにゲートが開いたはずだ。しかし、なんなんだあの光は。まるで、警戒でもしているようだ」
 突然、近くの空が爆発したのをクワイはしっかりと見た。よく見ると、岩の破片のようなものがこちらに向かって迫ってくる。クワイは体勢を整え、なんとかそれを避けた。
「この星で紛争が起きているなどという連絡は届いていないが・・・」
 クワイがいぶかしんでいると、コックピットのメイン画面が電子音を立てて作動した。そこには懐かしい友の姿が映っている。
「やあ、クワイ=ガン!」
「ルック!!!また会えて嬉しいよ・・・おっと!!」
 流線形の赤い光線がクワイの機に飛んできて、スターファイターはまたそれを避け、急上昇した。
「どうやら再会を喜び合う状況じゃないようだな」
 クワイは肩をすくめてため息をついた。
「この騒ぎはいったい何だ」
「ガルバコフだ」
 ルックが真面目な顔つきになって言った。
「君がいない何年かで、奴がどんどん力をつけてきているんだ。権力も、技術もね。きっと、もうすぐぼくは総司令官の座から引きずり下ろされることになるだろう・・・」
 ルックは顔つきを変えずに続けた。
「やつは、最近やってきた視察の将軍となにやら密談をしている。もしかしたら、ジェダイが来ると不都合なことなのかもしれない。それさ、原因は」
 クワイ=ガンは全てを納得した。そして、少しだけ笑みを浮かべてみせる。
「それで・・・そのガルバコフのチキン野郎が送り込んだ飛行機を初の単独任務をするパダワンがやっつけてもいいのかな?」
 ルックはふっと笑うと、昔を懐かしむような表情を浮かべて言った。
「ああ、いいとも。敵は四機だ。全部、万全の脱出ポッドがついているから安心して暴れろ。みんな、オレに隠れて仕事中にサバックに明け暮れているようなやつらだ。ここいらで喝を入れてやってくれ」
「よしきた」
 スターファイターは高度を一定に保ち、攻撃態勢に入った。

「そうだ。君に頼めることがあるぞ、ガルバコフ卿」
 スコービットが片手をあごに付けてにやけて見せた。
「ほほう・・・」
 ガルバコフも太い眉毛を機械的に吊り上げて笑うと、回転座椅子を将軍の方に向けた。
「それはひょっとして、その腕のことかな?」
 スコービットの着ているマントの左の裾は、ハタハタと不恰好にはためいていた。スコービットは下目でそれを見やると、ガルバコフに向き直った。
「いいや、このことじゃない。せっかく危険に身をさらす人生だ。少しぐらいハンデがあったほうがさらにおもしろかろう。それに・・・こいつがあれば、いつでもわが友ドゥークーの憎憎しい思い出を振り返ることができる」
 ガルバコフは、スコービットの危険な思想に自分の格ではついていけない狂気を感じたが、背筋が冷っときたのを抑えて口を開いた。
「新しい腕を作るのでなければ、いったい何だというんだ」
 将軍は試すような目でガルバコフを見た。
「ジラール・ザ・ハットのドロイド軍に少し細工をして欲しいんだ」


[112] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2005/12/15(木) 13:52 7DcpqDe1vmg)

ackbar

第1章 >>110

第2章 バウンティー・ハンター
 レン・ヴァー。コルサントとは遠く離れた不毛の惑星だ。惑星全体が氷に覆われている。独立星系連合軍は、密かにここに基地を築いていた。
 メイス、ロイドの2人がオルデランへ向かった前日、共和国情報部のスパイはレン・ヴァーで分離主義者の会議を聞いた。そしてそれを録画し、録音した。ドゥークーの計画を聞くと、彼らは急いでそれをコルサントへ送信し、自分達はその場を立ち去った。彼らは失敗を犯した。
あの会議はあそこで終わってはいなかった。続きがあったのだ。もっと重要な続きが。
あの後ドゥークーは付け加えた。「しかしいくら軍隊を持たないオルデランといっても、油断はならん。オルデランの人々は皆故郷を愛しているという。総督のベイル・オーガナが民衆を率いて立ち上がらないとも限らない」
「彼を暗殺してはいかがでしょう。民衆をまとめていた彼が死ねば混乱が起こり、それに乗じて占領できるでしょう」ガンレイは口を挟んでから自分の失敗に気付き、ドゥークーを見たが、彼は何も言わなかった。
「その通り。彼を暗殺する。すでにその準備はしてある。入れ」ドゥークーが手招きすると、ドアが開き、1人の男が姿を見せた。
「彼はバウンティー・ハンターのアローン・ザクトスだ。今回のベイル・オーガナ総督暗殺を引き受けてもらった」
アローンと紹介された男は無言で一礼した。
 彼はジャンゴ・フェットがジオノーシスで死んで以来、ドゥークーの直属のバウンティー・ハンターとなっている。彼の身なりは、動きやすそうな黒いパンツ、Tシャツの上に茶色のジャケットを着込み、黒いブーツを履いていた。色黒の肌に銀髪が映える。腰には見たことも無いようなブラスター――銃口が3つあった、が収まっている。サイボーグのようなジャンゴ・フェットとは似ても似つかない。
「輸送船に1連隊を待機させろ。アローンが先に単独でオルデランへ入り、オーガナ総督を暗殺する。それが成功したら、本隊を送り込み、混乱に乗じてオルデランを占領する」
「わかりました」
 アローンは彼らの会話を聞いてはいなかった。彼はジェダイに大きな恨みを抱いていた。彼が今まで唯一慕ってきた父、ブラック・ザクトスが、この戦争でジェダイに殺されたからだ。彼は元ジェダイの依頼を受けてしまったことが正しかったのか、ずっと考えていた。ただ、その報奨金は前金でたんまりもらった。バウンティー・ハンターは感情で動くものではない。金で動くものだ。これは父ブラックの教えでもあった。
「アローン」ドゥークーの声にアローンは我に帰った。
「早速オルデランへ向かってもらう。ミッションを成功したら連絡してくれ」
「了解」アローンは小さく答えると、部屋を出て行った。ドゥークーたちも軍を整えるため、部屋を出た。
 アローンは部屋を出ると、ドッキング・ベイに停まっている、愛機「マッハ・ブラックス」のもとへ向かうため、司令室へ向かったドゥークーたちとは反対方向へ行った。
 マッハ・ブラックスは、ブラックの愛機だったものだ。この名前にも表れているようにブラックは豪快な男だった。そして息子アローンもまた、同じだった。そのころのアローンの目は父とともに賞金を巻き上げる喜びの輝きに満ちていた。
 青い光刃が、父の胸に穴を開けるまでは。
 ブラックの死後、アローンの性格は一変した。それまでの明るさ、豪胆さは消え、目の輝きは失せ、彼の心にはぽっかり空いた大きな穴だけが残った。
 アローンは廊下から外れた舗装されていない区域にちらっと目をやった。氷の塊を切り崩して作られたこの基地には、そんな場所がいくつもある。
そして彼は立ち止まった。その奥にある洞窟に何かを感じたのだ。これは憎きジェダイの言うフォースとかいうやつじゃないのか?たまったもんじゃない。でもまあ、こいつも・・・彼は自分の妙なブラスターを見ながら思った。
アローンは何かに引き寄せられるように洞窟に入っていった。床の氷が溶け、濡れている。氷の柱が林のように立ち並び、奥に進むのは困難だった。意外と奥深く、氷の壁を最後に進むことはできなくなった。
氷の壁に小さな隙間があった。そこからはさっきまで自分がいた部屋が見えた。アローンは溜め息をひとつ冷たい床に落とし、引き返そうとした。
 そのとき彼の足に何かが当たった。なんだこれは?彼はそれを拾い上げた。なにやら通信機材の部品のようなものだ。こんな所に、こんな奥まで入ってくる者などいるはずがない。まあ自分がそうだが。
 ふと側面を見ると、そこには刻印が入っていた。「the Republic Intelligence Agency(共和国情報部)」
 アローンはすべてを理解した。すべて共和国に知られている。アローンが着くころには、オルデランはクローンで埋め尽くされているだろう。そしてその中に、憎きジェダイもいる。
 アローンは自分にとって許しがたい敵を打ち倒すチャンスを手にしたのだ。
 彼の心の闇は一層深くなった。彼の標的は、ベイル・オーガナから、憎きジェダイへと変わった。
 彼の目は再び輝きを取り戻した。


[113] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2005/12/16(金) 14:09 7DcpqDe1vmg)

ackbar

第1章 >>110
第2章 >>112

第3章 オルデラン到着
 メイスとロイドは、スター・デストロイヤーでオルデランへ向かっていた。窓の外にはハイパー・スペースが広がっている。
「お前はなぜそんなに故郷を愛する?」ブリッジに立っていたメイスはロイドに尋ねた。
「オルデランは市民皆に愛されているんです。あんな平和で穏やかな惑星は銀河中を探しても他にはありませんよ」ロイドは笑顔で答えたが、やがて怒りをあらわにした。「分離主義者どもはそんなオルデランを軍隊で制圧しようとしているんです。絶対に許せません」
「ガレーラ、落ち着け。怒りはダークサイドを――」
ロイドは遮った。「でも、故郷がそんなことになったら、誰だって――」
「私の故郷ハルウン・コルも以前分離主義者に狙われた」ロイドは驚いて彼を見た。ハルウン・コルが危機に瀕したのは知っていたが、彼がそこの出身とは知らなかった。
「私はそこで怒り――内なるダークサイドと戦って、それに打ち勝った。お前がダークサイドに落ちるようなことがあっては、我々も困る」ロイドは何も言わなかった。
1人の共和国士官がメイスに告げた。「間もなくオルデラン星系に到着します」メイスはロイドに命じた。「よし、準備をしろ」ロイドは黙って荷物をまとめ始めた。
 メイスはさらに通信機に向かって言った。「コマンダー。情報を受け取ってからまだ1日しか経っていない。恐らく敵はまだ到着していないだろうが、警戒を怠るな」荷物をまとめていたロイドは“準備”の意味をようやく理解した。
 やはりオルデランの軌道上に連合軍の母船らしきものは一切存在しなかった。「よし、やつらはまだ到着していないらしい」
「降りましょうよ」オルデランが無事なことに気を直したロイドは言った。まあ、実際は30年ぶりに故郷に戻るのが楽しみなだけだった。
メイスは考え込んだが、やがて通信機に言った。「我々だけで着陸する。母船は軌道上で待機し、敵の攻撃に備えろ」
「了解」コマンダーから威勢のいい応答が返る。「着陸船を用意します」
 メイスとロイドは、着陸船に乗り換え、オルデランの大気圏に突入した。大気圏に入っ大気圏を抜けると、一面に美しい景色が広がる。この景色にメイスは絶句した。ロイドは言葉を失うジェダイ・マスターを見て、勝ち誇った気分になった。
 ヨーダからベイルに連絡が行っていたため、着陸船は何の妨害もなしに純白のオルデラン政府に着陸できた。
 彼らがオルデランの大地に降り立つと、ベイルとその側近たちが直々に出迎えた。
「ようこそいらっしゃいました、マスター・ウィンドゥ、えーと、そちらは?」
「ジェダイ・ナイト、ロイド・ガレーラです」ロイドが言った。
「2人ともよくぞ来てくださった。このオルデランを平和なこの惑星を、分離主義者から守っていただきたい」ベイルはそういったが、彼の表情は暗かった。

 3人は美しい回廊を歩いていた。
「オーガナ総督。お会いできて光栄です。私はオルデランの出身なんです。30年ぶりにこの惑星を訪れましたが、やっぱり美しいですね」ロイドが言う。
「そうでしょう。この美しいオルデランを分離主義者たちに渡すことは絶対にできません」
「オルデランはコア・ワールドの多くの惑星の交易ルートの中心になっていますね。ドゥークーはここを占領することでコア・ワールドへの物資を断とうとしているんです」メイスが説明した。
「しかしオルデランは軍隊を持ちません。分離主義者たちを追い払うことは難しいでしょう」
3人は会議室のような部屋には入った。テーブルの周りに10脚のイスが並んでいる。
「おかけください」ベイルは2人に座らせ、自分は向かい側の席に座った。
メイスはあらたまったように言った。「分離主義者の脅威に備え、共和国軍をオルデランに駐屯させます」
ベイルはやっぱりとでもいうように顔をしかめた。そしてきっぱりと言った。「オルデランは平和主義を貫きます。軍隊を駐屯させることはできません」
意外な答えにメイスは立ち上がった。「しかし分離主義の脅威を無くしたいのではなかったのですか。そのためには軍隊が必要ですぞ」
「はい、それは解っています。しかしこの平和な惑星に軍隊を置くことは絶対にできません」
「では、どうすれば」
「あなた方2人にお願いしようと思います。マスター・ヨーダからは2人のジェダイがいらっしゃるとだけお聞きしました。クローン軍が駐屯するとは聞いていません」
「ばかなことを。2人で何千、何万の軍を相手にしろというのですか」
ロイドはメイスが怒っているのを感じた。何だ、怒りはダークサイドへの道とか言っておいて。
 ロイドはついに口を挟んだ。「ちょっといいですか」
「黙っていろ!」メイスが怒鳴った。ロイドは顔をしかめて、言った。「怒りはダークサイドに到る道ですよ。マスター・ウィンドゥ」
メイスはこの言葉にはっとし、冷静さを取り戻した。「わ、悪い。何だね。言ってみろ」
「敵艦隊はまだ出発していないのかもしれません。あの情報が伝えられてからまだ1日しかたっていませんし。出発に手こずっているのかも。今のうちにレン・ヴァーを攻撃してはどうでしょう」ロイドは淡々と説明した。
メイスは落ち着きを取り戻し、少し考え、言った。「そうだな。ロイド、君の言うとおりだ。ひとまずマスター・ヨーダ連絡し、指示を待とう」
 メイスは、コムリンクでヨーダを呼び出した。
「マスター・ヨーダ、メイス・ウィンドゥですが」
「マスター・ウィンドゥ、オルデランはどうなった」ヨーダは落ち着いていた。
「まだオルデランは占領されていません。しかしオーガナ総督の決定により、クローン軍を置くことはできません」メイスは言った。ベイルは申し訳なさそうにメイスを見ていた。
「ほう、それでどうする気じゃ?」
「今すぐレン・ヴァーに軍を送ってください。レン・ヴァーの敵基地を押さえましょう。敵艦隊はまだ出発していないかもしれません」
 ヨーダは少し考えた。「うーむ、では、近くにいるマスター・ケノービと、スカイウォーカーに行かせるとするか」
「マスター・ヨーダ、我々はしばらくここに残ることにします」
「そうしてくれ」
 メイスがコムリンクを通しヨーダと話している間、ロイドはベイルと故郷のことを話していた。ロイドは故郷に異常なほどの執着があった。他のジェダイは皆、自分の故郷はコルサントだといい、何かに執着することがあまりない。何かに執着することはダークサイドへの道とされるからだ。
 メイスはコムリンクのスイッチを切り、ロイドと話していたベイルに言った。「オーガナ総督、そういうことなので、我々の滞在を認めていただけますね?」
ベイルは笑顔を浮かべて言った。「ええ、もちろん。ふたりには特別室を用意します。そこに滞在してください」
「ありがたい」メイスが頭を下げると、ロイドもそれに倣った。


[116] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2005/12/17(土) 10:29 7DcpqDe1vmg)

ackbar

第1章 >>110
第2章 >>112
第3章 >>113

第4章 ロイドとメイス
 アローンは、愛機マッハ・ブラックスを途中の惑星に残し、そこからは一般の貨物船でオルデランへ向かった。たくさんの乗客の中では、彼は全く目立たない。
 貨物船はオルデランに着陸した。人々がどっと流れ出る。アローンは驚いた。オルデランには非常線が張られているとばかり思い、わざわざ愛機を途中に残してきたというのに、貨物船はなんの妨害も無くオルデランに着陸したからだ。
 スペース・ステーションには1人のクローン兵もいない。どうやらベイル・オーガナの平和主義というのは本物のようだ。彼は思った。これじゃあジェダイもいないか。
 しかし彼は何かを感じた。レン・ヴァーの基地の廊下で感じたものと同じ何かを。ジェダイはここにいる。彼は確信した。
 彼は直感を信じて、街の中心部に向かって歩き出した。

ベイルに案内されて2人が入った特別室は、白を基調とした美しい部屋だった。白いベッドが2つ用意されている。
 メイスは荷物を降ろした。「さて、あとはここでマスター・ヨーダの連絡を待つわけだが」ロイドも従った。「どの位かかりますかね」
メイスはベッドのひとつに腰掛けた。「結構かかるだろうな。しかしケノービとスカイウォーカーならすぐに制圧してしまうかもしれんな」メイスは冗談のように言った。しかしそれは彼の願望でもあった。
 そのときロイドは一瞬フォースが乱れるのを感じた。この惑星に何かが侵入した。だがそれは決して我々に害を及ぼすものではない・・・。
「どうした?」メイスは言った。
マスターは気付かなかったのか?ほとんどフォースの流れを感じられないこの俺が気付いてあの偉大なるマスター・ウィンドゥが気付かないなんてことがあるのだろうか?
「何でもありません」ロイドは誤魔化した。「マスター・ケノービは、どんな方なんですか?」
「ケノービと話したことは無いのか?彼は非常に有能な人物だ。ライトセーバーの腕も見事だし、いつでも冷静に考えることができる。もしもジェダイが滅びるようなことがあっても、彼は最後まで生き残りそうだ」彼は笑顔で言った。彼は付け加えた。「マスター・ヨーダとともにな」
「そんな、ジェダイが滅びるなんて。そんなことありえません」ロイドは驚いて言った。
「冗談だよ。しかしどんなものでもいつかは滅びる。たとえそれがジェダイでもな。それは覚えておけ」メイスは厳しい口調で言った。
「アナキン・スカイウォーカーは、どうなんでしょう。問題が多いって聞きますが」
お前もな。メイスはそう思いながらも口には出さなかった。「そうだな。スカイウォーカーはたびたび評議会でも問題になる。しかしライトセーバーの腕も相当なもんだ。ただ」メイスは少し間を置いた。「精神面が弱い」メイスは心配そうに言った。
「しかしそこをケノービがフォローしている。本当にいいコンビだよ。あの2人は。それにスカイウォーカーは『選ばれし者』でもあるしな」そうは言ったが、メイスはアナキンが選ばれし者であるというクワイ=ガンの言葉を疑っていた。
 
 オビ=ワン・ケノービ、アナキン・スカイウォーカーの2人が率いるクローン軍は、レン・ヴァー星系にさしかかっていた。2人はスター・デストロイヤーのブリッジに立っていた。
「マスター、今度こそドゥークーを仕留めましょう」アナキンが言った。
「ああ、だが任務が優先だ。それにドゥークーは生け捕りにしなければならん」オビ=ワンが言う。
「わかってますよ」
 アナキンはわくわくしていた。もしかしたらこの戦争を終わらせられるかもしれないチャンスが目の前に迫っているのだ。
 スター・デストロイヤーはレン・ヴァー星系に進入した。その瞬間、ブリッジは大きく揺れ、警報が鳴り響いた。敵の攻撃だ。
「おっと、お出迎えってわけか。アナキン、行くぞ」オビ=ワンは格納庫に走った。アナキンも後に続く。
「随分荒々しいお出迎えですね」
 2人はそれぞれのジェダイ・スターファイターに乗り込んだ。R2ソケットにはR2−D2、R4−P17が収まっている。
「R2、準備はいいか」アナキンは楽しそうに訊ねた。
R2が陽気な電子音を発し、これに答える。
「いくぞ。この戦争を終わらしてやる」
2台のジェダイ・スターファイターはたくさんのARCスターファイターとともにスター・デストロイヤーから飛び立った。敵のドロイド・スターファイターと激しい戦いが始まった。
 レーザーが雨のように飛び交う。アナキンはその雨を縫うようにして進み、次々に敵を撃ち落していった。
「守りは少ないですね。あっという間に終わっちゃいますよ」アナキンは通信機を通してオビ=ワンに言った。
通信機から彼の声が返ってくる。『当たり前だ。我々の攻撃は知られていないはずだからな。だが、油断するなもうすぐ応援が――』
オビ=ワンがそう言ったのとほぼ同時に、惑星から敵の増援が現れた。
「そうこなくちゃ」アナキンは敵集団に飛び込んでいった。
『気をつけろよ!』通信機から声がする。


[117] 『LAST ROYAL 〜最後の忠誠〜 』 投稿者:うるふぁんぐ 3ZhxDp2aq8U (2005/12/17(土) 11:31 Dio9jp2cY2k)

tsavong

>>109の続き

〜第六章 潜入〜

「補給艇だと安心しきっている。このような連中と我々は戦ってきたのか・・・」
進入コード、船舶名、所属部隊番号といくつかのセキュリティナンバーを打ち込むだけでゼルファーの率いる6隻のツナ・シップは、ジュラスV新共和国軍基地の管制区域に侵入することができた。
いかに和平協定が結ばれているとは言え、この体たらく。ほとほと呆れ返るばかりである。
これが各宙域に外交問題で赴任している、レイア=オーガナ=ソロやハン将軍の率いる部隊ならばまた違うのだろう。
10年前のビルブリンギの戦いでは、ゼルファーはローグ中隊、新共和国主力艦隊を相手に激戦を繰り広げた。
あの頃は敵も骨のある戦士達を多く抱えていたのに、いつの間にか新共和国の戦場は宇宙から議会へと移っていった。
下らない種族間の利害関係から来る政争を繰り返すだけ、かつて皇帝が君臨していた時代は議会こそあれ、政争など官僚間の利権争い程度であった。全く考えられない時代になったと、多くの古参の士官達は口をそろえるだろう。
そんな新共和国軍の前に散っていった戦友のことを思うたび、ゼルファーは無念の涙をこらえたものだ。
何としてでもエクリプスを本来の所有者の下に取り戻す。新共和国は再度恐怖の念を持ってもらおう。
ゼルファーは胸の内にたぎる思いをジュラスVに向けるべく、特殊部隊にスタンバイを命じた。

ジュラスVはその名の通りジュラス星系の第三惑星である。スローンの攻撃をかわし、ダーラ提督をも蹴散らしたとは言え新共和国にとって、広大な未知星域に潜伏する帝国軍の残党兵力は辺境惑星を脅かしかねない脅威であった。
その未知星域の守備の一角をつとめるジュラスV基地は、星を覆う広大な赤い大地のほぼ中央に建造されている。
もともと入植者の少ない上に、皇帝崩御の後のモフや提督達の小競り合いに巻き込まれ今では新共和国軍のみがこの星の唯一の生命体とも言える。
この不毛の大地に立つ基地の最深部にあるバンカーには、ビィスから接収したエクリプス級のスターデストロイヤーが眠っている。ボバ=フェットという名のミステリアスだが腕の聞く賞金稼ぎから、ロッキンガムが手に入れた情報が今では「ラスト・ロイヤル」全体の運命を左右している。
砂塵の舞う基地のベイに、滑り込むようにツナ・シップは降りていった。

ゆっくりとツナ・シップから地上に降りたゼルファーは、その美しい銀髪から逞しい長身まで新共和国軍の軍服をまとっていた。惰眠を貪る奴ばらの軍服を身に着けるのは不本意ではあったが、全ては帝国のためだ。自分に言い聞かせる。
彼は、いや柄にも無く緊張しているのだが、それを自身が知らぬがの如く威厳を放って部下達とともにエクリプスの待つ地下バンカーへと歩いていった。
手筈はこうだ。物資カーゴに潜んだ仲間とともにゼルファーはエクリプスに潜入する。
6隻のツナシップの1隻には山ほどのサーマルデトネータやMK-9大型気化爆弾が船倉一杯に積み込まれている。その他の貨物艇にも
それぞれ2発づつのMK-9が隠されている。これを遠隔装置で爆破させるのだ。
全ての船舶に詰まれた爆薬が起爆すれば、それが繋留してあるベイは爆発を通り越して文字通り蒸発してしまうだろう。
混乱に乗じてゼルファーの部隊はエクリプスの艦橋を奪取。艦長を人質に取り、追尾装置を解除した後合流座標に走る。
完璧だ。ロッキンガムの頭から出たこの計画にはひとつの曇りも無い。唯一の心配の種であった爆薬の発覚も、どうやら察知されることは無かったようだ。逆にこの無神経振りがゼルファーの新共和国に対する失望を増大させた。

「これは素晴らしい!」
バンカーに入ったゼルファーは、繋留されているエクリプスの威容に感動とともに恐れと驚きの感情を覚えた。
「まるで亡き陛下と帝国の意志をそのまま形にしたようだ。」
ゼルファーとその部下達は、しばしエクリプスの巨大さに嘆息し、釘付けになった。まさに帝国を具現化した戦艦である。
彼らは、共和国の兵士が何人か近づいてくる足音を耳にしたため手早くその場を離れた。
エクリプスの乗艦専用ハッチでも、いくつかの乗艦質問が交わされたが特に怪しまれること無く、この巨大な戦艦に乗り込むことが出来た。
後は、味方が忍び込んでいるカーゴが運ばれてくるのを待つばかりである。
ゼルファーとその部下は士官専用室に入り込むと、素早く電磁ロックで誰も入り込めぬように鍵をかけた。
傍受装置が仕掛けられていないことを注意深く確認した後、彼は腰のホロ通信機に手を伸ばし赤いホットラインスイッチに指を乗せる。
ヴゥゥゥンという形容しがたい起動音がした後、ホロ通信機は基地のほぼ反対側の惑星起動に待機している艦隊の長、ロッキンガム提督を映し出した。
「提督。我々特殊部隊、このゼルファー以下1060名無事にエクリプスに潜入いたしました。これよりエクリプス奪還作戦を開始いたします。」
青いホロ映像に向かってゼルファーはここまでの経過を話した。
「よくやった大佐。しかしここからが正念場だぞ。予定通り1時間後に我が艦隊が基地座標に軌道爆撃を行う。混乱に乗じてエクリプスごと脱出してくれ。」
ロッキンガムは満足げにその後の作戦の旨を伝えた後「幸運を祈る」という言葉と敬礼の後、ホロ映像とともに姿を消した。
ゼルファーと彼の部下はホロ通信機に向かって、しばし敬礼した後にお互い作戦の成功を誓った。

「エクリプス船倉に補給物資カーゴが到着する。搬入要員は第三エリアベイに集合せよ。繰り返す・・・」
ゼルファーの部下が忍び込んでいる物資カーゴが、ベイに着いたことを知らせる放送が流れた。
「皆覚悟はいいな。我らはこの作戦を成功させ銀河帝国軍人の真髄を共和国軍に見せ付けねばならぬ。容赦するな。道を塞ぐ者は即座に撃て。」
ゼルファーは、周りにいる部下達に言い聞かせる。そして昂ぶりを必死に抑えている自分の心にも。
「この部屋を出た後は一気にベイまで駆け抜けろ。俊足を示せ!行くぞ!!」
彼は電磁ロック錠をかけてあるドアを勢い良く開け放つと、部屋に待機していた部下達とともに一気に下部ベイへと走っていった。
あとはカーゴに収納されている部下達を外に出し、エクリプスのブリッジを襲撃すればよい。完璧だ。
ゼルファーの頭の中は帝国軍人としての誇りに満ちたこの作戦を、いかに素早く終了させるかということでいっぱいだ。
あやうく冷静さを失いそうになるほど気持ちが昂ぶっている。まるでビルブリンギの時のように。「大義」という言葉は彼の興奮を否が応にも高めるのだった。
 


[118] 挫折覚悟w(あとでまた書くね♪ 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2006/01/02(月) 13:34 kucTEaLLv6k)

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非常な銀河

クローン戦争の戦いの一つ、コルサントの戦いも既に終わっている。
だが、銀河中の惑星ではまだ激しい戦いが繰り広げられていた。
マイギートー、フェルーシア、ウータパウ、キャッシーク・・・・その数々の惑星には何万というクローン兵、そしてジェダイいる。
そして惑星バンダーでも戦いが繰り広げられていた。
戦闘が始まってから既に一ヶ月近くが過ぎている。
共和国軍は惑星の住民達を解放するために戦っていた。
そして一人のジェダイ・マスター、ジェイド・バロンもその戦いにいた。
「マスター・ジェイド、既に町の四分の一は占拠しました」一人のコマンダーが黒髪の背の高いジェダイに話しかける。
「空はどうだ?」町並みを見ていたジェダイが言った。
彼の見ている町は所々煙が上げっている。
「制空権はほとんど確保しましたが、まだかなりの抵抗があります。」
「そうか・・・・よし私は空に出る。地上は任せたぞコマンダー・イータ」
「分かりました。町中に敵の砲台があります。気をつけてください」
ジェイドは頷き、青いジェダイ・スターファイターに向かって歩いて行った。
彼の愛機の周りには惑星の原住民、バンダートの反乱グループの輸送船、戦闘機があった。
反乱グループも住民も早く解放してやらねばならない。
ジェイドはジェダイ・スター・ファイターに乗り込み、機体を離陸させた。
しばらく飛んでいるとVウイングとARC−170が敵機と交戦している姿があった。その中にはバンダード達の戦闘機もいる。
彼の機体の通信機が声を放つ。
“マスター・ジェイド、こちらコマンダー・ファンです”
「ファン、私と行動してくれるか?地上を掃射する」
“イエッサー”
コマンダー・ファンの飛行中隊はVウイングのみで構成され名は、レッド・インターと言う。
「行くぞ」ジェイド達は敵機をARC部隊に任せ、町の建物に接近した。建物の形は角ばった岩のような形だ。
そのような形の建物の間にはかなりの砲台がある。
その砲台は赤い光を放ちジェイド達を狙い撃つ。
「全機、砲台及び、敵地上部隊を壊滅させろ!!」ジェイドは味方に言った。
なんせ、ドロイドの操作している砲台だ。撃たれ様が撃たれまいが構わず撃ってくる。
町の大通りではAAT部隊とクローンのウォーカー部隊が戦っていた。
だから所々で戦いが行われている。その様子がジェイドの目に当然のように入ってきた。
「撃て!!」ジェイドは思いっきり叫んだ。
地上部隊と砲台に青いレーザーが大量に突き刺さる。
そしていくつかの爆発が起こった。ドロイドの破片も地面に落ちる。
ジェイド達は旋回し、再び地上を襲った。AATは反撃こそはしてくるが、空の相手と地上の相手を同時に攻撃することは出来ず、どちらかを狙うとどちらかにやられる。
Wこちら地上部隊、援護に感謝します”ジェイドに通信が入った。
「どういたしまして。そのまま前進を続けろ」彼は機体を上昇させながら言った。
砲台はまだまだある。あまり激しく撃つと、建物まで破壊してしまう。
どれだけ建物に被害を与えず、砲台を潰すかが戦闘の鍵だ。
よく見ると、砲台が密集している地域がある。そこにある砲台はジェイドの経験からして遠隔操作式のようだ。
遠隔操作とはいってもすぐ近くで操作しているんだが。
「あそこらへんの砲台は遠隔操作のようだ。私はあの砲台を操作しているコントロール・ルームに行く」
“イエッサー”
ジェイドは近くの味方の陣地に時機を降ろした。そこには既にコマンダー・イータがいた。
「いたか。いつのまに?」
「先ほどガンシップでここまで来ました。コマンダーは前線にいるのが一番です」
「なるほど。これから遠隔操作している砲台のコントロール・ルームへ行く。位置は・・・・・」
「あれですか?」イータは少し遠くに見える、一つの建物を指した。
その建物には所々レーダーのような物が付いている。あれだ。
「よし行こう。勿論、路地からだ」ジェイドらは建物の間を進み始めた。当然、ドロイドが出てきた。
ジェイドは機械の兵隊が発砲する前に飛び上がり、ドロイド達を切り裂く。
クローン兵達は青い光弾で敵をなぎ倒す。ドロイドと違い、クローン兵は活発に動き、攻撃を避け反撃をする。
これがドロイドとの違いだろう。だが、ドロイドは数が多い。
路地の横の通路からぞろぞろ出てくる。バトル・ドロイドとスーパー・バトル・ドロイドの組み合わせだ。
ジェイドはいちいち相手にするのが面倒に感じた。
「イータ!!EMPグレネードを投げるよう部下に!!」
「イエッサー!!EMPグレネードを投げろ!!」
トルーパー達の手から一つずつグレネードが放たれ、ドロイド達に向って落ちていく。
機械の兵隊達はとっさにグレネードから離れる事が出来なかった。グレネードは強力な電磁波を放ち、煙と大きな音を上げ敵を吹き飛ばした。
かなりのドロイドが吹き飛んだようだ。だが、大して数は減らない。
まあ、進行がほんの少し楽になったかもしれない。
まだ前には敵が沢山いる。ジェイドはフォース・プッシュで五体ほどのドロイドを吹き飛ばす。
吹き飛ばされた敵は壁に激突し、ショートした。ショートした敵は無力と化した。
ジェイドは赤い光を跳ね返し、その赤い光を撃った敵に跳ね返し倒す動作を何度も繰り返した。


[119] 『LAST ROYAL 〜最後の忠誠〜 』 投稿者:うるふぁんぐ 3ZhxDp2aq8U (2005/12/17(土) 13:58 Dio9jp2cY2k)

tsavong

>>117の続き

〜第七章 奪取〜

耳をつんざく破裂音と、その後に続くまるで10年分の砲撃戦を一度にやったかのような爆音が基地中いたるところに轟く。
先ほどツナ・シップが降りてきたベイが跡形も無く吹き飛ばされている。それに誘爆されたのか基地中に炎が上がった。
緊急サイレンが掻き鳴らされ、スピーカーからは消火班の召集を知らせる放送がもうずっと流され続けている。
それは地下ベイでも同じことだった。全長17000mの超大型艦の前で、人々が右往左往する。
その様を満足げに捉える瞳。ゼルファーは起爆スイッチひとつで自分が起こしたこのパニックを楽しんでいるようだ。
「大佐。全員をカーゴから出しました。ブリッジに向かいましょう。」
彼の後ろに立つ、ジェットパックを装備したストームトルーパーが伝えた。ほかにも同様の白い装甲服の兵士がズラリと並んでいる。
「よし。一気にブリッジまで抜く。私の部隊はブリッジに至る昇降機の全てを押さえる。ロアー少尉の部隊は機関室を奪え。」
「イエッサー」
ゼルファーの指示の後、モブリン=ロアー少尉の率いるストームトルーパーの一隊は機関室に向かって飛んでいった。
「ブリント、ジョルア、ソルディン、モレン」
次々に小隊の隊長の名前をゼルファーは呼んでいく。
「君達は計画通りに艦内の主要設備を全て抑えろ。連絡は通信機を使え。よし、行けっ!」
4人の小隊長たちは、部下を率いて次々にエクリプスの巨大な船体に向かいジェットパックで飛んでいった。
彼らが待機している場所は、エクリプスの物資搬入口の真下である。警備兵も消火作業に駆り出されているので、周りには人影がない。
恐らくエクリプス艦内には警備要員がいるはずだが、手練のトルーパー部隊にはかなうまい。
「全員続けっ!帝国の真価を試す機会だ。死を恐れるなっ!」
ゼルファーは叫ぶと、ブラステック社製のブラスター・ライフルを手に、残った兵士達とエクリプスに駆け上がっていった。

「全艦反転!ジュラスV基地軌道上へ船首を向けろ。」
<パブルブレイカー>艦内にロッキンガム提督の声が響き渡る。旗艦が反転するに倣い、他のスターガレオンも一気に反転した。
「ターボレーザーの遠距離射撃用意をしておけ。ゼルファーがエクリプスのブリッジを占拠し次第、爆撃を行う。」
ロッキンガムは艦橋の砲術長に手短に命じた。砲術長は艦内放送でそれを各砲座に伝える。
「やってくれゼルファー。私と、そして「ラスト・ロイヤル」、セルゲウス閣下のために」
ジュラスVの赤い大地を映し出すビューポートを両目で捉え、ロッキンガムは呟いた。

エクリプス艦内は白兵戦の様相を呈していた。当初少ないと思っていた共和国方の兵士達が、思っていたよりも多かったのである。
「第三、第四、第六中隊突撃しろ!昇降機までは絶対に歩みを止めるな!!」
ゼルファーは片手にブラスター、もう片方の手にはコムリンクを握り締めエクリプスの中央通路で押し寄せる警備隊と戦っていた。
すでに彼の周りには敵味方の区別がつかないほど沢山の死体が、細い煙を上げながら無残にも転がっている。
彼の周りを包む、ブラスターのイオン臭。そして鼻を突く鉄のような臭い。かつての戦場での感覚が急に戻ってくる。
「やはり私は武人だな。」
ゼルファーは誰にも、自分にも聞くことが出来ないほどの小声でそれを呟いた。
「ここを抜ければ一気に昇降機までたどり着くぞ。正念場だ!走れっ!!」
色とりどりのブラスター弾の嵐の只中に、ゼルファーは部下とともに突っ込んだ。腰のサーマルデトネーターを投げる。
直後、一瞬の閃光とともに爆音が聞こえ敵の四肢が血と肉の塊となって、ぼろきれの様に飛んできた。
それをブラスターを振り回して交わし、煙の充満する広い通路を駆け抜ける。ブラスターを構わずぶっ放す部下を引き連れて。
ここで彼はある事に気がついた。デトネーターはどうやら何かのガスで満ちていたパイプを破壊してしまったらしい。
栗色の硝煙を含んだ煙で、前が全く見えないのである。この状況ではブラスターを構える敵兵すら視認できまい。
「帝国の負け犬め!!」
彼が思考を止めた瞬間、煙の中からローディアンと思われる共和国軍兵士が飛び出してきた。片手にはブラスターピストルが握られている。
ローディアンが引き金を引こうとした刹那、ゼルファーの長足から繰り出される強烈な蹴りが、ピストルを握る青い手を直撃した。
ローディアンがはハット語で何かを叫んだが、ゼルファーは躊躇なく握られた鉄拳をそのエイリアンの顔面に叩き付けた。
恐ろしい音があたりに響くブラスターの音と重なって聞こえた。
「大佐!お怪我はありませんでしたか?」
ブラスターの相手に夢中になっていたトルーパーたちが、彼らの隊長のもとに集まってきた。
「私のことなど気にしなくていい。昇降機まではもうすぐだ。煙を盾に直進するぞ!」
ゼルファーに続き一斉にトルーパー達も昇降機に向かって、煙の渦をかけていく。
ゼルファーが立っていた足元には青い皮膚を持つローディアの、顔面が陥没し二目と見られないおぞましい死体が転がっていた。

「提督。間もなく基地上空に到着します。砲撃の準備を開始致しますか?」
旗艦の艦橋に座るロッキンガムに航海士官が報告に来た。間もなくゼルファーの潜入から、予定の1時間が経過しようとしていた。
「大佐の乗るエクリプスは確認できたか?」
ロッキンガムは観測員に向かって、やや強い口調で質した。
「まだ見えません。しかし基地の各所からは黒煙が上がっております。」
どうやらツナシップの爆破撹乱までは、上首尾に終わったようだ。ロッキンガムはしばし思考にふけった後、リミットサイレンの音を聞いた。
「時間です。提督。艦隊に爆撃命令を下しますか?」
先ほどの砲術長がロッキンガムに向かって伺った。ロッキンガムは思考の整理がついたように声を上げた。
「全艦に命令!ターボレーザーによる軌道爆撃を開始せよ。繰り返す!軌道爆撃を開始せよ!」
通信マイクに向かって彼が叫んだ後、かわりに砲術長が声を上げた。
「全砲門開け!座標確認後一斉発射!全艦撃てぇ!!」
ガレオンに搭乗する腕利きのガンナー達によりロックオンされた基地上空に、無数のレーザーの光が舞うように飛んでいった。

艦橋へと昇ってゆく大型の昇降機の中のゼルファー達にも、軌道爆撃による轟音と振動を感じ取ることが出来た。
昇降機に乗る前にロアー中尉から、機関室を押さえたとの連絡が入っている。あとは艦橋を占拠すれば万事計画通りに終わる。
昇降機の眠くなりそうな機動音が、艦橋到着のランプとポーンという連絡音によって、全員の緊張を高めた。
全員がブラスターを握り締める。ゼルファーは呼吸を整えた。ほかのトルーパーたちもそれに倣う。
艦橋に到着したことを知らせる連絡音が鳴ると、ドアに向かって皆がブラスターを構えた。ドアが開く。光が差し込む。
ドアが完全に開いたと同時に、ゼルファーたちは一気に艦橋へとなだれ込んだ。全員がブラスターの引き金を引く。
状況が理解できず呆けている共和国のウェッブを、ゼルファーは容赦なく蜂の巣にした。他の兵士も同様である。
ようやく状況が理解できたと見えるクルー達が一斉にブラスターを構えたが、南無三一足遅く逆に体中にブラスターの斉射を浴びた。
無抵抗のクルー達を手早く人質にとり、抵抗するものには慈悲の無い攻撃が加えられた。たちまちに艦橋は修羅の巷と化す。
「キャァァァァァ!」
悲鳴を上げる女性クルーにも、ゼルファーは呵責の無い一撃を加える。せめて苦しまぬように顔面に、最大級のレーザーを食らわす。無論首は飛ぶが。
黙って手を上げてくれれば、無為に命を奪うことは絶対にしないのだが、状況がそれを許さぬ場合があるということを彼は良く知っていた。
間もなく銃撃戦も止み、ブリント隊・モレン隊も艦橋に到着し、このあまりにも広いブリッジの占拠は意外に早く終了した。
ゼルファーは、このエクリプスの艦長であるジギンス艦長を人質に取った。
部下達は手早くこの巨大艦を動かすべく配置に着いた。同じデストロイヤーの系統なので、操作手順やエンジン点火手順も用意に理解できる。
艦内に残っていた共和国の兵士達は艦長以外、全員が電波妨害壁で囲まれた暗い監獄に押し込まれた。間もなく発信機の解除も終了する。

「ロアー少尉から連絡です大佐。エンジンはいつでも動かせる模様です。」
トルーパーの一人が、艦長の隣に立つゼルファーに報告を行った。
「すぐに出せ。上空で待機なさっているロッキンガム提督の下へと出すのだ。急げ!」
彼は、帝国の大義のための作戦の第一段階が間もなく終了しようとしていることに興奮を禁じえなかった。全ては帝国のために。
「大佐。上空の艦隊へは報告いたしますか?」
先ほどのトルーパーが引き返して、彼にもうひとつ聞いた。
「その必要は無い。提督はこの艦が視認され次第集合座標へ飛ぶお考えである。それに通信を傍受されかねないからな。」
ゼルファーが答えると、トルーパーは短く敬礼をし操縦パネルへと向かっていった。

「エンジン臨界!エクリプス発進します!」
艦橋に飛行仕官の声が響き渡った。とたんに艦内にいる全員が宙に浮く不思議な感覚にとらわれた。
全長16キロの巨体を持つ戦艦が、ゆっくりとその船体を地表に向ける。ベイでは混乱の嵐であろうか。
「惑星重力と垂直状態になります。艦内重力発生装置機動。垂直状態です。」
仕官が声を張り上げる。ゼルファーは何も言わずにビューポートの前に立つ。
「エンジン全開。飛び出します。」
仕官が声を荒げた瞬間に、その船体からは想像できないほどのスピードでエクリプスは基地を飛び出した。基地ではサイレンが鳴り続ける。
艦橋の中では、兵士達が歓声をあげていた。この危険な艦艇奪取任務をやり遂げたのである。まさに前代未聞の快挙であった。
ゼルファーはそれを満足げに見ると同時に、今から始まる壮絶な戦いを予感し、武人としての心の昂ぶりをどうにか抑えているのであった。

間もなくジュラスV基地からもうもうと上がる煙を尻目に、惑星の重力圏内を抜けた巨大戦艦エクリプスとガレオン艦隊は、ハイパードライブを起動させ、あっという間に青い高速次元へと飛び立っていったのである。


[120] (無題) 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/03/01(水) 21:04 VFVb.uH1MjU) [SAGE]

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9,若き戦い

シュナイブは宮殿の下町に料理の食材を買いに来ていた。
彼のマスター達は朝早く出かけたため、修行ができないからだ。
今日も町は賑わっている。町の人々は、彼の父サイル・ユーエイを尊敬していたが、シュナイブに対しては見向きもしない。
だが、彼は特に気にかけなかった。父は昔からこの国で尊敬に値する働きをしてきたのだ。シュナイブはしていない。それだけのことだ。
人を避けながら歩いていると、不意に女性の悲鳴が聞こえた。
だが、人々に遮られて見えない。シュナイブは声の方角へ走り出した。

ガノクはマクーンに連れられて、下町に一つしかない酒場の中に入っていった。
「こういう店に入った経験は?」
「いや、ない。だが任務のためさ。平気だよ」
ガノクは強烈な酒のにおいにうんざりしながら言った。
「うむ。上流階級とは酒の好みも明らかに違うようだな」
暗い酒場の中を進んで、二人はバーに座った。
「あんたら、見かけん顔だな?」
彼らの隣に座っている、つぎはぎだらけの帽子をかぶった男が言った。
「俺達のことなど知らないほうが得だぞ」
マクーンはそっけなく応じた。
「何か探しものか?俺は宮殿の警備兵なんだ。この国のことならよく知ってる」
「なら転職すべきだ。宮殿の秘密なんかばらしたらクビを切られるぞ。マスター、エルバ水をくれ。」
男が必死なのをガノクは感じた。だがマクーンは男にまったく関心がないように見える。それに、いかにも自信たっぷりだ。
「なぜそんなに情報を売りたがる?」マクーンが尋ねた。
「金がないんだよ。俺達警備兵は。最近宮殿は保安ドロイドが増えちまって、人間の警備兵はめっきり減ってる。ドロイドは休まず働けるだろ?だから俺らの出番がなくなって、給料も少なくなるわけだ。」
マクーンは懐から通貨を取り出すと、黙って男の前に置いた。
「もっと教えてくれ。」
それから、男は勢い込んで話し始めた。
ヴァルトアやセルダを狙った暗殺者が宮殿の警備兵だったため、兵達の信用ができなくなり、保安ドロイドが増えたこと。
また、暗殺者の多くがサイル・ユーエイを尊敬していたこと。
先代の王は、誰かに殺されたらしいこと。
ふむ。ダークジェダイと直接関係ある話がないとなると、どうやら捜索は困難になりそうだ。

群集を押し分けたシュナイブはの目の前には、15歳くらいの少女と、筋骨隆々の二メートルもある男が果物店のそばに立っていた。
「一つくらいいいだろ?俺は宮殿の警備兵だぞ?この国を守ってるんだぜ」
「だめです!私の家はお金がなくて――あっ――やめて!」
男は無理やり店の前に並んでいる果物を取りあげて、それを高く掲げた。
「とってみろよ」
男が意地悪くそう言った。少女は涙目になり、群集が野次を飛ばしはじめる。
シュナイブは唇をかみ締めた。誰も彼女を助けようとしない。このまま黙って見ているのはひどく気が重い。だが、目の前の男は見るからに強そうだ。
どう考えても勝てそうにない・・・。
――まてよ。
よく考えたら、俺にはフォースがある。マスター達のようにはいかないかもしれないが、あんな男の一人や二人くらい・・・。
シュナイブは意を決して前に進み出た。
「やめろ!」
群集が静まり返り、男と少女が同時にシュナイブを見た。いや、男は少し違う。男は彼をにらみつけていた。
「貴様・・・何か言ったか?」
「ああ・・・いや、その・・・その果物を返せよ!」
シュナイブはありったけの勇気を出した。
「あの、おかまいなく・・・」
少女が弱弱しく言った。シュナイブでは何もできないといわんばかりに。だが、ここまできて引き下がることはできない。
彼は男をにらみつけて言った。
「その果物を返すんだ。さもないと――」
「さもないとどうなるって言うんだ?」
「その・・・お前を叩き潰す!!」
男ばかりでなく何人かの群集までもが笑い出した。少女をチラッと見ると、彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめていた。
何かまずいことでも言ったのだろうか?
「おい、ガキ。文句があるなら力づくで取り返してみろよ」
シュナイブは身構えた。フォースを呼び起こさなくてはならない。
シュナイブがフォースを感じようと集中した途端、いきなり拳が目の前にあらわれた。彼は吹っ飛び、後ろの果物の山の中に突っ込んだ。

シュナイブはどうにか立ち上がると、男に飛びかかっていった。
もはや、フォースのことなど頭の中に無い。
今度は男が拳をすばやくシュナイブの腹に入れた。
彼はウッと息を漏らし、後ろに後退したが、男はさらに容赦なくシュナイブの顔にパンチをくり出す。
彼はその場に倒れたが、相手が攻撃を繰り出す前に何とか立ち上がり、再び男に突進した。だが、簡単に男に足を払われ、勢いあまったままその場に転んだ。その衝撃で、頭を強烈な痛みが襲う。
警備兵が彼のローブの襟をつかみ強引にその場に立たせた。
くそ・・・もうだめだ・・・。意識が薄れていく・・・。
シュナイブが覚悟をした、その時だった。
「そいつを離せ」
どこからか声がした。群集のだれかではない。彼のマスターでもない。だが、彼が知っている声だ。
兄が、ウェク・ユーエイがそこにいた。
「何だ?お友達か?返して欲しけりゃ――」
男の言葉はそこで途切れた。兄のパンチが男を吹き飛ばし、向かい側の壁に激突させたのだ。周りの人々が驚きの声を上げた。
兄が彼のところに駆け寄ってくる。
「大丈夫か?」
「そう・・・見える・・のかな?」
シュナイブは何とか口に出して言った。
ウェクは微笑すると、腰に下げていたエレクトロスタッフをはずして起動した。
「弟をよくも傷つけたな」
兄は男を蹴り飛ばして、反対側の壁にたたきつけた。
ウェクは鋭い目を向けながら男に近づいていく。
男は何とか起き上がると、必死に抗議の声を上げた。
「お、おい待てよ。出来心だったんだ」
ウェクは警備兵の声を無視してスタッフを思い切り振り下ろした。
男が大きな悲鳴を上げる。
「お前は――よくも――こんな――」
ウェクはスタッフを何度も勢いよく振り下ろした。男の悲鳴はだんだん強くなっていく。
それを見て群集がどよめきだした。
兄は周りを無視して更に攻撃を続けている。
スタッフの電撃のせいで、男の背中はしだいに黒くなっていった。きっと皮膚は既に炭化しているに違いない。
「兄さん・・・もういい、やめてくれ・・・」
シュナイブは弱った体で力の限り言った。いまや少女は泣き出している。
それでもウェクは攻撃をやめない。ついには男の悲鳴がだんだん弱弱しくなっていった。
「まだだ・・・まだ終わってないぞ」
兄はスタッフを大きく上げた。だが、それは振り下ろされる前に突然現れた何者かの手に掴まれた。
「マスター・・・」
シュナイブの師、サナがそこにいた。
「離してください。こいつは悪人ですよ」
ウェクは歯を食いしばって言った。
「もう充分でしょう?」
マスター・サナが静かに、だが厳しい表情で言う。ウェクは、スタッフを握る彼女の手を振りほどこうともがいたが、マスターはスタッフを離そうとしない。
やがて、ウェクの顔はあきらめに変わった。
「・・・・わかりましたよ」
マスター・サナはぱっと手を離した。ウェクは縮まっている男を睨みつけると、シュナイブがお礼を言う暇もないほど足早に宮殿の方に向かって去っていった。
途端に周りから歓声が上がる。拍手をしているものもいた。
「あの・・・ありがとうございました」
少女がマスターの目の前に出てぺこっと頭を下げた。
「お礼なら・・・彼に言って」
マスターはそう言って微笑した。そういえば、あんなふうに笑うマスターを見るのは初めてだ。
シュナイブはそう思い、少女が近づいてきたのにも気がつかなかった。
「どうもありがとうございました」
「えっ、ああ・・・いや、どういたしまして」
シュナイブは顔が赤くなった。実際、彼は何もしていないのだから。
その傍らで彼のマスターは傷だらけになった男―宮殿の警備兵―を立たせている。
「あの、すまない・・・」
「私じゃなくて、彼に」
男は頷くと、申し訳なさそうにシュナイブの所に近づいてきて言った。
「その、悪かった」
「これからは、あんなことはやめてくれよ」
「ああ・・・やめるよ」
男はそれから少女にも謝って、ゆっくりと去っていった。
マスター・サナはしばらく男の後ろ姿を見つめていたが、やがて厳しい表情でシュナイブのほうに振り向いた。
「人助けは、自分を守れるようになってからにして」
「はい、マスター。でも、放っておけなかったんです」
「親切もほどほどにね。さあ、帰って手当てしないと」
彼は頷いて、彼女とともに歩き出した。


[121] 初です 投稿者:ジョバイロ(元ダース・デクスター) 6H3ydp4GCtw (2005/12/18(日) 09:23 FAIl2PfHIws)

young_obi

           オビ=ワン・サーガ
          エピソードT/陰謀の影

       共和国に危機が訪れようとしていた。
      偏狭惑星の一部が反乱を起こし、共和国
        から脱退するという声明を出す。
      共和国は、軍備がそろっていないため
     あっさりと反乱軍のバトルドロイドに敗れる。
     そこで、共和国はジェダイに事態の収拾を要請。
    ジェダイ評議会の命令により、一組のジェダイ師弟
    が反乱惑星の一つ―コレリアに飛ぶのだった・・・。

プロローグ
リビングフォース―オビ=ワンが問う

「マスター。」
若き弟子―オビ=ワン・ケノービが思い出したように言った。
「リビング・フォースってなんですか?」
「そうか。」
オビ=ワンの師―クワイ=ガン・ジンが振り向きながら言った。
「お前はまだリビングフォースを理解していなかったな。パダワンよ。」
オビ=ワンも話を熱心に聞こうと、目の前の操縦パネルから目をそらした。
「マスター・ヨーダら、著名なマスターも使っているフォースは厳密に言えば、リビング・フォースではない。なぜなら、マスターたちは、フォースを未来を見るのにつかっている。しかし、リビング・フォースは今この瞬間を見るためにつかうのだ。」
クワイ=ガンは一言一言吟味するように口に含めながら話した。
オビ=ワンも、真剣な顔で話を聞く。
「例えば、ここに窮地に立たされたお前がいるとする。お前の前、後ろは敵だらけで、お前に逃げ場はない。この状況で未来を見るためのフォースを使うのは正しいことといえるか?」
オビ=ワンは、すぐに首をふる。
「そのとおりだ。この状況で、未来をみるのは賭けだ。勢いづくこともあれば、逆もある。」
クワイ=ガンは、足を組むとてをひざの上に乗せて続けた。
「さらに、その自分の死を見てしまったジェダイが、死の恐怖からダークサイドに落ちてしまった例もいくつかある。」
クワイ=ガンは、すこし顔を暗くした。
「ダークサイドに落ちなかったとしても待っているのは、死だ。」
クワイ=ガンは、話は終わりというように、オビ=ワンに背を向けて目の前のディスプレイに集中した。
「その力は、どうやれば学ぶことが出来るのでしょうか?」
「今はまだ学ぶときではなかろう。血気盛んな若者にとって、リビング・フォースのコントロールは難しいのだ。」
オビ=ワンはすこし眉をひそめて言った。
「私なら出来ます。」
クワイ=ガンがふたたびオビ=ワンのほうを向いた。今までになく厳しい顔だ。
「私は前の弟子にリビング・フォースを教えた。早すぎたのだ。お前と同い年でダークサイドに落ちた。」
オビ=ワンは思わず下を向く。
「すいません。マスター。」
「よいのだ。お前には関係ない。」
そして、再びディスプレイにクワイ=ガンは向き直った。
「時期が来れば、リビング・フォースからお前を迎えに来てくれるだろう。待つのだ。」
オビ=ワンはうなずいた。
そして、操縦パネルに向かい、異常がないかチェックする。
コルサントの司法船は、目的地コレリアに着々と近づいていった。


[122] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2005/12/18(日) 10:21 7DcpqDe1vmg)

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第1章 >>110
第2章 >>112
第3章 >>113
第4章 >>116

第5章 ロイドとアローン
 ロイドは1人でオルデランの中心街を散策していた。メイスに頼み込んで暇をつぶしに来たのだ。ロイドはどんなに暇でも瞑想して時間をつぶせるメイスを羨ましく思った。ロイドはそんな長時間瞑想しているなんてこと、まずできない。
 朝、街は活気付いていた。コルサントのように上空をエア・スピーダーが飛び交っていることはないが、ロイドにはその方がよかった。コルサントとは違い夜になれば街は静まり返る。
 建物は白を基調にしたものが多く、自然にも溢れている。ロイドはオルデランの美しい風景に感動した。
 ロイドはオルデランらしさをこれっぽちも感じない怪しげなバーに何かを感じた。故郷を愛するロイドはオルデランへ来てからフォースが敏感になっている。
彼はそこへ入った。何で俺はこんなところへ入るんだ?
 バーはまだ明るいというのに活気付いていた。というのもオルデランは規制が厳しく真夜中は営業できないのだ。陽気に酒を飲んでいるものもいれば、怪しげな会話をしている者もいた。だがまあ、世間一般のこういう店の中では、この店ははるかにいい方だ。
「一杯くれ」ロイドはバーテンに言った。
「ご注文は?」
そう聞かれたものの、ロイドは酒についての知識はほとんど無かった。
「彼が飲んでるのを」ロイドは真横にいた銀髪の男をチラッと見て言った。
「ブルー・カクテルでございますね?」バーテンはコップに青く輝く液体を入れ、ロイドに差し出した。
 ロイドはそれに鼻を近づけ、匂いを嗅いだ。うん、悪くは無い。飲んでみよう。
 そう思ったとき、同じものを飲んでいる銀髪の男が声をかけてきた。「お前、ちょっといいか?」
 そう言うと銀髪はロイドを奥へ連れて行った。ぎりぎりのところでロイドはバーテンにクレジットを投げた。バーテンはそれを見事に受け取った。「まいどあり」
 銀髪は店の奥まで彼を連れて行くと、やっと解放した。
「一体何だよ」ロイドは苛立たしげに言った。
「お前の服はジェダイ風だな。お前ジェダイなのか?」銀髪はロイドに訊ねた。
「え?俺は――」ロイドはそうだと答えようとして、こういうときは一応伏せておくべきかと思いためらった。
「お、俺は、俺は銀河をまたにかける密輸業者だ。コレリアからコルサントへ、ちょっとブツをな」ロイドは自分でもわけの分からないことを言った。
「コレリアからコルサントへ行くのになぜオルデランへ立ち寄る。遠回りだぞ」
「えっ、あっそうか。あっ、いや、オルデランの友人に10年ぶりに会おうと――」
「そうか。もういい。オルデランは取締りが厳しいからな。気をつけろよ」銀髪は呆れているようだった。
 自分の正体をばらす密輸業者がどこにいる。だがこんなジェダイがいるはずはない。ジェダイは人の心を操れるというじゃないか。こいつはただの気の狂った男だ。でもまあ、一応聞いてみるか。
「おいお前、ジェダイがこの近辺にいると思うんだが、何か知らないか?」
「さあ、知らないな」ロイドは答えた。「なんでだ?」
「ふん、お前に教える道理は無い、俺はもう行く。じゃあな」銀髪はその場を去ろうとした。
「教えろよ銀髪」ロイドは呼び止めた。
「銀髪?俺の名はアローン・ザクトス、バウンティー・ハンターだ」アローンはロイドを睨みつけた。
「バウンティー・ハンターだって?俺はロイド・ガレーラ。よろしく」そう言ってから、ジェダイであることを隠しているのに本名を言うのはまずかったかと後悔した。
「よろしくじゃねえよ。俺は行くぞ」
「俺が力になるよ。ジェダイを探している理由を教えろよ」
アローンはうんざりして言った。「ジェダイは俺の親父の仇なんだ」
「えっ」ロイドは驚いた。
「俺はジェダイを恨んでる。復讐するため、ジェダイを探している」
ロイドは言葉を失った。やはりジェダイであることは明かさない方がよさそうだ。


[123] 初投稿 投稿者:カスの通知表(ダック) 85zvnQnMtwI (2005/12/18(日) 10:34 W8XizRLx.0o)

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    STARWARS THE  Sith
         エピソードT
          闇の判断

   かつて平和だった銀河も今や内乱の世…
  闇の化身ダース・ヴェイダー率いる帝国軍は
   反乱同盟軍の攻撃を絶え続けていた。
 しかし、ルーク・スカイウォーカーの活躍により
   帝国軍は危機的状況に陥られていた。
  その頃、皇帝はデススター建設の詔を発布する。
  これにより帝国軍は有利な状況に持ち返すのだが…

スターデストロイヤー操縦室

「デススター完成はまだか!?」
ヴェイダーは必死そうにモッティ提督に聞いた。
「はい、あと2、3日で完成です」
「馬鹿者が!明日には反乱同盟軍が攻めてくるのだぞ!」
モッティ提督はうなずくしか無かった。
反乱同盟軍が攻めてくるのは、嘘ではなかったからだ。
ヴェイダーの命令によりデススターの実験が始まった。
「あそこの惑星を標的にしろ!」
「オ、オルデランですか?」
ヴェイダーはうなずいた。
そして、スーパーレーザーが発射された。
どおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!
ヴェイダーは満足そうに言った。
「すばらしい!反乱同盟軍の本拠地ヤヴィン4も粉砕できる!」
その頃、オビ=ワンは感じていた。
「たくさんの人の悲鳴が聞こえた」
そばにいたルークは心配そうに尋ねた。
「大丈夫ですか?」
「心配ない。ジェダイの修行をしていてくれ」
ルークはデススターを発見した。
「何だ!?あれは?」
オビ=ワンは言った。
「オルデランはもうない…」
ルークは言った。
「あの巨大要塞を壊そう」
ハン・ソロが言った。
「無茶だ!普通に粉々にされるだけだ!」
ルークは操縦席に割り込み勝手に運転した。
そして、デススターに着々と近づいていった…。


現在の登場人物
ダース・ヴェイダー モッティ提督 皇帝 
ルーク・スカイウォーカー ハン・ソロ オビ=ワン・ケノービ


[124] 『LAST ROYAL 〜最後の忠誠〜 』 投稿者:うるふぁんぐ 3ZhxDp2aq8U (2005/12/18(日) 20:15 Dio9jp2cY2k)

tsavong

>>119の続き

〜第八章 暗雲〜

「コレリアンコルヴェット一隻轟沈!こちらの損害はTIEファイター一機です。」
セルゲウスの鎮座する艦橋の観測士官が声を上げる。ビューポートが大きく光る。
スチールグラス・フロントの向こう側では共和国のコルヴェットが火を噴いている。
ロッキンガム艦隊がジュラスVへエクリプス奪取に向かう間、セルゲウスの小機動艦隊はカラマリ星系で陽動攻撃を行っていた。
ストライク級クルーザー3隻と兵員輸送用エスコートキャリアー2隻からなる小艦隊は、カラマリ近域の共和国軍宇宙ステーションに牙を剥いた。
すでに共和国軍は、エスコートフリゲート2隻とボサンクルーザー1隻を失い、たった今コレリアンコルヴェットを宇宙の屑にしている。
ステーションからは次々に新手のスターファイターが現れるが、ロッキンガム艦隊から作戦成功の報せがあるまで一歩たりとも引くことは許されない。
セルゲウスが搭乗しているクルーザーも既にかなり被弾しているが、今のところ味方の損害は見るべくも無かった。
「閣下。ステーションからさらに増援!Kウィング10機確認しました。」
管制主任士官が映像装置と睨み合いを続けながらセルゲウスに伝えた。ほかのクルー達も指示を逃すまいとしてセルゲウスに視線を向ける。
「前方のフリゲートより砲撃です。後方センサーアンテナが破損しました!」
観測士官が再びセルゲウスの指令チェアに向かって、やや怒鳴り調子に報告した。
セルゲウスは片手を真っ直前方に伸ばし、艦橋に響き渡る重い、それでいてどっしりとした声で自分の頭に描いた命令を伝える。
「クルーザーはフリゲートに集中砲火を加えろ。TIE部隊はKウィングに向かわせろ。但し深追い無用。これが陽動であることを心せよ!」
「はっ!!」
艦橋に居並ぶ士官は声を合わせ、敬礼の後持ち場に散って行った。激しい爆音が、艦内にまで響いてくる。
TIEファイターとKウィングが繰り広げるドッグファイトは、もう3時間以上続いている。戦略家ロッキンガムのことだ。もうそろそろ報告があってもおかしくは無い。
いかに手塩にかけて鍛え上げた精強な部隊とは言え、不利な方向に傾きつつある戦況ではそう長くも持ちこたえられまい。
もとより10年もの間、決起に向けて孤立無援を貫いてきた部隊だ。こんなところで消耗を増やしても面白くない。
「ここにスターデストロイヤーの一隻でもあれば・・・」そう思うと無念でならなかった。

ビューポートに広がる宇宙空間では、色とりどりのレーザー弾が八方に煌いている。ときおりパッと閃光が輝くがそれはまた一人、兵士が命を散らしていることに他ならない。
20年前には考えられないほど、帝国の力は衰弱してる今、それに比例するかのように反乱軍−新共和国軍−は力を増している。
次々にステーションから飛び出してくる戦闘機の群れが、その最もたる証明であった。
ふいにセルゲウスの旗艦の脇に張り付いている味方のエスコートキャリアーが大きく光った。直後、船体から大きく炎が噴出し四方に飛び散った。
セルゲウスのチェアーの左正面にある通信用スクリーンには、キャリアーの艦長が映し出された。
「閣下。シールド発生装置を破壊されました。船体損傷度が38%を超えています。」
あわてて指示を求める艦長に、セルゲウスは淡々と命令を下した。
「TIEファイターを収艦した後反転し、ハイパードライブで戦場を離脱しろ。損害を増やすのは賢い判断とは言えないぞ艦長。」
スクリーンに映し出されていた男は頷いた後、その姿を消した。間もなくエスコートキャリアーは高次元空間へと飛び立っていった。

ロッキンガムからの報告が依然としてないことに、セルゲウスは苛立ちを覚え始めた。が、その感情を表に出すことは許されない。
仮にも自分は一部隊の司令官である。自分の苛立ちを見た部下達はどうなるだろう。その答えが脳内に出されると、セルゲウスは再び冷静を装う。
「閣下!高次元空間に艦影をキャッチしました。」
だしぬけに第二クルーザーで指揮を取っていたダーミン司令官から、ホロ回線を通して連絡が入った。
「よし。こちらのレーダー処理班に転送しろ司令官。」
ホロ投影機に映し出された男が「承知した」という合図を出すとすぐに、旗艦のスクリーンに船影レーダーの映像が流れた。
「これは・・・なんと言う数だ・・・」
セルゲウスはスクリーンを見て、しばし唖然となった。無数の共和国艦艇が高次元空間をこちらに向かっているのである。恐らく数百隻の大艦隊であろう。
艦橋下部のレーダー処理班の一人がセルゲウスの座る上部艦橋へと体を向け、慌てた様子で声を荒げた。
「ものすごい数です閣下。モンカラマリ・スタークルーザーが大部分を占めていますが、その他主要艦艇も多く含まれています。」
セルゲウスは確実に状況が不利に傾いていることはとうに気がついていたが、まさかこれほどの小艦隊に共和国軍が全艦艇兵力に匹敵する部隊を差し向けてくるとは計算外であった。
「敵艦隊がこちらと接触するまで120標準秒を切りました。」
艦橋内に緊張した空気が張り詰める。外での戦闘など、もはや誰も気にしていないが如くに全員がレーダースクリーンに目をやっていた。
不安そうな顔つきで取り巻きたちはセルゲウスのほうを見た。
「TIEファイターを全て収艦せよ。しかる後全艦反転。一気に戦場を離脱する。」
セルゲウスは両手を組みながら指令を下した。緊急退却を知らせるサイレンが艦内に響き渡る。イオンエンジンの低く重たい音はサイレンにかき消された。
TIEファイターが次々に撤収するのを見た共和国側は、ここぞとターボレーザーを浴びせかけてくる。

ようやく全ての艦艇が、ステーションに背中を向けたところで、不意にホロ投影機が連絡到着音を掻き鳴らした。セルゲウスはスイッチを押す。
軍服を着た見覚えのある男が投影機に映し出された。青いその映像はセルゲウスに向かい敬礼をする。それは間違いなくロッキンガムだった!
「閣下!連絡が遅れて申し訳ありませんでした。敵の追尾を逃れるため厳重な通信妨害を敷いていたもので、報告が遅れたのです。お許しを。」
ロッキンガムがやや頬を緩めて話す姿を見て、セルゲウスは作戦の結果がだいたい把握できてしまった。
「見事にエクリプスを奪取して見せましたぞ。こちらの損害は極めて軽微です。真っ直ぐに集合座標に向かいますので、そこでお会いいたしましょう。」
ロッキンガムの報告を受けたセルゲウスは、自身の陽動作戦の戦況を大まかに説明した後ホロ回線のスイッチを切った。
様子を見ていた士官達は自分達のこの作戦が決して無駄ではなかったことへの喜びを隠しているようであった。
セルゲウスは艦隊通信用にセットされたコムリンクを握り、手早く話し出した。
「諸君。たった今ロッキンガム提督より連絡が入った。エクリプスは無事こちらの手中に入ったようだ。よって只今より本陽動作戦を中止し、一気に退却する。」
老将の声に耳を傾けていた艦隊兵士達は次々に歓声をあげた。レーダーに張り付いていたダーミンも片腕を大きく振り上げた。
「閣下!敵艦隊接触まで20秒を切りました。間もなく高次元空間から飛び出して来ます。お早く退却を!」
浮かれた空気の流れる艦橋で、レーダーに向かっていた士官の一人がその空気をかき消すように、危機を告げる。
セルゲウスは再びコムリンクに向かって語りかけた。
「我々に団体客を迎える余裕は無いぞ。即座に撤退する。これより集合座標に到着するまで艦艇間の通信は一切控えろ。傍受される可能性がある。では諸君、しかる後また会おう。」
一通り話し終えると、セルゲウスはコムリンクを胸ポケットにしまい、片手を振ってハイパードライブの起動を命令した。
「ラスト・ロイヤル」艦隊は光に包まれ、青い世界へと瞬時に消えていった。

セルゲウスは作戦の第一段落の全過程が無事に成功したことに、喜びを禁じえなかった。が、同時にどうしても気になることが心のしこりのように幾つか残った。
ひとつは、いとも簡単にエクリプスを奪うことが出来たこと。ロッキンガムからの報告だと「極めて軽微」な損害のみで済んだという。とても信じられなかった。
まかりにもスーパーレーザーを装備し、艦隊一個分もの戦力を有する巨大艦を果たして共和国軍がこうも簡単に我々の手に落ちることを許すのだろうか?
もうひとつは、レーダーに映った大艦隊の存在である。ペレオンとの和平がなった今、共和国軍の艦隊は全銀河に分散し、各セクターの防備に当たっているはずである。
しかも大方の艦隊は、紛争地域へと派遣されているという事実もあるのだ。「ラスト・ロイヤル」情報部の入手した情報では、この大艦隊の出現を満足に説明することができない。
彼の明晰なる頭脳を持ってしても、一切説明がつかなかった。
この二つの心配事は、後に彼と彼の部隊を大きく揺るがす事態へと発展させていくのだが、現状ではただただ不気味な予感を感じるだけに留まらざるを得ない。

間もなく、たった今まで戦闘が行われていた宇宙空間にそれを埋め尽くすほど、いやそれ以上の艦艇が続々と到着した。
それも、誰にも気づかれぬよう極めて静かに、迅速に。そしてその艦隊は、獲物が既に現地にいないことを知ると再び高次元空間へと姿を消していった。

コルサントのオフィスに座る欲深な議員、ボースク=フェイリャに一連の事変の詳細が届くのはそれから1時間ほど後のことである。野心家のボサンは彼の補佐官に、彼の派閥に属する議員を緊急に集合させるように指示を出した。
今、ゆっくりとではあるが彼の心の奥底に眠るドス黒い理想と野望が、着々と実現に向かって進んでいることにフェイリャはその口元をにんまりと緩ませた。
銀河は策謀の渦中にある事をまだ知らない。


[125] 初めまして 投稿者:t−ウイルス 72.Pi19MD8A (2005/12/18(日) 21:05 26spwjysnWQ)

palpatine

パルパティーンの暗黒

遥かと浮くの銀河系で・・・
惑星コルサントにひとりの命が生まれた。彼の名はパルパティーン。ジェダイの父と人間の子であった彼は、フォースに好奇心をもつようになる。その頃、暗黒面の方が優勢でジェダイの父は急がしかった。それから一週間後、彼の家で・・・

第一章 父の死 パルパティーン8歳
その夜は静かな夜だった。静けさが暗さをあおる・・・なにも考えずに夕食を食べていたジェダイの父と母の姿があった。パルパティーは父と喧嘩し、部屋に篭っていた。パルパティーンはその夜にいやな気配を感じていた。彼は生まれにして、敏感で心配性でもあった。そんな中、夜が明けた頃にパルパティーンがダイニングにきてみたところなんとテーブルにうつ伏せになったまま死んでいる父と母の姿があたのだった!その惨状はパルパティーンに、「恐怖」をうえつけたのだった。ジェダイの父はダークフォースでやられた跡がなく、抵抗した形跡はあったのだが、わからなかった。と外にでてみると、ジェダイの死体があったのだ!それでパルパティーンは確信したのだった。
「父はジェダイ達に殺されたんだ!!」彼の家には誰の姿もなく、べランダからはシスの使者に手を引かれて歩いていく彼の姿があるのだった。

        つづく


[126] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2005/12/19(月) 16:24 7DcpqDe1vmg)

ackbar

第1章 >>110
第2章 >>112
第3章 >>113
第4章 >>116
第5章 >>122

第6章レン・ヴァー急襲
 アナキンの活躍によって、敵のスターファイターの90%は鉄くずになった。あと10%。
 アナキンは前方の敵にレーザー光線を浴びせた。ドロイド脳はそれを感知し、すばやく避けたが、そこにはオビ=ワンがいた。
 オビ=ワンの放ったレーザーは敵に直撃した。
「マスター、私の獲物ですよ」アナキンは不満そうに抗議した。
『悪い、だが早く終わるに越したことは無い――危ない!』
 レーザーがアナキンの右翼をかすめる。「あいつは1人でやらせてください」アナキンは敵に向かって行った。背後に着いたが、後ろにさらに敵が張り付いている。
 アナキンはすばやくレーダーを見て、残る敵があと5機なのを確認すると、オビ=ワンに言った。「手出しは無用ですよ」
 アナキンは急旋回すると同時に前の敵を始末し、後ろに張り付いていた敵の背後を取った。それを一瞬で始末すると右方向へ転回しさらに1機を撃ち落す。後方からレーザーが飛んできた。フォースでそれを感知したアナキンは今度は左に旋回しそれを避け、続けざまに2発撃って前方の2機を同時に破壊した。
「終わり。あっけなかったですね」アナキンは残念そうに言った。
オビ=ワンは彼の曲芸に唖然としているしかなかった。
クローン・コマンダーの報告が入った『ケノービ将軍、スカイウォーカー将軍、目標座標に到着しましたが、上空に強力なシールドが張られているため、軌道上からの攻撃は不可能です』
 アナキンは何かいい方法はないかと考えたが、オビ=ワンが即座に答えた。『地上部隊を降ろせ。脇から進軍しよう』
  レン・ヴァーに降ろされたAT−TEを中心とする地上部隊は、徐々に基地に迫っていった。パイロットの耳にオビ=ワンの声が入った。「シールド・バンカーがあるはずだ。まずはそれを破壊してくれ」

「バルチャー・ドロイド連隊は全滅です!」ニモーディアンの士官が叫んだ。
「も、問題ない。上空には強力なシールドが張られているのだ。次の攻撃の準備をしろ!」ヌート・ガンレイが叫んだ。臆病なガンレイは、慌てふためいていた。
「彼らの力を見くびっているようだな。ヴァイスロイ」ドゥークーが口を出した。
「だが、このシールドはレーザーでは絶対に破れませんぞ」ガンレイは言った。
ドゥークーは信用していなかった。そのとき、基地全体が大きく揺れ、天井から氷の塊が落ちてきた。その塊はガンレイの頭を直撃した。「ぐおっ、何だ、地震か?」
『北北西から敵ウォーカーが接近中!その数4機!』見張台からの連絡が入った。ガンレイは信じられないというように目を見張った。
「やはり見くびっていたようだ」ドゥークーはガンレイを見て言った。「防衛線を張れ。シールド・バンカーはなんとしても守れ」彼の様子はガンレイとはまるで対照的だ。ドゥークーはこのタイミングでアローンからの攻撃要請が来ないことを願った。
 AT−TEの攻撃が始まった。強力なレーザーが次々にドロイド軍を鉄くずに変えていく。防衛線はあっという間に突破された。
 AT−TEはシールド・バンカーを発見した。一斉砲撃を浴びせる。シールド・バンカーはかなりの耐久力があるため、なかなか破壊されない。
 AT−TEのパイロット達は後方からAATが迫ってくることをレーダーで確認した。たちまち両者の間にレーザーが飛び交ったが、AT−TEの装甲はびくともせず、AATはAT−TEの強力なレーザーの前に、あえなく吹っ飛んだ。

 ロイドはアローンのジェダイへの恨みを聞いているうちに、悲しくなってきた。ジェダイがこんな風に見られているなんて。
 そのとき、閃光が光り、バーの中央が吹っ飛んだ。客が悲鳴をあげる。
「なんだ!?」ロイドは分離主義者がついに現れたかと思った。
 しかしそこに現れたのはローディアンの男5人だった。「大人しくしろ!ここに金を詰めろ」1人が袋を差し出した。
 強盗か。ロイドはこの平和な惑星にもこんなことがるのかと思い、ライトセーバーをつかもうとした。が、アローンが傍にいることを思い出し、ためらった。
「ばかな奴らだ。無駄なことを」アローンはそう言うと、変わったブラスターの引き金を引いた。青い光が1人の男に当たり、その男は前に倒れた。どうやらスタン・モードのようだ。
「てめえ!」仲間がブラスターを乱射したが、アローンはすばやくかわし一発も当たらない。
しかし4人から同時に狙われていつまでも全てをかわせるとは思えない。ロイドは突っ込み、1人を殴り倒した。ジェダイの武器はフォースやライトセーバーだけではないのだ。
ロイドはその男のブラスターを奪い取ると、もう1人を撃った。不幸にもそのブラスターはキル・モードだったので当たった男は死んだ。
アローンは感心したようにロイドを見ると、また1人撃ち倒した。
最後の1人がロイドに銃口を向ける。ロイドはフォースでそれを察知し、間一髪でかわした。ロイドはその男にすばやく近づき、殴り倒した。
アローンは気絶している2人にすばやくスタン・レーザーを撃った。アローンは溜めていた息を噴き出した。
周りから一斉に拍手が巻き起こった。「すごいぞ!」「やるな!」「よくやった!」
アローンはロイドを見て言った。「やるな、ロイド。宇宙をまたにかける密輸業者ってのもまんざら嘘じゃないかもな。気に入ったぜ」
ロイドはアローンに向かって笑った。


[127] 『LAST ROYAL 〜最後の忠誠〜 』 投稿者:うるふぁんぐ 3ZhxDp2aq8U (2005/12/19(月) 20:31 Dio9jp2cY2k)

tsavong

>>124の続き

〜第九章 陰謀〜

コルサント。そこは軍事・経済あらゆる面で銀河の中心たる場所。
そこはまた多くの者達を古より魅了する、権力者にとってスパイスのごとき星である。
幾多の戦乱を経て、今では共和国が政府を置き一応の安寧の色を見せている。戦乱の傷跡は未だあちらこちらに深く残っているが、人々は急速に復興への未知を進む街を満足に眺めているのだ。
かつてインペリアルシティと呼ばれ、皇帝パルパティーンの巨大な三角錐の大宮殿があった場所は今では共和国の元老院ホールなど、銀河の中枢とも呼べる建造物が所狭しと、どこかその虚しい威容を誇って林立している。
その一角に議員達の巨大なオフィスビルが建っていた。エアタクシーが飛び交う光景を、遥か下方に視認できるほどの高さの場に共和国最高元首の良き協力者と言われ実際には熾烈な政争を繰り返している最大のライバル、ボースク=フェイリャはオフィスを構えている。まるで全銀河市民を見下すかのような形で。

大方のボサンが愛用している様式美に富んだフェイリャのオフィスはやや飾りつけが華美に感じられた。
今彼のオフィスには、多くの元老院議員から「ボサン派」と呼ばれやや遠慮がちに扱われている主だった議員たちが集まってる。
ボサン選出のオル=コーナ議員を筆頭に青い皮膚を持つローディアンの議員デュネス=ローフン、カドマイ選出の野心的な議員オーサンネル、そしてカラマリ宙域の軍司令官で<イカ頭>のギョーメーヌ将軍らがフェイリャの座る高級感溢れるデスクの周りを囲む。
この光景をホロメディアが目撃すればさぞスクープニュースとして喜ぶであろう。というのも、ここに集まった30人近くの議員は皆腹に一物があるのではないか?と以前から噂されている言わば「よろしくない」者達であるからだ。
現に数人が幾つかの汚職事件で摘発を受けているのだ。つまりこの会合は半ば秘密会議とも呼べるものであった。

予定のメンバーがほぼ全員揃うと、元老院副議長ボースク=フェイリャは唐突に本題について話し出した。
「喜ばしき報せが入ったぞ諸君。ついに残党どもが動き始めた。我々が予想していたよりも迅速だ。」
柄にも無く老ボサンは半分笑っているかのように議員達の顔を見渡した。
「では、カルメダ=ラッツェルの部隊が動き出したのですか?」
ローディアンの議員デュネス=ローフンがイボだらけの手を開いてフェイリャに尋ねた。
「いや。海賊艦隊では無いらしい。まだ素性は分からんがなかなかやり手のようだぞ。見事にエクリプスを持っていきおった。」
フェイリャが答えるとローフンを含め周りの議員が、とても上品とは言えない声で満足そうに笑った。
「手筈通りにジギンス艦長には例のホロフィルムを握らせてある。また一歩計画が前へ進んだ。」
副議長の満足そうな話方に他の議員達もホッと胸をなでおろしているようである。ローフン議員が更に話を進める。
「これでギャヴリソム国家元首は、禁制破壊兵器隠匿の罪で失脚するでしょう。」
吸盤の様な口を動かす様は、隣に立つ人間の議員たちの目を引いた。老ボサンは目つきを変えて話し出す。
「それだけではないぞ。もともとジュラス造船所はギャヴリソムの管轄だからな。スタッフも大方彼の派閥のメンバーが占めておる。
だからあえてこちらになびいておるジギンスを艦長として送ったのよ。例のホロフィルムを持たせてな。」
彼の話し振りに全員が注目した。老ボサンの目はいやらしく光った。
「兵器の個人的隠匿は重罪だ。しかももう一つ残党ばらが出現したカラマリのステーションには艦隊を向かわせてある。ギョーメーヌ将軍の手引きでな。これは公はもちろん軍部にも公表していない艦隊だ。中にはカラマリ船籍の艦艇も多く含ませておる。これは実に素晴らしい事だ。存じておるだろうが、もともとあの艦隊の発注段階での名目はダーラ艦隊の軍事的脅威の排除であった。しかし艦隊が完成する前にダーラは敗れた。しかし艦艇の建造は機密裏に進められた。そして今に至る。」
ボサン派新参の議員であるソーネップ議員が不思議そうにベーシックで尋ねた。
「しかし、なぜそれが素晴らしい事なので?」
「そうか。君はまだこちら側について日が浅いからの。わからんにも無理も無い。」
野心家のボサンは、この若い議員に分かりやすいよう説明した。
「艦隊建造を発注した段階で色々と問題があっての。当時は状況が状況であったために誰も難癖をつける者がいなかったのだよ。
その問題というのがだな、発注責任者に署名したのが愉快なことにあのギャヴリソムなのだよ議員。しかも、だ、当時資金的に余裕が無かった彼は建造資金の提供を色々と工面しての、正規の企業だけでなくハットの企業にも融資を依頼したのだ。ここまでは彼の算術もまあまあだと考えてよい。だがここで彼は一つ過ちを犯した。それはの、そのハット企業が提供した資金は共和国の税金船を襲撃して手に入れた物だったのだよ。本を正せば市民から徴収した金だ。これを議会を通さずハットの仲介で軍事費に回したことは、大いなる失敗いえよう。」
彼の説明にソーネップ議員は熱心に聞き入った。
「もう一つの過ちはその艦隊の隠匿だ。彼はスキャンダル発覚を恐れたのだろう。ハット企業との接触した公的記録を全て個人的機関を通して抹消させている。さらにその艦隊の建造場所を名も知れぬ惑星に移したのだ。終いに彼は隠し通せぬと思ったらしくその造船所の所有権を放棄している。それを我々ボサンの通信網を使ってギョーメーヌ将軍が権利を手に入れ、今に至る。」
一通り説明を終えるとフェイリャは疲れたように大きく息を吐いた後、その大きな口でまたしゃべりだした。
「資金スキャンダルに情報改竄、そしてエクリプス含め武装艦隊の私的目的での隠匿。これが全て表沙汰になればギャヴリソムは失脚する。」

全てを語り終えたボサンは今にも笑い出しそうな調子でデスクの上にあるミネラル水を一気に飲んだ。
彼の補佐官であるオル=コーナ副議長補佐が更に付け足した。
「我々の計画はここからが本域だ。あのハト元首を権力の座から引き摺り下ろした後はフェイリャ副議長が元首の座に就かれる。我々が周りを固め、口うるさいオーガナ議員らが紛争地帯に出向いている間に我々はプロパガンダを盛大にぶち上げるのだ!」
一息おいてコーナはもう一度語りだす。
「危険兵器であるエクリプスを奪い去った帝国軍の協定違反を提唱し、例の大艦隊で帝国領に乗り込む。無論ペレオン以下将校は全員処刑だ。帝国領を制圧後、それらの宙域を解体・再編し共和国に組み込む。残った残党どもを大々的に討滅した後の銀河市民のフェイリャ副議長への支持は不動のものとなるのだ!」
コーナがその計画を自慢げに語り終えた後は<イカ頭>のギョーメーヌ将軍がもう一つ付け足した。
「その大艦隊はモンカラマリの鉄屑クルーザーだ。いまいましいアクバーに罪状を擦り付けることも出来る・・・」
不敵な笑いがオフィスに響き渡った。議員達はその素性にふさわしい、腐敗に満ちた笑いを浮かべていた。
オフィスに集まった面々は今後のあくどい計画について大方の取り決め等を交わした後、皮算用をするように自分達の栄光に満ちた近い未来のポストについて大いに語り合った。
その密談とも取れる会合がちょうど一段落着いた頃にフェイリャのデスクにある元老院議会召集のビーコンがリズムよく鳴った。
その音がボサンの耳に届くとフェイリャは立ち上がり、取り巻く議員達にホールへの移動を促した。彼のオフィスから腹黒い面々が退出してゆく。
やがてオフィスは静まり返った。

静まり返ったそのオフィスのウィンドウを隔てた外に、一台のエアタクシーが止まっていた。タクシーの中には一人の男が集音マイクをオフィスに向けている。
特有の傷だらけの装甲服に身を包み背中にジェットパックを装着した男は、議員達の会話の一部始終をマイクに録音し、緑がかったヘルメットの下でかすかにほくそえんだ後、エアタクシーを愛機の待つ下層街の宇宙港のプラットフォームの方向へと向ける。
このタクシーとすれ違った市民達は、よもやタクシーに乗り込んだ装甲服の男が銀河一とも呼ばれる賞金稼ぎであるとは誰も考えないだろう。
星の数ほどのクライアントの一人から依頼されたビジネスを終わらせた彼は満足げにオフィスに背を向けて去っていった。


ボバ=フェットの流儀は「金払いのいい客は平等に」であった。


[128] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2005/12/20(火) 12:06 7DcpqDe1vmg)

ackbar

第1章 >>110
第2章 >>112
第3章 >>113
第4章 >>116
第5章 >>122
第6章 >>126

第7章 オルデラン急襲
 ついにAT−TEはシールド・バンカーを破壊した。レン・ヴァー上空のシールドが消えていく。
2機のジェダイ・スターファイター、たくさんのARCスターファイターとLAAT/iガンシップは、レン・ヴァーの大気圏を突破した。
「この勝負もらいましたね」アナキンが威勢良く言う。
『油断するな』オビ=ワンが言うと、前方からレーザーが飛んできた。
 アナキンはすれすれでかわした。レーザーはアナキンのスターファイターの右翼をかすめた。ソケットに入っているアストロメク・ドロイドR2−D2が激しい電子音を鳴らす。
『ほらみろ』オビ=ワンは溜め息をついた。
 AT−TEやガンシップからたくさんのクローン・トルーパーが降りていき、基地内部に侵入する。中にはバトル・ドロイドが待ち構えていた。
 共和国軍の攻撃を分離主義者たちは粘り強く耐えた。だがシールドが消えた今、分離主義者に勝ち目は無かった。
 ついにドゥークーは、退却命令を下した。「全軍退却だ。オルデラン攻撃部隊はいますぐオルデランへ向かえ。なんとしてもオルデランを占領するのだ。他の者は合流地点落ち合おう」
 独立星系連合軍は一斉に退却を始めた。輸送船が、宇宙へ飛び立つ。うち何機かは撃墜された。
 アナキンとオビ=ワンは地表に降り、クローン・トルーパーたちとともに基地内へ入った。逃げ遅れた残党をライトセーバーで切り倒していく。
「ドゥークーはどこでしょうか?」アナキンは言った。
「もう逃げてしまっただろう」オビ=ワンは残念そうに言った。

 そのころドゥークーはソーラー・セーラーに乗り、宇宙空間にいた。
「どの程度生き残った?」ドゥークーは通信機のむこうのガンレイにたずねた。
『半数ほどです』ガンレイは答えた。ほっとして声が上ずっている。
「そうか、オルデラン攻撃部隊は?」ドゥークーは一番気になっていることを訊ねた。
『無事、オルデランに向かいました』
「よかった」ドゥークーは安堵し、座席にぐったりともたれかかった。「では、合流地点にて会おう」
ソーラー・セーラーは、ハイパースペースに入った。

 ロイドとアローンはバーを出て、市街地を散策した。いつの間にかすっかりあたりは暗くなっている。
「それにしても、まさかお前があんなに強いとはな。俺のパートナーにならないか?どうせろくな仕事も無いんだろう」アローンが言った。
「え?ああ、まあ・・・」ロイドは困った。2人はすっかり親しくなっていた。今さら自分がジェダイだとは言えない。でもそろそろマスター・ウィンドゥのもとへ帰らないと・・・
そのとき、静かな空にいくつかの光が光った。光っているのは星か?いや、動いている。その光はだんだん大きくなって、オルデランの市街地に姿を現した。
 独立星系連合軍のガンシップだ。
「あ、あれは・・・」ロイドは戸惑った。ついに分離主義者が来たか。アローンも困惑している。
ガンシップが火を噴いた。とっさに、2人は身をかがめ、難を逃れた。市街地に混乱と悲鳴が巻き起こる。
 どうすれば。ロイドが立ち尽くしていると、アローンは例のブラスターを構えた。ブラスターでガンシップを打ち落とせるわけがない。ロイドがそう思った直後、先程とは別の銃口のから青いレーザーが飛び出し、ガンシップに命中した。
 ガンシップが青い光に包まれる。小型イオン砲だ。次の瞬間、ガンシップは傾き、落ちて“きた”。

 なぜだ。俺が攻撃要請を出さない限りは、攻撃部隊を送らないんじゃなかったのか?ロイドはどうなっただろう。ここはどこだ?
 アローンは目を覚ました。彼は瓦礫の中にいた。ブラスターは手に握られたままだった。
「ロイド」彼は呼びかけた。返事は無い。
彼は何とか瓦礫の山から出た。外は大変なことになっていた。たくさんのガンシップが火を噴き、民家を焼き払う。クローン・トルーパーが何人もいた。やはりクローンはどこかにいたのか。彼は思った。
ロイドが瓦礫の山から出てきた。
「大丈夫か」
「問題ない」ロイドはそういったが右足から大量の血が出ている。
「治療しないと」
「大丈夫だ、このくらい」
「医療センターに行こう」アローンはそう言い、ロイドをおぶって医療センターへ向かった。医療センターの場所は知らなかったが、負傷者の列をたどれば簡単に着くことができた。クローン・トルーパーが誘導している。
 医療センターには、たくさんの人がいた。死にかけている者からかすり傷程度の者までさまざまだ。ロイドの傷は軽いほうだ。
 ロイドの足はバクタ溶液に浸けられた。1時間ほどで完治するという。その間、アローンはずっと付き添っていた。
分離主義者に裏切られたアローンにとって、頼れる者、仲間と呼べる者はロイドただ1人だった。

 メイスは軌道上に待機していたクローン・トルーパーを指揮していた。手には紫の光刃のライトセーバーを握っている。
 思ったとおり、独立星系連合軍が現れた。レン・ヴァーはどうなったんだろう。それよりも心配なのはロイドだ。無事だろうか。
暗闇の中、バトル・ドロイドとクローン・トルーパーとの戦闘があちこちで起きている。メイスはベイルを救出するため彼の宮廷へ急いだ。
オーガナ邸は周りの建物のように、白一色だった。メイスはすぐにベイルと、彼の妻に出会った。
「オルデランで戦闘になってしまいました。申し訳ありません」メイスは言った。
「戦争はこんな平和な惑星をも巻き込むのか」ベイルは呆然としていた。
「早く行きましょう。敵が来ます」メイスがそう言った直後、数体のバトル・ドロイドが現れた。
 彼らが放ったレーザーは、ことごとく紫の光に跳ね返され、自分たちに当たった。
次々にバトル・ドロイドが現れた。ベイルは倒れたバトル・ドロイドの銃を取り、迎撃した。
「この惑星の代表者は私です。私が侵略者を追い払わねば」ベイルは言った。
メイスは頷いた。
 しばらくすると、バトル・ドロイドが現れなくなった。
「もういいでしょう。我々の司令部へ行きましょう。そこなら安全です」メイスはオーガナ夫妻をつれて、臨時に設けた指令室に向かった。
司令部は慌ただしかった。たくさんのクローン・トルーパーがいる。
メイスはコマンダーに尋ねた。「ロイドは?」
「いまだ消息不明です」コマンダーは言った。
「そうか」メイスは気を落とした。オーガナ夫妻が心配そうな顔をしている。
「無事でいてくれるといいのだが」
メイスはホロカメラの前に立ってテンプルと中継を繋いだ。目の前にヨーダのホログラムが現れる。
「マスター・ヨーダ、敵の攻撃が始まりました。敵は予想以上の規模です。至急救援を」
『ついに始まったか。よかろう。すぐに援軍を送る』
「了解しました。お待ちしております」
 ホログラムは消えた。


[129] あげ 投稿者:おん 9xk5mfOT6D2 (2005/12/21(水) 00:13 i0lUGPqKLp6)

obiwan_ep3

二部

コルサント――共和国、帝国のどちらにも関わらず、政治の中心にある惑星。
また、下層レベルには常に欲や陰謀、裏取引などの大きな闇に覆われている。

      コルサント

一章 人探し

彼は地上からレベル5ほど下の通りでホログラムをじっと見つめていた。
ホログラムには一人の男の顔と個人情報が浮き上がっている。
「ったぐ、どこ探せば良いんだよ・・・」
悪態をつく。だが、周りは気にもしない。
無理も無い、レベル5ほど下がると悪態をつく輩はごまんといる。いちいち反応していると体力や気力が持たない。
なにしろ、レベル3ほどでブラスターがちらほら見え始め、レベル4では景色と同化してしまう。地上の風景だけをコルサントだとはとても言えない。
実際、彼もブラスターを持っていた。ウェスター34デュアル・デロリアン合金製ブラスターという、最高級の物だ。だが、見ると誤解する者も多くいるのでローブで隠していた。
彼はまず、第一の目的地であるバー<レフト>へ入っていった。

扉を押すと扉の上に取り付けてある鐘が鳴った。電子音と違うことから心地良い。
すると奥から声がした。
「やぁ、久しぶりだなぁ」
<レフト>唯一のバーテンだ。
少し小太りで愛想の良い低めの声。これまた心地良い。
「何しに来た?え?カルド」
カルド。それが彼の名前だろう。
バーテンの男は振っていたボトルを置いてからカルドの座るカウンターの反対側に来た。
「ああ、コイツに心当たりが無いかな?と思ってさ」
カルドはホログラム投影機をカウンターの上に置き、スイッチを入れる。
先程の男のホログラムだ。
「ふむ・・・・」
バーテンの男は顎に手を添えながら沈黙した。
30秒あたりの沈黙、だが、考えるにはそれで充分だった。
「ゴルドっていやぁ、ギャングのアイツだろ?なら心当たりは何個かあるぞ」
バーテンの男は考えた事をすらすらと述べ始めた。
「そうだ、あの“ゴルド・ファミリー”のゴルドだ。で、心当たりってのは?」
「ああ、確かここから43レベルほど下に住んでるらしい。が、どこに居るかは知らん」
カルドは少しため息をつき、顔をしかめた。そして再度バーテンの男と向き直った。
「そのへんについてもう少し無いか?」
するとバーテンの男は待ってましたといわんばかりに言う。
「でもよ、お偉いさんの周りは警備が厳しいはずさ。それが道案内になるはずだ」
しかめ顔から少し微小に戻すと、札を置いた。
「おいおい、こんなにもらえな・・・」
「経費だ。うんっとある」
カルドは遮る様に言ってから鐘が付いてる扉へ向かい、ドアノブに手をかける。
そして、鐘の音が鳴った。


[130] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2005/12/21(水) 11:54 7DcpqDe1vmg)

ackbar

第1章 >>110
第2章 >>112
第3章 >>113
第4章 >>116
第5章 >>122
第6章 >>126
第7章 >>128

第8章 友情と復讐
 ロイドの足は完全に回復し、ロイドとアローンは医療センターを出た。
 街にはバトル・ドロイドが群がっていた。2人を見つけると、レーザーを浴びせてくる。アローンはそれを巧みにかわし、撃ち返した。スタン・モードのままだが、ドロイドにとってはスタンでもキルでもなんら変わりは無い。
 ロイドはバーで奪ったブラスターでバトル・ドロイドを撃ち倒しながら尋ねた。「3つ目の銃口から何が出るんだ?」
「3つ目は秘密兵器だ」アローンは笑っていた。
 おそらくどこかに司令部ができているはずだ。マスター・ウィンドゥはそこにいるだろう。クローンに聞けば案内してくれるに違いない。
しかしアローンを連れて行くことはできない。彼はメイスを殺そうとするだろう。そんなことをしたら、逆に返り討ちにあうに決まっている。
 ロイドはその場で戦い続けるしかなかった。2人は飛んでくるレーザーをかわし、撃ち、倒す。そんなことをいつまでもやっていた。

 やがて医療センターの周りにバトル・ドロイドはほとんどいなくなった。彼らは夢中で戦っていた。そのせいでメイスが近づいてくることに気付かなかった。
「ロイド!」メイスは遠くから叫んだ。
この声でロイドは我に返った。振り向くと、そこにはメイスがいた。
 アローンは彼を見た。まずい。ロイドがそう思ったとき、最後の1体となったバトル・ドロイドがメイスめがけてレーザーを放った。
 紫の光はそれをはじき、最後のバトル・ドロイドは崩れた。
アローンは目を見張った。ジェダイだ。ついに出会った。殺してやる。
ロイドは絶句した。その直後ロイドの脇から赤いレーザーが飛んだ。
アローンだ。
その光線はメイスにまっすぐ飛んでいき、跳ね返され、空の闇に消えた。
「何のつもりだ。お前は何者だ」メイスは言った。
ロイドは何も言えなかった。
「ロイド、見ていろ。秘密兵器を使うときが来た」アローンハはそう言うと、特別なスイッチを押した。
3つ目の銃口から、緑の光刃が伸びた。
ロイドは絶句した。3つ目の銃口は、ライトセーバーだった。アローンがライトセーバーを?
 メイスはアローンを見て言った。「どこでそれを手に入れた?」
「自分で作ったんだ。ジェダイを殺すためにな」アローンは答えた。
「俺はドゥークーにベイル・オーガナの暗殺を依頼された」アローンはすべてを明かした。
「しかし俺はジェダイを恨んでいる。ジェダイを殺せるなら依頼など無視する」
ロイドは困惑した。アローンがドゥークーと組んでいる?オーガナ総督を暗殺しようとしていただと?そんなばかな。
「ばかなことはよせ。勝ち目は無い」メイスは言った。
 だがアローンはそれを無視してメイスに斬りかかった。
メイスはとっさにそれを避け、ライトセーバーを構えた。「どうやら口で言っても無駄なようだ」
再びアローンが斬りかかる。2つの光刃がぶつかり合い、火花を起こす。メイスはかなりの腕前だが、アローンも互角だった。
「お前、どこでライトセーバーの使い方を?」メイスは言った。
「自分で研究したのさ」アローンは言った。
2人は長い間切り結んだ。ロイドは驚いた。ばかな、ただのバウンティー・ハンターがマスター・ウィンドゥと互角にやりあえるはずが無い。ライトセーバーの扱いにしても反射神経にしても・・・間違いない。アローンはフォースが強い。恐らく俺よりも。
 やがてアローンは劣勢になってきた。メイスの光刃がアローンの腕を狙っている。どうやら殺す気は無いようだ。
 アローンは全ての攻撃を見事に受け止めていた。だが防御で手一杯で、攻撃に移れない。
 メイスは渾身の力を込めて光刃を振った。
 アローンは受け止めたが、その衝撃で彼のライトセーバーは吹っ飛んだ。彼は慌ててそれを取りに行く。
 メイスは一気に距離を縮めアローンの足を狙った。
 寸前でアローンはセーバーを取り戻し、ブラスターを撃った。
 メイスは不意を突かれ、防ぎきれず、レーザーは彼の体に命中した。彼の体が崩れる。だがスタン・モードのままだったので命に別状は無い。
 アローンは笑った。「はっはっはっは・・・、見たか、ロイド俺はついにジェダイを殺すんだ!」
 彼はそういって再びライトセーバーのスイッチを入れると、意識を失ったメイスに向かって大きく振りかぶった。
 ロイドは戸惑った。どうすればいい?このままでは、マスター・ウィンドゥは・・・、だがここでメイスを助けば、もう正体を隠し通すことはできないだろう。彼は決断を下した。
アローンは光刃を振り下ろした。そのとき青い光刃が現れ、それを受け止めた。
「え?」アローンは絶句した。
「アローン、マスター・ウィンドゥを殺すことは、私が許さない」ロイドは言った。
「お、お前もジェダイなのか?」アローンは信じられなさそうに尋ねた。
 ロイドは小声で答えた。「そうだ。俺は・・・ジェダイだ」
「ばかな、うそだろ?うそだと言えよ」アローンは懇願した。
「うそじゃない。今まで黙っていて悪かった」ロイドは申し訳なさそうに言った。
 アローンは絶望した。彼が唯一の仲間だと思っていたロイドも、実は敵だったのだ。
「く、くそぉぉぉぉ!」アローンはロイドに斬りかかった。
「ま、待てよ。アローン」ロイドはそれを受け止めた。
「うるさい!だまれ!」アローンは聞く耳を持たなかった。「俺は、お前を、唯一の仲間だと思っていた!」アローンは言った。
 青と緑の光刃がぶつかり合う。
ロイドは言った。「そうだ。俺はお前の仲間だ。お前を殺せない」
「だが、俺は、お前を、殺さなくては!」アローンは言った。
「なぜだ!なぜ復讐にこだわるんだ!」ロイドが言う。「俺はお前を殺さない!ここから逃げろ!」
 これはロイドにとっても大きな決断だった。分離主義者の仲間をわざと逃がしたとなれば、ジェダイとして罪に問われるだろう。もしかしたらオーダーを追放されるかも知れない。彼は友を取るか、ジェダイであることを取るか、どちらかの状況に立たされたのだ。
 だが、彼は友を取った。
 アローンは迷っていたが、やがてライトセーバーを足元に落とし、崩れた。
「わかった」アローンは言った。
「早くここから逃げろ。そして2度とジェダイに近づくな。お前が生き延びる道はそれしかない」ロイドは言った。
「すまない、お前に会ったことは一生忘れない」アローンは言った。「できることなら、本当にお前とタッグを組みたかったよ。またな」
「ああ、またいつか会えるさ。そのときは俺はお前のパートナーだ。じゃあな」
アローンはブラスターを拾い上げると、走り去った。彼の目元が光った。
同時に夜が明けた。新しい1日が始まったのだ。

 ロイドはメイスやオーガナ夫妻、コマンダーたちとともに司令部にいた。
 メイスが言った。「救援部隊の活躍もあって、敵は去った。オルデランは救われたのだ」
 司令部に歓声が広がる。
「ありがとうございました。マスター・ウィンドゥ、マスター・ガレーラ」ベイルは2人に言った。
「ロイド、あの男はどうなった」メイスは小声で尋ねた。
「逃がしました」ロイドははっきりと言った。こうなってしまってはもう言い訳はできない。俺の行動は間違ってはいなかった。
「逃がしただと?逃げられたということか」
「違います。逃がしました」もう一度、はっきりといった。
「あの男は暗殺未遂の罪を犯したんだぞ。その彼を逃がしたとなれば、お前もジェダイとして、罪を問われるぞ。本当にわざと逃がしたのか?」
「はい」ロイドは答えた。
「そうか。では私はお前を逮捕しなくてはならない」メイスは脅すように言った。
「わかっています」ロイドは言った。メイスは顔に困惑の色を浮かべた。

アローンは変装し、オルデランを脱出した。彼は愛機マッハ・ブラックスに乗り、タトゥイーンに入った。ここなら問題ないだろう。彼は愛機を、マッハ・ブラックスからマッハ・アローンズに改称した。完全に父への思いを断ち切ったのだ。もうジェダイに復讐はしない。
彼はその後、例のブラスターを使い、タトゥイーンでも1番の密輸業者として、ジャバ・ザ・ハットに仕えた。彼はすばらしい腕前でタトゥイーンでも有名になった。
 ロイドは故郷への異様なほどの執着などもあり、ジェダイの精神に反したとして、ジェダイ・オーダーから追放された。これでもう彼の故郷がオルデランであることに文句をつける人はいない。
彼は自由になったことを喜んだ。そして彼は宇宙船を買い、アローンを探す旅に出た。 銀河中を飛び回ったロイドがやがてアローンと再会したのは言うまでも無い。
 2人の間に、そしてすべてのジェダイにフォースがともにあらんことを。

<完>


[131] 『原点に・・・』ギャグ短編 投稿者:灰色の騎士団 hs1tqbc4R2Y (2005/12/22(木) 22:57 0RHfwkJd3OM)

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短編1 『僕は、新世界の神となるべき存在なのだから――』 byライト

リューク「お前、神になるってのも大変なモンだぜ?」
ライト「何が大変だというんだ?神というのは絶対なものだぞ」
リューク「「馬鹿だなお前は。いいか?今の時期ってのは年末ジャンボが発売される。そしてコレを買った銀河中の人々が『神様、どうか当たります様に』と祈るわけだ。神様はそう祈った何億人分のリストを作って、その中から1等やら2等やらを選んで、当たるように仕向けないといけない。さらには年が明けると多くの人が初詣があるだろ?しかも受験する人の願い事に至っては凄まじいぞ。神様ってのはそういう願い事にも一人一人対処しないといけない。さらには銀河中にはあらゆる宗教が存在する。お前はそーいう宗教に応じて其々の神様をやらなきゃいけないんだぞ。つーか、1つの惑星に1日で神頼みをする人が何人居ると思ってるんだ?ましてや、銀河には何千という惑星があるんだぞ?神頼みを叶えるかどうかはともかく、頼みだけは聞かなきゃならない。それを365標準日続けられるのか?」
ライト「・・・・・・・・・・・・」
リューク「・・・・・・・・・・・・」
ライト「凡人でいいや、僕」


※この短編で登場した「年末ジャンボ」「初詣」といった概念がSWユニバースに存在するかどうか保障するものではありません。ご了承ください。




駄文失礼


[132] 『原点に・・・』ギャグ短編 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2005/12/22(木) 23:25 jzLqoNMp61k)

default

もしもエルが凡人以下だったら――
http://www.starwars.jp/forum/bbs3/bbs.cgi?id=2005120401;target=30 のパロ(ちなみに許可は取りました)

 いったいどうなってる。エルは共和国軍戦艦の窓辺で、雨雲と泥の大地に埋もれた惑星を見た。先ほど送られてきた地上からの情報によれば、今この星にはケノービ、ライト、マーティン、スカイウォーカー、シュトラッサーの5人が参戦している。一度にこれほどのジェダイを投入するなど異例の事態だ。こんなにいっぱいいたらややこしくて覚えれないし、皆手柄がほしくて喧嘩になるだろうに、カウンシルはいったい何を考えている。おまけにシュトラッサー、私とキャラが被る彼を同じ戦場で動かすだと?これはどう考えてもおかしい。ケノービとスカイウォーカーが思ったよりうまくやっているようだが、マーティンの方は消息が知れない。シュトラッサーの戦略も異端児の動きひとつで覆る。まぁ、どうでもいいけど。
 ブラッケイは頭をぼりぼりと掻きながら曲線ソファの上で足を折りたたみ、クマのできた瞼を大きく開いてコマンダーを見る。軍曹はだらしのない格好で座っているジェダイ・マスターの視線に気がつくと、足早に近付いてきた。
「コマンダー、三日前に紛失した私のライトセイバーがどこにあるか徹底的に調べてください。宇宙空間からなら遠距離監視装置を使うだけで充分いけます。それとお菓子を持ってきてください」
「??」
「地上にいる知人のトルーパーから少し気になる情報を耳にしました。しかし、面倒なのでこのままコルサントに直行します」
「・・・・・・・イェッサー」
 ARCトルーパーは短い沈黙の後にジャンゴ・フェットと同じ声をヘルメットの奥から響き渡らせ、その場を離れた。彼は未だ“凡人肌”の上司に慣れていない。掴みどころの無い性格はもちろんのこと、何を考えているかまるで検討の付かない表情や、任務よりも自分の“趣味”を優先するふてぶてしい態度を含め、全てが異質と云う他例えようがないのだ。もちろん彼のことは信頼できないし、指一本で巨大戦艦を操る彼の戦略的実力はかなりの無謀と思われる。しかしこれではあまりにも──
「はぁ・・・」クローン・コマンダーはエルのおかげで数日のうちに学ぶことの出来た動作のひとつ、“ため息”を実行すると、早々に気持ちを切り替え人使いの荒い上司の命令に従い行動を開始した。


[133] 私も短編作ってみました 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2005/12/24(土) 19:37 MzRFF/4mGZQ)

beru_ep2

クリスマスの怪奇

注・突っ込みどころが山ほどあるでしょうが、どうかご容赦ください。一応時代はナブーの戦いから10年後です。


惑星コルサントは雪に包まれて、いつもと違う景色を映し出していた。
もうすぐクリスマスである。
銀河の人々は皆、心を躍らせていた。
ジェダイも例外ではない。
そのような日であっても、ジェダイ・マスター、ヨーダは厳格な表情を崩さず、いつもと同じように子供達にシーカーボールの訓練をさせていた。
ヨーダはギマー杖で床を叩き、授業の終わりの合図をした。
「皆、そこまでじゃ。今日はまた一段と寒い。風邪に気をつけよ。今日の修行はここまでじゃ」
だが、生徒達は誰一人その場から動かず、意味ありげな目でヨーダを見つめている。老マスターは眉をひそめた。
「どうしたのじゃ。何か気がかりでもあるのかの?」
一人の生徒が進み出て、ためらいがちに言った。
「お尋ねします。マスター・ヨーダ。サンタクロースは本当にいるんでしょうか?」
ふむ・・・。難しい質問じゃ。できれば子供達の夢は壊したくないのう。
――そうじゃ。いいことを思いついたわい。
不意に名案がひらめき、ヨーダは緊張している子供達を安心させるように話し始めた。
「もちろん、サンタはおるぞ。信じればきっとプレゼントを持って来てくれるじゃろう」

二人のジェダイが、情報処理室で作業をしていた。
アナキン・スカイウォーカーとその師であるオビ=ワン・ケノービである。
「アナキン、その報告書は昨日が期限だったんだぞ。早く終わらせるんだ。」
「マスター、今日はお祝いの日ですよ。それなのにこんな仕事をするなんて・・・」
「アナキン」
オビ=ワンは愚痴をこぼす弟子をするどくたしなめた。
「・・・わかってます。そんな余裕はありませんよね」
彼の弟子は急にさびしげな声でそう言った。
オビ=ワンはその表情をみて、少しばかり心を動かされた。
確かに、今日は特別な日だ。ちょっとのお祝いは必要かもしれない。

ヨーダはその夜、こっそりと活動を始めた。
「今行くぞ、パダワン達よ」
老マスターは、白いひげをつけ、赤い服を着て、赤い帽子を被っていた。そう、サンタクロースの格好である。
ヨーダは大きな袋を背負い、静かに行動を始めた。
部屋の数は多い。一晩でプレゼントを届けるのは大仕事だ。

その後、10もの部屋にプレゼントを配り終えて、彼が部屋から静かに出た時だった。
「マスター・ヨーダ?」
不意に後ろから声が聞こえ、老マスターは振り向いた。
「おお、その声はオビ=ワンかの?」
「はい、そうです。ところで・・・マスター、その格好はいったい・・・」
「サンタクロースじゃ。今プレゼントを届けてる最中での」
「はあ・・・。実は私もなんです。パダワンや、お世話になった方々に」
「うむ。任務の成功を祈っておる。フォースが共にあらんことを」
「あなたもです。マスター」
二人はその場を離れ、再び自分達の仕事に戻った。

オビ=ワンはプレゼントを眠っているパダワンの枕元に静かに置いた。
明日が楽しみだ。アナキンも私の贈り物にきっと喜ぶだろう。
彼はそう思いながら満足して部屋を出た。廊下を歩きながらオビ=ワンはふとあることに気づき、一人でつぶやいた。
「みんな眠っているというのに、マスター・ヨーダはあんな格好をする意味があるのだろうか・・・。」

翌日、ジェダイ・テンプルは大騒ぎだった。
ヨーダの耳には様々な噂が流れてきたが、本当の真実は誰にも知られていないようだ。
今日は生徒達と会うのが楽しみじゃ。老マスターは満足しながら修行部屋に向かった。

アナキンは浮かない顔で、パルパティーン議長のオフィスに向かっていた。原因は、今朝彼が目覚めたときベッドに置いてあったプレゼントにある。
彼がもらったのは一枚のデータカードだった。
その名も――
銀河政治大辞典・首都惑星から辺境の惑星まであらゆる憲法、条例を網羅し、数々の有名な政治家のプロフィールを載せた決定版!!
――である。
もちろん、彼にはこんな物は必要ない、というか要らない。
だが、これは1000クレジットもするデータカードなので、捨てるに捨てられなかった。彼はいろいろ考えたあげく、これを最も必要としそうな友人にあげることにしたのだ。
アナキンはドアを開けて部屋に入った。
「議長!プレゼントがあるんです」
「やあ。アナキン。私も君にプレゼントがある。受け取ってくれるかね?」
パルパティーンはそう言って、アナキンに小さな包みを渡した。
「あの、ありがとうございます」
彼はお礼を言いながら包みを開けた。その中身は――
銀河政治大辞典・首都惑星から辺境の惑星まであらゆる憲法、条例を網羅し、数々の有名な政治家のプロフィールを載せた決定版!!
アナキンはあんぐり口を開けた。
「メリークリスマス。アナキン。ところで、私へのプレゼントは何かね」
アナキンは混乱して、プレゼントを忘れたと嘘をつき、足早にその場から去っていった。

「皆、昨日はプレゼントをもらったようじゃな。きっとサンタが来たのじゃろう」
授業の後、ヨーダは子供達の反応が知りたくてそう言った。
突然、一人の生徒が恐怖の顔を浮かべて前に進み出たのを見て、ヨーダは眉をひそめた。
「マスター、聞いてください。僕・・・僕見たんです。隣の子のベッドに、緑色の醜い怪物がメリークリスマスって言いながらプレゼントを置くのを!!」
ヨーダはほんの数秒の間、唖然としていたが、すぐいつもの落ち着きを保って言った。
「うむ・・・。怪物とはのう・・・。安心するがよい、パダワン。それはもう現れんじゃろう。」

子供達が出て行くと、ヨーダは深いため息をついた。クリスマス作戦は失敗じゃ。来年もやるつもりだったというのに。
――そうじゃ。次はもっとうまく変装してプレゼントを届けてやることにしよう。怖くないように。
老マスターはそう思いながら、窓から見える白い世界を見つめていた。


[135] (無題) 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2006/01/02(月) 14:35 kucTEaLLv6k)

red_leader

>>118の続き

敵は次々壊れた機械となった。ジェダイにとってはお手のものなのだろう。
だんだん目的地が見えてきた。その時、路地から何かが出てきたので、ジェイドは青い光刃を構えた。案の定、五人のバンダードだった。
バンダードはタトゥーインに生息するディーバックの顔を細くし、緑色を混ぜたような感じである。
「一緒に行きますか?」バンダードは訛りのないベーシックで話す。
「いや、帰りのことを考えてここで敵を頼む」ジェイドの言葉を聞くとバンダードはその場から立ち去った。
少し行くと赤い色の流れ弾がジェイド達の目の前の建物の屋根を直撃し、彼らの行く手を阻むかのように、瓦礫が落ち道を塞いだ。
あと少し早く進んでいれば瓦礫の下敷きだった。
「くそ・・・よし回り道しよう」ジェイド達は右へ角を曲がった。
するとまた敵が現れた。二体のスーパー・バトル・ドロイドだ。
「ノーマルだろうがスーパーだろうが変わらないよ」ジェイドは敵の真上に飛び上がり、青い光を叩き落した。
ドロイドは腕と頭を切られ、倒れた。
「私達は出番があんまり無いですね」イータが言った。
「私がまた空に出ればあるさ」ジェダイの男は軽く答えた。
このまま行けば目的地だ。彼らは足取りを速めた。
そして入り口が見えた。
「急ぐぞ」ジェイドは今にも飛び上がり、入り口に突っ込みたい衝動を抑える。
入り口に差し掛かると中から彼らを待っていたようかの様に、一体のドロイデカが車輪の形になり、転がってきた。
「くそ!!隠れろ!!」ジェダイとクローン兵と惑星の原住民は入り口の近くの物陰になんとか隠れた。
ドロイデカは彼らが隠れても容赦なく敵を撃とうとする。
「ポータブル・ミサイル・ランチャーだイータ!!」
「イエッサー。撃て!!」イータは大きな筒を担いだトルーパーに命じた。
大きな音が当たりにこだまし、ドロイデカはシールドごと吹き飛んでいた。
「さあ行こう」また出てこなきゃいいが。あのドロイドが一番目障りだ。
建物の中は完全に造り変えられており、原型を留めていない。
まさに宇宙船の中といった感じだ。
敵は激しく抵抗してくるが、通路はそんなに広くないがために、跳ね返された赤い光弾にまた一体、また一体とやられていく。
「コントロール・ルームはどこでしょうか?」建物に入ってからまだ一発もレーザーを撃っていないイータが言う。
「よし待て・・・・・・」ジェダイは敵の攻撃が一端止んだのを確認してから感覚を研ぎ澄ました。
この建物は三階建、コントロール・ルームは・・・・・・三階だ!!
「三階のようだな」ジェダイはそう言った。
その後息を抜く暇もなく、機械の兵が出てくる。今度はトルーパー達が獲物を確保した。
「先を越されたか」ジェイドは微笑する。
「階段を探さないといけません」イータは言った。
「では階段探しと行くか」

続く・・・・


[136] (無題) 投稿者:8月31日の神 cL2lcBtc..M (2005/12/26(月) 12:17 1z9zSvMo/Aw)

palpatine_ep3

男たちのエクゼキューター

スーパー級スターデストロイヤー エクゼキューターは銀河系最大にして最強の戦艦として、極秘に設計されていた。12,8kmの巨大戦艦にあの非劇が起きようとは誰も予測していなかった・・・・。

第一章 60年後
エンドアの戦いから60年後、コレリア
ある女性がコレリアの飛行場にいた。
「第二デス・スター跡まで誰か船を出してもらえませんか?」
「無理無理、あそこは危険だ旧帝国軍の残した罠がたくさんあるし、かなりの距離だ。」
しかし女性は諦めなかった。
「お願いです。どうか・・・お金はいくらでもお支払いします。」
「いや、やめとけ、あんたみたいな人には無理だ。」
誰に言っても、結果は同じだ。
彼女の名前は、パノレント・オルガーだ。彼女の父は、元帝国空軍兵である。実は今日は、エクゼキューター沈没60周年記念の日なのだ、記念と言っても、その船の存在はあまり知られていない。
「お願いです!どうか船を出してください。」
「だめだだめだ。危険すぎる。」
「やめとけやめとけ。」
結局、誰にも船を出してもらえなかった。
彼女は、もう諦めかけていた・・・・すると
「なあ、お前さん、第二デス・スター跡に行きたいのか?」
「はい、父が元帝国空兵でしたから。」
「お前さん、名前は?」
「オルガーさん!・・・生きておられたのか。」
「父をご存知なんですね。」
「ああ、ワシはマッハ・バーリーズだ。ワシも空軍だった。」
「バーリーズさん、父はよくあなたの話をしていました・・・。その父も今年亡くなられました。」
「そうか・・・・そういえばさっき船を出してほしいって言ってたな・・・・わしが出してやろう。」
「本当ですか!ありがとうございます。」
二人は貿易船に乗った。
「ワシがはじめてエクゼキューターを見たときは、言葉を失った。これが銀河系最大の戦艦かと思うと、帝国は絶対に勝てるな思ったよ。」
彼は、昔の思い出を話し始めた。


[138] (無題) 投稿者:8月31日の神 cL2lcBtc..M (2005/12/27(火) 21:49 1z9zSvMo/Aw)

palpatine_ep3

>>136の続き
第2章 乗船

「運搬船、到着しました。」
マッハたちはこの船でエクゼキューターにむかった。
「あれがエクゼキューターか!!」
「さすが銀河最大の戦艦だな。」
帝国アカデミーを卒業したばかりの兵士たちは、反乱軍との戦いが近づく中、このエクゼキューターに配属された。
「よし全員降りろ!急げ。」
上官の命令で全員運搬船を降り、船内へ入った。
「諸君らは、今日からスーパー級スタ―・デストロイヤー エクゼキューターの船員として帝国のため、皇帝陛下のために、戦ってもらう。」
この男はオゼル提督だ。後にヴェイダーの怒りを買い、殺されたらしい。
「では、ピエット提督、始めてくれ。」
「今から、君たちの配属を決める。名前を言われたものは前へ出よ。技術班、ディース・メント・・・チエル・ガエール・・・マッチ・アルベン・・・前方攻撃班・・・・・・」
こうして配属式は終わった。
マッハは友人ゲムノと共に左方向攻撃班になった。
「今から、攻撃説明をする。ついて来い。」
「はい。」
一行は船内の4階R―DKレーザー攻撃室へむかった。
「ターボレーザーを使ったことはあるか?」
「いいえ、ありません。」マッハはターボレーザーを見るのは初めてだった。
(これがターボレーザーか・・・始めて見た・・・・)
「ゲノム、お前がこのハンドルを握れ。お前は、このハンドルで、レーザーの方向を調節しろ。マッハ、お前は攻撃担当だ。敵が来たら、撃ち殺せ。コンピューターが自動的に照準を合わせる。」
そして訓練が始まった。


[139] あんまり一気に書けないYO 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2006/01/02(月) 13:34 kucTEaLLv6k)

red_leader

>>135の続き

いくらフォースを使っても階段までは分かりいくい。なのでジェイドらは建物の設計図を探し始めた。
ここは普通の建物では無いのだから、どこかにそれのようなものがある筈だ。
まずは近くの部屋から捜索しよう。ジェダイとクローン兵はバトル・ドロイドの残骸のすぐ近くにあった扉を見つけた。
扉はロックが掛かっている。だがジェダイなら簡単に中に入れる。
ジェダイは青いセーバーを扉に刺し、扉を溶かしながら、ゆっくり扉の形に合わせながら腕を動かした。
数分で扉は焼き切れ、扉の向こうが見えるようになった。
扉の向こうの敵は驚きつつ―――ドロイドだから感情表現はほとんどないが―――ブラスターを放ってくる。
ドロイドが真正面からジェダイに立ち向かっても、勝てない。
部屋の中でさっきまで作業をしていた機械の兵は既に鉄の塊と化していた。
部屋を見回すと、どうやら砲台の管理をしていたらしい。それを見たイータが口を開いた。
「変ですね。確か三階だったような―――」
「つまりだ。所々に小さなコントロール・ルームを置く。そうすれば万が一、一つ壊されても他は被害が無いという事だ」
ジェイドはセーバーで機材を叩き切りながら言った。
クローン達はそれに合わせて、自分達の武器で機材に穴を開け始める。
粗方ショートさせると、砲台の10分の一は止まったようだ。あんまりハッキリとはしてないが。
「よし他の部屋へ」ジェダイは扉から出た。
するといくつかの赤い閃光が彼を掠めた。また敵だ。
ジェイドは飛んでくる赤い物を全て跳ね返し、敵に突っ込んだ。
敵は真っ二つに切り裂かれた。一体だけ、足の部分だけ動いていたのがあった。だがそれもすぐに倒れた。
「まあ、ずっとこんな感じだ。行くぞ」彼らはまた扉を見つける。
今度は開いたままだ。大抵こんな場合には・・・・・。
開いた扉の中から車輪型のドロイドが出てきた。戦闘形状になられたら厄介だ。
ジェイドは光刃を振り回し、車輪をまたしても真っ二つにした。
まだ居ないだろうな・・・・。彼は扉に近づいた。
「イータ、グレネードはまだあるか?」
「まだ全員、三つは持ってます」よく見ると自分に着いてきている白い装甲服の兵隊は七人。と言うことはまだ二十個以上の爆弾がこちらにはついている。
「よし。だれか扉の向こうに投げろ」ジェイドが言うと、すぐにイータが二つ扉の中の部屋に爆発物を投げた。
中からは轟音が響き、何かがショートし爆発する音がした。
「よし突っ込め!!」
ジェイドは刃を振り上げながら部屋に突入した。
まだ煙が燻っていて、煙の中にまだ何対かのドロイドがいる。
敵はジェイドが来たのには感づいたが、煙でどこか分からない。しかしジェダイには見えた。ドロイド達は煙の中で切られいく。抵抗する余地すら無い。
数分後には部屋の中ジェイドの唸りをあげる青い光刃の音しか響いてなかった。
「ここは・・・・・」彼は部屋を見回した。外の風が入ってくる。部屋には大きな砲台があり、その砲身の二分の一は壁に空いた窓のような物から出ていた。
対空砲台のようだ。それはグレネードの爆発で一部分が焦げている。
「ここには地図はあるか?」
「見当たりません」クローン・コマンダーは言った。
「そうか・・・・一つ一つ部屋を行くしかないな」

続く・・・・


[140] 英雄の転落・拡張世界 投稿者:インダー・セクター・ノースカロライナ sImhCkql5WI (2005/12/28(水) 20:53 E23/JzFvkUU)

probot

ケッド・グリーブナatオーダー66


惑星ジオノーシスの荒々しい赤茶色の砂の攻撃を受けながらもジェダイ・ナイト、ケッド・グリーブナとクローン・トルーパーの一個小隊の乗ったガンシップは前線部にある停泊基地から飛び立っていた。
「グリーブナ殿」
スコープをつけ、視界を安定させている重装備のクローンの一人がグリーブナに呼びかけた。クローンは中腰の状態でグリーブナの隣に寄ってくると話し掛けてきた。
「敵のもとへ潜入させたエージェントから連絡がありました」
「いったいなんと?」
「はあ、それが、敵の姿が出てきていないというんです」
そのクローンは首をかしげながらもその腰につけている万能ベルトから小型のホログラム投影機を出して、グリーブナの目の前で起動させて見せた。
青白い光が敵のもっとも近い拠点の一つ――それは3隻のガンシップが向かっている赤茶色の丘の向こう側に位置している比較的小規模な基地――の光景を形作った。そのホログラムの画像は乱れていたものの、確かに敵の姿はなかった。
「エージェントが偽の情報を送っている可能性は?」
「ありませんね。エージェントは捕まった場合すみやかに最期を遂げます」
グリーブナはクローンの言葉に疑問を抱き、質問した。
「すみやかに最期を遂げるというのはどういうことだ?」
「我われは情報を漏らすわけにはいきません。自決するのです」
グリーブナに自信はなかったがそのときこのクローンは確かに声を濁らせたのを感じた。
きびすを返したそのクローンはガンシップの後部へとコマンダーに呼ばれて向かった。
その間もなく、後ろのほうからジェットパックを背中につけたクローンの一人が飛び出て、ガンシップと並行し、スピードを上げて追い抜いていった。すれ違い様、グリーブナにガッツポーズを残していくのが見えた。
グリーブナはフォースを辺りにめぐらせ、さきほど報告のあった敵の拠点に思いをめぐらせた。
しばらくして頭の中が真っ白になるのが感じられた。彼のマスターはいつも彼に頭の中が真っ白になるほどフォースは透明度を増す、と説明してくれた。そして間もなくして白い光景が渦をまき、いくつかの形状を浮き彫りにし始めた。グリーブナはもっと意識を集中しはじめた。
そのとき頭の中で甲高い悲鳴が上がった。しかも2つ。
グリーブナの体内の臓器がどっぷりと下半身に落ちていくかのような感覚に襲われた。自分の中では分かっていることが脳にはしみわたろうとはしない。
ここにいては駄目だ!
グリーブナは体の衝動に任せてその体を空中になげうった。グリーブナの体はガンシップの翼のすれすれの部分を後ろに飛んでいくと、何もないジオノーシスの空に放り投げられた。
直後、先ほどまで乗っていたガンシップが大爆発を遂げた。
ケッド・グリーブナは間一髪で逃れる事ができたのであった。
頭の中に響いてきた悲鳴は後ろに続いている二隻のガンシップの中に乗っていた二人のジェダイのものだったのだ。


[141] ケッド・グリーブナの短編(オーダー66) 投稿者:インダー・セクター・ノースカロライナ sImhCkql5WI (2005/12/29(木) 17:09 E23/JzFvkUU)

probot

>>140の続き

ガンシップが炎の塊となり、墜落したのを、ほんの数十秒前まで乗員だったクローン・トルーパー、通称グラッドは目撃した。
敵の攻撃!?
はじめはそう思ったグラッドだったが、彼は一部始終を目撃していた。その記憶は偽りのしようがない。
撃墜したのは後ろにいるガンシップの振動ミサイルなのだ。


グリーブナは必死にフォースに働きかけたものの、傷だらけの状態になるのは避ける事ができなかった。幸いにもジオノーシアンが住んでいるトンネルだらけの崖に墜落した彼はその下にあるトンネルの天井を3つばかし貫きながらもそれがクッションの役割をしたため骨折までにはいかずに助かった。とはいっても体じゅうの打撲による痛みは体じゅうをつらぬいていた。
必死に体を起こし、無人のトンネルをよたよたと歩き、やっとのことでいくつものトンネルの合流地点になっている、広めの場所にでることができたグリーブナだったが、もはや力はほとんど残されていなかった。
しばらく横たわっている事にしたグリーブナだったがいっときもはやくここから逃げなければいけないことくらいは分かっていた。とにかく何があったのかはちゃんと理解しなければ。
グリーブナは立ち上がると、よろよろと力を振り絞ってトンネルの壁伝いに歩いていった。やがて出口が見えてくるとグリーブナはか細いため息をつき、腰からブラスターを引き抜いた。そのときライトセイバーが地面にころりと落ちたが、それを拾って振り回すだけの力は残されていないように思われた。けれどやはり自分の証だけは失わないようにしなければ。
グリーブナの腰にライトセイバーがいつものごとく戻ると、思わず安堵の息が漏れてしまった。
外の乾燥した空気を胸一杯吸い込んだ彼はブラスターを持った手をぶらんと垂らしながら自分の両足で全体重をかかえ、いつ終わるか分からない道のりの第一歩を踏み出していった。頭の中にこのときの自軍の勢力図が浮き上がってくる。
後ろにのっていた二人のジェダイは死んだ。そのうちの一人は将軍職に就いているジェダイ・マスターだ。
では今自分を助けてくれるのは誰だ?
それ以前にいったい何がおこったんだ?
グリーブナの頭の中にそんな疑問がいくつも浮んできたが、答えはわかっていた。
クソ!トルーパーが裏切ったのだ!




一方そのころ、背中につけたジェットで軽々とかなりの距離を往復して戻ってきたグラッドは自分と同じ装備をしたクローン・コマンダー――おそらく後ろに続いていたガンシップに乗っていたのだろう。自分が乗っていた機の乗員は皆大爆発の中で一瞬のうちに蒸発したことだろうから――に声をかけた。
「コマンダー!」
「何だ?貴様は・・・」
「はっ!先ほど墜落したガンシップの飛行搭乗員であります!」
この答えにコマンダーは少なからず動揺した様子だ。グラッドはここぞとばかりに叩き込んだ。
「私の目に誤りがなければ私の搭乗機は後続していたガンシップによって撃ち落されたものと解釈しておりますが間違いはありませんでしょうか?」
「ないぞ・・・」
「ではなぜ撃ち落されたのですか?」
コマンダーは強気のグラッドにわずかながらの軽蔑の視線を向けると、打って変わった事務的な口調で話しはじめた。
「我われはある任務を受け取った。私はそれに基づいた攻撃をさせたまでだ」
「その命令とは?」
「直接パルパティーン皇帝のオフィスから来たものだ。ジェダイの抹殺命令だ」
この答えに今度はグラッドが動揺する番だった。
「ジェダイをですか?」
「そうだ、フライヤー46」
コマンダーは固まってこびりついたグラッドの装甲からナンバーを読み取ると、さらに言葉を続けた。
「君は私のコマンドとともに行動をとるがよい。飛行員が必要だからな」
「イェッサー!」
グラッドはコマンダーに従順に従った。


[142] ここらへんはつまらない。w 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2005/12/30(金) 23:01 juC7TwBcpew)

red_leader

>>139の続き

部屋を出たとたん、なにか大きな者が近づいてくる音がした。それはどんどん大きくなってくる。
これは・・・・・。気がつくと近くに大きな茶色の蜘蛛がいた。
クラブ・ドロイド だ。
狭い通路になんとか入っているという感じだ。
「任せろ!!」ジェイドは襲い掛かる蜘蛛の振り上げる大きな足を避けながらクラブ・ドロイド に近づいた。
狭い通路なのでクラブ・ドロイド はあまりちゃんと動けないようだ。
そして蜘蛛の振り上げる足の高さよりも高く飛び、頭の上に乗った。ジェダイはそこに青い稲妻を叩き込んだ。
稲妻は蜘蛛の頭を叩き割り、蜘蛛は死んだ。
こう沢山敵が来ると切が無いが、このまま行くしか無い。
「マスター・ジェイド、リパブリック・キャリアーで援軍を連れて来るよう連絡しますか?」クローンが言う。
「対空砲があるならここに来るのは無理だ。我々で何とかするしかない」
自分を合わせて八人。この人数で何十もの対空砲を一気にとめる。役目はそれだ。
早く地図を見つけねば・・・・・・。
「・・・・この部屋がくさいぞ・・・」ジェダイ・マスターは扉を摩りながら言った。
さっきと同じように彼は扉にセーバーを突き刺す。扉の向こうで何かが倒れる音がした。ちょうど扉のすぐそこに敵が居たようだ。
扉に赤い丸が描かれ、丸は倒れた。その向こうには敵がいる。何時も通りだ。
空いた穴からジェダイは中に飛び込む。その後から青い光弾が飛んでいく。
そして白服の兵隊が中に入り込む。機械の兵士は青い稲妻と、光弾に次々と機能を停止していった。
その後、すぐに決着がついた。
「ここにあるかな・・・・・」ジェイドは煙に巻かれた部屋を見回す。ここは外の監視塔らしい。
机に建物内の見取り図があった。少しだけ焦げているが、十分に読める。
「階段はこの部屋を出て・・・・右だ!!」

二階に上がる階段に行くまでに敵は居なかった。その後、階段を下りているスーパー・バトル・ドロイドに出くわしたが、難なく突破できた。
二階も一階と変わらない風景だ。次は3階に行かなければならない。
「さっきの見取り図で三階への道は分かっている。早いとこ済ませるぞ」
「イエッサー」
少し進むと何か鈍い足音がする。クラブ・ドロイドでは無い様だ。
横の通路から体の丸い蜘蛛が二体現れた。ドワーフ・スパイダー・ドロイドだ。

続く・・・


[147] 下手でスマン 続きかけねえかも 今回は余り動きがありません 投稿者:南雲 bEgwINfuJPQ (2006/01/02(月) 20:08 N26kos/xVDs) [SAGE]

grievous_cw

傭兵達
        招集       

クローン戦争中共和国の主力兵力はクローン兵であったが
数少ない傭兵もいた。

首都惑星コルサント某所共和国寄りの傭兵があつめられた。
その数は約100人程度である、勿論賞金稼ぎもいる。

「やはり連合軍より少ないか。」そういったのは
ジェダイナイトのテスタ・ライズである。
彼は傭兵への任務の説明、担当をまかされている。
一通りの説明を終えた後傭兵達は自分の部屋へ戻っていった。

「あー疲れだ。」
そう言いベッドに身をなげだしたのは
ギン・レイター、誰でもというわけでもないが
結構名の知れている賞金稼ぎだ。
>コンコン
ドアを叩く音がする。
「どうぞ」警戒感と仕事柄もありブラスターを構えながら
答える。
「よっ!俺だよ」
「お前か 久し振り」
「ああ」

彼の名はシテ・ソー、ギンとは幾つかの仕事ともにしたことがある。



::::::::ジェダイ聖堂::::::::::
「で、どうします?傭兵達は」
「そうだなレンヴァー作戦へ投入させよう。」
         続く


[148] (無題) 投稿者:北雲 bEgwINfuJPQ (2006/01/02(月) 20:50 4e9/kHb.DHk)

grievous_cw

>>147の続き
傭兵達
      招集2

ギンの部屋に手紙が届いた。
「どれどれ」
内容はレンヴァー作戦の説明、招集場所、戦友達の名簿である。

:::::::::::::::招集場所::::::
「手紙に書いていると思うがレンヴァー作戦は
レンヴァーに駐在している連合軍をクローン第331部隊と    撃滅、占領の先駆けである。                奇襲作戦であるからあちらの時間で夜を
襲う。お前達傭兵には突撃隊、主力隊、後方攪乱隊
に別れてもらう。」
その後は速かった。
:::::::::::::::::::::::
2日後にはリパブリック・アサルト・シップ
に乗り込みレンヴァーへの旅路を行った。
ギンは主力部隊である。
残念ながらシテは後方攪乱部隊へ編入された様である。
程なくしてレンヴァーへと着いた。
夜だから視界は狭い、奇襲なので電気は付けられなかった。
主力部隊は通信で突撃隊のサインをうけてから攻撃
を開始する事になっている。
どうやらもう攻撃は始まったらしい。
そして暗号が・・・「バンサのクソ」
「行きます。奇襲成功の暗号です。」クローンが話しかけた。
半分吹き出しながらギンは走り出した。
最初は余り抵抗もなかったがどんどん攻撃が激しくなった。
物陰に隠れブラスターライフルを発射した。
撃っては隠れを繰り返しなんとか施設へ潜入できた。
その時後続のクローン数人が吹き飛んだ。ミサイルだ。
「ようギン」
小ばかにしたような声でミサイルランチャーを
構える男がいた。
「お前、ラスか?」
「ああ」
続く・・・といいな


・・・・・・・あとがき・・・・・・・・
招集シリーズは終わりです。
ラスの名字はどうしよう


[149] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/01/03(火) 15:43 rcYZOxBQ2I2)

neyo

「分離主義者の魔の手」

クローン大戦はジオノーシスでの共和国軍と独立星系連合軍の衝突が引きがねになった。二人のジェダイ騎士と一人の元老院議員が捕虜になり、それを救出しにジェダイ総動員、共和国軍が到着した。結果的には共和国の勝利になったが、連合は敗走し、様々な惑星に散った。共和国軍はそれを追って飛び立った。これがクローン大戦だ。ジェダイ騎士は共和国軍の指揮を任され、銀河初の全面戦争に参加した。

もちろん、共和国軍はクローンとジェダイだけではない。そう、人間だっている。
「君には惑星タトゥーインに行ってほしい。」元老院議長であり、銀河共和国の大統領であるパルパティーンはオフィスで窓に背を向け言った。
「はい。タトゥーインにはなにが?」共和国軍中佐であるヴェルド・バクスターは言った。
「分離主義者の一部がタトゥーインのならず者どもを仲間に連れこんでいる。賞金稼ぎが大勢分離主義者の仲間入りを果たすのはいかん。なんとしても阻止してくれ。そしてタトゥーインにクローン軍の部隊を警察として置いておくのだ。」パルパティーンは言った。パルパティーンの横には君の悪い補佐官、マス・アミダがいる。その反対側にはジェダイ騎士であるアナキン・スカイウォーカーがいる。このジェダイは議長の「お気に入り」というやつだ。
「わかりました。すぐに向かいます。なぜ私のような将校にそんな任務を?」ヴェルドは言った。それに答えたのはパルパティーンではなく、スカイウォーカーだった。
「貴方の活躍はマスター・フィストーから聞いております。それを聞いて議長はじきじきに任務を与えると。」スカイウォーカーは言った。

ジェダイ・マスターのキット・フィストーとは何度も任務をともにこなしている。キットはモン・カラマリの開放任務についたジェダイだ。
「タトゥーインには私は同行できない。だが、君の力ならジェダイ無しでも分離主義者を倒せる。」キットは言った。
「マスター・フィストーもがんばってください。」ヴェルドは言った。
「ああ。フォースとともにあれ。」キットはそう言ってガンシップに乗りこんだ。
「フォースとともに。」ヴェルドは言った。
「中佐、出発の時間です。」クローンが言った。
「ああ。よし、行こう。」ヴェルドはスターデストロイヤーに乗った。
三角形の巨大な戦艦はコルサントを離れ、砂漠の惑星に飛び立った。

目を潰したいならタトゥーインの砂を見ろ。という言い伝えがあるほどタトゥーインの砂はかなりきつく太陽の光を反射させている。砂漠の真中に独立星系連合の戦艦が着陸し、キャンプのようになっている。
「まったく、熱い。こんな仕事ドロイドにさせればいいのに。」ニモーディアン・ウォリアーの一人がつぶやいた。
「我慢しろ。隊長にそんなこと言ってみろ。痛い目にあう。」その隊長というニモーディアンはそんなに強い男ではなかった。だいたいウォリアーでもないかぎりニモーディアンはそんなに強くない。あるのは金だけだ。その隊長もただバトルドロイドを指揮して「痛い目に合わせる」だけだ。
タトゥーインの賞金稼ぎを多額な金で雇い、ドロイド軍の指揮を任せるという作戦を任されたニモーディアンのアンディ・ゴルはふかふかのソファに座り、正面に座っている賞金稼ぎを説得していた。
「私はこの部隊の隊長だ。君のような賞金稼ぎを軍隊に誘う任務を任された。」アンディは言った。
「ほお。共和国軍なわけないよな?」男は言った。
「もちろん。我々は分離主義者。まあ、いってみれば反乱軍であり、テロ集団だ。」アンディは小声で言った。
「ふむ。革命に参加しろっていうのか。」男はひざにひじを乗せた。
「そうだ。ただではない。共和国よりも金がある。連合はなんの連合だ?分離主義者の連合であり、大企業の連合だ。バトル・ドロイドを生産するほど金がある。革命が成功し、我等が理想する銀河帝国が台頭したあかつきには君のような賞金稼ぎにも軍事的な階級、権力、金が与えられる。帝国の新国家の指導者の仲間入りだ。」アンディは言った。
「なるほど。おもしろいじゃないか。参加しよう。」男は言った。
「そうこなくては。君のような男が世の中もっといなければな。さあ、バトルドロイドが部屋に案内する。まだタトゥーインの賞金稼ぎを集める間はここに住んでくれ。」アンディは言った。
「隊長!共和国です!戦艦がきました!」ウォリアーがかけこんできた。
「なんだと?! ああ、悪いが早速仕事をしてもらっていいかな?」アンディは集金稼ぎに言った。
「ああ。」
「君。名前は?」アンディは言った。
「ああ、教えてなかったな。オーマスだ。」賞金稼ぎはウォリアーとバトルドロイドとともに外に出ていった。

三角形のスターデストロイヤーが双子の太陽に重なった。おぞましい数のガンシップが出てきた。
「ハッチを空けろ。全部隊!ハッチを全開!」ヴェルドは言った。すべてのガンシップのハッチが開き、兵士が身を乗り出し、射撃をはじめた。次々にバトルドロイドが倒れていく。
「中佐、着陸しますか?」クローンが言った。
「ああ。頼む。」ヴェルドは銃をにぎった。
「パイロット!着陸しろ!」クローンが言った。
「イエッサ」ガンシップが次々に砂漠に舞い降りた。
オームスは銃をぬいた。
「おい、お前、援護しろ!」オームスはバトルドロイドに命令した。
「了解、了解」バトルドロイドが数体援護にやってきた。クローンの数は多い。オームスはそのなかに制服を着た男を見つけた。
「・・・!」オームスはバトルドロイドにその場を任せると、ヴェルドのもとに行くことにした。


[151] (無題) 投稿者:魑魅 uo5SLPDAPdU (2006/01/05(木) 22:12 Am7Y9PmhV.2)

bly

CT-1305はベルトに備え付けられた一つのポシェットを開け、カプセル状の薬を取り出した。
「即効性の鎮痛剤だ。頭痛にも効く」
アテナはその言葉を聞いていないであろう。少し落ちついたようで、且つ何をする事もなく只々呆然と座りこんでいるだけなのだ。
無理矢理アテナの口を抉じ開けるCT-1305。暴れる少女を押さえ、薬を投げ込んで水筒から水を流し込む。多少強引だが仕方ない。
少女はCT-1305の手を振り解き、涙目で咳き込んだ。
「吐き出すな」
えずくアテナに言い放ち、CT-1305は違うポシェットを開いた。

Love of the created people …
〜創造された者の愛〜

「っく・・・!」
CT-1305は砕け散ったバクタ・タンクの床から生えて残った下部に凭れ掛っていた。
装甲服の下に着る為の黒い服の袖を肩まで破り捨て、腕に深く突き刺さっている装甲服の破片を一つ一つピンセットで取り除いていた。
一つ取り除く度に激痛が神経回路を走り回り、データバンクに“痛み”を伝える。それが伝わる度に顔を顰めた。
取り除かれた白い破片は真っ赤に染まり、それが突き刺さっていた個所からは真紅の液体が噴水のように溢れ出す。
粗方破片を取り除いたCT-1305はピンセットを床に投げ捨て、深く溜息をついた。
そして、横で薬の副作用で眠っている少女に視線を下ろす。
(・・・この子供、もしかしたら・・・)
CT-1305は思った。まだ10〜12と言った程の少女の使ったと思われる先程の力、こいつがもしかすれば最終兵器なのかもしれない・・・。
兵器はまたポシェットを開け、チューブに入った止血兼消毒薬を指に第一間節分程取り出し、それを傷口に擦り込んだ。
そして同じポシェットから包帯を取り出して腕に巻きつける。“応急修理”は完了した。
次にCT-1305はゆっくりと立ち上がる。
腕や足を動かし、“内部の破損状況”を簡単に確認した。
「右腕・・・異常なし、左腕・・・小破。右足・・・小破、左足・・・異常なし・・・」
胴体をトントンとノックするように彼方此方叩く。
「・・・っく!4番・・・、うっ!2番・・・小破・・・」
肋骨の被害状況。
次に舌で口の中を確認する。
「・・・右頬、中破。・・・歯・・・異常なし」
常人では到底絶えられない激痛。
CT-1305はゆっくりと右足を引き摺りながら扉に向かう。
扉には面白いほどくっきりとクローン・トルーパーの装着する量産型装甲服の背中部分の形に凹んでいた。扉はこの状態、まずクローン・トルーパー一人では開けることは不可能。
右腕につけられた通信機は砕け散った為使用不能。部屋にあった機器も全て爆散し外との連絡は出来ない状況だった。
CT-1305は溜息をつく。肋骨と口の傷が激しく痛んだ。
兵器は元の場所で本隊の到着を待とうと、振り返る。すると少女が起きているのが確認できた。少女は刃物のような鋭い視線でCT-1305を睨んでいる。
「・・・裸では寒いだろう。コレを」
CT-1305はアテナにポシェットから取り出した野戦時防寒用の布を投げ渡した。
小さいが分厚く、惑星タトゥイーンの夜の寒さでも耐えられる代物である。
「・・・?」
アテナは首を傾げ隣に座ったCT-1305の顔を見た。手には小さく折り畳まれた状態のままの布が握られている。
「使い方か」
アテナの手から布を取り上げて、バッと広げるとアテナに掛けるCT-1305。
アテナは広げられた布を不思議そうな表情で見ている。
「腹は減ってないか?」
共和国の兵器はポシェットから2本のチョコレートバーを取り出し、袋を開けて一つをアテナに渡した。しかし、受け取ったアテナはまた首を傾げる。
「・・・食べ方も知らない・・・か」
CT-1305はもう一つのチョコレートバーの袋を開け、アテナの方を向いて“食べて見せた”。
共和国兵器の顔とチョコレートバーを交互に見て恐る恐るチョコレートバーを口に入れたアテナ。
少女はこんなおいしいもの初めて食べた!とでも言いた気な表情をし、猛烈な勢いで口にほおり込んで行く。何も食べた事のない彼女なら何を食べてもこの反応であろう。
CT-1305は唖然としながら少女を見詰める。その間に少女はペロリとチョコレートバーを完食していた。
「・・・食べるか?」
CT-1305はチョコレートバーを差し出すとアテナは奪い取るかのように受け取り、また猛烈な勢いで口にほおり込んで行く。
「・・・あまり急いで食うと喉に・・・、ほら見ろ」
正に言おうとした瞬間、アテナは苦しそうな表情に変わり、もがきだす。
兵器は慌てて水筒を取り出し、少女の口に手荒く流し込んだ。
少女は数度咳き込んだ。そして何事もなかったかのように再びチョコレートバーを齧りだす。
「面白い奴だ」
CT-1305が呟いた。人間のように微笑しながら。

to be continued…


[153] 遠い昔、遥か彼方の小説の続き・・・・ 投稿者:左手 vBMq9CF4nmU (2006/01/08(日) 16:16 r1fRyiOKWYs)

ig88

>>81の続き

第四話 〜最下層へ〜

「それにしても、何でまた下層の酒場に?上の情報屋を脅して聞いた方が早くないか?」
疑問の顔を浮かべながらカリルはバリスに尋ねる。数ヶ月賞金稼ぎを営んでいてもそういう事はまだまだ初心者であり、相棒のバリスも賞金稼ぎの中では少し異質なのでカリルは分からない事だらけなのだ。
「お前・・・・」
言いかけたままバリスは押し黙った。
分からないと直ぐに質問するカリルには時々ウンザリさせられる。
初心者であるカリルと別れれば仕事がどれ程楽に成るのかとボンヤリ考える時がある。
否、考えてばかりだ。だがそれをバリスはしない――カリルは良い奴だし、彼にも何度か
命を救われているから。
「何回言ったら分かるんだ?上より下の方が危険だが見返りは大きいんだよ」
親が子供に優しく怒っている様な声を出しながらバリスはカリルの質問に答えた。
「へぇ」
これまた、そっけない返答だ。
今回もカリルの質問と敵とのイタチゴッコをしなきゃなんねぇのかよ。
2人の男がタバコを吸いながらコルサントの下層部分へと向かっていく。

反乱軍の艦隊の内部では2人の男と1人の女が話し合いをしている。
部屋の内部は粗末な作りだった。
部屋の中央に円卓のテーブルが置いてありそこでデックス、キャメル、フレイが座っている。
そのテーブルの両脇には窓があり、その先には漆黒の宇宙空間が広がっている。
「さて、これからどう動くかが問題だ。俺は身を隠す事を優先してきたつもりだが、俺達に賞金がかかった事によって事態は変わった。身を隠しても欲望に駆られた賞金稼ぎどもが俺達を狙いに来るだろう。そこで大胆に――コルサントを襲撃しようかと考えている」
言い終わったデックスがゆっくりと深呼吸をする。誰1人として口を開かない。
沈黙を破ったのはフレイだった。
「ちょ、ちょっと待てよ。デックスさんよ、本気か?」
まるで冗談だとデックスが答えるのを望んでいるかの様にフレイが言う。
「勿論、本気だ」
自信たっぷりにデックスが答える。
再び沈黙、かと思いきや今度はキャメルが口を開く
「私たちには無理よ、現実を見つめて。私たちには物資が無いし、コルサントに攻撃しようとしても、近づいた途端に帝国の艦隊に逆にやられて終わりよ」
静かだがその声は重みがあった。
「む、確かにそうだな・・・・仕方が無い。とりあえず近くのコロニーでもよるか」
釈然としないようだがデックスも納得する。フレイもとりあえず賛成の様だ。
艦隊はハイパースペースへとジャンプをし、闇に消えていく。

「ふぃ〜。これだけ歩き回って1つも情報が無いってのはおかしいな」
目を閉じ額にしわを寄せながらバリスが言った。
「本当にこの星に来てるのかよ?親父がデマ流したんじゃねぇのか?」
カリルは疲れているのか地面に座り込んでいる。
「仕方無い。知り合いの所行くか」
カリルの話を聞いてか聞かずかバリスは右肩を回しながら言う。
「何処だよ、知り合いの所って?」
「この下」
バリスが地面に指を向けながら面倒臭そうに言った。
「この下って?ここはコルサントの最下層だぞ」
「アホか、更に下があるんだよ。そこには元は人間だったと思われる怪物が巣くい、光は届かない闇の空間だ」
ゆっくりと噛み締める様にバリスが答える。
「そこにお前の知り合いが?」
信じられない、という顔をしながらカリルが聞いた。
「ああ、そこに行けば何か教えてもらえると思う」
タバコを吹かしながらバリスが言い放つ。
「うへぇ〜、ったくやってらんねぇなぁ」
重い腰を上げながら憂鬱そうにカリルが立ち上がる。
今、やっと仕事が始まったのだ。


第五話へ続く


[154] 後で書く 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2006/01/09(月) 14:21 kucTEaLLv6k)

red_leader

>>142の続き

黒い塊は強力な光線を放ってくる。
「気をつ―――」ジェイドが言う前に一人分の呻き声がした。そして何かが倒れる音がした。
ジェイドは光刃を振りかざしながら二体の敵に飛び掛り、足を切り落とす。
ドワーフ・スパイダー・ドロイドは立っていることができなくなり、前に倒れこんだ。
ジェダイの騎士はまず一体目を切りつけ破壊し、最後の一体に青いセーバーを向ける。
ドロイドに哀れみをかける必要は無い。彼は敵の目と目の間に稲妻を突き刺した。
「どうだ?」ジェイドは倒れたトルーパーの近くにしゃがんでいるイータに言った。
「駄目です。即死のようです」
「そうか・・・・・敵討ちはした。急ぐぞ」
三階の階段はすぐ近くにあった。
「幸運だったな」しかし階段の上から物凄い数のドロイドが来る。
ジェダイ達階段に群がる敵をなぎ倒し始め、上に上がっていく。
焦げた機械の兵士の首や胴体が階段を転げ落ちていった。
そろそろ三階だ。さっさと終わらせたい。
三階に着くと彼らはコントロール・ルームを探し始める。
「・・・・・あそこだな」ジェイドは大きな青い扉を指差す。
彼らが扉に近づくと自動的に扉が開いた。ちょうど一体のドロイドと鉢合わせしたのだ。運悪くそのドロイドは真っ二つになった。
「突撃しろ!!!」ここで間違いない。何かを操作する部屋だ。ここを破壊すればいい・・・・。
部屋中が物凄い音で包まれ、何かが爆発する音、何かが倒れる音、レーザーの発射音、ライト・セーバーのうなる音がする。
ジェイドは目の前の敵と機材をひたすら切り、クローン・トルーパー達はブラスターで目標を焦がす。

数十分後、部屋の中の機材は全て破壊され、ドロイド達も同じ運命だった。
「とりあえずここから出るぞ」ジェイドはもう一つの扉を発見した。開けてみると直接外に通じるむき出しになった階段がある。
最初からここから入ればよかったかもしれない。だがどちらにしろこの階段は発見できなかっただろう。
よく見ると階段の下は味方ばかりだ。ここまで進行してきたようだ。
ジェイドを発見したトルーパーが叫んだ。
「マスター・ジェイド、貴方のスター・ファイターをここまで運びました」
「ありがとう。ではイータ、私は空に行く。幸運を」クローン・コマンダーが何か言う前に彼は階段から飛び降り、愛機の空いたコクピットに飛び込んだ。
「コマンダー・ファン、今行く」
“イエッサー”ファンの声だ。イータと全く同じだな。
その時敵機が地上にいる自分の機体に襲い掛かってきた。まずい!!ジェイドは急いで機体を離陸させるが、赤い閃光をかなり浴びてしまった。
自分を撃った敵は味方の砲火にさらされ、火達磨になりながら落ちていく。最悪の事態は免れた・・・・。
“マスター・ジェイド、大丈夫ですか?”ファンのVウイングが近くに寄ってくる。
「なんとかな。だが飛んでいられない。補給地点で修理してくる。」
“分かりました”

続く・・


[155] 小説というよりシナリオのように書きます。 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/01/11(水) 21:34 rcYZOxBQ2I2)

neyo

STARWARS EPISODEZ CLONE OF THE EMPEROR
スターウォーズ エピソードZ 皇帝のクローン

遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・

エンドアの戦いによって第2デス・スターを破壊し、帝国の指導者、皇帝とダース・ヴェイダーも死に、反乱軍は銀河内乱に勝利した。
反乱同盟軍は旧共和国をモデルにした新しい共和国を建ていた。銀河系は旧共和国時代の平和を取り戻していた。
ジェダイ・マスターとなったルーク・スカイウォーカーは、ジェダイの歴史を知る為、2体のドロイドをかつてオビ=ワン・ケノービの暮らしていた家へ向かわせた。
そんなとき、ボサンの情報ネットワークは惑星カミーノでスターデストロイヤーの目撃情報をつかんでいた・・・・


惑星タトゥーインの砂漠

C-3POとR2-D2が歩いている。
3PO:「はあ、もう歩けない。もう2度とここには来たくなかったが、ルーク様の命令じゃ仕方ない。」
R2が短い電子音を返す。
3PO:「タスケン・レイダーやジャワ族がいないか心配だ。タスケンは恐ろしいし、ジャワは気持ち悪い。」
2体はオビ=ワン・ケノービの家の前までやってきた。
3PO:「ここに来たのが昨日のようだ。R2、中に誰かいるか?」
R2が返事をする。
3PO:「誰もいないんだな?じゃあ中に入ろう。」
2体は家の中を捜査する。3POが大きな箱に近づく。
3PO:「なんにもないな。ジェダイ・マスターの家ならライトセイバーの一本ぐらいあったっていいのに。」
R2がドーム型の頭を回転させて電子音を発した。
3PO:「ああ、わかったよ。よし、なんにもないなら早く帰るとしよう。宇宙船まで歩いて帰るぞ。もちろん私の運転だよ。」

惑星コルサント

元老院議事堂。ホールにたくさんのポッドがあり、演説台には議長のモン・モスマ、副官のレイア・オーガナ・ソロ、軍事最高司令官のアクバー提督がいる。

ボサンの代表団のポッドが演説台に向かって浮かび上がる。
ボサン代表:「閣下、我々の情報では惑星カミーノにインペリアル・スターデストロイヤーが数隻目撃されています。」
モスマ:「その情報はいつごろのものですか?」
ボサン代表:「つい先程です閣下。カミーノはご存知の通り、旧共和国、旧帝国のトルーパーを製造した惑星です。他にも兵器開発が行なわれていました。」
アクバー:「それは興味深い情報だ。議長、帝国軍がなにかしようとしています。」
モスマ:「ええ。わかっています。問題はなにをしているかです。」
ナブーの代表団のポッドが降りてきた。
グンガンの議員:「調査団をカミーノに送れば早い事です。」
トワイレックの代表団のポッドが浮かび上がった。
トワイレックの議員:「危険すぎます!しっかりとした情報がありません!数隻のスターデストロイヤーがカミーノ軌道で目撃されただけです!」
レイア:「皆さんご静粛に!議長と提督の意見を聞きましょう。」
モスマ:「難しいですね。ただたんにカミーノの軌道にスターデストロイヤーが通りかかっただけか、とんでもないことを帝国が計画しているのか。」
アクバー:「調査しなければなにもわかりません。なにがあってもうまく対処できる部隊を調査団として派遣すればいいのです。」
トワイレックの議員:「そのような人材に心当たりがあるんですか?」
アクバー:「ええ。まず最初に思い浮かぶのは今、軍代表団のポッドに座っています。」
アクバーが軍代表団のポッドに座るルークとソロを見る。

コルサントのプラットホーム

共和国軍兵士(イメージは反乱同盟軍兵士とほぼ同じ)が<ミレニアム・ファルコン>号に荷物を積んでいる。
ルーク:「まさか、また冒険とは。」
ソロ:「ああ。楽しみだな。な、チューイ。」
チューバッカが唸った。ちょうどその時、一機の宇宙船がプラットホームに着陸する。3POとR2が降りてくる。
3PO:「ルーク様、只今戻りましたです。早速ご報告ですが、マスター・ケノービのお宅にはなにもありませんでした。」
ルーク:「そうか。わかった。じゃあ、もう一仕事してもらおう。今から僕らはカミーノに向かう。同行するんだ。」
3PO:「はい。ほら来るんだR2。」

<ミレニアム・ファルコン>のコックピット

チューバッカと3POがホロ・チェスのゲームをしている。状況は3POが有利。
3PO:「こうやってお前さんとゲームをするのも久しぶりだ。」
チューバッカが吼えた。

ソロ:「ハイパースペースに入る。」
ファルコンがハイパースペースに入った。

>>156 NEXT


[156] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/01/11(水) 21:35 rcYZOxBQ2I2)

neyo

>>155の続き

惑星カミーノのティポカ・シティ

カミーノ人が強制労働をさせられている。シティの上空には数隻のスターデストロイヤーが。ホールに帝国軍人達が集まっている。
士官A:「こんな惑星に呼び出してなにを見せるつもりだね。」
士官B:「私の知った事か。ただ、帝国の秘密研究所がここにあるとか。」
士官A:「銀河中に散らばるスターデストロイヤーの全てに同じ連絡が入った。『帝国を復活させ、共和国軍から銀河を取り戻すチャンスが訪れた。全帝国軍は惑星カミーノにただちに集合せよ。』とね。」
士官B:「ああ、しかもかなりセキュリティーの強いメッセージだった。悪戯ではないだろうね。」
帝国軍の科学者達が集まっている。
科学者:「皆様。ついに帝国の希望の復活です。我々は長い事カミーノにおりました。理由はある偉大な人物のクローンがここにいたからです。それもそのクローンは誕生してから20年以上が経過していた。皆様!どうか驚かないでいただきたい!いまからそのクローン人間の登場です!」
数人のロイヤル・ガードが一人の男とともに現れる。ロイヤル・ガードを見た瞬間その場の全員の顔色が変わる。
科学者:「ご紹介しましょう。シスの暗黒卿、ダース・シディアスという名を持つ銀河帝国皇帝、パルパティーン陛下です。」
誰もしゃべることができない。
皇帝:「諸君に会えてうれしいぞ。」
一同:「・・・・・!」
皇帝:「余は若い。年老いたパルパティーンではない。オリジナルのパルパティーンは帝国台頭時に余を製造した。それからオリジナルのパルパティーンはほとんど余に会わず、余の育成と教育は帝国士官とカミーノアン達によって行なわれた。」
一同は皇帝の話を聞いていた。
皇帝:「銀河内乱、クローン大戦、そしてエンドアでの敗北、すべて聞かされた。余は情けないと考えている。たった少数の同盟軍の艦隊に敗れるなど・・」
皇帝:「これより帝国軍は余が指揮する。カミーノは帝国本部として利用しよう。コルサントが我々の手元に戻るまでだ。また新しい帝国を我々で作り上げようではないか。」

カミーノ軌道

ソロ:「あれがカミーノだ。」
ルーク:「いやな予感がしてきた。」
ソロ:「少し調べて帰るとしよう。」
ルーク:「レーダーに妙なものがあるぞ。カミーノの首都だが、なんだこれは。まるで軍隊の基地みたいだ。戦艦らしき陰もある。」
ソロ:「なんかの間違いだ、カミーノに軍隊はない。」
ルーク:「なんのために僕達が来たのか忘れたのかい?帝国軍の戦艦がカミーノで目撃されてる。もしかしたら・・」
ソロ:「帝国軍がカミーノにデカイ基地を作ってるのか?」
ルーク:「最悪の場合そうなる。」


カミーノの帝国基地

何隻ものスターデストロイヤーが飛んでいる。
士官:「陛下、軌道に貨物船が一隻発見されました。」
皇帝:「共和国のものか?」
士官:「まだわかりませんが。我々の貨物船ではないことは確かです。」
皇帝:「仲間ではないのなら撃ち落せ。」
士官:「了解しました。」

NEXT >>158


[157] (無題) 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/03/01(水) 21:32 VFVb.uH1MjU) [SAGE]

plo

10,敗北

二人のジェダイは、人気が少なくなった酒場で、懸命に作業を続けていた。
「ガノク、次はダークジェダイのと関連性について打ち込んでくれ」
マクーンは隣で集めた情報をデータパッドに入力しているガノクに言った。だが、ジェダイ・マスターは疲れた顔で瞬きを繰り返している。
「どうした?」
「平気だ。少し・・・疲れただけだよ。毎日朝から夜まで弟子の修行につき合わされてるからな」
「無理は良くない。そうだ、一杯どうだ?」
マクーンは持っていた酒をガノクに勧めた。
「いや。私はそういうのが苦手でね。それより、さっさと仕事を終わらせよう。私は戦いじゃ大して役には立てない。ここで自分の勤めを果たさなくては」
ケル・ドアの男はガノクをじっと見つめてから言った。
「やめよう。ダークジェダイと戦う前に過労でくたばってどうする?今日は終わりにしよう」

「マスター・サナ、シュナイブ、さあ、入ってください」
二人は人々に進められるままその店に入った。高級料理店だ。
彼女とシュナイブが乱暴な警備兵を倒したことが光の速さで町中に伝わり、それからと言うものの二人は人々に味見を勧められ、店から店を回る羽目になった。
まあ、こういうのも悪くないけど。
サナは人々に連れられながら心の中でそう思った。
でも、ここにいる人たちがあんたを称えてるのは、あんたのことをよく知らないからでしょ?
心の声が意地悪くそう言い、彼女はため息をついた。
なぜかこの状況を素直に喜ぶことができない。
たぶん、この町に住んでいるような優しい人達と滅多にあったことがないからだろう。
思えば、一人で修行をしていた頃は用心と疑いの毎日だった。常に相手の顔色をうかがいながら人と接してきた気がする。
サナはシュナイブが羨ましかった。優しい人々に囲まれ、何の疑いもなく育ってきたから。
私もこういう環境なら、きっと幸せになれたに違いない。
彼女はそう思わずに入られなかった。それだけに、シュナイブの幸せを奪ったダークジェダイは許せない。

「雨が降ってる。」
マクーンは次々に落ちてくる滴を見てそう言った。
「平気さ。宮殿に帰れば、忠実な召使いが身の回りの世話をしてくれる」
マクーンは鼻を鳴らした。
「家に帰れば、ストレスの創造主である間抜けな弟子が待ってる。」
ガノクは疲れた声でからからと笑ってお別れを言い、去っていった。
彼も歩き出した。
いくつか開いている店があるが、雨が降り続いてるせいで外には誰もいない。
いや・・・・・いる。彼以外の誰かが。長年のスパイとしての経験と、ジェダイの感覚でマクーンは足音が近づいてくるのをはっきりと感じた。
振り切るのは・・・無理だ。だとすれば方法は一つ。
彼は、ゆっくり振り向きながら言った。
「尾行するなら、もっと上手くやるんだな」
彼の目の前には、黒いローブを着た男が立っていた。フードを被っていて、顔が見えないが、おそらく人間だろう。
「ジェダイだろ?あんた。」
男はまだ若さの残る声で言った。
「不気味な格好をして、目的は何だ?」
「あんたの首さ。それを貰いに来た」
男が懐から取り出した銀色の棒から、赤い光刃が顔を出した。
ダークジェダイ・・・。マクーンの背中に緊張が走った。
戦うか、逃げるか、選択肢は二つある。
いや、逃げるだと?今こそ俺の力を証明する時だ。
マクーンは戦うことに決めた。セーバーをベルトからはずし、起動する。青い光刃が現れた。
「後悔するなよ」
降りしきる雨の中でセーバーがぶつかり、戦いは始まった。

情報収集のため町の部品修理屋にいたキップはフォースの微妙な変化に気づいた。何かが起こっている。
「どうかしたのかい、お客さん」
「いや、別に」
キップはそう言って立ち去ろうとした。
「キップさんよ。せいぜい揉め事は避けるんだな」
「何だと?」
「俺はあんたのことを知ってる。惑星の破壊者だ。そんな男がこの国にいると思うと不安で仕方なくてな」
キップは鼻を鳴らした。
「ジェダイはいわくつきの集団でね。訳ありなのは俺だけじゃない。怪しまれる奴らだらけさ」
修理屋の男は意味ありげにキップを見た。
「まあ、なんいせよおかしな真似はよしたほうがいい」
「そりゃ何故だ?」
店主はため息をついた。
「この国に住む奴らはな、銀河対戦で家族や家を失った人々が殆どだ。誰もが帝国や新共和国を憎んでる。あのサイル・ユーエイも、もとは戦争の被害者だった。」
「俺達のことを恐れる必要はないさ。ジェダイは常に正しい側にいる。新共和国でも敵となればお構いなし、だ」
「違うぞ、キップ・デュロンさんよ。俺達は平和でいたいだけだ。敵などはどうでもいいんだよ。ここで争いごとを起こして欲しくないだけだ」

戦いは続いていた。一方的に。マクーンは・・・苦戦していた。
なぜ俺はここまで追い詰められなきゃならないんだ?
彼はジェダイ・アカデミーで必要なことは全て学んだはずなのだ。
だが、それらは目の前の戦いの何の役にも立ってくれない。
マクーンはまたしても振り下ろされた光刃をすれすれで避けた。
敵はさらに攻撃を続けてくる。彼は敵の一手を受けるたびにじりじりと下がり続けた。まったく反撃に移ることができない。
突然、マクーンの体が持ち上がり、勢いよく壁に叩きつけられた。相手がフォースを使ったのだ。
マクーンは仰向けに倒れ、セーバーを落とした。
「つまらないなあ。遊びじゃないんだぜ?」
男はマクーンの傍にしゃがみ、喉にセーバーを突きつけた。
「止めを・・・刺せ。」
「いいとも」
男はセーバーをマクーンの喉――ではなく腕に勢いよく突き刺した。
超高熱で腕の肉が溶かされ、その痛みに彼は思わず悲鳴を上げた。
「ごめん。手が滑っちゃった。雨がひどいからねぇ」
「貴・・・様」
「仲間に伝えろ。今後捜索を続けるなら、この国の人々が死ぬ、とね。」
ダークジェダイはゆっくり立ち上がると、倒れているぼろぼろの敗北者をその場に置き去りにして去っていった。


[158] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/01/11(水) 20:06 rcYZOxBQ2I2)

neyo

カミーノ軌道 <ファルコン>のコックピット

ソロ:「ん?おい、TIEファイターだ!」
ルーク:「交戦するしかない。」
ソロ:「チューイ!砲台に行け!」
チューバッカ:「ルアアアア!」

<ファルコン>にTIEファイターから緑色の光線が当たる。
ソロ:「まずいな。カミーノに逃げ込もう!」
<ファルコン>とTIEがカミーノまでチェイスをする。
ソロ:「よし、まいたぞ!」
<ファルコン>が海上を飛ぶ。
ルーク:「首都からかなり離れてるぞ。」
ソロ:「ああ。今行ったとしても殺されるよ。TIEファイターがいたってことはもう帝国がいることは確実だ。」

ティポカ・シティ

皇帝が大きな回転式の椅子に座ってカミーノの海を眺めている。
士官:「陛下。」
皇帝が椅子を回転させ士官に向く。
士官:「貨物船が逃走しました。TIE隊によればこの惑星に進入したようです。おそらく新共和国の船かと・・」
皇帝:「捜索隊を派遣し、見つけ次第抹殺せよ。カミーノの秘密を知られてはまずい。通信妨害もしておけ。」
士官:「はい。」

<ファルコン>のコックピット

ソロ:「コルサントに連絡をいれた方がいいだろう。帝国が見つかったんだし。」
ルーク:「通信は危険だ。探知されるかもしれない。」
ソロ:「いや、探知される前に別の場所に逃げりゃ大丈夫さ。」
ルーク:「3PO、帝国軍の信号は出てるかい?」
3PO:「はい、『共和国軍の貨物船が進入。見つけ次第抹殺せよ』という信号が先程からしきりに出ています。」
ソロ:「そういうことは早く言え!すぐに移動しよう。」
<ファルコン>がその場を離れる。が、すでにTIEファイターが尾行をしている。
ソロ:「レーダーに妙な影がある。」
ルーク:「つけられてるぞ。」
ソロ:「では気付かないフリをしようか?」
ルーク:「いや、もうそうやってるうちに殺されるさ。発見したら即殺せって命令が出てるんだから。チャンスを探してるんだ。」
ソロ:「ルーク、金ピカ!チューイ、しっかりつかまってろ。」
ルーク:「おい、ちょっ・・・・・・!」
<ファルコン>が急にものすごい速さで飛び始める。TIEパイロットはあわててスピードを上げるが追いつかない。
ソロ:「ほーら、また一機まいた。」
ルーク:「ソロ、前方にスターデストロイヤーだ!」

白い戦艦が<ファルコン>の前方にいる。

スターデストロイヤー司令塔

士官:「艦長、貨物船を発見しました!」
艦長:「よし、すぐに攻撃だ。思いっきり木っ端微塵にしろ。」

<ファルコン>コックピット
ソロ:「まずいな。全速力で突破だ。」
ルーク:「もう遅い!ソロ、おい!」
ソロ:「大丈夫。」
<ファルコン>が猛スピードでスターデストロイヤーの司令塔に向かった。そして司令塔を飛び越える。

スターデストロイヤー司令塔
士官:「艦長!貨物船が!」
艦長:「わかっている。船体をまわせ!」
スターデストロイヤーが必死に船首を<ファルコン>に向けようとするが<ファルコン>はとっくにどこかへ消える。
士官:「見失いました。」
艦長:「糞!」

<ファルコン>コックピット
ソロ:「見ろ!楽勝だったろ?」
3PO:「私は無茶しすぎだと思いますが・・」
ルーク:「3POの言う通りだ。戦艦に飛びこむなんて・・」
ソロ:「だが成功した。終わり良ければ全て良しさ。」
<ファルコン>が突然別方向に動く。
ソロ:「おい、チューイ、どこに動かしてるんだ!」
チューバッカ:「ルアアガアア!」
ソロ:「なにもしてないだと?」
ルーク:「トラクター・ビームだ!見ろ、さっきのスターデストロイヤーだ。」
<ファルコン>はスターデストロイヤーのトラクター・ビームによって捕らえられてしまった。


[159] シスの陰謀 投稿者:バナナ隊長。 RfHMuT0B/Dg (2006/01/15(日) 16:14 9Ttj9zsUkb6)

panaka

遠い昔、遥か彼方の銀河で・・・

銀河は混乱の渦の中にあった。クローン大戦の中、共和国と連合は様々な惑星で戦いを繰り広げ、様々な惑星を破壊している。
一方、ドゥークー伯爵はドロイドの指揮をグリーヴァス将軍に任せ、秘密裏に賞金稼ぎを雇い共和国の重要な人物を暗殺させていた。
また、ティラナスという男に雇われた賞金稼ぎのサン・トッカーとタティー・ワンはコルサントに向かっていた・・・。


第一章・会合地点

飛び交うスピーダーの筋、まるでダイヤの粒を散りばめたようなメガノポリスが輝く惑星―
「・・・コルサントか・・・」
サンとタティーの船<ディスティニー>―マンダルモーターズ社のスターバイパーのプロトタイプだ―しかし、彼らの目的地は光り輝くメガノポリスなどではない。
廃墟となった工場やビルが立ち並ぶ地区、ザ・ワークスだ。
<ディスティニー>は歓楽街を抜けザ・ワークスにある深い溝に入った。50レベルほど下るとプラットホームが見えてきた。そこには二体のドロイドがいる。
<ディスティニー>は静かに着陸した。
ハッチが開き二人が出てくる。背の高いタティーと比較的小柄なサンだ。
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」ドロイドの一体が言った。
ドロイドについていく。暫くするとそこにはターボリフトがあった。
「さあ、乗ってください。」
二人は目を合わせた。ターボリフトに乗らなければならないほど遠いのか?
「目的地はどこだ?」タティーが尋ねる。その眉間にはしわがより、疑り深い目でドロイドを見ている。
「ここから40レベルほど下の廃墟です。」
「ここから40レベルだと?まだそんな下るのか・・・。」疲れたような顔をしながらサンはため息をついた。
二人の乗ったターボリフトはデュラスチールのきしむ様な音をたてながら下っていく。
一分もしないうちにターボリフトは急停止した。
「目的地です。」
二人が降りるとそこには異様な世界が広がっていた。
壁に張り巡らされている配管。滴り落ちる水滴。そして謎の装置。
「これは何だ?」タティーと同じ顔でサンが尋ねる。
「ハイパーウェーブ通信装置です。」
「なるほど。これで任務内容を聞くってわけか。」
その装置は不思議な電子音を立て始め、次第に人の姿が見え始めた。
“良くきてくれた。トッカー君、ワン君。私がティラナスだ。今後ともよろしく頼むよ”
「そんなことはいい。任務内容は?」
“まあそう焦るな。私が始末してほしいのはこの男だ。”
するとハイパーウェーブ通信装置からもう一つのホログラムが出てきた。エイリアンの顔だ。
“オム・カイン。クローンの技術者だ。ナブーにいる。”
「カミーノアンがナブーに?」タティーが尋ねる。
“ああ。新技術の研究だとか。”
「カミーノアンなんてしょぼいな。賞金はいくらだ?」
“現金で2万だ。だが護衛に囲まれて・・・”
「そんなの全員まとめてぶっ飛ばしてやるよ!」
“護衛は・・・クローン大隊だ。”
「クローン・・・大隊だと?一個大隊を全滅させろというのか?」
“いや、そうではない。クローンをうまく出し抜いてカインだけ殺せばいいのだ。”
「それで2万か・・・。どうする?」タティーはサンに向かって言った。
「のったぜ!・・・と言いたいところだがねぇ〜。前金で1万だ。」
“いいだろう。前金は1万。任務完了で2万だ。これで満足だろう。”
「こんどこそ乗ったぜ。」
そこでティラナスのホロは消えた。
「前金の1万です。」ドロイドのアームが伸びタティーに金を渡した。
またターボリフトに乗りプラットホームに向かった。
「あの程度の任務で3万か・・・何かありそうだな。」
「まあ言われてみればそうだけどさぁ。やばくなったら逃げりゃいいんだよ。」
「まあそうだが。」
プラットホームに着くとそこにはドロイドの姿は無かった。代わりにいたのは白い装甲服を着た兵士―クローントルーパーだった。
「おい!いたぞ!捕まえろ。」クローン達はDC−15を向けてきた。
「へっ、いきなりか。ちゃっちゃと倒してやるぜ。」
サンはブラスターのホルダーに手を伸ばした。
・・・ない!ない!まさか・・・。
「ピストルをおいてきた。逃げるぞタティー。ターボリフトに走れ!」
二人は嵐のようなレーザーを避けながらターボリフトに飛び込んだ。
だが、ドロイドはすでに木っ端微塵になっている。
「急いで動かせ!」
タティーは急いでターボリフトを起動した。
「一番上まで上れ!早く」
ターボリフトは急発進した。デュラスチールがきしむような音がひどくなる。いや、実際にきしんでいるのだ!
中央の甲板が徐々に曲がり始り、裂け始めた。
あと一歩でターボリフトがまっぷたつになるという所で最上階に着いた―とは言ってもここが一階である。
すでに外では<ディスティニー>が来ていた。サンがリモートコントロールで呼んだのである。
<ディスティニー>に乗り込もうとした瞬間、行く手を阻ようにガンシップが現れた。
パイロットは二人の存在に気づいたが、攻撃はしてこない。ここでガンシップがキャノンを撃てばここ一帯は瓦礫の山となるからだ。
ガンシップのハッチが開き、クローンが攻撃してくる。
二人にレーザーの嵐が降りかかるが、間一髪で避けきり、船に飛び乗った。
ハイパースペースに入ればとりあえず安全。だが、そこまでが大変なのだ。
ここからシスの新たな陰謀が始まっていく。     
―続く―

誰か・・・感想ください・・・


[162] (無題) 投稿者:バナナ隊長。 RfHMuT0B/Dg (2006/01/16(月) 21:22 Kbz.KLIJ9Qg)

panaka

>>159の続き

第二章・突破

<ディスティニー>は急発進した。ガンシップもあとを追う。
ザ・ワークスを抜けるとすぐにトンネルがある。ヴァーズ地下トンネルだ。
そこに入ればとりあえず後ろのうっとうしいハエはまくことができる。
ヴァーズトンネルはならず者の溜まり場なのである。
トンネルの入り口が見えてきた。<ディスティニー>が急降下してトンネルに入いる
ガンシップもあとに続いたが、このトンネルが「あの」トンネルだということには気づいていないようだ。
トンネルの中にはスピーダーの姿は無く、静かだった。
<ディスティニー>とガンシップのエンジン音がトンネル内に響く。
「一気にサク地区まで抜けるぞ。つかまれ!」サンがそう言うと同時に<ディスティニー>は一気に加速した。
ガンシップもあとを追ってきたがレーザーは撃って来ない。少なくとも一瞬はそう思った。
ガンシップはミサイルを撃って来たのだ。しかもただのミサイルではない。ホーミングミサイルだ。
「まずい!ロックオンされたか!」サンはレーダーを見ながらそう言った。
<ディスティニー>の抵抗むなしくミサイルとの距離はどんどん縮まっていく。
ミサイルが命中しかけた瞬間、<ディスティニー>はスピーダーの列に飛び込んだ。
そう、<ディスティニー>はザ・ワークスを抜けたのである。
ミサイルの誘導装置はいきなり沢山のスピーダーが出てきたことに混乱してトンネル壁に突っ込んだ。
ガンシップも列に飛び込む。
するとガンシップの存在に気付いたならず者達がキャノンをガンシップに向けた。
「歓迎されていないようだな。」トルーパーの一人が呟く。と、同時にドス黒い閃光がガンシップを貫いた。
ガンシップは船体をトンネルの床に引きずりながら、しかしどうにか飛んでいる。
ドス黒い閃光が再びガンシップを貫き、ガンシップを破壊した。
「あんな色のレーザー見たことが無いぞ。」タティーが燃えたガンシップを見ながら言う。
確かに、黒いレーザーは珍しい、というよりか「公式」では存在しない。
だが、ふたりにはそんなことを気にしている暇が無かった。出口が封鎖されいる可能性があるからである。
するとタティーはレーダーを見るとなにかに気付いたかのように通信装置をつけた。
周波数を変えると「コルサント衛星ニュース」が聞こえてくる。
“たった今、新たなニュースが入ってきました。なんと、このコルサントで暴動が起きました”
「俺たちのことか。」
“情報によれば容疑者は二人、小型の戦闘機に乗ってヴァーズトンネルをサク地区に逃走している模様です。しかし安心してください。トンネルはもう封鎖されています。”
「袋のねずみとでも言いたいのか?はん、そんな簡単に捕まるほどこっちは馬鹿じゃないぜ!」
サンはスピーカーに向かって叫んだ。しかし顔は焦っているように見える。
「いい策はは無い様だな。サン。」タティーがあきれた様に言う。しかしタティーの表情はすぐに変わった。
「だが、俺にはある。」タティーの口元はニヤついている。
「サン、一番近くの換気口を抜けろ!そしたらそのまま宇宙空間に出ろ。最高速でだ!そうしないと俺たちもさっきのガンシップみたいになっちまうぞ」
「お、おう。」サンは操縦桿を握り締めて言った。
直後に<ディスティニー>は天井から光が漏れているところに飛び込んだ。<ディスティー>がやっと入る大きさである。
金網を突き破るとビルの隙間に出た。遥か上にはスカイレーンが見える。
「うぐっ、すごいGだな。」サンがひきつった顔で言う。だがその手はしっかりと操縦桿を握っている。
「今のうちにハイパードライブの計算をしろ。目的地は二モーディアだ。」タティーは平常心を保ちながら言う。
「了解、艦長。」サンはムスっとした顔で言った。まあ確かにこの船の艦長はタティーだ。
雲を抜けるとレーダーに新たな機影が見える。
「後方に機影を確認、スピードを上げるぞ。」
「駄目だ。見ろ、エンジンが過熱している。宇宙船の列に入って回避しろ。」
「・・・イエッサー。」サンはため息をついて言った。
一方ARCは徐々に<ディスティニー>へと近く。
「敵機に近づいてきたぞ。Sフォイル戦闘配置!敵をポイントBT-11に誘導するんだ!」赤いヘルメットのクローンパイロットが仲間に命令する。
「了解、ブラストリーダー。奴の右側に回りこみます。」
一機のARCが編隊を離れるとスピードを上げて<ディスティニー>の右側に回った。
「まずいな、挟まれる前に回避しろ。そうだここがいい。」
タティーが指差した所。それは「ポイントBT-11」である。
二人がレーダーに気を取られているうちに<ディスティニー>は大気圏の外に出た。
コックピットの向こう側にあるのは無数に輝く星、コルサントの月、そしてくさび型の巨大な戦艦・ヴェネター級スターデストロイヤー。罠にはまったのだ。
サンは急いで舵をきろうとする。だが、遅い。トラクタービームだ。
「まずいな。」タティーが困った顔をして呟く。
「ああ、非常にまずい。」サンも同じ顔で呟く。
<ディスティニー>はものすごいスピードでスターデストイヤーに引き込まれていく。
スターデストロイヤーにドッキングベイが目の前に迫るとタティーはニヤリとしてコックピットの赤いボタンを押す。
すると船体からミサイルが発射され、大きな箱を破壊する。そう、トラクタービーム発射装置の入った箱を。
<ディスティニー>の船体は大きく揺れる。
「トラクタービーム解除!パワー最大、目的地二モーディア、ハイパードライブにジャンプする!」
次の瞬間<ディスティニー>は漆黒の闇に消え去った。

ヴェネター級スターデストロイヤー艦上

「将軍、奴らに逃げられました。現在追跡中です。」ヘルメットを取ったクローンコマンダーが言った。
「そうか。くれぐれも気を付けろ。シディアスと繋がっているかもしれんからな。」
「イエッサー」

>>162


[164] (無題) 投稿者:・クライド 9dN18uy/K8E [Web] (2006/01/19(木) 21:35 Q/WRWskklJA)

zev

「反撃の号砲」

反乱軍は帝国支配の中で抵抗を続けていたが、帝国軍の大艦隊を相手に多大な犠牲が出ることを避けられなかった。しかし、反乱軍はモン・カラマリの協力を得ることを成功。ついに帝国軍と互角に戦える戦力を手に入れたのである。


第1章「奇襲と罠」

カラマリ・クルーザー<ガードナー>は暗黒の宇宙を進んでいた。そのクルーザーの司令室に1人の男が立っている。この男が今回クルーザーの指揮を執るサナー・ヴォル。元帝国軍人でスター・デストロイヤーの仕組みを熟知していた。
そのサナーの元に兵士がやってきて言った。
「将軍、ガドゥワンに間もなく到着します」
「そうか・・・」
サナーは表情も変えずに答えた。
今回の任務は惑星ガドゥワン軌道上に存在する小型の帝国軍宇宙ステーションを破壊することである。敵の戦力は少なく、カラマリ・クルーザーの能力をもってすれば簡単な任務だった。
今度は無線機から声がした。
「敵を確認しました。敵にも発見されたと思われます」
事実、司令室の窓からも宇宙ステーションが確認できた。サナーが指示をだす。
「シールドアップ、総員戦闘配置。皆頼んだぞ」
クルーザーがステーションに接近する。敵の対空砲火が<ガードナー>に降ってきた。しかしシールドは問題なさそうだ。
「一斉射撃!撃て!」
サナーの指示通り、<ガードナー>の砲台が火を噴く。巨大な筒から光の矢が放たれ、ステーションの壁を切り裂き、炎に変わる。
「敵シールド消失!砲台破壊!」
順調である。『夕飯までには帰れそうだな・・・』サナーが安心したときだった。
「敵艦をNB8区に発見!スター・デストロイヤーが4機です!」
「・・・なんでこうトラブルに巻き込まれるんだ・・・」
サナーはため息混じりにつぶやいた。


[165] (無題) 投稿者:時空管理人(ゼイド・ソロ) n.pzfFnoesw (2006/01/18(水) 19:31 fFpeOsvuU4M)

alderaan

下手で申し訳ない 賞金稼ぎの話

第一章 始まり
タトゥイーンの酒場でボバは待っていた。ボバはこの一年程、賞金稼ぎ達を集め、
レジスタンスグループを作っている、しかし、敵に毎回と言える程見つかり、
攻撃されている、今度こそ成功させる思いを胸に仲間を待っていたのだった。
それからしばらくすると仲間の賞金稼ぎ達が到着した。
集まった仲間は昔、共に戦った戦友だった。今も強い力を持っている賞金稼ぎだ
そこで話が始まった。ボバが話し始めた。
「まず新共和国軍についてだ」
と言うと、みなが一斉に喋り始めた
「奴らは敵だ」と旧知の仲の
「敵は強大だ。新共和国軍は強く賢い、簡単には倒せない」と仲間が言った
「我々で倒す作戦を立てる。帝国軍残党と手を組んで戦う」とボバは言ったが
「反対だ、帝国軍は壊滅寸前、助けなど求められない」と反論も出る
「賛成だ、早速残党達が居るコルサントに行くぞ、だがコルサントは陥落寸前だ」と賛成の声も聞こえる
「危険は覚悟で味方を送って貰うしか無いな」と言った瞬間、
レーザービームが飛んで来たのだった
「落ち着け〜応戦しろ」とボバは言うが市民も多く戦えない。
みんなは応戦準備に入ったが新共和国軍は多過ぎた。ボバも数人倒したが、これだけの人数ではどうしようもない
「仕方無い、逃げるぞ」と言い、空港に行った。しかし事態は深刻であった。
新共和国軍に宇宙船が破壊されていたのだ。柱の影からまた敵が現れた。
レーザーダーツが飛んで来て仲間の賞金稼ぎやが次々と死んで行く・・・ 
ボバはかん一発逃げて身を隠した。(また失敗か)と思いながら過去を振り返っていた。
前回も作戦がばれて仲間が死に、自分自身も死にそうになったのだった。
これからまた逃亡しなければならないな・・・
と思いながらタトゥイーンの情報ブローカーカイルの所へ行った。
「ボバ久しぶりだな」
と昔と変わらず声をかけてきた
「ああ、久しぶりだな、話がある」
私は話そうとした、しかし
「何で行方不明になってたんだ?探したんだぞ」
といわれた。口が裂けてもカークーンに食われたとは言えないのでボバは返答に困り果てた
「ああちょっと色々あってな、で話の続きだ」
「わかった。で話とはなんだ?」
と聞かれたのでかいつまんで話した
「新共和国軍に攻撃されて味方を失っちまった、この惑星を去りたいんだが
、宇宙港には新共和国軍が来ているし、逃げれないんだ」
「それは困ったな、新共和国軍にはお手上げだ無理に逃げれば殺されるしな、
ただし方法はあるぞタトゥイーンの隠し宇宙港がある、そこで宇宙船を買え」
「カターンありがとな、じゃあお礼だ」
と俺は言い、1000クレジット渡したのだった・・・・


[166] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/04/29(土) 15:42 SVfFG6GPVhw)

polis_massan

『原点に返って楽しむリレー小説(短編集)』第二章『自由の騎士』(http://www.starwars.jp/forum/bbs3/bbs.cgi?id=2005120401;st=50;en=81)番外編
データベースはこちら
http://www.starwars.jp/forum/bbs3/bbs.cgi?id=2006042600;target=19

CHAPTER1

アウターリムに表面の半分以上が陸地に覆われた惑星があった。その名は惑星ティファン。
この惑星にある不気味な古城の中の広いホールの壁際で、企業同盟に加わっているクーリヴァーの事業家の1人であるウォフ・ドゥールが、四角い大きなタイルが敷き詰められた壁を背に、天井のシャンデリアに照らされたホログラム投影機を見ながら、悠々とブランデーを飲んでいた。その投影機には古城の外の戦場でドロイド軍がクローン軍を圧倒している様子が映し出されていた。
「どうやらジェダイ共が音を上げるのも時間の問題のようだな。」

その頃、そのホールの天井裏でうごめく数人の人影があった。先頭にいるのは仲間から「自由の騎士」と呼ばれているウロスという名前のジェダイ・ナイト、そしてその後ろにいるのはファルという名のクローンコマンダーと数名の彼の部下だった。突然、ウロスは立ち止まると、足もとにぴったりと耳を当てた。
「この辺かな?」
そう言うと彼はライトセーバーで人間の親指ほどの穴を作り、そこから下の部屋をのぞき込んだ。
「間違いない。この部屋だ。」
そう言うと、今度は後ろにいるコマンダーファルとクローン・トルーパー達の方に向き直った。
「いいか?もう一度作戦を確認するぞ。まず、俺が俺の周りに穴を開けて下におり、すぐにおまえ達がその穴から降りてきて俺と共に護衛を倒し、ウォフの身柄を確保した後ドロイドコントロール装置を使ってこの惑星にある全てのバトルドロイドに停止命令を出すんだ。」
「イエッサー。」
ウロスはトルーパー達が頷くのを確認すると早速ライトセーバーで自分の周りに円を描いて下の部屋に降り、すぐにトルーパー達が後から降りていってドロイドの攻撃に備えて身構えた。ところが、彼らの周りにあったのは一面に五十センチ四方ほどの四角いタイルが敷き詰められた壁と天井からつり下げられたシャンデリア、そして外の様子を映し出しているホログラム投影機と壁にぴったりと張り付いている頑丈そうな椅子、そして突然の襲撃に度肝を抜かれているクーリヴァーだけだった。
「ウォ、ウォフ・ドゥール、あなたを逮捕しに来た。」
ウロスがそう言うと、すでに気を取り直したウォフは落ち着いた口調で
「まあまあ、そうあせるな。さぞかし外は寒かっただろう。今暖かくしてあげるよ、黒こげになるほどにね。」
と言い、椅子の肘掛けに取り付けてあるボタンを押した。すると彼の後ろの壁にある無数のタイルが半分に割れてブラスターライフルを持ったバトルドロイドの腕のようなロボットアームが現れた。
「撃て。」
ウォフの言葉と共に無数の機械の腕はブラスターライフルをウロス達の方に向け、それらのブラスターライフルが一斉に火を吐いた。
「ドドドドドド・・・」
「ははははは。さらばだ、ジェダイよ。」
ウォフは壁にぴったりとくっついている自分の椅子の所以外のホール内の空間全体を今にもブラスターライフルの赤い光が埋め尽くし、目の前のジェダイとその後ろにいる4,5人のクローンが細かい肉片になるのを確信した。しかし、彼の期待とは裏腹にウロスはブラスターの弾をライトセーバーで全て偏光し、跳ね返ってきた弾が当たったロボットアームが1本、また1本と破壊されていった。そしてロボットアームが半分ほどになった頃、ウロスが1瞬の隙を見てウォフをフォースで引っ張り、もの凄い力で引っ張られたウォフは前につんのめってウロスの2,3メートル前、ちょうどシャンデリアの真下辺りにうつぶせに倒れた。すると、ロボットアームは安全のためにウォフが射程範囲内にいる間は攻撃できないようにプログラムされていたらしく直ちに攻撃の手を止めた。それを見たウロスはウォフが動けないようにライトセーバーの刃を突きつけ、ファルの方を向くと
「コマンダー・ファル、椅子のドロイドコントロール装置を使ってここの全てのセキュリティシステムとドロイド軍に停止シグナルを出すんだ。」
「イエッサー。」
命令を受けたコマンダーはすぐにウォフの椅子の所に向かうと肘掛けに埋め込んであるコントロールパネルを操作し始めた。
「ウロス将軍、どうやら停止シグナルを出すためにはパスワードを入力しないといけないようです。」
それを聞いたウロスはウォフにライトセーバーの刃をオゾンのにおいが嗅げそうなほど近づけた。
「停止シグナルを出すためのパスワードを言うんだ。」
「パ、パスワードは・・・」
その時、クローン達のヘルメットに内蔵されている元老院議長専用のコムリンクを通して彼らのヘルメットの中に“パルパティーン元老院議長”の声が響き渡った。
『オーダー66を実行せよ。』

CHAPTER2(>>183)に続く


[167] ここらへんは重要 投稿者:バナナ隊長。 RfHMuT0B/Dg (2006/01/20(金) 14:55 SBJoXu26CQc)

panaka

>>162の続き

第三章・目的地

<ディスティニー>コックピット内ではタティーが賞金の確認をしている。
サンはそんなことは気にしていないかのようにリクナイニングシートでくつろいでいる。
袋には前金の一万と二枚のホロカードが入っていた。
カードの一枚はオム・カインの賞金情報が記されている。
もう一枚は―
「メッセージカードだ。」タティーがそう言うとサンは驚いたように飛び起きた。
そしてタティーの手からカードを取り上げカードに付いているボタンを押した。そこに写されたのはあの男。
“君たちがこのメッセージを再生しているということは共和国から逃げることに成功したということだな。”
二人は黙ったまま無表情でホログラムを見つめている。
“彼らから逃げることに成功するとは素晴らしいな。君達には才能がありそうだ。この任務も必ずうまくいくだろう。この任務が終わったらコーヴァスに来てくれ。そこの中で最大の貿易港のパイプラインをたどった所が「ランデヴー」だ。”
サンは無表情のままホログラムを見ていたが、タティーの眉間にはしわが寄っていた。
“それと、カインはナブーの湖水地域にいる。”
そこでホログラムは消え、爆発音とともにカードが壊れる。
「だとよタティー。ん、どうしたんだ?」眉間にしわを寄せたタティーをみてサンが聞く。
「なぜあのティラナスという男は俺達が共和国に追われることを知っていたんだ?」タティーは口のひげを指でなぞりながら言う。いつもの疑り深い目で。
「まあ確かにな。でもそんなこといいじゃないか。賞金稼ぎは賞金がもらえればそれでいいんだ。」サンはそう言うと壊れたメッセージカードをダストシュートに捨ててリクナイニングシートに座った。
「まあ、あと二時間くらいあるんだから仮眠でもとっておこうぜ。」サンはそのまま目をつぶる。
“まあ気のせいか”タティーもシートに座って眠りについた。


バグダの産地として有名なタイフェラ。
その軌道上では数十隻からなる連合艦隊が静止している。
そしてその旗艦<インヴィジブル・ハンド>の大きく突き出た監視タワーの最上階では秘密の通信が行われていた。
そこに居るのは「ティラナス」とドロイドの将軍・グリーヴァス、そして鼻までフードを被った謎の男のホログラム。
「お待たせいたしました、シディアス卿。“例”の準備が出来ました。すぐにでも出撃できます。」グリーヴァスが仮面の奥の目でホログラムを見つめながら言う。
“ご苦労だった将軍。だが、焦る必要はない。じっくりチャンスを待つのだ。”シディアスと言う男はゆっくりと不気味な声で言った。
「では、どうすれば?」ティラナスがグリーヴァスの前に出て言う。
“ハイディアン・ウェイとパーレミアン・トレードルート。この周辺でちょっとした騒ぎを起こすのだ。”シディアスの口元だけが不気味に動く。
「騒ぎとは?」ティラナスがさらに聞く。
“戦艦4、5隻でスペース・ステーションを襲って食料と燃料をうばうのだ。コルサントの反対側に防御を集中させるために。”
「と、なると優秀な司令官が必要ですね。私以外で。」枯れた声でグリーヴァスが言う。
「それなら私が手配しましょう。優秀な人材が居ます。」
“よろしい。ではコルサントで会おう。”
「わかっています、卿。」ティラナスとグリーヴァスは同時に言った。
青いホロが消え、二人は出口に向かって歩き始める。その先にいるのはマグナガード。
「しかし伯爵、優秀な人材とは?」グリーヴァスはデュラニウム製の体をきしませながら聞いた。
そこでティラナスは立ち止りポケットからホロカードを二枚、おもむろに取り出す。
「これだ。」二枚のホロカードがサンとタティーの顔を映し出した。
「サン・トッカーとタティー・ワン。賞金稼ぎだ。」ホロが消える。
「賞金稼ぎ?」グリーヴァスは仮面の下で目を細めた。賞金稼ぎは今までに何度も雇ったが大抵は雑魚だ。何度もしくじっている。まだやるつもりか?
「だが、彼らは違う。二人居れば君に勝るとも劣らないぞ?」ティラナスは自信ありげに言う。
「では、心配ないですな。ゴホッ」グリーヴァスは最後に咳き込んだ。
「君はここで待っていろ。」ティラナスはグリーヴァスの肩に手をおいてその場を去る。
「どちらへ?」グリーヴァスはさらに目を細めて尋ねる。
「コーヴァスだ。そこで彼らと会う。」
ティラナスが光の中に消える。グリーヴァスは焦っていた。
「私よりも強いというのか。是非見てみたいな。」グリーヴァスは仮面の中でニンマリと笑う。
グリーヴァスもその場から去る。
「伯爵、今からコーヴァスへ行くとなるとハイパーレーンは使えないので一週間はかかりますよ。」格納庫の片隅で四本足のドロイドが言った。
「いいのだよ。“彼ら”もそのくらいかかる。どんなに早くても。」ティラナスが船に乗り込みながら言う。
その船の名は<グレイト・スピード>。クラス0,3の高速艇でティラナスのお気に入りの船でもある。伯爵のもう一つのお気に入りソーラーセーラーとは違う、角ばった形だ。
<グレイト・スピード>の船内。外見とは違いコックピットは流線型のとても優雅なデザインだった。それもそのはず、このデザインはティラナスが直接ジオノージアンに注文したのだ。
そのジオノージアンの名は―
<グレイト・スピード>が格納庫から出てハイパースペースへと消え去る。
グリーヴァスはブリッジからそれを見ていた。
サン、タティー。一体どんな男なのか。それを考えるとうずうずしてたまらない。戦ってみたい。
「サン・トッカー、タティー・ワン。彼らのことについて調べろ。今すぐだ。」グリーヴァスが近くのドロイドを睨みながら言う。
「ラ、ラジャラジャ」そのドロイドは不器用に言った。


“パラーアジャー、もうすぐ目的地です。ピガシャ、ダラキャ、ニモー・ディ、アア”
<ディスティニー>のメインコンピュータが奇怪な電子音をたてながら言う。
「う、ふぁ〜。もう着くのか。それにしてもこいつはポンコツだな。」サンはそう言うとコンピュータを思いっきり叩いた。
“アガー、目的地に接近。ハイパースペースから亜光速ドライブに変換。”
コレリアン・ウェイとハイディアン・ウェイの間、つまりザ・スライスにあるニモーディアが近づいてくる。
「さ〜て、ちゃっちゃと着陸して・・・」
「待った。停止しろ。」サンを遮るようにしてタティーが言う。
サンは急いでレバーを引いた。<ディスティニー>は大きく揺れ、急停止する。
「二モーディアには着陸しない。向かうのはタルムだ。」タティーがハイパードライブ計算装置を操作しながら言う。
「タルム?ここから5パーセクはあるぞ。」サンは驚いたように言ったが、顔は違う。「知ってたさ」とでも言わんばかりの顔だ。
「わかってるだろ?タルムには奴が居る。」
奴―ジェオン・シオス。元設計士で、今はタルムで貨物船の貸し出しを行っている。
<ディスティニー>は再びハイパースペースへ消え去った。

コレリアン・ランにある惑星・タルムは北半球と東半球で環境が大きく違う。
北半球は乾ききった荒野が広がっている。地底にはティバナ・ガスが豊富にあり、採取工場がぽつぽつとあるだけのさびしい地域だ。
一方北半球は温暖な気候で森林や山脈、都市が広がる賑やかな地域である。
さらにこの惑星はコルサントから7パーセクの距離にあるが“裏道”を使えば数分で着くため違法業者の巣窟と化している。

<ディスティニー>がハイパースペースにいたのはほんの数分である。
<ディスティニー>は再びハイパースペースからリアルスペースへと戻った。
前方に見えるのは惑星タルムの乾ききった地表。すなわち北半球だ。
「5秒で大気圏に突入する。目的地は―」そういっている間に目的地が見えてきた。
北半球唯一の都市、ガーターだ。この都市は一つの建物で出来て、横幅は数十キロ、縦幅は数キロ、今でも“増殖”し続けている。
「しばらくこないうちにまた建物が増えたな〜。」サンが横に大きく突き出た部分―とは言っても1キロはある―をみて関心したように言う。
<ディスティニー>が向かうのは都市の西側のへこんだ部分にあるプラットフォーム。そこに居たのはトゥイレックの美女一人だけだった。

よろしければ感想を・・・
>>167


[168] (無題) 投稿者:苦沙弥先生(8月31日の神) cL2lcBtc..M (2006/01/19(木) 21:43 1z9zSvMo/Aw)

bail

>>138の続き
チエルとガールウェンルは技術班情報部に入った。
「ここがお前たちの仕事場だ。」
情報部の部屋はとても広く、レーダー、実物大ホログラム映像受信機などの最新式の兵器が並んでいた。2人の仕事は暗号文の報告だった。
暗号といっても、すでに解読されているので、それほど難しい仕事ではなかった。
「明日、訓練がある。この仕事は非常に重要だ。1秒でも早く報告するんだ分かったな。」
「はい。中尉」
ルネーベッツらはこの船で最も人数の多い部、戦闘機部隊に入った。
「戦闘機部隊は最も危険な仕事である。だが最も重要な仕事でもある。イルパー、ターボレーザーで敵機を撃墜できる確立は何%だ?」
「47・4パーセントです。」
「その通り!しかし、それは5年前の統計である。最近の戦闘は・・反乱軍の改造されたxウイングなどにターボレーザーを当てるのは難しい。しかし、戦闘機は可能だ。たとえエクゼキューターが攻撃を受けても戦闘機部隊がある限り、破壊されることはない。では、帝国のため、エクゼキューターのために毎日実戦に備えて訓練するのだ。」
「はい。」


[169] (無題) 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/03/01(水) 21:11 VFVb.uH1MjU) [SAGE]

plo

11、後悔

雨はとっくに止み、惑星クリムルは朝を迎えていた。
といってもまだ日は浅く、宮殿を中心に栄えているテムエラ国にも人影は殆どない。
だが、ジェダイ達は違った。シュナイブ・ユーエイは彼の師、キップ・デュロンと共に朝早くから草原で修行に励んでいた。今日の修行はライトセーバーの訓練、体力づくり、フォースのコントロール、瞑想、etc・・・。とにかくやるコトだらけだ。だが、今は彼にとって一番充実している時でもある。
二人は休みなく修行し、あっという間に日が昇った。
「よし、終わりだ」
キップは疲れで仰向けに倒れているシュナイブに言った。
「マスター・・・今日は・・・俺、どうでした?期待に・・・応えられましたか?」
「俺に期待を抱かせたことが一度でもあったか?」
キップは呆れた顔で言った。
「・・・・ないですね。」

家のインターホンが鳴り、サナが玄関に向かうと、そこにはローディアンの男が立っていた。格好からして、宮殿らしい。
「初めまして。わたくしはセスタ・タウル。セルダ様の執事でございます。」
「あの・・・どんな御用ですか?」
突然の訪問に驚きながら、彼女は尋ねた。
「シュナイブ・ユーエイとあなた様が町の悪党を退治してくれたと聞きまして、これをお礼にと・・・」
ローディアンはそう言い、彼女に綺麗にパッケージされた包みを渡した。
「これは何です?」
「わが国で造られている特注の酒ですよ。是非皆さんでご賞味ください」
セスタはその後特に変わった話もせず、さっさと帰っていった。

キップとシュナイブは荷物をまとめ、話をしながらサイルの家に向かった。シュナイブは、ウェクが驚くほど強くなったこと、サナとシュナイブが町の人気者になったこと、店から店を回ったことなどを話した。
もちろん、キップにとってはどの話も悪いものばかりだ。
賭けに勝てる確立が減り、自分が骨折り損の情報収集をしている間に,何もしてない仲間がヒーロー扱いされるなど、聞いていて面白いはずがない。キップは鼻を鳴らした。
「まったく、この国はどうなってる?少女一人をチンピラから救っただけで英雄とはな!それなら俺は――」
シュナイブが突然叫んだ。
「マスター!誰か倒れてますよ!」
「なんだと?」
二人はその場に駆け寄り、思わず驚きの声を上げた。
「これは・・・マクーンじゃないか!!」
目の前のケル・ドアはひどい状態だった。茶色の服は泥だらけな上、あちこち破れており、さながら物乞いのような格好だった。
キップが抱きかかえるとマクーンは目が覚めたらしく、微かに首を動かした。
「キップ――ダーク――ジェ・・・ダイ」
「何だ?よく聞こえないぞ!?」
「家の中に運びましょう」
二人は、マクーンを抱え、家の中に入っていった。

話し声が聞こえ、彼は目を覚ました。
「マスター!よかった。目覚めましたか」
うれしそうに叫んでいるのは、彼の弟子、シュナイブだった。その隣にはキップとサナもいる。マクーンはベッドの上でなんとか体を起こした。
「俺は・・・」
「家の前に倒れてた。昨日何があったんだ?」
急に記憶が戻り、マクーンは話し出した。
「・・・ガノクと情報の整理をした後に・・・ダークジェダイと戦って――」
「負けたんだな」
キップがうんざりしたように言った。
「すまん。俺は・・・一人で倒せるかと・・・」
「まったく、身の程知らずもいい加減にしろ。素直に俺を呼べばよかったんだ。」
キップの言葉は、ブラスターで撃たれたような痛みをもたらしたが、彼は何とかそれをこらえて言った。
「俺は・・・強がってたんだ。君とサナが戦ったのを見て以来、俺は自分がどれほど弱い存在かを知った。だが、それを認めたくは無かった。俺だってジェダイ騎士だ。ダークジェダイごときに負けるはずはないと、何の証拠も無いのに・・・自分を納得させてた。俺は――」
「もういい」
キップは話をさえぎり、きびすを返してドアに向かった。
「どこに行く?」
「ダークジェダイを探して、斬る」
「駄目だ!奴は俺にこう言ってきた。捜索を続ければ、この国の人々が死ぬと・・・。」
キップは鼻を鳴らして言った。
「そんな脅しで身を引くなら、ジェダイなんてやめるんだな」
キップは背を向けて出て行き、マクーンはうつむいた。サナもシュナイブもどう声をかけたらいいのか分からないような顔をしている。
「なあ・・・二人とも、出てってくれないか。一人になりたい」
「マクーン・・・あの、バクタ・タンクの準備ができたら呼びに来るから」
サナはそう言い、弟子を連れて部屋を出て行った。

キップはテムエラ国に着き、単身ダークジェダイ捜索を始めた。このチャンスを逃すわけにはいかない。彼にはある確信があった。ダークジェダイがマクーンと戦ったのなら、まだフォースの痕跡が残っているはずだ。キップはそう思いながら注意深く歩き続けた。俺はマクーンとは違う。彼のようなへまはしない。
町を二時間ほど歩き続け、やがて人の少ない通りで足を止めた。
邪悪なフォースがそこにわずかに残っているのを感じたからだ。ここだ。ここで争いがあったに違いない。
「キップじゃないか!何をしてる?」
後ろからの声に振り向くと、そこにはガノク・ロムがいた。
「キップ、マクーンはどうした?今日も情報の整理をするつもりだったんだが、彼からの連絡が無いんだ」
「昨日ダークジェダイと戦ってやられた。俺がいれば倒せたものを」
キップはそう言って首を振った。
「マクーンが?ダークジェダイが姿を現したのか!?」
ガノクは信じられない声で言った。
「ついでに付け加えとくと、これ以上捜索を続ければ人々が死ぬ、と脅しをかけたらしい。」
「脅し・・・?」
ガノクは少し考え込むような顔をしてから言った。
「今、一つ情報が手に入った。ダークジェダイは宮殿の者だ。」
「何?なぜ――」
「何故かって?簡単だ。我々が賭けをカモフラージュにダークジェダイの捜索をすることを話したのは宮殿内だけだ。傍には誰もいなかった。きっと盗聴されていたに違いない。だが、それができるのは宮殿の者だけだ。ダークジェダイがあの厳重な警備を破って入ってくるとは考えにくいからな」
「そりゃまた、すごい想像力だな。悪く言えば、妄想の一歩手前だ」
「誉め言葉として受け取っておくよ」
ガノクは笑って言ったが、すぐにいつもの真面目な顔に戻った。
「では、マクーンの傷が治ったら連絡をくれ。私は宮殿に戻る。いろいろ調べなくては」
二人が別れて歩き出そうとしたその時、一人のノートランが慌てた様子で彼らのもとに走ってきた。
「マスター・ロム!良かった・・・。ジェダイの女が・・・人を・・・殺して・・・」
「ジェダイの女、だと?」
キップは驚いてそう言った。ガノクの顔にも同じものが浮かんでいる。
ノートランは苦しそうに息を切らしながら頷いた。
「あっちです」
二人は顔を見合わせ、すぐに走り出した。


[170] (無題) 投稿者:バナナ隊長。 RfHMuT0B/Dg (2006/01/25(水) 22:09 JMAVHNTFshc)

panaka

>>167の続き

第四章・短い再会

<ディスティニー>が静かにプラットホームへと着陸する。船の「爪」がプラットホームに付くと同時に大きな音がした。磁力発生装置が床をつかんだのだ。
サンとタティーが船を下りると同時にプラットホーム自体が大きく動いた。
プラットホームはどんどん内側に収まっていく。
「奴の新しい装置か。」タティーが足元を見ながら言う。そして足元から奥に立っているトゥイレックに視線を移した。
「さて、君は誰かな?」二人はトゥイレックに向かって歩き始めた。
「ウィルトックです。ウィーって呼んでください。」ウィルトックが丁寧な言葉使いで返す。
「その必要は無い。用が済んだらすぐにここを発つからな。」
プラットホームが完全に建物の中に入った。動きが止まると同時に大きな金属音が響く。
近くにあったエレベーターの扉が開き中から羽を忙しそうに動かしながらジオノージアンが出てくる。
彼がジェオン・シオスだ。ジェオンは二人の横に降りると、並んで歩き始めた。
「コルサントでの話聞いたぜ。共和国を相手に戦ったそうじゃないか。」ジェオンが少しなまったベーシックでしゃべり始める。
「どうやって逃げたんだ?この辺のならず者たちはお前たちの英雄伝を聞きたがってる。」
ジェオンの質問に答える前に四人はエレベーターに乗った。
「それは後だ。それより貨物船が欲しい。<ディスティニー>が入るだけの貨物スペースがあるのをな。」タティーがガラス張りのエレベーターから見える沢山の船を見ながら言った。
「それならもう用意してあるさ。」そこでエレベーターが止まる。ガラスの向こうには沢山の扉。ここに来るのは初めてだ。
エレベーターから降りるとジェオンは「327」と書かれた少し大きめの扉の前に立つ。
「ここだ。」そういうとカードを扉の横の箱に通した。
扉が開き、中に入るとそこにはごつい貨物船と数人の整備士―おそらく人間ではない―が居る。
整備士たちは一瞬四人のほうを睨むがすぐに目をそらす。彼らは少ない給料で働かされているようだ。
タティーは目線を整備士たちから貨物船に移した。
この貨物船はグードリック社の38型中貨物船のように見える。しかし“普通”の貨物ではない。
ところどころに独特の装備が見えることから、使い古された密輸船だろう。
船の反対側に回るとぽっかりと開いた貨物スペースが見える。
「これはすごい。」サンはここに来て初めて口を開いた。
貨物スペースの中に入るとサンはあることに気付く。
―安全装置が無い― 安全装置とは貨物スペースが宇宙空間で勝手に開かないようにするためのロック装置のことだ。
タティーもその事に気付いて動揺している。
「見た限り安全装置が無いようだが―」タティーが貨物スペースの中の四角い枠組みを見ながら聞く。
「この前、カラーバ周辺のフライト中に星間警備隊にやられたそうだ。まあ、お前たちはいざとなったら急いで脱出するだろ?そのときのためだ。代わりに安くしとくぜ。」ジェオンが軽く笑いながら言う。
「それもそうか。」サンも軽く笑いながら言った。
「さあ、俺の部屋に行くぞ。まだ積み込み作業がある。」
貨物船から降り再びエレベーターに乗る。貨物船が見えなくなり、ガラスの窓から見えるのはこげ茶色の壁だけ。
エレベーターが止まると同時にガラスの向こうから様々な色の光が漏れてきた。
ドアが開くとエレベーターの中に様々な音が入ってくる。
そこらじゅうで話しているエイリアンの声。バンドが演奏する音楽。色々な機械の音。
ここは歓楽街だ。外の光が漏れてこないために何百年も太陽の光に当たったことのない歓楽街―
皆腰にブラスターをぶら下げている。ここはならず者の溜まり場でもあるのだ。
しばらく歩くと「Rental Ship Geon」と書かれたドアがある。ジェオンの部屋だ。
ジェオンはそのドアを開けた。
四人はその中に入った。中からオレンジ色の太陽の光が漏れる。夕日だ。
前には円形のテーブルと四脚の椅子がある。
「まあ座って話そうか。」ジェオンがすこし羽を動かし宙に浮いたかと思うとストンと椅子に落ちた。椅子に深々と座り、テーブルに手を載せる。
サンは椅子に座ったがタティーは座らない。代わりに窓側に立つと、外へ大きく突き出した比較的新しい建物を見た。
「あれは何だ?」タティーがジェオンの言うことを無視して聞く。
ウィルトックが差し出した水を一気飲みするとジェオンが口を開いた。
「ああ、それか。確か造船所だとか言ってたけど・・・詳しいことは分からない。立ち入り禁止なんだ。」
日が沈み、空を漆黒の闇が包む。遥か遠くの地平線には北半球のきらめく都市やスピーダーの筋が見える。実に幻想的だ。ティバナガス採取場をのぞけば―
壁に取り付けられている通信装置のブザーが鳴る。ヒューマノイド整備士の小さなホログラムが映し出されるとジェオンが立ち上がり通信機のほうを向く。
“もうすぐ船の準備が出来ます。あとはリバーススラスターの―”ヒューマノイドがしゃべっている途中でもう一人のヒューマノイドがホロに現れる。何か話しているようだ。
「どうした?」ジェオンが少し不安そうに尋ねる。
するとそのヒューマノイドは辺りをキョロキョロ見回し、落ち着きがないように言った。
“そ、それが・・・あの・・・軌道上に二隻のスターデストロイヤーが・・・共和国です。”
「共和国だと!?」タティーとサンは驚いて窓から空を見回す。
空には光り輝く星とは違うくさび型の光の集合体。スターデストロイヤーだ。まだ小さいが、数分で視界を覆いつくすほどの大きさになるだろう。
「格納庫へ急げ!」サンが叫んだ。その顔には汗がにじみ出ている。
二人はとにかく走った。ジェオンもどうにか付いてくる。
閉まりかけのエレベーターに飛び込み、ボタンを連打した。エレベーターが静かに動き始める。
茶色い壁が視界を流れていく。そして再びあの貨物船が見えてきた。
ドアが開くとともに二人が貨物船に飛び乗る。
「いいか?俺が合図を出すまで機械には一切触るな。何があっても、だ。」ジェオンは人差し指を立てて言うと、外の方へ走っていった。
操縦席の方を見ると、年代物のビュースクリーンが星図、と思われるホロが映し出されている。
さらに入り口付近のスクリーンを見るとこの貨物船を前から見たようなものが映し出されている。何か警報を発しているようだ。
「おい、前の貨物ハッチが開いてるぞ!<ディスティニー>が丸見えだ!」サンがそう言い、そのスクリーンに手を触れようとする。
タティーがサンの手を叩く。
「だめだ。機械には触れるなと言われているだろ!」
「でも、閉めたほうが無難だし、もし共和国に見つかったら――」
プラットホームが突然揺れた。二人が窓から外を見る。そこにあったのは―

共和国ガンシップ

“終わったな”二人はそう思った。いざとなればこの船は捨てて逃げる。その覚悟は出来ている。
ガンシップからクローン―体のアーマーには黒い2本の筋が斜めに入っている。おそらくコマンダーだろう―が出てくる。
そしてジェオンと2,3回言葉を交わすと再びガンシップに乗った。
ガンシップが去り、プラットホームが静かになる。
「どうやったんだ?」二人が船を降り、ジェオンの方へ走りながら聞く。
ジェオンが答える間も無くその理由が分かった。
貨物ハッチにはぎっしりと貨物が積まれているのだ。もちろん見た目は、の話だが。
「すごいな、借りができたぜ。」サンが感心した様に言う。
「もちろん、この借りはすぐに返してもらうがな。」ジェオンはニヤッと笑っていうと、サンにホロ・カードを渡した。
「貨物船貸し出し料…3000クレジット 保証金…1000クレジット サービス料…5000クレジット・・・。ああ、そういうことか。」サンが疲れた顔で言う。
「今は時間も金も無い。後で振り込んでおくよ。」タティーが続けていった。
二人は船のハッチへと足を伸ばした。
「じゃあ、生きて帰って来いよ。わが友よ。」ジェオンが二人の肩を叩いて言う。
「ああ、もちろんだ。」タティーは笑って言うと、コックピットへと向かった。
サンがくるっと振り返り船体を軽く叩いて、通路の周りを一通り見回すとこう聞いた。
「そういえばこの船の名前を聞いていなかったな。」
「<ラスト・ランナー>だ。」ジェオンがサンの方向を向き、そしてエレベーターに歩きながら言う。
「<最後の走者>か。いい名前だ。」サンがそう言うと同時に<ラスト・ランナー>はハッチを閉め、きらめく星空に消えた。

タルムがどんどん小さくなる。
「それにしても安くしとくと言ってたのにずいぶんと高いな。」タティーは機械にカードマネーを通しながら呟く。
「それより次の目的地は何処だ?」サンが携帯食をくわえながら聞く。
「次はもちろんナブーだ。」
また、二人をハイパースペースの青が渦巻く。
シスの陰謀のように―

>>170


[172] (無題) 投稿者:お雪 7cutcbhRW5A (2006/01/27(金) 23:11 ugdJbBBoKq.)

boga

お題小説トピで発表しようと思ったのですが、突然の用事などの事情により、どうしても期間内に書き終えることの出来なかったものです。
 このままほうっておくには少々もったいないような気がしたので、こちらに投稿させていただきます。
 もったいないと言うほどいいものでもないのですが。

お題としては、
主題:満月の夜、騒々しい場所で
キーワード:ジェダイ、スナイパー、子供
です。

おことわり
 私はスター・ウォーズファン歴がまだ浅く、設定に関して知らないことが多々あります。
 またスピンオフ小説もあまり読みません。
 この小説を書くに当たって、必要と思われる公式設定はこのサイトのデータバンクで調べましたが、それでも話中に矛盾点が多く見られると思います。
 そんなことではいけないのだろうと自分でも思うのですが、もしよろしければ、また本当のSW界とは少し違った別の次元での話だと思って読んでいただければ幸いです。




「俺があの時帰ってきた理由」


妖しく、いかがわしい店が立ち並ぶにぎやかな通り。
 そこを行く通行人達も、そんな街に相応しく、薬を決め込み、当然のように刃物、銃器を吊った者達ばかりだった。
 そんなものたちの袖を、肌もあらわなドレスに身を包んだ女達がひく。
 そして何よりも恐ろしいのは、人々が行き交う舗装された道のところどころに、茶色く変色した血の跡があるということだった。
 この街では、死や殺しは日常茶飯事。突然、前を歩いていた人間の首から上が吹っ飛ぶなどということも、時折ある話だった。
 
無法地帯。
そう、ここは絵に書いたような無法地帯だった。
 だからこそ、今の少年にとっては好都合だった。
 大丈夫。こんな仕事、自分ひとりでやり通せる。一瞬でけりをつけられる。

 ・・・そのはずだった。

 そのはずだったのに、彼は今、街から少しはずれた暗い裏路地で、追い詰められていた。
 今宵、自分が殺そうとした相手に、ブラスターを突きつけられていた。



次へ→>>173


[173] (無題) 投稿者:お雪 7cutcbhRW5A (2006/01/27(金) 23:12 ugdJbBBoKq.)

boga

「俺があの時帰ってきた理由」
第2回
(第1回→ >>172)

*********


 コレリアの宇宙海賊団といえば、それなりの都会惑星に住むものならば大抵知っているし、そのうちの何割かは恐怖、もしくは憤怒に顔をこわばらせる。
 中にはその名を聞いただけで、ヒステリーを起こし、病院に担ぎ込まれる者までいる。
 銀河中を走り回り、残虐非道の限りを尽くす。そんな海賊団の名を聞いて、良い顔をするものはいないだろう。

 ある、一部の人間を除いては。
 今回少年が狙うことになる男そのうちの一人だった。彼は海賊団のことを調べている情報屋なのだ。
 そのコレリアの海賊団のことを聞けるとあらば、目を輝かせる始末だった。
情報屋。そう呼ばれる者たちの中に、まっとうに生きているものはほとんどいない。が、一度信頼関係を築いてしまえば、これほど心強い味方もいなかった。
 彼らは通常のルートでは決して手に入らない情報を、何処からともなく入手してきて、その情報を必要しているものに「売る」。
 大抵の場合は、政府の機密などをテロリスト達に渡す者が多いが、この男は違った。
 非常に簡単に言うならば、彼は「正義」なのだ。
 彼は情報は人々のために使われてこそ意味を成す、そう考えており、ゆえに情報を集める対象は専ら一般の市民に害をなす集団だった。
 集めた「商品」は、比較的安価で公共の治安部隊や軍、特別警察などに譲り渡す。

 しかし、その見上げた信念は、時に大きな敵を作る。
 今回の場合は正にそれだ、と、ある惑星の無法繁華街を歩きながら少年は思った。
 少年の数メートル先には、例の情報屋の男が歩いている。先ほどからつけているのだが、気付かれた様子は全くない。
 少年は腰に吊ったブラスターの位置を、手で触って確かめた。
 今まで、海賊団に関する情報はほとんど世間に漏れていない。
それは海賊達が、自分たちのことを知った、もしくは知ろうとしている輩を、自らの手で葬ってきたからだ。
 どんな敵も、殺してしまえば何ら問題はなくなる、それが彼らの考えだった。
 今もまた、それと同じことが繰り返されようとしている。
 そう、少年は幼いながらも、そのコレリアの宇宙海賊の一員なのだ。
 彼は幼少の頃より、殺し、盗みなど、世が「悪」とすることをすべて叩き込まれてきた。
 そしてもちろん、「暗殺」も。
彼は海賊団の上から、例の男の暗殺を命じられたのだ。
 少年はため息をついた。殺しは好きではない。むしろ嫌いだ。
 背後から近づき、こっそりと狙撃するのは初めてだった。
戦いの中、ブラスターを連射して敵を殺したことは何度もあるが、後ろからの一撃必殺となると・・・。
 それに、コソコソと物事を進めるのは、自分の信義ではなかった。

 と、その時、彼のコムリンクが鳴った。
 スピーカーから聞こえてきたのは、
『やれ』
という無感情な声のみ。
 少年はゆっくりと腰のホルスターからブラスターを抜くと、前を歩く男に狙いを定めた。
 長身の男だ。体躯は細く、歳は多分40歳くらい・・・
そこまで考えて、少年はかぶりを振った。
 色々考えるのはよそう。さっさとすませてしまえ。
 少年は子供だからなのか、それとも何か他に理由があるのか、それはわからないが他の海賊達とは違い他人に対する良心がある。
 だからこそ、こういった嫌な非人道的な仕事は早くやり終えるに限るのだ。
 早ければ早いだけ、躊躇いも後腐れも少なくて済む。
 そして少年は、ブラスターの引き金をしぼった。


 やった、と一瞬思った。
しかし信じられないことに、男はまだ生きていた。
生きて、自分に向かって走ってきている。
 まさか。そんなはずはない。俺は完璧だった。まさか、脳天ブチ抜かれてまで生きて・・・!?
 しかし、そんな事はあり得ない。少年の放ったブラスタービームは、男をかすりもせず、生命を奪うことはおろか、負傷させることすら出来なかった。
 でも、どうやってだ!? なんで後ろからの突然の攻撃を・・・
そこで少年は悟った。
 突然の攻撃ではない。あの情報屋の男は気付いていたのだ。
「・・・畜生ッ!」
少年は口汚く罵ると、ブラスターを握ったままなりふりかまわず逃走を始めた。
 もちろん、相手もそう簡単に逃げさせてはくれない。
二人は通りを行く人々をかき分けて走った。かなりの確率でぶつかった人から罵声がとんだが、そんなことに気を配っている暇はない。
 しばらくすると、といっても障害物を避けるのに精一杯で距離的にはあまり走っていないのだが、薬を売る店の脇に広めの裏路地があった。
 何の迷いもなく、少年はそこに逃げ込んだ。その後を、例の男が追う。
「待てッ!」
街の喧騒が遠ざかり、男の声が初めて聞こえた。
 待てと言われて待つ奴がいるか、少年がそう思った正にその瞬間、脚、もっと正確にはふくらはぎに激痛が走り、彼は小さな悲鳴を上げてその場に倒れこんだ。
「あぐっ・・・・・・」
 クソッ。
 少年は心の中で毒づき、立ち上がろうと腕に力を入れた。
その時、背中に悪寒が走り、少年は恐る恐る首だけを回して肩越しに後ろを振り返った。
 ブラスターの標準をこちらにあわせたままの情報屋の男が、じっとこちらを見下ろしていた。


次へ→>>174


[174] (無題) 投稿者:お雪 7cutcbhRW5A (2006/01/27(金) 23:13 ugdJbBBoKq.)

boga

「俺があの時帰ってきた理由」 
第3回
(第1回→>>172 第2回→>>173

 男は少年の恐怖で引きつった顔を見るなり、ほう、と吐息を漏らし、わずかに表情を和ませた。
「驚いた。まだほんの子供じゃないか」
なめられている。屈辱的だ。
 その時、少年は今だ自分が殺人モードにセットされた小型ブラスターを握っていることに気が付いた。
 瞬間、彼は今までそう訓練されてきたように、光線で撃ち抜かれた脚の痛みをこらえ、身体を横に転がして仰向け状態になり、目にも留まらぬ速さで男に銃口を向けた。
 それと同時に、男のブラスターが火を吹いた。
 ガインッ、という鋭い音がすると共に、ブラスターを握る少年の手に強い衝撃が走る。
 気が付いたときには、少年のブラスターは持ち主の手を離れ、数メートル後方に弾き飛ばされていた。
 少年が声もなく絶句していると、男は危険な人殺しの道具をかまえたまま静かに微笑した。
「慣れないことはしないことだ・・・特に、こういう状況では、な」
「うるせえッ!」
つい、言葉が口をついてでた。あまりのふがいなさに拍車をかけられ、カッとなり、男につかみかかろうと身体に力を入れる。
 再び、負傷した脚が痛んだ。
うめき声を上げ、うずくまる。
「君はプロのスナイパーというわけでもなさそうだ・・・一体何者だ?」
「聞かれて答える野郎がいるだなんて、本気で思ってんのか・・・」
食いしばった歯の間から、唸るような低い声を絞り出す。
 一度いたい思いをしただけに、流石にこれ以上無理をする気はさらさらなかった。否、なれなかった。
 少年はありったけの憎しみを込めて男をにらみ上げ、男は笑みを崩さぬままその視線を受け止める。
 しばらくの間、二人の間に沈黙が訪れた。

 先に口を開いたのは男の方だった。
「君は、誰かに雇われたわけではないんだろう?・・・コレリアの宇宙海賊団と関係のある者か?・・・ひょっとすると、その一味か?」
見事に図星を喰らい、少年は返す言葉もなく目をそらし、黙りこくった。
 そうしてしまってから、しまった、と思ったが、もう既に遅い。
これでは相手に「はい、その通りです」と言っているようなものではないか。
 少年は自分自身の馬鹿さ加減がほとほと嫌になり、そっと首を振った。
「素直じゃないんだな」
男は苦笑しながら言った。
「そりゃいいや。あんたは海賊の子供を素直でかわいい良い子ちゃんだと思ってんだ」
つい、いつもの癖で皮肉を言ってしまう。
今はそんな余裕はないはずだったが、こればっかりは自分自身の性分でやめることが出来ない。
 意外なことに、男は驚いた風もなく、相変わらず柔和に微笑みながら、
「無理はするものじゃない。強がりを言っても君の得になることは一つもない。私はただ、君の事を知りたいだけだ。君と、君の所属している組織の」

この瞬間、少年は悟った。
 自分はここで死ぬのだ、と。
例え男がどんな手を使っても、少年は口を割らない。もしも海賊団の情報を敵に漏らせば、彼らは常人には考え付かないほどの残酷な方法で自分を罰するだろう。
そうなるくらいならば、いっそここでこの男に殺されてしまった方がずっと楽だ。
 しかし少年は、何もその拷問が怖いだけで生きることを諦めているわけではない。
 彼はほんの赤ん坊の頃、コレリアの宇宙海賊団に拾われた。
 どんなにその教育が辛く、厳しく、非人道的であっても、少年が今日この日まで生きてこられたのは、彼らのおかげなのだ。
 その思いがあったからこそ、少年は海賊団に従い、尽くすことにした。
少年は彼らが大嫌いだった。自分を奴隷のように扱う彼らが。
何の罪もない人々を、ただ邪魔だからというだけで次々に殺していく。そして他人が必死に集めた物資を奪い去る。
多くの人に絶望を与える彼らが嫌いだった。
 しかし、そんな残忍な集団にも、一度忠誠を誓ったからには、裏切るわけには行かない。
 やると言ったからには、やりとおすのだ。
彼は今まで、それを信条にして生きてきた。
 だからこそ間違っていると思ったこともやったし、理不尽なことにも耐えた。
 その信念を、曲げるつもりはさらさらない。
たとえそのために、自分の命が失われることになっても。
 仲間を売るくらいならば死を選ぶ。
カッコいい、偽善的な言葉で表現するならこうだ。
ただし少年の場合、あの海賊達を仲間と呼ぶこと自体が既にぞっとすることであるのだが。
 
そう考えると、今まで恐れていた死が、急に、なんでもないようなものに思えた。
 そうだ、人は皆いつか死ぬ。要はそれが早く訪れるか、遅く訪れるか、ただそれだけの違いだ。
 この世の命あるものは、皆、死ぬために生きている。
以前、そんな話をどこかで、誰かから聞いたことがある。
「俺は何もしゃべらねえ」
少年は言った。
 今まで笑っていた男は、それを聞くなり急に笑顔を引っ込め、眉をひそめた。
「何だと?」
 逆に少年は、今までの怒りや苛立ち、そして脚の痛みからなる渋面を、白い歯を突き出したいかにも子供っぽい笑顔に変えた。
「俺っておしゃべりは結構好きなんだけど、そればっかりはちょっとしゃべるわけにはいかないんだよなあ」
突如楽しそうに話し始めた少年の、そのあまりの豹変ぶりを見て、男は少年の正気を疑ったようだった。
 表情は変わらないものの、まるでおぞましいものでも見るかのような目をしている。「しゃべらない、とはどういうことだ?」
そう問うた男の声はかすかに震えていた。
 当然だろう。死を目の前に突きつけられた子供が、怖がるどころか逆に笑い出したら、誰だって不気味に思うだろう。
 そんな男とは対照的に、少年はさらに笑みを深くした。
「あんまり甘く見てもらっちゃこまるんだよな。俺だって一応、海賊として一生生きていくって決めたコレリア人だぜ」
それを聞いて男は合点がいったようだった。
「なるほど・・・仲間を裏切るつもりはない、ということか。まあ、当然といえば当然の答え・・・」
少年はそれには答えず、男を見上げて笑っていた。
 男はその目をじっと見据え、引きがねに指を置いたブラスターを軽く振ってみせた。
「しかし、君は私の言うことにあがらうことはできない。このブラスターが見えるだろう? これが・・・」
「殺せよ」
少年は突如明るい笑みを消し、真顔になって男の言葉を遮った。
 今度こそ、男は完全に硬直した。
と、不意に少年は自分の胸に左手を当てた。
そこの内側には、身体のすみずみまで命の赤い水を送るもっとも大切な器官が存在する。
「早くやってくれよ。ただしここを一発でズドン、でお願いするぜ。俺痛いのとか苦しいの大っ嫌いだから」
そして少年は凄みのある笑顔を浮かべた。
 嘲笑している。男を、そして自分自身を。
「そんなちっこいブラスター一丁で俺がビビると本気で思ってんのか? だとしたらアンタはどうしようもない阿保だ」
「・・・君は・・・」

男はしばらく何も言わなかった。少年も、ただ笑っているだけで、何も言わなかった。
 すると男は、少年に向けていた銃口をゆっくりと下ろした。
少年の表情が笑いから憤りに変わる。
 男は少年の目をしっかりと見据え、言った。
「お前、私と一緒に来る気はないか」
今度は少年が男の正気を疑う番だった。
「なんだって?」
「私と一緒に来ないか、と言ったんだ。君は勇気があって、芯の強い子供だ。宇宙海賊として生きていくのは、あまりに惜しすぎる。私の元に来て、もっと君に相応しい、正しい道を歩かないかあんな酷い組織にいるより・・・」
「何でそんなこと言う!?」
少年は身を乗り出して怒鳴った。
しまった、と思ったときには既に遅く、忘れかけていた脚の痛みが再び襲ってきた。
 少年は少し血の気が引き、大きく息を吐きながら元の体勢に戻った。
そしてかすかに唇の端を吊り上げて言った。
「どうかしてるぜ・・・冗談にもほどがある・・・」
「冗談じゃない。私は本気だ。本気で言っているんだ」
「今まで海賊としてやってきた俺が、アンタなんかについていくわけねえだろうが・・・俺は海賊として育てられて・・・海賊として生きていくと誓った・・・」
少年がそういうと、男は少し悲しそうな顔をした。
「君は、ジェダイ騎士団を知っているか・・・?」
唐突にそんなことを聞いてきた。


次へ→>>175


[175] (無題) 投稿者:お雪 7cutcbhRW5A (2006/01/27(金) 23:13 ugdJbBBoKq.)

boga

「俺があの時帰ってきた理由」
第4回
(第1回→>>172 第2回→>>173 第3回→>>174

 ジェダイ騎士団。
その名は少年も一応聞いたことがあった。
 彼らは銀河のいたるところで、人々のために働いていたと。
他人のために自我を捨て、治安を守り、時には戦うこともあったと。
彼らは銀河の英雄、正義の死者、平和の守護者として称えられていた。
 しかし少年自身は、その話も随分怪しいと思っていた。
もしもジェダイ騎士たちとやらがそれほどにまですごいのならば、自分達のような宇宙海賊団はとうの昔に壊滅させられているはずだからだ。
 いや、もっと言うなら、元々海賊という無法者達など、初めから存在しないはずだ。
 男は少年が黙っているのを見て、相手がジェダイを知っているものとして話を始めた。
「私は仕事柄、ジェダイと関わることが結構あってね・・・ジェダイは、銀河中の人から尊敬され、愛される存在だった。しかし、そういう人物になるには、生まれつきの才能を持ち、さらに赤ん坊の時から英才教育を受けなければならなかった。才能を持って生まれた子供は、本来の教育を施してくれるはずの親の元から話され、厳しすぎる教育を強制的に受けさせられた・・・。外の世界のことを知らされず、ただ一人前のジェダイ騎士になる、それだけのために。
 その結果、子供は皆一種の洗脳状態になり、その洗脳が解けないまま大人になり、大人となったものたちはまた子供達に洗脳教育を施す。しかし彼らはその恐ろしさが分からない。外界を知らずに育った者達が、世間にとってどれほど危険なものであるかも。
 そして・・・まだほんの数年前のことだが・・・彼らは自分達の手で銀河を支配しようと、当時の銀河政府に対し反乱を起こしたんだ。全てを征服しようとした。しかし、彼らはそれを悪いことだと思っていない。組織に命令には常に従うよう、教育されているから」
男は延々と話し続ける。少年はそれを黙って聞いていた。
彼が一体なぜこんな話をし始めたのかは全く分からないが、少なくとも男が話している間は自分は生きていられる。
「結局、ジェダイたちは政府の軍に皆殺された。ジェダイ騎士団はなくなったんだ」
少年は辛抱強く、次の言葉を待った。しかし、男は悲しそうにうつむいて何も言わない。
どうやらこれで話は終わりのようだ、

少年は嘲るように笑った。
「今まで銀河中の星を全部あわせても足りないくらいの回数、お小言を聞いてきたけど・・・ここまでワケわかんねえお説教は始めてだぜ・・・」
「わからないのか?」
男は厳しい表情になって顔を上げた。
「今の君は正にそれだ。組織のために全てをなげうち、死ぬことすらいとわない。・・・それが本当に良いことだと思ってるのか? 自分の一生を組織にささげ、外から隔離された世界で生きていくことが?」
少年はハッとして男の顔を見つめた。
「君のような子供の時から海賊家業に手を染めさせる。それでしか生きられないように洗脳する。ジェダイ騎士としてしか生きていかれないように教育するジェダイ騎士団と同じだ」
「そ、そんなことねえ。おれはあの海賊達に育てられた。俺は・・・」
「彼らに感謝している? 真実でない上に、本心でもないな」
男は少年の反論を遮って決め付けた。

 そして本当は男の言うとおりだと言うことが、少年を余計にいらだたせた。
 少年は海賊達が嫌いなのだ。
ずっとその野蛮な者に囲まれて育ってきたのに、何故か少年には良心や、他人に対する優しさを解する心があった。
だからこそ、海賊達の下で海賊として生きていくしかない自分の身の上がつらく、そして、苦しい。
 しかし、それを表に出したりはしない。
 この世界で生きていくには、他人を思いやれる心は重荷でしかない。
自分の周りにいる者たちは虫けら以下。傷つけ、殺し奪うことを何とも思わない凍てついた心が必要だった。
 だからこそ、少年は今まで少なくとも表面上は冷たい人間を装ってきた。
無理矢理自分の心を凍らせ、他人を蔑んでいる振りをしてきた。
 今までは、周りは冷たく、残忍な人間たちばかりで、そうやって自分に嘘をつくのが簡単だった。
 要は、彼らのまねをして、同じように振舞えば良いのだから。
 しかし今、この男の話を聞いて、少年の良心は爆発しそうだった。
良識を持った人物に、会ったことがなかったのだ。
否、もし会ったことがあったとしても、そういうものは大抵海賊団の敵だったので、自分たちが殺していた。

「それに君は、その海賊達に大切にされているわけではなさそうだ」
「なんっ・・・!?」
少年は驚いて声を上げた。
 男の言ったことは真実だ。
彼はいつでも海賊達の下僕、奴隷も同然で、まるで家畜のように酷く扱われている。
 しかしそのことを組織の人物以外に悟られたことはない。自分でそう気を遣ってきたからだ。
 そんなことが他人にばれたら、自分が女々しくて弱い人間だと思われてしまう。
それなのに、この男は何故そのことがわかったのか。
 男は酷くつらそうな顔をし、まるで血を吐いているかのように一言一言をゆっくりと搾り出す。
「なぜ、君のような子供が、暗殺なんていう危険な役目を負わされたか、君には分かるか?」
少年は黙っていた。
うなずきも、かぶりをふりもしない。まばたきすらしなかった。
男は続けた。
「それは、君が使い捨てのただのコマだからだ」
言って、彼は少年から目をそらした。
自分が少年に対し、なんと残酷なことを言ってしまったのだろう、とおもったのだろうか。
 しかし当の少年は、それを聞いて驚きも、落胆もしなかった。
ただ、あまりの意外さに目を丸くした。
「それは・・・違う」
「違わないさ。自分で言うのもどうかと思うが、私はこれでもブラスターの腕に長けている。特に、奇襲に対する対応には。そんな私のところに、プロでもない子供がスナイパーとして送られてくるなんて、普通はないだろう? それは、つまり彼らは本気で私を殺そうとは思っていないということだ。せいぜい、殺せたらいい、位にしか思っていないのだろう。だから、何時死んでもかまわない、子供の君にこの仕事を与えられたんだ」
「違うっ!」
少年は必死になって叫んだ。
「違う、そうじゃねえ、俺たちは本気でアンタを殺したいんだ、俺がこの仕事を与えられたのは・・・!」
「・・・与えられたのは?」
少年はそこで言葉につまり、口をつぐんだ。
 男は微笑んだ。
「ほら、何もいえないだろう? ジェダイ騎士たちの二の舞を演じる前に、私のところに来い」
ジェダイ。また言った。
なんでこいつはこんなにジェダイ騎士にこだわるんだ? ひょっとすると・・・
少年は思い当たった。
・・・そのなかに、親しい奴がいたのか・・・?


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[176] (無題) 投稿者:お雪 7cutcbhRW5A (2006/01/27(金) 23:14 ugdJbBBoKq.)

boga

「俺があの時帰ってきた理由」
第5回
(第1回→>>172 第2回→>>173 第3回→>>174 第4回→>>175


 そう考えていると、男はふ、と自嘲的に笑った。
「私は、そのジェダイ騎士のなかに友人がいたんだ」
少年は驚いて男の顔をまじまじと見た。
 彼は言った。ジェダイは洗脳に洗脳を重ね、ついに全銀河を征服しようとしたと。
そして、軍に鎮圧され、全員が処刑されたと。
 つまり、その友人とやらは今・・・
「そう。彼は死んだ。良い奴だった。優しくて、強い・・・。正義に燃えた男だった。しかしそんな善良な彼も、騎士団の洗脳からは逃れられなかった・・・」
男はそこまでしゃべると、いったん口を閉じた。一瞬、息を呑んだようにも見えた。
 そして少年は、暗い路地で、きらりと光るものが一すじ、対峙する男の頬を伝うのを見た。
 少年の目はその流れ落ちた光を自然に追う。
 彼は男に視線を戻した。
「私はもう二度と、これと同じような過ちを繰り返してほしくない。人が人の自由を奪い、その自由を奪われたものはそのことにすら気付かず、いつしか取り返しのつかない恐ろしいことをすることになる。・・・そんなのは、もうごめんだ」
 少年はいけないとわかっていつつも、この男を哀れだと思った。
 善人だった友が、突如政府にたてつく大悪人になり、処刑されてしまった。
その時、どれほど心が痛んだだろうか。
それは自分には分かるまい。おそらく一生。

 男は続けた。
「だから私は君を助けたい。君がそうなってしまう前に。君は私が今まで出会ってきたどの悪人達ともちがう。君は心無い人間の振りをしているが、正しい心がちゃんとある。私にはそれがわかるんだよ。
きみはまだ完全に宇宙海賊に染まっているわけじゃない。だから大丈夫だ。まだ間に合う。私と一緒に来るんだ」
少年には男の言うことがよく分かった。男の気持ちが。
だからこそ、彼の男に対する敵意や害意は、話を聞いているうちに完全に消えうせてしまった。
それと同時に、この男を信用したいという気持ちが芽生えてくる。
・・・ダメだ・・・
男はもはや少年にこれ以上あがらう気がないのを見て取ると、悲しそうな笑顔のまま、握っていたブラスターを静かにホルスターにおさめた。
・・・ダメだ・・・
「私の名前は、ロク」
ロクと名乗った情報屋の男は、少年にむかって手を差し伸べてきた。
・・・ダメだ・・・
「さあ、一緒に行こう」
・・・ダメだ・・・
「君の名前は?」
「・・・ダ」


 音が、鳴った。
 光が、閃いた。
ヒュン、というあまりにも聞きなれた音と、ほんの一瞬だけ見える、あまりにも見慣れた光。
 たったそれだけ。
 たったそれだけが、一人の男を殺した。
光はロクという名の男の中心を貫き、彼は断末魔の叫びを上げることすらなくこの宇宙から消え去った。

「・・・・・・・・・・・・・・・あ」
少年は、ロクが倒れてからしばらくした後、何が起こったのかを理解した。
 自分がいるところよりもさらに暗い路地の奥の方から、ブラスターを構えた3人の男が現れた。
 そのうちの一人が言った。
「すべて計画通りにいったな」
そして3人はまるで少年など存在しないかのように、声をかけるどころか視線をこちらに向けることもなくさっさと裏の街の表通りへと行ってしまった。
 後に残された少年はしかし、もはや決して動くことのないロクを凝視したまま、動こうとしない。
 少年の耳には、先ほどブラスターを持った男が言った言葉が残っていた。

計画通り。
そう、全ては計画通りなのだ。
今回の事は初めから最後まで、全てコレリアの宇宙海賊達が考えたシナリオだった。
 そしてそのシナリオは、ほとんど変更されることもなく見事に演じられた。
 この情報屋の男、ロクの元に年端の行かぬ少年がスナイパーとして送られたことも。
少年がこの路地へ逃げ込んだことも。
ロクが子供相手に油断してブラスターをしまうことも。
そして彼がブラスターから手を話した瞬間、奥に潜んでいる本物の狙撃手が、彼を亡き者にすることも。
 しかし少年は、初めの初めから、そのシナリオを変えてやろうと思っていた。
 少年はコソコソと行動するのが嫌いだが、それに陰湿な謀をからめるのはもっとっずっと嫌いなのだ。
 だから、最初の自分の一撃で終わりにしてやろうと思った。
 しかし、現実はそう上手くいくわけもなく。
 結局は本来の作戦通り、彼を人気のない裏路地へと誘導しなければならなくなった。
 考えてみれば、暗殺、狙撃専門の要員でもこの情報屋を倒すのは難しいと考えたからこそ、罠をはったのだ。
自分のような子供一人で殺せるなどと、どうして思ったりしたのだろうか。
 海賊側の唯一の誤算は、ロクが少年の顔を見てもすぐにブラスターを収めなかったことだ。
 ロクは海賊達には理解できないが、他人に対して甘く、冷酷さが全く足りない。特に、子供相手には。
 だからこそ、今回の作戦のおとりに、少年が使われた。
ロクが相手が幼い子供だということを確認した時、たった一つの武器であるブラスターを手放すと思ったからだ。
 しかし実際は、しばらく彼はブラスターを握ったままでいつでも撃てる状態であった。
 いくら少年と会話をしているとはいえ、今まで数々の凶悪な組織、集団とたった一人で渡り合ってきた強者である。
武器を持っているところを攻撃するのは賢明だとはいえない。
 しかし結局、ロクはブラスターを収めてしまった。
 少年はロクが手を伸ばしてきた、その最後の最後に、警告を発しようとした。
しかし、間に合わなかった。

 遅すぎたのだ、決断するのが。
自分が裏切り者になることを恐れるあまり、一人の男を殺してしまった。
正しく、善良な男を。
 不意に少年は、本来ほとんど暗闇であるはずのこの裏路地が、うっすらと明るいことに気が付いた。
 男の死体から目を放し、光の源を探して首を回す。
しかしそれらしきものは見当たらない。
 少年は首を上に向けた。


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[177] (無題) 投稿者:お雪 7cutcbhRW5A (2006/01/27(金) 23:06 ugdJbBBoKq.)

boga

「俺があの時帰ってきた理由」
第6回
(第1回→>>172 第2回→>>173 第3回→>>174 第4回→>>175 第5回→>>176


「・・・」
まぶしい。
 少年は思わず手で目をかばった。
不思議だった。暗い路地をほんのりと明るくさせているそれが、直接見るとなぜこんなにもまぶしいのか。
 そこにあったのは、満月だった。
欠けたところの全くない白い月が、低い建物の間からぽっかりと見えている。
 少年はこれほど美しいものを見たことがなかった。
 その美しい満月が、この汚れた街を、少年を照らしている。
 こんな街では、月を見上げる者などはいないというのに、それはけなげに輝いていた。
 その光は、まるで全てを包みこむ天の使いのようで。
 そして少年はわかった。
 決して満月が強い光を発しているのではない。
少年自身が暗い、闇の者になってしまったから、まぶしく見えるのだ。
 ある気高き者を殺してしまったから。
 自分を救ってくれようとした人物を、自分で殺してしまったから。
 月は全ての者を照らす。
聖人にも、少年のような罪深き人種にも、同じ光をなげかける。
 この世のあらゆる罪を許し、受け入れ、優しく抱きしめるその月は、少年にとってはあまりに高く、尊く、そして遠い存在だった。
 俺はそこまで堕ちたのか。
 月を見ることが出来ないまでに。
そんなはずはない、と少年は顔の上にかかげていたてをどけ、満月をしっかりと見据えようとした。
 しかし、そのまぶしさに耐え切れず、少年の両眼からは涙があふれてくる。
 少年は愕然となり、満月から死んだ男に視線を移した。

 少年の涙は、瞳を守るというその役目を果たし終えても止まることはなく、流れ続ける。
 それをぬぐおうともせずに、彼はロクのところまで痛む脚をかばいながらはっていった。
 そして冷たくなりつつある彼の身体に顔をうずめると、はげしくすすり泣き始めた。
泣きながら、少年はロクと、あの満月に誓った。
 正しく生きると。
 いつかこの罪を償い、ロクのように自分の良心と正義に忠実に生きると。
 そして必ず、この優しく、麗しい月を、自分自身の眼で見ることが出来るように。
そうなるように。
今すぐには無理かもしれないが。
少年は顔を上げてロクを見つめ、かすかな声で誓った。
「・・・絶対に・・・」
 満月の光は二人を照らし、ロクの顔はよく見えた。
 その時、少年の耳の奥で、声が聞こえた。

「私の名前は、ロク。・・・・・・・・・・・・・・・君の名前は?」

少年はハッとした。
一瞬だけ、泣き止む。
しかし、すぐにまた涙は流れだし、彼は歯を食いしばった。
 かすれた声で、男に言う。

「俺の名前は・・・」


*************


「チューイー、これで俺たちの惨めな借金生活とはおさらばだな」
先ほどからのコクピットでの沈黙に耐え切れず、ついにハン・ソロはそう言った。
 しかし、話しかけた相棒からの返答は、「そうだな」というそっけない一言だけだった。
 ハンはそれを聞き、自分のささやかな仲直り作戦が失敗に終わったことを悟った。
 再び、コクピットは沈黙に支配される。
 このウーキー族のパートナーは、「ミレニアム・ファルコン」でヤヴィン4を出発したときから、ずっとこの調子で不機嫌なのだ。
 何か気に入らないことがあれば、遠慮なく相手に意見するというのが普段の彼のスタンスなので、このチューバッカがふてくされて黙ってしまうと言うことはめったにない。
 実のところ、ハン自身も上機嫌ではなかった。
 そして、その原因が、元をたどればとなりの副操縦席に座っているチューバッカのご機嫌斜め理由と同じだと言うこともわかっていた。

 チューバッカは、ルークやレイア姫がこれからあの巨大要塞に戦いを挑むというのに、ハンが彼らを見捨ててきたことに腹を立てているのだ。
 ウーキー族は互いの絆を大切にする種族であることもあって、チューバッカはどうしてもこの友情の裏切りが許せないらしい。
 実際、ハンもその事については罪悪感を感じている。
 しかしハンはあのデス・スターという要塞に攻撃を仕掛けることが、どれほど愚かな自殺行為かわかっていた。
 反乱同盟軍人達の意志の強さ、そして行動力は賞賛に値する。
しかし彼らは理想のために現実が見えなくなっているのだ。
 理想は生きていくうえで大切にすべきものかもしれないが、何でも度が過ぎれば毒となる。
 勇気と無謀とは違うのだ。
 ハンはよく無茶なことをして周りの人間から命知らずだと言われるが、そういう行動は全て自信があるからこそ起こすわけで、命の大事さはきちんと理解していた。
 そしてチューバッカも、一介のパイロットであるから、あの要塞惑星への攻撃が無謀であることがわかっていた。
 だからこそ、自分の命を守りたいと言う人として当然の行動に出たハンを怒るに怒れず、その結果がこの態度なのだ。
 それでも、ハンは同盟軍へのせめてもの想いとして、当初約束した法外な額の報奨金は要求せず、今抱えている借金が返せるだけの最低限の金しか受け取らなかった。
 それで充分だろ?
 しかし内心では、ハンはチューバッカと同じ気持ちだった。
 ほんのわずかな時間しか共にいなかったのに、自分を心から信頼してくれ、仲間だと言ってくれた二人の人物を残してきてしまった。
 しかし俺は、ただの雇われ人だ。あいつらを助けてやる義理なんかねえ。俺は頼まれたことは全部やった。それで良いだろ?
そう割り切ろうとするのだが、どうしても相手を裏切ったと言う気持ちを拭い去れない。
 しかし、俺が死んじまったら何にもならねえ。現にあの男だって・・・
そこまで考えて、ハンはハッとした。

 あの男。
もしあの男だったら、今自分がしているような行動を取るだろうか。
 ハンの脳裏に、その男の姿がはっきりと浮かび上がった。
そして、その男に出会った満月の晩の記憶が、一気に鮮明に蘇る。
あの、彼の亡骸に顔を押し当て、正しく、良心と正義に忠実に生きると誓ったあの夜の記憶が。
 俺は馬鹿か。
 初めから自分に、選択の余地はなかったのだ。
 彼と、あの美しい月に誓ったのだから。
 約束や誓いは、必ず守る。
 その信義は今も捨ててはいない。
 自分は、そう誓ったからには、正しく、良心と正義に忠実に生きなければならないのだ。
 それならば、自分がとるべき行動はひとつしかない。
 ハンは、利己的で自己中心的で、おまけに誓いを破ったという罪状までつけられそうになった自分にほとほと嫌気が差した。
 まだまだ全然、あのお月様に顔向けはできねえな・・・・・・
 ハンは顔を伏せてそっとかぶりをふると、突然明るい声で叫んだ。
「チューイー、進路を変える! 180度反転しろ!」
 それを聞いたチューバッカは、一瞬間をあけて素っ頓狂な声を上げた。
 ハンは怒鳴るように言った。
「進路を真後ろにとれって言ってるんだよ。聞こえねえのか?」
 チューバッカは、先程よりはずっと落ち着いた、それでも戸惑いを隠せない声でうなった。
 それを受け、ハンはにやりとお得意の笑顔を浮かべる。
「ちょいと忘れ物をしてきちまったみたいでな。早く行かないと誰かさんに横取りされるかもしれねえから、少しばかり急ぐぜ?」
 そういうとハンは操縦席に座りなおし、舵に手を置いた。
 チューバッカが、嬉しそうな咆哮を上げる。
 それを尻目に、ハンはチューバッカにも聞こえない小声で、そっとつぶやいた。
「おれァいくぜ、ロクさんよ」

そして「ミレニアム・ファルコン」は、巨大要塞惑星デス・スターに向けて疾走した。

 終


[178] (無題) 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2006/01/27(金) 23:10 kucTEaLLv6k)

madine

>>154の続き

ファン達はジェイドの護衛の為、横に着いた。
ジェイドは自分の機体の損傷を確認する。黒い斑点が六つ程。それに加え、アストロメイク・ドロイドは・・・・・。
機体から突き出している部分、つまりドロイドの顔だ。それが吹っ飛んでいた。
残っているのは荒々しい断面を残したボディーだけだ。
“マスター・ジェイド、一番近い補給地点が見えました”ファンの声だ。
「よし、君達はあと少ししたらまた戻れ。後は心配無い」
“イエッサー”
ジェイドは補給地点を目を凝らし、見つめる。
街外れの補給地点だけあって、トルーパーが五人だけだ。ビークルはガンシップのみであった。
ジェダイは時機を着陸させた。そしてすぐにトルーパー達が駆けつけてくる。
「こいつを修理してくれ。アストロメイク・ドロイドの修理も頼む」
「イエッサー」ジャンゴ・フェットのクローンはすぐに修理の準備を始めた。
するとガンシップが一機近くに降り立った。中から数人のクローンと良く見るクローン・コマンダーが出てきた。
「また会ったな」ジェイドがイータに言った。
「はい。ところで戦況ですが・・・・・・」イータはホロ地図を取り出す。
「街の半分近くは取り返しました。ですが、ここらへんが・・・・」
彼は敵の手に渡ったままの半分の空を指差した。
「トライ・ファイターの巣です。ここを突破しなければなりません」
ジェイドは注意深くホロを見ながら言った。
「では行こう。機体の修理が終わったらな」彼は遠くに目を向ける。
煙の数が増えたな。バンダード達の生活が元に戻るには時間がかかるだろう。
それでも挫けず戦う彼らは勇敢だ。
「イータ、ホロ地図を貸してくれ」ジェダイが言う。
「分かりました」彼はホロを眺め始める。
その時イータの通信機が鳴った。イータはジェイドと同じ様に、青い映像を手の平に出す。
ホロにはフードを被った皺が恐ろしいほど濃い老人が映っている。その老人は話し出した。
“コマンダー・イータ、オーダー66を実行せよ”
オーダー66―――イータは何の驚きもせず、答えた。
「はい閣下」
ジェイドの見ていたホロの映りが少し悪くなった。
「イータ、ホロの調子が――――!?」彼は自分に銃口を向けているクローン兵を見据えた。
何だ?クローン兵は引き金を引こうとした。
その瞬間ジェダイ・マスターは飛び上がり、クローン兵達に稲妻を叩き付けた。
一体何が起こったんだ!?ジェイドは飛んでくるブラスターを確実に跳ね返す。

続く・・・


[182] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/02/04(土) 18:23 imMw5OCt6Sc)

kyp


<オークス・ホグリーの物語>

ふう、さあ行こう。

俺はスピーダーの運転手に出発しろと伝えた。目的地はもちろん元老院オフィス・ビルだ。そこは俺の仕事場だ。ビルの間を飛んでいるとやがて朝日に照らされる建物が見えてきた。スピーダーがプラットホームに入った。
「さあ、到着です。」運転手は言った。俺は一言礼を言うと降りた。他の議員も派手なスピーダーでご到着だ。しかも皆女を連れてる。まったく・・なにがしたいんだろうねえ。恋人でもないのにあんなの連れて。最近の議員はどうしても美人を二人、両脇にしたがえたがる。だが俺はそんなアホはしない。美人を連れたりなんか。
「ホグリー議員、」声がした。俺は振り返るといつもの仲間が目に入った。
「ああ、おはよう。」俺はやつに挨拶した。ベイル・オーガナとは長い付き合いだ。元老院のなかではマシな人物だ。俺は彼と接することが多い。そっちのほうが利口だしな。
「今日の会議はどうするんだ?パルパティーンにつくか?」俺は言った。
「ああ、どうしようもないな。中立だ。議長がなにか言ってくればそれに答える。最近は議長も信用できない。」オーガナは言った。
「そうだな。どんどん憲法改正をしてる。迷惑だよ。」俺は言った。俺達は並んで歩いた。そして俺のオフィスまで来る。
「よってくか?」俺は言った。
「ああ、そうしよう。」オーガナは俺のオフィスに入ってきた。いつものように。俺のオフィスは芸術品ばかりだ。自分で書いたものもあれば買ってきたものもある。俺はこう見えても絵だけはうまい。絵は壁からかけてる。ホログラムじゃないところがいい。それと石を削って創ったトワイレックの女性。かなりセクシーだ。ああ、さっき言った事は訂正しよう。少なくとも”生きてる”トワイレックはいない。
「なあ、これ受け取ってくれ。」オーガナはなにか取り出してこっちによこした。ブラスターだ。オーガナのものだろう。やつらしくちょっとシャレた形だ。
「これからもっと物騒になる。バトルドロイドがお前を殺すかもしれない。」オーガナは言った。はあ、お前まで。俺が狙われるだと。
「ああ、ありがとう。まあ、狙われないことを願うよ。」俺はブラスターを受け取った。

>>185に続く


[183] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/03/10(金) 23:18 f0farH/b/5.)

polis_massan

CHAPTER1(>>166)の続き

CHAPTER2
ファルがウォフから聞いたパスワードをコントロールパネルに入力すると、壁のロボットアームが全て引っ込み、ホログラムに映し出されている戦場でもバトルドロイドが一斉に停止した。それを確認したウロスは再びウォフの方に向き直った。
「さあ、来てもらおう。」
その時、ファルはヘルメットに内蔵されているコムリンクを通してティフェルにいる全てのクローンに囁いた。
「今だ。ジェダイを殺せ。」
トルーパーがちょうどウロスとウォフの頭上にあるシャンデリアを撃ち落とし、同時にホログラムに写っている戦場でも歓声を上げていたジェダイ達が周囲のトルーパーに一斉射撃を受けてバタバタと死んだ。
「死体を確認しろ。」
「イエッサー。」
ファルとその部下が落としたシャンデリアの下を確認したが、血まみれになったクーリヴァーの死体しかなかった。
「しまった。逃げられた。」

セキュリティが解除された古城の廊下を走っているウロスはかなり戸惑っていた。
「一体どうなっているんだ?クローンが味方であるはずの俺を殺そうとしたぞ。」
そう思いながらも、ウロスはとりあえずコルサントに連絡するためにベルトのビーコンを取ったが、スピーカーが壊れているらしくノイズさえも聞き取れなかった。
「くそっ。どうすればいいんだ?」
その時、ウロスはティファンに出撃した共和国軍のガンシップや輸送船がほとんど戦闘で破壊された事を思い出した。
「・・・・少人数で奇襲したからこの城の中にはまだあまりトルーパーはいないはずだ。今すぐこの城にある戦闘機を奪えば逃げ切れるかもしれない。」
ウロスは侵入の時に天井裏から見た城の中の様子を思い出しながらプラットフォームに向かった。案の定プラットフォームにはウォフの物だと思われるジオノーシアン・ファンブレード・スターファイターが止まっており、邪魔をする相手も侵入の時に囮になってとどまっていたトルーパーが1人いるだけだった。
「手を上げろ。」
「そうはいくか。」
ウロスはライトセーバーを起動すると回転するような動きでブラスターライフルの弾を跳ね返して高くジャンプをすると、トルーパーの隣に着地してトルーパーの肩に手を乗せ、フォースでトルーパーを気絶させた。
「こっちだ。急げ。」
「まずい。」
ウロスは急いでジオノーシアン・ファンブレード・スターファイターに乗り込み、飛び立った。

ウロスが乗ったジオノーシアン・ファンブレード・スターファイターが飛び立つのを確認したファルは通信機で軌道上のリパブリック・アタック・クルーザーに連絡を取った。
「こちらファル。ウロスが敵のスターファイターを奪い逃走した。至急応戦を頼む。」
『了解。』
直ちにリパブリック・アタック・クルーザーの砲台やVウイングの狙いが全てジオノーシアン・ファンブレード・スターファイターに向けられたのだが、ウロスの予想通り既にウォフのドロイド軍との戦闘で全滅寸前まで追い込まれていたのでウロスは難なくハイパー・スペースに逃れることが出来た。

CHAPTER3(>>195)に続く


[184] (無題) 投稿者:帝国広報部副部長 yiLaBYWHYL2 [Web] (2006/02/02(木) 18:53 pmtfLW5SmAM)

droid_control

近日小説を発表予定
「STARWARS シスの誘惑」

あらすじ
ルークの死から100年後。
ライトセイバーでさえも安く大量に生産される時代となっていた。
そのような中、主人公(ジェダイ・パダワン)は、
ジェダイ修行堂のスクラップ処理所、古びた機械の残骸の中から
ドロイド、R2-D2を発見する。
ドロイドとの出会いがきっかけとなり、ついに宇宙へと旅立つのであった・・・・・


[185] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/02/04(土) 18:22 imMw5OCt6Sc)

kyp

<オークス・ホグリーの物語>>>182の続き

俺は数秒間ブラスターを見つめた。こんなもん・・
「ああ、そうだ。もうすぐ展覧会を開くつもりだ。暇なら来てくれ。」俺は思い出し言った。
「ああ、君の作品を見させてもらうよ。どこでだい?」オーガナは言った。
「リパブリック・アート・ビルのホールでやる。あれだよ。」俺は広い窓の外にあるビルを指差した。
「ほう。では時間があったら行こう。」オーガナは言った。
「ではこれで失礼するよ。また会議のと時に。」オーガナはそう言って俺の部屋から出ていった。俺は一息着いて椅子に座った。まったく。ブラスターまで持たされるとは・・。暴力は大嫌いだ。戦争も。俺達政治家が娯楽に飢え、くだらん言い争いを言ってるあいだにものすごい数のクローン兵士や一般市民、ジェダイが死んでいる。俺は子供のころ、芸術センスを持ってるオタクのようなやつだった。いまでもそれは変わらないが。世の中のやつら、とくに子供は芸術家タイプ、頭脳タイプのやつを嫌う。自分が持てない才能を持ってるからだ。自分よりも弱いやつが才能を持つの嫌なんだ。俺は運動のほうはまるで駄目だった。そのため、わけもなく俺を殴る糞がいた。いまでも名前は忘れない。オルデランの学校で生活していた少年時代。そりゃあ全部が俺を攻撃したわけじゃない。ほんの一部。その一部が俺を攻撃し、俺以外の生徒も支配した。オルデラン星にあんなやつがいるのは非常に腹が立つ。俺がゆっくり友達を会話している。そこへやつが来る。そして俺にちょっかいを出す。毎日。やってられん。俺はオルデラン最高の芸術家。こんなところで負けられない。そして俺は人間関係を創るため努力した。
『ホグリー議員。会議の時間です。お急ぎください。』通信機から声がした。やれやれ、もう議会にいかなきゃならんのか。まあいい。席に黙って座ってアホどもが猿のように言い争うのを眺めていよう。俺は通信機を取って運転手に連絡した。
「ジャック、スピーダーのエンジンを温めておけ。そろそろ出るぞ。」

>>186に続く


[186] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/02/04(土) 18:21 imMw5OCt6Sc)

kyp

<オークス・ホグリーの物語>>>185の続き

俺は長くて黒い上着を着ると、スピーダーの待つ離着陸場へ向かった。俺がスピーダーから見えるようになると運転手のジャックは降りてきて、スピーダーのドアを開けてくれた。
「すまないな。」俺はスピーダーに乗りながら言った。
「いいえ、仕事ですから。」ジャックは笑って言った。オルデランでも優秀なパイロットである彼は、もう長いこと俺の運転手として働いてる。ジャックは宇宙船を飛ばす事だってできる。ベイル・オーガナのコルトン・アンティリーズにはかなわいながな。
スピーダーは高層ビルの間をすり抜けていった。いつものように何台ものスピーダーとすれ違う。俺は窓から景色を見ていた。そして頭の中で記憶が蘇る。
俺は先程、人間関係のために努力したと言ったな。ああその通り。俺は努力した。結果、俺の周りにはいつのまにやら友達が集まっていた。学校一番の暴力者もな。しかし、暴力から解放されたわけではない。たまに俺はヘマをし、やつらの怒りを買っちまう。まあ、不器用な俺がいつもするヘマだ。しかし、そんな暴力者たちも、普段は根のいいやつだった。俺もやつらと次第に会話ができるようになった。結局俺は、暴力者達自身を憎んでいたのではなく、やつらの心の闇を憎んでいた。いや、全ての人間の闇を憎んでいた。その闇はすぐに人間を操り、暴力や中傷をさせてしまう。ジェダイはこれを暗黒面という。俺もジェダイの考え方には賛成だね。
「議事堂です。」ジャックは言った。俺は我に返り、景色を見た。ドーム型の議事堂が太陽に照らされている。スピーダーは離着陸場に降りた。
「ありがとう。それじゃ、長い間帰ってこないと思うから、そのへんで暇をつぶしてくれ。じゃあな。」俺はジャックに言って議事堂内にかけこんでいった。

議事堂ではオフィスビルで見たような議員がたくさんいた。美人を両脇に従えるアホやクズだ。まったく、恥ずかしいな。
「おはようホグリー議員。」すれ違うエイリアンの議員がそう言ってきた。俺は口だけのあいさつを返すと急いで大会議場のオルデランのポッドへの入り口に入った。すでにポッドにはベイル・オーガナと補佐達が乗りこんでいる。
「やあ、」オーガナは言った。
「ああ、」俺は息を切らして言った。まだ中央にあるはずの演説台が上がってきていない。間に合ったか。
「さっき聞いた噂だが、分離主義者に新たな指揮官が現れたらしい。ジェダイが数人やられたそうだ。」オーガナはひそひそと言った。
「嘘だろ、ジェダイを数人やっちまうなんてどんなやつだい?」俺は尋ねた。
「詳しく知らんが、ドロイドの将軍らしい。」オーガナが言った。俺は”ドロイドの将軍”っつーのが”ドロイドを指揮する将軍”なのか、”本人自体がドロイドである将軍”なのかは理解できなかった。いずれにせよただもんじゃない。そうしてるうちに、演説台が下から上がってきた。三人の人影が乗っている。やがて演説台はいつもの位置まで上がり、三人の顔が見れた。気味の悪い側近二人。そして気難しい顔のパルパティーンじいさん。
「これから開会する。早速だが、先程情報が入った。惑星ハイポリにて、ジェダイを出しぬくほどの力を持った脅威が現れたのです。」パルパティーン最高議長が言った。周りで議員たちが驚きのささやきを始める。
「ご静粛に。」副官マス・アミダが言った。不気味な補佐官は長い舌を出してぺたぺた音をたてることがある。
「最新情報によればドロイドの姿をした連合軍司令官です。生存したジェダイはたった三人。二人は負傷しています。発言のできる残りの一人が報告をしました。ドロイド将軍はライトセイバーを使用するそうです。」パルパティーンの言葉を聞いてさらに議員が騒ぐ。これに関してはさすがの俺も声をあげた。ライトセイバーを操るドロイドだって?そりゃあ、ジェダイにとってはかなりの脅威だな・・
「ですが良い知らせもある。惑星ムーニリンストでは銀行グループの拠点を奪う事に成功しました・・」パルパティーンの発言は続いた。

>>188に続く


[188] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/02/04(土) 18:23 imMw5OCt6Sc)

kyp


<オークス・ホグリーの物語>>>186の続き

ふう・・・・ドロイド将軍か。戦争は長くなりそうだ。俺は会議後、議事堂の通路をぼんやり歩いていた。ジャックに迎えに来るように言う前に少し散歩しよう・・
俺はコルサントの巨大公園、リパブリック・パークを歩いていた。いろんな惑星から持ってきた植物が植えられていた。オルデランのものもある。俺は子供が棒を持って遊んでいるのを見つけた。
「俺は最強のジェダイ・マスター、ウィンドゥだ!」男の子が一人言った。
「俺はクローン・コマンダーだ!」ともう一人。
「えーと、僕は・・」もう一人、気弱な子がいた。
「お前はヌート・ガンレイな。俺とキルがお前を殺しに行くのさ。」ウィンドゥ役の子は言った。まったく、ヌート・ガンレイはあんまりだろ。あんな臆病なニモ―ディアン役なんて。
「え・・僕・・・ガンレイ総督?・・」ガンレイ役が言った。
「そうだよ。始めるぞ。おい、コマンダー・キル、ガンレイ総督の居場所を見つけたか?」ウィンドゥ役は言った。
「はい、見つけました!あそこです!」コマンダー役は言った。
「よし、クローン部隊出撃!おい、お前等兵士役な。」ウィンドゥ役は残りの4、5人に言った。兵士役はクローン・トルーパーを真似て「イエッサ」と一言言うとガンレイに襲いかかった。ガンレイ役はすぐに倒れこみ、どかどかと蹴られた。あのウィンドゥ役を殴りたい。だが、議員がそんなことをするとやたらマスコミは騒ぐ。ふむ・・・そうだ、あの子供に本当のクローン大戦を教えよう。
「おい、お前達。」俺は声をかけた。暴力者は俺を見て逃げようか戸惑った。
「クローン戦争ごっこをしてるみたいだね。実は俺は元老院議員なんだ。俺は日々、クローン戦争の指揮のために会議を続けている。」俺は言った。議員と聞いて子供達は緊張した。
「緊張する必要はないさ。ところで、俺が本当のクローン戦争を教える。お前達がやってるのはただの虐めだ。ガンレイ役は抵抗しない。もちろん本物のガンレイも臆病者さ。でも、この子は本当に臆病なのかな?」俺は聞いた。すると、ウィンドゥ役が口を開いた。
「臆病さ。こいつにはガンレイがぴったり。いつも気弱なんだ。」
「でも、それは君達が無理に押しつけているのかもしれないぞ。本当はこの子にも力があり、君達を簡単に切り裂いちまうかもしれない。そうさ、どんな人間にも底力がある。君達はこの子の力を封じこめてるんだ。この子の力も存分に発揮させれば、君達は最強の子供軍団になれるかもしれない。」俺は言ってやった。ウィンドゥ役を説得できたみたいだ。なあに、俺にかかればこんなガキ・・
「わかった。御免な、コーム。」ウィンドゥ役は言った。
「さあ、クローン戦争ごっこを再開しよう。まずは、連合と共和国軍が必要だ。コーム君だったかな?君は引き続きガンレイをやりたいかい?」俺は聞いた。
「う、うん。」コームは頷いた。俺は正直驚いた。ガンレイを本当に演じたいらしい。
「そうか。では、コーム君の指揮するドロイド軍が必要だ。誰がやる?だいたい5人は必要だ。」俺は子供たちを見渡した。俺のちょっとした激論に引かれ、別の場所で遊んでいた子供まできていた。ざっと10人以上。そのうち5人がドロイド役を買った。
「よし、ではウィンドゥ役とコマンダー役。誰だい?」さっきの男の子が口を開いた。
「もちろん俺だ。」ウィンドゥ役は言った。
「名前は?」俺は言った。
「ウィル。」ウィルは言った。
「よし、メイス・ウィンドゥはウィル君が演じる。コマンダーはキル君でいいかな?」俺は言った。キルは頷いた。
「では残ったものはクローン軍とドロイド軍に適当に分かれろ。」俺は言った。
「ルール。これだけは守れ。けして暴力無し。」俺は付け加えた。
「暴力無しでどうやって戦争をするのさ。」ウィルは言った。
「銃を発射したふりをして当たったふりをする。それだけさ。」俺は言った。
「俺はジェダイ役だ。銃なんて使わないよ。」ウィルは言った。
「なら棒を使え。そんで、チャンバラがやりたいなら誰かにドゥークー役をやってもらえ。」俺は言った。子供たちはウキウキしていた。
「じゃあ、俺はもう行くぞ。」俺は告げた。
「おじさん、名前は?」子供達は言った。
「オークス・ホグリー、オルデランの元老院議員だ。じゃあな。」俺はそう言って子供達と別れた。やれやれ、なんとかコームを助けられた。それに虐めっ子達を怒らせないように。我ながらよかった。
「ジャック、リパブリック・パークの前まで来てくれるか?」俺はコムリンクに言った。
「仰せのままに。」ジャックは言った。

>>194に続く


[189] (無題) 投稿者:帝国広報部副部長 yiLaBYWHYL2 [Web] (2006/02/04(土) 08:55 pmtfLW5SmAM)

droid_control

新作を投下する前に。
昔俺が作った小説を読んでください。

「伝説のジェダイ小隊」
キャラ表
・フォース小隊
 ●隊長
  ハヌイア・ジョー
  人間・男 34歳
  セイバー・青
  ジェダスタ・黄
  [この小隊の隊長。]

 ●突撃兵士
  ジョン・ヘルメス
  人間・男 25歳
  セイバー・緑
  ジェダスタ・赤
  [ハヌイアのパダワン。ヘラに片思いをしている。]

  ヘラ・マローヌ
  人間・女 23歳
  セイバー・緑
  ジェダスタ・水色
  [天才的なジェダイ・パイロットを輩出して来たマローヌ家の女性。パイロットとしては、小隊中最強。]

 ●偵察兵士
  ダーバッカ
  ウーキー・男 187歳
  セイバー・青
  ジェタスタ・緑
  [ウーキー族のジェダイ。]

  エイムス・ヴィー
  人間・女 22歳
  セイバー・青
  ジェダスタ・青
  [ジェダイナイト。ジョンに片思いをしている。]

 ●爆撃兵士
  グランズ・ボステロ
  人間・男 30歳
  セイバー・紫
  ジェダスタ・薄い灰色
  [ジェダイ・マスター。]

  ドレス・マルカス
  人間・男 27歳
  セイバー・青
  ジェダスタ・黒
  [グランズのパダワン。]
***********************************************************
時代
時は旧共和国時代。
ついにクローン戦争が勃発した。
メイス・ウィンドウは、ジェダイが共和国の守護者である事を
議長に忘れさせない為に、ジェダイ・スターファイターの数を
倍増し、密かにジェダイ・スターファイターによる戦闘機小隊を結成していた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
***********************************************************
プロローグ「ジオノーシス宇宙戦」

ジオノーシスの宇宙で、七機のジェダイ・スターファイターが
編隊を組んで飛行していた。
今や、このジオノーシスの宇宙にいるのは、このジェダイ・スターファイターだけではない。
地上から逃れてきた通商連合のバトルシップ・コア、テクノ・ユニオンの輸送船、数百機のドロイド・スターファイター、
この編隊以外のジェダイ・スターファイター数百機、
共和国強襲艦などである。
***********************************************************
ハヌイア小隊長は言った。「全機、報告せよ」
「準備良し」
「今回の目標は」ハヌイアは告げた。「独立星系連合の戦艦や貨物船だ。軌道上のこの船を、できるだけ多く足止めしなければならん。」
「了解」ジョンが自信たっぷりに言った。「マスター、この私がいるかぎり、一隻も逃がしません。」
「その意気だ、パダワン。でも油断するなよ」
別の声が割り込んできた。グランズ・ボステロである。「あんたのパダワンの言う通りだ。俺たちが負けるなど、考えられないね。今までだってそうだ。例えば、ダントゥイーンでの海戦の時とか・・・・・」
「もう黙れ、グランズ。そろそろターゲットに突っ込むぜ」ダーバッカの声がスピーカーから響く。彼は、ウーキーにしては珍しく、ベーシックを話せる。
「ダーヴァーの言う通りだ。」ハヌイアの声。
***********************************************************
七機のジェダイ・スターファイターがバトルシップ・コアに近付いていく。その後を、倍の数のドロイド・スターファイターが追いかけて来た。
***********************************************************
「敵さんのおでましだ」ハヌイアが言った。レーダーで敵の位置を確認する。
「突撃隊と偵察隊は、後ろのドロイドを出来るだけ多くひきつけろ。爆撃隊は、俺について来い。フォースとともにあらんことを」
「了解。」
***********************************************************
七機のジェダイ・スターファイターは、三機づつと四機づつの二つのグループに分かれた。
三機はそのまま直進し、四機は別の方向に進路を取った。
十四機のドロイドは、半分づつに分かれて、ジェダイ・スターファイターの後を追いかけ始めた。
***********************************************************
「よし、敵の数がだいぶ減った。」ハヌイアはつぶやいた。
スピーカーから声が聞こえる。
「隊長、バトルシップ・コアがソニック・チャージの射程距離に入りました。発射準備完了」ドレス・マルカスの声だ。
「よし、発射しろ」ハヌイアは大声で命じた。
「発射」
***********************************************************
爆弾は猛スピードでバトルシップ・コアに向かって進んで行く。
バトルシップ・コアに爆弾が直撃した。
爆弾の爆風は波状に広がり、バトルシップ・コアの反応炉を木端微塵に吹き飛ばした。
***********************************************************
「総督、北の艦隊が集中砲火を受けています。」
「敵戦艦との交戦ですでに戦艦三隻、貨物船四隻が破壊。二隻の戦艦が航行不能に陥っております。」
部下からの報告を受けて、通商連合の総督ヌート・ガンレイは焦った。
「速すぎる。馬鹿な。我が旗艦に何者も通すな。中央砲塔の出力を倍に上げろ。」戦術士官は部下に命じた。
まさに、大混乱だった。
***********************************************************
「敵が撤退し始めている。」ハヌイアは言った。
「敵をできるだけ撃墜するんです。」とドレス。
「よし、ドロイド操作船に向かう。」ハヌイアは目標を変更した。
***********************************************************
「先頭の艦艇はすでに光速航行に入っております。」士官は総督に告げた。
「提督、光速航行の準備が完了いたしました。」
「よし、ジャンプしろ」総督が直々に命じた。
通商連合旗艦はハイパースペースに突入した。
***********************************************************
その頃、高速航行に入り遅れたドロイド操作船は、共和国強襲艦の攻撃によって航行不能に陥っていた。
「隊長、敵を撃墜し、合流しに来ました」とヘラ・マローヌ。
「よし。全機、突っ込むぞ。」
再び七機となったジェダイ・スターファイターは、ドロイド操作船への攻撃を開始した。
***********************************************************
共和国艦隊による攻撃は続いた。
そして・・・・・・
ドロイド操作船は、真っ赤な火柱を揚げたあと、木端微塵に吹き飛んだ。
***********************************************************


第一章「任務の謎」
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ジオノーシス宙域・共和国強襲艦内にて

ジェダイ小隊の面々が部屋に集まっている。
隊長に召集されたのだ。
ハヌイアは言った。「これより、会議を開始する。」
「今回の任務御苦労だった。」ハヌイアは言った。「だが疑問を感じる」
「疑問?」ヘラは訊いた。「疑問って何の事?」
ハヌイアは説明した。「そもそも、この任務自体が怪しかった。
何故、あの程度の戦艦を攻撃する任務をわざわざ与えられたのか?あそこには、我が小隊以外のジェダイ・スターファイターは
数百機とあった。アサルト・シップもだ。なのに何故、わざわざ我々が呼ばれたのか?」
この質問には誰も答えられなかった。
「いいか。」ハヌイアはまた口を開いた。「この任務を与えてくれたのは誰かと、ウィンドウ将軍に訊いてみた。しかし、ウィンドウ将軍は、私達に依頼主を教えてくれなかった。」
「怪しい。怪しすぎますわ。」とエイムス・ヴィー。
「俺達に教えられない依頼主とは一体誰何だ?」ダーヴァーである。
「何故このような事を?」ジョン・ヘルメスが口を開いた。
「俺達を邪魔者扱いしているのか。」とドレス・マルカス。
「静粛に」ハヌイアが口を開いた。「ドレスの言う通りだ。
多分そいつは、俺達を邪魔者扱いしている。とりあえずはここで、会議終了。まあ、また分かった事があれば連絡するよ、同志。では、解散」
「お話し中ちょっとすまないな。」突然、目の前のスクリーンが光った。メイス・ウィンドウ将軍である。
「今丁度、終わったところです。」
「そうか。実は君達に新しい任務が入った。議長直々に命じられた」
「どのような任務ですか?」
「惑星レン・ヴァーにある、発電所の動作が停止しているらしい。そこの発電システムを回復して来て欲しい。」
「了解しました。ただちに向かいます。」
ホログラムが消えた。
***********************************************************
アサルト・シップから一隻の貨物船が出た。
その貨物船は向きを変えると、惑星レン・ヴァーへと向かった。
***********************************************************
第一章・終わり


[190] (無題) 投稿者:帝国広報部副部長 yiLaBYWHYL2 [Web] (2006/02/04(土) 08:57 pmtfLW5SmAM)

droid_control

>>189の続き

第二章「レンヴァーでの危機・そして恐るべき陰謀」
***********************************************************
レン・ヴァーの氷の大地に、一隻の貨物船が降り立った。
貨物船の中から人が出てきた。
「なんて寒いんだ!」ジョンはうめいた。
「タラップを閉めておけ」ハヌイアは命じた。「船まで凍っちまう」
ジェダイ七人は、クローンを船に残して、発電所へと向かった。
貨物船からジェダイが見えなくなったその頃、貨物船は大爆発を起こして木端微塵に吹き飛んだ。
ハヌイアはいち早くその爆発に気付いた。
遠くで大爆発があったのだ。ブリザードのせいで、視界が悪いが、間違い無いだろう。
「罠にはまった。船が爆破された。議長は我々を殺そうとしている!」ハヌイアは声を張り上げた。
「そんな馬鹿な!」ダーバッカが大声で言った。このブリザードでは、命令伝達もままならない。
「とにかく近くの洞窟に避難だ!」ハヌイアは大声で命じた。
***********************************************************
〜氷の洞窟にて〜
「説明してくれよ、マイ・フレンド」グランズが言った。「あれも、これも、議長の仕業だっていうのか。」
「その通りだ。多分先程の任務の依頼主も、議長だ。もう一度言うが、議長は我々を殺そうとしている。」
「何故、そう言い切れる訳ですの?」エイムス・ヴィーが訊いた。
「よく考えてみろ。この任務は議長直々に命じられた。ということは、船に乗っていたパイロットも相当な技術を持っているだろう。そのパイロットが事故を起こすとは考えにくい。私の推測によると、この惑星には発電所なんか無いだろう。私達は、騙されたのだ。」
「マスター」ジョンが呼びかけた。「洞窟の奥へ行ってきます」
「あっ、私も。待ってジョン!」ジョンとエイムスは、洞窟の奥へ行った。
ハヌイア心の声(もう、限界かもな・・・人間は、狭くて暗いところ・・・、つまり洞窟のような所にいると、普段の十倍のストレスを感じるという・・・ウーキーはどうだか知らんが、皆限界だろう・・・)
***********************************************************
〜パルパティーンのオフィスにて〜
「事は順調に進んでおる。ガンレイ総督」パルパティーン議長が通商連合の総督と通信をしている。黒いローブを身にまとい、顔は黒いフードで隠してある。「女王の命がサインの条件だと?いつまでもそのような事を気にするでない。サインをしなければ、こちらも一切手は貸さぬ。」
「で、ですがシディアス卿・・・」
「言い訳は聞かぬ。おっと、そういえば・・・、そなた達のドロイドを作っているのはジオノージアンであったな。ドゥークー卿に命じて、ドロイドの生産ラインを止めてもらうかな。」
「そ、そのような事は・・・。」
「今そちらに外交使節を送った。サインをするか否か、良く考えておくのだな。」パルパティーンは通信を切った。
ジェダイどもは気付いていない。シディアスは微笑んだ。
今回のジェダイ小隊の一件はジェダイ狩りの序章に過ぎない。
全てうまくいっている。連合の事、ドゥークー卿の事、ジェダイ評議会の事、間抜けなジェダイ小隊の事、スカイウォーカーの事。
全てがうまくいっている。歯車が正しく動き、正確な刻を私に教えてくれる。
今のところは。。。
***********************************************************
第二章・終わり



第三章「レン・ヴァーからの脱出」
***********************************************************
〜氷の洞窟にて〜
「小隊長」ヘラ・マローヌが話しかけた。「ポイントGX-853から金属反応です。サイズから、輸送船だと思われます」
「ふむ。今すぐ出発だ。」ハヌイアが言った。
「まだ洞窟にジョンとエイムスがいます。私が二人を呼びます。
隊長達は先へ行って下さい。後で追いかけます。」
「了解した、同志」ハヌイアが言った。「しっかり来いよ」
***********************************************************
洞窟の奥深くにジョンとエイムスがいた。
「ねえ、二人とも、もう出発するわよ」ヘラが話しかけた。
「よし!」
「待って。話がしたいの。何であなたはいつも、私の方を向いてくれないの?」
「今の問題と何ら関係は無い」
「これは重要な問題よ」
「今は生きる事が最優先だ!」ジョンは言った。「ジェダイは私情で動いてはならない。これは規律だ」
「分かったわ・・・・・」
***********************************************************
〜輸送船にて〜
「本当に輸送船があった」ドレス・マルカスが言った。
「なんとかここまで来れました」ヘラ・マローヌが言った。
「よし、みんな乗り込め、出発するぞ」
***********************************************************
〜共和国強襲艦〜
「応答せよ、輸送船、船名を述べよ」
「こちら共和国輸送船F-97-NE-631。乗艦を要求する。」
「目的は何だ。」
「目的は言わなくてもよい」
「目的は言わなくてもよい」
「乗艦を許可する」
「乗艦を許可する」
***********************************************************
「マスター、フォースを使わなくても」ジョンが忠告した。
「今は仕方が無い」ハヌイアは言った。
***********************************************************
輸送船は開きかけたシールドをかすめて、共和国強襲艦のハンガーへと向かった。
***********************************************************
第三章・終わり


[191] (無題) 投稿者:帝国広報部副部長 yiLaBYWHYL2 [Web] (2006/02/04(土) 08:58 pmtfLW5SmAM)

droid_control

第四章「議長の素顔」
***********************************************************
〜共和国強襲艦内部〜
「そうか、そういう訳だったのか」キット・フィストーは納得した。
「だから君は、ガチガチに凍りついた服を着て、行ったときとは違う輸送船でハンガーに帰って来て、フォースを使って管制官を騙したという訳か。」
「その通りだよ、キット。途中でハイパードライブの燃料が足りるか心配したよ。ここにいるのが奇跡みたいだった。」
「奇跡を起こすのは君の得意な事だろう、ハヌイア?」
ジェダイ小隊の隊長は話題を変えた。
「ところで、キット、この事故には裏があると思うんだが」
「議長が犯人だという事か?」
「その通りだ、キット。あの任務を頼んできたのは議長だからな。議長以外には考えられない。私はこの事をジェダイ評議会に訴えるつもりだ。」
「どうやってウィンドウ将軍やマスター・ヨーダに納得させるつもりなんだ?証拠が無くては、ジェダイ評議会を納得させるのは不可能だろう」
ハヌイアは食い下がった。「俺は諦めない」
「いいか、君にはまだ味方が少ない。チャンスを待つのだ、我が友よ」
「分かったよ、キット」
「ならば、チャンスは自ら作れ。議長に怪しまれないように、議長から受けたあらゆる任務を謹んで受けるのだ」
「了解・・・・・」
***********************************************************
〜通商連合旗艦〜
バトル・ドロイドが報告した。「ソウトク、タイシガトウチャクイタシマシタ」
「ご苦労、丁重にお迎えするのだぞ」ヌート・ガンレイ総督は命じた。
「リョウカイ、リョウカイ」
側近は総督に話しかけた。「悪夢の外交が始まりますな」
「もう手遅れだ・・・十年前、あのジェダイと手をくまなかったほうがよかった・・・・・」
***********************************************************
第四章・終わり



第五章「グリーヴァス将軍の脅威」
***********************************************************
ニモーディアンの大使は、丁寧にお辞儀した。
外交に来た相手に、驚きを隠せなかった。
グリーヴァス将軍。
人間と機械が融合したような姿。大使は恐怖を覚えた。
「これはこれは、グリーヴァス将軍。わざわざ外交に赴いて下さったのですか。光栄です。」
将軍は人間味のまるでない、鉄のような声で答えた。
「お世辞はよせ、大使」上司でもないのに命令口調だ。「総督に会わせろ。直接話をする」
「冗談はよして頂けますかな。外交は我々外交部の専門です。」
「総督にこう伝えておけ。サインをしないのなら、貴方の部下の命の保障はしかねるとな」
「承知しました」大使は震えた声で言った。
***********************************************************
「議長はジェダイ小隊を高く評価しておられる」メイス・ウィンドゥは言った。
「はい、マスター・ウィンドウ」ハヌイアは答えた。
「そこで、また議長からの任務だ。ケッセルで、通商連合が鉱石の不法採掘を行っているらしい。真偽を確かめにそこにジェダイを送ってよこしたのに、一週間も音沙汰がない。真偽を調べて来て欲しい。」
「はい、分かりました」メイス・ウィンドウのホログラムが消えた。
***********************************************************
「わざわざ殺されに行くのですか」若きパダワンは猛烈にケッセル行きを反対した。「他のメンバーも反対するに決まっています」
「証拠がないんだ。徹底的に証拠を探し回る。もし議長が怪しいという証拠が見つかったら、すぐにマスター・ウィンドウに報告する。みんなにもそれを言って、納得させてくれないか」
「はい、マスター。危険な旅になりますね」
「あぁ・・・・・。」
***********************************************************
「こちらグリーヴァス。シディアス卿、通商連合の総督にサインをさせました」
「全ては余の思い通りに運んでおる」
「シディアス卿、ジェダイの小隊がケッセルに向かいました」
「将軍、先回りして待ち伏せするのだ。一匹も逃がしてはならぬ。」
「了解しました」グリーヴァス将軍のホログラムが消えた。
***********************************************************
第五章・終わり


第六章「決戦前夜」
***********************************************************
ドレス・マルカスは観た。
グランズ・ボステロ_____________________彼のマスターである________________と、闇との戦いを。
闇はマスターが力を増せば増すほど、同様に力をあげていく。
ドレス・マルカスはある事に気が付いた。
マスターは怒っている。
マスターは言った。
わ た し の パ ダ ワ ン を 解 放 し ろ 将 軍

いつのまにか、彼は囚われていたのだ。
マ ス タ − ダ メ ・ ・ ・

彼は気付いた。ドレス・マルカスは。
一番強い光は、闇すらもかき消す。
しかし、今のマスターはそうではない。
自分がそうであると勘違いしているだけだ。
マ ス タ
しかし、それ以上声が出ない。
「自分の中の闇を捨てるのです」そう言おうとしたが、声が出なかった。彼はいつのまにか、泣いていた。
涙で声が出ない。涙は、自分の首を絞める。
そうして、ようやく聞こえてくる。
悪魔のささやき声が。
聞きたくないが、聞こえる。
フォースがあるから。
ああ、いっその事、耳を削ぎ落とし、心を閉じ、ライトセーバーで自分の心臓をかききって、ジェダイなどやめようか。
しかし、それら全ての事をする前に、悪魔が語りかけた。
お 前 の マ ス タ − は ・ ・ ・
「やめろ、やめてくれ!」

            死

***********************************************************
ドレス・マルカスは悪夢から覚めた。
いや、悪夢ではないかもしれない。
これから実際に起こる事。
まさか。
これを急いで、誰かに伝えなくてはならない。
マスター・ケノービ。
マスター・ヨーダ。
マスター・ウィンドウ。
スカイウォーカー。
マスター・ティン。
マスター・フィストー。
マスター・コーラー。
マスター・アンドゥリ。
マスター・ガリア。
頭の中にとりとめもなくジェダイの名前が浮かび、そしては消える。
絶望。
***********************************************************
ジェダイ専用宇宙船は、順調に航行を続けていた。
翼が三枚あり、うち二枚は折り畳める。
これがのちのインペリアル・シャトルの原型になる事は、ジェダイ達は知る由もない。
その宇宙船の中で、あるジェダイ二人が話をしていた。
***********************************************************
「どうしたんだ、エイムス。こんな時間に。」ジョンは尋ねた。
「あの・・・、ジョン。大事な話があるの。」
「何の話だ。」彼らは、エイムスの部屋で、二人きりで話をしている。
「あの・・・、実は」エイムスは慎重に言葉を選んだ。「私、あなたの事が好きなの。」
「ああ、もちろん」ジョンもかつてなく慎重に言葉を選んだ。「銀河で最も慎重かつ、冷静なジェダイ」の異名をとるかのごとくに。「君は最高の友達だ。」
「違う。私が求めているのはそれじゃない」
「君は僕から、愛を求めているのか。」
「そうよ。」
「ジェダイは私情で動いてはならない。これは規則だ。」
「ええそうよ。ならば、ジェダイを辞めればいい」
「エイムス、勝手にジェダイを辞める事はできない。」
「ならば___________」
「エイムス___________________」
「いい、誰もこれを止める事はできない。止める事は・・・、許されないのよ」そう言うとエイムスは、窓を見つめた。正確には、窓の向こうにある空間を。
宇宙を。
漆黒の空間を。
闇を。
ジョンがそこからエイムスの意識を引き戻した。「ならば、君の言う通りにしよう。
しかし、ケッセルの任務を遂行してからでも悪くない。
今度、リゾート地での二人きりの任務を探しとくよ。」
「本当?ありがとう、ジョン!」
ジョンはエイムスがこれ程喜んだところを見た事がなかった。
これ程美しいところも。
二人はしばらく黙っていた。
エイムスがその沈黙を破った。"John,what's that misson?"
ジョンは悪戯っぽく笑ってこう答えた。"It's a sicret."
エイムスも笑った。"I thought that you said so."
この時は最高の時だった。
最初で最後の。
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第六章・終わり


[192] (無題) 投稿者:帝国広報部副部長 yiLaBYWHYL2 [Web] (2006/02/04(土) 09:03 pmtfLW5SmAM)

droid_control

>>191の続き
第七章「悪夢」
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共和国ジェダイ専用シャトル内にて

「作戦を発表する」ハヌイア・ジョー小隊長の声が作戦会議室内に響き渡った。
「敵の基地には四つの入り口がある」ハヌイアは手っ取り早く説明した。「ここで決める二人組がそれぞれの入り口から侵入する。一応「外交」という目的上、派手に暴れてはいけない。」
「質問があります。そのあとどうするのですか。」
「まずここに地図がある。(地図を見せて)まず各隊員がスタートする位置を見て欲しい。ここは「特別な来客」専用の部屋となっている。そこからバトルドロイドに案内されて採掘現場の見学になるはずだ。その後は外交用の部屋で、みんなが合流するはずだ。
そこからは自由行動だ。何故かというと、バトルドロイドに捕らえられるはずだからだ。そこまで行ったら後は自由行動。
これより二人組を結成したいと思う。
まず、侵入する北口・南口・西口・東口の順にグループを振り分ける。一グループは二人だ。
まず北口は・・・・」(チラッとヘラを見る)
「はい、私がやらせて頂きます」ヘラが手を挙げた。
ウーキー族独特の声が響き渡る。
北口担当はヘラとダーバッカに決まった。
「南口担当を決める」
「はい、私がやります」
「俺もだ」ドレス・マルカスとグランズ・ボステロである。
「東口担当は僕だ!」
「・・・それと私よ」打ち合わせておいたかのように微笑む。
「よし、東口担当はジョンとエイムスだ。解散。フォースと共にあらん事を」
***********************************************************
ジェダイの輸送シャトルは、惑星ケッセルの宇宙港に到着した。
そして間もなく、出迎えが出て来た。
「これはようこそ、ジェダイの諸君。私の名前はライ・エヴァランス、ここの宇宙港管理長兼ケッセル採掘場副管理長です。この惑星に何をしに来たのですか。」
「この工場を「検査」しに来た」冷静なジェダイ小隊長はそう言った。
「無理だ」ニモーディアンは言った。顔面蒼白である。「この惑星にはグリーヴァスが居る!」
「グリーヴァス?半分機械がどうした?」グランズが陽気に言い返した。クライト竜にたまたま会ってしまったウォンプ・ラットのように震えているニモーディアンに向かって。
「正確にはは体の82.6%が機械だ」ハヌイアが付け足す。「私達を止めないでくれませんか」
「分かりました」例えジェダイの心理術を使ったとしても、この男の恐怖をかき消すのは困難を極めるだろう。「工場を案内します」
***********************************************************
そしてジェダイ小隊の面々は、外交用の部屋に合流した。
「これより外交を開始したいと思います」採掘場の管理長が言った。
「私の名前はハイゼロ・イシハユワリノ。この採掘場の管理長です。」
ふむ、とハヌイアは思った。この種族は、馬鹿丁寧な挨拶はクローン・トルーパーのようにきちっとしているらしい。
「では、この席にお掛けを。別に変な物は仕掛けてありませんからね」ニモーディアンは微笑した。
「この惑星で人を殺せるような物は、セキュリティーのバトル・ドロイドしかないですからね」
その言葉が終わった直後に、ドアが開いた。罠に掛かった愚かなジェダイ共が慌てて振り向く。
ジェダイに代わってバイオ=ドロイド将軍が口(?)を開く。
「さあ、交渉としようか。私の手に頭蓋骨を砕かれるか。もしくはここにいるバトル・ドロイドに大脳を蒸発させられるか。」
「私達は後者を望む」その言葉を言い終わらないうちに、バトル・ドロイドが殺傷モードにセットされたブラスターの引き金を引く。その動作が終わらないうちに、ジェダイ達はライトセーバーを起動していた。
グリーヴァスは走った。そのバイオ=ドロイドのデュラスティール製の「皮膚」に覆い隠されている合成人工筋肉が200メートルを走るまでに、七人のジェダイは部屋にいるバトル・ドロイドを全部倒していた。
ドレス・マルカスとグランズ・ボステロはグリーヴァスの後を慌てて追った。グリーヴァスとの脚力の差をフォースでカバーする。
震えているニモーディアンをよそにハヌイアが言う。「ジョンとエイムスとダーバッカは私について来い。ヘラはあの二人を追え」
ジェダイが去った後にニモーディアンはやっと口を開く事ができた。
「あのドロイドが放ったレーザーの中には、私達に向かって来たものも含まれていた。私はジェダイに・・・命を救われた。」
「管理長、今こそ行動すべきではないかと」
「そうだな」
ここのセキュリティーに使われている全てのドロイドは、旧式である。つまり、ドロイド・コントロールを失ったドロイドは、ホスの冬の中で倒れたトーントーンのように動かなくなる。
今がチャンスだ。
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グランズとドレスは、グリーヴァスを追って走っていた。
T字路に出たところで、左の道から、狂ったガモーリアンのような勢いでレーザーの嵐が来た。ライトセーバーを起動してレーザーを偏向する。
「デストロイヤー・ドロイドが十体か」ドレス・マルカスはつぶやいた。「マスター、先に行っていて下さい。僕が何とかします。」
グランズ・ボステロは走った。
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グランズはついにグリーヴァスに追いついた。
そこはコントロール・ルームだった。
この採掘場の。
「もう逃げられないぞ」
「何から逃げるんだ?」グリーヴァスが言い返す。「お前らはおびき出されたのだ。もう逃げられない。」
グランズの後ろにバトル・ドロイドが音もなく忍び寄る。
「私達は死なない。君の命が代わりに奪われるのでは駄目かね?」
「承知できないな」そう言ってから、グリーヴァスは驚いた。
ドロイドが動かない。
「何か不都合があったらしいな」ジェダイは笑いながら、ライトセーバーを構える。
グリーヴァスの手が"分裂"し、四本になる。
その四本の手がライトセーバーを構えた。
闘いが、始まる。
***********************************************************
「ドロイドはもう完全に止まりました」ライが言った。
「うむ」ハイゼロが言った。「共和国軍に繋いでくれ。この採掘場を引き渡す」
「了解しました」
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若きパダワンは走っていた。マスターを捜して。
そして見つかった。
彼はコントロール・ルームを見下ろす小部屋に居た。
マスターとグリーヴァスが闘っている。
助けに行かないと。
下に降りる方法を探していると、急にレーザーの扉が元来た入り口を塞いでいた。こうなると、もう逃げられない。
小部屋自体がリフトのようになっているようだ、急に下に降りていった。そしてそれの動く音が、マスターを気付かせた。
声が聞こえた。"私の弟子を解放しろ、将軍"
"ジェダイが私に頼み事をすると?"
これはあの夢に恐ろしい程似ている。
夢ではない、現実だ。
これがジェダイ・マスター、グランズ・ボステロの死だ。
彼はこう言った、逃げろ。
レーザーの扉が開いた。
ドレス・マルカスはグリーヴァスに突っ込んで行った。
ジェダイの復讐。
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第七章・終わり


[193] (無題) 投稿者:帝国広報部副部長 yiLaBYWHYL2 [Web] (2006/02/04(土) 09:08 pmtfLW5SmAM)

droid_control

>>192の続き
エピローグ「ジェダイの復讐」
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共和国艦隊はハイパースペースから抜けた。
惑星ケッセルからのSOS_____________いや、実際には"無条件降伏"______________を受け取って来たのだ。
さすがに急すぎる無条件降伏。ケッセルの採掘場長の話によれば、戦闘用ドロイドは停止されているらしいが・・・。
誰もが不安なのは間違いない。
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「シディアス卿を失望させるな、ジェダイ」
グリーヴァスは相手に向かってそう叫んだ。
この発言に後悔はしていない。
ジェダイはここで死ぬのだから。
ライトセーバーが激しくぶつかり合う。
一本と一本が。
グリーヴァスが持っている四本のライトセーバーのうち、残りの三本はジェダイを捉えていた。
そして・・・。
シャキッ・・・・・
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ジェダイ小隊の面々は扉の前にいた。
「この扉のコンピュータのセキュリティーはドロイド脳だ」
「何てこった」ダーバッカが吠える。「ドロイドはさっきから一歩も動かないではないか」
「どいて下さい」ジョンが言った。「私がやります」
分厚い耐火扉の向こう側以外に迂回路はない。
ジョンはライトセーバーを起動した。
***********************************************************
グリーヴァスの四本の手のうち、その一振りで一本の腕が切り落とされていた。グリーヴァスは切り落とされた手首を見つめていた。
「ドレス、大丈夫?」
「ヘラ・・・」
グリーヴァスとヘラの光刃が激しく噛み合い、火花を散らす。
グリーヴァスは上段に鋭い突きを入れつつ、下段には足を切って落とそうともう一本のライトセーバーで横に斬る。
ヘラは後ろに下がりつつ、この攻撃をかわすと、側面に回り込むようにして、武者のような激しい斬りを浴びせた。
ドレス・マルカスはアタロの使い手で今最も繊細な男と言われるだけあって、一ミリの精度を問われるような気品のある剣技を披露していた。グリーヴァスはどんどん後退していった。
グリーヴァスはヘラのシエンの構えに気をとられ過ぎた。その隙に、ドレスのフォースがグリーヴァスのライトセーバーが一本床に落ちる。
ヘラはこの隙を見逃さなかった。
ヘラのライトセーバーがグリーヴァスのライトセーバーの柄を焼いた。
グリーヴァスは一瞬でドレスの懐に飛び込み、ドレスを切り倒した。その隙にヘラはグリーヴァスの手をもう一本切り落とした。
グリーヴァスはヘラに強烈な蹴りを食らわせた。ヘラは吹っ飛んで、壁に叩きつけられた。グリーヴァスはその隙にヘラの懐に飛び込んだ。
ヘラはこのチャンスを見逃さなかった。ソレスの構えのような見事な防御を見せた。
だが微妙に違う。
ヘラは守りから攻撃に瞬時に転し、グリーヴァスの光剣の柄を切り落とした。手持ちのライトセーバーが無くなったグリーヴァスは、無力に逃げ去っていった。ヘラはグリーヴァスを追いかけようとしたが、体を酷く痛めていたので断念した。
突然誰かのうめき声が聞こえた。
ヘラが正気に戻る。
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「ドレス、しっかりして!」いつのまにかヘラは泣いていた。
「ヘラ・・・、僕の声が聞こえるか・・・・・」
「ええ、聞こえるわ・・・。お願い、喋らないで、無理に体を動かすと・・・あなたは・・・」
「ああ・・・、分かってる・・・・・だが・・・・こ・・れ・・・は重要な事なんだ・・・・」
「あなたを共和国の医療船に運んでいけば助かるわ・・。」
「もう・・・もう、手遅れだ・・・良いか、これは重要な事だ・・。良く聞いてくれ、この事を・・・小隊の皆に知らせる・・・んだ・・・」
ヘラはただうなずく事しか出来なかった。
ヘラはその言葉を聞き取った。
その意味を。
宿敵の名を。
シスの暗黒卿の名を。
「テキノ・・・テ、敵の名は、ダース・シディアスだ・・・・」
「何ですって」
「もうすぐ・・ジェダイは・・・滅ぶ・・・・」
「何ですって」ヘラは繰り返した。
「グリーヴァスも・・・、マスター・ドゥークーも・・・・囮にしか過ぎない・・・だガ・・忘れては・・・・ナラナイ・・・。ジェダイが滅んでも、この小隊の・・・キズナは・・・滅ばない」そういうと、ドレス・マルカスは息絶えた。
ヘラはその場を離れた。とても、ドレス・マルカスを彼らの宇宙船に運ぶまでの体力は残っていなかった。
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ハヌイア達四人は、もと来た宇宙船のある宇宙港に居た。
「ヘラとグランズが来ない」ハヌイアは言った。
「ドレスもだ。このままでは出発できない」ダーバッカがベーシックで不満そうに言った。
「待て、来た。あれはヘラだ」ハヌイアは顔をほころばせたかに見えたが、すぐに喜びと悲しみが半々の奇妙な表情になった。
「ヘラ、グランズと彼のパダワンはどうした。グリーヴァスはどこへ行った」
「グランズさん達は死にました。グリーヴァスに殺されました。」
ハヌイアは息が急に詰まった。「後で話してくれ。すぐに出発する」
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グリーヴァスはハイゼロ達四人のニモーディアンを殺していた。
慣れた手つきでコンピュータを操作する。「逃がさんぞ、ジェダイ」バトル・ドロイドのコントロールをオンにした。
そのあと、グリーヴァスは宇宙港へ向かった。
彼は逃げるつもりでいた。
宇宙港には彼専用のスターファイターが隠してある。
共和国のジャンゴ・フェット共に捕まるのはごめんだ。
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その後、グリーヴァスのスターファイターは急発進した。彼のスターファイターはすぐさま大気圏を抜けると、ハイパースペースに突入した。彼のスターファイターは、共和国ののろま(slow)スターファイターを発進させる間もない程のスピードが売りなのだ。
その後、スターファイターは長短取り混ぜたジャンプを繰り返し、本当の目的地に向けてジャンプした。
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その頃、ケッセルの空中では、共和国艦隊と、再起動されたばかりの連合軍艦隊が死闘を繰り広げていた。
共和国のジェダイ・スターファイターが、魚雷をバトルシップ・コアに放つ。その魚雷はランカーが獲物を噛み砕くように、簡単にその船体を"噛み砕いた"。
地上では、AT-XTとAT-TEが連合軍を圧倒していた。AATのレーザー砲が火を噴く。AT-XTがレーザー砲をまともに食らって吹き飛んだ。
ヘイル・ファイアタンクがミサイルを乱射し、クローンを虫けらのように一掃する。
AT-TEが反撃する。共和国のウォーカーはヘイル・ファイアタンクをいとも簡単に片付けた。さらに、デストロイヤー・ドロイドのシールドを安物の器を割っていくように"割って"行った。
やがて、共和国軍が戦いで有利に立っていった。
その戦いの最中、ジェダイの宇宙船がハイパースペースにジャンプした。
***********************************************************
ジェダイ達の部屋の中は、沈痛な雰囲気に包まれていた。
「グランズが死ぬなんて」ダーバッカは泣いていた。
ハヌイアがつぶやいた。「ダース・シディアス」
「エイムス、"秘密の任務"はしばらくお預けだ」ジョンが言った。
「ええ」
この中の誰もが、ダース・シディアスに復讐を誓っていたのだった。
彼らはコルサントに戻り、新たな任務を遂行するだろう。
ダース・シディアスに仕組まれた任務を。
***********************************************************
エピローグ・終わり
伝説のジェダイ小隊・完


[194] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/02/05(日) 15:10 imMw5OCt6Sc)

kyp

<オークス・ホグリーの物語>>>188の続き

早朝であるにも関わらず、コルサントはすでに忙しく動いていた。無数のスピーダーが行き交い、街から人々の声が聞こえる。ジャックにいつもより早くオフィスに送ってもらったのは理由がある。俺はオフィスのデスクの上に彫刻刀を数本置き、太く小さい木の角材を見つめていた。俺は鞄からホロ再生機を取り出すと再生させた。そこには戦場ジャーナリストが撮影した出撃前のクローン・トルーパーの姿が映し出された。なんのマーキングもされず、肩当もつけていないことから普通の歩兵だろう。俺は彫刻刀を握ると、ホロを見ながら角材を削った。
しばらくして俺は角材を眺めた。ふむ、クローン兵らしくなってきたじゃないか。俺は一息つくと飲み物を飲んだ。するとデスクの上にある通信機から声が聞こえた。
『ホグリー議員、ベイル・オーガナ議員からです』
「繋いでもらえるか?」俺は言った。通信機は返事をした。それから聞きなれた声が聞こえる。
『やあ、調子はどうだい?』オーガナは生き生きと言った。
「うん、まあ、いいほうだ。なんの用だい?」俺は言った。
『今夜、暇か?暇ならギャラクシーズ・オペラに行かないか?有名な議員は皆見に行くそうだ。パルパティーンも。まあ、皆パルパティーンのお気に入りになるために見るんだろう。まったく劇が好きじゃなさそうな議員まで行こうとしてる。』
「ああ、劇か、いいだろう。行くよ。お前と同じボックスだろうな?」俺は聞いた。
『そうだよ。』
「よかった。お前ぐらいまともな政治家と一緒じゃないと息が詰まる。」俺は言った。
『はははww、そうだろうな。ああ、そうそう、劇の題名は<オルデラン攻防戦>。おもしろそうだろ?』オーガナは言った。
「故郷での攻防戦か。クローン大戦がモデルかな?」
『そうらしい。作家の名前はヤーサ・エイブリ―。けっこう人気らしい。オルデラン出身さ。』オーガナの言葉を聞いたとたん持っていた飲み物をこぼした。ヤーサ・エイブリ―・・
『知ってるか?』オーガナは言った。
「昔の恋人だ・・」俺はゆっくり言った。ヤーサが・・・コルサントへ?・・劇の情報なんて全く入ってこなかったからな・・・知らなかった。
『じゃあ、今夜会おう。』

ヤーサ・エイブリ―は俺がまじめに愛した一人の女性だ。付き合っていた当時は学生だったが・・。そういや、あいつ、将来劇作家になりたいとか言ってたか・・。俺は急にうきうきした。ヤーサに会える!こんなにうれしいことはない。俺の脳裏に学生時代の記憶が出てきた。俺はヤーサに始めて会ったとき、その目を見て心を奪われた。あのやさしい目。魔術をかけてくるような・・・。同じようにあっちも俺を見るなり虜になったらしい。後から聞いた話だがな。だが、二人とも自分の思いを伝えるのに時間がかかった。でも二人で話しているうちに『告白』をせずとも思いは伝わった自然に二人は結ばれた。俺はあの恋愛を忘れない。恋愛は銀河で最高の芸術だ。
そして、今夜、あの子と会える。

>>197に続く


[195] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/02/11(土) 00:23 jJzOZSPku6k)

polis_massan

CHAPTER2(>>183)の続き

CHAPTER3
ウロスはしばらくの間ビーコンを修理しようと試行錯誤していたが、一行にスピーカーからは何の音も聞こえてこなかった。
「くそっ!これじゃあコルサントに連絡が取れないじゃないか。やっぱりジャンク屋とかで修理してもらわないとダメか。」
その時、ウロスが脱出時に咄嗟に入力した目的地に到着したことを知らせるアラームが鳴った。
「そういえば、この船はどこに向かっているんだろう?・・・どれどれ?惑星イスカロンか。聞いたこともないな。とにかく着陸してビーコンを修理しよう。」
ウロスがコクピットの外を見ると、モン・カラマリのように広大な海が広がった青い惑星が見えたので、着陸態勢に入ろうとした。しかし、ジオノーシアン・ファンブレード・スターファイターがイスカロンに近づいたとき、突然けたたましい警報が鳴り出した。
「亜光速ドライブに異常発生!亜光速ドライブに異常発生!」
「今更そんな事を言われても・・・・」
ウロスはスターファイターを止めようとしたが、既にイスカロンの重力の影響を受けていたらしく真っ逆さまに海岸へと落ちていった。
「うわー!」
「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・ザバーン!」

ウロスは燃えさかる森の中にいた。嫌に不気味な黒い仮面を被った大男が赤いライトセーバーを構え、攻撃してくる。ウロスは自分もライトセーバーを構えて必死に迎え撃った。しかし、マスターへの昇格も時間の問題だと言われていたウロスの力を持ってしても、大男の攻撃を防ぎきることはかなわなかった。遂に大男がウロスの僅かな隙をついてウロスの首を掴み、ウロスは痛みでライトセーバーを落とした。彼の意識が次第に薄れていく。次第に、次第に・・・・・
突然、ウロスの頭の中に声が響いた。
「起きろー!」
「ガバッ!」
ウロスは、見たこともないような装飾が施された部屋の中にあるベッドで寝ていた。
「さっきのは夢だったのか?」
ウロスが呆然としていると、夢の中で聞いた声と同じ声が聞こえてきた。
「ああ、良かった。うちの家内が息子と散歩していると、息子がいきなり騒ぎ出したと思ったら、あなたが溺れていたんですよ。」
ウロスは声がした方を見ると、思わず「あっ」と言ってしまった。なんと彼の隣には2本の腕と2本足を持つエイリアンではなく大きな魚の様なエイリアンがいたのだ。

CHAPTER4(>>201)に続く


[196] (無題) 投稿者:オビ・ワン=ソロ urFs3ZXM8Kc [Mail] (2006/02/05(日) 09:17 LxjXVNhCR7M)

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TRICK2 前TRCK>>180

ストリートノベル 〜NEW〜

「おはようございます。今日も太陽が輝いて気持ちのいい朝ですね」
溌剌とした声の女性の声がコムリンクから鳴り響き、豪快な寝相をしている男に朝を告げた。男はその声を聞いた瞬間毛布を全身にかぶり、毛布の中でその声と朝日から遠ざかるように何度も寝返りを打つ。
やがてゆっくりと目を覚ますと半身を起こし、毛布から手を出して自分のさらりとした茶髪をなでつける。そして少し離れた場所にあるサイドボードの方までベッドの上を這いずっていくように進むと、コムリンクを手に取った。
「今日の予定は何だっけ?」
男ははっきりとしない声で聞く。
「今日はメーカー数社に出回って各種特注部品を取り寄せたあとに、郊外でならしをしてくる予定です。なにせ試合はあと4日ですから」
「そうか、じゃあ支度をするかな。今どこにいるんだ?」
「今はあなたの家のキッチンです。」
ため息をついてコムリンクをテーブルに置いてから近くのローブを身にまとい部屋のドアを開ける。
彼の名はオウル・リッパー、コルサント出身のポッドレーサーの帝王である。人間種族にしては異例の好成績――14勝0敗、3年負けなし――をあげ、ファンも急上昇中である。
彼の人気を集める理由にその生まれ持った顔にある。さらりとした髪に、幼さの残る端正な顔、透き通った鼻、そしてレーサー特有の貫くような目。だが疲れの出やすい体質なのかクマができている。
リッパーは廊下を通り過ぎると広いリビングに出た。すぐ手前にあるキッチンではさきほどの、コムリンクで聞いた声の主、サラが料理を作り終え食器を出しているところであった。
彼女は自称、リッパーの専属マネージャーである。しかし彼の熱狂的ファンであることは間違いなくむしろストーカーの部類である。仕事はこなせる様なのでリッパーはさほど気にしてはいないが、それ以上の目で彼女をみることはまずないと思っている。
リッパーはサラに片手をあげて挨拶をするとキッチンを通り過ぎ大きな窓に近いテーブルに腰掛ける。
「おはよう、今日は眠そうね。10時間も寝てるわ」
「ん? あぁ一週間ずっと試合漬けだった。この期間は1年に1度の大事な試合が各地で開催される。ここ一週間家に帰ってないからな。」
そういってリッパーは伸びをしてホロネットニュースをつける。
サラがブルーミルクを持ってきてリッパーに手渡して、自分も向かいの席にすわった。
「どこの遠征にいってたの?」
「ダン・トゥーンにナルハッタ、ナー・シャダーの郊外競技場にも足を運んできた。ダントゥーインなんかハイパースペースでいけないから退屈で死にそうだった。」
「なるほどね。対戦結果は?」
「全部優勝さ。特にナー・シャダーの空港では最高に盛り上がった。危うく俺とチェルノボーグが炎に包まれて火達磨になるところだった。隣にいたレーサーがそうなったけどな。」
「そんな危ない大会にも出てるの?ナー・シャダーの競技場・・・待ってあそこは元老院にとめられてるはずじゃ。」
「そんな小さいこと気にしてるなよ。あんな星に法律なんか求めるな」大口を開けてリッパーは笑う。
「そう・・・何か食べる?」
「そうだな。シチューでもいただこうか。熱々で頼む。久しぶりのまともな飯だ」
「分かったわ。ちょっと待ってて」
サラはそういってまたキッチンに戻っていった。
――君も体感しろこのスピード。新型ユニットエンジン搭載、ハイパワースピーダー。コーラーポンドラット社提供の新スピーダー。皆空に出よう――
「これも欲しいな・・・」
そう思って、ホロニュースに目をやる。音量を上げて聞き入る。
――洗礼されたフォルム、再発見の素材ケッシェルによる頑丈フォルム。そしてハイパワーエンジン“ナーゴン14フォートゥナエンジン”搭載。ライバルに差をつけろ――
「コレも欲しいな。そろそろチェルノボーグの改造もしないと。」
リッパーは二つもいいものを見つけて意気揚々となった。
「サラ。コーラーポンドラット社に出かける予定はあるか?」
「どうしたのいきなり?あるけどそんな時間とれないわ」
せわしそうにサラは答えた。
「そうか、それじゃ他の会社の訪問時間を減らしてコーラーポンドラット社の時間を増やしてくれ。いい素材を見つけた。」
「そうなの。でも財布状況を確認したらの話ね。分かってると思うけど厳しいのよ最近」
「財布って何だよ。俺の稼ぎでももたないってのかよ」
「当たり前よ。チェルノボーグの維持費は桁違いよ。あんな無茶な改造重ねてるから・・・スポンサーがついてる今は部品費が若干や数位からいいものの。」
サラは文句を言いながらスープを持ってテーブルへ戻ってくる。
「やっぱりか・・・ところで俺の遠征中は何してた。」
リッパーはそういってスープを口にした。
「本職を頑張ってたわ。劇作家だからすることといったら弟子の添削ぐらい。凄く暇」
スープをかき混ぜながらサラも飲み始める。
「そうか・・・じゃぁ本職は最近暇なんだな」
「そんなかんじ。それじゃぁ飲みおわたらすぐ出ようか」
「そうだな。じゃぁ支度してくる。」
ふたりともスープを飲み干して「ごちそうさま」と口をそろえるとそれぞれの支度にはいる。サラは衣装室に入り、リッパーは家から出ると自分の車庫へ向かった。
「よぉチェルノボーグ。今日は強くなれるぜ。」
チェルノボーグはリッパーの長年の愛機である。黒い光沢のある車体はエンジン長が10メートルという夢のような部品。そしてフォートゥナエンジンの前進となるエンジンが搭載されている。
リッパーは作業服に着替える。チェルノボーグと同じ黒の作業服だ。
リッパーはこの機体を磨き始めた。光沢がどんどん増してきて機体に顔がうつる。機体の下にもぐると落ちているスパナをそのまま手にして、ちょっとした機体整備を始めた。ボルト締めなおして、油をさしてピストン部品のすべりをよくする。
一度外に出て座席に座るとエンジンをかけた。
「今度はどこが悪いだ?あぁ、エンジンか」
エンジンを確認して独り言を言うと後ろにいってエンジンを確認した。電気機器を慎重に直すともう一度座席に戻る。
「もう大丈夫だな」そういうと汗をふき取るとエンジンを切った。
車庫からでて自宅に向かうとドレスに身を包んだサラがドアで待っていた。
「相手側の会社にいい印象を与えるのは大事よ」
「先に行ってスピーダーで待ってるから。」
そういってサラは家を後にした。リッパーは服を着替えて急いで駐車場へ向かうとサラが待っている。
「それじゃぁいくか。」スピーダーに飛び乗ると、サラはエンジンをかけてコルサントの渋滞の中へ飛び出した。


[197] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/02/05(日) 15:08 imMw5OCt6Sc)

kyp


<オークス・ホグリーの物語>>>194の続き

俺はスピーダーの窓からギャラクシーズ・オペラを見た。とても大きい娯楽施設だ。戦争中だがそんなことは関係なく、オペラ・ハウスはいつも通りにぎやかだ。
「ここで降ろしてくれ。」俺はジャックに言った。スピーダーはオーガナのいる駐車場に降りた。オーガナのスピーダーは赤くピカピカだ。
「やあ、」オーガナは言った。オーガナの副官も俺に頭をさげた。
「こんでるな。」俺はあたりを見まわした。
「いつものことだ。さあ、こっちへ。」オーガナは俺を案内した。

中央には高いステージがあり、その上に故郷であるオルデランを連想させるセットがあった。ステージに人が数人あがていた。スタッフだろう。だが俺は見逃さなかった。そのスタッフのなかにあの子がいた。
「皆さん!今夜は私の新作、<オルデラン攻防戦>を見にお越しくださりありがとうございます。今夜は皆さんの心に残る夜にしたいと思います。どうぞ御ゆっくり。」ヤーサ・エイブリ―はマイクで言った。俺は安心した。昔と変わらない。
劇が始まった。オルデランのセットの上にクローン・トルーパーの役者があがる。いやあ、よくできた装甲服だ。本物そっくり。
「私はコマンダー・トト。オルデランに分離主義者のドロイド軍がせめてきたと聞いて大隊を率いてやってきた!」トルーパーが言った。するとそこに男がやってくる。
「私はこの美しい惑星オルデランの議長、ベイル・オーガナ。コマンダー、絶対にこの星を守ってくれ。」男は言った。俺は自分のとなりに座るオーガナを見た。
「お前に許可はとってあるのか?」俺は言った。
「ああ、このまえヤーサと少し会話をかわしたよ。」オーガナは言った。
「ヤーサとしゃべった?!全然知らなかった。」俺は言った。
「しょうがないだろ、彼女がお前の恋人なんて知ったのは今朝なんだから。」オーガナは言った。ステージにはニモ―ディアンの着ぐるみをかぶった役者があがっていた。
「私はヌート・ガンレイ。この惑星は連合の支配下となるのだ。隊長、」ガンレイ役は言った。するとバトル・ドロイド役が返事をする。
「総督の願い通りこの星を占領します!」ドロイド兵は言った。それから少々会話があり、すぐに戦闘シーンになった。ステ―ジのあちらこちらで本物の火薬が爆発し、観客は興奮した。
そしてラスト・シーン。コマンダー・トトはドロイド軍を壊滅させ、ヌート・ガンレイを追い詰めた。
「さあ、地獄へ落ちろ!」コマンダーは銃を向けた。ガンレイは情けない命乞いをする。と、そこへオーガナ役が飛び込む。
「コマンダー、この男をここで殺してはならない。この惑星は武器を持たない平和な星。そんな星でこの男を殺すのはいかん。逮捕し、コルサントへ護送するのだ。」オーガナは言った。コマンダーはオーガナの言う通りにし、ガンレイを連行した。俺は再び本物のオーガナの耳元で呟いた。
「感動的だな、議長殿」俺はからかった。オーガナは微笑した。最後にステージの上で全てのスタッフが敬礼した。劇は終わった。

「さあ、ヤーサに会いたいんだろ?こいよ。」オーガナは劇場の通路で言った。到着したのはスタッフの楽屋。そこには休憩しながらホロ文書を読む女性がいた。
「ああ、オーガナ議員、見てくれたんですね・・・まあ!」ヤーサ・エイブリ―は俺の顔を見て驚く。当然だ。
「オ、オークス!まあ、貴方も!そうよね、オーガナ議員の同僚だって聞いてたわ・・」ヤーサは言った。
「会えてうれしいよ。劇もおもしろかった。」俺は言った。読者の皆、すまないな。再会した恋人への他の言葉を思いつけなかった。
「オークス、俺は帰る。ごゆっくり。」オーガナはそう言うと立ち去った。
俺とヤーサは俺のスピーダーの中にいた。別に他に行く場所がなかったし・・ゆっくりと話したかったし・・
「本当に劇作家になれたわけか。」俺は言った。
「貴方も芸術家になれたようね。噂は聞いてるわ。」ヤーサは言った。
「学生のときの別れ言葉を覚えてるか?」俺は言った。
「ん?あ、うん。覚えてる。『もしも再会したら結婚』だよね?」ヤーサは言った。俺はうれしかった。
「ああ。約束は守ってくれるのか?」俺は聞いた。
「もちろん守るわ。そのために貴方に会う方法を探したの。今夜の元老院議員向けの劇は半分以上貴方に会うためだったし。」ヤーサは言った。
「本当?そこまでしてたわけ?」俺は驚いた。
「ええ。」ヤーサは言った。
「でも、議員向けだったから十分に才能を発揮できなかったんじゃないかな?」俺は言ってやった。
「まあね。でもオークスに会えるならと思って。あ、忘れるとこだった。これ・・」ヤーサは鞄からなにか取り出した。筆だ。
「貴方が絵を描くためのもの。プレゼント。」ヤーサは筆をこっちに渡した。せめて包装でもしたらどうなんだ・・
「あ、ありがとう。悪いが俺はなにも用意してこなかった。」俺はしぶしぶ言った。
「いいよ、別に。ただ、ドライブしてくれる?このスピーダーで。コルサントの夜の街を。」ヤーサは言った。
「OK.ジャック、適当にどこか飛んでくれ。そうだな・・綺麗なところを。」俺はジャックに言った。運転手は一言返事すると行動した。
「ドライブする暇なかったのか?まさかスピーダーを買えないとかないよな。お前売れっ子劇作家だろ?」俺は言った。
「うん。スピーダーは余裕で買えるけど、ドライブの時間がないの。今やっと仕事が片付いた。」ヤーサは言った。
ジャックには悪かったが一晩飛んでもらった。二人とも話すことがいっぱいあった。


[198] (無題) 投稿者:バナナ隊長。 RfHMuT0B/Dg (2006/02/09(木) 18:02 T7yS0Q/axhM)

panaka

>>170の続き

第五章・任務開始

緑のカーペットが風になびき、涼しい風が通り向ける湿原。太陽の光が反射し幻想的な景色を作り出す湖水地方。流線型の美しい宮殿が自然の中に溶け込んでいる。

<ラスト・ランナー>が向かっているナブーはそんな星だ。
二人のようなならず者には似合わない星。
ハイパースペースの青色の景色が漆黒の闇へと変わる。
前方に見えるのはナブー。やっとここまで来た、とは言っても数時間だが。
軌道上には戦艦の姿は無い。さすが平和の星といったところだ。
視界が赤く染まる。大気圏に入ったのだ。
摩擦熱から抜けると視界に飛び込んできたのはナブーの首都シード。
シードの宮殿は噂どうり美しい。こんなところへ来るのは久しぶりだ。
<ラスト・ランナー>はシードの片隅にあるプラットホームに着陸した。
このプラットホームも丸く、流線型の形だ。地面から1mほど出ている。
周りには柵などはない。この星で船の盗難などはないからだ。
プラットホームの周辺には船を見ている子供しか居ない。
ここでは流線型のしなやかな船が主流なのでこの船のようなごつごつとした形が珍しいのだろう。
「ここで船を守ってろ。ちょっとスピーダーを借りてくる。」タティーはローブを着ると立ち上がり、ブラスターをローブの中にしまってコックピットを出た。
外は心地よい風が流れている。コルサントやタルムとは大違いだ。
とりあえず宮殿を歩けレンタルスピーダー見つかるだろう。
そう思いふらふらと歩き始めたが、なかなかそのような店はない。あるのは美術品や伝統工芸の店ばかり。
結局、宮殿を挟んで反対側の居住地区まで行くことになった。
「観光用スピーダー貸し出し、か。まあここでいいか。」タティーは看板をチラッと見ると様子を伺うように店へ入っていった。
店の中にあるのはスピーダーの写真、大量の部品。タトゥイーンのジャンク屋の様にも思えてしまう店内だ。
「いらっしゃい。御用は?」店の裏から出てきたのはノートランの男。
ノートランを見るのは初めてだ。
「二人乗りの観光用スピーダーを貸して欲しいのだが。500クレジット以下で最も早い奴を。」タティーはカウンターの上に手を置いていった。
「それならX-331が言いだろう。500クレジットだ。」ノートランの男が静かに答える。
500クレジット― 良心的“な値段だ。
男がボタンを押すとシャッターが鈍い音を立てて開く。
シャッターが開くとそこには比較的新しいスピーダーが姿を現し始めた。
タティーがローブの下からハンド・スキャナーを取り出す。
スキャナーをスピーダーに向けると緑色のホロが映し出された。
これがX-331か。時速400キロで定員二人―
その男はカウンターの裏についているスイッチを押した。
店と道の間シャッターが開き、外の光が漏れてくる。
タティーは500クレジットを渡すと、スピーダーに飛び乗った。
ハンドルの周りには沢山のパネルついている。パワー起動装置にリパルサー調整装置。だが最も目に付くのは「DENGER」と書かれている赤いボタンだ。
まあ、触らなきゃいいか。そう思いスピーダーを動かした。スピーダーが大きく浮く。
男はスピーダーが店を出て行くのを目で追うと、店の中に入っていった。
スピーダーがナブーの市街地を抜けていく。左右には果実や美術品が並ぶ店が沢山ある。
空の上にも地上にもあの忌まわしいクローンどもはいない。あまり戦闘は好きじゃないので、静かで平和とは良いものだ。
しかし、こんな平和な星にクローンどもが居るのか?そんなことを考えているうちにプラットホームへ着いた。
<ラスト・ランナー>のコックピットではサンが武器の整備をしている。
タティーはサンからコックピットの通信機に目線を移した。イヤホンやマニュアルが散乱している。
「誰かと通信でも取っていたのか?」タティーが床に落ちていたコムリンクを拾う。この船についていたもののようだ。これがあれば船を経由して周辺の星系へと通信を取ることができるだろう。そんなことはどうでもいいが。
「ちょっとジェオンと通信を・・・・・・この船の操作についてを・・・・・・まあ気にするな。」サンはタティーをちらっと見ると目を逸らし武器を箱にしまった。何か隠しているようだ。まあ実際大した事ではないだろう。
「そんなことより、スピーダーはあったのか?」サンが続けて聞く。
「もちろん。これから湖水地域に“観光”しに行く。ついてくるか?」タティーがローブを深く着込む。
「ああ、もちろんさ。」サンは即答すると、タティーと同じローブを着込み、立ち上がった。

船の外。澄んだ空気が肺を満たす。周りは美しい緑、流線型の建物がある。
「いい場所だろ?ここは。」タティーが深呼吸をしながら尋ねる。
「さあな。俺はコルサントみたいなめまぐるしい街の方があっている―」
サンの言葉が途中で途切れた。上空で大きな影が通過する。
シャトルだ。船体すべてがワインレッドの塗装に包まれている。その中に青い帯が一筋―これが意味するのは急な使者が来るときだけ。
「何かあったのか?」タティーが少し心配そうな顔で呟いた。
二人は一言も交わすことなくスピーダーに乗り込んだ。

ナブーの湖水地域。湿原の草がなびいている。
二人のスピーダーはバードウォッチング用の施設―施設といってもほとんど人のいない―に停めてある。他にも1つスピーダーが停められている。
施設の中はタイルが敷かれバードウォッチングのためのテラスが一つあるだけ。
タティーはエレクトロバイノキュラーを覗き辺りを見回している。
「バードウォッチングにソレは向いていないと思うのだが。」フードを被った男が微笑しながら言った。
「そっちこそそのスコープは向いていないと思うが。」確かに男の腕にはスナイパー用のスコープが握られている。
「鳥を撃ち落として食べるつもりか?」サンがニヤッとした。
「人を撃つのさ、これで。」スコープをくるりと回して笑った。
「クローンは?」サンが続ける。
「今、すでに射程圏内さ。南南西1000m。」男が更に笑った。
「どうも。」エレクトロバイノキュラーを再び覗いた。南南西1000m。湖畔で白いアーマーのトルーパーが動いている。当たりだ。ここで間違いない。
「ようし、ちゃっちゃと片付けて賞金をいただきだ。」サンは声を弾ませている。
「そうだな。なるべく急ごう。・・・ただ」タティーは男の方に視線を移した。
「俺は・・・ここにいる。鳥でも食べているよ。もちろんあんたらの事は秘密さ。」男がバックの中からスナイパーライフルを取り出す。
「パワーマークス15か。一流のスナイパーだな。」サンはライフルの銃身を指でなぞった。タティーがサンの手を掴み、ライフルから手を離させる。
「最後に名前を聞いておこう。」
「アコ・レリー。スナイパーをやっている。」アコは軽くお辞儀をするとその場を去った。
「さあ、行くぞ」

>>198


[199] (無題) 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/02/26(日) 21:31 CJ7e4oZgbb.)

plo

12、迷い道

ウェク・ユーエイはトレーニングを終え、宮殿でガノクと過ごしている部屋に戻っていた。
どうやらマスターは出かけているらしい。ウェクが辺りを見渡していると、テーブルの上にコムリンクがおいてあるのに気がついた。
シュナイブに連絡が取れるかもしれない・・・。
彼がそう思った時には、既にコムリンクが手に握られていた。
無意識にフォースで引き寄せてしまったらしい。彼はコムリンクに登録されている番号の中に、彼が知っているジェダイの名を見つけた。
シュナイブ・・・。ウェクは迷わずそれを発信した。

「あの音は何だ?」
ベッドの上でマクーンがうめくように言った。
「コムリンクが鳴ってるんですよ。俺が出ます」
シュナイブ・ユーエイは立ち上がり、ベッドの傍の棚の上で鳴っている通信機に手を伸ばした。
「シュナイブです。マスターですか?」
通信機からは沈黙しか聞こえなかった。
「あの・・・シュナイブです。マスター・マクーンは今出られなくて・・・その、どなたですか?返事が無いなら切りますよ?」
「・・・俺だよ」
今度はシュナイブが言葉を失う番だった。
「おい・・・聞こえてるか、シュナイブ?」
「ああ・・・うん、聞こえてる。久しぶりだね。どうかしたのかい」
「いや・・・別に。お前がどうしてるか気になってさ」
「俺は、大丈夫だよ。兄さんは?」
「問題ない。悪いな、いきなり連絡して。お前のことが気になったんだ。じゃあ・・・またな」
コムリンクが切れた後、シュナイブはぼうっとその場に立っていた。兄のさびしげな声が、彼の頭の中を占領していたから。

ガノクは重なって倒れているエイリアンを見て顔をしかめた。
「これは、ライトセーバーで刺された跡だ」
「見ればわかる。問題は誰の仕業か、だ」
「これは私の推測だが――」
「ダークジェダイだろ?」
キップはあきれて手を振った。
「いいや、サナだ。ジェダイの女性だと、あのノートランははっきり――」
「本気でそう思ってるのか?」
キップは信じられない声でそう言った。
「君は知らないだろうが、私は人の心を探る技に長けている」
「ああ、悪く言えばプライバシーの侵害だな」
「キップ、私は確かに心を通して見たんだ。あのノートランの体験を。彼の目に映っていたのは、サナそっくりの人物だった!」
キップは我慢できずコムリンクを取り出した。
「ガノク、それが本当かどうか確かめてやる。サナ、応答しろ!」
数秒後、彼女の声が返ってきた。
「どうしたの?」
「今、どこにいる?」
「・・・町にいるけど」
キップは唖然としてその場に突っ立っていた。ガノクの顔には確信が浮かんでいる。
「サナ、今すぐ落ち合うぞ。場所は――」
キップは辺りを見回し、目立ちそうな店を探した。彼はそれを見つけた途端、思わず顔をしかめた。
「いいか、場所は・・・イウォーク・リフレッシュだ」
「・・・それ、何かの暗号?」
「違う、店の名前だ。いいから早く来い!」

サナはコムリンクを切り、走り出した。キップの声の調子が気になって仕方ない。何かあったのだろうか。
彼女は走りながら、不思議なことに気づいた。そして、思わず足が止まった。町の人々が、あれほどサナに親切だった人々が、今日は彼女につめたい視線を向けている・・・。周りの誰もが、ちらちらと探るように彼女を見ていた。中にはこちらを見ながらひそひそと話をしている者もいる。
いったい、何が起きてるの?
サナは気味が悪くなって、そこから逃げるように走り出した。通りを曲がって狭い道に着き、彼女はそこでゆっくり息をついた。しだいに落ち着きが戻ってくる。
やがて、サナはキップとある場所で落ち合う約束を思い出した。だが、もう人に睨まれながら道を歩くつもりは無かった。できるだけ人通りの少ない道を歩くしかない。
そう思いながら暗い通りを出た途端、彼女はいきなり人と衝突した。
「あの、ごめんなさ――」
彼女の言葉はそこで途切れた。なぜなら――
目の前には、彼女と同じ姿、同じ顔をした女性がいたから。
「どうして・・・あな・・・あなたは・・・誰・・・なの?」
目の前にいるもう一人のサナはにやっと笑った。
「こんなに早く見つかるなんてね。でも、ちょうど良かった。あなたは邪魔になるだろうし」
相手はベルトにかかっているセーバーではなく、新たに懐から取り出したそれを起動した。
伸びた光刃が、周囲を真っ赤に染めあげる。
「あんたはここで終わる。そして、私がサナになる」


[200] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM (2006/02/10(金) 19:32 lUkODMMKnC2)

chewie

第一部ジオノーシスでの開戦 

第一章、始まり

彼ら第501大隊は後々輝かしい功績を残すがそれは黙っておこう。
コマンダーアポーを先頭にクローントルーパー達はリパブリックアサルトシップの巨大ハッチに向かった。初めての戦い、そうコルサントから始めて発つのだった。彼らはリパブリックアサルトシップに乗りコルサントの極秘育成センターを去った彼らは初めて宇宙に出た。宇宙は神秘に満ちている、コマンダーもその光景にしばし見とれていた。しかし任務を思い出すとアポーはみなに「戦闘準備を」と静かに言いそれっきり黙りこくった。彼らには始めての戦い、妙な緊張感がみなを襲う、その沈黙を破ったのはスカイだった。彼は
「みんな戦闘前だジェダイに従い共に戦おう」と言うとアポーに「
ジェダイでは無いパルパティーン最高議長に従うにんだ」と言われた。そこでまたもや議論が始まった。
「ジェダイは銀河の守護者だ、彼らに従うべきだ」とスカイは言うがクローンの教育では
「パルパティーン最高議長に従う」なのだ。
「いいやジェダイは銀河の守護者だ彼らに従うのが俺達なんだ」ゼロはスカイを弁解する。ゼロはスカイの数少ない友であり良き理解者だ他のやつらと考えが違うだけで差別されてしまうのだ。議論で場が緊迫感に包まれていると、いきなり宇宙船が揺れた。すぐにアポーは兵士達に指示を出し始めた。
「敵の攻撃だ砲手は位置につけ、兵士ハッチに向かえ」と言いアポーは兵士の先頭にたちハッチに向かった。しかし分離主義者の攻撃が激しく思うように動けないのだった。だがなんとかハッチにつくと宇宙船がちょうど地面についた。するとすぐにハッチが開き兵士達と激戦の真っ只中に出て行った。宇宙船から降りた瞬間、彼は咳き込んだコルサントとは空気が違うからだ。だかすぐにジオノーシスの空気になれ咳は収まりアポーは
「全軍進撃、分離主義者共を倒せ」と言いアポーは軍の先頭になり戦いに向かった。

その頃第501大隊の別の部隊はガンシップに乗り空中戦を繰り広げて居た。
「敵の宇宙船を撃ち落とせ」とクラウドは叫びミサイルを惜しみなく撃っていると後ろに居た元老院議員のパドメ様がトルーパー1人を落っこちたのだ。ジェダイのアナキン様は
「すぐに着陸しろ」と言うがオビワン様は
「任務をまっとうしろ」と言った。トルーパーはどちらに従えば良いのかわからず混乱して居たが結局分離主義者リーダーを追う事になった。そいつは宇宙港に逃げ飛び立とうとした。トルーパーはアナキン様とオビワン様をそこに降ろし飛び立とうとしたがミサイルが飛んで来てトルーパー達は死んだのであった。

一方落ちたクローントルーパーは・・・
「パドメ様近くの臨時基地に案内します」とトルーパーは言いパドメを連れて行こうとするといきなりドロイド一個中隊が襲って来た。
「パドメ様しゃがんで下さい」と言い応戦し始めたが12VS1だ負けるにきまっている。そう考えたパドメはクローントルーパーの銃を勝手に取り一緒に戦い始めたのだった。あわててクローントルーパーは
「危険ですパドメ様隠れてください」と言うがパドメは
「貴方達が戦って居るのです。私も戦わなければ」と言って居ると一体のドロイドを撃ち抜いた。クローントルーパーは、まあ、強いし良いかと思い一緒に戦い始めたのだった。すると二人は抜群のコンビネーションで敵を倒し、優勢に立って居ると、パドメの方にレーザービームが飛んで来た。しかし隣に居たクローントルーパーが盾となり彼女は無傷だった。「トルーパー!大丈夫?」と言い彼女は急いで駈け寄った。
「もう… 私は… グハァッ! 死ぬ… 逃げてください… パドメ様…」そう言い残すと彼は息を引き取った。最後までパドメに忠実に尽くし悲しい最後を遂げた。パドメは急いで逃げなんとか臨時基地につき難を逃れた・・・

アポー達は戦闘の真っ最中である。スカイの周りには助けられなく死んでいたり重傷を負っているトルーパーが沢山居る、彼は何故殺し合わなければならないのか疑問に思う、だかが今は窮地に陥っている。そんな事考えてなんか居られない。彼ら第501大隊は分離主義者のドロイド軍に囲まれているのだった。コマンダーアポーは決断に迷っていた。敵に突撃するかそれとも戦いが終わるまで守りきるか・・・ スカイはその頃アポーの考えを戦いそっちのけでまた考えて事をしていた。コマンダーの言う事は正しいかもしれないが彼はジェダイを支援する。そんな考えにふけっていると敵の銃弾が顔をかすめた。だが兵士としての直感で弾が飛んで来た事に気付き難を逃れれた。このままでは埒があかないとスカイは悟ると一個中隊を率いてドロイド軍達に突撃して行った。これは無謀な作戦である。敵に突撃に行った瞬間味方のジェダイとクローントルーパーの一個師団が助けに来たのだ。第501大隊はすぐに合流してサーマルデトネーターを使い分離主義者共を倒していった。かなり有利な状況になった時、一発のレーザービームがサイル(スカイの数少ない仲間)を貫いた。彼は口から血を流しその場に倒れた。スカイはすぐさまサイルの元に近寄り彼を起こした。しかし彼はもう息絶えていた・・・「なんで殺し合わなければいけないんだ、なんでだよ」と泣き叫んで居た。しかしそこは戦場、泣いている暇など無い。静かにサイルをそこに横たえてその場を大急ぎで去った。その後後ろから大きな爆発音がしたがスカイは無視して第501大隊が居る場所に戻った。大きな怒りと悲しみと共に・・・ 続く


[201] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/03/13(月) 22:41 6hbFCZwyBFg)

polis_massan

CHAPTER3(>>195)の続き

CHAPTER4
呆気にとられているウロスを尻目に、魚型のエイリアンは自己紹介をし始めた。
「あ、紹介が遅れました。私はトレンダーといいます。あなたを見つけたのは今年で1歳になる息子のカインと妻のディアリーです。」
「そうですか。私はウロスといいます。ところで、最近何かホロネットで変わったニュースが報道されていませんでしたか?」
「ここ数年変わったニュースばかりなので、どのような基準で変わっていると言えばいいのか分かりませんが、変わったニュースとは4人のジェダイ・マスターによるパルパティーン暗殺未遂事件の事でしょうか?」
「なんだって?」
ウロスは思わずベッドから飛び上がった。
「それはどういう事ですか?」
「私も詳しくは存じませんがジェダイ騎士団が共和国の乗っ取りを企んでいたらしく、パルパティーンはクローン軍にジェダイの抹殺を命令し、共和国はパルパティーンを皇帝とする銀河帝国へと姿を変えたらしいです。」
「ジェダイが共和国の乗っ取りを?」
「ええ。そもそもクローン大戦自体がジェダイが元ジェダイであるドゥークー伯爵と共に企んだ茶番劇だったとか。まあ、私にはよく分かりませんが。・・・どうしました?」
ウロスは混乱し、顔色がどんどん悪くなっていった。これでクローンが攻撃してきた理由が分かったが、ジェダイが反乱?一体どういう事だ?
「・・・はっ!そういえばビーコンは?あの、私が乗っていた戦闘機や持ち物などはどうなったのでしょうか?」
「あなたが乗っていた宇宙船は、とてもすぐには飛び立てそうにもないほどボロボロになって海岸にうちあげられていました。これが、その宇宙船にあったのですが、あなたの持ち物でしょうか?」
トレンダーが差し出した物は1本のライトセーバーと銀色のペンダントだった。どちらもウロスの物だ。
「あ、これは確かに私の物です。ありがとうございます。・・・ところで、他に私の持ち物は見つかったのでしょうか?」
「残念ながら、他には何も見つかりませんでした。おそらく海の底に沈んでしまったのでしょう。」
「わかりました。ところで、相談したいことがあるのですが。」
「何でしょうか?」
ウロスは自分の身分やイスカロンまで来ることになった経緯、ビーコンを無くしてしまって連絡が取れなくなっていることなどを話した。
「・・・そうだったんですか。何か私どもに出来ることは無いでしょうか?」
「イラムという惑星をご存じないでしょうか?」
「イラムとはどこでしょうか?」
「イラムとはかつてジェダイ騎士団の寺院があったところで、独立星系連合に奪われてしまったので帝国の領地ではありません。もしかしたら他のジェダイがやってきているかもしれませんし、寺院のがれきの中を探せばビーコンや戦闘機が見つかるかもしれません。
「そうですか。分かりました。とにかく、イラムに渡るためには宇宙船を修理する必要がありますね。それまでは、この惑星に隠れていると良いと思います。ここなら銀河の辺境に位置しているので帝国軍からも見つかりにくいですから。」
「ありがとうございます。」

CHAPTER5(>>202)に続く


[202] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/03/13(月) 22:58 6hbFCZwyBFg)

polis_massan

CHAPTER4(>>201)の続き

CHAPTER5
その時、ウロスが寝ている部屋の戸が開いて、独特の形をしたベビーカーのような物を押しながらトレンダーと同じような魚型のエイリアンが入ってきた。そのベビーカーの中でこれまたトレンダーと同じ種族らしきエイリアンの子どもが寝ているのを見て彼らがカインとディアリーだろうとウロスは思った。
「ディアリー、お帰り。ちょうどこの人が気がついた所だったんだよ。」
「はじめまして。ウロスといいます。この子が私を発見した息子さんですか?」
「は、はい。この子が息子のカインです。」
「そうですか。・・・ありがとう。君は命の恩人だな。」
ウロスは眠っているカインの頭を撫でてあげた。

十日ほど経った頃、ウロスが逃げ出した惑星ティファンに向かって1隻のインペレーター級スター・デストロイヤーが接近し、その下部にぽっかりと空いたフライト・デッキから1台のラムダ級シャトルが飛び立った。そのシャトルのコクピットでは青と白の装甲服を着た第501大隊のクローン・トルーパーが機器類を操作しており、その後ろではトルーパーの白い装甲服とは対称的に黒い甲冑を着た身長が2メートルほどの大男が真っ黒な手袋をはめた腕を組んで座っており、機械的な呼吸音を絶えず放っていた。
「まもなく惑星ティファンに到着します。地上ではすでにコマンダー・ファルの部隊が、彼らが捕らえた捕虜を集結させて待機しております。」
クローン・トルーパーがジオノーシスでジェダイ・マスター・メイス・ウィンドウとの戦いで戦死した賞金稼ぎジャンゴ・フェットと全く同じ声で淡々と報告すると、黒い大男が拡声器の機械的な音声で答えた。
「分かった。今すぐ着陸態勢に入れ。」
そう言っている間にもシャトルはティファンの広大な地表に近づき、地上でたくさんのトルーパーが既に待機している軍用輸送船の近くで待たされているたくさんの捕虜を囲むように立っている様子が肉眼でも確認できるような高度まで降りていった。

ティファンの地上では共和国軍との戦闘に備えて傭兵としてウォフ・ドゥールに雇われ、共和国軍のクローンによって捕らえられた賞金稼ぎ達が突然捕虜を監視していた帝国軍の部隊によって目的も分からないまま1カ所に集められていた。彼らの集合が完了すると、クローン・トルーパーのリーダーらしき者が先頭で説明をし始めた。
「おまえ達のこれからの処遇が決まった。ケッセルの鉱山で強制労働だ。これからおまえ達を既にここに止めてある輸送船に乗せるのだが、その前に我々の上層部の者が視察に来ることになった。今からは何があっても決して動いてはならん。もし少しでもこの場を動く者があれば我々は直ちに射殺する。」
その言葉に捕虜達の間でざわめき声が上がった。
「どうして俺たちを鉱山送りにするだけなのにわざわざ視察が来るんだ?」
「もしかしてこの中に要人が紛れ込んでいるんじゃないのか?」
「でもウォフ以外にこの星に要人なんていたか?ドロイド軍がみんな停止したということは、ウォフがすでに捕まったかあるいは殺されたという事だぞ。」
「確かに。でも、それならば何のための視察なんだろう?」
「あ!あれは何だ?」
1人の捕虜が指さしている先では1台のシータ級シャトルが着陸態勢に入っていた。
「最新鋭のシャトルだ。なんでこんな辺境の星系にあんな物が?」
「きっとあいつらが言っていた上層部の奴の物に違いない。」
捕虜達が呆然と見ている中シャトルはゆっくりと着陸し、中から出てきた黒い装甲服を着た大男をティファンにいるクローンのリーダーが片膝を折った体勢で出迎えた。
「ようこそおいでくださいました、ベイダー卿。」
「ベイダー卿って何だ?聞いたこと無えぞ。」
「おい、あいつのベルトを見たか?」
「ベルト?ベルトがどうしたんだ?」
「あいつのベルトに付けられていたんだよ、ライトセーバーが。」
「え?ライトセーバー?ということは、あいつはジェダイなのか?でも、俺ジェダイが反逆者として殺されるのをこの目で見たぜ。」
「だろ?だからおかしいんだよ。」
「ほら、私語をするな!早く輸送船に乗れ!」
青と白の装甲服を着たトルーパーに誘導されている捕虜達のざわめきをよそにベイダーと呼ばれた男はコマンダー・ファルと話をしていた。
「コマンダー、俺がここへ来た理由は分かっているだろうな。」
「はい。我々がこの惑星で始末したジェダイのライトセーバーです。」
コマンダー・ファルは8本のライトセーバーをベイダーに渡した。
「コマンダー、おまえが渡したライトセーバーは8本しかないがこの惑星に来ていたジェダイは9人のはずでは無いのか?」
「申し訳ございません。他のジェダイと別行動を取っていたウロスという名のジェダイ・ナイトを逃してしまいました。すでにそのジェダイは他の星系に逃れた模様です。」
「そのジェダイと行動を共にしているトルーパーは居なかったのか?」
「ウロスには私と数人の部下が同行していました。」
「では、おまえは皇帝陛下からの直々の命令を守れなかったのか。」
そう言うと、ベイダーは素早く赤いライトセーバーを起動し、ファルの首を斬り捨てた。
「皆の者、よく覚えておけ。皇帝陛下の新たな秩序のために働けない者は、皆こうなるのだ。そういえば、こいつが逃したジェダイ・ナイトはウロスという名前だと言っていたな。ウロス・・・聞いたことがあるぞ。確か『自由の剣士』と呼ばれていた男だ。とにかく、この事については皇帝陛下に然るべき報告しておく。後の捜索は俺に任せておけ。」
「イエッサー。」

CHAPTER6(>>241)に続く


[203] (無題) 投稿者:Mr.Ratamacue vId3OjBL2S. [Web] (2006/02/19(日) 16:39 CFXSbYEpMmM)

quigon

冷たい鉄で囲まれた要塞に一人の男が忍びこむ。彼の名はデュオ・サンライダー、ジェダイ騎士である。
しかし、それは表面上に過ぎない。彼の本当の顔───彼は新共和国秘密機関<バクテリア>に所属する
特殊工作員。ジェダイの技を駆使して彼は今日も潜り込む・・・。

デュオ・サンライダー #1 ミスター・ジェダイ─前編─

惑星ナブー。湖水地方の高級リゾートビーチで今日も彼は自らの容姿を武器に若い女を誘おうとしていた。
彼の名はデュオ・サンライダー。共和国秘密機関<バクテリア>に所属する特殊工作員で、ジェダイ騎士。
女好きな彼についたあだ名は"インポテンス"。インポテンスとは性交不能という意味。多くのジェダイは
彼の魅力に嫉妬し、性交不能になって欲しいと願っている。
黒いだぼだぼの水着を着用したデュオはビーチにシートを敷き、じっと好みの女性が現れるのを待つ。
それまでに何人かの女が彼の顔と筋肉質な肉体にみとれ誘ってきたが、彼は寝たふりをして場をしのぐ。
がんがんと照りつける太陽の下、デュオの女を追う眼<ゴールデンアイ>はあたり一面の女を追いかける。
彼の視線は女を引きつける。そして、三時間ほどかけて探し当てた女がデュオのとなりに寝転んだ。
「ねぇ、あたしの事見てたでしょ?」
女がデュオの耳元にそっと囁き、その感覚を彼は味わう。
「あぁ、見てたさ。君ほど美人な女性、、、いないね。」
デュオの熱い視線は女を陥落させる。
「私、フローレンスっていうの。コルサントからバカンスで来てて・・・。」
陥落成功。デュオは追い討ちをかけるように言葉を返す。
「奇遇だね。俺もコルサントからバカンスだ。そして自己紹介が遅れたが俺は、デュオ・サンライダー。」
さぁ、次は俺を誘うんだ───
「ねぇ、暇なら私の部屋にこない?私、泳ぎ疲れちゃって・・・。」
フィニッシュ。
「もちろん、いいさ。」
いつものテクニックで女を陥落させた色男デュオ・サンライダーはフローレンスの部屋へ。

「ねぇ、もっと優しくして・・・。」
若い男女がすることと言えば、セックスしかない。二人は互いの体を愛撫しあう。
「あぁ、フローレンス・・・。」
デュオはフローレンスの見事な肉体を味わう。
「もっと、激しく・・・。」
あまい声が部屋に響き渡る。
「私、イっちゃう・・・・。」
デュオの目は変わった。今までの眼から、野獣のような眼へ。
しかし、その時だった。電子音が甲高くなり響いたのだ。
「これは?」
フローレンスは音のありかを探すかのように部屋を見まわした。
「俺だ。ちょっと出てくる。」

デュオは水着を再び着てタオルで体を拭き部屋の外へ出た。実はこの水着には超小型のコムリンクが
ついているのだ。そして、彼はコムリンクを取り出し応答する。
「こちら、デュオ・サンライダー。何の用だ?」
自らの快楽の時間を邪魔されたのだから、当然彼の機嫌は悪い。
「すぐにこっちへ帰ってくるんだ。緊急事態だ。」
コムリンクから聞えてきたのは<バクテリア>の作戦司令官バウワーのがらがら声だ。
「何があった?」
デュオが声を潜めて尋ねる。
「ここで質問するな。すぐに帰って来い。」
女を諦める他無かった。組織に反する事は彼でさえ出来ない。
「了解。すぐ帰還する。」
通信を切り、彼は部屋へ戻る。」

「ねぇ、どうしたの?」
フローレンスが心配そうな目で聞く。
「母さんが危篤だ。すぐにコルサントへ戻る。すまんが、これでおしまいだ。」
そういうとデュオは彼女の額に軽くキスをして、急な別れの挨拶をする。
「気の毒に・・・。お母さん、大丈夫だといいね。」
彼女の心配する顔を見つめながら、デュオは頭の中で何故呼び出されたのかについて考えを張り巡らせていた。
「また、会おう。」

自室に戻り、彼は服に着替える。


[204] (無題) 投稿者:ゼイド 0A8LmYYLuiI (2006/02/19(日) 17:17 jysylaD9xyo)

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>>200の続き

第一部ジオノーシスの開戦 第二章 MISS

駐屯基地に戻ると、第501大隊の戦死者数及び怪我人の数が明確に割り出されていた。彼らはそこで休憩をとり、また戦いに赴く。今は第703大隊が戦闘に狩り出されていた。彼らも次の戦闘が控え、緊張した面持ちで武器の検査をしていた。次の戦闘はジオノーシスのドロイドの生き残りを倒す任務だ。スカイの中隊も全員の装備が整い、戦闘に何時でも赴く態度だ。リパブリックアサルトガンシップに乗ろうとした時だった。暗殺ドロイドが仕掛けた爆弾がリパブリックアサルトガンシップを爆発させ炎上した。スカイは生まれ持った特殊な能力(説明を忘れていたが、ジェダイのように一瞬先を予知出来る能力)で身を伏せリパブリックアサルトガンシップの破片が当たるのを防いだが、中隊の仲間は違った。全員にリパブリックアサルトガンシップの破片が刺さり、すぐさま救急医療センターに運ばれた。スカイはまたもや仲間が死んだか・・・と思いながら違う中隊と共に戦場に赴いて行った。

戦場に銃声が鳴り響く、スカイは仲間とともに戦場に赴いて居た。
「進軍!進軍!ブラスト部隊は前に行け(逝け)」
とコマンダーアポーは言うと自ら500人のトルーパーを率いて敵陣営に突っ込んで行った。隠れていたバトルドロイドが突如現れコマンダーアポー率いる500人程の大隊が囲まれた。我々(スカイが居る300人程の部隊)は突撃準備を整えた。
「コマンダーアポー、応答願います。我々の部隊は敵の包囲網を突破する為に突撃します。我々が突撃するのを見てから攻撃を仕掛けて下さい。通信終わり」
と言うと「よし敵に向かってサーマルデトネーターを投下しろ」そう言い終わるか終わらないうちに300発ものサーマルデトネーターがドロイドに降り注いだ。だが彼は一つ失敗を犯していた。コマンダーアポーの部隊にまでサーマルデトネーターの余波が行き、かなりの人数が死んだもようだ」
スカイはしまったと思ったがもう遅かった。彼はコマンダーアポーの部隊の100人程を殺したのだった・・・ 彼の周りに突如クローンの別部隊が現れた。彼らはこう言い放った。
「コマンドースカイ、貴方を反逆罪で逮捕します」と言われると手錠をかけられて連行されて行った・・・続く


[205] (無題) 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/02/22(水) 23:11 IXDj6PZVxgU)

plo

13、敵対

キップはいらいらしながら店の前に立っていた。
「おい、サナはいったい何やってるんだ!?」
「探しに行こう。ここにいては時間の無駄だ」
ガノクがため息をついてそう言った。
「彼女には疑ってかかるべきだぞ、キップ。ここに来ないという事は、来たくない理由があるからかもしれない。それともう一つ言っておく。私が彼女と話している間は、君は一切口を挟むな」
キップはサナの味方をすべきか、ガノクの言うことを聞くべきか迷ったが、とりあえず後者をとることにした。これまでのところ、ガノクはいつも適切な答え――といってもキップが全面的に賛同するような答えではないが――を出している。
「ああ、いいだろう」

サナはまだしびれたような表情で、目の前にいる自分を見た。
「あなたは・・・偽者なんでしょ?目的は何?」
「あんたの首。それをもらうつもり。仕事がしやすくなるから」「仕事って――」
「ねえ、こんなお喋りはもう終わりにして、早くセーバーをぬいたらどう?」
サナは黙っていた。セーバーはこの前キップと戦ったときに壊されてしまったからだ。今日町に来たのは、修理に必要な部品を買うためだった。
「なぁんだ。武器もないの。好都合じゃない」
彼女の偽者は冷たい笑みを浮かべてそう言い、サナに向かって切りかかってきた。サナは上体を反らして相手の攻撃を二回よけ、セーバーを持っている相手の手首に両手で掴みかかった。偽者が毒づいて、サナの手を振りほどこうともがきだす。サナは勢いよく壁に叩きつけられ、思わず掴んでいた手を離した。相手は容赦なくセーバーを振ってくる。サナは必死に攻撃をかわした。ライトセーバー無しでは勝つことなど不可能に近い。その時、傍に転がっていた小さなデュラクリートの塊が彼女の目にはいった。
サナはすぐさまそれを掴み、勢いよく相手の手首に投げつけた。
灰色の塊が偽者の手を叩き、セーバーを落とさせた。
「やるじゃない・・・。残念だけど今日は勝てないみたい。あなたのお友達も来るみたいだから」
偽者はそう言ってすばやくその場から逃げ出した。追いかけるつもりはなかった。相手の落としたライトセーバーを使えば追撃できるだろうが、偽者は逃げると見せかけた罠を仕掛けているかもしれないからだ。
「サナ!そこにいたのか!」
声のしたほうに振り向くと、そこにはガノク・ロムとキップ・デュロンがいた。
「二人とも、ごめんなさい。私――」
「言うな。大方言い訳を考えていたんだろう。私はそんなものを聞くつもりはない。」
ガノクが厳しい表情でそう言い、彼女は眉をひそめた。
「言い訳?それ・・・どういう意味?」
「知らないとは言わせない。君がノートランを二人殺したことはわかっている」
「そんなこと・・・してない。私がここに来たのは・・・セーバーのパーツを買うためだもの」
サナはガノクの剣幕に少し後ずさりながら言った。
「ほう・・・じゃあそこに落ちているのはなんだろうな」
ガノクはあごで彼女の偽者が落としていったセーバーを指した。
「私のじゃない」
「じゃあ、誰のだ?」
彼女は黙っていた。自分そっくりの人間の持ち物だと言っても、信用してくれるわけがない。
急に分かってきた。偽者の彼女の"仕事"が何なのか。なぜ、人々が彼女を冷たい目で見ていたのか。
あの偽者は、私を陥れようとしていた・・・?
ガノクは、セーバーを拾い上げ、それを起動した。
「ガノク、私のセーバーが青なのは知ってるでしょ?こう考えてみて。誰かが私に罪をなすりつけようとして――」
「それも考えておいた言い訳の一つかな?私はノートランの目撃者の記憶を読み取ったが、そこに映っていたのは赤いセーバーを持った君だった。私も最初は変だと思った。だが、君がダークジェダイの仕業に見せかけようと考えれていたならば納得がいく」
「私じゃない!信じてよ!」
彼女はすがるようにキップを見た。だが、彼は沈黙したままだ。いつもならガノクに対して反論ばかりしているのに・・・。
キップまで私を疑ってるの?
そう思うと急に悲しみがこみ上げてきた。
「証拠があれば信じる」
「私じゃ――」
「理由は何だ?なぜあんなことを?君はジェダイじゃないか。できればこんなことは言いたくないが・・・」
「何が?」
「君は・・・帝国の人間だ」
ガノクの言葉は、彼女の胸を冷たく刺し貫いた。
ガノクは、私が帝国領出身だと知っている・・・。だから・・・犯人だと思ってるの?偏見に満ちた環境で育ったから?
「サナ、君がノートランを殺した理由で思い浮かぶのはこれぐらいしかない。君は昔からエイリアン狩りを――」
「やめて!何も言わないで!」
気がついた時には、彼女はその場から走り出していた。自分が折り合っていこうと決めた過去から逃げるように。


[207] (無題) 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/03/07(火) 00:28 SOPPgXc0hV.)

plo

14,過去の栄光

マクーンはベッドの上で、自分の腕を見ていた。バクタ・タンクの治療のおかげで、ダークジェダイから受けた傷はすっかり治っている。だが、心の傷のほうは・・・。
彼はケル・ドアの戦士だ。通常、ケル・ドアは悩み事を抱えたりすることが無い。そのため、いざそれに直面すると、立ち直りに時間がかかることがある。
マクーンはまだ悩んでいた。彼はすぐにでも任務に復帰できるだろう。だが、今のままでは確実に足手まといになる。ついには、ジェダイになったことが間違いのような気すらしてきた。
キップの言うとうりだ・・・。俺みたいな奴はバーで昔の栄光でも語って余生を過ごすほうがあっているのかもしれない。
だが、そもそも俺がジェダイの道を選んだのは、そういう自分に嫌気がさしたからじゃないのか?だらだらと暮らしてるよりも――
「マスター・マクーン。飲み物いりませんか?」
マクーンの考え事はそこで中断された。シュナイブ・ユーエイが勢いよく部屋に駆け込んできたからだ。まったく、こいつは思わぬところで人の邪魔をする。
「俺は何も要らん。出てけ」
「そうですか・・・あの、じゃあこれを」
シュナイブはそう言って一枚の古びたホロカードをマクーンに渡した。
「おい、どこでこれを?」
「昨日、廊下を掃除してたら落ちているのを見つけて――」
「中身を見たわけだ」
「いえ、俺は見てませんよ!」
「じゃあ何故俺のだと分かる?」
「・・・すいません」
シュナイブは素直に謝った。
「まあ、いいだろう。許してやる」
マクーンがホロのスイッチを入れると、10人程度の人数のホロが現れた。
「この人たちは誰です?」
「古い友人ってとこだな。俺が反乱軍でスパイとして戦ってた時のだ」
「マスターが!?スパイですって?」
「昔はな。俺は仲間の間じゃ英雄だった。たくさんの人が俺を尊敬してたよ。あの頃はみんな英雄になれた。マスター・スカイウォーカーやウェッジ・アンティリーズ、タイコ・ソークー、銀河対戦で名を上げた人物が今の共和国を作ってる。だが、時がたつと忘れられる英雄もいる」
シュナイブは気まずい顔になった。
「すいません・・・マスターのことを考えるべきでした。でも、何故スパイをやめてジェダイの道を?」
「正確に言うと、辞めさせられたのさ。スパイの仕事を続けるうちに、俺はあまりにもたくさんのことを知ってしまったんでな。その気になれば、もう一度銀河内乱を起こすようなネタをばら撒くことだってできた。結局、軍を辞めて、毎日酒びたりの生活を送ったよ。そしていつも自分の自慢話をしていた。だが、何年も経つと、そういう自分自身に嫌気がさしてきた。いつまでも過去の栄光に浸っている自分に。そして、スパイ以外の・・・何か別のすすむべき道があると思った」
「それが・・・ジェダイの道ですか?」
そうなのか?マクーンは自分に問いかけた。答えは出てこない。
「いや・・・わからん。今はな」

気がつくと彼女は家に戻っていた。少なくともここなら、他人に白い目で見られずに済むし、批判を受けることもない。
サナはそう思って安堵のため息をついた。体が疲れを訴えている。ダークジェダイと戦ったからではなく、キップやガノク、町の人々の冷たい態度がその原因だ。
とにかく落ち着いて、一人の時間を過ごしたい。そう思いながら彼女は誰もいないテーブルに座った。今日も家の中は静寂に包まれている。
そういえば、捜索が始まってからは一度も4人で一緒に食事を取っていない。
辺りに目をやると、丁寧にラッピングされた包みがおいてあるのに気がついた。どこかで見たことがあるような気がする。彼女はフォースで自分の手にそれを引き寄せて、箱を開けた。
中身はお酒だった。それを見た途端、滝のように記憶が戻ってきた。
「あなたとは・・・何か縁があるみたい」
サナはそう呟いて、キッチンへグラスを取りに行った。普段は酒やワインはあまり飲まないのだが、今は気を紛らわすのにこれ以上良い方法は思いつかない。
彼女はゆっくりと、グラスにお酒を注ぎ始めた。

「いいか、キップ。我々が自由に動くにはある程度、この町の人々の信頼が必要だ。だがサナは自分で築きあげた信頼を自分で崩した。それがこれから我々にどういう影響を与えるか――」
「ガノク、この町の人間がどう思おうと俺の知ったことじゃない。考えてもみろ。ここに住んでるのはみんな銀河対戦を逃げてきた腰抜け達だぞ。反乱軍が敵を撃ち落してる間にのんきに城作りをやってた連中だ。そんな奴らを恐れる理由があるか?」
二人はもう一時間以上も町で自分達の行動について討論を続けていたが、いまだにはっきりとした結論が出ていなかった。
「無いとはいえない。ヴァルトアやセルダは言い争いながらも国を維持している実力ある指導者だ。二人のうちどちらかが我々を追い出そうとすれば、この国の大半はそれを支持するだろう」
「いいか、ガノク。自分達の身を守ることを考えていたら、いつまでたってもダークジェダイなんて見つからないぞ」
「今の状況が捜索を難しくしてる。そのうち我々の行動をスパイする者も現れるかもしれない」
「なら、こうすればいい」
キップは腰に提げたセーバーを抜き、傍でひそひそと会話をしている数人の人々に向けてそれを起動した。人々はぎょっとしたような表情を見せて、あわててその場を離れていく。
「ほらみろ。ここの奴らは臆病の集まりだ」
キップは呆れながら光刃を消した。ガノクは信じられないと言う目でキップを見ている。
「君は・・・自分が何をしたのかわかっているのか?」
「もちろんわかってるさ。時には思い切った行動が必要だって事がな」
ガノクはため息をついた。
「キップ、これは提案だが・・・」
「またか。今度は何だ?」
「私達のような者が捜索を続けてもいい結果が得られるとは限らない。ここはプロに頼んでみないか?」
今度はキップが信じられない目でガノクを見た。
「マクーンを?あいつは腑抜けだぞ。あんな見掛け倒しが何の役に――」
「とにかく頼んでみてくれ。彼なら怪しまれずに捜索ができるはずだ。我々は弟子の修行に専念して、おとなしくしているように見せればいい」
俺の行動を制限しようってのか!?キップの心の中に怒りが渦巻いた。
「俺はもう妥協しない。これ以上おまえにかせをはめられるのはごめんだ。お前は正しいことを言うときもある。だがいつもそうだとは限らないぞ!」
キップはきびすを返してその場を後にした。またしても数人の集団がこちらを見てひそひそと話をしている。キップは彼らをにらみつけながら、荒々しい足取りで町を出ていった。

キップが帰る頃には、空はもう暗闇に包まれていた。結局、ガノクとサナのせいでダークジェダイの足跡一つ見つからなかった。
もうあいつらに振り回されるのはごめんだ。これからは何が起ころうと俺の知ったことじゃない。
キップがそう思いながら家の中に入った途端、妙なにおいが彼の鼻をついた。
「何だ・・・この悪臭は?」
家の中は静まり返っている。誰もこのにおいに気付いてないのだろうか。
キップは手で目の前を仰ぐうちに、あることに気付いた。
これは・・・血のにおいだ。
また何か起こったのか?まさか・・・ダークジェダイか?家が静かなのは・・・マクーンとシュナイブが・・・。彼はあわてて居間に駆け込んだ。
そこにいたのはダークジェダイでも無ければ、彼の弟子でもなかった。
目の前には、ローブと口を血で真っ赤に染め、ぐったりと床に倒れているサナがいた。
こればかりは・・・いくらなんでも放っておけない。
キップはサナを抱えあげて様子を見た。どうやら気を失っているらしい。口が真っ赤なのは吐血でもしたせいだろうか。
「サナ!起きろ。何があった?」
不意に誰かの足音が聞こえ、キップは反射的に腰のセーバーに手を伸ばした。
「マスター・サナ!いったい何が?どういうことです、マスター・デュロン?」
声の主は、彼の弟子、シュナイブだった。まったく、こいつは思わぬところで人を驚かす。
「落ち着け、シュナイブ。気を失ってるだけだ」
「"だけ"ですって?血が出てますよ!」
「静かにしてろ。お前が慌ててどうする?」
キップは叱り付ける調子で弟子に言い、再びぐったりしたサナを見た。彼の腕に抱かれていた彼女は、意識を取り戻したのか微かに目を開いている。
「サナ?大丈夫か。いったいどうしたんだ?」
「キップ・・・私じゃ・・・ない・・・あれは・・・」
どうやら、彼女はまだ疑われたことを気にしているらしい。
「その話はあとだ。これはダークジェダイの仕業か?」
サナは苦しそうに息をしながら首を振った。
「家に・・・帰ってきて・・・セスタ・タウルからの・・・特注のお酒を・・・飲んだの。そしたら・・・」
「セスタ・タウルだと?そいつは誰だ?」
「マスター、とりあえずベッドに運びましょう」
シュナイブが先ほどよりも落ち着いた声でそう言った。
確かに、いまここであれこれ聞くのも酷だ。
二人はサナを持ち上げ、奥の部屋に運んでいった。

部屋の中を、キップはいらいらと歩き回っていた。傍のベッドでは、サナが血だらけの姿のまま再び眠りに入っている。
マクーンに続き、今度はサナがやられた。明らかに、キップ達にとって好ましくない方向に流れは進んでいる。
サナを寝かせた後、シュナイブはマクーンの傷が全快したと報告した。だが負傷した仲間の様子すら見にこないということは、マクーンがまだ精神的に立ち上がっていない証拠だろう。となれば、今行動できるのはキップだけだ。
だが、どうする?俺達は山のように謎を抱えてる。いったいどれから片付けるつもりだ?それにシュナイブの修業もしなきゃならない。
俺だけでは全てを解決するのは・・・不可能だ。
どうやら、またしてもガノクの提案を受け入れることになりそうだ。彼の言うとうり、マクーンのようなプロに捜索を頼むしかない。
そして、背後にいる悪を暴いてもらうとしよう。その後こそ、彼――
キップ・デュロンの出番だ。
キップはちらっと時計を見た。今日はもう遅い。説得は明日にするとしよう。

マクーンは妙な物音に目を覚ました。こんな夜遅くにいったい何事だ?彼はもどかしく思いながら耳を澄ました。
誰かが・・・激しく咳き込んでいるらしい。
彼はベッドを立ち上がろうとして、思いとどまった。
「俺に何ができる?相手は病人だぞ。俺は医者じゃない・・・」
そうとも、俺なんてどうせお呼びじゃない。出て行ったところで足手まといだ。
マクーンは自分自身を情けなく思いながら、またベッドに入った。

サナはまたしても反射的に手で口を塞いだ。吐き出した血が、彼女の手のひらを真っ赤に染める。サナは傍においてある布に手を伸ばした。
一時間前に目が覚めてから、彼女はずっと吐血してはそれをふき取る作業を繰り返している。
呼吸をするのが辛い。だが、誰も彼女を気にかけに来てくれないことのほうがもっと辛かった。
サナは自分の血を全て吹き終えてから、再び横になって、なんとか眠りにつきこうと努めた。


[208] 後で書き足します。 投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/03/07(火) 00:33 SOPPgXc0hV.)

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15、背後の敵

キップは次の日も早い朝を迎えた。着替えをして、マクーンを説得しに行こうとした丁度その時、彼のコムリンクが鳴った。
キップは鼻を鳴らして、スイッチを入れた。
「キップだ。こんな朝早くに何の用かな?」
「ロムだ。キップ、まずいことが起きた。落ち着いて聞いてくれ。ダークジェダイが現れた」
ガノクは冷静な声でそう言った。
「何だって?」
「犠牲者が三人でた。どうやら、マクーンへの脅しは本物のようだ。今すぐ町で落ち合おう。サナと来てくれ」
「サナは駄目だ。負傷した」
「こんな時に・・・」
ガノクの少しばかり絶望した声に、キップは思わず自惚れた笑みを漏らした。
「ダークジェダイなんて俺一人で充分さ。探すのも倒すのもな」
「まあ、君の強さは認めるが・・・。ところでマクーンのほうは?」
「ダークジェダイを捕まえれば、いますぐ説得する必要なんて無いだろう。これから支度をしてすぐそっちに向かう」
キップはコムリンクを切り、自分でも驚くほどの速さで荷物をまとめだした。いよいよ、俺の出番だ。

キップは出発の前にサナの部屋を訪れた。キップが自分の部屋を出た途端、彼女の部屋から激しく咳き込む音が聞こえてきたからだ。キップが部屋に入ると、彼女はまるで泥棒か何かが入ってきたような反応を示した。
「何か・・・用?」
「いや、これから出かけるんでね。君の具合を見に来た。」
「・・・そう」
そっけない応答だった。返事をするのも大変なほど具合が悪いのかもしれない。彼女はひどい状態だった。ローブもシーツも乾いた血で汚れている。彼女の傍に置いてある布はもっとひどく、まるで赤い染物のようだった。
「後でシュナイブに着替えを持ってこさせる。それと、その病気の治療法も考えないとな」
そう言ったキップを、サナはいつにもまして警戒した目で見た。
彼は何かまずいことでも言ったのだろうか。だが、キップはそのことについて口を開かなかった。彼女は昔から自分を隠そうとする癖がある。聞いたところで何も教えてくれないだろう。
「俺は行くぞ」
返事は無かったが、キップは特に気にせず部屋を出た。
「マスター・デュロン・・・お出かけですか?」
シュナイブ・ユーエイが食事をのせたトレーを持ってキップの目の前にいた。
「ああ。飯を食べたら草原で修行してろ。いいな?」
キップはトレーからパイを一つつまんで口に入れて、その場を後にした。シュナイブが心配そうな声で叫んだ。
「マスター、お気をつけて」

サナはこの惑星に来て以来、最悪の一日が始まる予感がした。シュナイブの作った朝食を無理やり口にいれ、身の周りを清潔にしてからは、肺を襲う痛みとの格闘が続いている。
いつもならフォースで病気くらい治すことだってできるのだが、今の彼女は呼吸をするだけで精一杯だった。
フォースを使ってやっと息が整ったその時、部屋のドアが開いた。入ってきたのはシュナイブ・・・ではなくマクーンだった。
「どうしたの?」
サナは少しばかり驚きながらたずねた。
「君の具合が気になった。といっても・・・俺にできることは無いだろうがな」
サナはけげんな顔をした。
「あなたには・・・やることがあるじゃない。その・・・スパイのスキルを使って――」
「何だって?ああ・・・シュナイブが言ったのか。まあ、それは後であいつを殴ることでよしとしよう。確かに、俺はスパイとして働いてきた。だが・・・今の俺はジェダイだ。そのジェダイが・・・自分自身すら守れないで、人々を守れると思うか?俺は、自信がないんだ。君やキップはすばらしい働きをしてる。俺なんかはとても・・・およびもつかない」
サナは驚いた。私が、すばらしい働きをしてる?
「私は・・・何もしてないけど」
「君は強いジェダイじゃないか。いざとなったら、誰でも守れることができる」
「いいえ。どんな働きをしても、もう誰も・・・私を評価してくれないと思う」
サナはそう言ってがっくりと肩を落とした。
「それは・・・昨日のことが原因か?それとも・・・君が帝国の人間だからか?」
サナはまたしても驚いた。
「あなたも・・・知ってたの」
「いや、実を言うと昨日ガノクからシークレットメッセージが着たんだ。だが、安心してくれ。俺は君を疑ってるわけじゃないよ」
マクーンの気を使った言葉に、彼女は少しばかりほっとした。マクーンは私の全てを知ってるわけじゃない。
「でも、帝国領出身だって事は本当だもの。偏見の人間だって事も」
「今の君は差別主義者には見えないぞ。俺が一緒にいて傷一つ無く生きてるのがその証拠だ」
「今はそうだけど・・・。でも、あなたが私を・・・仲間だと思えるのは・・・私をよく知らないからでしょ?」
サナは改めて確認するようにそう言った。
「まあ、確かにそうだろうな。だが、帝国の人間であることはまだ町の人間にはばれてないし、おまけに昔のことだ。それの何が問題なんだ?」
彼女はため息をついた。
「キップが・・・私を疑っているみたいなの。彼は、昔からの友人で、私の事を良く知ってるから。きっと・・・キップは、私が昔のような残酷な人間に戻ったと思ってる。最初はこんな考えばかげてると思った。彼は私を信頼してたし、私のことを評価してくれてたから。それに・・・私も彼を信頼してた。だから、昨日のキップの態度を見たときは・・・ショックだったの。今日の朝も会いに来てくれたけど・・・彼は、私が本当に病気なのかすら疑ってるのかも」
「なるほど。あいつが原因か。俺もキップには一本取られた」
「何を?」
「俺の自尊心、かな。今は自分がひどく頼りなく見える」
「・・・私も」
二人はつかの間笑った。どうやら、マクーンも立ち直るのに苦労しているようだ。
そして私も・・・。どうしたらキップに私が無実だという事がわかってもらえるのだろう・・・。
「私たち・・・この状況から抜け出せると思う?」
「さあな。俺自身、どうしたら良いのかすら・・・よくわからないからな」

「・・・私はただ見てただけでした。目の前で友人はあっさりと殺されて・・・」
背の低いデュロスの男は涙声で言った。キップは町についてから、ガノクと共にもう1時間ほどダークジェダイ捜索を続けている。あちらこちらで手がかりはあるものの、結局見つかってはいない。
「ありがとう、もう充分だ。君の友人を殺した者は、必ず我々が捕らえる」
ガノク・ロムはなだめるようにそう言った。デュロスの男が途端に落ち着いたところを見ると、どうやらフォースをつかったようだ。
効果的だな。キップはちらっとそう思った。まあ、彼だってそれぐらいのことはできる。ただ、使うチャンスが無いだけだ。彼がいるのは常に争いのある場所。そこではガノクの使う技など何の役にも立たない。

「まだサナを疑ってるのか?」
デュロスが去ってから、キップがさりげなく言った。
「彼女の噂はいろいろ聞いている。それに証拠もある。君こそどうなんだ?」
「確かに証拠はあるが、彼女は否定してる。無実かどうかは、サナしだいだな。だが――」
キップは突然言葉を切った。
感じたのだ。フォースの微妙な変化を。僅かな歪みを。
気がつくと、キップは笑っていた。
「キップ・・・見つけたのか?」
「こっちだ。行くぞ」
キップは走り出した。ガノクもついてくる。
角を曲がり、通りを抜け、人を掻き分けながら、二人は走った。

陽がささない暗い通りを、一人の男が歩いていた。
彼の名はアル・ジング。宮殿の警備兵だ。だが、これは表向きの話。今は裏で情報屋をやっている。
宮殿の警護に、安全性の高い保安ドロイドが増え、警備兵達の数は減り、賃金も安くなっているからだ。
情報を売る相手は、時々外交目的で来る者や、隠れ場を探す犯罪者や賞金稼ぎ。最近、ジェダイにも情報を売った。
もちろん、ばれたら彼の命にかかわる。この国は外部の者に対しては秘密主義だからだ。市民もあまりよそ者を歓迎しない。そのため、新たにこの国に入ってくるものは殆どいない。大抵の者が用を済ませると惑星を出て行く。まあ、そのおかげで仕事がやりやすいのだが。
「おい、あんた」
後ろから声がして、アルは足を止めた。
「何かようかい?」
彼は振り向き・・・思わず悲鳴を上げかけた。
目の前には、黒いローブに身を包んだ男が立っていたからだ。
その姿は、最近この国で噂されている"ダークジェダイ"そのものだった。アルは探るように目の前の男を見た。
男の右手には・・・銀色の棒が握られている。
ライトセーバーだ。それに気付いた途端、彼の恐怖は増大した。
「おい・・・待て・・・冗談だろ。ここでは争いは禁じられてるんだ!」
「あんたも持ってるじゃないか。ブラスターを」
男の言葉に続き、銀色の棒が赤い刃を現した。
「やや、やめろ」
アルは後ずさろうとしたが、足が震え、その場に尻餅をついて倒れた。
だめだ、逃げられない。彼は覚悟した。
「待て」
静かな、だが威厳のある声が聞こえた。いったい誰だ?アルが目を細めると、二人の人影がダークジェダイの後ろから見えた。
「私たちは君を捕らえに来た。手向かいするなら、ジェダイ・マスターの私と、ジェダイ騎士キップ・デュロンの二人が相手になるぞ」
ジェダイ・・・?
彼にはまさしくそう見えた。一人は長身で灰色のローブに身を包み、もう一人は白のローブに緑のマントがついた格好をしている。そして、ふたりともジェダイの象徴であるライトセーバーを腰に提げていた。
これで助かった・・・。アルはへなへなになりながらそう思った。

とうとうこの日が来た。彼がダークジェダイを倒し、この国で英雄になる日が。キップはそう確信した。
「ガノク、君はどいてろ」
「そうはいかない。一人より二人のほうが早く終わらせられる」
キップは鼻を鳴らし、すみれ色のセーバーを起動した。ガノクもそれに倣う。緑の光刃が現れた。
「君の好きにしろ。だが、やられるなよ」
二人はセーバーをダークジェダイに向けた。ダークジェダイが振り向き、攻撃の構えをとる。
「おまえ達には、俺は止められない。ケル・ドアのよう返り討ちにされたいか?」
「残念だが、相手が悪かったな。俺はキップ・デュロンだ。おまえには俺は倒せない」
キップは自惚れた笑みを浮かべてそう言った。とうとう、幕開けの時間だ。


[209] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU (2006/03/05(日) 13:31 /I7JurTLQts)

mind_trick

『黄金の剣−Gold sword−』


――Do you know there is a knight besides the Jedi knight?
They fight. To obtain the sword of gold――

――ジェダイ騎士とは別に、騎士がいることを知っているか?
彼らは戦う。黄金の剣を手に入れる為に――


プロローグ


真夜中のコルサント。しかしこの惑星は眠らない。眠るときは、銀河の終焉のときだろう。果たしてこの銀河に終焉などあるのだろうか。それは誰にも解らない。解らないほうがいい。
「街明かりが綺麗じゃ」
優しいオレンジ色の明かりに点されたジェダイ聖堂の廊下で、マスター・ヨーダが一人佇む。巨大な窓ガラス越しに見えるコルサントの夜景を見ながら、そう呟く。
「確かに、この景色は心を落ち着かせます」
彼の傍らには、背の高いマスター・ウィンドゥが腕を組んで、マスター・ヨーダと同じく、コルサントの夜景を見据える。
「そうじゃの。余計なことを跡かとも無く消しさる」
背の低い緑色のヨーダは、再び廊下を歩き出す。
「ナブーへ旅立たれたアミダラ議員、大丈夫でしょうか?」
マスター・ウィンドゥは表情を変えず、冷たく言った。
「さて、それは判らんな。しかし、スカイウォーカーという心強い護衛がおる」
「私は彼を信用できません。マスター・ケノービが心配しているのは議員ではなく、パダワンです」
マスター・ヨーダは足を止め、ウィンドゥと向かい合った。
「何が、言いたいのかの?」
ウィンドゥはゆっくりと、しかし強く言う。
「議員の護衛は、別の者を行かせたら良かったのでは?」
二人はしばし向き合い、再び足を動かす。この時間帯に廊下を歩く者は殆どいない。さっき見回りをしているジェダイとすれ違っただけで、他は誰にも会っていない。
「まぁ……確かにな。スカイウォーカーはまだ若い。しかし、議員と親交が深いのは彼だけじゃ。どうせなら仲の良い者のほうが、議員も身を任せられるじゃろ」
ヨーダはそう言うと、ふと何かを思い出したかのように、急に話題を切り替える。
「ところで、聞いたことはあるかな?」
やぶからぼうに、マスター・ヨーダは尋ねる。ウィンドゥは困った顔をし、静かに逆に尋ねる。
「何をです?」
その質問は当然である。マスター・ヨーダは何も言わず、小部屋へと入る。ウィンドゥはその意味を察し、黙って年老いた偉大なるマスターに続く。小部屋は一人用ソファが三つあり、その内の一つが他と比べて極端に小さい。それぞれが向かい合うように設置されていて、壁に掛けられた柔らかなオレンジ色のライトが、部屋をぼんやりと照らし、心を穏やかにさせる。
ヨーダは一番小さなソファに腰掛け、ウィンドゥに座るように促す。ウィンドゥは黙って頷き、ソファに座る。
「この部屋は、誰にも聞かれたくない密談をするときに使うところでな。ワシが特別に作ってもらうよう頼んだんじゃ」
無言で頷いたウィンドゥは、部屋を見回した。ソファとライト以外は何も無い。極めてシンプルな部屋だ。ウィンドウはしばらく部屋を見回していた。
「で、話じゃが」
またもやぶかろうに、マスター・ヨーダが言う。ウィンドゥは我に返った。
「バゼンの軌道上を飛んでいたジェダイから、ある連絡が入った。極秘での」
初耳の話に、ウィンドゥは驚き、しかし黙って続きに耳を傾ける。
「問題は内容じゃ。そのジェダイが言うには、黄金色のジェダイ・スターファイターが、近くを飛んでいたらしいのじゃ」
「それが何か問題でも?」
「大問題じゃ」
ヨーダは落ち着き払って、厳しい顔で言うと、フォースによって部屋の扉をロックした。
「そのジェダイによると、当時、バゼン周辺に派遣ジェダイ騎士は、彼以外いないのじゃ」
その言葉に、ある問いが隠されていた。それを伝えるかのように、ヨーダはウィンドゥを見据え、逆にウィンドゥはその問いを知りたくないかのように俯く。
「騎士……」
ウィンドゥは呟き、ヨーダはため息をつく。小部屋にしばし沈黙が流れる。
「そう、騎士じゃ。ジェダイとは違う、騎士達じゃ。そして彼の連絡は途絶えた……」
静かに言うと、ヨーダはさらに深いため息をつく。
「ジェダイ狩りをしつつ、黄金の剣とやらを手に入れる為に銀河中を旅する、あの騎士なんですか?」
もはやウィンドゥの顔に、普段の厳しい顔はなかった。今あるのは悲しみと、絶望の顔。
「ジェダイなら何か、黄金の剣の手がかりを知っていると思ったのでしょうか……?」
「そうじゃろ。でなければ、ジェダイを殺す理由は無いじゃろう」
最後に大きなため息をつくと、マスター・ヨーダはもう、それ以上何も言わなかった。
「一体、黄金の剣とは……」
ウィンドゥは立ち上がり、一礼し、小部屋を出た。フォースのロックは解かれていた。

>>210『銀刃』へ続く

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プロローグ終了。まぁ、物語の主人公となる者が、いかなる状況なのかを少し明かしてみました。


[210] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU (2006/03/29(水) 14:19 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>209の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――Is it evil or good that the knight of silvery white  tears up?
No one understands. Only the knight : knowing――

――白銀の騎士が切り裂くのは、悪か、善か。
誰も解らない。知るのは、騎士のみ――


1 ――銀刃――


聞こえるのは、風の音と、足音。あと茂みが揺れる音。見えるものは、背の高い草、木、オレンジ掛かった空。人影は無し。しかし、足音から察するに、近づいていることは明白。見つかるのも時間の問題だろう。
なぜなら、彼は銀色。白銀の鎧に身を包み、顔も銀色の防具で覆われ、顔が見えない。つまり、目立つ。細く、長く、鎧と同じ銀色の剣を背負っている。右肩から左わき腹へ直線を引いたように。
鎧の男は剣の柄に手を掛け、抜刀する。剣の刃は輝く。足音が大きくなる。茂みの揺れる音も、同時に。そして、聞き覚えのある、光刃が出現する独特の音がしたかと思うと、緑色の閃光が彼の目の前に飛び出す。
「行くぞ、銀牙刀」
鎧の男は呟き、ジェダイで言うシエン、正眼の構えを取る。彼の前には、同じくシエンの構えをするジェダイ騎士。
「やはり騎士か……」
ジェダイは呟くと、じりじりろ左へすり足で移動する。しかし、男は構えたまま動かない。それどころか、剣を下ろした。何時しかジェダイは、男の後方へ回り込んでいた。
「なぜ動かない?」
ジェダイ騎士は尋ねるが、男は何も言わず、深呼吸をする。ジェダイは顔をしかめ、目つきを鋭くする。殺るか……? 
緑色の閃光が、男目掛けて飛び出す。だが、目に見えない速さで、その閃光を受け止める。鎧の男は銀牙刀でライトセーバーを受け止める。火花が散り、男は問う。
「……黄金の剣は何処にある?」
その問いは、ジェダイにとって解りきっていた。
「またそれか。お前ら騎士は、本当にそればかりだな」
「質問に答えろ!」
男は銀牙刀を振り上げる。ジェダイは吹っ飛び、木にぶつかる。頭を打ったらしく、額から流血している。頭を抑えながら、ジェダイはよろよろと立ち上がる。
「知らないな……」
ジェダイはもう覚悟していた。この騎士と出会った時から、死を。鎧の男は八相、ニマーンの構えをし、ジェダイ騎士を見据えた。
「そうか。ならば、地獄へ……往け」
鎧の男は地を蹴った。ジェダイは、その瞬間が何倍も引き延ばされた気がした。銀色の騎士は地面から一メートル程した空中を、滑るように跳び、剣を横振りしようと、銀牙刀を左肩まで持ってくる。ジェダイはセーバーを収める。目を閉じ、ゆっくりと、その時を待つ。
騎士と騎士との距離が二メートルのところで、男は銀牙刀を左から右へ振る。
「……さらばだ、ナイト」
男は呟くと、ローブとセーバーのグリップだけになった騎士を残し、騎士は相棒、銀牙刀を鞘に収める。
「黄金の剣は何処に……」

白銀の騎士の名を、ハクロ、という。

>>213『潜入』へ続く

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一章が終了しました。普通の小説と比べれば、言うまでも無く短いですが。主人公の名前、武器等を少し公開。これから徐々に明かしていくつもりです。


[211] (無題) 投稿者:灰色の騎士団 hs1tqbc4R2Y (2006/03/05(日) 00:35 oyGMhn6u8KY)

ewok_baby

「Lost Knight」


正義と秩序の守護者は・・・・・・・・・一瞬にして失われた。


ABY1078 
元老院議員の汚職が横行。飢餓・難民問題が深刻化。
各惑星で内紛、クーデター、テロ活動が勃発。
ジェダイ騎士団はこれらの鎮圧に当たる。


「同士よ、どうか考えて頂きたい!」
ヤヴィン4のジェダイカウンシルに、さらに無線を通してアカデミー全体に響き渡る男の声。
「我らジェダイが本当に倒すべきは何なのか! そして秩序を守るべきには何が必要なのか!」


ABY1079 
ジェダイ騎士のマスター・デルヴァルド、「ジェダイ騎士団は現政権を支持すべきではない」と主張。
これに共感した騎士達は「強硬派」と呼ばれる。


「本当に民を苦しめているのは誰なのか! 他でもなく、権威を失墜させた元老院である! 我らジェダイはその元老院を支持し、彼らの命令を呑むべきなのか!? 否! 断じて違う!」
その言葉に、多くの騎士達が喝采の拍手と歓声を贈った。


ABY1080 
ジェダイ・カウンシルの長、エイルド・スカイウォーカーは元老院の支持を表明。さらに内乱が起こっているマイギートへジェダイを共和国軍の将軍として派遣する事を決定。
これに対しデルヴァルド率いる「強硬派」はジェダイ騎士団からの離脱を表明。約半数のジェダイ騎士が騎士団を去る。
ジェダイ騎士団分裂

ABY1081 
ジェダイ騎士団の分裂を受けて、各惑星でのクーデター、テロ活動が激化。

ABY1082 
共和国軍、事態の収拾のため艦隊を派遣。
だが、艦隊は民間人をも巻き込んだ無差別爆撃を行う。
セラドール・リャン元老院議員、各惑星に共和国からの離脱を訴える。

ABY1082 
セラドール議員に共鳴した多くの惑星が共和国からの離脱を表明。銀河は第2の内分裂を起こす。 
デルヴァルド率いる強硬派は離脱組を支持。

ABY1083 
離脱組は「銀河自由同盟」を名のり、共和国からの独立を表明。
元老院議長アーノットはこれを認めず、これらの惑星に対し軍事派遣もありうると明言。
両陣営とも緊張状態に・・・・・・


“秩序”が滅び、“正義”を考える時
      “善”は“悪”と化し、“悪”は“善”へと変わる・・・・。





――――――――――――――――――――――――――――――――――――

いきなり始めたシリーズモノ。正直続くかどうか分かりませんwwwww
今回はプロローグがてら時代背景の説明をwwwwww
何卒、期待せずテキトーな目でスルーしてやってくださいwwwww


[212] (無題) 投稿者:yu lDsgA5x.wMA (2006/03/05(日) 17:57 SV2cMCx4z9Y)

yoda_ep2

ヤヴィンの戦いから2年―帝国軍の圧制はまだ続いている。
そんな中、一人の青年がいた。彼は旅人だった。
銀河を自由に飛び回る、そんな彼を見て、人々はこう言った。
「彼は、自由気ままな生活を送り、帝国のことなんて気にしなかった。まるで、野良猫のように」

『STRAY CAT』

第1章 旅立ちの日
「はぁ?こんな中古が1500クレジットもするのかよ!」俺は思わず叫んでいた。
「当たり前だ。こんな時代じゃなきゃもっとブラスターも安かったかもしれないのになぁ」ジャンク屋の親父が答える。
ここは惑星タトゥイーン。タトゥイーンって言えば大抵の人は無法者の集まりだって思う。確かにそうだ。でも俺はそんなこの星から今日旅立つんだ!
えっ、俺が誰だって?そういえば自己紹介がまだだったな。
俺の名前はリーフ・プラネット。性別は男で年齢は19。種族は人間。職業は今日から旅人!俺が今まで夢見てきた奴だ。今は帝国と反乱軍がいがみ合ってるがそんなの関係ない。なんたって俺は―
何?物語を再開しろ?ったく、まだ紹介が足りねえんだが仕方ない。再開させていただきますよ。

「もうちょっと安くなんねえのか?」俺は親父に問いかけた。
「なに言ってんだ。こっちだってぎりぎりで売ってるんだ。そんなの無理に決まってるだろうが」親父の口からは当然の答えが返ってくる。そりゃそうだろうな。
「しょうがない。1500クレジットで買うよ」と言って金を渡した。
「毎度あり〜」クレジットの代わりにブラスターが返ってくる。これで旅立ちの準備は完了。俺は店を出た。
「よし、R4、行くぞ」店を出てすぐのところにいたアストロメクドロイドにむかって俺は言う。
その声に反応してドロイドはむかって来る。こいつの名前はR4−J3。つい数日前に買った俺の相棒だ。
R4をスピーダーに乗せる。このスピーダーも言うまでもなくR4と一緒に買ったものだ。そして旅先での主な移動手段となる。
「少し飛ばすぜ・・・」俺は誰に言うでもなく呟いた。
R4が反応して少しびびったようた声を出す。
「これぐらいでびびんじゃねーよ!」その声と同時に俺は全速力でスピーダーを発進させる。
目的地はモスアイズリーの宇宙港だ。
さて、どんな冒険が俺を待っているんだ?

と、こんな感じで小説を始めてみました。できたら、感想をお願いします。


[213] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU (2006/03/12(日) 21:46 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>210の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――It is diverted to the dark, and there is a person who changes.
The endured shadow is whether it is good――

――闇に紛れ、動く者あり。
忍ぶ影は善か否か――


2 ――潜入――


白銀の騎士、ハクロは、数週間前に盗ったジェダイ・スターファイターに乗り込む。左翼には主を失ったR2ユニットが、不満を漏らすかのように電子音をあげる。
「座標をディーフィスYにセットしろ」
ハクロはR2ユニットに指示、いや命令をした。不本意ながらも、R2-V1は座標をコクピットのモニターに映し出す。
「いいだろう、出発だ」
ハクロはグリップ握り、下へ下げる。スターファイターは離陸した。オレンジ色の空を上方へ滑空し、一気にディーフィスYへ向かって飛び立つ。
「高速航行に入る」
深い黒の宇宙空間へ飛び出した時、ハクロが呟く。彼が改良したこのスターファイターは、シールド機能を消したが、スピードにこだわっている。手動でハイパードライブを起動できるし、普通のジェダイ・スターファイターよりも、速度を上げている。
彼のジェダイ・スターファイターは、いくつもの閃光に囲まれながら、大宇宙を突っ切る。


高速航行から出た途端、何機ものスターファイターが、ハクロを追い越していく。巨大な宇宙ステーションに向かって。
「おいR2。何故俺がここに来たか、知りたくはないか?」
R2-V1は聞きたくもないと言わんばかりに、ビィーという音を出す。
「なら聞かせてやる。この宇宙ステーションはインフォメーションSという」
スターファイターを追いかけながら、ハクロは語る。前方のスターファイターは、ハクロに気づいたらしく、旋回する。
「何万、何億、何兆という数の情報が寄せられている」
レーザーキャノン発射のボタンに指を乗せながら、ハクロは余裕の表情で言う。R2は話を全然聞いていない。聞きたくない。
「だから、ここなら黄金の剣の在り処が解る。俺はそう踏んだ」
スターファイターとの距離が縮まってくる。スターファイターから青色の閃光が撃ち出されるが、ハクロは上昇し、いとも簡単にそれを避ける。そしてスターファイターの上方から、紅いブラスターを撃ち込む。数機のスターファイターは、オレンジ色の閃光を発して爆発する。
「だが、その情報の膨大さ故に……」
ハクロは、ジェダイ・スターファイターの速度を上げて言う。
「警備が厳しい」
ハクロは確実に、インフォメーションSへと向かっている。もし、今撃ち落したスターファイターが、このインフォメーションSの警備船だとしたら、確実にこの事を知らせている筈だ。
「しかし、騎士に不可能はないことを知っているか?」
R2は今の戦いが怯えていて、電子音すら発しない。
「ジェダイなんかとは違う。騎士だ、真のな」
ハクロは不敵な笑みを浮かべた。そして、銀色の顔の装備を脱ぐ。R2-V1はその顔を見て驚く。見覚えがあったから。ハクロの顔は、強さと美しさを併せたような、欠点の無い顔立ちだった。その顔は、かつてジェダイ騎士だった彼を知るR2-V1を驚かせる。
「ジェダイなど、騎士の名に恥じる存在。真の騎士は、ライトセーバー等という玩具は使わん。使うのは、刀のみだ」
ハクロとR2を乗せたスターファイターは、インフォメーションSへと滑空する。滑らかに、速度を上げて。


ジェダイ・スターファイターが、着床ホームに降り立つ。真っ白く、清潔感のあるスペースだ。そこには、さっき見たスターファイターが十数機。
「ジェダイか?」
司令塔の官長は部下に聞く。スピーカーに顔を寄せる。
「確認しろ」
彼がそう命令すると、着床ホームの奥の扉から、薄赤い整備服を着て、手に小型のブラスターピストルを持った男達が数人、ハクロの乗るスターファイターに向かって走ってくる。
「今日ジェダイが来るなんて聞いていないぞ?」
官長が、同じ司令塔にいる部下三人に聞く。三人も首をかしげる。
「私も聞いていません。もしや、抜き打ち調査では?」
部下の言葉に、官長は納得する。
「はー、なるほど。では、丁重に……」
整備服の男達が、ジェダイ・スターファイターを囲む。ハクロは降りてこない。
「ジェダイが来るとの報告は受けていない」
整備服の一人が言う。すると、皆ピストルを構える。
「すぐ降りて来い!」
その言葉に、ハクロは少し脅してやろうと考えた。ハッチを開け、物凄い速さで銀牙刀を抜き、「すぐ降りて来い!」と叫んだ男の喉下に、ジェダイの象徴であるライトセーバーではなく、刀を突きつける。
「ジェダイに向かって、その言葉は無いんじゃないのか?」
銀色の鎧を、顔、銅、腕、足と、全身に纏っているのが不気味で、その男は悲鳴を上げる。すると、一人の整備服の男の通信機がなる。
「おい! その人は正真正銘のジェダイ・マスターだ! 丁重に、丁重に、遇するんだ」
指令官長の焦った言葉が聞こえる。
「そういうことだ。よろしく頼む」
ハクロは銀牙刀を背中の鞘に収める。この時点ではまだ、誰も彼が怪しいとは思わなかった。そりゃ、確かに銀色の鎧を付けているジェダイは珍しいが、ジェダイ・スターファイターに乗ってきたし、官長の命令もあり、誰も怪しがらなかった。
「こ、こちらです、マスター・ジェダイ」
案内係の男がやって来る。その男もまた、薄赤の整備服。これがここの制服のようだ。
「R2とスターファイターの整備を頼む。こんな広い宇宙ステーションなんだ。エンジニアくらいいるだろう?」
「は、はい! エンジニアを呼べ!」
ハクロは案内係のガイドで、インフォメーションSを見学する。しかし、最終的には武力を持ってしても、黄金の剣の情報を盗むつもりだが。
最初に来たのは、メインインフォメーションルームというところで、銀河中から寄せられた情報をここで管理し、その種類によって、様々な部屋のコンピュータに送るというものだが、既にここで、ハクロは飽きていた。
「ガイド。黄金の剣とやらは知っているかな?」
一瞬の間のあとに、
「い、いえ。存じ上げません」
というガイドの答え。ハクロは確実に、彼が嘘をついていると思った。しかし、これ以上追求しても怪しがられるので、止めておく事にした。
「少し失礼する。気になったところがあったんでね。ここに居てくれ」
ハクロは走り去る。ガイドはすぐにコムリンクを取り出した。
「コリーム警備長。案内係の者です」
誰にも聞かれていないことを確認し、ガイドは言う。
「どうした?」
「黄金の剣を探しに来たというジェダイ騎士が、気になったところがあると言って走り去りました。至急探してください」
黄金の剣、という言葉に、コリーム警備長は恐ろしさを覚えた。
「解った。立ち入り禁止区域に行かせる。司令塔に伝えておいてくれ」
「了解」


立ち入り禁止区域は薄暗く、何個もの白い土台が、行儀良く一列に並んでいる。長い廊下だ。その土台の上には、それぞれ情報名と情報提供者名が書かれた、小さなチップが置いてある。それを囲うようにして、透明なガラスがある。
「にしても、ここの警備は駄目だな。扉の前に居た警備員、弱すぎる」
どうしようもないことを言い、ハクロは黄金の剣と書かれたチップを探すことにした。微かに、人の声と、駆ける足音が聞こえる。そして見つけた。『黄金の剣  ディアン・モスカンタリー』という刻印がされたチップを。これをR2に読み込んでもらえば……。
「居たぞ!」
ハクロが振り返ると、開け放たれた扉の前に、数人の薄い赤の整備服を着た、今度はブラスター・ライフルを持つ男達がいた。
「撃て!」
ハクロ目掛けて、赤い閃光が飛ぶ。しかし、その一つひとつが、ハクロには手に取るように解った。ハクロは素早く銀牙刀を抜き、ブラスターを弾き返す。

>>222『追撃』へ続く

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一章とくらべると、結構長めです。


[214] 初です 投稿者:トシ・アルバーガ /G2Ok2IpcWU (2006/03/05(日) 18:34 292OM2EqSno)

vergere

ジェダイ・グレート・ウォーと関連した作品です。

登場人物:トシ・アルバーガ(ジェダイナイト)
     ルーン(ジェダイマスター<トシのマスター>)
     ダース・ギア(シスの暗黒卿)

↑ジェダイ・グレート・ウォーより抜粋

トシは信じられなかった。ついさっき起こった光景を。目の前の光景を・・・・
「マスター?嘘でしょう?だって、あなたはマスターだ。そんな、馬鹿な事は・・・」
あまりのショックで意味のわからない事を口走る。
トシの目の前には数分前までダース・ギアと勇敢に戦っていた傷ついたマスターが横たわっていた・・・
「お・・・恐れるな・・・わがパダワンよ・・・」
息も絶え絶えにルーンがしゃべる。
「マスター、しゃべらないでください。マスターッ!私のせいだ・・・全部ッ」
涙を流しながらトシが自責の念に駆られる。
「私は、もう・・・だめなんだ。だから・・・聞け。」
「何を馬鹿な事を・・・、私にはあなたが必要だ。だからお願いです、死なないでくださいマスター・・・」
「死とはフォースの元へと帰ることだ・・・。恐れる必要はない。お前は・・・良くやった。教える事はもう・・・ない・・」
ルーンは笑顔で語りかけた。痛みで笑えるはずもないのに・・・
「マスター・・・い、いままで・・・あ、有難う・・・御座いましたッ」
泣きながら叫ぶ。
こんなの納得できない。
ふざけている。
悪は奴だ!マスターは死ぬべきではないのに・・・
なのに・・・なのに・・・
「何故なんだァァァァァァ!!」
「トシ・・・これは運命だ・・・。」
運命?そんなもののために、マスターは・・・
「運命なんか・・・運命なんか、糞食らえッ!」
「躍起になるな・・・お前と歩んだ日々は本当に輝かしかった。パダワンは取らないと決めていたが、お前を選んで本当に良かった・・・」
「でも、こんなの間違っている!」
「トシ、運命を受け入れろ。この世に完璧なものなど存在しないのだ。感情に左右されてはならん。そして・・・フォースと・・・共に・・あれ・・・」
「マスター?そんな・・・マスターッ!!!!」

・・・・いくら泣いたのだろう。もう涙も出ない。
まだダース・ギアは近くにいるはずだ・・・
このまま奴を探し出して殺してやろうか?
だが・・・それは失敗し、トシ自身も殺されるだろう。
どうすれば・・・
そのとき、背後で懐かしい感じがした。
「マスター?」
驚きと共に振り返る。
そこにはルーンが、死んだはずのルーンがたっていた。
「マスターッ!」
すぐに駆け寄る。
がそれが生身の体ではなくフォースによる霊体だという事が半ばほどにしてわかった。
>馬鹿な事は考えるな・・・・トシよ。自分の信じた道を行くのだ。他人に左右されてはならない。他人ではないのだ。大切なのは自分がどうするかなのだ。今のお前では奴には決して勝つ事はできないだろう。だが、鍛錬し続ければ、トシお前なら、必ずやれる。
それだけを言うと何事もなかったのかの様にルーンは消えてしまった。
「マスター・・・有難う御座いました。」
トシの心に復讐の二文字は、もうなかった。
一筋の涙と共に復讐の気持ちは消え、未練も消えた。
ルーンの遺体を担ぐと自らの戦闘機に乗り込み、アカデミーへと戻っていった・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
駄文すいませんでした。感想お待ちしております。
本編のジェダイ・グレート・ウォーではルーンは死んでいませんがこういう展開にしようと考えています。

感想お待ちしております


[216] 続編です 投稿者:トシ・アルバーガ /G2Ok2IpcWU (2006/03/05(日) 23:01 292OM2EqSno)

vergere

登場人物
    トシ・アルバーガ<ジェダイ・マスター>
    ルーク・スカイウォーカー<ジェダイマスター>
    マラ・スカイウォーカー<ジェダイ・マスター(ルークの妻)>
    ルーン<ジェダイマスター(トシ・アルバーガのマスターだった)>

マスターが死んでから一体どれくらいたったのだろう。
自分は自分自身の道を歩んでいるのだろうか・・・
だが最近になってもジェダイから離反してシスに忠誠を誓うものは一向に減らない。
ジェダイの数はどんどん減っていきシスは増えていく。
倒しても、倒しても残るのは虚無感のみ。
みなジェダイ同士なのに・・・・
太陽が雲に覆われている暗い天気の中、独り物思いにふけるトシにルーク・スカイウォーカーが近寄り語り掛けてきた
「トシ、良いものを見つけたんだ。」
ルークが肩に手を回しながら、トシに一冊の本を渡した
「これは・・・なんですか?」
いきなり本を手渡されても、本を見せられて喜ぶはずがない。
「まあ、そういわずに中を見てみろよ」
いつもこれだ、皆俺に押し付けてくるんだ。
もう、うんざりだ。いっそシスにでもなろうか……
そう心の中で思いつつ、本をパラパラとめくる。
5月23日。
今日を日記の初めとし、日々の思いをここに書き綴る……

今日、初めて自分のマスターとなる人と会った。
思っていたよりも、寡黙なひとだった。

誰の日記だ、一体。
まあいい、読もう。

3月7日
マスターとの行動にもだいぶ慣れてきた。
マスターとの行動は学ぶ所が多く、自分自身の鍛錬に深く繋がる。
この人がマスターでよかった。

7月2日
最近は、様々な惑星で犯罪が多発している。
今後の任務も、それにあわせ、各惑星に派遣されるだろう。
しばらくは日記がかけなくなる日々が続くのだろうか……

3年後

9月23日
ナー・シャッダに犯罪組織の本部があることを突き止めた。
現地にて、おとり捜査を行うことになった。

9月26日
裏切られた、やはりハット族など信頼するべきではなかったのだ。
マスターとは、離れてしまったしもう一度本部に乗り込むしかないようだ……

9月27日
信じられない。
マスターが消えた。
マスターのセイバーと首飾りのみが本部に隠されてあった。
何故?

10月2日
アカデミーはマスターを探してはくれないそうだ。
アカデミーの任務のために消えたのに! 
アカデミーのいう事は聞く気にはなれない!

3月15日
マスターは俺を見捨てた。
きっとフォースが足りないからだろう。
私に飽きたのだ。
弟子をここまで傷つけるのがマスターなら私は弟子など一生取らない。

8年後

2月10日
今日ある若者に出会った。
とてつもなく強いフォースを感じた。
躍動感にあふれていた。
パダワンは取らないと決めていたが、彼なら……考えてみよう

2月24日
彼を私のパダワンにしてもらうことを正式に依頼し決定した。
彼には、私のように傷ついてほしくない。
彼の名前は……トシ・アルバーガ。
前途有望な若者だ。

俺、何故俺が?これは、まさか……
「気づいたようだな。これは君のマスターだった、ルーンの日記だ。たまたま見つけてね。」
「マスターの……」
信じられない。日記を書いていたなんて……
「これは、君がもっていたほうが良いだろう。さて、僕は用事があるからそろそろ……」
そういうとルークはもと来た道を戻っていった。
マスターの日記か……
なつかしい思い出が沢山詰まっている。
>トシよ。自分の信じた道を行くのだ……
マスターのあの時の声が又聞こえた気がした。
「ルーク!まってくれ」
思いついたように呼び止める。
「なんだ?一体……」
「その、パダワンの件なんだがおれもパダワンを育てたいんだが……」
「本当に!?もちろんさ!歓迎するよ。だれか、目ぼしいのでもいたのか?」
「ああ、ちょっとね。」
双方に笑みが漏れた。
数分後誰も居なくなったベランダにルークとマラがいた。
「どうだった?」
マラが聞く
「成功さ。とても驚いていたよ。パダワンをついに取ってくれるそうだ」
ルークが笑顔で答える。
「本当に?それなら聖堂中を2ヶ月も探し回ったかいがあるってものよ。」
「マラ、本当にありがとう。」
「いいのよ。今の私達には彼の力が必要なの。」
「そうだな。」
いつの間にか、天気は快晴となり互いに抱きしめあう二人を淡く、美しい夕焼けが包んでいた……

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
またまた駄文失礼しました。
トシのその後を描いて見ました。
今のところ全部で4部作ほどにする予定です。
>太陽が雲に覆われている暗い天気
では主人公やジェダイの絶望などを表して、後半の
>淡く、美しい夕焼けが包んでいた
では、かすかな希望を表現してみました。
マスターの死から性格が卑屈になってしまい、やる気のなくなったトシが日記を見ることにより本来の自分を取り戻していくって感じにしたかったのですがどうですか?
個人的には日記の所がまだまだだなぁと思っています。
感想お待ちしております


[217] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/03/09(木) 23:52 X6kLITMThXg)

emp_statue

色は匂へど 散りぬるを
我が世誰そ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず


 ――The sky of 1000――


Prologue:プロローグ

 僕は宇宙を飛んでいた。
 戦争の真っ只中を駆けていた。
 閃光と爆発がうまい具合に混ざり合って、見事なイルミネーションを作っている。
 僕はその中を、知らない戦闘機と並んで飛んでいた。
 見たことも無い戦闘機だ。その洗練されたフォルムは美しい。戦っている相手もまた、見たことも無い戦闘機だった。これまた、美しい。
 まるで、映画だな。
 僕は戦いを戦闘気乗りの視点で見ながらも、宇宙全体を見下ろすようにして把握していた。これは一体どういうことか。決まっている。夢だ。たまに見る夢だ。この後僕は敵の戦艦に乗り込み、嘘みたいな光る剣で敵を切り裂き、人質を救出して機械人間を倒すのだ。分かっている。本当に昔見たことがある映画のようだ。
 そう思うと夢は急に色あせ、景色が遠のいていった。ぐるぐると回転し、全てが真っ白になって――僕は目覚めた。
 ベッドの中。右手は操縦桿を、左手はスロットルを握っていた。もちろん、実際は何も無いが。
 馬鹿馬鹿しい。何をやってるんだ僕は。
 額の汗を拭いて、夢を思い出す。不思議と、あまり思い出せなかった。見ている間は先まで分かっていたのに。夢とはそう言うものだろう。ただ、宇宙空間を自由に飛びまわっていたことだけがぼんやりと頭に残っている。あの浮遊感。空気抵抗など関係なく、いくらでも飛べる、あの感覚。宇宙に行ったら、本当にあんなふうに飛べるんだろうか? まぁ、宇宙なんて夢のまた夢だが。
 深呼吸して、ベッドから降りる。カーテンを開けると、窓から差し込む朝日がまぶしかった。朝日といっても、鏡で照らされた光だから本当に朝日と呼んでいいものかわからないが、それ以外に呼び方がわからないのでまぁいいだろう。そう、この星では大昔から太陽と離れすぎているため、宇宙に鏡を打ち上げて光を供給しているらしい。すごい話だ。だけどそれは文献として残っているだけであって、確かにその鏡を見たというものはどこにもいない――少なくとも、ぼくは聞いたことが無かった。
 適当に顔を洗って、やっと目が覚えてきたので靴を履いて部屋を出る。廊下を抜けて、宿舎を出た。朝の冷気が心地よく僕の肌を刺激する。
 さて、どうしたものか。時計を見ると午前五時。大佐に呼ばれていたが、まだ行くのは早いだろうし。とりあえず格納庫に向かってみた。
 軽い灰色の扉を開けて、中に入る。真っ暗だ。壁沿いに手探りでスイッチを探し、電気をつけた。
 カチッ。
 手前から順番にどんどん明るくなり、ついには格納庫全体が照らされる。そこには総勢六つの戦闘機が居座っていた。その中で一番手前にある戦闘機に近寄る。――僕の機体だ。
 その機体は昨日与えられたばかりだというのに既に薄汚れていた。それはもちろん、中古だからである。僕は昨日付けでこの基地に配属になった。だからこの機体はどこからか回された物か、もしくは予備としておいてあったものだろう。機種は確か、T-65 Xウィング スター・ファイター。旧式の中ではなかなか優れた機体だ。スター・ファイターというぐらいだから昔は宇宙も飛べたのかもしれないが、今は無理だろう。宇宙にいけたところで何の意味も無いし、行きたいと思う者も少ない。なので今は宇宙用に積んでいたと思われるデカイエンジンを取っ払ってそこに新しい地上用エンジンを搭載している。と、昨日整備士が言っていた。
 そう、整備だ。大佐に呼ばれたってことは何か任務でもあるのだろうか。だったら、機体を整備しておきたい。そうは思ったものの、勝手にやっていいのか。整備士はまだ寝ているのだろう。僕はかけてあるはしごに登って、特に意味も無くコクピットに入った。
 椅子に座って前方中央にある操縦桿を右手で握り締める。左手はスロットルを。足は、ラダーペダル。目を瞑って頭の中で戦闘を創造する。
 右に一機。
 操縦桿を右に倒してロールしてから、機首を上げてフル・スロットル。
 敵がどんどん接近する。
 数秒間引き金を引いて下へ離脱した。
 目を開けた。こんなもんだな。敵は爆発したはずだし。
 そういえば、操縦桿の上の部分にボタンがあるけど、これは何だろう。後で誰かに聞かないと。重要なボタンだったら大変だ。
 コクピットから見えるのは、前方のシャッターだけだった。キャノピーを閉めると、更に視界は狭まるだろう――最も、前の基地で乗っていた機体に比べれば横が見れる分まだ良い方ではあるが。まぁ、これからはこいつの世話になるんだ。僕はしっかりと操縦桿を握り締め、また目を閉じた。
 こんな落ち着かない朝は久しぶりだ。一体何があるというんだ。どこからか頭を締め付けられるような、そんな感覚。誰かが死んでいるという直感。昔から嫌なことの前にはこういうことがあった。だから、今回も当たっているのだろう。
 僕は目を開けて、空を見つめた。残念ながら壁に邪魔されてそれは見えなかったけど、何故か輝く太陽が見えたような気がた。あの太陽の下で今も誰かが死んでいるのだろう。それが戦争なんだから。けれど、理由はなんだっていい。戦争だろうと、なんだろうと。ただ、空を飛びたい。それだけだ。


NEXT >>220


[218] (無題) 投稿者:yu lDsgA5x.wMA (2006/03/06(月) 21:29 SV2cMCx4z9Y)

obiwan_ep2

>>212の続き
『STRAY CAT』

第2章 シャトル
俺とR4はあのジャンク屋から15分ぐらいかけてモス・アイズリー宇宙港についた。が、
「……俺、どこに行くんだっけ?」そう、俺はまだどこに行くか決めていなかったのである。
「R4、どこに行くのか知ってるか?」俺はR4に問いかけてみる。しかし、帰ってくるのは、「知らない」と言ったような電子音だけだった。
「さて、どうするか……」俺はその場で立ち止まり考え込む。すると。
「ナブー行きのシャトルはこちらです」といった声が聞こえた。
その声の聞こえたほうを見ると、プルトコル・ドロイドがチケットを売っていた。
「ナブーか……」俺は考えた。すでに俺の頭にあるのはナブーのきれいな景色や観光名所ばかり。数秒間考えた俺は、そのプルトコル・ドロイドの前まで行きこう言った。
「ナブー行きのチケットをくれ」そういってクレジットを差し出す。
「ありがとうございます」ドロイドはそう返しチケットを渡した。
「シャトルはどこだ?」俺がドロイドに問いかけてみる。
「あちらのVH−358離着陸場です」ドロイドが答えた。
「ありがとよ」俺はそう言ってドロイドが教えてくれた離着陸場
まで行く。
「ここらへんか?……あ、あった」確かにシャトルはあった。
早速俺はそのシャトルに乗り込んだ。R4が付いてくる。

シャトルの中はごった返していた。避難民のような格好の奴が大半だった。
しかし、俺のような旅人みたいな奴も少数だがいた。
俺は席を探して歩いた。すると、柄の悪いザブラクが向こうから歩いてくる。これはまずいと思って俺は少し体をずらし、目を
合わせないようにした。
だが、なんとザブラクの方からイチャモンをつけだした。
「おいおい、なんで目を合わせないんだ?」ザブラクが言う。
「目なんかそらしてねぇよ」俺は目を上げて答える。なんで目をそらしているってことが分かったんだ?
「あぁ!?てめぇ、喧嘩売ってんのかよ!」ザブラクが切れる。
てめぇがイチャモンつけてきたんだろうが。
「……どいてくれませんか?」俺は切れそうなのを我慢してそう言ってやった。しかし、それが奴の気に障ったそうだ。
「てめぇ、ふざけやがって……」ザブラクがブラスターを構えた。なんで俺がてめぇの生贄になっているんだよ……
俺もブラスターを出して撃とうと思ったとき。
「何をしているんだ!?」おお、帝国軍のストーム・トルーパー
じゃないか。すぐに周りにいた乗客がこの揉め事のことを
話す。すると、ストーム・トルーパーがあいつを連れて行った。
この時だけ、俺にはこのストーム・トルーパーが神様に思えた。
「詳しく話を聞かせてもらおうか」もう一人ストーム・トルーパーが俺に向かってそう言う。
そのあと、何分か説明をした後、俺はR4と一緒に席を探し、近くの席に座った。はぁ、なんで俺の行くところはこうもトラブルばかりなんだ?
「こりゃ前途多難だな……」俺は誰に言うでもなくつぶやく。
タトゥイーンの空はいつもと同じく明るい色。
俺の気持ちとはまったく正反対だった。
*******************************************************
と、こんな感じで第2話を書いてみました。相変わらずの駄文ですが、感想をできたらお願いします。


[219] (無題) 投稿者:灰色の騎士団 hs1tqbc4R2Y (2006/03/06(月) 22:09 t/gl9KjCeEg)

ewok_baby

>>211 の続き


第1章 「Begin War」


コレリア。かつては銀河共和国の主要惑星だったこの星も、銀河自由同盟への参加を表明した後はその本部となった。
コレリアの首都都市コロネットに聳え立つビルの中・・・・・・・
「緊張は・・・・・・収まらぬか」
銀河自由同盟の盟主セラドール・リャン元老院議員は呟いた。
「何とか和平交渉で独立を勝ち取れれば良いが・・・・・・」
「不可能です」
セラドールの望みを一刀両断する発言。その主はジェダイ・マスター・デルヴァルドだ。かつてジェダイ強硬派として、騎士団から去っていったジェダイの筆頭。
「腐敗した彼らが条件を呑むとは思えません」
「最後まで希望を棄てるな、マスター・デルヴァルド」
溜息を漏らすセラドール。
「最後まで希望を持ちましたよ・・・・・・・・ジェダイ・カウンシルにね」
デルヴァルドは切なげな表情を表す。
「そして裏切られたのです・・・・・・・・共和国に!」
やがてそれは歯軋りするような形相に変わる。そこには入り混じった絶望と憤怒、それ以外は無かった。


惑星コルサント 時刻は夕暮れ時
「元老院は独立を認めませんでしょうな」
元老院ホールの回廊を歩く2人の男性。両者とも共和国軍の制服を着こなしている。
「『テロリスト共に一切の譲歩はしない』との事だが」
「フン、また上手い文句を考えたものだ」
まだ若い将校が鼻を鳴らした。
「大方、自分達の代で銀河を2分させるのを恐れているのですよ。後世に自分の名を、汚れて伝えられたくないでしょうしね」
もう1人の将校―初老の年齢―は溜息を付いた。
「マクノット大佐、少しは元老院は信じたまえ。何せ元老院議長は君の・・・・・」
「“父親だから”ですか? 結局、彼も他の議員も同じですよ。自富を肥やす事しか頭に無い」
マクノット・ヴェルノゥド大佐は、父親であるアーノット元老院議長に明らかな軽蔑の言葉を向けた。
「もちろん銀河自由同盟の連中に賛同する事はしませんよ。彼らも結局はテロリストに過ぎないのだから」
ツカツカと2人の将校は足早に回廊を歩く。
「決して銀河をテロリスト共の好きにはさせないっ!」


[220] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/03/09(木) 23:51 X6kLITMThXg)

emp_statue

After story of >>217

Episode 1 : Points Of Authority

秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ


 1


 僕は大佐に敬礼した。やる気の無い敬礼だったが、別に注意されることはなかった。
「ここには慣れたかね」
 恰幅のいい太った中年の大佐は、椅子にでっぷりと座り髭をいじっている。
「慣れませんね……人のいるところは落ち着きません」
 大佐はふんふんと頷く。
「もう自分の機体は見たか? Xウィングは初めてだろう」僕は頷いた。
 前の基地ではT.I.E.に乗っていた。TIEといってもインターセプターなどではなく、初期型のT.I.Eである。Xウィングと比べると化石みたいな機体だが、まぁXウィングだって最新鋭と比べると化石だ。ただし、性能ではXウィングの方が勝っているが。
「そうかそうか。Xウィングは素晴らしいぞ。バランスに優れてる。おそらく旧式の中では最上級だろうな。まぁ、君に与えたB型より私はXJ型の方が好みなんだが……私が現役のときはな」
 僕は顔をしかめた。人の武勇伝程退屈なものは無い。何か話を切り出さねば。
「BとXJの最大の違いは、操縦桿とエルロンをつなぐパイプがコンピュータに切り替わったことにある。それによって軽量化とともにスペースの節約が……」
 操縦桿。そうだ、それがあった。
「あの、すいません」
「旋回能力の向上と機関銃の――なんだね?」
 大佐がこれからいいところだったのにと言わんばかりに眉を吊り上げる。
「今朝、自分の機体を見てきて気づいたのですが、操縦桿の上のボタンは何のためのものでしょうか」
 え、という顔。
「何って、そりゃミサイル発射装置じゃないか」
「ミサイル!?」
 思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。大佐があぁ、と納得したような顔になる。
「そうか、TIE系統にはミサイルは無いんだったか」
 Xウィングを始めとする多くの機体はTIEシリーズより複雑な構造をしている。TIEはシンプルだから操縦はしやすいが、武装がレーザーしかない上、致命的なデザインだ。それに、装甲も薄い。敵の戦闘機は僕のレーザーを少し受けても平気なのに、T.I.Eは一撃でつぶれた。Xウィングは厚い装甲で有名だから、やりやすくなるだろう。それにしても、ミサイルとは驚いた。
「本当に撃てるんですか?」
 大佐は苦い笑いを作って首をふった。
「まさか。そんなことができたら今頃ボサン共は焼肉になってるよ」
 彼は笑った。僕は笑わなかった。
「装置はあるのに、何故使えないんですか」
「先人達はミサイルにつめるほど小さい誘導装置を持っていたんだろう」
 確かに、ただ自己推進力があるだけならば今の技術でも作れるだろう。だが、誘導装置がなければただ真っ直ぐ飛ぶだけで、対艦用なら何とか使えるだろうが、それなら普通の爆弾で十分事足りる。
「失われた技術を取り戻すことは不可能なんでしょうね……」
「だろうな……最近はもうすっかり発掘作業も止まってるらしい」
 そう、過去の遺産をいくら発掘してももはや出てくるのは瓦礫の山だけだ。たまに使えそうなものが合っても理解不能な内部構造なことが多く、発掘業は風前の灯だった。
「せめてレーザー・キャノンは作れるようになってもらいたいですね」
「それも絶望的だろうなぁ」
 先人達はクリスタルを他の惑星で取っていたらしい。だから墜落した戦闘機も貴重な資源であり、落ちた気体を回収して売りさばくならず者が多い。しかしいずれ先人達の残した戦闘機は消え去るだろう。そうなった場合どうするんだろう。
「まぁ、とにかくそう言うことだから。三十分後には準備してここに来るように」
 大佐がそう言ったので僕は一礼して事務室を出た。
 三十分。待ちきれないな。
 急いで部屋に戻って、シャワーを浴びた。
 上がって、パイロットスーツに着替える。
 まだ十分もあった。待ちきれないので、格納庫へ向かう。
 騒がしい音。シャッターが開いている。近づいてみると、Xウィングの翼の上に誰かいた。右上のエンジンをいじっているらしい。整備士だろう。僕の視線に気づいたのか、こちらをむいた。
「あぁ、君が新しいパイロットかい?」
 僕は頷く。
「最終点検してるところだ。順調だよ」
「そうですか」
「Xウィングの経験は?」
「無いです」
「なら、説明しとくことがある。上がってこれないか」男はそう言って僕は促す。
 かけてあるはしごを上って、男の隣に並ぼうとすると、手を振ってコクピットだ、といわれた。僕はコクピットに入る。
「まず、基本操作はどれも一緒だから分かるよな?」
 当たり前だろう。わからなくてどうやって飛ぶんだ。
「Xウィングは戦闘時に翼を開いて、射程を広げるんだ。これがそのボタン。それから、この前に一杯付いてる計器だが、ほとんど無視していいぞ」
「え」
「半分以上使わない。システムごと取っ払ってあるからな。あとこの照準とレーダーだが、あてにするな」
「レーダーが当てにならないのは知ってる」
 男は苦笑した。
「だろうな。照準は距離を測る程度にしとけ」
 僕は頷いた。
「この穴は何?」
 穴とはシートの左上、肩の上辺りに開いている穴だ。なんでこんなところにあいてるのだろう。
「それは昔ミサイルの自動照準があったところだ」
「あぁ、成る程」
「これの装備は半分以上取り除かれてるから、あちこちに穴がある」
 たとえばそれだ、と彼は後ろを示す。
「でっかい穴があるだろ? ここに昔はロボットを入れてたらしい」
「へぇ……ロボットねぇ」
「ロマンだな」
 きっとそれは、あの夢に出てきた丸いドーム型の頭をしたロボットなのだろう。
「自己紹介が遅れた。俺は整備士のラックだ。よろしく」
 そういって男は油で黒ずんだ手袋をした手を差し出す。僕はそれを無視した。
「時間だ」
 そう言ってコクピットを降りて事務室に向かう。すると、後ろから呼び止められた。
 振り向くと、男が苦笑いしていた。
「名前くらい、教えろよ」
「任務が終わって生きてたらね」
 笑ってそう答えた。


NEXT >>223


[221] 続きはまた今度。眠い・・・・。  投稿者:ファームボーイ S3eimg8Mg1M (2006/03/07(火) 19:55 SOPPgXc0hV.)

plo

16、成長

シュナイブ・ユーエイは彼の修行場である広い草原で、エレクトロスタッフを振り回していた。といっても、動きはぎこちないうえに勢いが無い。彼はいくらやっても上達しないのだ。
理由は分からない。だが、いくら自分が落ちこぼれだろうとあきらめるつもりは無かった。親の仇がまだこの国のどこかにいるのだ。できれば自分の手で倒したい。それが修行を続けている理由だ。
急にスタッフの動きが止まった。攻撃の型を忘れてしまったのだ。実を言うと、彼は物覚えも悪い。これも修行が進まない原因の一つだった。
「キップが怒る気持ちも、わからなくはないな」
突然聞こえて来た声に、シュナイブがぱっと振り向くと、そこには黒い外套を着た男が立っていた。フードの下の顔は見えない。こいつは、ダークジェダイ・・・?シュナイブはスタッフをぎゅっと握り締めて言った。
「お、お前は誰だ」
「俺かい?どうやら、キップは話してくれなかったようだな」
「お前なんて、俺は知らないぞ!」
「落ち着くんだ」
男はそう言って、右手を静かに振った。その途端、シュナイブは急に落ち着きを取り戻した。そして、自分が相手にスタッフを向けているのに気づき、あわててそれを引いた。
「あの・・・無礼をお許しください。その・・・あなたを見て嫌な出来事を連想したので」
「ダークジェダイの事だな。すまなかった。ジェダイの格好だと、目立って仕方が無くてね」
「あの、あなたは誰です?」
「俺はルーク・スカイウォーカー。君のマスター達に用があって会いに来たんだ」
スカイウォーカー・・・。どこかで聞いた気がするのだが、思い出せない。
「初めまして。俺はシュナイブ・ユーエイです。すみませんが、今マスターは出かけているんです」
「そうか・・・なら、俺は出直すとしよう」
彼はそう言うと、シュナイブに背を向け歩き出した。
「あの・・・あなたもジェダイですか?」
男は立ち止まり、シュナイブに向き直った。
「そうだ」
「あの・・・俺は才能が無くて・・・マスターを困らせているんです。それで・・・もし、あなたがよろしければ、なにか享受願いたいのですが」
彼はそう言って頭を下げた。俺は何て無茶を言ってるんだろう。だが、自分ひとりで修行するよりはずっと良いじゃないか。シュナイブはそう思った。彼が顔を上げると、男は微笑していた。
「いいだろう。少しの時間しかいられないが、君の修行を手伝わせてもらおう」

ダークジェダイが突撃してきた。キップが繰り出された一撃をたやすく受け、切り返す。それに続きガノクが彼の攻撃に加わった。緑の刃と青の刃の連続の攻めが、赤い刃をじわじわと後退させていく。
突然、ダークジェダイは後ろにジャンプし、すくみあがっている警備兵を飛び越え着地した。
「どうした?かかってこい」
キップはあざけりを含めてそう叫んだ。
「勘違いはやめて欲しいな。ここに来たのはお前らの相手をするためじゃない」
ダークジェダイはローブの懐から銀色の球を取り出し、それを警備兵の傍に落とした。
サーマル・デトネーターだ!
キップが逃がすまいとダークジェダイに突撃した。だが、ガノクは震えた警備兵を抱え上げ、その場を離れていく。
キップは慌てて防御の構えをとったダークジェダイに一閃した。
青い光刃が相手の指先を切り落としたその時、巨大な爆発が起こり辺りを包み込んだ。
キップは体にかかった瓦礫を払いながら立ち上がった。ダークジェダイの姿は見えない。
「くそ」
キップは毒づき、光刃を消した。しばらくすると、煙の向こうがわからガノクが現れた。
「逃げられたのか」
「君の言うとうり、早く終わったな。相手は二対一になって臆病風に吹かれたんだ」
「私はそういう意味で言ったわけでは――おや、これは何だ」
ガノクはそう言って足元に落ちた指を怪しげに見下ろした。人間の肌色の指が、みるみるうちに黄土色の非人類の形に変わっていく。
「どうなってるんだ?」
「私にもよくわからない。これは・・・調べる必要があるな」
ガノクは指の一つを拾いあげ、ベルトの空のカプセルに入れた。


[222] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU (2006/03/12(日) 21:46 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>213の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――The person run after is a fast person.
The person who chases it is a strong oppositely person.――

――追われる者は速き者。
追う身は逆に強き者――


3 ――追撃――


「撃て撃て!」
副警備長が部下に向かって叫ぶ。副警備長もブラスター・ライフルを構え、立ち入り禁止区域の長い廊下の天井についている、青っぽいライトに反射し、美しく輝く騎士に向かってブラスターを放つ。しかし、同じく輝く剣によって、ことごとく弾き返される。まるで飛んでくるゴミを払うかのように、軽々と。
「援軍を! コリーム警備長に連絡だ!」
副警備長が後方で援護する部下に向かって叫ぶ。部下はコムリンクを取り出し、噛みながらも伝える。ハクロは徐々に、薄い赤色の整備服の集団に近づいていく。ゆっくりと歩きながら、ブラスターを弾き返す。警備員達は今解った。彼がジェダイでないことを。
「VSランチャー用意!」
副警備長は、このインフォメーションSの警備隊内で、最高の武器を用意させた。いわばただのミサイル・ランチャーだが、彼らはこの武器を使ったことが無い。平和だったからだ。白銀の騎士が来るまで、このインフォメーションSは。警備員達が群がる、立ち入り禁止区域の扉の前に、コリーム警備長が到着した。三十代半ばで、鼻の上に切り傷の痕。角刈りの金髪。
「警備長、お下がりください!」
警備員の一人が、警備長を守る為、ブラスター・ライフルを構えて立ちふさがる。警備長はしゃがみ、ブラスター・ピストルを取り出す。
「VSランチャー発射!」
副警備長は右手をハクロに突き出して叫ぶ。鮮やかな黄色い、大きめの弾丸が、ハクロ目掛けて飛んでいく。
ハクロは、いくつもの紅のブラスターが傍らを通り過ぎる中で、銀牙刀を黄色の弾丸に向けて構える。柄を握る手に、力が入る。すぐにその時は来た。弾丸はハクロに見事命中し、爆発し、ハクロは十メートルほど吹っ飛ぶ。
「やったぞ!」
副警備長は笑顔で歓声を上げたが、
「囲め!」
という警備長の命令で、すぐに笑顔は消えた。ハクロは、銀色の鎧の胴の部分から煙を上げ、仰向けで倒れていた。銀牙刀は、彼の手を離れ、丁度黄金の剣のチップが置いてあった、土台の上に突き刺さっていた。
薄い赤色の整備服が囲む。シューという、煙と煙あがる音が、ハクロの右胸から発されるだけで、彼は動かない。動いたのは銀牙刀だった。突き刺さった刃が、少しづつ抜かれていき、ついには宙に浮いた。まるで意思を持ち、生きているかのように。
「ガッ!」
銀牙刀は警備員の一人を斬りつける。
「何?」
副警備長は銀牙刀を撃とうと、ライフルを構える。そして撃つが、さっきと同じく、弾かれてしまう。おまけに、ハクロが何事も無かったかのように起き上がり、警備員達を殴りつける。
「銀牙刀」
ハクロが相棒に向かってそう言うと、剣は回転しながら、彼の手に滑るように収まる。そしてバックステップをしながら、扉の前でおどおどしているコリーム警備長の喉元に刃を突きつける。
「動くなよ」
静かに言ったが、廊下にその声が響く。援護に来た警備員達が、ハクロと警備長の前で倒れこむ。
「銃を捨てるんだ。妙な動きをしたら、このお偉いさんが死ぬ」
警備員達は、武器を捨て、すり足で動くハクロと警備長を見守った。そして、ハクロは目にも留まらぬ速さで駆け出す。無傷の警備長を残して。
「追え!」


「撃つんだ!」
着床ホームには、数十という警備員がライフルを構えて立っていた。さすがのハクロも、これには驚いたが、銀牙刀を抜くと、右へ左へと跳んで、なんとかブラスターを避ける。
「出発だR2」
またも不本意だったが、R2は、あたかも待っていたかのように電子音をあげる。ハッチを開け、素早く、ジェダイ・スターファイターに乗り込む。
「黄金の剣の情報を手に入れた」
素早く巨大な宇宙ステーションから飛び立つ。その後に、巨大な戦艦が飛びたつ。
「全く、あんな巨大なものを持っていたのか」
スピードは格段にハクロのほうが速かったが、攻撃力はどう考えても、向こうのほうが強い。もうすでにレーザーやらなんやらが、ジェダイ・スターファイターの横を通り過ぎている。左翼のR2が攻撃しないのか、と聞いている。
「しないさ。宇宙(そら)の戦いは嫌なんだ。どうせ戦うのなら、刃を交えたほうが面白い」
R2は怖いのか、と訊ねた。ハクロはわざと声を出して笑い、一回スピンして、赤いレーザーを避けた。
「怖い? まさか。ただ今は戦いたくないな。無闇に戦って、このチップと共に銀河の塵になるのはごめんだ」
攻撃を華麗に避け、ハイパードライブを作動させようとする。
「R2、座標をウィアにセットしろ。あそこなら安全なはずだ」

>>233『追手』へ続く


[223] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/03/12(日) 02:02 X6kLITMThXg)

emp_statue

After story of >>220


 2


 相変わらず空は美しかった。太陽――鏡がまぶしい。Xウィングは思ったより扱いやすく、すぐになじむことができた。昔乗っていた機体と操縦系統が似てるからかもしれない。
 だが、やはり視界が狭い。T.I.Eの時は前方は全て見ることができた。その代わり三方向が見えず、頼りないレーダーに頼らざるを得なかったので、どちらがいいかというともちろんこちらであるはあるのだが、ちょっと慣れない。
 右に一機、仲間が一緒に飛んでいる。彼もまた、Xウィングだった。翼に派手な模様が描いてある。僕らは今、偵察場所に向かって雲の上を疾走していた。
 味方――確か、トムという男だ。彼が翼を振って右に降下し始めた。僕もそれに習う。雲が近づいてきた。影が揺れる。触るとさぞかしふわふわだろう。まぁ、実際はそんなわけないけど。
 雲に入ったら視界が真っ白になって、機体が揺れた。がたがたと振動するこの感じは、結構好きだ。今にも堕ちそうな、危なっかしい感じがたまらない。T.I.Eはこれが日常茶飯事だったから、エンジントラブルなどによる揺れを感知することが難しくてよく堕ちかけた。地上に降りてから、初めて分かる恐怖だった。
 徐々に視界が開ける。下は森林だった。川が流れているのが見える。おどろいたな。ここ何年か、こんな豊かな土地を見ていない。
 前いた基地は文明の侵攻の傷がまだ癒えていない砂漠地帯だった。このあたりは比較的マシな区域だったのだろう。こういうところこそ発掘作業をするべきなのかもしれない。
 偵察は目の前の山を越えた先にある小さな町の様子を見て戻ってくるというごく簡単なものだった。敵機に遭遇する確立はたったの15パーセント。果たしてこれが少ないかどうかは別として。
 トム機は山の傾斜をなぞるように旋回し、そこを越えた。僕も後に習って同じ行動を取る。町が見えた。本当に小さい。この高度から見ると食べられそうなくらいだ。
 操縦桿を右に倒して機体を傾ける。右を――下を、見た。何の変哲も無い田舎町、そう言う印象。道行く人がうるさそうにこちらを見上げているのが、見えた気がした。
 機体を戻して、前方を見る。異常は無さそうだ。
「戻るか?」
 トムの声。
「そうしよう」
 僕は答えて、旋回する。トムの機体に並んだ。と、その時。
 レーダーに機影確認。あてになるのか? 僕は振り返った。見えるはずなくても、つい見てしまう――と、本当に見えた。驚きだ。Xウィングのキャノピーはすごいな。後ろが見えるなんて信じられない。
 右後方に黒い影が二つ。近い。逃げるしかないな。
 急降下して町の建物すれすれに飛んだ。洗濯物がとんだ気がする。
 まさか遭遇するとは思ってなかった。汗をかいているのが、わかる。
 軽く深呼吸。落ち着け、僕。
 振り返る。敵は別れていた。一機は上のトムに。もう一機は僕に向かってくる。
 前を見て、フル・スロットル。あの山を回り込もう。
 町を抜けた。徐々に盛り上がる山。もう一度振り返った。
 敵は降りてきていた。後ろに付く気だな。そうはさせるか。
 フル・フラップ。機首を上げ、スロットルを絞る。
 眼前に綺麗な雲が広がった。ここでフラップを閉じて、スロットル全開。
 唸るエンジン、揺れる機体。
 僕は歯を食いしばって強烈な加速度に耐えた。
 山のてっぺんを通り越して、機体を水平に戻す。
 左に旋回しながら、敵を確認。上がってくるところだ。
 スロットルを押し上げて旋回速度を上げる。もうすぐ正面に敵が入ってくる。
 まだ。もう少し。
 機体を水平に戻しつつ、方向を微調整。戦闘翼を開いた。
 照準装置が音を鳴らす。無視。
 敵機影が大きくなる。機体はスピードで有名なAウィングと確認。
 やっと射程内、僕は引き金を引いた。
 すぐに回転して右下へ離脱。
 機体を水平に戻して、レーダーを見る。敵は相変わらず表示されていた。何故?
 上を見る。いない。
 後ろ。いた。
 損傷は無さそうだ。元気にとんでやがる。遭遇率15パーセントを呪った。
 さて、どうしよう。敵は早いし、そろそろ――目の前で木が燃え上がった。思ったとおり、撃ってきた。
 失速しないように、少し機首を上げつつ大きく旋回。敵が一瞬見えた。
 メーターのチェック。油圧、正常。油温はいい感じに温まってきている。
 旋回し終えた。敵とほぼ同じ高度。
 遠くですれ違った。すばやくフル・フラップで右にラダーを切る。
 くるりとスピンして、スロットル全開。やった。後ろに付いた。
 Xウィングの四連エンジンがぐんぐんスピードを上げてくれる。
 敵も必死で逃げていた。
 だけど、もう遅い。いくら向こうが早くても、気づくのが遅すぎた。
 僕はレーザーを放った。丁度5秒で敵が爆発する。すばやく上に離脱して、周りを見渡した。別の敵の気配は無い。それが分かると、安堵感でどっと疲れた。死ぬほど寒い。
 トムはどこだろう。レーダーを見ても、映っていない。操縦桿を倒して、背面飛行。やはり、見えない。
 元に戻って、機首を上げる。
 雲を突き抜けた。まだ見えない。堕ちたかな。
 しばらく僕はそこを旋回していた。そろそろ燃料が限界だ。もしかしたら彼は僕が堕ちたと思ってっさっさと帰ってるのかもしれない。よし、帰ろう。
 念のため雲の下に下りて、最終チェック。雨が降っていた。機影、なし。
 僕は山に向かって飛んだ。途中で雲をぬけて、上へ。
 急に開けた視界。太陽がまぶしかった。
「生きてるか?」トムの声。
「生きてたんだ」僕は答える。
「今どこだ」
「雲の上。ポイント2-G」
「了解。今向かう」
 しばらくして、彼の機体が上がってきた。
「損傷は?」
 機体を振ってみた。ついでに翼を閉じて、各メーターチェック。
「無いみたい。そっちは平気?」
「あぁ。全然大丈夫だ」
 それに適当に返事をして、椅子に深く座りなおして息を吐いた。
「疲れた」
 一言、呟く。
「なんだって?」
「確率は当てにならないって」
 トムは笑った。
 僕らが基地に帰還したのはその三十分後のことだ。


NEXT >>242


[224] (無題) 投稿者:灰色の騎士団 hs1tqbc4R2Y (2006/03/08(水) 23:33 EiAikm6wCRE)

ewok_baby

>>219 の続き


数時間後 コレリア首都・ホロネット

「これは・・・・・・・どういう事だっ!」
セラドールは体を振るわせた。先程、和平交渉が終わったのだ。そう、文字通り・・・・・・。結果は、最悪を通り越していた。
モニターに表示されているのは共和国側の回答文である。

----------------------------------------------------------------

我ら共和国元老院は卑劣なる“テロリスト”への譲歩は一切行わない。
銀河元老院は以下の要求を銀河自由同盟及びそれを支持した惑星に対し要求する。

・全軍の武装解除
・首謀者の投降
・参加を表明した惑星の現政権の解体
・監察団の派遣及び軍の常駐

以下の要求が72標準時間以内に呑まれない場合は、武力をもって今回の騒動の鎮圧にあたる事を告知する。
               元老院議長  アーノット・ヴェルノゥド

----------------------------------------------------------------

「回答文はこれだけですか!?」
デルヴァルドは信じられないという表情だ。いや、信じられないのはこれだけではない。
「和平に向かった大使が・・・・・・・到着と同時に共和国軍に拘束されたそうだ」
セラドールは震える様な声を絞り出した。傍のデスクに拳を叩きつけるデルヴァルド。
交渉の結果は最悪ではなかった。“交渉”さえ行われなかったのだ。
元老院はセラドール達をテロリストと見なし、その主権をも認めなかった。
「此処まで腐ったか・・・・・・・!」
セラドールは顔をゆっくりと上げる。
「既に此方に向かって共和国軍艦隊が接近中だそうです」
セラドールの側近が報告する。
「・・・・・・全軍に出撃命令を」
「・・・・・!?マスター・デルヴァルド!」
命令を下したのはデルヴァルドだった。無論、彼にもその権限は与えられているのだが。
「彼らは此方に軍勢を差し向けているのです。迎え撃つしかありませんでしょう」
「ならない!最後まで平和的解決を・・・・・・・・」
「この状況では!和平の使者を向かわせた所で撃ち落とされるのがオチです!」
論争はデルヴァルドが制した。しばしの間の沈黙・・・・・・・そして
「私とてジェダイ・・・・・・・戦は本望ではない」
デルヴァルドはゆっくりと語る。
「それでもジェダイとして共和国に尽くした・・・・・・何度も裏切られ、それでも平和を信じてライトセイバーで人を斬った!」
デルヴァルドの目からは涙が溢れ出していた。
「ようやく確信できた。今の共和国は“悪”でしかないと!」
「マスター・デルヴァルド・・・・・・・」
そこに将校の一人が進み出た。
「議員!自分も戦う覚悟はできております!」
その場全ての視線がその将校に集まった。
「自分の故郷は、共和国軍に滅ぼされました!『テロリストを匿った』という不明瞭な理由で!このままではこの星も同じ運命になります!それだけは御免です!」
「俺の故郷は奴らに見捨てられた!」
そう叫んだのは1人の傭兵だった。
「今も他の星じゃあ飢えで死んでいく奴らがいるんだ!そいつらを救ってやりてぇ!」
「家族のいる星が飢饉なんだ!
「親をあいつらに殺されたわ!これ以上孤児を生みたくないの!」
次々とそんな声が聞こえてくる。
「議員、我々の目的は決して復讐ではありません!」
先程の将校が進み出た。
「我々はこれ以上、同じ境遇の者を生み出したくないだけです!だから銀河自由同盟へと参加しました!」
セラドールとデルヴァルドは彼らを見渡す。やがてデルヴァルドもセラドールへと向き直り
「ご命令を、議員!」
セラドールは考え込む。やがて、ゆっくり口を開く。
「我々の目的は苦しむ同胞を救うこと。・・・・・・・それが戦いで勝ち得るしかできないというなら・・・・・・・」
セラドールの目つきが変わった。鋭く、真剣な眼差し。それは見えない“何か”を突き刺すようだった。
「全軍に出撃命令を!この戦、決して負けられない!」
『ハッ!』
全員が敬礼で応じた。


[226] (無題) 投稿者:魑魅 uo5SLPDAPdU (2006/05/07(日) 22:21 Am7Y9PmhV.2) [SAGE]

bly

「あん?」
 自動でドアが開いて部屋に入った純白の装甲服を着た男は、ソファに違和感を感じた。男がソファの背凭れ越しに覗き込むと、そこには肘掛を枕にしてソファを独占している赤毛の女性が安らかな表情で眠っていた。
「はぁ・・・、おい。風邪引くぞ。おい」
 背凭れ越しに赤毛の女性の肩を揺する装甲服の男。赤毛の女性は実に鬱陶しそうに小さな呻き声を上げ、唇を湿らせながら寝返りをうつ。装甲服の男は再び溜息を漏らし、赤毛の女性が独占するソファと机を挟んで向かい合わせに置かれたソファに腰を下ろした。机の上に置かれていた電子新聞を手に取り、電源スイッチを押す。その瞬間に青白いホログラムが現れて記事を浮かび上がらせるが装甲服の男はお構いなしに次のページを表示するボタンを連打してテレビ欄のページでその指を止めた。粗方テレビ欄を確認すると、同じく机に置かれていたテレビのリモコンを手に取り壁に向けて電源スイッチを押す。壁が、いや、壁の少し前に置かれていた長く細い2本の棒が瞬時に、その2本の棒の間にホログラムのような、ホログラムより鮮明な映像を映し出した。しかしテレビの電源を入れた当の本人の視線はテレビに向かっていなかった。
「・・・・幸せそうな顔しやがって・・・・。よっぽど良い夢見てんのか・・・・」
 装甲服の男は自分の真正面に居る赤毛の女性を見詰め呟く。そして視線を赤毛の女性からテレビに移した。


Bounty Hunters Side Story 〜白と赤と黒と〜
赤と黒の編


――コルサント 最下層
 太陽の日差しも入って来ない薄暗く、寒い場所。そこには闇と悪が渦巻き、亡者が彷徨う。常人なら絶対に近づこうとしない、正に闇の世界、地獄なのである。
 そこの暗い路地に、一人の6〜7歳といった幼い少女が蹲っていた。真っ赤な、炎のような瞳と髪をしたその少女は痩せ細り、只の襤褸切れのような服を身に纏って、虚ろな眼差しで明々後日の方向を凝視していた。何をしようという訳でもなく、只落書きが酷い壁に側頭部を当て、凭れているだけ。少女からは全くと言って良いほど、生気が感じられない。そう、丸で捨てられたボロボロの人形のように。
 突然、少女の腹の虫が騒ぎ出す。それは路地全体に響き渡っても可笑しくないような音だった。普通ならここで羞恥が涌くのであろうが、お構いなしに少女はゆっくりとした動作で音の発生源の腹に手と視線を送る。ゆっくりと腹を撫でる少女、勿論表情は無い。
「・・・・・お腹・・・・・空いたな・・・・・」
 ボソリと吐かれた小さく、嗄れた声。腹の虫は尚も小さく鳴いて、空腹を知らせている。少女の腹は既に減り過ぎて、「腹が減った」という感覚すら無く、寧ろ「痛い」という感覚であった。この虫の騒ぎは、「生きる為になんでも良いから食え」という最終警告なのかもしれない。
 少女は壁を伝ってゆっくりと立ち上がり、壁を伝ってその木の棒のような細い足でゆっくりと路地の奥へ消えて行った。

 コルサント最下層の少し上の階層。そこは最下層に比べれば少しは治安が良く、少しは街らしい場所である。若干の太陽光が入るが、まだ薄暗く、肌寒い、そんな場所。
 そこにある工事現場にもまた、一人の少女が居た。先程の少女より少しは歳が上であろうが、まだ幼い、8〜9歳といったところの黒髪の少女である。この少女も、只の襤褸切れのような服を身に纏っていた。しかし、赤毛の少女とは徹底的に違う部分があった。目が、瞳が、輝いている。希望に満ち溢れた子供らしい眼差し。この少女からは生気が溢れ返っているのだ。
「ほい、これが今日の給料!良ぉく頑張ったなチビ!今度も頼むよ!」
 薄汚れたシャツ姿の小太りエイリアンが封筒を少女に渡す。少女は満面の笑みで、その封筒を両手で受け取った。エイリアンの手は少女の頭をポンと叩くように撫で、次の労働者に給料を渡そうと移動する。頭の上にあった大きな手が離れると同時に少女は封筒を手に駆け出した。
「んじゃあ!さよぉなら〜!!」
「おう!元気でな!」
 工事現場の敷地から出る直前に振り返って、手を大きく振る少女。先程のエイリアンも手をヒョイと上げる。それを確認してかせずか、少女は元気良く駆けて行った。
 細い路地を駆け抜け、十二分に工事現場から離れた少女は、丁度そこに積まれてあった木箱の山を駆け上って、頂上に腰を下ろした。
「エヘヘ、どれくらい入ってるかなぁ?頑張ったもんねぇ」
 少女の表情は実に期待に満ちた表情である。その表情を保ったまま、左手で作った皿の上に先程の封筒を逆様にして中身をぶちまけた。封筒から数枚の硬貨が転がり落ちる。それを確認した途端に、少女の表情から期待が消え去った。
「・・・・嘘・・・・、こ、コレだけ・・・・なの?・・・・あ、あんなに・・・・頑張ったのに・・・・」
 今にも泣き出しそうになる少女。しかし、少女は咄嗟に空を見上げた。零れそうになった涙は行き場を無くし、塞き止められる。太陽光が涙を屈折させて美しく煌く様子が視界一杯に広がる。人が居ないことを確認してかせずか、突然少女は豪快にスカートの裾をたくしあげ、それで目に溜まった涙を拭う。そして、スカートの裾が定位置に戻った頃には、今にも泣き崩れそうだった表情が消え、キリッとした凛々しい表情に変わっていた。何かを思い立ったように突然木箱に座っていた姿勢から跳ぶようにして立ち上がった少女。
「泣くか!泣くもんか!!コンチクショ〜!!!」
 空に向けて叫ぶ。その声は摩天楼に木霊し、遥か上空の空には、青空が広がっていた。
 思い切り空に叫んだ少女は、自分の手に握られた数枚の硬貨に視線を下ろす。
「・・・・パン買ってこよ」
 木箱の山から飛び降りて、少女は再び路地を駆けて行った。

 同じ階層。そこに先程の赤毛の少女の姿があった。少女は飲食店から出されたゴミを漁っている。
 前世は食べ物だったのであろう物から強烈に鼻を突く腐乱臭が放たれ、無数の虫が耳障りな音を立てて集っている。到底食べられる物は無さそうなゴミの中でも、少女は必死に少しでも可能性のある物を探していた。
「・・・・やった・・・・」
 ゴミ箱から何かを見つけ出した少女。それは食べ残された市販の弁当であった。少女がこのような行動をしてまで食べ物を探しているのに対し、この弁当を捨てた人物は殆ど箸をつけずに捨てている。これが現在のコルサントの現状なのであろうか。
 少女はその弁当の蓋を開けた。瞬間に腐乱臭が鼻を突き、何処からか中に入っていた虫が一気に逃げ出す。常識では食べられそうに無い弁当。しかし、少女にはこれが今、「御馳走」に見えているのかもしれない。だが、運命というものは残酷極まりなかった。
「おいガキィ!そこで何をしている!!」
「うっは、気持ち悪ぅ〜!おぇ、んなもん食うのかよぉ?」
 当てられる懐中電灯の光、その先には警防を持った2人の警官。少女は無表情から怯えた表情に変わった。
 警官の一人が少女から腐った弁当を取り上げた。少女はそれに必死で抵抗するが、それは無意味な事だった。それどころか少女の抵抗に逆上した警官の一人が警防を思い切り振るった。
 警防は少女の痩せ細った腹を見事に直撃し、映画やテレビのように少女は数メートル先の壁に叩きつけられた。
「気持ち悪いんだよ!ガキが!!」
 警官は唾を吐き付けながら、警官らしからぬ言動をする。これが、最下層住人に対する多くの警官の一般的な行動。彼らは、最下層住人をストレス発散機としか思っていないらしい。
「か、返して・・・・」
 腹の痛みを堪えつつ、涙を流しながら嗄れた声で言う少女。
「『返して』だぁ?少し“目上の人間への接し方”ってのを教えてやらなきゃなんねぇのかな・・・・?」
 2人組の警官は、笑いながら、少女に追い討ちをかけ始めた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

え〜っと、リレートピ「Bounty Hunters」の方で登場しているセブンとモーリン率いるチーム・ヴァルキリー、そしてこれのみ登場の「リリア」という女性との過去を書いていきたいと思っています。
えっと、今までの経緯から見れば、到底“続けて行く自信”がないんですが、何卒長い目で見てもらえると有難い限りです。(自分で言いつつ情けないですw
多分、本編の方を見ていない方は「は?何ほざいてンやこのド阿呆」と思われるかもしれませんが、そこの方も何卒長い目で宜しく御願い致します。


[227] (無題) 投稿者:Knight QejU9D9vV0o (2006/03/10(金) 01:41 .0E9gMPTCTk)

default

分岐点

主人公はハン・ソロがベースとなったキャラですが、ハンは宇宙海賊ながらも人間的に魅力的なキャラでしたが、この作品の主人公は人間的に未熟的で世界を知らなく、溢れる才能によって仲間と常に衝突を繰り返すという設定です。
目茶目茶長くなる予定ですが、読んで頂き感想を貰えると幸いです。
それではスタート。

遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・

かつて銀河系を統治していた銀河共和国がたった1人の策略によって滅亡し、それに伴って銀河系は新たな政府銀河帝国が誕生した。
堕落した元老議員、市民は新政府誕生には期待を高めたが、その期待は決して返ってくる事は無く、返ってきたのは重税、言論の自由を奪われた政治家ら、あらゆる機会と自由を保証する権利を奪われた市民。
そして、戦場で戦ってきたジェダイは長い間自分達が仕え、それを守る為に戦場に赴いた。だが、仕えていたものに裏切られた。自分たちが銀河系から見捨てられた存在であり、排除されようとしている害虫のような存在になりさがってしまっていた。
帝国の圧制がひかれた時にようやく銀河系は気づく事になった・・・・自分達が期待している事はこの新政府は実現してくれないと・・・・。そして・・・・今まで広大で全てを飲み込みそうな漆黒の銀河系はたった・・・たった1人の男によって操られていた事に気づいた。
だが、もう帝国から逃れる事はできなかった――パルパティーン皇帝の勅命はあらゆる反乱の可能性を摘み取るほどの軍事強化を図っており、迫ってくるのは圧倒的な力、大きな絶望感、そして――絶対的な恐怖のみだった・・・。
いかなる闇にも僅かな光は存在した――ほんの僅かな――希望反乱同盟軍は打倒帝国とかつての民主体制の復活を目指し、絶望的な戦いを挑んでいた。果敢な戦いを続けるが、圧倒的な戦力の違いにより状況は劣勢から変わる事は無かった。
栄華を誇っていた帝国の歴史は皮肉な事に究極兵器デス・スター完成直後から急展開を向かえる小説のようには崩壊へと突き進んでいく事になる。最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーの登場を示していた。
そして、ミッド・リムに存在する開拓者が一攫千金を目指して開拓された惑星ロドスの奥地に潜む小屋にいるある少年が劣勢の反乱軍に大きな影響を与える事を誰も知る筈が無かった・・・・。
舞台はミッド・リムは拡張宙界と比べると、より資源も富も人口も少ない領域だが、主要な交易ルートから遠く離れたこの広大な空間は、大部分が未だに探索されていなかった。

――惑星ロドス――

ロドスは――比較的近年に開拓された惑星でもあったが、発展するには膨大な時間を必要とする事になった。最近では近代的な施設を整え都市部は徐々に発展しつつあった。
発展しつつあるのは都市部のみであり、郊外はまだ開拓されていない土地の割合が高かった。一方、政府は発展を進めようと全ての宇宙港を自由港としてしまった事からロドスは悪名高いオード・マンテルと同じ方向を突き進む事になった。
たしかに同じ道を突き進む事にはなったが、違っていたのはオード・マンテルがギャンブルと娯楽産業が大きく栄えているのに対して、ロドスはハイテク技術で栄えている惑星として銘打っていた。治安も比較的良く多くの商人から利用されていた。
ディウス・ステュクスは都市で仕事に必要な部品を買い揃え、帰路に付いていた。彼は歳を食った二人のウーキーと暮らしているが、2人のウーキーが上手くいかない度に機械を強く叩くので度々壊れていた。使っている機械に年期が入っているのも1つの要因だろうが、最近では2月に1回のペースで壊れている。そろそろ買い変える時期かもしれない。
突然スピーダーのスピードが遅くなり、挙句の果てには何もない草原で完全に停止してしまった。ディウスはスピーダーを降りて、固定してあった修理道具を取り出して、スピーダーの修理に取り掛かった。買い物のために朝早くに出たのに、もう昼間になっている。急いで直さないと帰り着くのが夜になってしまう。
「このスピーダーも買い変えるべきだな。許してくれないだろうが」とため息を付きながらスピーダーを着実に修理していく。
30分ぐらい経ち、スピーダーを一応直すことに成功した彼は家へと急いだ。あくまでもさっき施したのは応急処理に過ぎない。スピードを出しすぎてオーバー・ヒートを起こしてエンジンがイカれてしまった場合は直すことは不可能だった。その為に6割のスピードしか出せなかったが、今の状況では仕方が無い。オーバー・ヒートを起こしてエンジンが壊れてしまったら帰る術がない。数百キロもある帰り道を歩いて帰るなどできやしない。
6割の速度で帰ったため、結局に家に帰った時には夕日が落ちようとしていた。ディウスは荷物を全部降ろし、腹いせといわんばかりにスピーダーを蹴った。鈍い金属音が鳴り響いた瞬間に彼の体は大きく空に浮いていた。彼を掴んでいる毛むくじゃらの手――ウーキーだった。
「放せよ!俺が悪いんじゃない!スピーダーに問題が発生したんだ!」
茶色いウーキーの名前はサルスという名だった。ディウスの保護者的存在である。サルスは唸り声を上げて普通の人間だったなら理解は出来ないが、彼は生まれた時からウーキーと暮らしていたためウーキーの言語を理解出来る。ただし、理解はできても話すことはできなかった。
「スピーダーを蹴るな!?あんな鉄クズはさっさと買い直すべきだ!」
ウーキーは彼を投げ飛ばし、少年は地面で頭を強打し、足元がふらついた状態で立ち上がろうとしていた。このウーキーはスピーダーを重宝していて、購入してから15年はなるというのにまだ使っていた。まだ現役と思っているらしいが、このスピーダーは耐久性がちょっとだけいいだけで、他は長所といったところはない。
「分かった!分かった!直すから!!」
ウーキーは満足したような表情を浮かべ、すぐさま家の中に入った。ディウスは左手にハイドロ・スパナ、右手にオイルを持って黙々と作業を行っていた。
この退屈でいつ終わるか分からない作業を続けていた時にスピーダーのエンジン音が耳に入った。自分のスピーダーとは違い、最新型のスピーダーに乗っている町の“気に入らない奴ら”だ。
前に何度も名前を聞いた覚えはあるのだが、覚えようとしていなかったから名前を覚えだすことはできない。
「よう・・・“ロケット・レーサー”」
彼らはディウスの事を皮肉を込めて“ロケット・レーサー”と呼んでいた。スピーダーの形がロケットに似ていて、ノロいという理由からそう言われていた。
「何だ?」
「相変わらずお気に入りのロケット型スピーダーには嫌われているらしいな」
「覚えてろよ、今度のレースで後ろからの衝撃には万全の準備をしていたほうが植物人間にはならなくてすむぞ」
「口のへらない野郎だ。レースは一週間後!いいな?」
「どうぞ、ご自由に」
一通り、スピーダーの修理は進んでいたが、肝心のエンジン部の修理が複雑で全く手が出なかった。ここは始めて壊れた箇所だ。
彼はスパナを地面に置き、友人を訪ねることにした。
この惑星一番の機械工であり、同時に最も優れたレーサーだった
ヘスティア・ドラヴィアン。実際このスピーダーが持っているのは彼の手による面が大きい。まさにディウスにとって人生の道標と言うべき存在だった。

「そろそろ来る時期だと思っていた」
「どういう意味です?壊れる時期が分かっていたんですか?」
「ああ――このパーツは長くは持たないってね。修理は10分程度で終わるだろう」
ヘスティアの作業はディウスとは比べ物にならないぐらい速かった。経験と技術を積んだ職人という感じだった。彼の作業服に染み込んだ油の臭いと黒い汚れがそれを現している。
「終わったぞ」
「いくらですか?」
「もう暗い。サルス、オウィが心配しているだろうから速く帰れ。料金はまた今度でいい」
「分かりました。ありがとうございました」
ディウスはスピーダーに乗り込み、すっかり暗くなったことに焦りを覚え、急いで家へと帰った。


[230] (無題) 投稿者:トーク伯爵 jjnBP1G.eF2 (2006/03/11(土) 13:27 0lc8AGwXxZU)

dooku

>>229
>席に座った。まあ席と言っても木で作った物だ
木で作られた席に座った
でいいんじゃないですか?
僕がいうのも悪いんですが全体的にバランスが悪いような・・
「何だ?」に1行も使うことはないでしょう
リズムが大事です
すいませんでした


[231] (無題) 投稿者:Knight QejU9D9vV0o (2006/03/11(土) 17:04 .0E9gMPTCTk)

default

ディウスが帰ってきた時には2人は家に入っていた。彼も家の中に入ろうとした時に、何か“白い”ものが見えた。ここ一帯に生息する動物に白い皮膚はいない。じゃあ、いったい何だ?あれは?
彼はホルスターに入れてある年期が入った重ブラスター・ピストルを左手に持った。白いものが見えた方向に一歩ずつ歩き始め、追跡を始めた。
ブラスターの扱いをサルスから“将来必ず役に立つ”と言われて習っていたし、最近では訓練をしているから少しは撃てる。だが、生きているものに対して発砲をしたことは一度もなかった。撃ったことがあるのは人に見立てて作った自作の的だけ。
相手は姿が見えないせいか、3メートル以上ある猛獣かもしれないという想像が好奇心と恐怖を刺激して、彼を余計に震わせる。遭遇して彼は事故防衛のために撃ち殺してしまうかもしれない。自分が防衛のためとはいえ、殺してしまう光景には身震いした。
夕日が完全に落ちて、これ以上の追跡は不可能となった。彼は仕方がなく家へと戻っていった。

3人は夕食にオウィが作ったパンを食べていた。このパンはマルスの好物らしく毎日食卓に置かれている。本人曰く香ばしい香りと食感がたまらないらしい。
「また毛が入ってある」ディウスはそう言いながら口から黒色の毛を取り出して捨てた。
「このパンの隠し味として黒い毛を入れるのはやめてくれ」皮肉を言い、再びパンをかじる。また毛が入っていた。
ウーキーは毛むくじゃらのために時々食べ物の中に毛が入っていることがある。
「ブラスターとスピーダーを買い換えてくれ。1週間後にレースがあるんだから」と頼んだ。
ウーキーは返事をせずに、そのまま沈黙が続いた。
「パンを食べるのに一生懸命ってわけか」
「あと・・・・さっき白いものを見たんだ。ここら辺には白い皮膚をした動物はいないし・・・」
それを聞いたマルスの手が止まり、低い唸り声を上げた。
「引越しするって!?今まで20回以上しているんだぞ!またするのか!?」
ウーキー夫婦は立ち上がり、急に引越しの準備をし始めた。ディウスは以前から不思議に思っていたが、何ども引越しをする理由を聞いても話してくれなかった。これまで引越しをした回数は覚えているだけで20回は超えている。彼は深いため息をついた。
少しの沈黙が流れた時に突然窓ガラスがけたたましい音ともに割れた。そして、割れた窓ガラスを見ると、一部が溶けている・・・。これはブラスターで割られた跡だ・・・という事は誰が発砲したのか?
「窓ガラスが割れたぞ!誰かが発砲してきた!」
割られた窓ガラスを見ると、20人ぐらいが走ってきている。あれは・・・・ストーム・トルーパーか!?さっき見たのはストーム・トルーパーだったのか?だとしても家が発砲される理由がないはずだ!
「マルス!ストーム・トルーパーが来ているぞ!」言い終わった瞬間にはブラスターの一斉発砲が始まっていた。
ブラスターによって次々に家財が破壊され、家に黒い穴が空いていく。ウーキー夫妻はブラスター・ライフルを取り出して、応戦を始めた。戦闘が始まり、ブラスターの発射音と家財が割れる音しか聞こえなくなった。
「逃げよう!勝ち目はないぞ!」
ディウスは応戦することなく、立ち上がって逃げようとしたが、次々に飛んでくるレーザーが彼を立たせてくれなかった。むやみに動いたら殺される!家財を盾に逃げるしかない!
テーブルを盾にしてウーキー夫妻が応戦している部屋に逃げ込んだ。彼は急いで逃げようとしたが、ウーキー夫妻は応戦をやめようはしかった。
2人を置いて逃げることが出来ないディウスは仕方がなく、ブラスターを取り出して戦闘に参戦した。人間を撃つのは恐ろしくてたまらなかったが、その恐れる部分は生きなければならないという状況に置かれて人を撃つ事への恐怖などは忘れていた。
遂にオウィが撃ち殺されてしまった。オウィの腹に黒い大穴が空き、焦げた嫌な臭いが漂う。そして、死ぬまで強く握っていたブラスターが手から落ち、金属音を鳴らせながら、転がった。
「もう無理だ!逃げるしかない!」
マルスは首を振って拒否し、また窓からブラスターで相手を攻撃し始めた。そして、小さく喉を鳴らした。
「俺だけで逃げるなんて嫌だ!」
彼は再び窓にブラスターを向けた。何発も光弾を撃った。そして、外から悲鳴が超えた。遂に人を殺してしまった。恐れていた殺人をしてしまった・・・・。だが、不思議な事に恐れていた殺人を後悔にしている暇は彼にはなかった。止む事がない光弾を止めるために応戦をしなければならないからだった。
彼は自分でも驚くほど勇気を持って敵と戦い、4人は撃ち殺していた。この人数はディウス本人でも驚くべき数だった。彼は“見えていた”。敵がどこに隠れているかが何故か分かった。
だが、突然少し体が宙に浮いた。マルスが彼を持ち上げていた。
「放せ!」と必死に暴れるが、ウーキーの怪力の前では努力が適うことはなく、逃げる事を嫌がる彼を懇親の力で外へと投げ飛ばした。
ディウスはストーム・トルーパーがいる逆方向に投げ飛ばされ、地面で頭を強打し、何とか気を失わずにいようと努力したが、気を失った。気を失う直前に家が炎に包まれる見た光景・・・・それは将来に渡って彼を苦しめることになる・・・。自分を育ててくれたウーキー夫妻の最後だった・・・・。


[232] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/03/11(土) 16:11 imMw5OCt6Sc)

kyp


「FIKUTAERS」 EPISODET

フィクターズ。それは銀河の賞金稼ぎ組織。賞金稼ぎのメンバーで構成され、個人から大企業、元老院議員まであらゆるところから仕事をもらってはメンバーの賞金稼ぎを派遣する。彼らは深緑色のユニホームに身を包み、胸と肩にはフィクターズのエンブレムが描かれていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
プロローグ

――惑星コルサント―――

元老院議員が高層マンションのとある部屋でワインを飲んでいる。そこへ物音がする。なにごとかと議員は広い窓の前に歩いた。すると・・ブラスターの光弾が飛んでくる。議員の頭に穴が開いた。

――惑星タトゥーイン――

一人の小男が必死にモス・アイズリーの通りを走っていく。あたりは夜だが人はまだたくさん歩いていた。男は建物と建物の間に入りこんだ。男は走った。すると壁が見える。行き止まりだ。男は涙を流し必死にどこか逃げ道を探した。だが、後ろから近づく”脅威”は小男を捕まえてしまった。

――惑星ジオノーシス軌道――

1機、深緑色の戦闘機が猛スピードで宇宙を飛んでいく。Aウィングが追っているのは1機のヨット。中に乗ってるのは悪名高い元老院議員。すでに議員の罪は発覚し、逃走中だ。ジェダイや共和国軍よりも一足早く議員を見つけた戦闘機。そして一発撃つ。光弾はヨットを直撃し、こなごなにした。

―――――――――――――――――――――――――――


[233] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU (2006/03/12(日) 21:46 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>222の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――The person who runs after the knight is a knight.
It is likely to cut it together with the blade each other――

――騎士を追う者は騎士なり。
刃を交え、斬りあうだろう――


4 ――追手――


コクピットのモニターに、網目状の模様が映し出され、網目の線と線が交わるところに、赤い点が表れる。戦艦との距離が離れていくが、レーザー等の攻撃は、確実にハクロへ届いている。
「ハイパードライブを作動させる」
航行リングが無くとも、ハイパードライブが使えるハクロのスターファイターは、徐々に加速する。戦艦の攻撃が右翼を掠め、微かにに揺れる。


「警備長、奴は高速航行に突入します!」
副警備長がコリーム警備長に敬礼して伝える。警備長は顔をしかめ、艦長席のデスクを叩く。
「なんとしてでも撃ち落せ! 絶対に逃がすな!」
すると副警備長のコムリンクに連絡が入る。
「なんだ?」
「奴に逃げられました! 行き先はまだ解りません」
コリーム警備長は怒った。デスクを蹴り飛ばし、ブラスター・ピストルを副警備長の額に突きつける。
「逃がすなと言った筈だ副警備長!」
副警備長は両腕を上げ、誰かコムリンクに連絡を入れてくれと願った。騎士のジェダイ・スターファイターには、発信機を取り付けてある。司令塔に、騎士が立ち入り禁止区域に侵入したという報告を受けた時に。
「貴様には責任を取ってもらおうか」
警備長は恐ろしい顔で、震える指で引き金を徐々に引く。その時、一人の警備員がやって来た。少し興奮した様子で。
「い、一体何を?」
コリーム警備長はおどおどした様子で、ピストルを腰のホルダーに収める。
「な、何でもない! それより何だ?」
副警備長は警備員の隣にに立ち、助かったと呟く。警備員は一歩出て、敬礼をする。
「お伝えします! 奴は惑星ウィアに向かった模様です! 発信機が確かにそう伝えております!」
警備長は内心嬉しかったが、顔に出すと威厳が台無しなので、あえて厳しい顔をした。
「ならば早く追え!」
警備長は自分が蹴り倒したデスクを立て直す。
「しかし警備長! あの騎士の力をご存知でしょう? ここはジェダイに頼んだほうが……」
副警備長も大きく頷く。コリーム警備長は渋々頷く。
「いいだろう。すぐにコルサントへ連絡をしろ!」


朝日が眩しい。きらきらと輝くビル群。ジェダイ聖堂もその一つだ。マスター・ヨーダが瞑想室からよろよろと現れる。非常にやつれた顔をしている。杖を突きながら、朝日をバックにして輝くビルを眺めることができる、昨夜の窓の前に立つ。そこには先客がいた。マスター・ウィンドゥと、ザブラクのジェダイ騎士。
「昨日は良く眠れたかの?」
ヨーダは二人の横に並び、ウィンドゥに聞く。ウィンドゥは首を横に振る。
「いえ。しかし、この景色は美しいですな」
ウィンドゥは昨日のヨーダと同じく、やぶからぼうに言う。ヨーダは大きく頷き、景色を眺める。
「昨日とは全く違う景色じゃが、これはこれで素晴らしいのぉ」
三人のジェダイはしばし佇み、廊下を歩き始める。夜とは打って変わって、朝は様々な者達が歩き回る。そして三人は密談室へ入る。ヨーダとウィンドゥは昨日と同じ席に座り、ザブラクのジェダイは余った席に腰を下ろす。ヨーダはフォースで扉をロックし、ウィンドゥが話を切り出す。
「先程、ディーフィスYのインフォメーションSの警備隊から、ジェダイ要請との報が入った」
ヨーダは静かに耳を傾ける。逆にザブラクのジェダイ騎士は、そわそわしていた。
「ウィアへ向かった騎士を倒してほしいとのことです」
ザブラクは騎士という言葉に、ピクリと反応した。
「それで、彼を行かせることにしました。マスター・モートです」
ザブラクのマスター・モートは立ち上がり、一礼し、再び座る。ヨーダは唸り、口を開いた。
「危険じゃ。ワシが行く」
ウィンドゥとモートは口をポカンと開け、首を大きく横に振る。
「それはできません。あなたには居てもらわねば」
ウィンドゥは立ち上がろうとするヨーダを抑え止める。
「何故じゃ?」
「じきマスター・ケノービから連絡がある筈です。その連絡が重要ならば……」
ウィンドゥはそこで言葉を切った。ヨーダが片手でウィンドゥの言葉を遮ったからだ。
「解った。ではマスター・モート、行ってきておくれ……」
マスター・モートは頷き、立ち上がって、密談室を出た。


ハクロのスターファイターは、ウィアに着陸する。彼のジェダイ・スターファイターは、鎧と同じく銀色の輝き、ウィアの太陽に反射し、見る者を魅了する。ハクロはR2-V1を降ろしてやり、自分は頭を護る為の装備、いわば兜を脱ぐ。
「お前は俺を知っているようだな」
少しの喜びを込めてそう言う。R2は彼を知っていたが、彼の相棒として仕えるのは嫌だった。R2は相棒になりたくは無い、と言った。
「相棒? 俺の相棒はこの銀牙刀だ。お前とこのスターファイターは、道具って言ったらアレだが、兎に角、皆必要だな」
ウィアは砂漠の惑星。タトゥイーンとは全く違うのは、治安の良さ。というよりも、ここに生命体はいない。あまりにも寂しいので、誰も移住しないし、命が芽生えるような環境ではない。無人惑星とも言われている。
「じゃあR2、頼むぞ」
ハクロは腰のホルダーから、チップを取り出す。そしてR2にセットしようとした時、聞き慣れたスターファイターが着陸する音。
「チッ。追手か……」
ハクロは兜を被り、銀牙刀を抜く。彼の五十メートルほど先で、赤いジェダイ・スターファイターが着陸する。
「R2、お前はスターファイターの影にいろ。壊されたら、チップを読み込めないからな」
R2は渋々スターファイターの影に隠れる。チップをホルダーに入れ、ハクロは相棒銀牙刀を八相、ニマーンの構えをとる。ジェダイ・スターファイターから、ザブラクのジェダイ騎士、マスター・モートが降り立つ。そして鮮やかな緑色の光刃を出現させる。
「お前が騎士か……。チップを返すんだ! そうすれば命は助けてやる」
モートが叫ぶが、ハクロは動じない。
「助ける? 何をほざく」
ハクロは銀牙刀の柄を握り締め、砂を蹴り、モートに向かって滑空する。

>>247『過去』へ続く

========================

かなり長い……と思います。


[234] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/03/13(月) 16:34 imMw5OCt6Sc)

kyp

「FIKUTAERS」EPISODET

>>232の続き
――――――――――――――
第1章「新たな依頼」

フィクターズの拠点である宇宙ステーション<フィクター・センター>。フィクターズのメンバーの気まぐれによって<センター>は様々な宙域を転々とし、一定の宙域にとどまることはない。
「一杯くれ。」アーサー・イムは<センター>にあるカンティーナでドロイドに言った。ドロイドは了解してすぐに飲み物をグラスについだ。
「やあ、アーサー、もう帰ったのか。コルサントでの仕事はどうだった?」男が後ろから声をかける。アーサーよりも少し背の高い賞金稼ぎだ。アーサー同様、フィクターズの深緑色のユニホームを着ている。
「フィクか。簡単だったよ。議員の頭を一発で・・お前こそモス・アイズリーのほうは?」アーサーは言った。
「ちょろいよ。賞金首は自分で路地に入って行き止まりで・・」フィクは笑った。
「エミリーもガート議員のヨットをフッ飛ばしたらしいぜ。」フィクは言った。
「当然だろ。フィクターズにとって議員の暗殺なんて簡単さ。」アーサーは飲み物を飲み干した。二人はカンティーナを後にし、自室に向かった。

**********

エミリー・ルクルは愛機から降りたばかりだった。<センター>のベイでは整備技師達が(もちろん賞金稼ぎ)エミリーの愛機の整備をしていた。フィクターズが使う戦闘機は翼が2枚、両側に1枚ずつついている。胴体は旧共和国のARC170に近い。塗装はフィクターズのユニホームと同じ深緑である。エミリーはヘルメットを持って自室へと向かった。

*********

フィクターズのリーダー、イゴール・エイブリ―はオフィスのソファに深く座り、広い窓から宇宙を見ていた。少し離れたところに見えるのは銀色に輝く首都惑星コルサント。
「エイブリ―様、メッセージ・ボックスに30通ほどメッセ―ジが入っております。」プロトコル・ドロイドは言った。
「ああ、スクリーンに映してくれ。」イゴールは言った。スクリーンに受信トレイが映され、プロトコル・ドロイドの操作で画面がスクロールされていく。
「・・借金未返済の人物の捕獲・・ジェダイの暗殺・・ジェダイだって?いくらなんでも相手にしたくないな。依頼主は・・思ったとおり帝国軍だ。無理無理。次は・・・ん?・・レジスタンス組織の宇宙船奇襲。いいだろう。XR−34、すぐに帝国軍に返信しろ。ジェダイ狩りは断るがこの宇宙船奇襲は引きうけるとな。」イゴールは言った。
「さて、あの3人をいかせよう。」
―――――――――――――――
>>244に続く


[235] (無題) 投稿者:・クライド 9dN18uy/K8E [Web] (2006/03/12(日) 13:42 e3tx.dz7oUg)

cut_anakin

「薬莢」


私はクローンだ。誰の?私にとってそれは重要ではない。
名前?それが自分にあるのか私は知らない。
ただ、担当のカミーノアンが私をunit3533と呼んでいる事は知っている。
もしそれが私の名前なら、私はそう名乗るだけだ。

渇いた風が私と隣の男の間を吹き抜ける。
隣の男は装甲服の中まで含めて同じ格好だ。
・・・クローンであるなら当然なのだが。
「ターゲットに接近」
ヘルメットの中に声が響いた。私と同じ声で。
『コマンダー、攻撃準備じゃ』
私の前にいる小さな緑色の老ジェダイが指示を出している。
私の身長の半分もない者がマスターなのだからなんとも奇妙な話だ。
その老ジェダイの指示でガンシップのハッチが完全に開く。
赤い大地、殺風景な風景・・・快適とは言い難い。
そんな中に一つだけ大きな建造物があった。今回の目的地である処刑場だ。
なんでもこの中で今まさにジェダイが処刑されようとしているらしい。
それを阻止するのが最優先任務、そして私の初任務だ。

私はガンシップの端に座る。着陸と同時に攻撃に移るためだ。
私の真下に光る棒と鉄の人形が確認できる。
「攻撃開始!」
ガンシップが降下し始めた。私もブラスターで攻撃する。
鉄の人形もこちらに発砲しているが、ガンシップを破壊することは出来ないだろう。
「生存者を囲んで円形に防衛線を張れ」
ガンシップが着陸し、私は砂だらけの大地を踏む。
ジェダイは次々とガンシップに乗り込み、光る棒でブラスターを跳ね返す。
そのブラスターで鉄の人形が吹き飛んだ。
あの鉄の人形は自分のブラスターで吹き飛ぶなど想像していただろうか。
私が12個目の鉄屑を作った時だった。 
「撤収!」
ヘルメットの中から声がした。
やっと終わりだ。私もガンシップに乗り込・・・

unit3533は倒れ、動かなくなった。
ガンシップは離陸し、そして見えなくなった。

「unit3533、死亡確認」
コマンダーが極めて冷静に報告した。
unit3533は鉄屑といっしょにずっとそこに倒れていることになる。

兵士とはいつもそうである。銃弾のように戦場で敵にぶつけられ、
空薬莢のように使い終わればそこに放置されるのだ。

[終]

――――――――――――――――――
駄文すいません。できれば感想お願いします。


[236] 作ってみました。コマンダー・ローマンが主人公です。 投稿者:RAIT epDgtryRTsw (2006/03/12(日) 09:49 bZ7KCz/djMk)

jacen

題名:最後の砦

第一章:戦場の星

ここはとある小さな惑星。だがその中には大量の巨大兵器の起動音や歩兵の歩く音ザクッ、ザクッという音がしだいに大きくなってゆく「ただいま、到着しました」と低い何度も聞きなれた声がした「よし、やっと来たか、だが少し遅れたぞ」とコマンダー・ローマンは言った「すいません」とたった今来た小隊の隊長が言った。小隊のメンバーの一人が少し動いたのをコマンダー・ローマンが見ていた。その時「早速だが、戦闘の準備は整っているのだが、すぐに戦闘を始められるか?」とコマンダー・ローマンは言った。といっても。コマンダーが隊長に頼んだことはジェダイの準備は整っているか?という事と砦の状況はどうだ?という事だった・・・・・

第2章「状況」に続く。・・・と思います

題名:最後の砦

第二章:状況

「ジェダイは、準備が整っています。砦も大丈夫ですなのですが・・・」と隊長が言った「なんだ?なぜ、だめなんだ?」とローアンが言った。「もう時間がありません、戦闘を始めるというよりも始まってしまいます。ドロイド軍はもうすぐそこに近づいているのです。攻撃が始まるのももうすぐです」と隊長が言った。その話を聞いたローアンは大きな声で「急げーー!!戦闘がすぐ始まるぞーー!!」とコムリンクに向かって全員に言ったのだった・・・。

第三章「開幕」に続く。・・・と思います

題名:最後の砦

第三章:開幕

コマンダー・ローマンは50mほど離れたところにある砦に向かって全速力で走った。他の部隊の隊員は皆、武器の整理や戦闘が始まる時までに緊張をほぐす為にジョークを言っていた。まだローマンは生い茂る草の上を走っている。「来たぞ」と小さい声でクローンの一人がつぶやいたその隣にいたクローンは、「いよいよだな」とスナイパー・ライフルを構えつつ言った。そして無数のリパブリック・アタック・ガンシップが飛んで行った・・・。ローマンは疲れながらも砦に到着した砦は鉄で出来ていて錆び付いていたボロボロな砦だったが頑丈だった。なぜ、ローマンたちが砦のことを気にする理由はこの戦いにおいて非常に大切なカギになるものだからだ。砦を突破されると共和国が非常に不利になるどころか、敗戦してしまうからだ、その理由は砦の後ろに莫大なエネルギーがあるからだ。それも、ドロイド停止装置なのだ。だが、前の戦闘でその装置の一部が破壊されてしまい修理しなくてはいけない状態になってしまったからだ。戦闘に勝つためには敵を全滅、降伏させなくてはならないそれは共和国にとっては簡単な事かもしれない、だが共和国の勢力はすくなかった。青白い今にも雨が降りそうな空の下を白い勢力と黒い勢力が混ざり合い戦っているその中で大量のクローンやドロイドが倒れてゆく生き残っている者は倒れた味方の上や敵の上を歩き戦っていく。そして倒れてゆく、だが味方や友人が死んでも構っている物はいない自分が死なない為だ。構っていたら殺される、と皆思っていた。それは、本当だった。激しい戦いだ、そんな事をしていたらすぐに殺される空はリパブリック・アタック・ガンシップガ飛び交い敵を攻撃していた。クローンの攻撃は強力だった、だが、地上には大量の連合軍のAAT、アーマータンク・ドロイドが戦闘を行っていた共和国軍はBARCスピーダーで応戦していたが敵うわけも無く次々にやられていった・・・


[240] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM [Web] (2006/03/12(日) 16:20 QVo3NTDCsxE)

clone

全てまとめました。下手ですが読んでくれるとありがたいです。けっこう短編小説です。

【未知なる敵】
「マスター、この惑星には独立星系連合軍はいないようですね」
マスターコールを見ながらリークは言った。彼はジェダイパダワン、コール・ファーの弟子だ。
「ああ、そうだな、共和国は今、瀬戸際にたたされている。無駄な時間をこの惑星で過ごすわけにはいかない。よし、宇宙船に戻るか」
そう言ったときだった。近くの茂みが音をたてたのである。
「敵が近くにいるようだぞ、ライトセーバーを構えろ」
そうコールは言い、リークと共に茂みに近づいて言った。もちろん、クローントルーパーは12人程いる。だが、シスや新種のドロイド戦では役にたたないであろう。
「フォースの中に存在していないな、新種の敵か?お前はわかるか?リーク、」
リークを見ずにコール言う、
「確かにフォースで感知できませんね、独立星系連合軍の新しいドロイドかも知れません、警戒しましょう。マスター、」
そうコールの方を向き言ったときだった。いきなり茂みから見たこともないドロイドが現れた。高さは2mほどあり、かなり大きい、バトルドロイドに少し似ているが火器の数がはんぱではない。なにせ20個ほどの武器を構えている。そいつがいきなり攻撃してきたのだった。二人のジェダイはジャンプし、かわしたが、クローン達は瞬時に動けず、パッと見で六人はやられた。そうとう奴は強い、すぐに着地すると、二人で背中合わせになり敵に背後を取られるのを防ぎ、辺りに目をこらしていたが、奴は現れない。
「このままじゃ一生動けないな、よし、コムリンクで応援を呼んでくれ」
「はい、マスター、」
そうリークは言い、コムリンクを取り出すと、コムリンクは全然応答しない、おかしいと思い直そうとすると
「お前達二人はこの惑星からぬけだせない、ぬけだす方法はただ一つ、今から言うゲームを開始せよ」
無機質な音をたててコムリンクからは今の声が流れた。一泊おき、また無機質でかえって恐ろしい声が鳴り響いた
「この惑星にはさっきお前達の前に現れたドロイドがいる。そのドロイドを見つけ出せば返してやろう、逃げようとしても無駄だ。PS:時間が遅くなれば遅くなる事に仲間が死んでいくことだろう」
二人は五分ほど黙りこくった。口を開いたのはリークだった
「マスター、宇宙船で逃げましょう」
期待のこもった目でマスターコールを見ながら言ったが、コールは
「いいや、どうせ壊されているだろう、とんだ所に迷い込んだな、仕方ない、そのドロイドを倒すしか道はない。独立星系連合軍の仕業だろうが、まあ、今日は交代に見張りをし休息をとろう」
そう言うと不安とともに深い眠りに落ちた・・・

太陽がのぼったが、まだ薄暗い頃、コールらは焚き火を中心に会議を始めた。
「よし、今は8人いるな、俺たちジェダイ2人とお前達クローントルーパー6人だ、一人一人自己紹介してもらおう」
とコールは言い、木で作られた席に座った。
「俺は通称ヴァン、この惑星を抜け出すために全力を尽くします」
「俺は通称グラントだ、お見知りおきを」
と順番に自己紹介を進め、ヴァン、グランド、ゼロ、モフ、ギラッド、ワイレックと全員は名乗り、作戦会議を始めた。
「まずは、捨ててある宇宙船があるか探してみてくれ」とコール
「多分、ないと思います。このゲームを仕掛けてきた奴はそんなドジを踏まないとでしょう」とリーク
「ちょっと待ってくれ」そうヴァンが言うと、
「なんだ?」「どうした?」
と口々に疑問の言葉が帰ってきた。それを聞いたヴァンは話し始めた
「このゲームを仕掛けた奴はどこで我々を監視しているんだ?そう思わないか?必ずどこかに監視基地があるはずだ。そこには多分、宇宙船があると思う、それを探さないか?」
「確かにそうだな」と皆はうなずく
「そうとなったら行動開始だ、三十分以内に荷物をまとめて探しに行く、準備に取り掛かれ」
そうコールは言うとリークに
「ちょっと、話がある。来てくれ」
そう言いテントに入っていった。近くに座りコールは語り始めた。
「コムリンクから流れた一日に一人ずつ死ぬは本当の事と思うか?」
リークは首を振りながらこう答えた
「嘘だとは思いますがね、気をつけた方がいいと思いますよ!」
「お前は嘘だと思うか・・・」と言い一泊おき
「俺はあの予言が当たる気がする」コールはそう言い残し、
「さて、俺らも準備するか?」と言うとテントから出て行った、

準備が終わると彼らはあても無く歩き続けた、前は森、後ろは砂漠、まさに森と砂漠の境ででキャンプをしてたのだった。
「さて、どちらに向かう?」とコールは聞いた。
「まずは私が偵察に森へ行きます」とリークは言い暗黒の森へ入っていった。

さて何時間たったであろうか?リークは帰ってこない。偵察に行ったモフも帰ってこない。
「あいつらは何をやってるんだ」
と呆れた声でコールは言った。そうとうストレスが溜まっているのであろう、
「きっと、もう少しで帰ってきますよ!」
とゼロがなだめるがなかなか機嫌が直らない。ちょうどゼロが喋った時だった。体中から血を流し、服もボロボロになったリークが帰って来たのだった。
「マスター・・・ 助けて・・・・・・ ください・・・」
そう言いコールの前でリークは倒れこみ意識を失った。

何時間たっただろうか?やっと目を覚ましたリークは森で合ったことを話し始めた。そう少し森を進んだ頃だった。例のドロイドが現れいきなり攻撃をしかけてきたのだった。もちろん突然の攻撃で弾がかすったりしたがなんとかかわした時、モフが現れた。マズイと思った時は遅かった、モフは銃弾で打ち抜かれ殺されたのだった。俺は逃げた。森をあてもなく逃げた。偶然だろうか必然だろうか?俺はなんとかここに着き意識を失った。
そう話し終えるとすぐに
「そうかモフは死んだか、例の予言が実現したか・・・・・・」
コールが言うとしばらく沈黙が流れた。
「あったことはくやまずに敵の基地を探しましょう」
リークは言うがもう夜、明日に見送りとなった。次の日が最悪の日になるとは知らず・・・

暗闇の中を走る音だけが響き渡る。誰が走っているのだろうか、コールやトルーパーは熟睡し、その音に気付いていない。走ってる彼が向かったさきは一つの石碑だった。その石碑のボタンを押すと石碑が開き地下に向かって無限に見えるほど長い階段が出てきた。そこに彼は入っていく、コツコツと足音と彼のはく吐息だけが妙に大きく響く。十分歩いただろうか?そこには鉄の扉があり、それ以外何もない。その扉を迷わずに開け、彼は中に入った。そこには例のドロイドがおいてあり、その隣に椅子が一つ、精密機械があるだけだった。すぐに彼は椅子に座り、その機械をいじりながらそのドロイドを点検し始めた。三十分たった。その頃には点検は終わりドロイドを持ち、石碑の外にドロイドをおきその場から消えた。

太陽がのぼりきった頃、コール・ファー一行は暗黒の森へ出発した。
「さてと、何所まで行っても木しかないな」とヴァロース
「そうですね、マスター、敵も現れませんし」
と会話しながら歩いていると、いきなり例のドロイドが現れ、リークをさらって行ったのだった。
「まて、リークーー!今、助ける」と光刃を起動しながら言い、ドロイドに近づいて行ったが、もう、遅い。ドロイドは茂みの中へ消え、姿を消した。
「くそー、また逃がした、仕方ない、ギラッドとワイレック、偵察に向かってくれ、俺たちはここで会議をしている。
「わかりました、コール・ファー将軍」と二人は言うとドロイドが消えて行った茂みに向かった。

帰ってこない!今回も誰も帰ってこない!
「またか、あいつらはやられたかもな」
「そうですね将軍」とグランドが言いながら焚き火に火をくれる。そのときだった。リークただ一人が無事な姿で帰ってきたのだった。
「リーク!大丈夫だったか?ギラッドとワイレックを知らないか」
と聞いた。彼はすぐに答えた
「二人とも例のドロイドにやられましたと言いますか僕を助ける為に犠牲になってくれた・・・・・・」と言うとリークは泣き出した。くやんでもくやみきれないのだろう。ヴァロースはそれを察知してかそれ以上追求せずに黙っていた。
「もう寝ろ、リーク、悲しいのはわかるが過去をふりかえらずに未来を見つめろ」
それだけ言うとコールは寝てしまった。
「僕も寝ようかな」と言うと彼は寝入った。

その日はヴァン、グランド、ゼロ達の悲痛な叫び声から始まった。リークとコールはすぐに起き、テントから出ると、彼らは例のドロイドに捕まり殺されていたのだった。二人はすぐに光刃を起動し切りかかっていった。
「敵は強い、組んでかかるぞ」と言い二人でライトセーバーを高く構えながら突撃していった。さすがにドロイドだ、反応がはやい、すぐにジャンプしかわされた。だがリークはすぐにジャンプし切りかかった。それをドロイドはすぐにかわし、銃を向けてきたのだった。リークはすぐに防御の姿勢に入り着地した。ヴァロースも防御の姿勢に入り、レーザービームを偏向していった。敵はかなりの火器を装備している。全部は偏向できない。かなりのレーザービームが体をかすり、二人はボロボロになった。とうとう弾切れしたのだろう、一瞬、隙ができた。二人は一気にドロイドに近づき光刃を突き出した。一瞬、沈黙が流れる。大きな音と共にドロイドは破壊され爆発した。その時、
「ははははは!実におもしろい物を見せてもらったよ」
とリークが言い出したのだった
「ど、どうした?」とビックリした顔でコールが聞いた。
「まだわからないの?俺が全部仕組んだ罠だったんだよ」
「そんな馬鹿な、なぜ、そんな事をした」少し警戒しながら聞いた
「お前が俺の母親を殺したんだ、そうあの時だった。お前は忘れているかもしれないがな、宇宙船が密輸業者に拿捕されそれを救助しに行ったジェダイが俺の母親を殺したんだ、そのジェダイがお前さ、ジェダイテンプルの任務ページへアクセスし調べたのさ」
と怒りがまざった声で話した、
「それは違う!事故だったんだ」
「嘘だぁぁぁ!お前が殺したんだ」
と言い光刃を振りかざし切りかかってきたのだった。すぐにコールは光刃を起動し、その攻撃を受けた。
「やめろ、今でも遅くは無い、ダークサイドに落ちるなリーク」
「うるさい!お前に復讐してやる!」
そう言うとさらにはやく光刃をふるかざし切りかかってきた。コールはすぐジャンプしかわしたが、その顔には悲しみが映っていた。仕方なく彼は光刃で切りかかり、劣勢だったのがじょじょに優勢に変わり、リークは押されていった。
「くそ、絶対倒してやる!」と言い最後の抵抗をしかけてきたのだった。だがそれをコールははねのけ光刃を突き出した、
「うぐっ・・・ そんな・・・ 馬鹿な・・・ 」
とリークは言うとその場に倒れこんだ。
「一つだけ教えよう、私がお前の父親だ。死んだとは言っていたが、ジェダイだったために嘘をつくざるを得なかった。せめてものつぐないにお前を引き取りジェダイ騎士団に入れさせた、そして弟子に取り、密かに成長を見守っていたが残念だ」
とヴァロースは言い残すとその場を涙を流しながら去った。その後一隻の宇宙船がその惑星をたったと言われている。

コール・ファー三部作の第一部を投稿しました。日曜日には第二部載せます


[241] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/03/18(土) 00:21 jlazgEz4kUo)

polis_massan

CHAPTER5(>>202)の続き

CHAPTER6
ウロスはすぐにイスカロンから出られるような方法を探したが、なかなか見つけることは出来なかった。なにしろイスカロンには宇宙港はおろか、宇宙船を持っている者さえもいないのだ。こうして長い間、ウロスがトレンダーの家に世話になりながらあり合わせの物でジオノーシアン・ファンブレード・スターファイターを修理する生活は続いた。

1標準ヶ月ほど経った頃、アウターリムの外れに浮かぶ人気のない星系に、不釣り合いなほど巨大なインペレーター級スターデストロイヤーが浮かんでおり、そのフライト・デッキから1台のシータ級シャトルが飛び立って、近くに浮かんでいる旧式の探査船の横に取り付けられたフライト・デッキに入っていき、その中からティファンに現れた機械的な呼吸音を放つ黒い装甲服の大男が現れ、探査船の持ち主らしき1人のカミーノアンが彼を出迎えた。
「ようこそおいでくださいました、ベイダー卿。」
「モド・ヴェルター博士、俺はあなたの連絡を受けたから連絡を受けたのだ。あなたがこの探査船で例の計画のための・・・」
いきなりベイダーの言葉をヴェルターが遮った。
「ベイダー卿、失礼ですが“公式には”例の計画は私個人によるもの、いや、むしろ帝国には存在すら認められていない物なのです。ですから、あなたは私の調査の目的を知らない事になっているはずなのです。」
「・・・とにかく、あなたがアウターリムの調査をしているときにジェダイのビーコンと思われる電波をキャッチしたとの連絡を受けたのだが、その惑星の名前は何だ?」
「惑星イスカロンです。その惑星にはクラドスと呼ばれる魚型のほ乳類の種族が住んでおり、宇宙港はおろか宇宙船の出入りもありません。」
「それならば、重力井戸発生装置も必要なさそうだな。とにかく、イスカロンの正確な座標を教えてもらおう。コマンダー・ユリエル、501大隊の2個大隊に出撃準備をさせろ。」
「イエッサー。」
ベイダーの言葉に、キャッシークでのジェダイとの戦いで死亡したアポーとそっくりな、青と白の装甲服を着たユリエルという名のクローン・コマンダーが答え、コムリンクでインペレーター級スターデストロイヤーに連絡を取り始めた。それを見たベイダーは再びヴェルターの方を向き直った。
「ヴェルター博士、クラドスとやらについて幾つか聞きたいことがある。あなたの研究にも関係のあることだ。」

数標準日後、ウロスは夢の中で、訓練用リモートの攻撃を受け止める練習をしている幼い頃の自分と、その様子を後ろからじっと見ているかつてのマスターを見ていた。幼い頃のウロスは何度も訓練用リモートから攻撃を受けていたが、それでも諦めずにライトセーバーを構えていた。
“あいたたたた。くそ!”
数標準時間後、幼い頃のウロスは試行錯誤の末に5発の攻撃を全て受け止めた。
“やった!マスター、今の見ました?僕、5発の攻撃を受け止めましたよ。”
あまりの嬉しさに興奮しているウロスを見て、かなりの巨漢である彼のマスターが静かに立ち上がり、巨大な腕でウロスのまだ小さな頭を撫でた。
“よくやったな、ウロス。それでは、訓練用リモートのスピードを上げようか。ジェダイにブラスターを向けるよう奴があんなゆっくりのスピードで撃ってくれるわけないからな。”
“はい、マスター。”
幼い頃のウロスは楽しそうに再びライトセーバーを構えた。

「おい、何だあの馬鹿でかい戦艦は?」
「ホロネットで見たことがあるぞ。確かスターデストロイヤーという名前だ。」
急に、ウロスは外からの騒がしい物音で目を覚ました。そして彼が寝ぼけ眼で窓の外を見ると、思わず唖然とした。空が巨大なインペレーター級スターデストロイヤーと無数の戦闘機に包まれていたからだ。さすがのウロスも無数の戦闘機を見て思わず呟いた。
「まさか、これだけの艦隊が俺を追ってきたのか?」

CHAPTER7(>>266)に続く


[242] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/03/15(水) 13:04 X6kLITMThXg)

emp_statue

After story of >>223


 3


 カチン。ジョッキを合わせる音。
 僕とトムは、食堂にいた。大佐にさっきの報告をし終えて、一杯やらないかということになったのだ。
 食堂は兵舎に隣接する管理棟の一階にある。二階は会議室と大佐の部屋だった。
「で、どうだったよ。初任務は」
 トムが一口飲んで聞く。驚いたことに、一口で大ジョッキ半分は飲み干していた。
「別に。どこに行っても飛ぶのは変わらないよ」
「そのわりにうれしそうじゃないか」
 僕は首を振って「飛べたから」と答えた。
「まさか敵に会うとは思わなかったよなぁ」
「うん。疲れた」
 でも、うれしかった。
「お疲れさん。まぁ、飲めよ。俺のおごりだ」
 僕はありがたく飲む。かんかんに冷え切ったビールだった。
 食堂の滑走路側は全てガラスで、太陽がまぶしい。これで、クーラーをかける意味はあるのだろうか。昼過ぎの、一番暑いときは過ぎた。だけど、暑さにはさほど変わりが無い様に思えた。
「なぁ、この後なんか予定あるか? あるわけないよなぁ? なぁ?」
 いきなりトムが言ってきた。なんだ、このしゃべり方。
「無い……それがどうかした?」
「出かけようぜ」
「いいけど、どこへ」
「街」
 僕はふぅんと頷いた。悪くない。どうせ、暇なんだし。
 ふと、滑走路の脇にある格納庫が目に留まった。Xウィングがあそこにある。
 あれ、他に何かあったような……。
 僕は記憶を探る。
 あ。
「ごめん、用事思い出した。ちょっと待ってくれないかな」
「いいぜ。どれくらいかかる?」
「10分」
 トムは頷いて残っていたビールを飲み干し、冷蔵庫のほうへ向かった。
 立ち上がって、食堂を後にする。外のコンクリートは熱を持って滑走路の上が歪んで見えた。扉を開ける。むわっと、熱気。クーラーをかけていた食堂との温度差はすさまじい。途端に汗が噴出し、僕は全身が痒くなったような感覚を覚える。風も無く、ただ暑い。ちくしょう、空の上はあんなに寒いのに。
 格納庫は僕が着陸したときのまま、シャッターが開いていた。中であの男がエンジンに顔を突っ込んでいるのが見える。僕は堂々と自分のXウィングに近づいて、声を出した。
「やぁ」
 男が振り向く。顔がすすで汚れていた。
「あぁ、あんたか。どうした?」
「約束」
 男ははて、という顔をする。
「帰ったら名前を教えるって言った」
「あぁ、そうか。そういやそんなこともあったな」
 おい。何で僕がたまに約束を守るとこういうことになるんだ。さっさと街へ行くべきだったか。
「で、なんていうんだ?」男が聞く。
「その前に一つ」
「何だ?」
「名前が思い出せない」
「じゃあ、教えようが無いな」
「僕じゃない。お前の名前」
 刹那の沈黙。しばらくして、男は笑った。
「おもしろいやつだな、お前」
「そうかな。いつもは詰まらないって言われるよ」
「そいつらの見る目が無いだけだろう」彼はまた笑う。
「それで、名前は?」
「今度はお前が先」
「……キングだ」
「俺はラック」
 彼は朝と同じように、手を差し出す。今度は僕もそれに応じた。
「うん、それでいい」彼は微笑む。
 妙な奴だ、と僕は思った。
「そういやお前、食らったか?」ラックが聞く。
「何を」
「敵の弾だよ」
「あぁ、それなら平気。一発も食らってない。それがどうかした?」
「いや、ちょっとな」そう言って彼はエンジンを示す。
「何か、調子悪いんだよ」
「そうなの? 気づかなかった」
 ラックが苦笑する。
「それ、パイロットとして致命的だぞ……」
「前T.I.Eに乗ってたからかな。揺れに鈍くなってるんだ。そういわれてみると、帰りは揺れてたかもしれない」
 そう言って僕はラックの隣まで行き、エンジンを覗き込んだ。特に損傷は見当たらないけど。
「で、直るの?」
「まだわからん。原因不明だからな」
「頼むよ、天才整備士」
「こういうときだけ調子いいな」
 僕は軽く笑った。

NEXT >>252


[243] (無題) 投稿者:RAIT epDgtryRTsw (2006/03/12(日) 15:02 bZ7KCz/djMk)

jacen

題名:最後の砦

第4章:応援

ローマンは砦の防御のために小隊を2つ呼んだ砦は敵軍からまだかなり遠い。だが確実に連合軍は砦を破壊しドロイド停止装置を破壊しようと思っている。ローマンはジェダイに向かってコムリンクから「まだ、砦は攻撃を喰らっていません」と告げたそのジェダイというのも師匠と弟子の2人だった。「そうか、なら良い援護が来ないのか?」と低い声がしたマスター・ケイアだった。そこで、パルパディーンからオーダー66の指令が発令された。だがローマンはそれに逆らったジェダイへの忠誠心ではなくジェダイが死んだら戦闘が不利になるからだ。「待ってください、この戦いの中でジェダイが死んだら戦いが不利になってしまいます」とローマンはパルパディーンに告げた「だが、戦いの後もジェダイが生きていたら不利になる。殺せ」と低く枯れた声でパルパディーンが言った。「ですが・・・なぜですか?なぜ、殺さないと、いけないんですか?」とローマンが言った「うるさい!私に口答えするな他のコマンダーは皆、服従した、この私にな」パルパディーンは怒りながら言った。そこでホロのパルパディーンが消えた「くそっ!!」ローマンが言った。雨が降り始めた。「コマンダー、コマンダー」と隊員の一人がコムリンクを通して言った。相当急いでいたローマンは雨の音で声が聞き取りにくかったので近くにあった洞窟へローマンは入っていった。この惑星は不気味だった空は常に暗く、辺り一面全てが草原、美しい湖も、輝く街灯も何も無いある物は大量の兵器、歩兵、戦火だったヘルメットをかぶっていないローマンは本当の戦場を見てそう思った・・・「コマンダー・ローマン、他の惑星から援護が来ます、たった今、通信で」コムリンクではなく隊員が走ってきてローマンに告げた「なに、良し援護が来るまで何とか持ちこたえるぞ」とローマンは厳しい顔で言った。「はい」と大きな声で隊員は答えた。そして隊員が自分の部隊へ向かった隊員が部隊についた時はもうローマンはヘルメットをかぶり、ベルトを身につけ、銃の整備を行い銃口を別に誰を狙うわけでもなく戦火へ向けたのだった・・・

第5章:感情へ続く。・・・と思います


[244] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/03/13(月) 16:35 imMw5OCt6Sc)

kyp

「FIKUTAERS」EPISODET

>>234の続き
――――――――――――――――
第2章「反乱軍」

<センター>のベイで中型輸送船がエンジンを温めていた。そこに3人の人影。
「反乱組織の宇宙船か。隠れ家までわかってるなら帝国軍が片付ければいい。」アーサーが言った。
「まあまあ。」フィクはバックを持った。エミリーもそれなりの旅支度をしていた。3人は輸送船に乗りこみ、反乱組織の大型宇宙船へと旅たった。

*********

とある宙域。フリゲート艦が停泊している。
「帝国軍の貨物船を襲撃する。どうだ?」反乱同盟軍大佐のギートン・マクライアは言った。
「いいですね。それには貨物船のルートを調べないと。」士官が言った。艦内には同盟軍の士官たちがせわしく仕事をしていた。こうして同盟軍は力をつけ、帝国に戦争をしかける準備をしているのだ。
「大佐、所属不明の輸送船をエリア56に確認しました。」オペレーターが報告した。
「監視し続けろ。帝国のエンブレムはあるか?」マクライアは言った。
「ありません。帝国軍の所属ではないと自分は考えます。」
「そうか。では監視を。」マクライアは先程の士官に向いた。
「帝国軍でないのなら安心ですね。」士官は言った。
「そうだが、厄介なことになりそうだ。」マクライアは言った。

********

「でけー!」フリゲート艦を見たフィクは言った。
「たしかに。イゴールはこんなに大きいとは言ってなかった。」アーサーは言った。「エミリー、慎重に頼む。」
「うん」エミリーは操縦桿をかすかに動かした。
「あんな戦艦とまともに戦えないよ。」フィクは言った。
「なにか手はある。それに外装がボロいぞ。」アーサーはフリゲート艦を見て言った。「ちょろいかもしれない。」
「フィクター・ファイターを使おう。俺とアーサーが行く。エミリーはここで操縦とオペレート。いいかい?」フィクは言った。
「賛成。」アーサーは言った。「エミリー?」
「いいけど。あたし一人で輸送船を維持するのは不安。」エミリーは言った。
「じゃあ、どうする?フィクター・ファイターも2機ないときついぞ。」フィクは言った。
「わかった。やれるだけやってみる。」エミリーは言った。

*********

「大佐、輸送船から2機の戦闘機が発進しました。」オペレーターが叫んだ。
「エンブレムは?カラーリングは?」マクライアは言った。
「エンブレムは見た事も有りません。カラーは深緑色です。形はXウィングよりも一回り大きいものです。」
「交信しろ。」マクライアは言った。
「先程から交信してますが・・・あ!返事がきました。『我々は賞金稼ぎギルドのフィクターズ。帝国からの任務でこのフリゲート艦を破壊する。』とのことです!」
「砲火しろ!」

**********

2機のフィクター・ファイターは激しい砲火をあびたが難なく飛び越えた。
「フィク、反対側にまわれ。」アーサーが言った。『了解。』無線を通じてフィクの返事が返ってきた。フィクのファイターはフリゲートの船尾にまわった。
「燃料タンクはどこかわかるか?」アーサーが言った。
『わからん。適当にタンクっぽいの撃ってりゃわかるんじゃねー?』フィクは言った。
「スキャンでわかった。下のほうにあるやつだ。見てみりゃわかる。」アーサーは言った。
『わかったわかった。撃つぞ。』フィクは言った。ファイターから魚雷が飛んだ。そして・・・

ドドドドドドドドドドドド!!!

********

「大佐、脱出するしかありません!」士官がさけぶ。
「糞!」マクライアはいらだった。すると室内は光につつまれた。
「ぐああああああ!!」フリゲート艦が崩壊していくのを3人の賞金稼ぎは見守った。
「イゴールに連絡しろ。終わったと。」アーサーは言った。
―――――――――――――――――――
>>249に続く


[246] (無題) 投稿者:RAIT epDgtryRTsw (2006/03/12(日) 19:45 bZ7KCz/djMk)

jacen

題名:最後の砦

第五章:感情

ローマンは考えたオーダー66の事、この戦闘のこと、共和国、パルパディーンそして自分の事について。この戦闘に勝たなくてはいけない。だがジェダイを殺さなくてはならないそこでローマンは、この戦闘に勝ったらジェダイは生き残る。だが、私は死ぬという事と、この戦争に負けたらジェダイは死ぬが、私は生き残る、という事を・・・

まだ書き途中なので1回とめます。コメントよろしくお願いします。


[247] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU (2006/03/15(水) 23:03 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>233の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――If it is good that the sword tears it up
Can it be absolutely called evil that Hicaha tears it up?――

――刀が切り裂くのが善ならば、
光刃が切り裂くのは絶対に悪と言えるのか――


5 ――過去――


金色のジェダイ・スターファイターが、黒き宇宙を飛行する。優雅に、しかし、スターファイターの後方からは、オレンジ色の発光体が飛んでくる。ジェダイ・スターファイターは、一回スピンをし発光体を避けたが、発光体を包む電気が機体をかすめ、黄金色の塗装は剥げた。ジェダイ・スターファイターは、一番近い惑星、ウェリスへ急いだ。


ハクロは滑空しながら、モートに縦断を食らわせようと、銀牙刀を縦に振る。しかし、さすがジェダイ騎士。軽くそれを受け流し、右足で、ハクロの鳩尾を横蹴りする。だが、堅い銀の鎧のせいで、殆ど効かない。
ハクロはバックステップをし、モートとの距離をとる。約五メートル。モートとの距離は十分だが、お互いに剣を使っている。この距離では到底届かないし、ハクロには不利だった。相手はジェダイ、フォースという最大の武器があるから。
案の定、ザブラクのジェダイは右掌をハクロに向けて突き出す。ハクロは正面から、とても大きな圧力を感じた。そして急に訪れる衝撃。砂を撒き散らしながら、ハクロは数メートル後ろへ飛ぶ。それを待ち焦がれたかのように、フォースの力で、稲妻の如く仰向けで倒れるハクロの元へ向かう。しかしハクロは後転し、横振りをする。走ってきたモートは驚き、バック宙やら側転やら、アクロバティックな動きをして、ハクロから遠ざかる。モートの腹部の服は、横に切れていた。
「面白い……。流石は騎士と言われ、恐れられているだけの事はある。この悪党が」
ライトセーバーをくるりと回し、モートは言う。ハクロは紫電を放つ銀牙刀を、得意フォームの八相の構えをし、モートを見据える。
「今のジェダイは弱すぎる」
ハクロは銀牙刀をカチャリと鳴らし、左足を少し前へ出す。モートは走り出し、半ば我武者羅に光刃を振る。だが、ハクロは確実にそれを受ける。
「貴様に、ジェダイの何が解る!」
モートはバック宙をして、ハクロを睨みつける。
「貴様らこそ、何が解る……!」
ハクロは静かに言う。
「貴様らジェダイは、任務という名目で、罪無き者達を苦しめた!」
「何?」
モートは飛び出し、再びハクロへ攻撃を仕掛ける。縦振りをするが、ハクロはそれを受け流し、お返しに肘打ちを喰らわせる。
「貴様らジェダイがもっと早く来ていれば、俺の両親は!」
ハクロはモートを蹴り飛ばし、再び八相の構えをとる。
「何の事だ!」
フォースの衝撃波をぶつけ、ハクロは吹っ飛ぶ。しかし空中で体勢を整え、再び構える。
「三年前のウェリスでの任務、お前も知っている筈だ!」
モートは確かに知っていた。惑星ウェリスで、暴走したドロイド達が、惑星の住人達を無差別に殺害しているという、なんとも恐ろしい事件だった。
「かつてジェダイだった俺は、故郷のウェリスを攻撃されているという知らせを受けて、直ぐに飛んだ。だが、いつまで経っても援護が来なかった!」
ハクロは先程よりも速く滑空し、モートを斬りつける。モートはそれを受ける。火花が散る。
「後から聞いた。援護のジェダイは、途中見かけた超巨大な輸送船の、あまりの美しさに見惚れていたってな!」
ハクロは力を加え、モートを押す。
「そして貴様らは評議会にこう言い訳をした! あの輸送船がウェリスに行く途中だった! だから、行かないように誘導したと! それも任務の一環だと!」
ハクロは怒りを込めて、火花を散らせて交差する銀牙刀を右下へ払う。モートは回転しながら倒れる。しかし素早く立ち上がると、再び距離をとる。
「悪党は貴様らの方だ……! そのライトセーバーこそが、ジェダイの悪の象徴……。だから俺はジェダイ騎士団を抜け、騎士の一人となった。ライトセーバーを捨て、刀に全てを賭けた!」
モートは信じられなかった。彼は三年前のウェリスの任務を受けていたから。そしてハクロの言うように、評議会にそう言い訳をした。
「マスター・モート、はっきりと覚えている……。怨むべき仲間、いや、悪党……!」
ハクロは走り出し、モートを斬りつける。モートは何とか受けるが、ハクロは素早く回転し、そのままモートを斬りつける。モートは左腕を失った。痛みのあまり、倒れこむ。
ハクロは銀牙刀をモートの喉元に突き付ける。
「ジェダイは罪無き者達……俺の両親を苦しめ、そして死に追い遣った!」
「それは違う!」
モートは息絶え絶えだったが、しっかりと言った。モートはセーバーのスイッチを切る。
「確かに俺達は……あの時はお前の両親を殺したのかもしれない……。いや、殺した! だが、それは俺達だけだ……。ジェダイが皆、そんなことをするわけが無い!」
「ほざけ!」
ハクロはさらに銀牙刀を喉元に近づける。
「このライトセーバーは……一点の曇りも無い……ジェダイの善の象徴。悪の象徴の訳が……ない」
ハクロは呼吸を整え、かつての仲間だったジェダイを睨む。
「一応聞いておく。黄金の剣の在り処は?」
モートは何とか苦笑いをし、首を横振った。
「さぁ……どこだろうな」
モートは静かに目を閉じた。彼もやはり、ハクロと出会ったときから死を覚悟していた。
「ではさらばだ……。悪のジェダイ・マスター……マスター・モートよ……」
振り上げられた銀牙刀は、ジェダイ・マスターの首を刎ねた。


「むぅ……」
ヨーダは低く唸った。それを聞いていた評議会のメンバーは顔をしかめる。
「なんです?」
マスター・ウィンドゥが、メンバーを代表して聞く。ヨーダは深い悲しみにくれた顔をしている。
「今、嫌な感じがしたんじゃ……。マスター・モートが……もう……」
メンバーは俯いた。そして改めて、騎士の強さを知った。

>>256『蒼刃』へ続く

========================

今回はハクロの過去を明かしました。執筆中に急遽変更したので、かなり無理やりですけど^^;
戦闘シーンが多いです。まぁ戦闘メインの小説ですから……


[249] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/03/13(月) 16:37 imMw5OCt6Sc)

kyp

「FIKUTAERS」EPISODET

>>244の続き
――――――――――――
第3章「緊急事態」

フィクターズの輸送船は帰り道ゆっくりのんびり飛んでいた。またしても任務成功だ。だが調子に乗りすぎると厄介なことになる。
「このまま<センター>に変えるかい?」フィクが言った。
「は?他に行くとこあんの?」アーサーは言った。
「いや・・・その・・」フィクは言った。きっとおもしろくなるだろうと考えて言ったのだが失敗した。こういうものは失敗すると恥じをかく。
「おい、レーダーに影があんぞ。」アーサーがエミリーに言った。
「ほんと!」エミリーが言った。レーダーに影が3つほどある。戦闘機だろうか。
「砲座につく。」アーサーがコックピットを出ていった。フィクも遅れながら出ていった。

******

砲座に座ったアーサーとフィクは恐ろしい現状に気付いた。3機のTIEファイターが追ってくる。
「おいおい。なんだよ。」フィクは言った。するとTIEから緑色の光弾が・・・・

ドドドドドドド!!

アーサーとフィクは体制を崩した。エミリーもコックピットの揺れで同じように体制を崩した。
「攻撃してきたぞ!」フィクが興奮した。「おもしろい!」
「おい、真剣に考えろ。俺達は帝国の任務でここにきた。攻撃されることなんてやってない。」アーサーは言った。
「いや、それが理由だろ?推測だが俺達に獲物をとられた帝国部隊かも。」フィクの推測は正しかった。
「俺達に仕事をよこしたのは帝国のどいつだ?上層部ならフリゲート一隻にこんな賞金稼ぎ使わない・・。」
「じゃあ、誰だ?」口論は中断された先程よりも正確光弾が直撃した。
「本気でやる。」アーサーがTIEをロックした。輸送船の光弾がTIEを爆破させた。残るは2機。
「こんにゃろ!」フィクが撃つ。こちらも命中。残ったTIEは逃走し始めていた。
「逃げるぞ。」フィクは言った。「どうすんだ?」
「片付ける。」アーサーは逃げるTIEを狙った。そして・・・最後のTIEが花火をチラすように消えた。
「簡単すぎる。お前魔法でも使ったか?」フィクが尋ねた。
「まさか。お前こそ。ジェダイの血が流れてるなんて聞いてないぞ。」アーサーは言った。
「ふん。」フィクが鼻で笑う。緊急事態はこうして逃れた。だがイゴールに任務を送ったのは誰なのか・・・後にこの出来事がフィクターズ全体に関わってくる。


[250] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM [Web] (2006/03/14(火) 20:05 t9uMlKYUNdk)

anakin_solo

注意:第一部を先に読んで下さい。

コール・ファー三部作 第二部 【オーダー66の悲劇】

ここはコルサント、夜も眠らぬ惑星、そこで一際目立つ建物がある。そうジェダイテンプルだ。
「ご苦労じゃった、コール・ファー、辛い思いをしたのう」
ヨーダは例の惑星での弟子の裏切りの話を聞き、そう言った。
「少し、休むがよいぞ、今は戦時中、人手が不足しておる。だがそれより心の傷を治すほうが先じゃ、どこかの惑星でゆっくり休養してくるがよいぞ」
「はい、マスターヨーダ、お言葉に甘えて」
と頭を下げながらヨーダに言った。
「どの惑星がいいかのう?」
と聞かれ、コールは妻と昔、生活していた
「ヴァースにさせてくれませんか、マスターヨーダ」
ヨーダはうなずきながら
「そうじゃのう、あの惑星は自然も多いし、いいじゃろう、ゆっくり休養をとってくるのじゃ」
「わかりましたマスターヨーダ」
そうコールは言うと部屋から去っていった。

それから二日後、コールはジェダイのローブを着てコルサント空港に向かった。空港は人でごった返している。
「まったく、何時でも宇宙港はこんでるな」
と愚痴をこぼしながら発着ゲートへ向かう、発着ゲートにはかなり大きい電子掲示板が貼られている。そこには惑星ヴァース行きと書いてあった。その宇宙船にコールは乗り込み惑星コルサントを発った、ヴァースでおこる悲劇も知らずに・・・・・・


[251] (無題) 投稿者:RAIT epDgtryRTsw (2006/03/14(火) 21:53 bZ7KCz/djMk)

jacen

題名:最後の砦

第一章:戦場の星

ここはとある小さな惑星。だがその中には大量の巨大兵器の起動音や歩兵の歩く音ザクッ、ザクッという音がしだいに大きくなってゆく「ただいま、到着しました」と低い何度も聞きなれた声がした「よし、やっと来たか、だが少し遅れたぞ」とコマンダー・ローマンは言った「すいません」とたった今来た小隊の隊長が言った。小隊のメンバーの一人が少し動いたのをコマンダー・ローマンが見ていた。その時「早速だが、戦闘の準備は整っているのだが、すぐに戦闘を始められるか?」とコマンダー・ローマンは言った。といっても。コマンダーが隊長に頼んだことはジェダイの準備は整っているか?という事と砦の状況はどうだ?という事だった・・・・・

第2章「状況」に続く。・・・と思います

題名:最後の砦

第二章:状況

「ジェダイは、準備が整っています。砦も大丈夫ですなのですが・・・」と隊長が言った「なんだ?なぜ、だめなんだ?」とローアンが言った。「もう時間がありません、戦闘を始めるというよりも始まってしまいます。ドロイド軍はもうすぐそこに近づいているのです。攻撃が始まるのももうすぐです」と隊長が言った。その話を聞いたローアンは大きな声で「急げーー!!戦闘がすぐ始まるぞーー!!」とコムリンクに向かって全員に言ったのだった・・・。

第三章「開幕」に続く。・・・と思います

題名:最後の砦

第三章:開幕

コマンダー・ローマンは50mほど離れたところにある砦に向かって全速力で走った。他の部隊の隊員は皆、武器の整理や戦闘が始まる時までに緊張をほぐす為にジョークを言っていた。まだローマンは生い茂る草の上を走っている。「来たぞ」と小さい声でクローンの一人がつぶやいたその隣にいたクローンは、「いよいよだな」とスナイパー・ライフルを構えつつ言った。そして無数のリパブリック・アタック・ガンシップが飛んで行った・・・。ローマンは疲れながらも砦に到着した砦は鉄で出来ていて錆び付いていたボロボロな砦だったが頑丈だった。なぜ、ローマンたちが砦のことを気にする理由はこの戦いにおいて非常に大切なカギになるものだからだ。砦を突破されると共和国が非常に不利になるどころか、敗戦してしまうからだ、その理由は砦の後ろに莫大なエネルギーがあるからだ。それも、ドロイド停止装置なのだ。だが、前の戦闘でその装置の一部が破壊されてしまい修理しなくてはいけない状態になってしまったからだ。戦闘に勝つためには敵を全滅、降伏させなくてはならないそれは共和国にとっては簡単な事かもしれない、だが共和国の勢力はすくなかった。青白い今にも雨が降りそうな空の下を白い勢力と黒い勢力が混ざり合い戦っているその中で大量のクローンやドロイドが倒れてゆく生き残っている者は倒れた味方の上や敵の上を歩き戦っていく。そして倒れてゆく、だが味方や友人が死んでも構っている物はいない自分が死なない為だ。構っていたら殺される、と皆思っていた。それは、本当だった。激しい戦いだ、そんな事をしていたらすぐに殺される空はリパブリック・アタック・ガンシップガ飛び交い敵を攻撃していた。クローンの攻撃は強力だった、だが、地上には大量の連合軍のAAT、アーマータンク・ドロイドが戦闘を行っていた共和国軍はBARCスピーダーで応戦していたが敵うわけも無く次々にやられていった・・・

ローマンは砦の防御のために小隊を2つ呼んだ砦は敵軍からまだかなり遠い。だが確実に連合軍は砦を破壊しドロイド停止装置を破壊しようと思っている。ローマンはジェダイに向かってコムリンクから「まだ、砦は攻撃を喰らっていません」と告げたそのジェダイというのも師匠と弟子の2人だった。「そうか、なら良い援護が来ないのか?」と低い声がしたマスター・ケイアだった。そこで、パルパディーンからオーダー66の指令が発令された。だがローマンはそれに逆らったジェダイへの忠誠心ではなくジェダイが死んだら戦闘が不利になるからだ。「待ってください、この戦いの中でジェダイが死んだら戦いが不利になってしまいます」とローマンはパルパディーンに告げた「だが、戦いの後もジェダイが生きていたら不利になる。殺せ」と低く枯れた声でパルパディーンが言った。「ですが・・・なぜですか?なぜ、殺さないと、いけないんですか?」とローマンが言った「うるさい!私に口答えするな他のコマンダーは皆、服従した、この私にな」パルパディーンは怒りながら言った。そこでホロのパルパディーンが消えた「くそっ!!」ローマンが言った。雨が降り始めた。「コマンダー、コマンダー」と隊員の一人がコムリンクを通して言った。相当急いでいたローマンは雨の音で声が聞き取りにくかったので近くにあった洞窟へローマンは入っていった。この惑星は不気味だった空は常に暗く、辺り一面全てが草原、美しい湖も、輝く街灯も何も無いある物は大量の兵器、歩兵、戦火だったヘルメットをかぶっていないローマンは本当の戦場を見てそう思った・・・「コマンダー・ローマン、他の惑星から援護が来ます、たった今、通信で」コムリンクではなく隊員が走ってきてローマンに告げた「なに、良し援護が来るまで何とか持ちこたえるぞ」とローマンは厳しい顔で言った。「はい」と大きな声で隊員は答えた。そして隊員が自分の部隊へ向かった隊員が部隊についた時はもうローマンはヘルメットをかぶり、ベルトを身につけ、銃の整備を行い銃口を別に誰を狙うわけでもなく戦火へ向けたのだった・・・

第5章:感情へ続く。・・・と思います

題名:最後の砦

第五章:感情

ローマンは考えたオーダー66の事、この戦闘のこと、共和国、パルパディーンそして自分の事について。この戦闘に勝たなくてはいけない。だがジェダイを殺さなくてはならないそこでローマンは、この戦闘に勝ったらジェダイは生き残る。だが、私は死ぬという事と、この戦争に負けたらジェダイは死ぬが、私は生き残る、という事を・・・。

半端なところですが、終らせていただきます。まだ、書く、実力も無くまた書く時があったら、頑張ってやりたいと思います。コメントお願いします


[252] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/03/22(水) 21:38 X6kLITMThXg)

emp_statue

After story of >>242


 4


 結局、格納庫を後にしたのは約束の十分をとうに過ぎた二十分後だった。しかしトムはそんなこと気にする様子も無く、僕をバイクの後ろに乗せて走り出した。外出許可は出たらしい。
 基地の前には果てしなく続く一本道。右手に川。少し行った所に、橋があった。さびた鉄橋だ。僕らはそれを渡って、なおも真っ直ぐ進んだ。周りは田んぼや畑だらけ。吹き抜ける風が心地よかった。目を瞑ると、風になった気がする。だけど、体にまとわり付く僕以外の存在が、それは夢だと伝えているような気がした。
 どれくらい風になっていただろう、やがて前方にコンクリートを確認。
「あれが街!?」
 僕は叫ぶ。トムの返事は何を言ってるのか聞こえなかった。恐らくは肯定の意味のことを言ったのだろう。
 街はとても質素で、朝見た偵察地よりもまだ小さな所だった。こんな所で何をするのだろうか。
 バイクは走り続ける。街に入った。まだ昼過ぎだというのに、人影は無い。風に乗って飛ぶ新聞紙が、寂しさをいっそう際立たせていた。
 こういうところは、嫌いじゃない。人ごみに埋没するよりは、こういうところでさびていくほうが僕には似合っている。
 急にかかったGで僕は前へ投げ出されそうになった。バイクが唐突に止まったのだ。
「どうしたの?」
「ついた」
 トムはそう言って腰にある僕の手をはずして、バイクを降りた。僕も続いて降りる。
「ここは、何?」
 四角いコンクリートの建物。黒ずんでいる。トムはひび割れた白い木製の扉に手をかけていた。
「教会」
 僕は驚いた。
「宗教に入ってるの?」
 扉を開けて入っていくトムに慌てて追いついて、聞いた。
「悪いか?」
「いや、ぼくらの職業では珍しいなと思って」
 すると今度はトムが驚いていた。
「うちの基地じゃあ、半分以上が宗教に入ってるぞ」
 きっと、心が弱いんだな。今まで宗教に頼っている奴で強い奴を見たことが無い。
「僕が前いたところじゃ、一人くらいだったけどなあ」
「すがりつくものがなくて、よくやっていけるよな」
 空の上で、信じられるものは一人。自分に縋り付いていればいいのに。ありもしない神様なんて、いくら拝んでも助けてくれやしないのに。人間って、弱いんだよな。
 建物の中は厳粛な雰囲気で、こちら側にはいすが一杯置いてあり、奥に祭壇があった。祭られているのは、ローブを纏い、棒を握った戦士。戦いの戦士か? なら、すがりつきたくなるのもわからないでもない。
「お前、理教の教会は初めてか?」
 トムの問いに、僕は頷く。
「あの戦士が、神様?」
 祭壇を指す。彼は頷いた。
「平和の騎士だ。その昔、奇跡を起こして多くの民を救ったらしい」
「へぇ……奇跡ねぇ。空でも飛んだのかな」
 僕の冗句に彼は笑わなかった。ちょっと心外。と思ったら、彼は大真面目に頷いていた。
「そうらしい。もちろん、飛行機にも乗ったらしいが、ある程度なら浮くことができたんだと」
「ふぅん。騎士の名前は?」
「ルーク・スカイウォーカー様だ。ただ、彼が代表ってだけで本来騎士団全員を崇拝してるんだ、俺たちは」
 その痛みは唐突に。あごにパンチを食らったような感覚。
 眩暈がする。トムの声が頭の中で鳴り響いていた。
 ルーク・スカイウォーカー……スカイウォーカー……。
「どうした? 真っ青だぞ」
「いや、大丈夫。大丈夫だ」
「そうか……?」
 吐き気がする。気持ち悪い。
「ごめん、大丈夫じゃない」
 そう言って、Uターン。
 急いでここから離脱しないと。
 僕は扉を乱暴に開いて。
 外に飛び出した。
 道に嘔吐する。
 何なんだ。何でこんな。
 気持ち悪さの正体がわからない。
 昼飲んだビールがダメだったんだろうか。
 とにかく、ひどい気持ちだった。
 心臓をわしづかみにされて、振り回されたような。
 そんな感覚。
 雲の上の上から地上へダイブしてるような。
 視界がはっきりしない。
「大丈夫か!?」
 トムの声。
「どうしたんだよ、まったく。バイク酔いか?」
 僕は首を振った。
「とにかく、休んでろよ。俺はお祈りしてくるから」
「僕も、行く」
「大丈夫なのか?」
「もう、平気」
 不思議そうなトムを尻目に、僕は扉を開けた。彼が付いてくる。
 祭壇を見た。丸い棒のような剣を振りかざす戦士。ローブをまとって。
「お祈りの仕方、教えて」僕は言った。
「お祈りというか、瞑想なんだよな。この宗教は。適当に座って、目を瞑って、騎士の力を感じるんだ。そうすれば色々と、元気が出るぞ」
 そう言ってトムは一番近くの椅子にあぐらをかいて座った。そして目を閉じる。
 僕はルーク・スカイウォーカーの像のまん前の椅子に陣取った。そしてトムと同じようにする。
 何故、こんなことをしてるのか、理解できなかった。僕は神様なんて信じない。だけど。
 ここには、何かを感じた。一体なんだというんだ。あの気持ち悪さの正体は。
 教会は静かだった。こうして目を瞑っていると、まるで夢の中のような、そんな気分になる。悪くない。
 どれくらい時間がたっただろう。多分、そんなに時間はたってないはず。だけど、何時間も経った気がする。感覚が失われていた。トムはどうしたかな。
 目を開けた。開ける視界。目の前には、戦士の像――なんてものは、存在しなかった。
 その代わり、目の前には、綺麗な女の人がいた。とっても、とっても美しくて。何だ? 瞬きをした。相変わらず彼女はそこにいて、僕に微笑みかけていた。だけどその微笑みはどこか寂しくて、物憂げで。僕を見ているのに、見ていない。笑っているのに、泣いている。
「あの……」
 声を出した。はずだった。だけど、僕の喉は動かなくて、言うことを聞かなかった。
 わけがわからない。何なんだ、さっきから。さすがの僕でも混乱してきたぞ。
「愛してるわ」
 彼女はそういった。僕に言ったのか? 視界には僕以外誰もいない。だったら、僕に言ったんだろう。だけど、ぼくはこんな人知らない。
 気が付くと僕は、彼女を抱きしめていた。
 何だ何だ何なんだ。
 体が言うことを聞かない。
 心が言うことを聞かない。
 僕は今確実に、彼女を求めていた。
 こんなの僕じゃない。
 そっと彼女と唇を合わせる。そのやわらかい感触は、僕を侵食した。
 自分が消える。
 僕が消えていく。
 僕の心が。
 思考が溶ける。
 視界が溶ける。
 何もかもが溶けて、混ざって、熱くなった。
 熱い。
 熱い。
 アツイ。
「やめろぉぉ!!」
 僕は叫んだ。
 目の前には、戦士の銅像。
 あれ。
「どうした!?」
 この声はトム。
 あれれ。
 肩をゆすられた。
「なんかお前、変だぞ」
 そうだね。僕は今、変だ。どうしようもないくらい、おかしい。
 怪訝な顔をしたトムを見ていると、もしからしたらこいつはもう、僕を街に誘わなくなるかもしれないなと、何故かそんなことを考えた。
「帰ろう」
 唐突にそう言って立ち上がり、戦士の像から逃げた。頭がおかしくなりそうだった。

NEXT >>278


[253] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM [Web] (2006/03/17(金) 19:40 hdEq1FJYr5E)

anakin_solo

<真紅の光刃>

彼は戦い続ける、。ジェダイが滅びるまで・・・・・・

真空の宇宙空間、どこを見ても星しかない世界、この世界が滅びれば全ての生物が死ぬことだろう。そんなことはおこらないはずだ、その宇宙空間を飛ぶ一機の宇宙船、その宇宙船の名は<ジェダイハンター>実にわかりやすい名前だ。訳すとジェダイを狩る者、ジェダイを狩る者が乗っている。彼はバウンティーハンター、多くのバウンティーハンターは自分の利益のために戦うが、彼は違った。ジェダイを殺すため、金など欲しがらない、復讐でもない。では彼の目的は一体?それは謎だ。一生わからないかもしれない。一つだけ言っておこう。彼はジェダイを殺す。そうジェダイをだ。
その宇宙船<ジェダイハンター>は旧共和国軍のVウィング・スターファイターを使っている。だが普通のVウィング・スターファイターとは少し違う。そのVウィング・スターファイターは火器の数がはんぱではない。それに船体の色が漆黒、まさに悪を象徴するような色。その宇宙船<ジェダイハンター>の中には人間が一人乗っている。そいつの名はゾアダ、ジェダイを狩る者。<ジェダイハンター>は宇宙空間をワープし、宇宙ステーション<アース>に着いた。そのステーションは逆三角形型をしていて、大きさは全長3000メートルほどであろう。その宇宙ステーションの発着ベイに<ジェダイハンター>は向かっている。
「あの宇宙ステーションか、派遣されたジェダイがいるのは」
とゾアダは呟く。隣に居るR4-D7は同意したように音を発する。
発着ベイに<ジェダイハンター>は着く、すぐに警備員を連れて近くにこの宇宙ステーションの管理人らしき人間が来る、すぐにゾアダは
「ジェダイはどこにいる?」
と聞いた。警備員達は警戒した顔つきでゾアダに近づいていく。なにせ彼はマンダロアの装甲服を着ていて、右腕にブラスターを構えている。おれではどんなに分別の無い人間でもジェダイでない事ぐらいわかるだろう。予彼らは銃をこちらに向けてさらに近づいてくる。ゾアダは面倒くさそうに真紅の光刃を起動したおなじみの音が宇宙ステーションの発着ベイに鳴り響く。彼は光刃を操るバウンティーハンター。周りにいる警備員はブラスターを構えレーザービームを雨のようにゾアダに降らせる。だがゾアダは光刃でそのビームを偏向し、警備員に接近していく。一番近くにいた警備員をすぐに切り殺す。怖じ気付いたのか、他の警備員は逃げていく。光刃をおろしながら残った者にこう言った。
「弱いな、ジェダイを出せ、そしたら助けてやろう」
すぐに奴らはジェダイを呼びに駆け足で向かう。その途中、
「ザブル様を呼ばなければ」との声が聞こえた。ザブルとはそのジェダイの事なのだろう。そう、ゾアダ考えていると、いきなりフォースの波が彼を襲う。そして体が吹っ飛ぶ
「く・・・・・・ ジェダイか・・・・・・ お前が・・・・・・ザブルだな・・・・・・」
とゾアダはあえぎながら言う。すぐにゾアダは立ち上がる。
「そうだ。お前は真紅のライトセーバーを持っている。アサージヴェントレスみたいなダークジェダイか?」
と疑問を持った声でそのジェダイナイトは聞いてきた。
「さあな、一つだけ教えよう、俺はジェダイを狩る者」
とゾアダは言いながら光刃を構え攻撃の準備をする。
「望む所だ、お前みたいな悪は倒してやる」
とザブルは言うと光刃を構えた。ゾアダは一気に敵の側面に回りこみ、光刃で右から左へ切りつける。だがザブルはジャンプし、その攻撃をかわした。だがゾアダもジャンプし、ザブルについていく。
「お前はなかなか腕がたつな」とゾアダに言うとすぐに光刃を構える。今回はザブルが先に攻撃をしかける。だがゾアダは軽くその攻撃をかわし、すぐに左足を軸に蹴りを入れる。ジェダイは突然の攻撃を避けられなく、衝撃で飛ばされる。だがすぐに立ち上がりフォースでゾアダに攻撃する。ゾアダは数秒、その攻撃に耐えたが、フォースの力にはかなわない。ゾアダも反対側の壁に飛ばされたのだった。
「これでお相子だな」苦虫を潰したような顔でゾアダは言う。
だが彼もそこらのバウンティーハンターではない。すぐに立ち上がると真紅の光刃を頭上に構え、ザブルに切りかかる。ザブルはその攻撃を自分の光刃で受けるがゾアダの力に押されて行く
「もう、終わりか、ザブル」と微笑を浮かべながら言う。
「まだまだこれからだ」とザブルは答え、反撃に転じる。だがゾアダの圧倒的な力の前にどんどん追い込まれていった。ゾアダがザブルに強く切りかかったとき、ザブルの光刃が手から吹っ飛び、20mほど先へ飛んでいった。このチャンスを逃さずゾアダは真紅の光刃を首に突き立てる。
「お前の負けだ、ジェダイ騎士ザブルよ」
と無慈悲な声でゾアダは言う。死を覚悟していたのだろうか、
ザブルは平然とした顔で「必ずや悪は滅ぶ、殺すがいい」と一言呟く。
「さあ、どうかな?滅びるのはジェダイだ」そう言うとザブルの首をはねた。
「もうここには用は無い」と告げると<ジェダイハンター>で宇宙ステーションを去っていった。無限の宇宙へ向かって・・・・・・


[254] ちょっと作品を作りなおします。 投稿者:Mr.Ratamacue vId3OjBL2S. [Web] (2006/03/15(水) 20:18 CFXSbYEpMmM)

quigon

冷たい鉄で囲まれた要塞に一人の男が忍びこむ。彼の名はデュオ・サンライダー、ジェダイ騎士である。
しかし、それは表面上に過ぎない。彼の本当の顔───彼は新共和国秘密機関<バクテリア>に所属する
特殊工作員。ジェダイの技を駆使して彼は今日も潜り込む・・・。

デュオ・サンライダー 師の遺産 #1 <密林の襲撃者>作戦

 ナブーの夜空の冷たい空気を一隻の飛行艇が切り裂く。船尾の開放された放出ハッチを前に、
デュオ・サンライダーは一週間前に自ら殺害した"堕ちた師"のことを思い起こしていた。
威厳溢れる堂々とした態度を常に保ち、真っ直ぐに生き続ける偉大なジェダイ騎士。
オーダーでは剣の達人として恐れられた強いジェダイ騎士。
一週間前の出来事によって、この尊敬の念は消え失せてしまった。
そればかりか、デュオは自分がジェダイとしての誇りを持てる存在なのかについても疑問を感じていた。
 「デュオ、降下準備は万全か?」
あまりにも深く考えすぎ、前後不覚に陥りそうになったデュオを正すかのごとく、コックピットから
司令官の無線が入る。
「確認しよう、今日の任務はブラックサンのデススティック生産工場の機能停止、新薬データの入手だ。」
床に転がっている降下用マスクをデュオはおもむろに拾い上げる。あまりに不細工なマスクに彼はため息をつく。
「了解だ。それにしてもバウワー、このマスクはどうにかならないのか?この俺には似合わないぞ。」
愚痴をこぼしつつもマスクを被るとデュオは外との境界線まで進んでいった。
あまりの寒さに彼は身震いしたがまだまだ序の口。本当の寒さはこれからだ。
「我慢してくれ。ちなみに言うがそのマスクはグッドデザイン賞を受賞している。良さが分からないのは君だけだ。」
がらがらなバウワーの無線が鳴り響くなか、デュオはすくっと背筋を伸ばし綺麗な姿勢で境界に立った。
「では、行ってくる。サポートを頼むぞ。」
上品に輝き続けるナブーの月を眺め、人形のように整った姿勢を保ったまま、デュオは冷たいナブーの夜空へ。
 デュオは的を狙う矢のように地上へ落ちていった。これまでに何度もこのような体験をしている彼にとって、
降下とはもはや娯楽の一種。落ちて行くスピード感をデュオは存分に味わう。
いくつもの雲を突き抜け、やっと見えてきたのは巨大な密林。闇の中でもその青々と生い茂った葉を確認できる。
ここぞとばかりに、デュオはバッグから伸びる白い紐を引き、パラシュートを開くと一瞬ふわっと浮き上がり、
少しづつ減速しながら地上へ向けて落ちて行く。彼が落ちて行く先は森のなかでも幾分高い大木の上だ。
ふわふわと落ちていくと段々にコースがずれ、パラシュートが大木の枝に引っ掛かる。
地上からの高さは二十メートル、普通に落ちれば骨折する高さだ。
だが、そんなことにプロは動じない。デュオは冷静にあたりを見つめると、不細工なマスクを脱ぐ。
ジェダイである彼にとってこの程度の高さからの降下はとても簡単なことだ。フォースに触れ、着地の衝撃を
調整するだけで良いのだ。
レーザーナイフを腰の傭品ベルトから取り出すと彼はバッグからパラシュートを切断し、地面へ向けて落ちていった。
瞬間的に地面に向けて手を振りかざすと、時がゆっくりと動き出したかのようにふわふわと落下し、
華麗な姿で地に足を下ろす。
「バウワー、地上への降下完了。これより<密林の襲撃者>作戦を開始する。」


[255] (無題) 投稿者:・クライド 9dN18uy/K8E [Web] (2006/03/17(金) 18:03 oEzXrE3GNZQ)

cut_anakin

「満月の下より」


第1章「地上の星空」


皆さんこんばんは。大変きれいな月が出ていますね。
こんなきれいな月が出るのは何年ぶりでしょうか。
こんな夜は


           敵襲だー!!


『18秒で終わったよ・・・』
男はアナウンサーの声が流れるスピーカーに向かってつぶやく。
男の名前はセント・サージ。ジェダイの騎士である。
セントは自らの故郷でもある平和な惑星コーゼンに派遣されていた。
しかし、戦争の波紋はついにこの平和な惑星にも及び、
たった今戦場になったのである。

セントはローブを羽織るとすぐに部屋の窓を突き破って戦場に躍り出た。
既に空はドロイド軍の輸送船で覆われており、あちこちで銃声が聞こえている。
あたりはさっきラジオで言っていた夜空よりよっぽど明るくなっていた。
彼一人ではどうにもならなかった。あまりにも数が違いすぎる。
彼は友人であり治安部隊の隊長であるダズ・ネルソンを頼ることにした。
『ダズ!!ダズどこだ!!』
「セント!こっちだ!!」
物陰から装甲服を着込んだダズが叫んでいた。
セントは巧みにブラスターを弾き返しながら物陰に転がり込む。
『状況は?』
「敵に包囲されてる。部隊が抵抗してるが長くは持たないぞ」
ブラスターがセントの頭をかすめる。状況は最悪だった。
『なんでもっと早く気付かなかった?』
「今まで戦闘なんてなかったからな・・・」
平和であればあるほど最悪の事態のときに弱いものである。
『しょうがない。通信センターに行って援軍を要請するんだ。
 それまで持ちこたえるしかないぞ』
「あぁその通信センターなんだがな・・・」
セントが通信センターのほうを振り返ると凄まじい爆音と共に
パラボラが宙を舞う様子が確認できた。
『・・・もう言ってくれるな・・・』
セントは笑うしかなかった。


―――――――――――――――――――――――――

そのうち続きます。・・・多分


[256] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU [Web] (2006/03/24(金) 22:47 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>247の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――It appears in a knight and a blue night sky.
The person is a person who looks for the sword of gold, too――

――青き騎士、夜空に現れる。
その者もまた、黄金の剣を探す者なり――


6 ――蒼刃――


ハクロはR2の頭部にチップをセットした。するとR2の頭部から、やや斜めで青く、透明な円錐形のホログラムが、滑らかに現れる。それはハクロの足元で止まり、徐々にその円錐形の底面から、『Information on sword of gold』という文字が浮かび上がり、銀河系のマップが現れる。そのマップは、一点に赤い点を浮かべては、そこをアップにし、さらにアップしていく。何かを絞り込んでいるようだ。
そして、ある一箇所で止まった。タトゥイーンという惑星。
「タトゥイーン……。まさか、あんな物騒なところに?」
R2はチップを吐き出し、何をするんだと叫ぶ。しかしハクロはそれを無視し、コクピットに乗り込む。
「早く乗れR2」
R2は渋々、できるだけゆっくりと左翼に乗り込む。そして銀色のジェダイ・スターファイターは、大宇宙へ飛び立つ。
「R2、座標をタトゥイーンへ」


「まずいまずい」
金色の塗装が剥げたジェダイ・スターファイターは、ほぼ墜落の状態で、惑星ウェリスへ。それを操るのは、瑠璃色の輝く鎧を身に纏った騎士。
「よっ、と」
その騎士は、まるでボールを蹴るかのような言い方で、真後ろから迫り来る巨大な戦艦の攻撃を避ける。しかし、避けた後が問題。攻撃は全て電気を纏っていて、その電気が彼のスターファイターの耐久力を確実に奪っていく。
「R4、ウェリスへはあとどのくらいだ?」
軽い口調で、騎士は聞く。左翼のR4-H1は知らねぇ、と答える。
「そうか。兎に角急ごう」
ウェリスはもうすぐそこ。しかし、戦艦の攻撃は途切れない。煙を上げながら、ウェリスの大気圏内へ突入する。


「セヤァッ!」
瑠璃色の騎士は素早くハッチを開け、地上から五十メートル程の空中で飛び降りる。ジェダイ・スターファイターはぐるぐると回転し、地面に突撃。言うまでもなく、スターファイターとR4はバラバラ。
瑠璃色の騎士は、背中から二本の刀を取り出す。片方が三十センチ程度。もう一本は一メートル半程。地面との距離はすぐに縮まる。四十、三十、二十……。
「よっ!」
瑠璃色の騎士は二本の刀をクロスする。
ドォンという地響きと共に、土やら草やらが飛び散る。ウェリスの地に巨大なクレーターが生まれ、その中心に、地に二本の刀を叩きつけて佇む、瑠璃色の騎士がいた。
夜空のウェリスに浮かぶ、美しい月。月の光に反射する、その鎧。メタリックブルーの鎧は、ハクロとはまた違う美しさを感じさせる。
その直後、巨大な戦艦が着陸する。その騎士から二百メートル離れた場所。ドロイドの残骸の上に着地したので、バリバリという嫌な音が響く。騎士の足元にも、ドロイドの腕や足。かなり古いものだろうか。土がこびり付いている。
「アサギ! 覚悟しろ!」
戦艦から、何十人、何百人という兵士が現れる。黒っぽい装甲服を着込み、ブラスター・ライフルを持っている。アサギ、それが瑠璃色の鎧を持った騎士の名。
「覚悟って何のだ? 覚悟するのは……そっちだ」
アサギは相棒の刀、蒼月二刀を構える。
「撃て!」
何千もの赤い光弾が、アサギに向かって飛ぶ。しかし、確実にそれを二刀で撃ち返し、兵士に当てていく。しかし、いくら騎士といえども何百人もの兵士に攻撃されれば、辛いものがある。
「仕方ない」
アサギは無謀にも物凄い速さで駆ける。すれ違い様に攻撃しながら、アサギは戦艦へと向かう。そしていつの間にか彼は、戦艦の格納庫にいた。そして適当なスターファイターに乗り込み、緑色のR2-T8を右翼に組み込み、ハッチを開ける。
「強引だが、しょうがないな」
あなたは何者なの? と、R2は聞く。そのスター・ファイターは、偶然なのだろうか。アサギと同じくメタリックブルーで塗装され、戦闘装備も充実。おまけにハイパードライブも、改造すれば楽に作動できる。
「俺は騎士だ。名前はアサギ」
スターファイターは格納庫を飛び出し、ウェリスを抜ける。しかしジェダイ・スターファイターより少し速度が遅い。宇宙を飛行するが、すぐに追いつかれそうだ。後ろから数機のスターファイターと、巨大な戦艦。スターファイターはこれと同じ機種だ。
「操作に慣れるまで戦闘は控えるか。R2だよな? 名前は?」
R2はR2-T8よ、と名乗った。
「解った。ではR2、座標を……タトゥイーンへ。今は逃げる」

>>262『邂逅』へ続く

========================

新たな騎士、アサギ登場です。展開が速い……


[257] あとで追加するかも・・・・・ 投稿者:灰色の騎士団 hs1tqbc4R2Y (2006/03/15(水) 23:47 T1ZD1AcgidY)

ewok_baby

>>224の続き

ABY1083 銀河標準時間 6月15日 
銀河自由連合、共和国の要求を拒否。徹底抗戦を意表。


銀河標準時間 6月17日
共和国軍、銀河自由連合に宣戦布告。
コルサント上空に第3艦隊、第4艦隊、第7艦隊を中心とした大艦隊を集結させる。


銀河標準時間 6月20日
共和国軍艦隊、コルサントを出立。コレリアを目指し進軍する。


銀河標準時間 6月21日 

共和国軍第3艦隊旗艦 グラディエーター級スターデストロイヤー<ティンプソン>

「フフフ・・・・・・・今に見ているが良い、テロリストどもめ!」
共和国軍第3艦隊司令官アーサー・テルノック大佐は自信に満ちた笑みを浮かべた。スターデストロイヤー、アサルトクルーザー含め200隻以上の戦闘艦、その艦載機含め3000機近くのファイター。前代未聞の大艦隊である。
「銀河自由連合とはいえ所詮は烏合の衆。この大艦隊の威容を見れば、砲火を交える事無く敵が全面降伏するのは目に見えている」
テロリストどもを討伐し、銀河の歴史の一片に自分の名が残る。それはアーサーにとって目に見える事よりも確定された未来だった。


「ふぅむ・・・・・・・・どうも息を殺すというのは性に合わん」
ベルドファッグ艦長はそう漏らした。ベルドファッグは銀河自由連合の軍人で、褐色の肌にカールさせた黒髪という風貌の、豪気そうな風格の軍人である。
「敵艦隊、エリアR6066に到達。作戦開始まであと20分!」
部下の一人が報告する。彼らが乗艦しているのはダークホース級ステルス艦<アシッド・ファング>。あらゆる索敵兵装から逃れられる最新鋭のステルス艦である。
「よし、予定通りだな。包囲艦隊は間に合うか?」
「あと5分程度で配置に着くとの事です」
「よぉし・・・・・・さぁ、気を引き締めろ!」
ベルドファッグは不敵に微笑んだ。


[258] (無題) 投稿者:RAIT epDgtryRTsw (2006/04/04(火) 11:10 bZ7KCz/djMk)

jacen

<暗黒の世>

第一章:危険な依頼

コルサントの深夜うす暗いナイトバーにいたのは大勢の客。その中で、丸いテーブルにしずかに座っているのは1人の賞金稼ぎと依頼人の男だった。「うるさいな、ここは」とイールが「すまない、イール、早速だが依頼を受けてくれないか?」と、もう1が「内容は?」とイールが聞いた「内容は、クローン・コマンダー4人の殺害だ」と少し笑いながら依頼人が言った「簡単だな、報酬は?」とイール「お前は、いつも報酬だな」と依頼人が言うと「ふっ、当たり前だろ金が無いと生きていけないからな」とイールが笑いながら言った。「報酬は、共和国通貨で50000クレジットだ」と依頼人が告げた、しばらく2人はお互いの顔を見て「任務の内容が簡単すぎる、だが今俺には金が無い。ありがたく思えその依頼受ける」とイールは言った。早速イールは席から立ちナイトバーを出た。イールは走り出し道行く人を睨みながら進んでゆく。イールは冷たい男だった、だが、彼にはマランという妻がいた妻とプロトコル・ドロイド、アストロメク・ドロイドだけには心を開いていた。空にはいっぱいのスピーダーやシャトル、タクシーが舞っていた。イールは自分のスピーダーが止めてある。停留場へと向かっていた。イールは疲れながらも停留場に到着した。そして、自分のスピーダーに乗り込んだ。だが、スピーダーといってもスター・ファイターのような外見だった。自分で作ったスピーダーだったので強化や改造が何回も施されてきているスピーダーだった。イールはエンジンを掛けてコルサントの空へと飛んでいくのだった。そして、依頼人の男もバーから動き始めたそして近くにあったナイトバーに入り、待ち合わせしていた賞金稼ぎと会話を始めた「セネイト待ったか?」賞金稼ぎの名はセネイトだった。「いいや、俺も今来たところだ。それで依頼の内容は?」とセネイトが聞く「このメカに乗っているやつを殺せ」と冷たい低い声がホログラム投影機を出したのと共に言った。その、ホログラムに写っているのはイールのスピーダーだった。そのホログラムを見たとき「いいだろう、報酬は?」とセネイトが聞く、そうすると依頼人が「お前も、報酬かイールみたいだな」と言う「イール?」とセネイトが聞く「いやいや、なんでもないそれより報酬だろ、報酬は共和国で50000だ」と焦りながら依頼人が言うと「Okだ依頼を受ける」そうセネイトが言うとセネイトは依頼人が持っていたホログラムを取ろうとする。だが、依頼人はホログラムを渡さずに「何をする、やめろ」と怒りながら依頼人が言うとセネイトは手の平を少し上下に揺らしたセネイトがそうすると依頼人は「いいだろう、貸そう」と言った。


この後も更新をしていきたいと思います。


[260] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM [Web] (2006/03/16(木) 20:24 hdEq1FJYr5E)

anakin_solo

スーパー級スターデストロイヤー<エクゼクター>の廊下にコツコツとブーツの足音が鳴り響く。その原因はダース・ヴェイダー、別名暗黒の執行者、パルパティーン皇帝が支配する皇帝の悪の象徴だ。銀河にはダース・ヴェイダーがアナキン・スカイウォーカーだと知る者はほとんど居ないだろう。そのダース・ヴェイダーが瞑想室に向かって歩いている。その廊下を歩いている帝国軍士官はすぐに道を開け警戒する。ダース・ヴェイダーの力を知っているからだ。ダース・ヴェイダーが歩いていると彼の前に顔も知らない将校が立っていた。
「ヴェイダー卿、お急ぎの所、失礼ですが、反乱同盟軍が惑星第2ヴァースに現れました。どう対処すますか?」
「私が向かう。惑星第2ヴァースに向かえ」
と呼吸音を発しながら告げた。
「わかりました。ヴェイダー卿」
と一言言うと駆け足で司令室へ向かう。その姿を見ながらダース・ヴェイダーは瞑想室へ入っていった。その瞑想室はヴェイダー専用に作られた物だ。中は豪華な作りになっている。そこでしばしヴェイダーは昔の事を思い出していた。アナキンはコルサントで死んだ。そう自分に言い聞かせるが奴隷だった頃のことを思い出す。だが、彼はヴェイダー、もう、アナキンではない。だがもう一つ頭の中に残っている物がある。
パドメ・・・・・・・・・ そうパドメを思い出す。あの時オビ=ワンが現れ無ければパドメと銀河を支配していたのに・・・・・・ だが終わったこと、悔やんでも仕方ない。と考えていると後ろの扉が開く音がしたのだった。そこからは将校が現れ、
「ヴェイダー卿着きました」
と一言言い残し消えて行った。その言葉を聴いたヴェイダーは瞑想室を出て行った。アナキンの思い出とともに・・・・・・・


[262] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU [Web] (2006/03/20(月) 21:38 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>256の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――The meeting is too a coincidence.
It is an almost miracle that the knight meets the knight――

――その出会いはあまりにも偶然。
騎士と騎士が出会うことは、ほぼ奇跡――


7 ――邂逅――


銀河は今、めまぐるしく、驚異的なスピードで混乱していた。ジェダイ・マスター、オビ=ワン・ケノービが惑星カミーノでクローン兵を製作されているという情報を手に入れ、それが流出したからだ。無論、ハクロもアサギもそれを知っていた。しかし、そんなことは騎士にとって直接関係は無い。そのクローン兵がジェダイと行動を共にするのなら話は別だが。騎士を殺害するために、彼らを追って来る。しかし、そこにクローン兵が数人着いてくれば、何かしらの壁となる。それにクローンがジェダイ並の力を持っていたら、かなり邪魔な存在だ。
ハクロの白銀のジェダイ・スターファイターは、タトゥイーンの軌道上を飛行する。取り敢えず、この物騒な砂漠の惑星に通信をする。
「ポイント8地点の着陸スペースが空いている」
「解った」
ハクロは返事をし、タトゥイーンの地に向かう。やはり、いたるところに賞金首の影がちらちら。ハクロは降り、鎧をがちゃつかせながら、黄金の剣を探す。探すと言っても、意味も無く歩き回るだけ。こんな広い惑星で、ただでさえ嫌な奴らがうろついているここで、一本の剣を探すのは至難の業。ジェダイですら難しいだろう。ここは情報屋に聞くしか他無いが、問題は金。
「R2、この辺りで金貸しは?」
R2は知らない、と言う。丁度ローディアンとアンザーティの男がもめているところだった。
「賞金首だ」
ハクロは照りつける太陽を指差す。ハクロが示すのは、太陽をバックに飛ぶニクト。背中につけた巨大なジェットパックが目立つ。しかし、誰もそのニクトを見ようとせず、喧嘩を観戦している。ハクロは空飛ぶニクトの方へ足を進める。そして次第に走り出す。家々の屋上を跳び、ニクトの真下に来たところで飛び上がる。その高さ五十メートル程。銀牙刀を抜き、ジェットパックを切り裂くと、爆発し、ニクトは落下。砂の地面に叩きつけられ、ニクトはぐったりと仰向けで倒れる。ハクロは静かに着地し、銀牙刀を収める。
「来るんだ。貴様には金になってもらう」
彼の直ぐ後ろに、R2が戻ってくる。


ハクロは着陸スペースを守るザブラクの警備員にニクトを引き渡した。ハクロは取り敢えず賞金の一割、10000クレジットをもらい、情報屋へと急ぐ。その後をR2が懸命に追う。
その時、奇跡が起こった。銀色の騎士、ハクロの前に、瑠璃色の騎士、アサギが通ったのだ。騎士が出会うと言うことは珍しく、共闘など、ほぼ有り得ない。理由は簡単。同じ黄金の剣を探す、言わば敵だから。それに騎士の数は少ない。銀河中を探しても、百人程度しかいない。ハクロは光り輝くその騎士を見つめ、後をつける。ハクロとアサギの鎧は、とても似ていた。色が違うのと、ハクロのほうが少しごつごつとしていて、アサギは少しシャープだ。
二人の騎士は、誰も居ない大きな広場に着いた。二体のR2は少し離れた場所で、何やら会話をしている。
「さて」
アサギは振り向き、そう言う。ハクロは素早く銀牙刀を抜き、八相の構えをとる。アサギも蒼月二刀を抜刀し、ハクロを見据える。
「珍しいな。騎士同士が出会うなんてさ」
アサギは軽く言い、地面を蹴る。ハクロも走り出し、刃と刃をぶつける。火花が迸る。二人の騎士は、お互いに太陽の光を反射させて、美しく輝きながら、宙返りをして距離をおく。

>>274『剣戟』へ続く

========================

まーた戦闘。


[264] (無題) 投稿者:・クライド 9dN18uy/K8E [Web] (2006/03/17(金) 18:41 oEzXrE3GNZQ)

cut_anakin

>>255の続き

「満月の下より」

第2章「入り口」

「[絶望的な状況]ってのはきっと今の状況を言うんだろうな・・・」
額に突きつけられている鉄の右手を見ながらダズが言った。
『そういうなよ・・・今俺が作戦考えるから・・・』
苦し紛れにセントは言ってみたが、通信センターは破壊され、治安部隊は壊滅、
その上ドロイドが目の前で銃を突きつけている。
されにその後ろにはドロイディカが転がっていた。
「手ヲ上ゲロ」
ドロイドが冷たい声で言った。
「いいプランは浮かんだか?」
『・・・悪条件のため中止だ』
セントはため息混じりに言った。

二人はドロイドに囲まれながら歩かされていた。
どの建物からも生気は感じられず、冷たい金属の足音が聞こえるばかりである。
二人の前には巨大な輸送船が見えてきた。
『ダズ・・・合図したら倒れろ・・・』
「・・・? 合図って何だよ・・・」
すると突然、セントは思いっきりダズを蹴飛ばした。
「グハァ・・・」
ダズが倒れたことにドロイドは気をとられている。
その隙にセントはドロイドからライトセイバーを取り返し、ドロイドを鉄屑に変える。
『大丈夫か?』
「相変わらず強引だな・・・」
『ほら、さっさと銃を奪え。行くぞ」
「・・・どこに?」
『応援を呼びにさ。奴らの船なら立派な通信装置がある』
セントは輸送船を指差しながら言った。
「あれに乗るのか!?」
『そうだ。さて、まずはヒッチハイクだ』
彼の視線の先にAATの一団があった。

―――――――――――――――――――――――――――――

続く・・・おそらく。


[265] (無題) 投稿者:Mr.Ratamacue vId3OjBL2S. [Web] (2006/03/17(金) 21:26 CFXSbYEpMmM)

quigon

──これまでのお話──
>>254

デュオ・サンライダー 師の遺産 #2

 デュオの目の前には果てしなく続く草木、そしてその奥には巨大なデススティック生産工場が
姿を見せていた。闇夜の中でも工場は稼動し続け、煙突から灰色の煙りをもくもくと空へ放つ。
そのためか周囲一帯には異臭が漂い、草木は枯れているものがほとんどだ。
地面には水分が飛んでぱりぱりになった葉や小枝が散乱し、歩くと驚く程鮮明に足音が響き渡る。
だが、心配する必要はなかった。夜行性の獣達が常に鳴き続けているため、足音はかき消される。
周りの状況を上手く利用すること、これは潜入任務における極意である。
この極意をマスターした者は大概が一人前だと認められる。それ程、難しい技術だとされているのだ。
 しばらくこの不気味なジャングルを歩くと、五メートル程の高さをもつ二棟の見張り台が姿を現す。
白いスポットライトが常にあたりを照らし続け、部外者の侵入を許さない。
デュオは歩くスピードを落し、見張り台に登っているであろう監視兵を肉眼で確認できる所まで近づき、
草むらに身を隠す。
草と草の隙間から見張り台を観察すると一つの棟につき二人、合わせて四人の監視兵が置かれている事がわかる。
このまま正面突破を図れば、敵に発見され殺されることは必至だ。
 しかし、デュオ・サンライダーはジェダイである。
手をかざして少し念じるだけで、スポットライトをショートさせることも出来るし、
見張りをちょっと浮かし、思いきり壁に叩きつけて気絶させることも出来る。
だが、彼はあえてそうしない。何故なら、フォースという"裏技"を使わなくても彼には
鍛え抜かれた肉体が、知恵が、抜群の射撃のセンスがあるからだ。
 デュオは腰のホルダーからぴかぴかに磨き上げられた黒いボディーの麻酔銃を取り出す。
寸分の狂いもなくしっかり狙いを定めると、引き金を引き、目にも止まらぬ速さで四人の兵士を一気に眠らせる。
 その瞬間に彼は草むらから飛び出す。麻酔の効く時間はほんの数分。たらたらしている場合はない。
風を切り裂く矢のごとくデュオはひたすらに走った。足場の悪い砂利道で時折、バランスを崩しそうに
なるが止まらず着実に工場のゲート向けて疾走する。
その甲斐あってほんの数十秒で目前までくることが出来た。しかし、何もかもが上手くいく訳が無い。
後方から複数のトラックスピーダーのエンジン音が聞えてきたのだ。
だが、デュオはそれにうろたえる事なく、冷静に司令官に訊ねる。
「バウワー、この時間帯は原料輸送スピーダーはこないはずだろう?一体どうなっているんだ。」
デュオは辺りを見まわし、隠れることの出来る場所を探したが見当たらない。
トラックの眩いフロントライトに一瞬でも姿が照らされれば終わりだ。まさに絶対絶命である。
「デュオ、よく聞け。工場の周りには堀があるはずだ。そこに飛び込め。水が張ってあるから大丈夫なはず。」
司令官の指示を聞いている間にもトラックはデュオの背後へと迫る。
「飛び込め!」


[266] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/03/27(月) 22:57 koT9rzbXALs)

polis_massan

CHAPTER6(>>241)の続き

CHAPTER7
ウロスが寝ている部屋にトレンダーが慌てて入ってきた。
「ウロスさん、急いで逃げましょう!山の方に、ウロスさんが宇宙船を隠している海岸への近道になっている洞窟があります。」
ちょうどウロスとトレンダー、カインのベビーカーを押しているディアリーが家を出た時、無数の太い光が地上に降り注ぎ、幾つもの建物を粉々にしていった。帝国軍が軌道上から地上への爆撃を始めたのだ。それと共に人々は慌てて蜘蛛の子を散らしたように逃げていった。
「ああ、俺の家が!まだローンが残っていたのに!」
「お母さん、怖いよ。」
「ぼうや、速く逃げるのよ。」
突然の攻撃に人々がどこへ逃げて良いのか分からず戸惑っている間に、無数の帝国軍のガンシップが1台、また1台と地上に近づき、それらの荷台からは数え切れないほどのトルーパーや、何台ものAT-TEなどの地上用兵器が地上に降り立った。それらの先頭ではダース・ベイダーとコマンダー・ユリエルが乗ったシータ級シャトルが降り立ち、ベイダーがコムリンクを通してガンシップや地上用兵器の乗員、既に整列しているトルーパー達に向かって指令を出していた。
「建造物は軌道上のスターファイターが破壊しているから、おまえ達は洞窟などの外から見えにくい地形の場所を中心に探せ。それから、一般人は極力殺さず、生け捕りにしろ。“ある人物”との取引だからな。」
『イエッサー。』

その頃、ウロス達は都市から北へ2,3キロほど進んだ所にある山の中腹にある洞窟へと向かっていた。そして1標準時間ほど経った頃、彼らはようやくその広い洞窟へと差し掛かった。
「ここに、あの海岸への近道があるんですか。」
「はい。ここなら直撃しない限り、爆撃を受けてもどうにか耐えられると思います。」
「そうですか。それにしてもかなり暗いですね。カインもいることですし、あなた方はしばらくこの辺で隠れていてください。私が中の様子を見てきますから。」
「ウロスさん、明かりを持たずに入って大丈夫なのですか?」
「大丈夫です。私にはフォースが付いていますから。」
そう言うと、ウロスはフォースを通して周囲に意識を張り巡らせながら、ゆっくりと洞窟の奥へ進んでいった。それから彼は10分ほど洞窟の奥へと進んでいったが、特に変わったことは起こらなかった。
「これなら、トレンダーさん達を呼んでも大丈夫かな?」
その時、突然入り口の方からブラスターの音が聞こえてきた。
「ドドドド!」
「ぐわっ!」
「何だ?」
ウロスは慌てて入り口の方に走っていった。彼がだいぶ入り口に近づいてきた時、入り口からゆっくりと青と白の装甲服を着たトルーパーが入ってきているのがウロスの目に入った。トルーパーはウロスの姿に気が付くと、懐からホログラム投影機を取り出してスイッチを入れ、黒い装甲服を着た大男のホログラムを映し出した。
「ベイダー卿、ターゲットを発見しました。場所は38644地点の洞窟です。」
『分かった。コマンダー・ユリエル、即刻始末しろ。』
「イエッサー。」
その時ウロスは、ユリエルの後ろでトレンダーとディアリーが血を流して倒れている事に気付いた。
「トレンダーさん!ディアリーさん!」

CHAPTER8(>>285)に続く


[268] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM [Web] (2006/03/19(日) 21:12 L/33L4RGsxs)

anakin_solo

>>253の続き

<真紅の光刃>


U ーー奇襲ーー

宇宙空間を漂うゾアダの宇宙船<ジェダイハンター>は惑星タトゥイーンへ向かっていた。今頃ながら宇宙は広い、ゾアダはR2-D7に話しかけながら宇宙船を操縦していた。周りの宇宙空間には宇宙船は一隻も居なく、妙に寂しい。退屈そうにしているゾアダはホロネットをつけた。たちまちこんなニュースが流れた。
惑星ジオノーシスで分離主義者と戦闘が起こり、クローントルーパーが撃退しました。と、だが、ゾアダには関係無い。むしろ助かるくらいだ。ジェダイさえ死ねばどんな戦争が起ころうと構わない。それが彼の主義だった。ホロネットニュースを見ているうちに惑星タトゥイーンに近づいた。だが、宇宙船が突然揺れた。計器は敵の攻撃を表している。すぐにレーダーを確認すると50mほど後ろに宇宙船が飛んでいるのが表示されている。


[270] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/03/19(日) 21:16 imMw5OCt6Sc)

kyp

遠い昔、遥か彼方の銀河で・・・


S T A R
W A R S

EMPIRE EPISODE T

ジェダイは死に、共和国も死んだ
パルパティーン皇帝の帝国がはじま
ったのだ。銀河の惑星では帝国に対す
る反乱組織が増加し、帝国軍はそれを
鎮圧するため戦った。ストーム・トル
―パー部隊は必死に帝国のために戦って
いたのだった・・・・・

――――――――――――――――――――――
■CHAPTER 1

シャトルがナブーの格納庫に着陸した。シャトルのハッチが開き、ストーム・トルーパーのグランド・フォースが一人一人降りてきた。帝国軍兵士の純白の装甲を光らせて・・。

ナブーの市街。いつもなら人々が歩き、美しい街であるはず。だが今日は反乱軍とグンガンが帝国軍基地を襲ったため市民が混乱し、逃げ惑っている。やがて反乱軍とグンガンは市街に入ってきて市民を誘導しはじめる。ここでストーム・トルーパーのエリート部隊、グランド・フォースの一団が到着した。純白のトルーパー達はブラスターで反逆者を撃ち始める。
「援護してくれ!」少尉のエリガ―・トックは仲間に言った。彼は建物の影に隠れて激しい銃撃戦をしている。グンランド・フォースのコマンダー、ナゴスー大佐はすぐに駆けつけた。ナゴスーの装甲服の緑色の肩当が印象的である。
「まだまだだな。」ナゴスーはエリガ―をおちょくるように言うと、ブラスターで敵兵を撃ち殺す。
「ええ。まだまだですよ。」エリガ―は言い返す。
「帝国軍基地をまず自由にしなければな。テロリスト達をあっと言わせてやる。」ナゴスーはそう言うと走り出した。エリガ―も後に続き、近くにいた仲間はついてきた。
―――――――――――――――――――――
→■CHAPTER 2 >>271


[271] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/03/20(月) 18:35 imMw5OCt6Sc)

kyp

遠い昔、遥か彼方の銀河で・・・


S T A R
W A R S

EMPIRE EPISODE T

ジェダイは死に、共和国も死んだ
パルパティーン皇帝の帝国がはじま
ったのだ。銀河の惑星では帝国に対す
る反乱組織が増加し、帝国軍はそれを
鎮圧するため戦った。ストーム・トル
―パー部隊は必死に帝国のために戦って
いたのだった・・・・・

――――――――――――――――――――――
■CHAPTER 2

エリガ―とナゴスーはグンガンの死体をまたいで基地に入りこんだ。反乱軍の歓迎を受けた二人は他の隊員とともにそれを撃ち、さらに奥へと向かった。司令室では数人の将校とトル―パーが拘束されていた。エリガ―達は見張りの反乱軍兵士を倒すと将校達を自由にした。
「ありがとう。グランド・フォースだね。まったく噂通りのエリートだな。」将校は喜ぶ。
「いえ。仕事ですので。」ナゴスーはそう言った。そしてエリガ―に合図し、仲間とともに基地内の敵兵を倒した。将校達は自由になったため外の仲間と連絡を取り、指示を出した。

ロジャー・セリックは他のストーム・トルーパーと同じように純白の装甲を太陽で光らせて戦っていた。
「こちらセリック、エリア3は確保した。」ロジャーはヘルメットの通信機で部隊長ナゴスーに連絡した。
『よくやった。こちらは基地を確保した。あとは市街のあちこちにいる生き残りを片付けろ。』ナゴスーは言った。
「了解。」ロジャーは言った。

反乱軍の兵士はグンガンとともに建物の影に隠れていた。
「もうおしまいだ。ナブーはなんとしても解放したかったが・・」兵士は言った。グンガンもうつむいた。
「撤退しよう。」全員が賛成し、すぐに街を出ることにした。が、時既に遅し。
「動くな。」ナゴスーはストーム・トルーパーのヘルメットごしにそう言った。少数の反乱軍兵士に対し、グランド・フォースはもっと多かった。降伏する反乱軍。
ナブー守備はこうして終わった。グランド・フォースはエリートなのである。
―――――――――――――――――――――
→■CHAPTER 3 >>272


[272] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/03/20(月) 20:42 imMw5OCt6Sc)

kyp

遠い昔、遥か彼方の銀河で・・・


S T A R
W A R S

EMPIRE EPISODE T

ジェダイは死に、共和国も死んだ
パルパティーン皇帝の帝国がはじま
ったのだ。銀河の惑星では帝国に対す
る反乱組織が増加し、帝国軍はそれを
鎮圧するため戦った。ストーム・トル
―パー部隊は必死に帝国のために戦って
いたのだった・・・・・

――――――――――――――――――――――
■CHAPTER 3

帝国軍の宇宙ステーション<ステーション1138>。グランド・フォースの搭乗した帝国軍シャトルがステーション1138のベイに入っていった。シャトルは唸りながらベイに着陸した。やはり白く光った装甲兵士達が降りてきた。
「やあ、またしても活躍してくれたな。」グランド・フォ―スを迎えたのは帝国軍将校、ギルナ―ル将軍だ。ナゴスーは将校に礼をするとヘルメットを脱いだ。
「ありがとうございます。これでナブーは安全です。」ナゴスーは言った。
「ああ、だがまたすぐに旅立ってもらうことになる。実は先程、ポリス・マサに反乱軍の一団が隠れているという報告を受けた。知ってのとおりムスタファーの近くにある小惑星だがね。医学的にかなり進歩している。反逆者の手に渡してはいけない。行ってくれ。」ギルナ―ルは言った。
「もちろんです。」ナゴスーはお辞儀した。グランド・フォースの隊員は再び旅立った。

ポリス・マサ。医学的に利益のある小惑星。ポリス・マサ人は長い間孤立して暮らしていたが帝国によってこれも崩れる。かつては虐殺を逃れたジェダイ騎士が避難所に選んだ場所でもある。反乱軍はここを新たな加盟者としようとしているのだろう。
「帝国軍が来るのも時間の問題です。中佐。」兵士は言った。中佐と呼ばれた反乱軍士官はだまったままだ。暗い宇宙の空を見ている。そしてようやく口を開いた。
「やつらが来たら殺せばいい。それだけだ。」彼は言った。コート・マド―フ中佐は後ろを向くと歩き出した。
「皆、帝国軍がやってくる。すぐに戦闘の準備をするのだ。やつらに我等の強さを見せよう。」マド―フは言った。
――――――――――――――――――――
→■CHAPTER 4 >>273


[273] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/03/20(月) 20:41 imMw5OCt6Sc)

kyp

遠い昔、遥か彼方の銀河で・・・


S T A R
W A R S

EMPIRE EPISODE T

ジェダイは死に、共和国も死んだ
パルパティーン皇帝の帝国がはじま
ったのだ。銀河の惑星では帝国に対す
る反乱組織が増加し、帝国軍はそれを
鎮圧するため戦った。ストーム・トル
―パー部隊は必死に帝国のために戦って
いたのだった・・・・・

――――――――――――――――――――――
■CHAPTER 4

帝国軍シャトルと輸送船がTIEファイターの護衛を従えて小惑星ポリス・マサに到着した。暗い雰囲気だ。そしてとても静かだった。
「二手にわかれよう。オズ、」ナゴスーは一人のトルーパーを呼んだ。
「お前はジェルとジクと3人でUチームを指揮し、Tチームは私とエリガ―とロジャーが指揮する。」ナゴスーは言った。グランド・フォースは大きく二つに分けられることが多かった。数十名のストーム・トルーパーはその場で散らばった。

ナゴスーはロジャーとエリガ―の二人とともにその他のトルーパーを指揮して医療施設内を歩いていた。そして反乱軍の兵士の一団と出くわす。
「撃て!」ナゴスーが指示した。兵士達は撃ち合った。エリガ―は壁の陰に隠れ、他のトルーパーもそれに習った。
「熱爆弾だ!速く!」ナゴスーは叫んだ。エリガ―はサーマル・デトネ―ターを取り出してスイッチをONのするとそれを奥にいる反乱軍の一団に投げ込んだ。他のトルーパーもいくつか爆弾を投げる。たちまち通路は煙にまかれ、反乱軍兵士は死んだ。
「行こう、」ナゴスーは指示した。Tチームはさらに奥に進んだ。
一方、Uチームは小惑星の岩場で戦っていた。オズは医療施設のなかから光が飛び出したのを見て不安になったが自分の前にいる兵士に目をやった。
「援護しろ!」ジェルが叫んだ。了解と言う返事とともに一人のトルーパーは駆け寄った。
「コマンド・ポストを守れ!」ジクも指示した。状況は押されている。反乱軍はさらに出てくる。ブラスターの光弾が飛び交い、当たりは煙に巻かれた。
「ロジャー、後ろ!」ジェルがロジャーの後ろにいる敵兵を撃ち殺す。
「ありがとう。」ロジャーは向きを変えて敵を撃った。
「AT-STはまだか?」ロジャーは尋ねた。
「来たぞ!」ジェルが指差した。指の先には2歩足で歩く地上兵器AT-STがあった。輸送船から3台ほど送られてきた。
「援護射撃を頼む!」ロジャーは通信機でAT-STドライバーに伝えた。
『了解。』AT-STの登場で状況は一転した反乱軍兵士はこの大きな新手に苦しんだ。岩場は完全にグランド・フォースの流れだった。
「コンバット・スピーダーだ!」ジェルがサーマルデトネ―ターを投げた。反乱軍の戦闘スピーダーが現れたのだ。

ナゴスーはまたしても狭い通路で戦っていた。一番前の列にいたトルーパーは倒れていく。
「場所が悪い!」エリガ―が訴えた。
「仕方ない。爆弾を投げ込んであっちへ逃げるぞ!」ナゴスーは言った。敵兵に飛んでいった爆弾は通路を炎と煙につつみ、ゴーグルもヘルメットも着用していない反乱軍兵士の視界を奪った。ナゴスーの部隊が通路を逆戻りし、広いフロアへやってきた。ここにも反乱軍の兵士はいた。広ければやりやすい。エリガ―は思った。
「コマンダー!こっち!」エリガーがナゴスーを呼んだ。柱の影に隠れた。
「外の様子は?」ナゴスーは尋ねた。
「AT-STとコンバット・スピーダーが戦っています。我々が押しています。」エリガ―がブラスターを撃ちながら言った。
「こっちもがんばらなくては!」ナゴスーは言った。
――――――――――――――――――――
→■CHAPTER 5


[274] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU [Web] (2006/03/24(金) 22:44 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>262の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――Knight fighting against the knight
People are launched a war and the same thing――

――騎士と騎士が争うことは、
人々が戦争を起こすのと同じこと――


8 ――剣戟――


「マスター・ヨーダ」
話し合いが終わったジェダイ評議会。ジェダイ聖堂の廊下で、もう指定席のようになってしまった大窓の前に、マスター・ヨーダは佇んでいた。朝と夜とは違う、日中の顔を見せるコルサントのビル群を眺めている。マスター・ウィンドゥは彼に話しかけ、昨晩と今朝と同じように、ヨーダと一緒に景色を眺める。
「マスター・ケノービが発見したクローンは一体……?」
ヨーダは首を傾げる。大分疲れているようだ。
「愚問でしょうが、マスター・モートは……やはり?」
景色から目を外し、ウィンドゥが聞く。ヨーダは低く唸り、一息つくと、大きく頷いた。ウィンドゥはモートに対し、哀れをかけた。そして真実を否定するように、首を振った。
「そもそも騎士に立ち向かうこと自体、馬鹿馬鹿しいことなのでしょうか……?」
ウィンドゥは独り言のように、ポツリと呟く。ヨーダは首を振る。
「それこそ愚問じゃ、マスター・ウィンドゥ。弱き者が強き者に立ち向かうことが、それ程馬鹿馬鹿しいかの?」
ウィンドゥは大きく首を振ると、真昼のコルサントの、まるで絵に描いたような景色を再び眺める。
「力無き者たちが百人集まれば……一人の力は百倍になるんじゃ」
ヨーダはウィンドゥを見てにやりと笑い、ウィンドゥもその笑みの意味を理解する。
もしかしたら、今日が騎士達の年貢の納め時かもしれない。ウィンドゥは心の中で微笑した。


ハクロはダッシュし、アサギを斬りつけようと縦振りをするが、アサギはそれを受け止め、中段蹴りをお見舞いする。ハクロはモートとは比べ物にならないその力に、驚きと喜びを感じる。ハクロは回転しながら吹っ飛び、にぎあう大通りに出てしまう。
「おい! 何だテメェ!」
トランドーシャンの男がハクロに詰め寄るが、銀牙刀の餌食に。その光景と、アサギがドリルのように回転しながらハクロに向かって来た為に、人々は混乱しながらも逃げる。ハクロはそのメタリックブルーのドリルを銀牙刀の刃で受ける。蒼月二刀と銀牙刀との間で火花が散る。回転が弱まってきたところで、ハクロは銀牙刀を思いっきり下げ、アサギを地面に叩きつける。うつ伏せに倒れたアサギは素早く立ち上がるが、銀牙刀の方が速い。アサギは胸に火花を散らしながら吹っ飛ぶ。逃げまどう人々の方へ。
「ふぅ……!」
二本の刀が、押合い圧し合いしている人々を貫きながら、ハクロの方に向かってきたのを見て、銀牙刀で弾き返す。そして相棒を空高く放り上げる。すると計三本の刀は、動物のように戦い始める。
「面白い……」
「セヤァ!」
アサギは滑空しながらハクロへと向かってくる。ハクロはそれを跳び蹴りで防ぐ。アサギはその場で倒れるが、
「瑠」
と呟く。すると蒼月二刀の一本が、ハクロの背後へ回って斬りつける。火花が散り、ハクロは跪く。それに怒ったかのように銀牙刀が蒼月二刀・瑠を斬りつける。
お互いは側転をして距離をとり、相棒の名を呼ぶ。銀牙刀はハクロの手へ、蒼月二刀はアサギの手へ。
「ヘヤァ!」
「セヤァ!」
二人の騎士は刃をぶつけ、斬っては斬られ、斬っては斬られを繰り返す。そしてお互いの喉元に刀を突きつける。
「……ん?」
丁度その時、ハクロには聞き覚えのある音が聞こえた。巨大な戦艦が着地しようとしている。インフォメーションSの戦艦だ。
「貴様もここにいれば不味いことになるぞ」
ハクロはそう呟く。
「どういう意味だ?」
「追手だ……」
ハクロは静かに言う。音が増えた。何機ものジェダイ・スターファイターが飛ぶ音だ。騎士は素早く刀を鞘に戻し、互いに背を向ける。
「ここは……協力しかないな」
アサギは空を見回しながら言う。ハクロは頷き、柄に手を掛ける。

>>281『協力』へ続く

========================

事前に『共闘など、ほぼ有り得ない』と書いておいたので、少し予想外だぁと思っていただければ幸いなのですが^^;


[275] (無題) 投稿者:古畑隠三郎 9xk5mfOT6D2 (2006/03/21(火) 22:25 GQ8cSGcdaeE)

obiwan_ep3

『行け!行け!行け!』
『弾薬を!』
『衛生兵!衛生兵!』
戦場での騒音に紛れて兵士の叫びが聞こえる。
だが、今はそれどころではない。
『伏せろ!!!』
「みんな急げ!あと少しで合流ポイントだ!」
そう、彼は合流ポイントにさえ着けば仲間が増える事は確実なのだ。
「さぁ、早く!」
『頭を狙え!』
彼は味方に指示を出す。
彼らは走りながら撃つ。
『バクタを!!』
合流ポイントへと。
「もう少しだ!」
彼は仲間に叫んだ。
『マリンダーー!!』
と、同時に。
自分の足元に小さな球体があることに気づく。
そして、球体は、

爆発した。

『ミサイルが来るぞ!!』
『手榴弾を!!』
『衛生兵!衛生兵!』
『バッテリーを・・・・・・・

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
どうも、なんだか最近へたっぴなことに気づいてきたインミツくんです。
今回は「どっかで読んだ事ありそうだったけどとりあえず書いてみた」の一つです。
まぁ、いっかって感じですが。
感想キボンね


[276] (無題) 投稿者:お水(別PC) uSjIVp7Zz06 [Mail] (2006/03/22(水) 13:06 pr.VnULvJxw)

bly

昔の対戦
帝国軍の第2デススターが破壊され2年、年寄りの元帝国軍兵士レーザーの家には1つの日記がある
レーザーはたまたま家の整理をしていた
レ「おや、これは・・・・・懐かしいな私がまだ共和国軍の兵士だった時か。」
1日目
ついに俺は共和国の兵士になった名前はレーザーついにジオノーシスに出撃することになった

  クローン戦争開戦直後 ジオノーシス
パイロット「こちらガンシップ3221発進する。」
司令官「了解トルーパーの諸君ようこそジオノーシスへ最初の任務は着陸地点の近くに墜落したガンシップの船員を救出だ近くにはバトルドロイドがいる注意しろ。」
ウィィン、プシュー
ガンシップが着陸ブラスターを手にレーザーは攻撃をした
トルーパー1「到着だよし行け、行け。」
ピュ、ピュ、ピュン
ドロイド1「ウワァ。」
ドロイド2「ギャア。」
ト1「ガンシップ発見あれは。」
なんとホーミングスパイダードロイドが
ビューン、ボーン
ト1「うわー。」
ト2「誰か何とかしろ。」
ト3「あのガンシップの砲台はまだ使えますあれで破壊しましょう。」
レーザー「俺がやる。」
ト2「気よつけろよレーザー俺たちが援護する。」
ババババババッ
ト2「さあ行くんだ。」
タタタタタタッ
レ「砲塔作動ピッ、ピッ、ピッ」
ウィィン
ピューーーン
ドガーン
レ「命中だ。」
ト2「よしよくやったレーザー仲間を助けろー。」
ト4、5、6、7「助かった。」
ウィィン、レーザーが乗って来たガンシップが他のトルーパーを運んだ
第2章
SPHA-Tの援護
次の命令だhttp://www.starwars.jp/machine/republic_army1.html#at_teを投下するエリアを確保しろ
バババババババババッ
5分後ついにドロイドを破壊
ふうとレーザーは一息1分後AT-TEが投下された
司「そのAT-TEを使いながら進路のドロイドを破壊して進め。」
ウィィン、ガシャン、ガシャン、作動したウォーカーに初めて乗ったレーザーはこう思った
レ「すごいぞこのウォーカーなんていうマシンだ。」
ドロイドを破壊しながら進んでいくとSPHA-Tの攻撃ポイントに着
いた・・・・・・・・・・・・


また明日書きます


[278] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/07/22(土) 15:56 TH23NU/yN/c)

emp_statue

After story of >>252


 5


 帰って一番格納庫へ。ラックはまだエンジンをいじっていた。
 そんなことはお構いなしに、僕はコクピットにもぐりこむ。
 ぐっと踏ん張って、座り込んだ。キャノピーはあけたままでもいい。
 やっと、自分のいるべきところに戻ってきたような気分だった。
「どうした?」ラックの声。
「別に。トラブルの原因まだ分からないの?」
「うるせーよ」
 カチャカチャと金属音。こういう音も、嫌いじゃない。やっと自分が戻ってきた気がした。
 宗教なんておかしなもの、何で皆入るんだろう。あの教会というところには一種の魔力があるんじゃないだろうか。もう、二度と行くまい。
「街は楽しかったか?」
「全然」
 ラックは笑った。
「そうだろうな。トムといったんだったよな? なら行く場所は三つだ」
 金属音が止む。考えているんだろう。
「つまらないって言ってるってことは、あの喫茶店じゃあ無いな。あれはいいところだ。んー……教会だな」
「正解」
 僕は溜息をついた。ラックはけらけらと笑う。
「ほんっとつまんねぇ所だよな」
「ラックは宗教入ってないの?」
「天才は己の腕のみ信じる」
「あぁ、全く同意見だ」
「なんだ? お前、天才気取りか」
 お前が言うな。
「別に。僕はただの戦闘気乗り」
「うむ。天才は俺だけでいい――お?」
「何」
「トラブルの原因、わかったぞ」
 そう言って彼は笑った。
「何だと思う? こっちきて見てみろよ」
 僕は返事をして、立ち上がった。翼に降りて、ラックの隣に行く。
 彼は問題の箇所を手で示した。
 そこには。
 半分焦げた。
 靴下があった。
「……こりゃ傑作だ」
 僕は笑った。

 NEXT Episode >>314


[279] (無題) 投稿者:お水(別PC) uSjIVp7Zz06 [Mail] (2006/03/22(水) 21:53 pr.VnULvJxw)

bly

第2章
続編SPHA-Tの援護
SPHA-Tはもう攻撃位置に着いていた
ト5「攻撃用意だ」
ト6「攻撃用意」
ウィィィン、砲台が目標身に向いた
ト5「ロックオン。」
ト6「ロックオン準備よし」
ト5「ファイヤー」
ピューン、ドガーン
ト6「命中しました」
ト5「よしいいぞ撃てー」
ドーン、ドーン、ドーン
ドガーン、ボーン
レーザーはただ見ている事しか出来なかった
ト1「スパイダードロイドを発見しました」
ト2「今、SPHA-Tはレーザーをチャージ中だドロイドを撃てー」
ドーン、ドーン、ウォーカーの攻撃の音が鳴りながらジオノーシスでの戦いは終わろうとしていた。


[280] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM [Web] (2006/03/24(金) 15:27 Pnw/BatYRcQ)

20thfox

>>253の続き

<真紅の光刃>


U ーー奇襲ーー

宇宙空間を漂うゾアダの宇宙船<ジェダイハンター>は惑星タトゥイーンへ向かっていた。今頃ながら宇宙は広い、ゾアダはR4-D7に話しかけながら宇宙船を操縦していた。周りの宇宙空間には宇宙船は一隻も居なく、妙に寂しい。退屈そうにしているゾアダはホロネットをつけた。たちまちこんなニュースが流れた。
惑星ジオノーシスで分離主義者と戦闘が起こり、クローントルーパーが撃退しました。と、だが、ゾアダには関係無い。むしろ助かるくらいだ。ジェダイさえ死ねばどんな戦争が起ころうと構わない。それが彼の主義だった。ホロネットニュースを見ているうちに惑星タトゥイーンに近づいた。だが、宇宙船が突然揺れた。計器は敵の攻撃を表している。すぐにレーダーを確認すると50mほど後ろに宇宙船が飛んでいるのが表示されている。
「新手の敵か!R4-D7、シールド全開」
と毒づきながらR4に命令していると、いきなり機体が揺れた。「攻撃を回避できない。なにっ?敵機が6機に増えただと?嫌な予感がするぜ」
すぐに<ジェダイハンター>は宙返りし、敵の攻撃をかわしたが、機体の底が少し焼け、そこの部分だけが白くなり
「また塗装しないとな」と呟き反撃に転じた。すぐに敵の宇宙船の後ろにまわり込み、
「これでおしまいだ」と言い、レーザーダーツを浴びせかけた。だがその敵機はすぐにかわし<ジェダイハンター>へ攻撃してきたのだった。すぐに六機に囲まれ、ゾアダが拘束されそうになったとき、一機の宇宙船が

後で書きます


[281] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU [Web] (2006/03/26(日) 23:18 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>274の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――Confront many Hicatama.
Two shining knights――

――いくつもの光弾に立ち向かえ。
二人の輝く騎士よ――


9 ――協力――


ハクロは思考していた。銀牙刀を抜き、今までの状況を整理する。自分はインフォメーションSへ行き、黄金の剣の情報を手に入れた。インフォメーションSの戦艦に追われ、無人惑星ウィアへ逃げた。そこでインフォメーションSに依頼されたであろうジェダイ騎士、マスター・モートと戦闘。そこで勝利し、黄金の剣の何らかの情報があると思われるここ、タトゥイーンへ来た。そしてここで、今自身が背にしている青の騎士と出会った。
「何故だ……?」
ハクロは呟き、取り敢えずアサギに名を聞く。そして自分の名も答え、引っかかる疑問を結び目を、なんとか解こうと考える。
いくつもの足音とジェダイの悪の象徴、ライトセーバーの起動音が微かに聞こえる。
アサギも蒼月二刀の瑠と璃を抜き、構える。相手は膨大な数であろう。
「何故って、何がだよ」
アサギは不機嫌そうに言う。協力するのが嫌らしい。
「解らないのか? 何故やつらが俺達がここにいると解ったのか。俺はぼろを出してはいないはずだ。となると、お前のスターファイターか何かに、発信機が付けられていたんじゃないのか?」
アサギは不敵に笑い、首を降る。
「それは無いはずだ。どちらにせよ、今の状況は好ましくない」
ついに追っ手が姿を現した。薄い赤色の整備服を着た男達が数十人。その先頭を走るのが憎むべき敵、ジェダイ騎士。四方八方からやって来る。囲まれた。
「手を挙げろ騎士め! 銀色の騎士のスターファイターに発信機を付けさせてもらった!」
整備服の一人が言う。アサギは微笑し、ハクロは遠くにいるR2-V1に発信機を外すようにと、さり気無く伝える。伝わったのかは解らないが、R2はゆっくりとR2-T8と共に、ポイント8の着陸スペースへと向かった。
「さて騎士よ。お縄に就け!」
青色のライトセーバーを握るジェダイ騎士がハクロに向かって飛び出す。しかし、ハクロはそれを受け流し、いとも簡単に切り捨てる。
「う、撃て!」
コリーム警備長の悲鳴交じりの命令が聞こえた。一点に向かって光弾が飛ぶ。ハクロとアサギは確実にそれを弾き、少しでも余裕があれば弾き返し、ぶつける。
ここでハクロはある事を思い出した。インフォメーションSの立ち入り禁止区域での戦闘の事だ。VSランチャーとかいう武器で攻撃された時、わざと銀牙刀で受けずに当たってみた。しかし、痛みは多少あったものの、思った以上に吹っ飛ばなかった。つまり、この程度のブラスター攻撃ならば、受けなくても済むのではないか? そうすれば、残り数人のジェダイ騎士を注意していればいい話だ。
ハクロは銀牙刀を下ろし、ゆっくりとジェダイ騎士と整備服の男達へと歩いていく。赤い光弾は、銀色の鎧に当たってはカキン、という音を立てて弾かれる。
「何?」
ハクロの進行方向の警備隊は攻撃を止めた。アサギは不思議そうに振り向く。
「何をやっている!」
しかしハクロは歩く。
「か、構うな撃て!」
コリーム警備長の叫び声。殆ど悲鳴だった。またも光弾の嵐。だが、ハクロには痛くも痒くもない。ジェダイの一人との距離が五メートルに縮まったところで、騎士お得意の滑空で詰め寄り、銀牙刀を右へ左へと振りながら、攻撃していく。だがジェダイはそれを完璧に受け、反撃しようとハクロを蹴る。だが、マスター・モートの二の舞。堅い鎧に弾き返され、首を刎ねられる。
反対側ではアサギが、ハクロと同じくブラスターを、物ともせずに滑空し、途中でまたドリルの様に回転しながらジェダイ騎士に迫る。
「うわぁ!」
ジェダイが倒れる。残りのジェダイは一人。だがそのジェダイ騎士はライトセーバーを二本持っていた。左手に持った光刃は逆手に持ち、警備隊に発砲中止命令を下す。
「クローンとやらには興味は無いのか?」
ハクロは皮肉を込めてジェダイに言い放つ。ジェダイはにっ、と笑い、フォースを借りてアサギへ突進する。アサギは次々に繰り出される攻撃を二刀で受け、足払いをかける。見事にかかり、次の瞬間には、そのジェダイはフォースと共にあった。
「ひゃぁぁあ!」
ついにコリーム警備長が純度百パーセントの悲鳴を上げた。

>>283『決意』へ続く

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読み返してみると、結構文章が雑かも……。


[282] (無題) 投稿者:Mr.Ratamacue vId3OjBL2S. [Web] (2006/03/24(金) 23:06 CFXSbYEpMmM)

quigon

──これまでのお話──
>>254 >>265

デュオ・サンライダー 師の遺産 #3

辺りに水しぶきが飛び散ったと同時に、デュオの体は水中へと消えて行く。
落下の衝撃は凄まじく、底に衝突する寸前までデュオを沈ませたが、すぐに手足を広げて水を掻き、
彼は水面へと浮上しようとする。だが、彼はそこで人一人入れるほどの穴を見つける。
彼はフォースに触れてその穴の先のビジョンを得ようと集中した。
見えてきたのはどこまでも続く洞窟、その先に見えるものは一筋の光・・・・・・・。
デュオはその穴が工場内部へ続く秘密の洞窟だと確信すると、勢いよく水を掻いて浮上する。
 「バウワー、堀の底に洞窟らしき物を発見した。恐らく、工場内部へ続く洞窟だろう。」
頭を振り、自慢のブロンドの髪から水を飛ばしながら彼はありのままの報告を上司にする。
「さすがジェダイ。私が言おうとしていた事だ。そこから侵入してくれ。」
バウワーがはっとしたような口調で応答するとデュオは、すばやく水中呼吸装置咥え、暗い水中へ。
 月の光に照らされた水中は驚く程明るく鮮明であった。
岩石がごろごろ転がり、錆びついた鉄の破片が水中を漂う、そんな当たり前の光景が彼の前に広がる。
次第にデュオは淡々と続く、無個性な風景に飽き始める。常にスピードを求める彼にとって
時が遅く動く事は苦痛にしか成り得ないのだ。
 深くまで潜ってくると、ついに人一人がぎりぎり入れる程小さい、洞窟の入り口が姿を現す。
目的物が見つかった瞬間、デュオのテンションは高ぶる。暫く淡々と事が進んだせいか、穴は彼を
いつも以上に駆りたてた。
 自然とペースがあがり、精神の高ぶりが彼を入り口のすぐ前へと導く。
しかし、目の前の竪穴はその高ぶりをすぐに落ちつかせる。恐ろしいほどに狭いのだ。
彼ははっと息を呑み、体を薄い鉄板のようなまっすぐに、平べったい状態にして洞窟へと進んで行く。
洞窟の中は非常に暗く、前を見ることは全くできなかった。感覚に頼るという選択肢しか無いのである。
だがフォースに深く浸り、感覚が研ぎ澄まされたデュオにとってこの選択肢は容易である。
 しばらく進むと、彼はしきりに水が振動していることを感じ取る。出口は近い。
しかし、その振動はあまりにも不自然だった。強すぎるのだ。
───大きな振動がずっと続いている・・・・・・。これは、鉛の弾を弾丸とする銃が、起こす振動かもしれない。
デュオは一層振動に対する、感覚を鋭くして前と進む。
今度は、鈍く強弱の差が激しい振動が伝わってきた。これは声か?


[283] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU [Web] (2006/04/05(水) 19:21 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>281の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――Two knights go separately.
One person will travel. Another also will travel――

――二人の騎士は別々に往く。
一人は旅に。もう一人も旅に――


10 ――決意――


コリーム警備長の悲鳴と共に、インフォメーションSの警備隊はジェダイの死骸を残して去っていった。ハクロは追おうとはせず、戦艦が飛び立つ音を静かに聞いていた。ジェダイの亡骸はタトゥィーンの砂交じりの風に晒され、いつかは腐敗していく。誰も気にも留められず、ただ静かに。だが、同情などしない。黄金の剣を入手するという、騎士の目的を邪魔する存在が死んだところで、どうってことはない。
ハクロは銀牙刀を鞘に、静かに収めた。そして佇むアサギに背を向け、向こうからやって来るR2-T8が緑色の身体が、殺風景な砂っぽいタトゥイーンの風景に映える。ハクロは歩き出し、通り過ぎるR2に軽く手を上げ、持ち主は素晴らしい才能を持っている、と心の中で思う。
「何処へ行く?」
アサギは振り向かずに言い、蒼月二刀を収め、傍まで来たR2の頭を軽く叩く。そして素早く体を百八十度回転させ、無言で歩くハクロに再度問いかける。今度はやや皮肉っぽく。
「騎士が騎士を恐れるなんて、聞いたことが無い」
ハクロは足を止め、鼻で笑う。まるでアサギの皮肉が可笑しいとでも言うように。
「貴様の技、正直に言おう。……上出来だな」
アサギは兜の下で顔をしかめた。そして思った。何が言いたい、この男は、と。
「騎士に誉められても嬉しくないな。何が言いたい、ハクロ」
首を傾げながら、アサギは聞く。ハクロは砂埃の中、一つの決心をした。それは騎士達の、いわばルールのようなものを根本的に曲げるもので、ただの都合の良い戯言。おまけに騎士の名に恥じる、愚かな決心。
「……俺は騎士と戦わないことを決めた。良く考えれば、同じ志を持った仲間のはずだ。倒すべきはジェダイ。奴らだけでいい」
アサギは更に顔をしかめ、蒼月二刀の柄に手を伸ばした。だがその手をすぐに引っ込んだ。ハクロが振り向き、その鎧があまりにも美しかったからだ。何カラットもの宝石よりも、日差しが差し込む小川の水よりも、そして自分自身の鎧よりも。何倍も美しかったから。
「……愚かだな、ハクロ。確かに騎士は皆、黄金の剣を手に入れるという一つの目的がある。だが、自分以外の騎士はライバル、敵だ! それを解っているはずだ」
ハクロは何も言わず、アサギを見据えていた。何も語らぬ白銀の兜は美しいものの、その反面に恐ろしさを垣間見せた。アサギは少々たじろぎ、睨みつける。
「……貴様には解るまい」
銀の騎士はそれだけ言うと、踵を返し、タトゥイーンの砂埃の中へと消えていった。鎧が鳴らす金属的な音と、静かな足音を残して。

>>300『主人』へ続く

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最近あまりにも文章が雑なので、今回から丁寧に書きたいと思います。


[284] (無題) 投稿者:お水(別PC) uSjIVp7Zz06 (2006/03/26(日) 23:16 pr.VnULvJxw)

dark_trooper

>>279続き
クローン戦争からもう2年がすぎた共和国の船で謎の小型宇宙船を兵士が目撃した。その近くに連合軍の工場があるらしいその工場の破壊をレーザー達の部隊が任された
クローン戦争731日目謎の将軍グリーバス
ウィィン、ガシャン、シューン(ガンシップが発進する音)
アドバイザー「こんかいの任務はレジスタンスとの協力任務だ情報によると1つの島にトランドーシャンが住みついたらしい今回は危険だぞ2つの部隊が全滅しそうだ我々は援護に向い確保したらAT-TEを送る幸運を・・・・・・・・


[285] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/03/29(水) 01:11 noTQBQA9g0o)

polis_massan

CHAPTER7(>>266)の続き

CHAPTER8
倒れているディアリー達を見て慌てているウロスに向かってユリエルが淡々とした口調で話しかけた。
「あいつらは気絶しているだけだ。『一般人は極力殺さず生け捕りにしろ』との命令だからな。」
「『一般人は極力殺さず生け捕りにしろ』だと?どういう事だ?」
「おまえにはこれ以上は教えられん。始末させてもらうぞ。」
「俺はジェダイだぞ!やれるもんならやってみろよ!」
ユリエルはすばやくブラスター・ライフルを構えて2,3発発射し、ウロスはベルトに付けている青いライトセーバーを起動してそれを跳ね返した。
「その程度の武器では俺は倒せんぞ。」
「どうかな?」
ユリエルは今度はブラスター・ライフルを上の方に向けると、ウロスの頭上の天井を撃った。すると、ウロスの頭上の天井が崩れ、大きな岩が幾つもウロスに向かって落ちてきた。
「ガラガラ!」
「うわ!おっとっと。」
ウロスが慌てて岩を避けている隙にユリエルはウロスの右腕に数発撃ち込み、ウロスは思わずライトセーバーを足もとに落としてしまった。
「痛っ!くそ。」
「ジェダイといえども、これほど洞窟の中が暗い上に足もとに石がたくさん転がっていてはライトセーバーをすぐには見つけられまい。見つけたとしても、それほどの傷を負っている右手では持てないだろうがな。」
「うるさい。これならどうだ。」
ウロスはフォースを使って足もとに転がっている石をユリエルに飛ばし、ユリエルは咄嗟にブラスター・ライフルを盾代わりにして飛んでくる石を防御した。
「この程度か。」
ユリエルの言葉を聞くと、ウロスはにやりと笑い、先ほど飛ばした石に手をかざした。すると、石に混じっていた金属片が静かに浮き上がってその中から青い光刃が飛び出し、ユリエルを後ろから斬り付けた。
「しまっ・・た・・・」
ウロスはユリエルが足もとの石の上にうつぶせに倒れるのを確認すると、入り口の方へと走り出した。しかし、2,3歩も進まないうちに、彼は突然目眩に襲われ、ユリエルと同じように足もとに倒れ込んだ。
「しまった。・・・攻撃を・・受けすぎ・・・・たか。」
彼が自分の右腕を見ると、ユリエルから受けた幾つもの傷跡からおびただしい量の血液がしたたり落ちていた。こうしている間にもウロスの意識は薄れ、彼は気絶してしまった。

肉体を離れたウロスの意識は、何もない正真正銘の暗闇の中を漂っていた。その暗闇は、無数の苦痛や怒りに満ちていた。
“ここはどこだ?もしかして俺は死んだのか?”
ウロスは一瞬、そのような事を考えた。しかし、彼はまだ自分の肉体に血が流れ続けていることを感じ取り、自分がまだ完全に死んでいないことに気が付いた。
“良かった。俺はまだ死んではいないのか。それならば、ここはどこだ?”
ウロスの言葉に応えるように、暗闇は何かを形づくり始めた。次第にウロスの周りに壁が出来、天井が出来、その空間の中に“何か”が現れた。ウロスはそれを見て愕然とした。その“何か”は大量のバトル・ドロイドと戦っているウロス自身だったからだ。

CHAPTER9(>>286)に続く


[286] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/04/07(金) 19:44 g7md4dXpaSE)

polis_massan

CHAPTER8(>>285)の続き

CHAPTER9
その時、ウロスは自分が見ている空間が何なのか気付いた。彼がクローン大戦が始まったばかりの頃、独立星系連合に協力していたハットの犯罪王ジアス・ザ・ハットの軍隊を制圧する任務で、パダワン時代の師と共にジアス・ザ・ハットのアジトに潜入したときのヴィジョンを見ていたのだ。そのヴィジョンの中で過去のウロスは彼がコマンダー・ファルに殺されそうになった日と同じように、ドロイド軍に停止命令を出すためにドロイド・コントロール室に侵入し、そこにいたバトル・ドロイドや賞金稼ぎを斬り倒してバトル・ドロイドの停止スイッチを起動した後、アジト全体の様子を映し出しているモニターを通して、ウロスの師が潜入したジアス・ザ・ハットの部屋の様子を見た。

ジアス・ザ・ハットの部屋では機能停止した無数のバトル・ドロイドの中で、ウロスの師がまだ生き残っている賞金稼ぎの傭兵を倒し、ジアス・ザ・ハットの図太い首元に自分の巨体とは対称的に比較的短いライトセーバーの刃を突きつけた。
“ジアス・ザ・ハット、これで終わりだ。”
ウロスの師の言葉に、ジアス・ザ・ハットは早口のハット語で喋り始めた。
“<待て。他の分離主義者の居場所を教えてやる。だから、殺さないでくれ。>”
その言葉に、ウロスの師は軽蔑の眼差しを投げかけた。
“散々人々を苦しめておいて、自分だけ助かろうって言うのか?そうは・・・!”
突然、ウロスの師の後ろで倒れていた、サングラスを掛けている賞金稼ぎが近くに落ちていたブラスターを手に取り、ウロスの師に向かって発砲した。ウロスの師はその巨体からは想像も出来ないほど素早く身を翻してライトセーバーでブラスターの弾を賞金稼ぎの方に跳ね返した後その賞金稼ぎの首を斬り、ジアス・ザ・ハットの方に向かってライトセーバーを振りかざした。
“どうやらここに居ると俺の体が持たなそうだ。”
“<やめてくれ。俺を殺したら情報が手に入らないぞ。それでも・・・>”
ウロスの師のライトセーバーがジアス・ザ・ハットのだぶついた体を真っ二つにし、ライトセーバーの熱が固めきれなかった、おびただしい量の血液が床や、その床で倒れている壊れたドロイドや賞金稼ぎの遺体、ウロスの師の頭へと降り注いだ。
“ウロス、ドロイド・コントロールルームのモニターか何かで見ているんだろう?もう任務は終わった。コルサントに帰るぞ。”
そう言うと、ウロスの師はおもむろにさっき自分を不意打ちしようとした賞金稼ぎのサングラスを拾い上げ、かけてみた後、不敵な笑みを浮かべた。
“おっ、ピッタリじゃないか。そうだ。これは戦利品にしよう。”
ウロスは自分の師の様子をモニターで見ていた過去の自分自身が、師が微笑む姿を見てゾッとしているのを感じた。

「コツリ。コツリ。」
その時、ウロスは何者かの足音によって夢の中から現実へと引き戻された。

CHAPTER10(>>308)に続く


[287] (無題) 投稿者:お水(別PC) uSjIVp7Zz06 (2006/03/28(火) 12:14 pr.VnULvJxw)

dark_trooper

シュー、チャキ
ついにバルジー工場破壊作戦がはじまった
レジ「ようこそバルジーシティへここは軍隊などは地下にいる現在はマシンを改造中だ工場にはトカゲどもがいる途中まで送ろう」続く


[288] (無題) 投稿者:バナナ隊長。 RfHMuT0B/Dg (2006/04/05(水) 22:15 z70Ikg1PQpc)

panaka

<TIME LIMIT>

ナブーの戦から数年後・タルー星系付近
そこでは<オールドシリンダー>が航行していた。この船は500メートルの大型貨物船で、廃棄燃料を大量に積んでいる。
そう、いつもの仕事だった。


Occupation――占領

「準備完了。いつでもジャンプできますよ」操縦席の椅子に腰掛けている男が言う。
「ご苦労だった、テイセン君。みんな、集まってくれ」この操縦室で一番高い位置にある椅子から艦長が立つ。それに合わせて他の乗員も立った。
「良くここまで付き合ってくれた。ありがとう」艦長はにっこりと笑い、手を広げた。
「なんのことですか?」腰のベルトにブラスターをつけた男が言う。この男はハム・ノリー。警備隊長だ。そして、今回の事件の鍵を握る人物でもある。
ハムの唇から言葉が離れると同時に、ハッチから武装し、漆黒のフードを被った男達が入ってきた。
警備隊員が止めようとする。だが、集団の一人がブラスターを腰から抜き隊員の頭を打ち抜いた。続けて他の隊員の頭を次々と打ち抜く。
ハムは体が凍り付いて動けなくなっていた。
「殺しますか?」集団のもう一人がハムに銃を突きつける。
「いや、まだこいつには・・・・・・おっと失礼。ハム君には使い道がありそうだ」艦長が席の周りを行き来しながら言った。
「何のつもりだ。ネイオ・ターク船長」ハムがネイオを睨む。
ネイオは黒いフードを着て振り返る。
「君達にはこれから漆黒の創造主の仕事に付き合ってもらわなければならない」
「漆黒の創造主、だと?」ハムが目を逸らし、またネイオを睨みつける。
ネイオがまたにっこりと笑った。今度はさっきと違う、もっと、不気味な雰囲気で。
「この船を衝突させる・・・・・・コルサント――腐りきった官僚の住むコルサントに。そして新しい世界を創造するのだよ」ネイオがおもむろに通信機を取り出しながら言う。 
「狂ってるぜ」その言葉に怒ったのか、漆黒のフードを被った一人がハムの脇腹を蹴り飛ばした。ハムが操縦室の後方まで吹き飛び、気絶する。ネイオはそれを目で追ったあと、通信機を操縦席に取り付ける。
「準備は出来ているかな?」ネイオが通信機に向かってそう言うと、別の機器からホログラムが出てきた。そのホログラムには男が二人映っている。
“ええ、安全装置は取り外しておきました。何処にでもジャンプできますよ”その男が何かをいじりながら言う。
「よくやった。では、ハイパースペースの計算をするがよい。もちろん、例の航路でな」
“わかってますよ。予定通りにいけばあと1時間でコルサントに着きますよ”男がにっこり笑いかけた。
ホロが消え、室内が少しどよめく。黒いフードにドクロの形をした赤いワッペン――これは高い階級を意味しているようだ――の男が前に出た。
「よし、では操縦士の・・・・・・テイセン・ネイト君。君は平常どうりに振舞ってればいいのだよ。あとはよろしく頼む」男が操縦士の肩に手を置くとその操縦士の顔が恐怖に引きつった。
完全に<オールドシリンダー>は占領されたのだ。


[289] (無題) 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2006/06/04(日) 17:31 hkkVWo9Uto2)

piett

>>178の続き

敵は十人足らず。片付けるのは苦労しない筈だが、今まで味方だった連中を切るのはあまりにも抵抗が大きすぎた。
彼はとにかくブラスターを何度も跳ね返していく。
もしや自分は何か反逆のような事を起こしたのか?まさか。
そんな筈は無い。
気が付くとクローン兵はイータも含めて三人になっていた。
イータを切る・・・出来ない。
だが、やらなければやられる。
イータ達は近くにあった大量の“筒”を取り出した。それはただの筒では無かった。
Z-6ロータリー・ブラスター・キャノン だ。
ジェイドはとっさにその場から離れる。そして今まで自分が居た場所に無数の黒い点が付いた。
彼は何とかガンシップの後ろに隠れる。だが、クローン達はガンシップに容赦なく砲火を浴びせた。
ガンシップに次第に黒い点が無数に表れていく。煙も出始めた。
このままでは駄目だ・・・!
彼はガンシップの後ろから大ジャンプし、上からイータ達に攻撃を加えた。
一撃で二人を倒し、最後の一人は目をつぶり、切った。目を開けるとそこのはかつての戦友が横たわっていた。
イータ・・・。
しかし、微かにイータが何か言うのが聞こえる。
「う・・・コマンダー・・・」
「イータ。何故こんな事を?」ジェイドは尋ねた。
「私は好きで・・・やったわけではありません・・・最高部からの・・・命令で・・・す」
そこでクローン・コマンダーの命は消え去った。
最高部・・・パルパティーン議長からの命令なのか?
とにかくこの惑星から出なければ。
彼の近くには原住民の無人の軽貨物船が着陸している。形は真四角に近い。あちこち四角い塊が付いており、先端が突き出ている。あそこがコクピットだ。
彼は急いで乗り込んだ。中の貨物室には物資が大量にあるようだ。
彼は急いで操縦桿を握り締める。戦闘機の操縦機器と大して変わらない。
貨物船は地表から離れ、空へと飛び立った。

続く・・・


[290] (無題) 投稿者:yu lDsgA5x.wMA [Mail] (2006/03/29(水) 14:28 SV2cMCx4z9Y)

anakin_ep3

前の話を中断して新しい話を作ろうと思います。
とりあえず設定をば。

時代はEPUの時点、ジオノーシスでの戦いから始まります。
主人公はジェダイ・ナイトです。
今回題材としたいのは『ジェダイの恋愛』です。
主人公がもう一人の主人公に恋をするという話になります。・・・多分
まぁ駄文になりますが暖かく見守ってあげてください(ぇ


[291] (無題) 投稿者:魑魅 uo5SLPDAPdU (2006/05/07(日) 22:26 Am7Y9PmhV.2) [SAGE]

bly

 飛び散る血痕、時折路地に木霊す骨が砕ける音。泣いても喚いても、警官は只笑いながら暴行を続ける。それどころか、泣けば泣くほど、喚けば喚くほどに警官たちは喜ぶ始末だった。
 終わり無き、言われの無い暴行。それは、ミラーが太陽光を反射しなくなるまで続いた・・・・。


Bounty Hunters Side Story 〜白と赤と黒と〜
赤と黒の編(>>226の続き)


 目が覚めた。それと同時に眩い光が目に突き刺さる。少女はそれを堪えながら、上体を起こした。
「痛・・・・」
 彼方此方に痛みが駆け巡り、顔を顰める赤毛の少女。粗方発作性の痛みが引いた少女は自分が置かれている状況に気がついた。見知らぬ部屋、コンクリートの下地が剥き出しになった壁、水漏れの染みなどで斑模様になっている天井、そして汚れて薄い灰色とも黄土色とも言える色になったベッド。この階層にしても、綺麗な部類の部屋・・・・そこで彼女は眠っていた。
 先程まで彼女は暴行を受けていた。警官にである。しかし、現在少女は居た筈の路地裏ではなく、とても綺麗な部屋に居るのだ。当然少女が困惑することは必至であった。
「目が覚めたなら、とっとと出てっとくれぇ」
 突如として声がする。少女はその声の方向に視線を向けると、そこには薄汚い白衣を着た痩せ細った老人が居た。老人は尻を掻き、欠伸しながら少女に目を向けることなくデスクへと向かった。
「あ、あの・・・・――」
「すまないねぇ。金が足りなかったから完治はさせてないんだよ」
 次は頬を掻きだした老人。デスクに置いていたコーヒーを手に持って喉に流し、そして少女のベッドに歩み寄って腕を掴むとグイッと強引にベッドから降ろした。治療されたとは言え、未だ未完全な接合状態の骨を握られた少女は再び顔を顰めた。しかし、老人はズイズイと少女を引っ張り、廊下に出ていく。
「あ、あの・・・・なんで・・・・私は・・・・ここに?」
「昨日のぉ・・・・夜だったかなぁ、黒毛の女の子が君を背負って来てねぇ。必死で『この子をどうしても治してくれぇ』ってんで治療はしたんだけどねぇ、その黒毛の子は5クレジットしか持ってなかったんだよ。だから完治はさせてないんだぁ。すまないねぇ、こっちも商売だから。それにしても、良いお姉ちゃんだねぇ。儂にも姉は居たけど、邪見にされてたぐらいさ。今となっては、良い思い出だけどねぇ。――」
 年寄り特有の症状なのか、ブツブツと聞き取り難い喋り方で語り出した老人。しかし、それは少女の耳には届いていなかった。黒毛の女の子?お姉ちゃん?そんなことが覚めたばかりの頭を埋め尽くしていたからだ。
「その、黒毛の・・・・女の子、って・・・・?」
「なんじゃ?あの子、お姉ちゃんじゃないのかね?てっきり、姉妹かと思ったが・・・・そういえば髪の色が違うねぇ」
 老人は眉を上げる。そして、廊下の先にあったドアを開けた。そこは外に繋がっていて、太陽の向きから昼らしい事が判る。
「それじゃあね」
 老人は投げるように少女を外に突き飛ばした。それにより少女は尻餅をつく。老人はそのまま、扉を閉めようとする。
「あの!その・・・・黒い髪の女の子は何処に・・・・?」
「ああ、その子ならぁ、夜が明ける前に・・・・工業ブロックの方に走ってったよぉ。グーグー腹を鳴らせながらねぇ」
 閉まる途中でドアを止め、隙間から顔を覗かせて工業ブロックのある方向を指差す老人。少女は、教えられた方向に走り出した。

 広い敷地。そこには鉄骨が組み立てられただけの建物の原形があった。
 その工事現場に、黒い髪の少女が居た。大きな荷物を肩に担ぎ、今にも崩れそうな足取りでフラフラと運んでいる。そして、遂に少女の膝は崩れてしまった。大きな音と共に、荷物を落とす。途端に少女に向けられる冷たい視線。
「おいガキぃ!またテメェか!ドジばっか踏みやがってクソがぁよぉ!!」
 一人のエイリアンが怒鳴りながら少女に向かう。そして、四つん這いになっていた少女の腹を蹴り上げた。体力の消耗していた少女は、抗うことの出来ないまま、1メートルほど転がる。
「テメェよぉ!何とか言ったらどうなんだ?人間のガキだからって舐めてんじゃねぇぞ?バラして売っ飛ばされてぇのかよ?あぁん!」
 腹を抑え、蹲る少女を容赦なく踏みつけるエイリアン。他の日雇い労働者達は、その光景を見て見ぬ振りをして、仕事を続ける。
「すみません、すみません、すみません、すみません・・・・・」
「あのなぁ、嬢ちゃん。こっちは“嫌々働かせてやってんだ”。給料を払ってやんだよ。判ってるよな?ベーシック判リマスカァ?ワタシのイッテルコトりかいデキテマスカァ?」
 エイリアンは屈んで少女の黒い髪を鷲掴みし、持ち上げる。
「は、はい・・・・、判ります・・・・」
「ならさ、ちゃんと仕事しな!!」
 鷲掴みしていた手で、少女の頭を地面に打ち付ける。そしてエイリアンは他の日雇い労働者を怒鳴りながら自分のもと居た場所に戻って行った。
 黒髪の少女は、痛みを堪えながらゆっくり、ゆっくりと立ち上がる。すると、工事現場の入り口に赤毛の少女が覗いているのに気が付いた。赤毛の少女も目が合ったことに気付いたようで、そそくさと隠れてしまう。黒髪の少女が足を引き摺りながら、赤毛の少女が隠れた場所に向かった。
「元気になったんだ〜。何処も痛くない?大丈夫?」
 ニコリと微笑む黒髪の少女。今は赤毛の少女よりも、黒髪の少女の方が重傷だった。
「私は・・・・大丈夫・・・・。でも――」
「良かったぁ〜。心配したんだよぉ」
 満面の笑みを浮かべ続ける黒髪の少女。その時、工事現場の奥からまた怒鳴り声が聞こえた。
「あ、まっずい!もう直ぐ仕事終わるからさ、待っといて!じゃあね!」

 空が赤く染まり出した頃、ゾロゾロと帰宅して行く日雇い労働者の群れの中から、黒髪の少女が赤毛の少女のもとに駆けて来た。昼よりも、黒髪の少女の傷が増えているように思える。
「お・待・た・せ〜!さ!行こか!!」
 傷だらけの笑みを作り、傷だらけの手で赤毛の少女を元気一杯に引っ張る黒髪の少女。赤毛の少女は強引に連れて行かれる。
 十分ほど走ると黒髪の少女はある店の前で足を止める。その店は小さなパン屋だった。黒髪の少女はパン屋のレジに座る髭面の男にジャスチャーで合図を送る。それに気が付いた髭面の男もジェスチャーで返事をした。
「行こ!」
 黒髪の少女は赤毛の少女に微笑むと、また腕を引っ張ってパン屋とその隣の店の間にある子供しか通れないほどの細い路地に走って行った。すると、パン屋側の窓から先程の髭面の男が顔を出していた。
「こんばんは〜!」
 黒髪の少女は元気良く挨拶する。そして髭面の男に給料袋を渡した。
「おう!昨日は来なかったけど、どうしたの?」
「なんでもないよぉ!」
「・・・・そうかい?3クレジットかぁ〜。待ってな」
 髭面の男はその給料袋を手に、店の奥へと入っていく。そしてまた顔を出した。手にはパンの耳が少し入った袋が握られていた。それを黒髪の少女に渡す。
「また、怪我増えてないか?なんかあったらおじさんに――」
「『おじさんに言え。おじさんすっ飛んで助けに行くから』でしょ?なんでもないよ!ただ転んじゃっただけ」
 黒髪の少女はニッコリと微笑んだ。
「・・・・それなら、良いんだけどな。ホントになんかあったら言ってくれよ。」
「心配性だね!おじさんは!」
「ん?そのお嬢ちゃんは?」
「あ、この子?昨日裏路地で倒れてたの」
 黒髪の少女は赤毛の少女を引っ張る。赤毛の少女は警戒しているようだった。すると、髭面の男は急に泣き出した。
「うぅ!良い子だよ!お前は!!ホントに良い子だよ!!ちょっと待っとけ!!!」
 泣き出した髭面の男は再び店の奥へと行き、直ぐに帰ってくる。手には二つのバターロールと二本のビンに入った牛乳を持ちながら。
「サービスだ!持ってけ!!」
 黒髪の少女にそれを強引に渡す。
「え?い、良いの?!」
「何言ってんだ!持ってけ!てか持って行ってくれ!!」
 髭面の男は黒髪の少女の頭をグシグシと撫で、泣きながら言う。その時だった。店の奥から甲高い怒鳴り声が聞こえる。それにビクッと反応する髭面の男。
「あ!女房起きちまった!さぁ!行け!また来いよ!そっちのお嬢ちゃんも、なんかあったらココに来なよ!!」
 焦りながら黒髪の少女と赤毛の少女の背中を押す髭面の男。黒髪の少女は大きく手を振って、路地の奥へと走っていった。
 奥へ、奥へと走っていく黒毛と赤毛の少女。そして、路地を抜けた。そこは緩やかな傾斜があり、その先は断崖。フェンスなどはなかった。断崖の先は最下層が見え、ポツポツと最下層の灯火が確認できる。黒髪の少女はその断崖に足を投げ出すように座る。赤毛の少女は少し怖がっているようだったが、それを抑え黒髪の少女の隣に座った。
「上見てごらん」
 黒髪の少女はニッコリと微笑んで上を指差す。赤毛の少女は言われた通り上に視線を向ける。そこには、
「・・・・わぁ・・・・」
 赤毛の少女の口から驚きの声が零れた。視線の先、そこには上の階層の窓から零れる光りやスピーダーの光り、そして星々が一面に輝いていた。
「結構綺麗でしょ?」
 微笑を絶やさずに、赤毛の少女にパンと牛乳を渡す黒髪の少女。
「え、・・・・いいの?」
「そんな遠慮しないの!食いねぇ!食いねぇ!!」
 パンで頬を膨らませながら言う黒髪の少女。その表情を見て笑う赤毛の少女。黒髪の少女は、パンを飲み込むと赤毛の少女と一緒に笑い出した。
「そうだ!名前言ってなかったよね?アタシはリリア!リリア・フィリップってんだ!君の名前は?」
 ニコニコと微笑むリリアと名乗った黒髪の少女。しかし、赤毛の少女は俯いた。
「え?ど、何処か痛い?大丈夫?」
 あたふたと慌てるリリア。赤毛の少女は俯いたまま、ボソリと呟いた。
「私・・・・名前・・・・ないんだ・・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

はい、KING OF 挫折王こと魑魅。やっとこさ2つ目を書ける事が出来ました。
「あのカス野郎、また挫折したな?」とお思いの方も多い・・・・え、居ない?あ、居ませんかw
まぁ、鈍足で頑張って行こうと、自分で言い訳しないとやっていられない状況であります。
さて、今回はバカみたいに長いです。そして、自分でも書いてて何書いているのか判らなくなった事も多々ありました。だから「訳がわからんぞボケ!」、「長いぞボケ!」みたいな感想をお一つ下さったら嬉しい限りで御座います。


[292] (無題) 投稿者:バナナ隊長。 RfHMuT0B/Dg (2006/03/30(木) 18:08 /tK46xxCqsI)

panaka

Action―行動

ハムの目が覚める。ここは船体上部の貨物制御室のようだ。どうやらここも占領されたらしい。
目の前には男が二人、ブラスターを担いで立っている。
手は・・・・・・手錠がかかっているようだ。
「あんたらも漆黒のなんたらの一員か?」ハムは腹の痛みを我慢しながら聞いた。
男がブラスターを足元に向ける。そして腰をひねり、骨を鳴らした。
「そういうことだ。あと、45分で腐りきったコルサントを火の海に出来る」
「ケッ、この船の燃料じゃ町ひとつが精一杯だぜ」ハムがにやりとした。
ふと、男の向こうにある窓で誰かが目を丸くしてこちらを見ている。
「見たことのある顔だな」ハムはつい口がすべっていてしまった。
「あん?」男が振り向く。
ハムは手錠がかけてある手をモゾモゾ動かしながらこう叫んだ。「お前の相手はここだよ!」
驚いた男が振り向くと、ハムが銃を手錠がかけられたはずの両手に持ち、引き金を引いた。二人の男がさっき蹴られた時の何倍も吹っ飛び、奥の壁に叩きつけられる。
「おっと――」ハムは男のブラスターピストルを手に取る。「――やりすぎたか」
窓のある扉が開き、あの男が入ってきた。「ハム・ノリー。会いたかったぜ」
「やあ、レン・ソアンス」ハムは笑いかけたあと、レンの腹を殴った。「操縦室から逃げたわけか」
「特別親しい関係じゃないのにいきなり殴るなよな」レンが腹をさすりながら言う。
「だから殴ったん・・・・・・」別のドアが開き、男が入ってくる。男はブラスターを構え、緑の閃光を発射した。
ハムがすかさずさっきのドアに飛び込む。レンもそれに続いた。
緑の閃光は二人が10分の1秒前にいた空間を切り裂き、後ろの壁で閃光を散らす。
「ふう、危なかったな」
そう言うとハムは頭上の配管に目をやった。その配管はいったん天井に埋まり、男のすぐ横の壁で飛び出ている。そしてそこには暖房用のオイルが詰まったドラム缶が二つ置いてある。
「頭を抑えてろ。あいつらを吹き飛ばす」ハムは少し後ろに下がり、目をつぶって配管を撃った。
また、男が5人ほど入ってきた。だが、それと同時に鈍い爆発音が天井を進み、男達の横にある壁に到達する。通路は吹き飛んだ。
「あれは・・・・・・道理に反してると思うよ」レンは吹き飛んだ通路を見ながら言った。
「ケッ、さっさといくぞ」そういうと二人は船尾のほうへと向かった。

コルサント到着まであと40分
「なあ、さっきのどうやったんだい?」レンが手を後ろに回し、手錠をかけられたようなそぶりをしながら聞いた。
「ああ、あれか。すぐに分かる」ハムが言う。目の前には一つのテーブルが見えてきた。
「隠しコンソールはICカードが必要だと思うけどねぇ」レンが視線をハムとテーブルに向けながら言う。ハムはそれを無視し、テーブルの前に立つと、その表面を人さし指と中指でなぞった。テーブルが中央を残して床に下がる。
「昔色々あってな。指にチップが埋め込まれている。まああれだな、こんくらいのセキュリティーならなぞるだけで通過できるんだよ」ハムが指を見ながら言う。残った部分をもう一度なぞると周りからいくつもの棒がせりあがり、ホロを映し出す。監視カメラの映像だ。
操縦室は完全に占領されている。ここから脱出ポット区画までの途中にある機関区画・軽貨物区画も占領され、かなりの数の武装軍団がいる。
「となると――」ハムは呟きながらコンソールを指でなぞった。この船全体の地図が各区画ごとに分けて映し出される。「――ここしかないな」ハムが指差したところは第八区画、すなわち冷却区画だ。
「なんだぁ、そんないいところがあったのか」レンの表情が和らぐ。
「いや、ここはなるべく避けたかった」ハムが返す。深刻な表情で。
二人は冷却区画へと向かって歩き出した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
前のは色々あってやめました。すみません


[294] (無題) 投稿者:バナナ隊長。 RfHMuT0B/Dg (2006/04/01(土) 22:51 vb0DiSMO.Dc)

panaka

Declaration―宣言

コルサント・共和国情報部
「部長、通信を受信しました。しかもIDがはっきりとしています。匿名通信じゃありませんね」深緑の帽子を被った通信士が少し驚いたような顔で言う。
「ふう、まったく。つなげろ」部長と呼ばれた男が言う。彼の制服についている階級プレートは他よりも階級が高いことを示している。脅迫など一日に何百件とある。驚くことではない。
通信士が一通り操作すると目の前に棒が競り上がり、黒いフードを被った男が映し出される。
“やあ情報部の諸君。仕事は頑張っているかな?”男は頭をさげて言った。
「何だこいつはぁ」部長は少しあきれたような声で言った。
“実は<オールドシリンダー>という船をのっとったんだ。ちょっとコルサントに激突させようと思ってね”
「寝言はよせ。切るぞ」部長がそう言おうとすると、通信士がそれを遮った。「ですが、この通信は確かに<オールドシリンダー>から来ています」
“・・・・・・なんだ?・・・・・・分かった・・・・・・いったん切るとしよう。またかけなおすよ”ホロが消えた。
「・・・・・・あれは本物だったのか?」部長は腰が抜けたように椅子へもたれかかった。
再び通信士が機械を操作し、銀河全体のホロが映る。
「発信場所は――」通信士がまた操作するとホロが徐々に拡大され、一つの貨物船を映し出した。「――ここです。ハイパースペースの中ですね。」
「中にいる人は無事なのか?」部長が恐る恐る聞いた。<オールドシリンダー>のホロは回転し続けている。外見を見た限りではドッキングされた形跡もないし、戦闘の後もない。
少し考え込んでいた通信士が口を開いた。
「私は専門化ではないので良くは分かりませんが、あの型の船は何年も訓練を積まなければ操縦できないはずです。おそらく生きているはずでしょう。船長や警備隊員は殺されているかもしれませんが」
「では、最高議長に連絡をとるとしよう」

コルサント・最高議長オフィス
「議長、情報部の部長から通信が入っています」パルパティーンの机に映し出されているホロが言う。このホロの正体は元老院副議長マス・アメダである。
「よろしい、映し出せ」パルパティーンはいつもの冷静な目つきで言った。
部長のホロが上半身だけ映る。部長は眉間にしわをよせ、何か深刻そうな顔をしているようだ。
“議長”やっと部長の口が開いた。
「なにか問題でもあったのかね?」パルパティーン横に映し出されているスケジュール表をチラチラ見ながら言った。
“・・・・・・実は、あと35分ほどでこの星に貨物船を衝突させると言う者が出てきたんですよ”
パルパティーンも部長と同じように眉間にしわを寄せる。
「それを私に報告していたということは、ただ事ではないって事のようだね」パルパティーンがスケジュール表を消し、別のモニターを出す。
“ええ、その発信IDが本物だったのですよ” 部長の顔がさらに深刻そうになる。
「うむ、では事の信憑性を確認してくれ。私はジェダイを呼びに行く」パルパティーンが薄ら笑いを浮かべた。
部長のホロが消え、パルパティーンが立ち上がる。それに合わせてオフィスの扉が開き、マス・アメダが入ってくる。アメダは素早くパルパティーンの横に付いた。
「スケジュールを割ってくれ。情報部に向かうとしよう」パルパティーンはいつもの暖かい表情で微笑んだ。「新たな脅威は素早く排除しなければ」


[296] (無題) 投稿者:・クライド 9dN18uy/K8E [Web] (2006/04/06(木) 18:14 lzzxTzAiJIY)

cut_anakin

将と兵 〜General and Soldier〜

1 ―特異な男―

「あぁ・・・・・・眠い・・・・・・」
あ、つい本音を口走ってしまった・・・・・・
「馬鹿。大佐に聞かれるぞヘンス」
隣の男にどつかれる。クローン戦争が始まってからと言うものの、ここ最近戦闘続きだ。
私はその戦争を終結させるために作り出された優秀なクローン兵の一人・・・・・・のはずなんだけど・・・・・・。

「目的地接近。各自戦闘準備。間違っても居眠りなんかするなよ2533・・・・・・2533!!」
「あ、あぁ、イ、イエッサー・・・・・・大佐」
2533は私の個体識別番号だ。まぁどう考えても呼びづらいんで同僚の中では「ヘンス」と呼ばれている。
「ヘンス、お前なんか俺たちと違うよなぁ・・・・・・」
「そ、そんなこと言うなよウェン」
ウェンは私のよき戦友だ。ただヘルメットを通さないと誰だかわからないのが悲しい。

「目的地到着、各隊ガンシップ周辺に展開、指示を待て」
大佐の指示だ。私も行動しなければならない。ガンシップから降りると周りは森に囲まれていた。
余談だが、装甲服に迷彩が施されたのはこの作戦が最初だと言うことは意外と知られていない。
「レッドグループ前進。グレー、ブルーグループは第一部隊に続け」
私はレッドグループ。しかも最前列だ。
「行くぞヘンス。ビビるなよ」
私はライフルを構えてゆっくりと歩き出す。そこで私は重要なことに気付いた。

――どこに行くんだっけ・・・・・・

「お、おい・・・・・・ウェン・・・・・・」
「無駄口はよせ。目をしっかり開けとくんだぞ」
ウェンは冷たく答える。彼はいつもそうだ。任務になると人が変わる。
私達は黙々と薄暗い森の中を進む。私自身はどこに行くのかわからないのだが、周りに合わせておけば問題ない・・・・・・と思う。
「こちら司令部。レッドグループ、目的地に接近。敵部隊のパトロールが予想される。警戒せよ」
ついに目的地に接近しているらしい。確かに目の前に巨大な施設が見える。おそらくあれが目的地だろう。
いつの間にか私の前にいた隊長が手で合図をする。姿勢を低くしろ、偵察部隊は前進・・・・・・要するに私とウェンだ。
ゆっくりと慎重に前進する。しかしどうやっても足音がする。私は足元の落ち葉を恨んだ。
そうやって少し進んだところでウェンが立ち止まった。
「おい、今音がしなかったか?」
そう言われて私は耳を澄ませてみる。確かに音が聞こえる。それは徐々に大きくなる。私には何かが転がって来るような音に聞こえた。
「何か嫌な予感がしてきた・・・・・・」
すると不意に私達の前に鉄の塊が現れた。それは形を変え、私達にとって最も恐ろしい機械になった。
「デストロイヤー!!」

「大佐、偵察兵と通信が途絶えました」
レッドリーダーから大佐に連絡が入った。大佐はレッドリーダーの遥か後方にいた。
「敵が現れたのかも知れないな。各隊警戒態勢を強めろ」
大佐は無線で指示をだす。しかしその指示が10秒後には無用になることを大佐は予期していなかった。

================

前のやつは早くも挫折・・・・・・(殴


[297] (無題) 投稿者:RAITinFukuoka epDgtryRTsw (2006/04/04(火) 11:11 bZ7KCz/djMk) [SAGE]

jacen

>>258
を更新しました。


[298] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/05(水) 17:28 imMw5OCt6Sc)

st_rx_24

STARWARS
Galactic City



スピーダーに乗った弁護士、ロイ・マッキールは助席に座る若者に目を向けた。
「街にはすぐ慣れるよ。タトゥーインほどではないがここも物騒だ。頭を使えよ。元老院議員もお前みたいなギャングを利用したがってる。働き口ならいくらでもある。」ロイは言った。
「ああ、あんたのおかげだよ。住処も用意してもらって・・」ジェーン・アンドリーは言った。
「はは、お前のボスとは親友だ。やつの部下なら喜んで。」スピーダーはあるマンションのバルコニーに横付けられた。
「ここが君の家だ。」ロイは言った。議員が住むような豪華な場所じゃないか。ジェーンは思った。
「ほとんど設備はばっちり。それと最初の頃は金もないだろうから、俺が援助してやる。」ロイは言った。
「なにからなにまで・・本当にありがたいよ。」ジェーンは言った。
「言っただろう。お前は親友の部下だ。お前がこの星の暗黒街を生きれるようになるまで世話してやる。じゃあな。なんかあれば言ってくれ。」ロイはスピーダーに戻りかけた。
「ああ、そうそう、知ってると思うが今、議長選挙が実施されてる。ヴァローラムは終わったよ。」ロイは言った。
「へえ、立候補は?」ジェーンは尋ねた。
「ナブーのパルパティーンが有力だな。じゃあな。」ロイはスピーダーに乗ると飛び去った。ジェーンはこんなにあの弁護士に感謝したことはない。1週間前、ジェーンのボス、アリヴダー・ケイは自分の客船のオフィスでジェーンにこう言った。
”お前も首都コルサントに行っていろいろ勉強するべきだ。ヤクの取引に、暗殺、コルサントじゃお前が育ったタトゥーインよりも汚い犯罪が起こってる。”アリヴダーは恩師だ。彼の言う通りこの惑星の大都市でデカイ犯罪王になってやるさ。


[300] 新章ですよぅ。。 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU (2006/04/08(土) 11:20 t7DhZTCNSDI)

mind_trick

>>283の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――The knight is a knight. It is not a horse to guard.
However, the knight of silvery white chose――

――騎士は騎士だ。護衛をするための駒ではない。
だが白銀の騎士は選んだ――


11 ――主人――


結局タトゥイーンに黄金の剣に関する情報は無かったようだ。着陸スペースへ行ったときに、ザブラクの警備員が伝えてくれたからだ。
「インフォメーションSとやらから伝言だ。あの情報はガセだってな」
ハクロはその言葉に顔をしかめた。何故ガセネタを立ち入り禁止区域に保管するのだろうか。どうしてジェダイを送ってまで取り返そうとしたのだろうか。取り敢えず懸賞金の全額をもらい、様子を見ることにした。この広い砂漠の惑星から一本の剣を見つけ出すのは、やはり無理がある。
ハクロは二重太陽に輝く美しいジェダイ・スターファイターの傍にいるR2-V1の頭を軽く叩く。アサギと同じように。
無事だったか、とR2は呟く。ハクロはそれを笑い、兜を脱ぐ。髪を振り、一息。
「なんだ、無事だったかって。そりゃ無事だ。ジェダイなんかとは違う」
ハッチを開け、兜をシートに放り投げる。右翼に腰掛け、照りつける太陽を恨めしく睨みつける。この兜を取ると、少し自分が優しくなってしまう、とハクロは思った。
「これからどうする?」
大した答えが返ってくるはずは無いと思いつつも、取り敢えず訊く。R2はしばらく考え、知るもんか、と不機嫌そうに答えた。
「そうか。……とりあえず、この暑い星を出るか。やってられん」
ハクロは言うとコクピットに入り、R2は左翼に入る。ジェダイ・スターファイターは飛んだ。
その頃、ジェダイ達は惑星ジオノーシスへと駆り出されていた。ジェダイ・オビ=ワン・ケノービ救出という任務。しかし、やはりそれは騎士にとってどうでも良かった。むしろありがたい。邪魔な存在が減るのだから。


砂の惑星から飛び立ったハクロは、今後の事を考えていた。騎士と手を組む事を決めた。そして黄金の剣についての情報も無し。もしかしたらタトゥイーンにあったのかもしれないが、どうも解らないので止めておいた。
「どうする……?」
と、呟き、タトゥイーンで見つけた張り紙の事を思い出した。ニクトの賞金首を落下させた所に、ある張り紙があった。用心棒募集、という物だ。視界の隅に入っただけで殆ど気に留めなかったが、今のハクロには丁度いい。
「確かウォーヴのシルド宮殿だったな……。行ってみるか。R2、座標をウォーヴへ」


ウォーヴは変わった惑星だ。惑星の三分の一はナブーのような自然だが、残りは荒野の様だ。R2がハクロに教えたのだ。
「さてと……ん? 通信だ」
ウォーヴからの通信。ハクロはそれに応答した。
「ジェダイですか……? こちらはウォーヴ警備局。そちらはジェダイですか……?」
ハクロはそれを否定した。
「いや、用心棒募集という張り紙を見つけてな。シルド宮殿はどの辺りだ?」
しばしの沈黙。向こうは何やら騒がしい。
「ほ、本当に用心棒になるおつもりですか?」
ハクロは首をかしげ、顔をしかめた。
「悪いか? 兎に角、何処へ着陸すればいい?」
「ポ、ポイント004です! 大きな宮殿のすぐ隣です!」
何なんだ、とR2は呟いた。ハクロは取り敢えず指定されたポイント004へ向かう。荒野を抜け、森林を抜け、そして小高い丘の上に、その宮殿はあった。真っ白く、とても美しい。そのすぐ隣に、数機のスピーダーが置いてあり、身だしなみの良い男と、青い戦闘服を着た男達が数人そこにいた。手を振っている。
ハクロはそこに着陸し、飛び降りた。男達は驚いた顔をし、ハクロは身だしなみの良い男に歩み寄った。
「貴様が用心棒を探しているのか?」
その男は頷き、アルフォンと名乗った。このウォーヴの森林側を支配している王で、近辺警護が不安になり、腕が立つ賞金稼ぎ等を雇っているらしい。
ハクロは宮殿の大広間へ通された。そこでもハクロは鎧を着たままで、兜も取ろうとしなかった。二人は向かい合って座った。大広間にはアルフォンとハクロだけ。
「えー……名前は?」
「ハクロだ」
即座に言い、ハクロは身を乗り出した。
「言っておくが、俺は騎士だ。黄金の剣については知っているな?」
アルフォンも唾を飲み込み、ゆっくりと頷いた。この男、本名アルフォン・モスカンタリー。黄金の剣の情報が入ったチップの刻印されていたディアン・モスカンタリーの弟だ。
「貴様の兄は、何処で黄金の剣について知ったのか解るか?」
アルフォンは首を横に振った。ハクロが見た張り紙は、用心棒募集と大きく書かれていた。そこにアルフォン・モスカンタリーの名前。そこでハクロは瞬時に判断した。ディアンの、身内だと。
「それは知らんが、私と兄さんは趣味でお前達騎士について調べていた……。黄金の剣についても調べたが、殆ど収穫がなかった」
ハクロは立ち上がり、静かに言った。
「俺がここに来た理由は、ディアンが何処にいるか知りたかったのと、これからどうすればいいのか解らなかったからだ」
アルフォンは頷いた。大理石で造られた、この円形の大広間は、大きな窓がいくつもついていて、そこから差し込む日差しが床に反射して目映い。その光がさらにハクロの銀色の鎧に反射するのだから、眩しすぎる。
「まぁ兎に角、今日から俺は貴様の配下だ。……ところで、さっき警備局のなんちゃらが、俺が用心棒になるのか、と騒いでいたが」
アルフォンは口をあけ、
「あー」
と大げさに言った。そして立ち上がり、ハクロの前を通り過ぎ、端っこにあるソファに座る。
「それが、ここの約三分の一が荒野なのは知っているだろう? その荒野に巨大な化け物がいるのだが……。まさか、それを承知で来たんじゃないのか?」
ハクロは何の事だかさっぱりだった。
「あの張り紙を見て来たんじゃないのか? 用心棒になる、つまりそれはその化け物を倒すということなんだ!」
何故か立ち上がり、アルフォンは叫んだ。ハクロは呆れた様に息を吐き、アルフォンに背を向けた。
「俺は騎士だぞ? 誰にも負けない。ジェダイにさえも」
静かに言った。アルフォンは苦笑いした。この男なら、と思った。
「既に五人の賞金稼ぎ達が向かったが、皆帰ってこない。これを」
ハクロは振り返った。アルフォンの手には、透明な球体があった。それはブレスレットに大き目の真珠をつけた様な物で、球体の中には何やら入っている。
「これは?」
ハクロはそれを受け取り、左手首につける。それは日差しに反射し、きらきらと輝く。
「それはザルガという、なんというか……アドバイス役だな」
球体の中から頭蓋骨が浮かび上がってきた。鈍色で、どこか金属的だ。
「よぉ、ハクロっていうのか」
「喋った……?」
鈍色頭蓋骨もといザルガは、なんとも言えない不思議な感じで話してきた。
「俺は騎士のことも、黄金の剣についても知っている。お前の良き相棒だぜ」
ハクロは鼻で笑う。
「俺の相棒は、この銀牙刀だけだ。……だが、お前には協力してもらう」
アルフォンは笑顔で頷いた。
「で、荒野のどの辺りだ? 化け物とやらを地獄送りにする」

>>312『魔物』へ続く


[301] (無題) 投稿者:お雪 7cutcbhRW5A (2006/04/05(水) 23:48 sPxbKzGZKFU) [SAGE]

st_rx_24

注意
これは完全にお笑い中心の物語です。
ギャグのネタのため、登場キャラクターのイメージが損なわれるような表現、展開が多々あります。(むしろそれのみによって構成されています)
また、SWとして絶対にありえない、明らかにおかしい部分も存在します。
以上のことが許せない、嫌だという方は、申し訳ありませんが読まれないほうが良いかと思われます。



「惑星ダゴバにての話 〜増幅せし彼の苦悩〜」

いつの間にか、自分は敵に囲まれていた。
目の前には、袂を分かったかつての弟子がいる。
闇へと身をささげ、心も身体も堕落した存在。
その向こうには、身動きひとつできずにこちらを見つめているあの少年がいた。
新しき、そして、最後の希望が。
そう、闇を倒すのは彼の役目なのだ。
光を放ち、暗黒を照らすのは。
彼は、その少年にかすかに微笑みかけた。
驚愕する少年の顔が見える。
 刹那、紅い光が閃いた。

 自らがねぐらにしている小さな小屋の前で、ヨーダは深い悲しみに打たれた。
暗く、冷たいその惑星に、かつて銀河一のジェダイ・マスターとして名高かった彼はいた。
彼は孤独を嫌ったことは無いが、長い時間この星で暮らしていると、少なからず人里が恋しくなる。
世間から隔離され、目を覆って生きている今、外界のことを知るための手段はひどく限られている。
すなわち、フォースの細かな動きを探ることに。
しかし今日、今この場で感じたフォースの揺らめきは、目を閉じ、深い瞑想状態に入らなくとも、はっきりと感じられた。
 光と闇が再び対峙したことを。
そして・・・その光が輝きを失ったことを。
光のフォースの揺らめきが、消えた。
闇がまたひとつ、大きくふくらみ、暗さを増す。
 ついに自分は一人になってしまった。・・・独りに。
ヨーダは固く目を瞑り、うつむいた。
彼が、死んだ。

 と、その瞬間、大きな声がした。
『ルーク、走れ、走るんだ。』
ハッと顔を上げる。確かにそう聞こえた。
耳の鼓膜を震わせるのではなく、心に直接響くその声は、つい今しがた失われた光が発するものだった。
 そしてそれと同時に、この世に新たな光がともるのを感じた。
失われた光の魂が、その名を呼んだ少年に。
そう、自分はまだ独りではない。
まだいる、まだある、希望が。
そう、ルーク・スカイウォーカーが。
ヨーダは再び目を閉じたが、その顔はもううつむいてはいなかった。



 と、その時、背後から、
『マスター・ヨーダ。』
という声がかかり、同時に狭い両肩にひんやりと冷たい手が置かれた。



「ぎいぃぃぃやああぁぁぁぁっっ!!!」
 それはそれは大きな声でヨーダは叫んだ。
そしてさっと身を伏せると、湿気でぐしょぐしょになった地面に顔を突っ伏し、愛用の杖を背中の後ろでブンブン振り回した。
「寄るな! 触るな! あっち行け!!」
 ここは無人の惑星ダゴバ。
人の言葉を話す者など彼以外にはいない。
ここ20年近く、ヨーダは師であるクワイ=ガン・ジンとしか話したことがなく、しかも彼が現れるのは本当に必要な用事があるときだけで、その姿はおろか声さえめったに聞かせてくれない。
ヨーダが人語に敏感になるのは当然のことだった。
 ところでその何者かは、ヨーダの必死の威嚇にもかかわらず全くひるまず、逆にわずかではあるが距離を詰めてきた。
『そんな・・・マスター、ひどいです・・・。』
得体の知れないそいつは心底傷ついたような声を出した。
そんな甘えた態度には騙されんぞ、とヨーダは思った。
「マスターなどと呼ぶでない! ジェダイは滅んだのじゃ!」
『そ、そんなことを・・・いいえ、まだ滅んではいません、貴方とあの子がいます』
「うるしゃい! 化け物のくせにヘリクツをこくな!」
『ば、化け物・・・・・・。』
ヨーダはこれ以上その声を聞くまいと、自分のとがった両耳を小さなしわくちゃの手でふさいだ。
が、どういうわけかそいつの声はもろに鼓膜に響いた。
まるで頭に直接言葉をたたきこまれているかのように。
『マスター・ヨーダ。どうか顔を上げてください。私です、オビ=ワン・ケノービですよ。』
 オビ=ワン・ケノービ。
この懐かしい単語は混乱したヨーダの頭を更に混乱の渦の中へと放り込んだ。
「デタラメ言うでない! マスター・ケノービはタトゥイーンで隠居生活中のはずじゃ!」
『ええ、そうでした。しかし、例の少年と共にそこを発ったのです。事情を話すと長くなるのですが。・・・マスターはそれを感じたのでは?』
う、イタいところをつかれた。
確かに言われてみればその通りだった。
“最後の希望”ルーク・スカイウォーカーとオビ=ワンが出会ったときのフォースの揺らめきはそれは大きなものだった。
しかし・・・
「・・・じゃが・・・あ奴がここにおるはずがない!」
それでもヨーダは頑張った。
本当は、自分の中でも答えは見えているのだが。
するとその得体の知れない者は、ほんの少しだけ声を荒げていった。
『しっかりなさってください。私の存在を感じていらっしゃるのでしょう?わかっているはずです・・・あなたには。私が・・・・・・死んだことも。』
ヨーダはうめいた。
 そして恐る恐る顔を上げる。
そこには、青白い男が立っていた。
彼が光に包まれているのか、それとも彼自身が光を発しているのか、それは定かではない。
彼はヨーダの記憶の中にある姿より、しわが増えて髪も白くなり、また、身体そのものも半周りくらいしぼんだように感じられた。
しかしそれは紛れも無く・・・
 そこまで考えて、ヨーダの意識は露と消えた。

 不覚だった。
 オビ=ワンが自分と同じように霊体化の術を学んでいるということはもちろんヨーダは知っていた。
というか、それを彼にすすめたのは自分自身ではなかったか?
 しかも、ヨーダは約900年間生き続けたジェダイ・マスターとして、いかなることにも動揺しない、という自信があった。
が、今回のことでそれがとんでもないうぬぼれに過ぎなかったということを思い知らされた。
 しかしヨーダとしては、霊体化というものは、もっとこう、なんというか、重みがあるものだと思っていた。
 二人の共通の師であるクワイ=ガンは、死者の魂としてヨーダの前に姿を現すまで 10年近くかかった。
オビ=ワンは長い時間をかけて確実な修行を行っているので、流石に現世に現れるまでそんなに時間はかからないだろうとは思っていた。
しかし、死した直後に霊になってしかも自分の目の前に現れるとは思ってもいなかった。ましてや、何の前触れも無く背後からいきなり氷のように冷たい手をかけられるなんて・・・。
これでは、驚かない方がおかしい。
そうだ、その通りだ。ワシの恥ではない。
 ヨーダはぼんやりした頭の中でそんな結論に達すると、意を決してそっと目を開けた。

視界いっぱいに、青白いオビ=ワンの顔があった。
分かりやすく言うと、熱い接吻まであと5センチ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』


[302] 惑星ダゴバにての話 〜増幅せし彼の苦悩〜 続き 投稿者:お雪 7cutcbhRW5A (2006/04/05(水) 23:49 sPxbKzGZKFU) [SAGE]

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>>301

「あっぷわあああああぁぁぁぁっっっ!!!!!!」
 顔と顔がぶち当たらないよう、器用に身体をくねらせて地面をはって後退するヨーダ。もちろんできる限りの全速力で。
『おはようございます、マスター・ヨーダ。御気分はいかがですか?』
御気分だと?
「ハァー・・・ハァー・・・・・・最悪だッ!!」
お気に入りのスティックでヒステリックに地面をガンガン叩く。
「なぜそんなに顔をくっつけるんじゃ、お前は!?」
ヨーダは荒い息を必死に抑えようとしながら言った。ひどく動揺している。・・・あたりまえだ。
すると霊体のオビ=ワンは腰を低くかがめたまま、首をひねってひどく困った顔をこちらに向けた。
『なぜって・・・ここの天井が低いからです。』
「何?」
改めてヨーダは回りを見回してみた。
気絶するまでは確かに暗い外にいたのに、今はここ20年近く自分が住処にしている泥の小屋の中である。
この小屋は主の大きさに合わせて造ってあるので、普通の人間の大きさの者はしゃがまなければならない。
『私はマスターが早くお目覚めにならないかと心配で、あなたの顔色を窺っていたのです。・・・それでベッドの上のあなたをのぞき込もうとすると、必然的に顔が近くなってしまうのです。』
たしかにオビ=ワンの言うとおりだ。ヨーダは納得しながらも何か釈然としない気持ちで立ち上がった。
「むう・・・お前がワシをここまで運んで寝かせたのか?」
『はい。何とか気合でやりました。』
気合って・・・何?
幽霊に抱きかかえられる自分の姿を想像し、自分で自分がおかしくなってきてしまった。自然と口元がゆるむ。
それをごまかす意味も含めて、ヨーダは軽く咳払いした。
「世話になったの、それは。ところで、ワシはどれほどの間眠っていた?」
『おおよそ4標準日です。さすがにもう死んでしまわれるかと思いました。』
盛大にヨーダはこけた。
4標準日! そんな長い時間寝てすごしたとは・・・
「な・・・なにか手は打たなかったのか? 死ぬかもしれないと思っていながら?」
我ながららしくない、自己中心的な発言だ、とヨーダは思った。
しかし、これはぞっとしない話である。来るべき死を避けようとは思わないが、いかな900年近く生きている偉大なジェダイ・マスターだとて、死にたいわけではない。
しかしオビ=ワンはいたってケロッとした顔で、
『もしもあなたがこちら側へ来たとしても、冥府でいくらでもお会いできますから。』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そ・・・そんなにも単純なものなのか・・・!?死と死者というものは・・・!!
ヨーダが愕然としていると、霊のオビ=ワンもさすがに腰かがみ姿勢で疲れたのか、ぺたりと床に座った。
・・・体育座りで。
老いた男が真剣な表情でひざを抱えている様は、こっけいとしか言いようがなかった。
しかし、今ここで笑うような余裕を、ヨーダは持ち合わせていない。
「ふ、普通でよいぞ・・・」
しどろもどろにそう伝えるとオビ=ワンは、では、お言葉に甘えて、と軽く頭を下げ、座りなおすために立ち上がった。
そしてヨーダは見た。
オビ=ワンの長身が小屋の天井をすりぬけ、腰から上が途切れたのを。
「〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!??」
なぜこやつはこうワシを怖がらせることばかりするんじゃ!?
ヨーダは再び息が荒くなった。
霊体ついては多くを学んだはずだった。
実際に霊の姿を見たことも数えきれないほどあるし、自らもそうなることが出来るように既に修行を終えている。
しかし、
「まだまだ学ぶことが多い・・・」
ヨーダはぼそっとつぶやいた。
オビ=ワンはヨーダの動揺にはまったく気付かず(少なくとも気付いたようなそぶりは見せず)、ふわりとあぐらをかいた。
頭に手を当てて気持ちを静めると、ヨーダもきちんと土を盛り上げてつくった“イス”に座りなおし、オビ=ワンと向き直った。
二人とも、何から話して良いのか分からずじっと黙っていた。
20年近く逢うことのなかった友。たった二人だけで生き残った。
ヨーダは、今はもう冥界の住民になってしまったこの友の顔をまじまじと見つめた。
そう、冥界。
今までは、相手の奇怪な行動に驚かされてばかりでその事実をしっかりと考えられなかったが、彼は既に死んでいるのだ。
長い間逢えずにいて、ようやく再会できたと思ったら、その友は死人。
 不意にヨーダの中で様々な感情が渦巻いた。
再会できた喜び。過去に対する懐かしさ。
かたや、生きた姿で会うこと叶わなかった悲しみ、そして悔しさ。
そんなヨーダの心中を察したのか(いや、もしくは本人も同じ気持ちなのかもしれない)、オビ=ワンは静かに微笑を向けてきた。
その笑顔に、ヨーダは何か不思議なものを感じた。
ヨーダの知っている彼は、何時も何かに悩んでいたり、心配をしていたりで、難しい顔をしていた。
時折、フッと笑みをこぼすことはあっても、どこか憂いを帯び、皮肉めいていたり、自嘲的であったりした。
しかし今の彼の表情は、何の曇りもない、心からの微笑みだった。
以前の彼ならば、こんな表情は出来なかった。
彼を変えたのは、この20年近い年月か。
それとも・・・死、だろうか。
そこまで考えて、ああ、そうか、とヨーダは思う。
かつての弟子だったこの者は、全てから開放されたのだ。
つらい記憶も、思いも、永遠に過去のものとして封印した。
この世の苦役の枷をはずし、フォースの一部となって光の中の存在となった今だからこそ、このように柔和に笑うことが出来るのだろう。
 死したことによって心に慰めと真の安らぎを得られたのならば、これは歓迎すべきことなのかもしれない。
『そんな・・・マスター・ヨーダ、やめてください。私は変わってなどいません。』
「いいや、お前は自分では気付いていないだけじゃ。物腰は優しくなったし、心に余裕を持てて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って何ィィィィッッ!!!」
『?』
おいおいおいおいおいおい、どーゆーことじゃ?
コイツ今なんつった? ワシの心の声にコメントしてきおったじゃと??
心を読まれている? バカな。この900年近く生きてきたジェダイ・マスターのこのワシが・・・
 あ、いやでも相手は銀河中に名をはせた英雄(しかもマインド・トリックが得意だと言う悪趣味な)だしなあ・・・
でもそれならワシだって負けてはおらんぞ。
ワシだって若かった頃はものすごく強くてかっこよくて・・・いやいやいやいやいや、そんなことはどーでもよい。
 何か頭ん中混乱してきた。イカンイカン。
心を落ち着けねば。フォースも思考も記憶力も記憶も曇る。
・・・え? 何言っちゃってんのワシ?視界なんか曇るかい。
記憶力が曇るじゃと?余計なお世話だコノヤロオォォォ!!
『あの・・・大丈夫ですか?』
「だまらっしゃい!」
突如かつての師が押し黙り、一言も言葉を発しなくなったのを心配したのか、オビ=ワンがかなり控えめに話しかけてきた。
が、今のヨーダにはそんな余裕はない。
つい大声で怒鳴ってしまった。
『・・・はい・・・。』
すっかり気おされた様子のオビ=ワンは文字通り一回りしぼんだ。
クワイ=ガンの時もそうだったが、どうやら例と言う存在は感情によって大きさが変わったり、時には姿そのものが変化したりするものらしい。
 その姿がなかなか滑稽で、ヨーダは自然と落ち着きを取り戻した。
フウーー、と肺が痛むほど長く大きく息を吐き出すと、元の穏やかな目指しになっていることを祈りながら、改めてオビ=ワンに向き直る。
「なぜワシの考えていることがわかった?」
オビ=ワンはまるでその問いが意外そのものだ、とでもいうように眼をしばたかせた。
そしてほんのちょっぴり首をかしげ、視線を宙に泳がせながら利き手でひげをしごく。
 こういったちょっとしたしぐさは昔と変わらないな、とヨーダは思った。
 少しの沈黙の後、何かに気付いたのか、オビ=ワンはああ、とかすかに声をもらし、ポンと手を打つ。
そして恥じ入ったようにうつむくと、
『申し訳ありません、忘れていました。』
忘れていたって・・・何を?
ヨーダは訝しんで眉間にしわを寄せた。
 顔を伏せてはいても、その様子がオビ=ワンにはどうやらわかったらしい。
顔を上げぬままゆっくりと、ほとんどつぶやきに近い口調で続ける。
『その・・・冥界民法第142条を、です。』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なんじゃそりゃアアァァァァァァ!!!
冥界に法律なんかあるのか? しかも民法!?
ってゆーことは何? 憲法とかもあるの冥界って? 何それ?
死ねば全てから開放されて自由になるんじゃないの?
え? そーゆーモンじゃないの? 人の魂って。
 ヨーダの頭の中で様々な思いが駆け巡り、駆け巡っては消えていった。
そんなヨーダの心中を知ってか知らずか、(フン、どうせ知っているにきまっとる、とヨーダは思った)オビ=ワンは言った。
『冥界法民法第142、“生者の心の内を読めてもそれに気付かないフリをしろ”、です。』
「なんっ・・・・・・」
ヨーダは息を呑んだ。
つまり霊というものは他人の思考を見通すことが出来るということか?
いや、しかし・・・
 ヨーダは恐る恐る口を開いた。
「もしや・・・今までのワシの考えは、全てお前に読まれていたのか?」
『え・・・ええ、はい。ほとんど全て。』
ヨーダはもう少しで「Noooooooooo!!」と叫んでしまうところだった。
 霊体のオビ=ワンに出会ってから、ヨーダは混乱やうろたえの連続だった。
しかし、それを何とか悟られまいと必死に努力した。
だと言うのに、それは全て無駄なことだったのだ。
情けないかつての師の姿を見て(と言うか心の声を聞いて)、オビ=ワンはさぞかし落胆したことだろう。
もしくは、あまりのふがいなさ加減に、おかしくて内心笑い転げたか。
昔のオビ=ワンだったら前者だっただろうが、今こうして歳をとった彼を目の前にしていると・・・どうも、後者のほうのような気がしてならない。
「・・・心を読まれなくなる方法は?」
 ヨーダは、かなり慎重に言葉を選びながら言った。
自然と体勢そのものも警戒をしているように腰かがみになる。
それに対し、オビ=ワンは淡々と答える。
『生身の人間を相手しているときと同じです。平静さを保って心を閉ざせばよいのですよ。』
「そうすれば読めなくなるのか」
『読みにくくはなります。』
 曖昧だな。
そう思い、ヨーダは眉間にしわを寄せて考え始めた。
 今は何を言っても墓穴を掘ってしまうような気がするが、先ほどからの会話の中である一つの疑問が生まれた。
その答えを得なければ、どうしても気が済みそうにない。が、反面、答えを知るのが非常に恐ろしい。
しかしヨーダは百戦錬磨のジェダイ・マスターのプライドをかけて、思い切って口を開いた。
「・・・クワイ=ガンも、生者の心を読めるのか?」
『ええ、もちろんです。』
「・・・・・・では・・・今までの過去約20年間のワシの思考は・・・奴に・・・・・・」
恐怖で声を震わせているヨーダに、オビ=ワンがとどめを刺した。
『ほぼ筒抜けだった、と言えますね。』
ヨーダは卒倒しそうになった。
 特にやましいことはない。
クワイ=ガンは自分の師であり友であり、ヨーダはずっと彼のことを心から尊敬している。
例え内心であっても、彼を罵ったり、蔑んだりしたことは一度もなく、そういう意味では、心を読まれてもなんら問題はないのだが・・・。
しかし、やはり自分の思いが相手に直接知られているというのは、気持ちの良いものではない。
 と、ここまで考えて、ヨーダは今この場で考えていることも、オビ=ワンに知られていると言う事実に気が付いた。
あわてて心のシールドを強化する。
これから先は何があっても読心などされぬようにせねばならん。
ヨーダは決意を新たにした。


[303] 惑星ダゴバにての話 〜増幅せし彼の苦悩〜 続き 投稿者:お雪 7cutcbhRW5A (2006/04/06(木) 21:59 fCP.QMENfKk) [SAGE]

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>>302

 不意に、今まで頭を垂れていたオビ=ワンがハッと顔を上げた。
「どうした?」
突然のすばやい動きに驚いたヨーダはすかさずたずねた。
しかしオビ=ワンは、まるで現世のヨーダの声など聞こえないかのように黙ったまま瞬きもせず視線を宙に泳がせている。
『ルーク・・・。』
彼はぼそりと呟いた。
『ルークが・・・。』
オビ=ワンは自分に話しかけているのではない。
彼の心は今、このダゴバのしなびたエイリアンの狭い小屋ではなく、もっとずっと遠くのかなた、宇宙と言う漆黒の世界の向こう側にあるようだった。
 ヨーダは穏やかにその青白い霊に話しかけた。
「ルークが、どうした?」
するとオビ=ワンは、今、この瞬間にヨーダの存在に気付いた、とでも言わんばかりに驚き、ヨーダに視線を合わせた。
そしてそんな不遜な態度をとってしまったことを恥じたのか、少しだけ顔を伏せ、重々しく言う。
『ルークが、あの球っころにむかって出撃したようです。』
「・・・・・・・・・・・“球っころ”?」
何じゃそりゃ? 新手の兵器かなんかか?
『その通りです、マスター・ヨーダ。正に新手の平気なのです。よくお分かりになりましたね。』
「え・・・」
本当か? 今ワシ皮肉のつもりだったんだけど・・・。というか、コイツ今またわしの心を読みおったな? ううっ・・・くそう・・・。
オビ=ワンは説明を始めた。
『あの球っころは恐ろしい兵器です。あの巨大な球っころを破壊するため、ルークを含める軍隊が、今、小型戦闘機でとび出したのです。』
ヨーダは難しい顔をした。
「ふうむ・・・“球っころ”を、な・・・」
オビ=ワンの深刻な口調からして、その“球っころ”というのはとんでもない代物であるらしいことはわかった。
 が、“球っころ”という何かかわいらしい名前のせいで、いまいちヨーダは危機感をもてない。
するとすかさずオビ=ワンが言う。
『違います、マスター・ヨーダ。球っころ、というのは名称ではありません。正式な名前は私は知らないのです。ただ、私としては、その表現が一番適切だと思った・・・というか、それしか思い浮かばなかったというか・・・。』
ヨーダはオビ=ワンの眼をしっかりととらえた。
「オビ=ワン、いい加減人の思考にコメントするのはやめんか」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すみません。』
しばしの時間、二人の間に気まずい空気が流れた。
 が、突然あぐらをかいていたオビ=ワンが、天井を突き抜けないように気をつけながら立ち上がり、
『マスター、失礼ですがそろそろおいとまします。すぐにでもルークのところへいかなければならないので。』
その言葉にヨーダはハッとなった。
 そうだ、今はこんな風にのんびりしている時ではない。
 その球っころがなんであれ、ルークが大変な任務を負い、危機に瀕していると言うことに変わりはないのだ。
「・・・そうじゃな。それこそがお前のやるべきことじゃ。早く行ってやるがよかろう」
ヨーダが穏やかにそういうと、オビ=ワンはかすかに微笑み、眼を伏せた。
『失礼します。』
ささやくようにそう言うと、彼は音もなく静かに消えた。
 ヨーダはしばらくの間、かつての弟子がいたところをじっと見つめていたが、やがてゆっくりと眼を閉じた。

 その後、ヨーダはオビ=ワンの、ルークに対する呼びかけの声をはっきりと聞いた。
 そしてその直後、一瞬フォースが強く光を発したのも感じた。
 光が、勝った。
 もちろん、完全な勝利と言うわけではない。戦いはまだまだ続くだろう。
 しかし、それでも。
 ルーク・スカイウォーカー。残された希望。
 彼は・・・きっとやり通す。
 その後、再びオビ=ワンがたずねてきた。
前回と変わらずいきなり背後に出現したが、彼の来訪を予感していたヨーダは、さして驚かなかった。
二人は互いに祝いの言葉を述べ、会話をした。
しかしオビ=ワンは、すぐにまたルークのところへといってしまった。
行き際に彼は、
『ヤヴィンWで祝賀会が開かれるそうです。なにかすごく楽しそうですし、きっと美味しいものもたくさん出ますよ。せっかくなので私も行って楽しんでこようと思います。・・・ああ、でも、そんなに長居をするつもりはありません。・・・・・・もし、何かあったら、地面に魔法陣を描いて「召喚!」って叫んでください。すぐ来ますから。多分。でも入浴中にはあまり呼ばないで下さいね。ではマスター、行ってまいります。』
というツッコミどころ満載なせりふを残していった。
しかし彼はその一方的な発言の直後すぐに消えてしまったため、ヨーダはそれについてコメントすることは出来なかったのだが。
 そしてそこには再びヨーダだけが残された。
ヨーダははたまらない寂しさを感じた。
「奇妙なことよの」
呟くように、言う。
「今までほとんど一人でおったというのに、今さら悲しくなるとは」
一度友に逢えたからこそ、共にいたいという気持ちが強くなってしまったのだろうか。
しかし、その友人は近いうちにまた現れるだろう。
そう、生者たちとさんざん遊んできてから。
寂しがることはない。

 暗く冷たい惑星ダゴバ。
静かなこの星が、今までより少しだけにぎやかになる予感。



「・・・・・・・・って、なんじゃこのグダグダなオチはアアァァァ!!!」


おしまい


〜あとがき〜
だいぶ前、私が始めて書いたSW小説です(これを小説と言えるのかどうか疑問ですが)。
あくまでネタ、おふざけにすぎないので、公式設定との矛盾点などは眼をつむってください・・・。
もし、この話を読んで不快になられた方がいましたら、どうかご容赦ください。申し訳ありませんでした。


[304] (無題) 投稿者:・クライド 9dN18uy/K8E [Web] (2006/04/11(火) 22:59 WMU3Hm6t4.M)

cut_anakin

部隊の呼び方を変え、>>296を修正しました。

>>296の続き

将と兵 〜General and Soldier〜

2 ―盾と槍―

「敵襲だ!応戦!お互いを援護しろ!!」
「デストロイヤーだ!グレネードの用意!!」
奇襲は失敗した。
共和国軍の予測よりもドロイドは遥かに警戒を強めていたのだ。
薄暗い森の中から、まるで湧いて来るかのようにドロイドが現れる。
「・・・・・・あれ?ウェン?」
ヘンスは戦闘の轟音で目を覚ました。ヘンスは自分の体に怪我が無いか確認する。
もしも戦場で手足を怪我しようものなら、すなわちそれは死を意味する。
幸い、日頃の訓練の成果か、とっさに飛びのいたおかげで撃たれてはおらず、怪我も無かった。
彼の立場は怪我人から兵士へと変わる。
そうしている間にもブラスターの光弾は彼の頭上を飛び交い、何かに当たって爆音を立てる。
これから彼もそれに参加しなければならないこともわかっていたが、彼にはもっと気になることがあった。
「ウェンどこだ?」
さっきまで隣にいたはずのウェンがいなかった。
近くに倒れているのかと思い、まわりを見回してもその姿は無い。
既に撃ち合いに参加しているのか・・・・・・跡形も無く吹き飛んだのか。
どちらにしても長年の戦友を見捨てることはできない。せめて生死の確認がしたかった。
ヘンスは姿勢を低くしたまま歩き出す。
ライフルを肩に構え、周りに注意を払いながら徐々に前進する。
物音がすればとりあえず明らかに仲間がいない方向にだけ撃つ。
おかげで近づくドロイドを次々と破壊していた。
ありがとう、落ち葉。
しばらく歩いた後、何か凄い物音が接近してきていた。
とっさにライフルを構えなおし、立ち上がって周りを見回す。
しかし何も無い。彼が身を再び草に埋めようとした時、それは突然襲い掛かってきた。

====================

なんか大変なことになってきました。


[305] (無題) 投稿者:バナナ隊長。 RfHMuT0B/Dg (2006/04/06(木) 20:29 IIWP7bnkKsA)

panaka

Probulem―問題

<オールドシリンダー>
「どういう事だ」ネイオが怒鳴り散らす。ネイオの前に立つ男は肩をすぼめた。この男はさっきと違う緑のワッペンをつけている。
「だから、その・・・・・・簡潔に言えば・・・・・・警備隊長ハム・ノリーが逃げ出したということです」その男が謝ろうと頭を下げる。その瞬間、赤い光が閃き目を丸く開けた男の頭が転がった。
「捕虜管理担当のデルト・マクレーンは罪を償った。この仕事はダート・ガーレイが引き継ぐ。なんとしても奴を始末してくれ」ネイオは赤いワッペンをつけた男・ダートの肩に手を置き鋭いまなざしで言った。ダートが小さく頷き、操縦室を去る。

ハムが急に立ち止まった。レンがハムの見ている方向へ視線を移す。特に異常はない様に見えるが。
「止まれ」ハムがすぐ横の壁についていた操作パネルを指でなぞる。それから腰についていたスタン麻痺グレネード爆弾を通路の向こうへ転がす。麻痺爆弾は5メートルほど転がり、突然爆発した。
「レイ光線シールドだ。見つかっちまったな」ハムはそう言い残し、通路を引き返した。レンが慌ててそれを追いかける。
「ちょっと待ってくれ。そんなに簡単に引き返しちゃうのか?」レンがそう言おうとした瞬間、黒づくめの男が通路に飛び込んできた。
「クソ!」ハムは素早く体をひねり壁に張り付いて銃撃の第一波をかわした。レンも当たる直前にしゃがみ、難を逃れる。だが、これからが勝負だ。
ハムがしゃがみ、一回転すると左足を軸に男のあごを蹴り上げた。さらにブラスターを抜くともう一人の腹に押し付け、打ち抜く。それと同時に銃撃の第二波が二人を襲った。
ハムは蛍光灯から伸びている鉄棒につかまり、体を天井にぴたりと着けてブラスターを避ける。レンはまたしゃがもうとしたが一歩遅く、レーザーが腹に直撃した。
「大丈夫か」ハムが急いで駆けつける。レンはハムを叩き、壁に押し付けた。数発の閃光が二人の頭、腹、足をかすめる。
「かすっただけでいちいち寄ってこない方がいいと思うよ」レンが呟く。
かすっただけ、だと?確かに腹に直撃していたのだが。
レンは立ち上がるとハムのホルスターからブラスターを抜き、連射した。それは数人に当たり、残りが一人となる。ダートだ。
「へぇ、簡単じゃん」レンが呟く。残りは一人。すぐに終わるさ・・・・・。
「レン!」その声がレンの耳に入った瞬間、腹の下にダートが現れ、レンの腹を蹴った。レンは壁に叩きつけられ、気絶する。
“一対一か”そんなことがハムの頭をかすめると、行動に出た。ダートは黒いマントをひらめかせ、迫ってくる。
3m・・・2m・・・1m・・・。“今だ!”ハムは片方の壁を蹴り、反対側の壁に体を叩きつけると振り向いてダートを撃った。
閃光が白い床を焼く。遅かったのだ。
ダートはハムと同じようにしゃがみ右足を軸にして足を突き上げる。ハムはそれを避け、右足でダートの左足のひざ裏を蹴った。
「ふん、二番煎じか」ハムが笑う。
ダートはバランスを崩したが、すぐに立ち上がるとエレクトロナイフで切りかかった。ハムがそれを左に避け、首もとにチョップする。そしてそのまま腹に膝蹴りを食らわせた。
ダートはナイフを落とし後ろへたじろぐが、ブラスターを取り再び襲い掛かる。ハムは滑るようにナイフを拾い、そのままダートの首もとに投げつけた。ナイフは見事に首へと命中し、ダートが倒れる。
「いやー、ナイフでグサリってのはねぇ〜」レンが見物人のように死体を覗いた。ハムはまた殴ろうと一歩出たが、レンがなだめるように手を出す。
その時、水蒸気の漏れるような音がした。二人が振り向くと、ブラスターが配管にぶつかり、暴発して、配管を傷つけていた。冷却用の配管を、だ。
ハムはあごを指でなぞった。
「冷却通路まで歩くしかないな。他に案は?」ハムが配管を見ながら言った。配管がさらに破裂する。
「あー・・・・・・走ったほうがいいかも」二人は顔を見合わせ冷却通路の方に走り出した。

「所詮ダートも使い物にならなかったか」ネイオが腕を組み、監視ホロをじっと見つめる。
「それにしても」ネイオの隣にいる仮面か被った男が口を開く。「あの男は何者なんでしょうか」
「さあ」通路を走る二人のホロが映る。ネイオはそれを真剣な眼差しでみた。「だだ、脅威にはなりうるだろう」


[306] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/06(木) 21:40 imMw5OCt6Sc)

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STARWARS
Galactic City

>>298の続き

2

ジェーンは翌日早速ロイの事務所にやってきた。ロイは笑顔でジェーンを迎え、オフィスに案内した。
「なにか飲むか?ん?」ロイはソファをジェーンに勧めた。
「いや、それより仕事だ。」ジェーンは言った。
「ああ、そうだろうな。あー、お前の最初の仕事は借金の取りたてだ。ローディアンのソバリー・イーチェンだが、金を返さない。やつを脅して金をとれ。拒めば殺せ。返してくれれば・・俺はもう満足だが・・お前に任せる。」ロイは言った。
「どこにいる?」
「ナイト・クラブに通ってる。」

日が暮れて、ロイから借りた新型スピーダーをナイト・クラブの入り口の前に停めたジェーンは店内に入っていった。内部は様々な種族のエイリアンでにぎわい、カラフルなライトで照らされ、客の服の色がわからないほどだ。
「ソバリー・イーチェンはどこだ?」ジェーンはカウンターについて店員に聞いた。
「ソバリーね、やつなら、ほら、あそこだ。」店員の指の先には数人の客と楽しく話しているローディアンがいた。
「ありがとよ。」ジェーンは言った。
「あんた、やつの友達かい?」店員は聞いてきたがジェーンはすでにカウンターから離れ、ソバリーに向かっていた。ジェーンはある程度近づくと腰のホルスターに手をそっとつけた。すると、ソバリーと目が合う。ソバリーはジェーンの腰に目を移し、それから今にもホルスターから抜き出されそうなブラスターを見てとっさにその場から走り出した。
「クソ!」ジェーンは毒づいて後を追った。客が多すぎる。客をかきわけながらジェーンは必死にソバリーから目を離さないようにした。客が多いのはあっちも同じ条件だ。ソバリーは店から出てスピーダーに乗り込んだ。ジェーンの乗ってきたスピーダーもそのすぐ近くに停めてあった。
「あれに乗るとわかってりゃ壊したのに。」ジェーンもロイのスピーダーに乗り追跡した。
ソバリーの運転は荒っぽく、前方からすれ違うスピーダーとぶつかりそうな運転だ。それにスピードも遅い。ジェーンはすぐに追いつき、ソバリーのスピーダーに並んだ。そして隣のスピーダーに向かってジェーンはブラスターを向けた。
「金を返すんだ。ロイ・マッキールから借りた金を・・」ジェーンは脅した。
「クソ!」ソバリーはスピードをあげた。だがそれほど速くはならない。ジェーンはブラスターでソバリーのスピーダーのエンジン部に発砲した。スピーダーは火をあげ、降下していった。ジェーンはスピーダーで同じく降下した。ソバリーのスピーダーはダウンタウンの通りに墜落した。ジェーンはスピーダーから降りると、すっかり脅えているローディアンに銃を向けた。
「ああ・…わかった…借金を返すよ!頼む!許してくれ!」ソバリーは言った。
「ああ、許すよ。早く金を出せ。」ジェーンは言った。

最初の仕事は成功した。無事ジェーンは借金をロイに渡し、報酬をもらった。ソバリーは以前よりも増してロイを憎むだろう。これは後になって大きくなる。


[307] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM [Web] (2006/04/07(金) 19:43 d2P60MAydK2)

anakin_solo

新小説

【龍の騎士】

今から一億年ほど前の物語、今では決して語られることはない。
ここは惑星ヴァース、緑が生い茂っていた惑星、帝国が誕生し、惑星を支配するまでは・・・・・・

「なあ、ジェネシス、お前のうちの父親って帝国の大提督なんだろ?」
ジェネシスの方に顔を向けながらゾアダが聞く、
「ああ、うちにはほとんど居ないな・・・・・・」
少し俯きながらジェネシスは答える。二人が居る場所は帝国の首都ヴェランにある帝国高等学校、ゾアダとジェネシスは同級生だ。
「実は・・・・・・悪い噂を聞いたんだ・・・・・・」
ゾアダは慎重に切り出した。ジェネシスは緊張した顔で次の言葉を待っている。彼らの周りには人っ子一人居なく、静寂が彼らを包み込む。決心がついたのか、ゾアダは、話し始めた。
「実は、帝国軍が各地で歯向かう奴を殺してるって言うんだ・・・・・・ そ、そんな事、ないよな・・・・・・」
ジェネシスは言葉に詰まりながら
「そ・・・ そんなの・・・・・・」ジェネシスは嘘に決まってると言いたいようだが次の言葉が出てこない。偶然か必然か、その瞬間、チャイムがなった。
「やべ、はやく行くぞ」二人は教室に向かって駆けていったのだった・・・・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これから戦闘シーンを少しずつ増やします


[308] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/04/07(金) 22:03 xexaqgzrA5U)

polis_massan

CHAPTER9(>>286)の続き

CHAPTER10
足音に驚いたウロスは、急いで起きあがり、フォースを通して足音の主を探った。その人物は黒い大きな甲冑に身を包んだ大男で、一定のリズムで機械的な呼吸音を発していた。そして、何よりもウロスを驚かせたのはその者の持つフォースの強さだった。
強すぎる。
ウロスは今までに何人もの強力なジェダイ・マスターに会ったことがあるが、今目の前にいる大男が持つフォースの強さは少なくともそれらのジェダイ・マスターと互角であり、もしかしたら名だたるジェダイ・マスターの中でも特に強い力を持っていたヨーダやメイス・ウィンドウとも互角に戦えるのではないかと思えるような強さだった。そして、彼は前にも1人だけそのような強力な力を持つ敵を見たことがあった。
分離主義者達のリーダーだったシスの暗黒卿、ドゥークー伯爵だ。ウロスが大男から感じている強力なフォースは、かつてクローン大戦の最初の戦場となったジオノーシスで感じ取った物とそっくりだったのだ。
「・・・おまえは一体何者なんだ?」
「俺は皇帝陛下の使者ダース・ベイダーだ・・・とでも言っておこうか。」
ベイダーの言葉にウロスは困惑した。皇帝の使者、“ダース”・ベイダーだと?どういう事だ?「ダース」というのはシスの暗黒卿の名前の初めに付く言葉だ。だが、シスは独立星系連合の主導者であり、共和国の敵だったはずである。ジェダイがいきなり共和国、いや、帝国の敵として追いかけられているぐらいだから、シスが帝国の味方になるぐらいの事はあってもおかしくは無いのかもしれないが・・・・
ウロスがそんな事を考えていると、黒く分厚いグローブをはめたベイダーの大きな拳の中から赤い光刃が現れ、それを見たウロスは倒れているユリエルの上に落ちている自分のセイバーをフォースで引っ張り、右手で受け止めようとした。
しかし、彼の右手はユリエルのブラスターによって受けた傷がひどく、痛みで動きが鈍くなっていたので、仕方なく左手で受け止めて起動した。
「片手で戦うとは、なめられたものだな。」
「う、うるさい。おまえが誰だか知らないが、これで十分だ。」
「身の程知らずめ。」
そう言うと、突然ベイダーは赤いライトセーバーを叩き付けるかのように、ウロスに力強い攻撃を何度も叩き込み、ウロスは青いライトセーバーでそれを必死に受け流した。
「生意気なジェダイめ、ライトセーバーを振り落としてくれるわ。」
「どうしたんだ?動きが大雑把になっているぞ。」
そう言うとウロスは天井に届くかと思うほど高くジャンプしてベイダーの攻撃をかわし、彼の青い光刃が天井からベイダーに襲いかかった。しかし、ベイダーはそれを事前に察知していたかのように素早く自分のライトセーバーを振ってウロスのライトセーバーを振り払った。
「この程度か。このまま八つ裂きに・・・ん?」
ベイダーのライトセーバーの光がウロスのライトセーバーの辺りを照らし出したが、そこにウロスの姿はなかった。
「どこを見ているんだ?」
ベイダーの後ろの方から声がしたかと思うと、ウロスのライトセーバーが素早く回転しながらベイダーの脇腹を掠めて彼の背中の大きなマントを突き破り、いつの間にかベイダーの後ろに回り込んだウロスの左手に収まった。
彼はすかさずライトセーバーを振るとベイダーのマントを切り裂き、ベイダーの胴体も真っ二つに・・・・しようとした。しかし、その瞬間ウロスの体はベイダーの強力なフォースに押され、岩で出来た洞窟の壁に強く叩き付けられてめり込んだ。
「結局、この程度か。」

CHAPTER11(>>311)に続く


[309] (無題) 投稿者:妖蛇 tftFLTP7BQ6 (2006/04/07(金) 20:40 d82RFDOk0NA) [SAGE]

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【ジェダイの復活】

プロローグ

遠い昔、はるかかなたの銀河系で・・・・

「うぎゃあああああああ!!!!!!!」
聞くのもおぞましい絶叫があたりに響き渡った。
「マラ!もうここも危ない、早く逃げるんだ!」
中年ほどの男はそういって彼の妻の手を取った。
妻の両手には幼い乳飲み子が抱きかかえられている。
彼の名前はルークスカイウォーカー、かつて銀河大戦で
名をはせた伝説のジェダイマスターだ。
マラと呼ばれた彼の妻は心配そうな表情を見せる。
「ルーク、貴方はどうするの?」
「俺はここで敵を食い止める。早く行くんだ!」
ルークが言い終わるとすぐに、刺青をした異形の戦士達が
部屋に乗り込んできた。
「ジーダイ、これで終わりだ。」
ひときわ大きな戦士がうなり声を上げる。
「サヴォング・ラ、まだ終わっちゃいないぜ。」
ルークはライトセイバーを起動した。
「早く行け!」
ルークが叫ぶと同時にマラは駆け出した。
「ふん、自分を捨てて家族を生かすか・・・貴様等人間の
思考法はよく分からんわ・・」
サヴォング・ラはそういうと戦士達に命じた。
「貴様等は控えておれ・・伝説のジーダイよ、せめてその栄光に
敬意を払い、私自ら安息を与えてやろう!」
アンティスタッフを構え、ウォーマスターはルークに切りかかった。
ライトセイバーで敵の攻撃を防ぐが、このユージャンウォングの
ウォーマスターの身体能力の前には如何にルークといえど不利である。ましてユージャンウォングにはフォースの加護は通じない。
いまのルークは、唯の熟練した剣士に過ぎない。
徐々に壁際に押されていき、遂にアンティスタッフがルークの右腕を切り落とした。
「ふん、やるじゃないか・・・」
セイバーを左手に持ち替えるルーク、しかし誰の目にも勝負は明らかだった。
「これで終わりだジーダイ、お前の仲間達も今頃は皆殺しだ。
この銀河の支配権は我々のものだ!」
サヴォング・ラは勝ち誇った唸り声を上げる。
「まだだ!まだ終わっていないぞ。たとえ俺が死のうと、必ずや俺の志を継ぐものが現れる!!」
ルークは再びサヴォング・ラに打ちかかっていった・・・・


護衛兵に守られつつ、マラはシャトルへと急ぐ。
だがその途中、マラは突然凍りつくような寒気を感じた。
「・・・ルーク?・・そんな、いやああああああ!!!!!」
マラの脳裏に夫の最期の瞬間がフォースを通じて伝わってきた。
思わず座り込むマラを護衛兵は無理やり立ち上がらせた。
「早く!マスタースカイウォーカーの志を無駄にされるのですか!」
マラは護衛兵に引きずられるようにしてシャトルへと乗り込んだ。
「パイロット、マラジェイド女史を安全な領域までお逃がししろ
。」
「イェッサー!」
シャトルはハンガーベイから離陸し、急上昇した。
シャトルのキャビンでマラは涙に暮れる。
周りでは生き残った新共和国の艦隊がユージャンウォングに
狩られていた。
「これよりハイパースペースに入ります。」
パイロットの声が船内に響く。
数秒後、シャトルははるか彼方の宙域へと旅たった。


ジェイセン・ソロは無残な姿となった姉のジェイナを見下ろしていた。
目の前のユージャンウォングの戦士達が卑猥な笑いを見せる。
「くくく、ジーダイの女、いい味だった・・・・」
「けけけ、ジーダイもこうなっちゃ形無しだな。」
ジェイセンは呆然とした様子で姉の死骸を見ていた。
強く、美しく、凛々しく、常に憧れの的だった姉。
自分が悩んでいた時はいつも励ましてくれた姉。
そんな姉を、こいつらは・・・・・・
突然ジェイセンの中にどす黒い感情が沸き起こってくる。
「ユルサナイゾ、キサマラアアアアア!!!!!」
咆哮を上げ、怒りに身を任せるとジェイセンはライトセイバーで
目の前にいる戦士達を切り刻んでいく。
「死ネエエエエエエエ!!!!!!)
敵が死んでも猶相手を切り刻むジェイセン。
最後の戦士を倒し、切り刻むと彼は姉の元に駆け寄った。
「ジェイナ・・・」
もはや目を覚ますことは無い最愛の姉の顔を見つめると、
自然と涙があふれ出てきた。
今まで家族で切り抜けた数々の冒険が脳裏に蘇る。
だが、彼等はもういない。
皆去ってしまった。
皆ユージャンウォングに殺された。
ジェイセンは一人だ。
しばらく死体の前で座り込んだ後、ハッと目が覚めたように
ジェイセンは立ち上がった。
ここにいてはいけない。
自分は生き残らなければいけない。
ジェイセンはジェイナのライトセイバーを手に取ると、彼女に最後の別れを告げた。
「さようなら、ジェイナ。」
ジェイセン・ソロはそういうと自らのシャトルに急いだ。
自分の未来をつかむために。


ユージャンウォングは一度は共和国と和平を結んだ。
しかし、それは更なる侵攻の前の小休止に過ぎなかった。
前回を上回る大艦隊の攻撃の前に新共和国は壊滅。
首都コルサントは陥落し、ルークスカイウォーカー、
レイア・オーガナ・ソロ、ハン・ソロを始め銀河大戦の英雄達は尽く散っていった。


[310] (無題) 投稿者:妖蛇 tftFLTP7BQ6 (2006/04/07(金) 21:14 d82RFDOk0NA)

clone

【ジェダイの復活】
>>309の続きです。


第一章 暗黒の世紀

あの征服からどれだけの時が流れただろうか。
当初星星に残って抵抗していた新共和国の残党軍も次第に
ユージャンウォングに屈していった。
コルサント陥落から500年後、銀河はユージャンウォングの
完全な支配下にあった。
最高大君主の交代に伴う小競り合いこそあったが、概ね平穏な
時代である。しかし、その平穏はこの銀河の原生種族の為にある
ものではなかった。

惑星タトゥイーン。
この惑星を焼く双子の太陽の輝きは、かつて二人のスカイウォーカーがこの星を旅立っていった時と変わっていない。
しかし、それをとりまく世界は大きく変わってしまった。
ユージャンウォング達はこの惑星にはあまり立ち寄らず、近くのジオーノシスに基地を設けこの惑星を監視していた。
その為この惑星はこの銀河の原住種族にとって数少ないオアシスとなっている。


モス・アイズリーの貧民街にある一軒の住宅から、突如怒号が聞こえてきた。
「ニコラス!またこんなヘンテコなガラクタ拾ってきて!」
母親らしき女性がそう言って、十歳を少し超えたくらいかと思われる男の子をしかりつけていた。
ニコラスと呼ばれた少年は、母親の怒りに負けじと言い返した。
「ガラクタじゃない、ドロイドだ!それもプロトコルドロイドだよ母さん!」
傍らのドロイドの残骸を指差しながらニコラスは弁明するが、怒った母親にそんな言い訳が通じるわけも無かった。
「家みたいな貧乏人にドロイドなんて必要ないの。ましてプロトコルドロイドなんて・・・まったく、あなたはいつだって・・・・」
だが彼女は息子の悲しそうな表情を見ると、少し可哀相な気がしてきた。
思えば息子には教育も満足に受けさせられず、辛い思いばかり。
そんな日常から息子を一瞬でも解放してやれるのなら、例えしょうも無いガラクタいじりであっても多めに見てやっても良いんじゃないの?
彼女―ケイト・シルベストリはそう思うとため息をついた。
「・・・分かったわ。そのドロイドは好きなようにしなさい。」
そうケイトが言った途端、沈んでいたニコラスの表情が輝かんばかりとなった。
「ありがとう、母さん!」
脱兎のごとくドロイドを引きずってニコラスは二階にある自分の部屋へと駆け上った。


[311] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/04/09(日) 22:54 76KKePfwDFI)

polis_massan

CHAPTER10(>>308)の続き

CHAPTER11
「ぐっ・・・何て力だ。」
ウロスは思わず呟いた。彼がベイダーのフォースに引っ張られようとしたとき、彼自身のフォースではそれを止めるどころかほとんど抵抗することも出来なかったからだ。
「そろそろとどめを刺してやろう。」
そう言うとベイダーはウロスの方に向かって手をかざした。すると、周囲に落ちている岩が静かに浮かび上がり、ウロスの方へ向かって飛んでいった。
「おいおい。マジかよ・・・・」
ウロスは小さな船で無理に小惑星帯を突っ切ろうとしているかのように、必死にベイダーが飛ばしてきた岩を避け、避けきれない物はライトセーバーやフォースで軌道を逸らし、どうにか岩を避け続けた。しかし、ベイダーが飛ばしている岩は次第に大きく、早くなっていき、ウロスの体には次第に傷が出来ていった。
「なかなかやるな。だが、いつまで耐えられるかな?」
「う、うるさい。」
ウロスは口ではそう言いながらも、次第に自分の限界が近づいていることに既に気が付いていた。だが、いくら考えても打開策が見つからない。それどころかこうしているあいだにもベイダーが飛ばす岩は次第に大きく、速く、そして正確になっていく。ウロスは、もうベイダーには勝てないような気がしてきた。
その時、ふとウロスの脳裏に元マスターの言葉が思い浮かんだ。
“ウロス、俺たちが戦っているのはデシャリックのように負けても悔しいだけのような生やさしい戦いでは無い。ぐだぐだと考えている暇があったらまず行動しろ!この戦いは何も出来なくなった方の負けだ。”
「・・・マスター、あなたの言うとおりでした。」
「何をごちゃごちゃ言っている?」
「うおおおおおお!」
「何?」
突然、ウロスは飛んでくる岩を物ともせずベイダーの方に突っ込み、青いライトセーバーの刃をベイダーに叩き付けると、それを赤いライトセーバーで受け止めたベイダーを蹴り飛ばした。
「ドカッ。」
「うぬぬ・・・小癪な。」
「まだまだ!」
ウロスは吹っ飛んだベイダーに向かって更に突進すると、ベイダーに向かって素早い連続攻撃を繰り出した。
「ただがむしゃらに攻めれば勝てるとでも思っているのか?」
ウロスは巧みにフェイントを織り交ぜたりしながら、的確にベイダーの胴体に取り付けられた生命維持装置だと思われる機械を攻撃していった。しかし、ベイダーは巧みにウロスの攻撃を受け流すと、両腕に全身の力を込め、ウロスのライトセーバーをはじき落とした。
「カツーン。」
「しまった。」
「ウロス、確かにおまえは『自由の戦士』と称えられるだけの力を持っていた。だが、これで本当に終わりだ。」

CHAPTER12(>>318)に続く


[312] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU (2006/05/07(日) 13:52 9ieoV2QYvaU)

mind_trick

>>300の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――A frightening beast rules the wilderness.
The beast can be torn up, and Hacro――

――恐ろしき獣は荒野を支配する。
獣を切り裂け、ハクロ――


12 ――魔物――


ジェダイ・スターファイターは荒野に着陸した。名の通り、荒れた原野だ。地面の所々ひびが入り、その近くには錆びたブラスター・ライフルや、防具が散乱している。ハクロはそれに近づき、R2に待っているよう命じた。
「……なるほど」
防具の中には骨があった。正確には防具を着た骸骨、ということだろう。オレンジ色の地面には、まだまだ武器やら防具やら骨やらが落ちている。皆、アルフォンに雇われた用心棒だろう。用心棒になる、イコール怪物を倒す、ということか。
ハクロは荒野を歩き始めた。ずっと待っていても怪物から来ることは無いと思ったからだ。
「ザルガ、お前について聞きたい」
しっかりと前を見据えたまま、ハクロは訊く。
「いいぜ。俺、まぁ正確には俺達は暗輪っていうんだ」
ハクロは足を止め、ザルガを見た。
「暗輪……」
ザルガは球体の中で頷いた。
「あぁ。暗黒面のやつらによって作られたんだ」
「暗黒面……!」
かつてジェダイだったハクロはよく知っていた。暗黒面の恐ろしさ、強大さを。一度飲み込まれれば、簡単には戻れない。ジェダイはよく、騎士と暗黒卿は同じだというが、全く違う。お互いにジェダイを潰すことを考えているが、力量の差がある。無論、騎士の方が上だ。ハクロは、いや、銀河に百人程いる騎士達は皆そう思っている。
「そうだ。俺はシス卿だった。万古の話だ。かつてシスとジェダイとの戦いが激しくなり、シスは急激に減っていった。そこでダース・フィガンツというシスが、死んだシス卿達を暗輪として復活させた」
ハクロは頷いた。ザルガはシスだったのか。
「だが復活させたはいいが、出ようにも出らねぇし、出ようとも思わない。そして暗輪は様々な場所に散った。俺は運搬船の中に紛れ込んじまって、このウォーヴに来たんだ」
「お前はもう実体に戻ろうとはしないのか?」
ザルガは大きく頷いた。
「あぁ、しない。しようと思っている暗輪もあるようだが、俺はジェダイに一度負けているんでね。戦うよりも、誰かの助けになったほうがいいと思ったんだ。シスらしくないがな」
確かにシスらしくない。戦うよりも、人助けか……。だが、シスはできるだけ多いほうがいいとハクロは思った。そうすればジェダイとシスで潰し合う。そうすれば、邪魔なジェダイがいなくなる。
「まぁ、俺はお前と共にする事を決めたんだ。よろしく頼むぜ、ハクロ」
ハクロは頷き、黄金の剣について訊こうと思ったが、然うは問屋が卸さなかった。地面の亀裂の一つから、巨大な何かが現れた。
「こいつか……」
銀牙刀を抜き、八相の構えをとる。その巨大な何かは茶色っぽく、そう竜のようだ。尾が長く、鋭い紅い眼。二本足で歩いている。
「ハクロ、こいつ火を吐くかもしれないぞ」
ザルガは言い、ハクロは頷く。地を蹴り、怪物に向かって一直線に飛ぶ。そして頭の真上で銀牙刀を叩きつける。怪物はたじろぎ、長い尾を使って着地したハクロを跳ね飛ばす。だがハクロは空中で一回転すると、綺麗に着地した。間合いは十分。だが、火を吐く……。危険だ。
「奴の弱点は目だ。こういう奴らとは大昔に戦った」
ザルガは落ち着き払って言う。ハクロは走り出し、胴体を斬った。真っ赤な地が飛び出す。だがくるりと反対を向くと、またも尻尾を叩きつける。ハクロは数メートル飛び、地に直撃した。しかし、大してダメージはない。だがその怪物は既にハクロの方を向き、口を大きく開けている。
「どうする? ハクロ」
ザルガは楽しいショーでも観るかのように言った。怪物の口から炎の球体が飛び出す。大きさは三十センチ程度だが、ハクロはそれを右の小手で受けた。爆発する。急に風が吹き、炎と煙がハクロの右小手から流れるように飛ぶ。ハクロの小手は少し煙が出ているが、その銀色の鎧には焦げ痕すら無かった。
「騎士の鎧は……絶対に砕かれない!」
銀牙刀の柄を握り締め、地面から二メートル程上の空中を滑空。その速度は地面の砂が巻き上がる程だ。怪物の腹を蹴り、その弾みで顔へ飛ぶ。顔の目の前に来た時、銀牙刀を赤い目玉に叩きつける。怪物の目玉から血が噴出す。
着地し、怪物との間を取る。怪物は前へ倒れた。

>>337『出発』へ続く


[313] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/08(土) 20:39 imMw5OCt6Sc)

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STARWARS
Galactic City

>>306の続き

3

ジェーンは最初の仕事を成功させ、ロイから好感を持たれた。それからいくつかの仕事をこなし、全てをロイの思いのままにしたのだ。
「どれも簡単だっただけだ。」ジェーンは言った。
「いや、これは君の力そのものだ。これならどんな環境でも生きられるんじゃないか?」ロイは誉めた。
「実は今度の仕事を一区切りにしようと思ってる。」ロイの言葉にジェーンは驚く。
「心配するな。俺が別の仕事口をいくつも教えてやる。とりあえず俺からの仕事はこれで区切りがつくわけだ。」
「そうか。で、次の仕事口は誰なんだ?」ジェーンは尋ねた。
「ガリ・ポーシェン。犯罪王だ。この街のな。」ロイは犯罪王という言葉を簡単に吐き出したがジェーンは恐ろしさを感じた。
「犯罪王?俺を必要としてるのか?」ジェーンは言った。
「もちろん。コルサントで仕事を探すなら彼を尋ねるのが一番早い。」ロイはデータカードを渡した。
「ここが彼の邸宅だ。」

ロイからもらったスピーダーに乗るジェーンは大きなビルの前に来た。
「ガリ・ポーシェンに会いにきた。仕事だ。」ジェーンは受けつけの女性に言った。
「はい。エレベーターで290階に上がってください。」

ガリ・ポーシェンは太った中年の男だった。彼はソファに座ってジェーンを迎えた。
「やあ。君がロイの言ってた・・さあ、座れ。」ガリは自分の正面にあるソファを示した。
「ロイのところでは全ての仕事を成功させたらしいな。賞金稼ぎになったほうがいいんじゃないか?え?まあいい。君は俺の期待に答えるだろうな。」ガリは言った。
「仕事の話しを。」ジェーンは言った。
「おお、そうだな。お前にはボルラー議員の造船所に潜入してもらう。もちろん部下も同行させよう。ローディアンとガモーリアンのチームでどうだ?」ガリが尋ねた。
「いいだろう。造船所でなにを?」
「新型の宇宙船を一隻盗んで来い。」

ハン・ボルラー元老院議員の所有する造船所はコルサントの産業地区、ザ・ワークスにあった。そこでは日々、新型の高級宇宙船が造られ、成金や議員など上流階級の人々を喜ばせた。だがガリは金を払う気はないらしい。
「おい、いくぞ。」ジェーンは4人のローディアン、3人のガモーリアンを連れて、造船所に入りこんだ。中はすぐに工場になり、宇宙船が大きなホールで形を作っていた。
「気付かれるな。」ジェーンは角材の陰に隠れた。作業員は皆、なんの武装もしていない。だがボルラーのことだ、賞金稼ぎかギャングがいるに違いない。
「周りには作業員しかいない。」ローディアンが呟いた。ジェーンはそれを確認すると合図した。
「かかれ。」
一行は無力な作業員に襲いかかり、一瞬にして捕らえた。そして完成している新品の宇宙船にかけよった。だが邪魔が入った。
「撃て!」武装した賞金稼ぎ達が光弾をジェーン達にあびせた。ローディアンやガモーリアンは必死に抵抗し、ジェーンはそのおかげ宇宙船に近づけた。
「通さないぞ。」賞金稼ぎがライフルを放った。ジェーンはそれをかわして何発か発砲した。賞金稼ぎは倒れた。ジェーンは宇宙船に乗り込んだ。コックピットからはローディアンとガモーリアンが次々に死ぬのが見えた。ガリはやつらが死んでも気にしないだろう。と、そのとき、音がした。
「?」ジェーンはコックピット内を見渡した。おかしい。ジェーンはそう想い物置のハッチを開けた。そこには…
「あ」娘がそこに隠れていた。服装はいかにも賞金稼ぎやギャング。
「なにもんだ?」ジェーンはブラスターを向けた。
「あんたこそ誰よ、あたしの住まいに乗りこんで。」娘は言った。
「住まい?ここは造船所の造りたての宇宙船のなかだぞ!」ジェーンは言った。
「ええ、知ってるわ。あたしはここに忍びこんだの。で、あんたは?」娘は尋ねた。
「俺はガリ・ポーシェンの仕事で宇宙船を盗みに来た。」ジェーンは言った。
「ガリ・ポーシェン?ああ、犯罪王ね。あんた賞金稼ぎ?ギャング?」娘は言った。
「ギャングとでも言っておこう。お前は?」ジェーンは苛立ってきた。
「あたしは盗人。盗みは特技よ。最初に盗みを働いたのは子供のころで・・・」
「もういい!さっさと出てけ!仕事が…」ジェーンは後頭部にブラスターをあてられたことに気付いた。
「動くな。」造船所の賞金稼ぎだ。外の仲間は全滅し、敵が中に入ってきていた。ジェーンはしぶしぶ手をあげようとしたが手にはさっき娘に向けたブラスターを持っていた。ジェーンは振りかえると突然発砲、賞金稼ぎを殺した。だが何人も外にいるだろう。
「クソ!」ジェーンは急いで宇宙船を飛ばした。

「お前のおかげで死ぬとこだったぞ!」ジェーンは怒鳴った。
「なんであたしを怒るのよ。あたしはあそこで寝てただけよ!」娘はジェーンがキれているにも関わらず、全くひるんでいない。
「お前も死ぬところだったぞ。」ジェーンは言った。
「え?あたしを助けてくれたの?」
「いや、そうじゃなくて・・」
「きゃー、運命的!あたしと貴方は運命的な出会いをしたのよ!きっと!」娘は勝手な妄想をふくらませた。
「名前は?」娘はジェーンに聞いた。
「自分から先に名乗るんだ。」
「あたしはリム・ワンジーよ。」娘は言った。
「俺はジェーンだ。ジェーン・アンドリーだ。」
「よろしく。」リムは言った。
「よろしくって・・はやく帰れよ!」ジェーンは言った。
「帰るとこないモン!ここに住んでたんだモン!」リムは言った。
「あたしもガリのとこで働こ♪」
「そんな勝手に…・」


[314] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/04/18(火) 21:24 TH23NU/yN/c)

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Episode 2 : Faint

梅の花 一輪咲いても 梅は梅


 1


 あれから僕は自分のXウィングの整備が終わるまで、ずっと予備機で飛んでいた。パイロット全員が会議室に集められたのは、ちょうど愛機が直った、街に行ってから一週間後のことだ。
 会議室には総勢十人のパイロットが大佐を中心に円になって座っていた。真ん中には作戦ボード。大佐がその隣にいる。
「このたび、大規模な作戦が行われることになった。君達には、敵基地まで救出船の護衛をしてもらいたい」
 そう言ってボードを示す大佐。ボードには、敵の基地の位置とこの基地の位置。それから、飛行ルートが記されてあった。
 途中で別のルートから来た戦闘機とも合流するらしい。最初十機だったのが、次で二十五機、最終的に五十機になっている。救出船を送り届けた後の僕らの任務は完全な制空権の確保。敵対空兵器も含め全て破壊すること、安全が確認できるまで撃ち続けることだった。
 とにかく、久しぶりに大規模な戦闘ができるってわけだ。こんなにうれしいことは無い。
 僕は相変わらずトムとチームを組んでいた。彼はあれからも普通に僕に接してくる。だけど、宗教の話は二度としなかった。賢明な判断だ。
「では、健闘を祈る」
 最後に大佐がそう言って、会議がお開きになった。皆それぞれ立ち上がり、部屋を出て行く。僕もその波に乗ることにした。階段を下りて、格納庫に向かう。
 太陽はまだ昇りきっていなかった。清清しい空気を吸い込みつつ、歩く。
 少し、霧が出ていた。朝もやって奴かな。
 風も出ていない。なかなかいい日だ。
 格納庫に着いた。何人かが既に自分の戦闘機に乗り込んでいる。僕の飛行機の前には相変わらず、ラックがいた。
「よう」
 声をかけられた。僕は適当に返事をして、さっさとコクピットに入る。
「靴下は取っておいたし、整備は完璧だ。少し、新しい仕掛けもつけておいた」
 彼が下から言った。
「そいつはどうも。新しい仕掛けって?」
「FBW。反応速度が上がったはず。軽くなったし、何より安定性だ」
「へぇ。仕事が速いね」
 ラックはえへへ、と鼻をこすった。
「まぁ、天才だからな」
 僕は笑った。
 キャノピィを閉めて、彼に向かってガッツポーズをしてから、エンジンを起動した。

NEXT >>333


[315] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/09(日) 17:45 imMw5OCt6Sc)

st_rx_24

>>313の続き


「糞!なぜ映らん!」ガリは買ったばかりのホロ再生機でビデオを見ようとしていた。
「映れよ!この野郎!」ガリはブラスターでデッキをぶち抜いた。
「おい、コンセント入ってないぞ。」ジェーンがやってきて指摘した。ガリは少し悔やんだがそれほど気にしなかった。
「まあいい。また買う。お前の盗ってきた船は最高だった。よくやってくれたよ。」ガリは言った。
「次の仕事はなんだ?」ジェーンは尋ねた。
「ああ、今度はデス・スティックの工場に入れ。あそこの管理者は気に入らん。爆破しろ。」

スピーダーの助席にはリムが乗っている。
「仕事は?」リムは言った。
「麻薬工場の爆破だ。現地でガリの部下の部隊と落ち合う。」

ガリは秘書官を呼んだ。
「ジェーンが工場に侵入したら工場をふっとばせ。」ガリは言った。
「やつは俺の大嫌いな野郎の部下だった。アリヴター・ケイの野郎・・コルサントの街を俺から奪う気だな。そうはいかん。」

工場は静かだ。表向きには冷凍食品の工場らしい。ガリの部下たちはジェーンとリムを工場の秘密の入り口に案内した。
「なかにどうぞ。」ジェーンとリムが先に入り、部下たちが入った。なかにはデス・スティックのコンテナが積まれていた。
「うわー!これ全部持ってけねえかなあ?」部下の一人が麻薬にくぎ付け。
「後にしろ。爆弾をセットする。」ジェーンは言った。そのとき・…
「きゃ!」リムが叫んだ。彼女は部下に捕まっていた。
「おい、なにを・・・・・」ジェーンは言いかけたが自分も取り押さえられた。
「裏切ったな!」ジェーンは怒鳴った。
「ガリはお前達を殺せと言った。こっちも仕事なんでね。工場ごと爆破させてもらう。」部下の一人が言った。ジェーンはブラスターを抜き、近くにいた部下を殺した。残ったやつらはジェーンとリムに向かって射撃した。
「隠れろ!」ジェーンはリムを引っつかんで物陰に入った。すると工場の天井が音を立てる。ガリが攻撃を始めたらしい。
「糞!リム、リム?」リムがいない。糞!

「静かにしろ。」ガリはリムにブラスターをつけた。
「あたしを殺せるの?」リムはいったて冷静だ。
「ああ。もちろん。お前は先月俺の金庫をやぶっただろ?知ってるんだ。」ガリは言った。
「ばれちゃった」

ジェーンはブラスターで次々に敵を倒す。その過程でデス・スティックがどのくらい台無しになったか・・・・
「ガリはどこだ!」ジェーンは倒れた部下を掴んだ。
「もう手遅れだ。ここは消える。ガリの爆弾でな。お前も終わるんだよ・…」部下は笑った。ジェーンはそいつの頭に穴を開け、先を急いだ。工場の外にはガリの武装宇宙船があった。
「終わりだな!」ガリはリムの頭に銃をつきつけ、宇宙船の入り口にいた。
「この女を助けたいだろう?なら、こっちに来い。そしてお前のボスの居所を言え。」ガリは言った。
「は?そんな女知らん。」ジェーンは言った。ガリは驚く。
「知らんって!こいつはお前の彼女だろ!」
「彼女?そんなやっかいな盗人と付き合うか馬鹿野郎!」
「・・…そんな…」ガリは想定外の状況に出くわし混乱している。そのすきにジェーンはガリの足に発砲する。
「ぎゃあああああ!」ガリは倒れた。ジェーンはリムの手をとった。
「ほら、」ジェーンは言った。
「ねえ、さっき言ってことって、やっぱ敵をあざむくためだよね?」リムが言った。「そこまでしてあたしを助けようとしてくれたなんて!」
「…いや、だから…」ジェーンは足元でうずくまるガリに気付いた。
「う、う・・・」
「おっと。俺のボスに用があるらしいな。」ジェーンは言った。
「あいつは俺の宿敵だ!」ガリは言った。
「ほお。ならお前は俺の宿敵だな。」ジェーンはガリの頭を撃つと、宇宙船にリムとともに乗り、工場を去った。爆弾のしかけられた工場はどんどん崩壊していき、大爆発した。

「ねえ、やっぱりあたし達一緒に働いたらいいわ!ねえ!」リムは言った。
「はあ?」
「だから、あたし達いいコンビになれるでしょ?」
「・…はあ。勝手にしろ。そのかわり俺の役に立てよ。」


E N   D


[317] (無題) 投稿者:RAITinFukuoka epDgtryRTsw [Web] (2006/04/19(水) 22:00 bZ7KCz/djMk)

jacen

「STAR WARS DARKSIDE THE SITH」
第一章
ここは深い霧に包まれた暗い惑星・・・
ヴェイダー卿を乗せたシャトルが発着ベイに着陸した所だった。
「皇帝到着いたしました」アポーがパルパティーンに向かい挨拶する。
「ヴェイダー卿よ」低く何度も聞いた声がする。パルパティーンだ。
「はい、マスターなんでしょうか?」
ヴェイダーのいや、機械の声がそう聞く
「後で、密談室に来い、ある指令を出そう」
パルパティーンが笑いながら、ヴェイダー卿に言うとパルパティーンは501大隊の一隊を連れて行ったアポーも一緒だった。アポーはヴェイダーの方を向きおじきをした。そしてパルパティーンについて行った・・・
ヴェイダーは物凄く重いスーツと共にふらつきながらも歩き始めた。
そして、制御装置を起動する。そうすると先程パルパティーン達が通って開いているドアを通った。
ヴェイダーは疲れていた。長い任務のせいだ、任務というのも帝国軍に反対している議員の暗殺だった。なんなくヴェイダーはこなすが絶え間ない暗殺の為、疲れていた。
コルサントに向かうと、パドメと一緒に生活していた頃を思い出す。ヴェイダーが望んでいた事は二つだった。一つは重いスーツを脱ぎ捨て自由になる事。二つ目は
なによりもパドメを取り戻す事だった。そして皇帝を倒しパドメと共に銀河全体を手に入れる事。だった。だが、その野望は、もはや永遠に果たされる事は無い。パドメは自分で殺した。スーツは自分が負けて着てしまうようになる。自分のせいだ。そう、昔のアナキン・スカイウォーカーが心の中で言う。
ヴェイダーは憎んでいたアナキン・スカイウォーカーの事を今の自分は「オビ=ワンのせいだ、パドメは自分から・・・」
そう自分の中で繰り返す。
だが、アナキン・スカイウォーカーは完全に消える事は無い。その事にヴェイダーは悩んでいた。
だが、別の理由でヴェイダーは自分の瞑想室に入った。
何も聞こえなくなる―機械を停止すれば・・・
暗くて集中できる―偽の眼を壊せば・・・
ヴェイダーはスーツを着てから、そう考えてしまうようになった
ヴェイダーはアポーとプライベートでのコムリンクを通し話した「今、瞑想室に来てくれないか?」ヴェイダーがアポーに聞く。
「了解しました部下は?」アポーが聞く。
「いや、いい。話せる、と、いう事は会議は終ったのか?」
またヴェイダーが聞くと、こう帰ってきた
「いいえ、今抜けてきたところです」
その言葉通りまだ会議は終っていなかった。会議というのも重要な会議だった。
会議の内容は、帝国軍の戦闘ブリーフィングだ。
だが、大体の会話を第501大隊数名、グランド・モフ数名そして皇帝で行っていた。その後、アポーは退室を命じられた。
その後もちろんアポーはヴェイダーの所へ向かったのだった・・・

第2章に進みます


[318] (無題) 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/04/09(日) 22:54 76KKePfwDFI)

polis_massan

CHAPTER11(>>311)の続き

CHAPTER12
ベイダーはそう言うと、ウロスを一刀両断しようとライトセーバーを大きく振りかぶり、ウロスは死を覚悟した。

その時、ちょうど洞窟の真上に帝国軍の爆撃が直撃したのか、閃光と共に洞窟の天井が崩れ始め、ベイダーは轟音と共に落ちてくる無数の大きな岩に危うく潰されそうになった。
「うお!」
「ガラガラガラ」
ベイダーは、どうにか岩が崩れてくる前に避けることが出来たが、その間にウロスは洞窟の奥の方に逃げ込み、通路が塞がれてしまったようだった。
「くそ。追いかけることは出来ないのか?」
その時、ベイダーの後ろから、何者かがで話しかけてきた。
「ベイダー卿、ここは危険です。すぐに待避を。」
彼が後ろを振り向くと、ウロスにライトセーバーで背中を斬り付けられたユリエルが必死に立ち上がり、ベルトから犬笛のような物を取り出し、ヘルメットの下から吹き始めた。
すると、ぽっかりと穴が開いた天井の外から大きな足音や、
「ホホホンンン」
という大きな獣の鳴き声のようなけたたましい音が聞こえてきた。そして、天井の穴からウータパウに住むヴァラクティルという巨大なトカゲが現れ、身軽に着地すると、まるで「乗れ」と言わんばかりにベイダーとユリエルの前に横たわった。
「コマンダー・ユリエル、よくやった。ジェダイはこの奥に逃げ込んでいる。今すぐ追え。」
「ベイダー卿、お言葉ですがこの奥は危険です。一旦待避した方が得策だと思われます。」
「ユリエル、クライマーやファルだけではなくおまえまでもが俺や皇帝陛下の命令に背こうというのか?」
そう言うと、ベイダーはユリエルの首を掴んで持ち上げ、ユリエルは息苦しそうに足をばたつかせた。
「うぐ・・・が・・・・」
その時、その様子を見ていたヴァラクティルが怒り出したかのように
「ホホホンンン」
と吠えるとベイダーを前足で跳ね飛ばし、ベイダーが落としたユリエルをそっと咥えて走り去った。
「ホホホンンン」
「これだから・・・・生きている乗り物は嫌いだ!」

CHAPTER13に続く


[319] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2006/04/11(火) 17:51 nI2OeMWGUlU) [SAGE]

ackbar

久しぶりに投稿します。以前のやつを読んでくれた方はいらっしゃるでしょうか。大分前ですけど。
今作は一風変わったミステリー仕立てです。といっても肝心のミステリー部分は大したこと無いんですけど・・・オーダー66の象徴的な作品です。時代はクローン大戦中期。ぜひ読んでいただけるとうれしいです。全6章。1日1章アップしていきたいと思います。


「2つの指令」

第1章 出発
「マスター・シェリング」
グレイヴ・シェリングはゆっくりと目を開けた。「久々の瞑想を邪魔しないでいただきたいものですな、マスター・ウィンドゥ」グレイヴは目の前に立っているスキンヘッドの男を鋭い眼で見つめた。
「マスター・シェリング。話がある。ちょっと来てくれ」メイス・ウィンドゥはたじろぎもせずに言った。
 グレイヴがのっそりと立ち上がるとメイスは振り向いて歩き出した。
 グレイヴには行き先がわかっていた。どうせヨーダのところだ。また戦争にかり出されるのだろう。
「今度はどこですかな?マスター・ウィンドゥ」グレイヴはメイスの横に並んで歩きながら言った。「戦争はもううんざりですな」
「それはこちらも同じことだ」メイスは無表情で言った。「だが――」メイスはグレイヴに向き返った。「それも間もなく終わる」
「だといいんですが」グレイヴは正面を向いて言った。
 メイスは再び前を見た。「君の働きにかかっている」
 二人はヨーダの瞑想室に入った。
「マスター・ウィンドゥ。ご苦労であった」ヨーダは言った。「マスター・シェリング。おぬしに頼みがある。ほれ、2人とも、そこへ座れ」ヨーダは自分の前の椅子を示した。
 2人はヨーダに向き合って座った。「頼みとは?」グレイヴは言った。
「今朝情報部から連絡が入ってな、アルゴー星系で敵の基地を発見したのじゃ。行ってほしいのじゃ、君にな」ヨーダは言った。
「アルゴー」グレイヴは呟いた。アルゴー星系といえばアウター・リムのほぼ中心に位置し、18個の惑星を有する大きな星系だ。鉱山惑星とよばれる第5惑星アルゴーを中心に、地下資源が非常に豊富である上、付近に小惑星帯が存在するということで、戦略上重要な星系とされている。
「アルゴーは中立のはずでは」グレイヴは言った。
「CISが密かに占領していたらしい」メイスは言った。
「今は原住種族のアルゴーリアンたちが奴隷のように資源採掘に使われてるようじゃ」ヨーダは哀れみを含む目でグレイヴを見た。
「アルゴーリアンの開放を目的として君には行ってもらいたい」
「そう言って、アルゴーの資源を利用するつもりですか」グレイヴは冷ややかな目で言った。
ヨーダは首をゆっくりと振った。「そんなことをしなくとも、アルゴーを抑えれば敵の士気は大幅に下がる。戦争が終わるぞ」
 グレイヴは溜め息をついた。「バンドラから戻ってきて1日でまた戦争行きですか」
「これで戦いは最後じゃ。頼む。非常に重要な任務なのじゃ。任せられるものが君ぐらいにおらん」ヨーダは言った。「この任務が終われば、おぬしを評議員にしよう」
「ジェダイも忙しくなったものですね。言っておきますが、私は評議員になりたくてジェダイをやっているんじゃありません」
「すでにカウンシルで決定したことだ」メイスはグレイヴを睨みつけた。
「行かないとは言っておりません。カウンシルの決定は絶対ですからね。いいでしょう。行きましょう。ただしあいつを連れて行きますよ」
「おお、もちろんよかろう」ヨーダはゆっくりと頷いた。
「出発はいつ?」
「クローン軍はいつでも出動できる。おぬしの都合しだいじゃ」
「なるべく早くがいいだろう」メイスが言った。
「わかりました。今すぐ出発します」グレイヴは立ち上がり、部屋を後にしようとした。
 ヨーダは眼を見開いた。グレイヴが今すぐ出発すると言ったのに驚いたのだろう。
「グレイヴ」メイスは言った。「フォースと共にあらんことを」
 グレイヴは振り返った。「フォースと共に」
「フォースと共に」ヨーダがそう言うと、グレイヴは部屋を後にした。

 グレイヴはドアをノックした。「ブレア」グレイヴは返事を待たずにドアを開けた。
それとほぼ同時に、若々しい好青年が駆け寄ってきた。「マスター。バンドラでの働きはお見事でした。あのスーパー・バトル・ドロイドの軍勢が現れたときにはもうおしまいかと思いましたよ。全くみごとな剣さばきで――」
「任務だ」グレイヴは遮った。「アルゴーへ行く」
「え?また任務ですか。すごいじゃないですか!最近マスターの信頼度はぐんぐん上がってますね。僕もパダワンとして光栄です。よーし、今度こそ活躍して見せるぞ。バンドラではマスターに頼りっぱなしでしたからね」
グレイヴはパダワンが子どものようにはしゃぐのを無視して言った。「早く準備をしろ。長旅になりそうだ」
「はい、今すぐ!」ブレアは奥に引っ込んだが、すぐに首をひょっこり出した。「えーと、アルゴーっていうと――」
「アウター・リムの鉱山惑星だ。大気は問題ない」
「はいはい、お待ちください。すぐ準備します」ブレアは見えなくなった。
「相変わらず騒々しいやつだ」グレイヴは呟いた。
 5分くらい経つと、再びブレアがバックパックを背負って姿を現した。「OKです。さあ、行きましょう」
「忘れ物は無いのか。この前も携帯呼吸器を忘れそうになったし、その前なんかパンツを忘れただろうが」
「大丈夫ですよ。さあさあ早く行きましょうよ」ブレアはグレイヴの背中を押した。
グレイヴはブレアの腰を見て顔をしかめた。「お前の腰にあるはずのモノはどこへ行ったんだ?」
「え?あ!ライトセーバーが無い!すみませんすぐ取ってきます!」ブレアはすっ飛んで行った。
 ブレアは5秒としない内に戻ってきた。「ありました、ありました。もう大丈夫です」
「まったくジェダイがライトセーバーを忘れそうになるとは。そもそもライトセーバーは常に携帯しておくものだ」グレイヴは歩き出した。
「すみません」ブレアは照れくさそうに頭を下げ、グレイヴに着いていった。
「そんなことじゃ一生かかってもジェダイ・ナイトになれんとぞ」
 2人は午後の陽を浴びながらテンプルの廊下を歩いていった。

 ドッキング・ベイにはすでにガンシップが待機していた。
「マスター・シェリングいつでも出発可能です」クローン・トルーパーの一人が言った。
「ご苦労。すぐ出発する」グレイヴはガンシップに乗り込んだ。ブレアもそれに倣う。
 ガンシップは轟音を上げて浮上すると、コルサントの街の流れに乗った。
「クローン・トルーパーというのはどうも好きになれん」ガンシップの輸送エリアで、グレイヴは小声で言った。
「何でですか?国民を無理やり徴兵するよりはるかにいいじゃないですか」
「まあそうなんだがな。彼らは作られた人間だぞ。そんな奴らを信用していいのかどうか」
「信用できますよ。クローン・トルーパーはカミーノのクローン製造施設で厳重な警備のもと作られているんですから。今の主任はユウ・ローっていう人です」
「よく知ってるな」グレイヴは目を丸くした。
「この前ホロネットの特集番組でやってたんです」ブレアはいたずらっぽく言った。
グレイヴは顔をしかめた。「そんなことだろうと思った。だとしても、信用ならんよ」グレイヴは顔をコルサントの摩天楼に向けた。「人間が作ったものには、欠陥が付き物だ」
しばらくするとガンシップは共和国軍本部に着陸した。2人はガンシップを降り、指定された滑走路に行くと、そこには巨大なスター・デストロイヤー<ディフェンダー>が停泊していた。
「わあ、この船はいつ見てもかっこいいですよね」ブレアは<ディフェンダー>を見上げて言った。
「今回の母船、<ディフェンダー>だ」
「いつでも出発可能ですが、いかがしますか」突然2人の後ろで声がした。
2人が驚いて振り向くと、そこにはクローン・トルーパーが立っていた。「ああ、問題ない。すぐに出発しよう」グレイヴは落ち着いて言った。
 2人は<ディフェンダー>に乗り込むと、司令室に向かった。
「マスター・シェリング、ウィング殿。私は今回補佐を務めせていただくコマンダー・ライルです。よろしくお願いします」黄色いペイントを施した装甲を身にまとったクローン・トルーパーが名乗った。
「よろしく」グレイヴは意味の無い自己紹介を足早に切り上げ本題に入った。「早速だが出発してもらおう。目的地はアルゴー星系第5惑星軌道。間違いは無いな?」
「はい。すぐに出発いたします。目的地までは20標準時間42標準分です」
「我々は待機室にいてもいいかな?」
「はい。何かありましたらお知らせいたします」
 <ディフェンダー>は唸りをあげて大空に舞い上がった。すぐに大気圏を抜けると、ハイパー・ドライブが起動し、あっという間に星空の彼方へと消えた。


[320] (無題) 投稿者:・クライド(新パソ) 9dN18uy/K8E (2006/04/11(火) 22:57 WMU3Hm6t4.M)

cut_anakin

>>304の続き

将と兵 〜General and Soldier〜

3 ―火―

「あぁぁぁぁあ!!」
ヘンスはそれに向かって撃ちまくる。
流れ弾?弾の無駄?そんなこと知るものか。
ライフルから放たれた光弾が何かに当たって火花を散らしていた。
ライフルの残弾は見る見る内に減っていく。しかし草むらの何かはまだ動いている。ヘンスは後ずさりしながら撃ち続けた。
だが、ついにライフルは火を噴かなくなった。いくら引き金を引いても空しい動作音がするばかりである。
「くそ、確か予備の弾・・・・・・」
ヘンスは腰についているはずの予備の弾を取ろうとした。しかし手はマガジンに触れず、空振りするばかりである。
「おいおいおいおいおいおいおい・・・・・・」
よく見てみると、10mほど離れたところにマガジンが落ちていた。先ほど飛びのいたときに落としたのかも知れない。
「やばいって・・・・・・マジかよ・・・・・・」
銃撃が止んだのを察した何かがこっちに来るのがわかった。
「ヘンス伏せろ!!」
突然声がしたかと思うとヘンスは突き飛ばされた。
それと同時に、草むらの中から爆風が起こり、ドロイドの破片が飛んできた。
「ヘンス危なかったな」
さっき自分を突き飛ばしたトルーパーが言った。
「あまり無駄撃ちするな。戦場で弾切れは命取りだぞ」
「あぁ・・・・・・ウェン?」
「なんだよ気づかなかったのか?ずっと前にいたぞ」
ヘンスが慎重に前へ進んでいたとき、ウェンはすでに遥か前方
に進んでいたのだ。そしてヘンスの叫び声と銃声が聞こえてきたとき、危険を承知で戻ってきたのである。
「ウェン・・・・・・やっぱりお前いい奴だな・・・・・・」
「はぁ・・・・・・クローンに感情は無用なんだが・・・・・・俺も変なのかなぁ」
ウェンはそう言いながら歩き出した。ヘンスも一緒に歩き出す。だが、まだ聞いておきたいことがあった。
「おい、さっきの奴はなんだ?」
「あれか?あれの開発を阻止するのが今回の任務だろ。あれは『クラブ・ドロイド』。さっきのはきっと試作型だ。装甲も厚いから目以外はうまくダメージを与えられない。だからさっきはグレネードを使ったんだ。まさかお前・・・・・・知らなかったのか?」
「い、いや、念のため聞いただけさ・・・・・・で?どこに行くんだ?」
ヘンスは話を変えるように言った。
「そうだな。部隊がこんな状況だから作戦通りってわけには行かないだろ。俺たちだけで潜入、敵を混乱させて味方を後で呼ぶって感じで行くぞ」
「ウェン本気か?」
「俺を疑うのか?」
ウェンは反論などさせぬといった様子で答えた。
「やっぱり人が違う・・・・・・」


[321] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2006/04/12(水) 13:42 nI2OeMWGUlU)

ackbar

第1章 >>319

第2章 衝撃
「いやあ、いい風呂だったなあ」ブレアは濡れた髪をとかしながら言った。
「何のんきなこと言ってるんだ。戦場に行くんだぞ」グレイヴは床に座り込み携帯ポーチの中身を確認しながら言った。
「またまたそんなこと。もう何回も行ってるじゃないですか。今更改まる必要も無いでしょう」ブレアはベッドに腰を下ろした。
「気持ちを切り替えろ。戦場で生き残るためには心がけが何より大切なんだ。明日の今頃はもう死んでいるかもしれないんだぞ。そうなれば今の風呂が人生で最後の風呂だったことになるな」
「そんな不吉なこと言わないでくださいよ。大丈夫。僕らはジェダイですよ?ドロイドなんかに殺されるわけが無い」
「その油断が死を招く」グレイヴはゆっくりと言った。「現にバンドラでは私がいなければ危ないところだったじゃないか」
「それはそうですけど・・・」ブレアは言い返せなかった。
「それにマスター・ウィンドゥやマスター・ヨーダによれば、この戦いは戦争を終わらせるチャンスらしいからな」
「本当ですか?自分の手で戦争を終わらせられるんですか。うれしいですね」ブレアは自分の手のひらを見つめた。
「勝手なことを言うな。それに私は、戦争が終わるとは思えん」
「何でですか?マスター・ヨーダやマスター・ウィンドゥが言ったなら絶対ですよ」
「『絶対』は無い。それに考えても見ろ。ジオノーシスの直後から何度も戦争が終わる、戦争が終わる、といい続けられてきたが、実際にはすでに2年間も戦っている」
「まあそれはそうですね。バンドラに行く前もそんな話を聞きましたよ」
「どちらかが優勢になればすぐにもう一方が巻き返す。不自然過ぎるくらいバランスが取られているんだ」グレイヴは言った。「誰かがわざと戦争を長引かせているとしか思えない。この戦争は誰かに裏で操られているような気がしてならない」グレイヴはポーチの中身を片付けると立ち上がった。「嫌な予感がする。ブレア、警戒を怠るなよ。本当の敵は案外身近なところにいるのかもしれん」
「身近なところ・・・」少し考えていたがブレアは大あくびをするとごろんとベッドに倒れこんだ。「だめだ。眠い」
「コルサントを経ったのが夕方だったからな。まだ到着まだ大分ある。寝ていてもかまわんぞ。私はもう1度司令室へ行ってくる」グレイヴはそう言うと、ブレアを残して部屋を後にした。

「ライル、状況は?」司令室に入ってきたグレイヴは言った。
「異常ありません。全て予定通り運んでいます」ライルは言った。
「アルゴー到着後の作戦だが」グレイヴはライルに近寄った。「原住種族のアルゴーリアンは敵の奴隷になって資源採掘をしているらしいな。アルゴーリアン好戦的な種族だ。味方に付けられれば有利ではないかな。彼らはベーシックを話すだろ」
「連絡を取ってみましょうか」
「ああ。だが敵に気付かれたらおしまいだ。慎重に頼む」
「大丈夫です。この盗聴不可能な特殊なチャンネルを使いますから。繋げ」ライルは近くにいるクローン・トルーパーに命じた。トルーパーは「了解」と答えると通信を開始した。
「私が話そう」グレイヴはマイクに向かった。
 やがてノイズが晴れ、意味不明な言語が聞こえてきた。
「諸君。落ち着いて聞いてくれ。近くにCISはいないな?」
 しばらく意味不明な言語が続いたが、やがて訛りのあるベーシックが聞こえてきた。
「あんたガタはイッタイナンなんだ?」
「我々は共和国軍だ。現在諸君を開放するためそちらに向かっている」
「ホントウか。オレたちはマイニチ、ほとんどキュウリョウもナしにハタラかされてタイヘンなんだ」
「わかっている。敵を倒すため、諸君に協力して欲しい。ぜひ我らと共に戦ってくれ」
「もちろんだ。ナニをすればいい?」
「我々が到着したら敵の基地に一斉攻撃を開始してくれ。くれぐれも我々が到着する前に行動を起こさないでくれ」
「わかった。ナカマにそうツタえておく」
「頼むぞ。勝敗は諸君にかかっている」
 そこまで言うと突然通信が切れた。「あれ?切れたようだぞ」
 赤い通信不可ランプが点灯しているのを見てライルは言った。「ハイパー・スペースの歪みのせいですね。専用のチャンネルでないと繋がりません。5分もすれば戻りますよ」
「まあ伝えることは伝えたし、いいだろう」グレイヴは言った。「それとライル、向こうでの陣形についてだが――」
その後も作戦会議は2時間以上続いた。その間不思議だったのは、偉大なる共和国軍のクローン・トルーパーが誰一人として、通信不可ランプが点灯したままなのに気付かなかったことだ。

長い作戦会議をやっと終え、彼らしくない大あくびをしながらグレイヴは部屋に向かっていた。
 彼が待機室のドアの前に立つと、ドアは静かに開いた。
 部屋は真っ暗だった。ブレアはもう寝ているのか。
そのとき彼はフォースの中で凍りついたような感触を覚えた。グレイヴは何とも言えない焦りを感じ、パダワンの名前を呼んだ。「ブレア、ブレア、いないのか?」
 彼は暗闇の中でライトのスイッチを見つけた。
 部屋に明かりが灯った。その瞬間グレイヴは自分の目を疑った。何だと?そんなばかな!
 ブレア・ウィングは、ベッドの上で死んでいた。


[323] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2006/04/13(木) 17:08 acI7p19Qs3s)

ackbar

第1章 >>319
第2章 >>321


第3章 隔離
『成功いたしました』ホログラムは言った。
「よくやった。これでアルゴーは防衛された」男は言った。
『しかし、1人未だ』ホログラムは言った。
「何だと?ならば金はそれからだ」男は言った。
『早急に遂行いたします』ホログラムは消えた。
「どうやら順調に進んでいるようですな」男は言った。

 グレイヴは通信ボタンを叩いた。「ライル!応答しろ!ライル!」しかし返事は無い。グレイヴはしびれを切らして部屋を飛び出した。
 グレイヴは司令室に向かって走った。「ライル!」司令室に入ると同時にグレイヴは叫んだ。
 司令室は騒然としていた。ライルと何人かのクローンが話し合っている。
「大変だ!」「大変です!」グレイヴとライルは同時にそう言った。
「え?どうしたんだ?」グレイヴはあっけに取られた。
「通信が不可能なのです。メイン通信機の通信不可ランプが付きっぱなしですし、他の個人用コムリンクなども全て使用不可能です」
「何だって?」グレイヴは言った。「それより!大変なんだ。ブレアが・・・ブレアが・・・し、死んでいる」
 グレイヴは普段の冷静さを完全に失っていた。驚くライルたちを連れて大急ぎで部屋に戻った。
 やはりライルは死んでいた。死因はブラスターで腹部を撃たれたことのようだ。
「誰がこんなことを・・・」ライルは驚いて言った。強く拳を握り締めた。
「とにかくコルサントに連絡を――」そう言ってからグレイヴははっとした。
「先ほど言ったように通信は――不可能です」
「原因は何なんだ?さっきのハイパー・スペースの歪みか?」グレイヴは尋ねた。
「いいえ。すでにハイパー・スペースは離脱しています。原因は不明です」
「何だと?ではここはもうアルゴー星系か?」
「はい。現在第7惑星近辺です。しかしこの状況では攻め入るのは困難かと・・・」
「ブレアを殺した奴が通信機を壊したんじゃないのか?」
「<ディフェンダー>に取り付けられている通信機は壊せたとしても、個人用コムリンクまでは不可能です」
「何てことだ!」グレイヴは崩れると床を叩いた。「誰がブレアを殺した・・・ブレア・・・あんなにすばらしいパダワンを・・・ウオオオオオ!」グレイヴは普段の姿では想像もつかないほど動転し、何度も床を殴りつけた。
「落ち着いてください、マスター・シェリング。引き返しますか?指示を」
 グレイヴはゆっくりと立ち上がった。「すまない。司令官である私が取り乱しては・・・」グレイヴはある程度落ち着きを取り戻した。「まだ惑星からは遠い。敵に気付かれることは無いだろう。引き返すにはまだ早い。ライル、脱出ポッドは使われていないか」
「調べます」そういうとライルは再び司令室に戻った。グレイヴと他のクローンも同行した。
「脱出ポッドは全て未使用です」ライルは冷静に答えた。
「スターファイター、ガンシップも全て格納庫にあるな?」
 ライルは再びキーを打ち始めた。「はい。全て異常なしです」
「出発前に別の宇宙船が侵入していた可能性は?」
「それはありません。機体は厳重に管理されております」ライルは胸を張って言った。
「ではブレアを殺した犯人は敵のスパイなどではないか。犯人はまだこの機体内にいることになるな。逃がすわけには行かない。全ての脱出ポッド、宇宙船を使用不可にしろ」
「しかし宇宙船を使用不可にすると敵の攻撃があった場合に支障が出ます」ライルが言った。
「そうだな・・・仕方がない。脱出ポッドを全て使用不可にし、宇宙船には発信機を取り付けよう」
「了解しました」ライルはそう言うと、クローン・トルーパーたちに発信機を付けさせるように命じた。
「犯人はクローン・トルーパーに成りすましている可能性もある。お互いにしっかり見張れよ」グレイヴは言った。クローン・トルーパーの装甲を着た犯人が、発信機を付けるのをチャンスにスターファイターに乗り込み逃げては元も子もない。
「これで逃げられる心配はひとまずは無いか。だが私は刑事でもないし、犯人を特定するのは困難だな」
「とりあえず、クローン・トルーパーたちは違うと思いますよ。彼らは共和国に忠実に作られています。ジェダイを殺すなんてことはありえません」
「そうだな」そう言いながらもグレイヴは胡散臭そうな顔でライルを見た。
 ライルが突然思い出したように言った。「そういえば、忘れていました。こちらへ」ライルはグレイヴを連れて隣の部屋に入った。
「実は各部屋は隠しカメラで映されているんです。人権侵害の恐れがあるので公にはなっていませんが」
「何だと?」ブレアがいないときに風呂から全裸で上がったことを思い出し、グレイヴは顔をしかめた。
「議長の命令です」
「パルパティーン議長の?」グレイヴはさらに顔をしかめた。「彼も悪趣味だ」
「それより、これがブレア殿を殺した犯人を映しているかも知れません」ライルはそう言うと映像のスイッチを入れた。今現在の部屋の様子が映っている。そこにはブレアが無残にも横たわっていた。
 ライルは巻き戻しボタンを押した。部屋は時間を遡り、録画されていた映像が流れていった。グレイヴは心臓が高鳴るのを感じた。一体誰がやったんだ。
 そのときブレア以外の人影が映った。「ここだ」グレイヴは言った。さあ、姿を見せてみろ。
 ライルは巻き戻しを止めて再生した。暗闇だが、暗視カメラなので問題なく映っている。ブレアはベッドで寝ている。そのとき、ドアが開く音がした。そこに入ってきたのは――純白のクローン・トルーパーだった。
「何だと?中に誰が入っているんだ?」
「それも判ります」ライルは透視ボタンを押した。透視カメラに切り替わり、クローン・トルーパーの中にいる人物がはっきりと映し出された。
「そんなはずは・・・」ライルは言った。
「そんなことだろうと思ったよ」グレイヴは歯を強くかみ締めた。
 そこに映っていたのは、他でもない、ジャンゴ・フェットそのものだったのだ。


[324] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/20(木) 18:46 q/Cs8lYyebQ)

feylya

スターウォーズ
新たなるシス


プロローグ

ユージャンター…いや、コルサントは新共和国こと銀河同盟の手に戻った。ユージャン・ヴォングは生きた惑星ゾナマ・セコートで別銀河に帰り、銀河に静けさが戻った。ジェダイの希望、ルーク・スカイウォーカーとフォースの弟子たちはコルサントのフォースの泉――かつてジェダイ・テンプルがあった場所――を銀河同盟政府から与えられ、新たなジェダイ・テンプルを建造した。
銀河同盟、帝国残党は協力し、銀河復興に力を尽くした。銀河同盟のメンバーであり、反乱軍時代から帝国と戦っていたものは抵抗は持っていたものの、帝国は昔の帝国ではないことを認め、力を合わせた。そうしているうちに帝国は銀河同盟の一部となった。これでこの2つの勢力は裏切りが起きないかぎり戦わない。なぜならお互いがお互いの一部だからである。
銀河同盟国家元首として、新たな人物が現れた。気高く、紳士で平和を好み、ジェダイと友好的な人間の男、ミリター・ドセイン元首は銀河の復興に尽くした。ジェダイと友好的なのはドセインの息子がジェダいだったからである。ドセインの息子はユージャン・ヴォングとの戦いの末、姿をくらませた。ユージャン・ヴォングには殺されていない。と、ドセインは長い間言っていた。彼は息子の存在をまだ感じていた。ドセイン元首は息子が銀河で生きていると思いつづけた。

1 交渉 >>325


[325] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/20(木) 18:48 q/Cs8lYyebQ)

feylya

スターウォーズ
新たなるシス


1「調査」 >>324の続き

「こちら銀河同盟の調査員です。着陸許可を願います。」パイロットがはきはきした口調でディスプレーに映る異星人に言った。宇宙船の窓には巨大なステーションがある。
『着陸を許可します。ベイ229にどうぞ。』この両生類のようなヌメヌメした青い皮膚で大きな黄色い目を持つエイリアンはティルヌアン。惑星ティルヌの気品な種族だ。ティルヌはとてつもない資源を持ち、住人のほとんどが貴族である。このディスプレーに映っているティルヌアンは宇宙船とドロイドの製造を行なう大企業、ティルヌ・ワークスのスタッフだ。最近はこの企業、裏で違反的な取引や商業に関わっているという噂が流れている。そこでジェダイが動いた。
「了解。」パイロットは通信機を切り、後ろにいる二人の人物に顔を向けた。
「気をつけてくださいね。」パイロットの警告に二人のジェダイは頷いた。
ベイ229ではティルヌアンの一団が待っていた。ジェダイは迎えられ、代表者が挨拶をした。
「ようこそ、ティルヌ・ワークスへ。どうぞ、こちらへ。」代表者は笑顔を作っていたらしいがエイリアンの顔は読みにくい。ジェダイは案内され、歩き出した。
「最近はわが社に説得力も根拠もない噂がありますが、それを調べに来たのでしょう?」ティルヌアンの言葉にジェダイが反応した。あまりにもこの男が単刀直入に言ったためである。
「ええ。とりあえずは調べなければならないのでね。本当のことがわかれば、それを銀河の人々に伝えるだけです。この会社になんの害もないことをね。」ジェダイの片方が言った。ティルヌアン達は彼の顔を見ようとしたがフードでまったく見えない。このフード。それに茶色いローブ。もしかすると・・・
「ああ、ここは開発部です。ドロイドから新型の電子機器の研究、開発を行なっています。」代表者が紹介した。部屋では大勢のティルヌアンとドロイド、それにわずかだが人間が白衣を着て作業台に向っている。ジェダイの一人は代表のティルヌアンが部下になにかを合図するのを見逃さなかった。言いつけを受けた部下は早足で去っていった。

巨大で高価なものが並び、清潔感のあるオフィスにティルヌアンが4人立っていた。彼らはたったいまオフィスに入ってきたスタッフの報告を聞いて戸惑っている。
「ジェダイだと?」一人が言った。「まことかね?」
「ええ。間違いありません。彼らの服装からして・・」
「元老院はなんでもジェダイに頼る。ジェダイの力により我等を支配している気だ。独裁帝国と変わらないではないか。」一番高価そうで派手なローブを着ているティルヌアンが言った。
「社長、それよりもどう対応するか・・」これは補佐官だろう。
「わかっておる。我々はニモ―ディアンではない。ジェダイが来たところでなにも変わらないのだよ。恐れる必要はない。普通の調査チームが来ても、ジェダイが来ても、巨大なランコアが来ても同じように接するまでだ。」社長は言った。セル・アークン社長は一人でティルヌ・ワークスを立ち上げた人物だ。銀河同盟からも高い評価を受けたこともあるがどれも昔の話だった。
「ジェダイなど気にするな余計なことを言わない、見せない。それでいい。」

ベン・スカイウォーカーは隣に立つマスター、コラン・ホーンに目を向けた。
「ベン、落ちつくんだ。」コランは言った。
「はい、マスター。」
ティルヌアンにいくつも部屋を案内されたがなにも怪しげなものを見なかった。まあ、ティルヌアンは馬鹿ではない。見られたらまずいものは隠したに違いない。
「これで一通りお見せする場所は終わりました。あとはどこか見たい場所があればおっしゃってください。」ティルヌアンは言った。コランが口を開いた。
「極秘な場所などはあるかな?」ヤギ髯のジェダイの言葉にティルヌアンは反応する。
「極秘?最新の商品の設計図などを保管する場所ですか?」
「ああ。そうだ。」
「ありますが・・貴方は他の製品会社に情報を漏らしたりしませんか?もちろん貴方を疑うような想いはありませんが。貴方を通せば他の者も通すということになり、こればかりは特別扱いできません。」大きな黄色い目玉が泳いでいる。この男はなにか隠している。コランは手をひらっと振った。
「もう一度言おう。我々を極秘情報の保管室へ案内しろ。」
「貴方々を極秘情報の保管室へ案内します。」まあ、いい。どうせ見てもこの男にはなにもわからない。そうさ、あのアークン社長のことだ。きっとうまくなにもかも隠しているに違いない。ティルヌアンは自分を納得させてしまい、極秘の部屋へ案内するとなど口に出してしまった。もちろん、これはコランが使ったジェダイの魔法だ。

アークンは3人の補佐官とともにホログラムに向っていた。ホログラムに映っている男は長身で、気品のある服装をしているところまではわかるが、なんといっても、腕や顔、服から露出している部分のほとんどが機械だった。ドロイドが服を着ているかのよう。腰のベルトには細い金属の円柱がぶらさがっている。顔は片目が義眼で、片目はブルーだった。それを覗けば顔はほとんど機械が加わっていない。ただ、首は金属だ。そんな体でも、全体のシルエットは普通の人間に見えた。
『どういう手違いでジェダイが君らの社内に入ってきたのか・・成り行きを知りたいものだ。』義眼がアークンを捕らえた。義眼は機械的な音をたててズームアップする。
「偉大なヴォジャー卿、私のミスです。自分の失敗は認めます。ジェダイが来るとなど思ってもいませんでした。ですが、ジェダイ達は我々が先月の爆破テロや議員暗殺に関与している証拠を絶対につかめません。」アークンは自身に満ちた目で言った。ヴォジャーはこの自身気に感心した。
『ほう、自身満々だな。失敗はするな。ジェダイを手ぶらで帰らせろ。』ホロは消えた。アークンと補佐官達は向きあった。
「これで一段落ついた。あとはジェダイが帰るのを待つだけだ。」

2「ティルヌアンの告白」>>326


[326] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/20(木) 18:49 q/Cs8lYyebQ)

feylya

スターウォーズ
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2「ティルヌアンの告白」 >>325の続き

コランとベンは極秘情報室に入った。大量の資料でベンは天井まで目を向けた。ところせましと資料がつまっている。ジェダイ・アーカイブほどではないが。ジェダイの図書館ならこんな部屋があと何百とある。
「ベン、怪しいと思ったら合図しろ。」コランが囁いた。若きスカイウォーカーは頷いた。ティルヌアンは黙って二人のジェダイが調査を行なうのを見守った。
数分たったが、なにも変わったものは見つからなかった。無念だが、手ぶらでコルサントに帰るしかないのか・・コランがそう思っていたときだった。ティルヌアンの一人のローブの隙間からブラスターが一瞬だが見えた。
「失礼」コランがそのティルヌアンのローブをめくった。やっぱり。ブラスターが腰のベルトからぶらさがっていた。
「これはなんの真似かな?」コランが尋ねた。この男は抜け目無い。ティルヌアンはそう判断してブラスターをすばやく手にとるとコランに向けた。だが、一瞬で横からライトセーバーを振ったベンによりブラスターが破壊された。周りのティルヌアンは脅えてその場から逃げ出した。ベンは走って後を追い、コランは先ほどのティルヌアンと向き合っていた。
「説明しろ。」コランは言った。ティルヌアンは重い口を開いた。
「自衛手段ですよ。」
「本当のことを言え。」この男には全てわかってる。
「ブラスターが珍しいのですか?ジェダイなら辺境の惑星のカンティーナでたむろするならず者が銃を持ってる場面などたくさん目撃するでしょう?」ティルヌアンは言った。
「それとこれとは違う。なぜ会社員が武装しているのか知りたいのだ。なんのためだね?それに君は今それを私に向けたろう。」
「ですから、自衛です。この頃物騒でしょう?」
「物騒?そうかもしれないが君に危険が及ぶ可能性はわからないぞ。それとも命を狙われるようなことをしているのかね?君の首に多額なクレジットがかかっているのなら話しは別だが。」
「貴方にそんなことを…」ティルヌアンの次の言葉はヒッという小さな悲鳴だった。コランがついにライトセーバーを起動した。
「・・わかった!許せ!なにもしないでくれ!殺さないで!」ニモ―ディアンと変わらないな。コランは思った。
「説明しろ。」

ベンはティルヌアンを追ってまったく道がわからなくなった。それにティルヌアンを見失った。ベンは戸惑いながらも通路を歩いていると、角を曲がったところでプロトコル・ドロイドと出会った。
「おや、お客様ですね?私はTD−34。」ドロイドは言った。
「ティルヌアンがこなかったか?」ベンは尋ねた。
「いいえ。この通路には私と貴方様しかいません。」
「本当のことを言え。必要ならお前をスクラップにするぞ?」
「そんな脅し文句は今まで何度も言われました。まずはティルヌの工場で。その次は・…」ベンはうんざりして通路を歩き出した。ドロイドは声をかけた。
「お客様!そちらは立ち入り禁止区域でございます!」その声はベンには聞こえなかった。

「待て、整理させろ。つまり、お前達は社長に言われたとおりに、ブラスターを身につけ、我々を見学させた。社長は我々を邪魔者としているんだな?」コランが尋ねた。ティルヌアンは頷いた。
「1年前からです。急に社長やその補佐官達が今までと違う行動に走りました。私は見ての通り、下っ端です。上層部がなにをしてるのかわかりません。ただ・・」ティルヌアンは言葉を飲んだ。
「ただ?なんだ?言え。君の上司は君に罰を与えない。私がそうさせないと約束しよう。」コランが言い聞かせた。
「私が知っているのは会社がなにか汚職に関与していることと、社長とその補佐達がある人物の命令で動いているということです。ですが、両方とも噂でしか聞いてません。私はいつも通常エリアでしか活動しないので、仲間からわずかな情報を教えられ、それを自分で繋げているだけです。ジェダイが信用していいかどうか・・」
「いや、それだけ言ってくれれば結構だ。ご協力感謝する。そうだな・・他のやつに私になにをされたか聞かれたら、ブラスターについての質問とでも話せ。それでお前は自衛手段と答えた。それで終わりだ。私は弟子を探そう。」コランはその場から立ち去った。ティルヌアンは力がぬけ、そこに座りこんだ。ジェダイに・・・話してしまった。会社の外では話せないようなことを。いくら噂でも、会社の看板に傷がつくようなことをジェダイに話した。恐らく数週間で会社がもっと捜査され、元老院は証拠をつかみ、アークンを裁くに違いない。その前に自分は殺される・・・彼は恐ろしくなった。
「なんてことを。」誰かがティルヌアンの後ろで言った。ティルヌアンは振りかえるとそこには社長補佐の一人が立っていた。
「これは、マーデ・ジョース秘書。なんのご用で?」
「わかっているはずだ。あれだけのことをジェダイに話したという罪が。」ジョースはローブのなかからブラスターを抜いた。ティルヌアンはその場を逃げ出した。ジョースは背中を向けて走る社員を撃ち殺した。

3「脱出」>>331


[328] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2006/04/14(金) 17:17 acI7p19Qs3s)

ackbar

第1章 >>319
第2章 >>321
第3章 >>323

第4章 危機
「将軍」バトル・ドロイドに呼ばれ、ゲリョル将軍は歩み寄った。
ゲリョル将軍は天才的な策略家だ。人間だが本名は誰も知らず、ただ単に「ゲリョル将軍」と呼ばれている。もともと傭兵の軍師として雇われていたが、その軍才をドゥークーに買われてCISの将軍に抜擢された。しかし力で押すだけだとドゥークーやグリーヴァスを批判し、重要な幹部のポストには任命されていない。
「どうなさいました?」ゲリョルはにこやかに言った。
 バトル・ドロイドは答えた。「軌道に未確認宇宙船が停泊の模様」
「それは困りますね。繋いでいただけます?」
「了解」
「こちらアルゴー基地、お聞こえでしょうか?」ゲリョルは笑顔でそう言ったが返事は無い。「無視するのですか。こちらから手痛い歓迎を行ってもよろしいのですよ。応答していただけませんか?」やはり返事は無かった。
「どうやら徹底抗戦のようですね」ゲリョルは笑顔のまま言った。「ドロイド・スター・ファイターを出撃させてください。撃ち落としても構いません」

 ブレアを殺したのはジャンゴ・フェットのクローン――すなわち本物のクローン・トルーパーだった。共和国に忠実なはずのクローン・トルーパーがなぜ・・・グレイヴは考えた。
「製造段階で手違いがあったとしか思えません」ライルは言った。
「あのクローンの顔は比較的若かったが」グレイヴは言った。
「ええ、一番若い代のクローンだと思われます」
「その代のクローンはこの船にどのくらい乗っているんだ?」
「たくさんいるはずですよ」そう言うとライルはキーを叩いた。「5382人です」
「そんなに・・・」グレイヴはうなだれた。「それじゃあ犯人探しは困難か。裏切り者を乗せたまま戦いに行くことはできん。やはり一旦コルサントへ戻るべきだな。今どのあたりにいるんだ?」
「すでに第5惑星軌道に差し掛かっています」ライルはそっけなく言った。
「敵に気付かれていないか?」グレイヴは少し驚いた。いつの間にかそんなところまで来ていたのか。
「大丈夫だと思います。レーダーで気付くとしても形状までは判らないはずですから、気付けば呼びかけてくるはずです」
 グレイヴは愕然とした。「呼びかけるだと?通信機は使えないんだぞ」
 ライルははっとした。
「やはりクローンは信用できん!急げ!敵が来るぞ!」グレイヴは叫んだ。
 ライルは司令室に走り出した。
「コマンダー!ドロイド・スターファイターが接近中です!」クローン・トルーパーの1人が言った。
「急げ!ハイパー・スペースに入ってしまえば大丈夫だ!」ライルは言った。
「だめだ。チャージしている間にハイパー・ドライブを破壊される。戦うしかない」グレイヴは言った。
「私も出撃します」ライルは言った。
グレイヴは言った。「私も出る。こう見えてもスターファイターの操縦は得意なんだ。今評判のスカイウォーカー君ほどではないがね」

 グレイヴの赤いジェダイ・スターファイターを筆頭に、何十機ものARC-170の群れが<ディフェンダー>から吐き出された。
 グレイヴはR2ソケットに収まっている青いR2ユニットを見た。「よろしく頼むよ」
 グレイヴはジェダイ・スターファイターを愛用していたが、個人用のR2ドロイドは持っていなかった。そのため今回は<ディフェンダー>内にあったR2-G7を使っている。
 宇宙はすでにビームの嵐だった。ドロイド・スター・ファイターから撃ち出される真紅のビームが、<ディフェンダー>のシールドに突き刺さる。
「ライル、陣形を崩すなよ」グレイヴはマイクにそう言ったが、返事は無い。しまった、これも通信できないのか。
 しかし後ろを振り向くと、仲間たちはしっかりと陣形を組んで着いてきていた。グレイヴは微笑んだ。
「よし。行くぞ」グレイヴたちは陣形を組み、矢のように敵中を突破した。赤いビームに緑のビームが混じり、編み物のように複雑に交差した。
 グレイヴは次々に敵を鉄クズにして行った。「ブレア、見ていろよ」グレイヴは呟いた。R2-G7が慰めるようにさえずった。
 グレイヴのスターファイターの翼に赤いレーザーがかすった。その糸は緑のレーザーの横をすり抜けて後ろのARCを破壊した。その穴をすぐに別の機体が補う。
 やはり通信が出来ないのは厳しすぎる。グレイヴは思った。もうかなりの敵を倒したはずだ。しかし敵の数は減らず、むしろこっちが減っていく一方だ。戦場はいつの間にかすっかり赤に染まっていた。殺される。だが退却する場所は無い。メイスは私に期待しているんだ。期待を裏切るわけにはいかない。
 グレイヴは怒涛のごとく敵を破壊して行った。ARCは次々に撃ち落され、ついに残るはグレイヴを入れて5機になった。すでに陣形は崩れていた。ライルは無事だろうか。
 グレイヴは構わず正面の敵を破壊した。すぐさま旋回し右の敵を破壊する。そのとき彼の目の前を右から左に赤い光が通過した。彼はその眩しさに一瞬目を逸らした。次の瞬間彼の機体は大きく揺れた。熱と煙を感じる。操縦不能になりグレイヴのスターファイターは戦場から離れていった。
 グレイヴの機体は重力に引き寄せられ惑星アルゴーに向かって行った。墜落するのか。グレイヴは思った。
大気圏に突入した。機体が熱くなる。同時に操縦席も燃えるような熱さになった。
 グレイヴは死を覚悟し操縦席に突っ伏した。こんなところで死ぬとは。死とはなんてあっけないんだろう。
 そのときグレイヴの耳に声が聞こえた。“・・・マスター・・・”ブレア?まさか。“マスター・・・こんなところで死んじゃダメですよ”消えそうなほど小さい声だが、これは確かにブレアだ。“生きてください・・・僕の分まで生きてください”ブレア・・・グレイヴの目に涙が流れた。“マスター・・・マスター・・・”
『マスター・シュライン!』声が一気に鮮明になり、グレイヴは跳び起きた。
「ラ、ライルか・・・?」
『はい。無事だったんですね!今どこに?』
「今・・・操縦不能で落ちている」
『え?あ、あれか!こっちです!見えますか!』
 彼の左の方にライルのらしきARCが見えた。「ああ、見える」
『落ちないでください。どうにもならないんですか?』
 グレイヴは再び操縦桿を握った。操縦桿を動かすと、かすかに機体が動いた。「何とかなるかもしれない」グレイヴは無理やり着陸準備を始めた。
 機体が鈍い音を発して体制を立て直した。
『そのまま着陸しましょう!』
「だめだ!スピードがありすぎる!」グレイヴは必死に速度を落とそうとした。
『この下は砂漠です!不時着できます!』
 グレイヴは必死の思いで操縦桿を握り締めた。ブレア、私は生きて見せるぞ。
 計器が示す高度はみるみる下がっていく。500・・・400・・・300・・・フォースよ、私に力をくれ・・・200・・・100・・・50・・・頼む!
 グレイヴは一気に操縦桿を引いた。轟音と共に砂漠の砂が巻き上がる。トランスパリスチールの窓は砂埃に覆われ真っ白になった。凄まじい衝撃を感じると機体は横滑りになりぐるぐると回転した。さらに横転し転がり、グレイヴは機内でかき回された。
 機体は完全に停止した。グレイヴはキャノピーを開けようとしたが開かない。スターファイターは完全に横転していた。グレイヴはライトセーバーを起動すると、トランスパリスチールの窓を切り、なんとか這い出した。砂漠の砂が茶色のローブに入ってくる。右腕に激しい痛みを感じた。
「マスター・シェリング!」声がした。ライルだ。「大丈夫ですか!」
「ああ、なんとかな。だが腕を折ったらしい」
ライルはグレイヴに駆け寄ってきた。その後ろには3人のクローン・トルーパーもいた。
「鉱山惑星にこんな大砂漠があるとはな」グレイヴはそう言い、振り向いた。そこには見たことも無いような巨大な建造物が存在していた。
「何だあれは?」
「動くな」機械的な声がした。5人はいつの間にかバトル・ドロイドに銃口を向けられていた。
「武器を捨てろ」
「あれはあんたらの基地か」グレイヴは顔をしかめてライトセーバーを投げ渡すと、ライルたちを見た。「従おう」


[329] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2006/04/15(土) 15:00 acI7p19Qs3s)

ackbar

第1章 >>319
第2章 >>321
第3章 >>323
第4章 >>328

第5章 目的
『もう1人を捕らえました』ホログラムは言った。
「よくやった。彼は必然的に殺されるだろうな」男は言った。
『はい。これで私の任務は終了ですね』ホログラムは言った。
「ああ」男は言った。
『では、お金の方は後日』ホログラムは消えた。
「何もかも、あなたの予見通りです」男は言った。

「あのときなんで通信が出来たんだろう」薄暗い部屋の中で、大分体力を回復したグレイヴは言った。
 グレイヴら5人は砂漠の要塞に連れて行かれ、有無も言わさずに閉じ込められた。クローン・トルーパー3人は独房に入れられたが、グレイヴとライルは将軍との面会のため別室に閉じ込められていた。
「通信が不可能だった原因は<ディフェンダー>にあったようです。<ディフェンダー>内で通信を遮断する磁場のようなものが発生していたみたいです」
「その磁場の影響範囲の外に出たというわけか。その磁場は自然に発生したものじゃないんだろう?」
「ええ。通常では考えられません」
「となると、やはり誰かがその磁場を作り出していたんだな」グレイヴは考えるような仕草をした。
「で、その<ディフェンダー>はどうなったんだ?」グレイヴは尋ねた。
「わかりません。通信が出来ませんから。でもあの軍勢を前に戦っても勝ち目は無いでしょう」ライルはうなだれた。
「そうか」
 何も無い部屋にぽつんとあったディスプレイが、人間の男の姿を映しだした。『やあやあ、皆さん。初めまして。私はゲリョルと申します。以後お見知りおきを』ゲリョルは笑顔で深々と頭を下げた。『早速ですが、あなた方、何のためにこのアルゴーを訪れたのですか?』
「あなたが知る必要はありません」グレイヴは言った。
『そうですか。まあ聞くまでもありませんがね。あのスター・デストロイヤーは邪魔だったので撃墜させていただきました』
この言葉にライルは怒りをあらわにした。「よくも!」
『それと』ゲリョルはライルの声を無視して笑顔で言った。『あなた方は全員処刑ということでよろしいですね』
「いいえといったら?」グレイヴはにやっと笑った。
 ゲリョルは笑顔のまま、消えた。
「このままじゃ殺される」グレイヴは言った。
「諦めるんですか」ライルは言った。
「まさか、こんなところで命を捨ててたまるか」
「<ディフェンダー>はやはり・・・」ライルはうなだれた。
「ああ、だが撃墜されたということはブレア殺しの犯人も一緒に死んだってことかな」
「ここにいる5人以外ならそうですね」
 グレイヴはどきっとした。ここにいる5人以外なら、か。考えても見なかったが、もしかしたらライルが犯人かもしれないんだな。

「上から話は聞いております。ご苦労様でした」砂漠の要塞の奥深くで、ゲリョルは男と話していた。
「でも俺の仕事はまだ終わっちゃいないんでね」男は言った。
「ほう。ご多忙なのですね」ゲリョルは男に背を向けた。
 男はブラスターを構えた。

 閉じ込められてから何時間が経っただろう。グレイヴは腕の痛みが激しくなってきたことに気が付いた。
「いつまでこうしてるんでしょうね」ライルは言った。
「ああ、そろそろ何かあってもいい頃だがな」グレイヴは言った。「処刑だとしても」
 そのとき、グレイヴは外が慌ただしくなっていることに気付いた。「何の騒ぎだ?」グレイヴはドアに近づいた。
 その直後、ドアが勢いよく破られた。「ニげろ!」ドアに開いた穴の向こうには、身長2メートル以上、右手に石斧を持ったゴリラのような生物が立っていた。
「え?何だ?」グレイヴはすぐに察した。「アルゴーリアンか?」
「ああ、いつまでタってもレンラクがナいからシンパイしていたら、ソラからウチュウセンがフってきたんで、こりゃあナニかあるなって。そんでオモいキってセめコんだんだ」
「ありがたい!出口はどこだ?」グレイヴとライルは立ち上がって、穴から外に出た。
「このツウロをマっすぐいけばわかるだろ」
 そのときバトル・ドロイドがブラスターをアルゴーリアンに向けた。
「危ない!」グレイヴがそう言うより早く、アルゴーリアンは斧でバトル・ドロイドを破壊した。
 アルゴーリアンはバトル・ドロイドのブラスターを取り上げた。「これをモってイけ」
「ありがとう。早業だったな」グレイヴはそれを受け取った。
「ナカマのフタリもタスけダした。さあイけ」
「2人だと?」
「ああ、フタリだ」アルゴーリアンは言った。「ハヤクイけ」
「わかった。ありがとう」そう言うとグレイヴとライルはその場走り去った。
 走りながらグレイヴは思った。2人だと?捕まったのはは他に3人いたはずだ。どういうことだ?1人はまだ助け出していないのか?それとも何か・・・グレイヴは何か嫌な予感がした。「とにかく先を急ごう!」
 ライルも同じようなことを考えていたらしく、はっとして答えた。
 ブラスターで道を切り開いて出口を目指した。ライトセーバーは奪われてしまったが、仕方ない。
 敵は想像異常に多かった。ブラスター一丁で切り抜けられたのは、グレイヴのフォースとライルの身体能力があったからこそだろう。
 だが2人は戦いに没頭しているうちに人気の無い暗い場所に迷い込んだ。
「ここはどこだ?」グレイヴは言った。
「出口はこのあたりではないようですね」ライルも周りを見回す。何かに視線を流し、彼は凍りついたように動きを止めた。「あれは、何でしょう?」
 グレイヴはライルが指す方を見た。それは明らかに人間だった。人間が横たわっている。
 グレイヴはそれに近づいた。「死んでるのか?」その顔は見覚えのある顔だった。「こいつは、さっきの将軍、ゲリョルだ。死んでるぞ」
「どうしてこんなところで・・・」ライルは言った。
「ブラスターで後ろから一撃だ。戦って死んだ風には見えんな」
「一体誰がこんなことを」
「たぶん――」グレイヴは言った。「独房から1人抜け出したクローン・トルーパーだよ。ブレアを殺したのもそいつじゃないかな」これは完全に推測だった。まだまだ謎な部分も多い。だが彼は、これが真実のような気がした。
「まさか」ライルは信じられないというような声を出した。
「だとしても奴の目的がわからない。共和国側のジェダイと連合軍側の将軍を殺すなんて、何の目的で・・・」
「目的?」ライルが言った。「本当にクローン・トルーパーが犯人なら、目的なんてありませんよ。自分の遺伝子に従ったまでです」
「遺伝子・・・?」この瞬間、グレイヴの脳裏に1つの仮説が生まれた。そしてその仮説は限りなく真実に近いものだと、グレイヴは確信した。


[330] (無題) 投稿者:悪場提督 kjl7pQWeGmw (2006/04/16(日) 12:56 acI7p19Qs3s)

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第1章 >>319
第2章 >>321
第3章 >>323
第4章 >>328
第5章 >>329

第6章 真実
『完了しました』ホログラムは言った。
「そうか、よくやってくれた」男は言った。
『これで共和国軍の勝利は確実です』ホログラムは言った。
「ふふ・・・そうだな」男は言った。
『約束のお金は――あっ、少々お待ちください』ホログラムは消えた。
「来たか」男は呟いた。

 カミーノのクローン製造施設の純白の扉が開いた。
「お久しぶりですな、ユウ・ロー主任」メイスが言った。後ろにグレイヴ、ライルもいる。
「これはこれは、マスター・ウィンドゥ。突然どうなさいました?クローンの成長状況のご確認で?」ユウ・ローは流れるような口調で言った。
「いや、今日はあなたを逮捕しに来ました」メイスはローを睨みつけた。
 ローは顔を険しくした。「逮捕?心当たりがありませんが」
「あなたは」メイスは声を荒げた。「ジェダイの――性格にはパダワンですが、ブレア・ウィング、独立星系連合ゲリョル将軍殺害の実行犯であるクローン・トルーパーを作り上げた」
「何のことかさっぱりですな」ローは言った。
「いいでしょう。説明しましょう」
「私が説明します」グレイヴが遮った。「先日アルゴーへ派遣されたスター・デストロイヤー<ディフェンダー>の内部で、私のパダワンのブレア・ウィングが殺されました。さらに機内のあらゆる通信機器が使用不能にされていたのです。その犯人は隠しカメラによって一番若い代のクローンだとわかりました」グレイヴは続けた。「しかし一番若い代のクローンといっても<ディフェンダー>には5000人も搭乗していて、誰かは絞れませんでした」
 ローは無表情だった。
「その後宇宙で敵と戦闘になりました。船外の通信も遮断されており、我々は5人を残して全員殺されました。私は機体をやられ惑星に不時着したのです。残りの4人も着陸しましたが、我々5人は敵に捕らえられました。我々は牢屋に入れられましたが原住民たちの活躍によって脱出に成功しました。しかしその原住民の話によると助け出したのは私も入れて4人だと言うのです。その後我々は基地の人気の無いところで、ゲリョル将軍の死体を発見しました。私はこう思いました。原住民に助けられるより前に何らかの形で牢屋を抜け出したクローン・トルーパーが、ゲリョル将軍を殺害したと。そしてブレアを殺したのもこのクローン・トルーパーであると」
グレイヴはここまで話すと一息ついた。「しかしわからないのです。なぜクローン・トルーパーが、ジェダイと敵軍の将軍を殺害するのかが。ゲリョル将軍を殺すのはわかります。だが彼はどうやって独房から脱出したのか。そしてなぜブレアを殺す必要があったのか」
グレイヴはライルの方を見た。「ここでヒントをくれたのが、このクローン・コマンダーのライルです」グレイヴは再びローに顔を戻した。「彼はこう言いました。『クローン・トルーパーが犯人なら、目的など無い。ただ自分の遺伝子に従ったまでだ』と。この意見はもっともです。彼は自分の遺伝子に従ったまで・・・彼の体は生まれたときから、ある指令を受けたらある行動をとるようにできていたのです。彼は生まれながらにして殺人者になる運命だった・・・」
グレイヴはローの目を見つめた。「ではそんなクローン・トルーパーを作ったのは誰でしょうか?そんなことが出来るのは主任、あなたしかいません。そういうわけで、なんとか基地を脱出した我々は、アルゴーから連絡を送り、わざわざマスター・ウィンドゥと共にここへ訪れたのです」
ここまで黙って聞いていたローが口を開いた。「面白いことをおっしゃる。確かにそんなことが出来るのは私しかいません。しかし2つの事件をそのクローン・トルーパーが起こしたという証拠はどこにも無い。カメラに映っていたのだって、誰かに無理やりやらされたのかもしれない」
「そんな理由でわれわれクローン・トルーパーがジェダイを殺すなんてことはありえない」ライルが言った。
メイスが前に進み出た。「彼の言うとおりです。あなたが事件の首謀者であることはもはや決定的です。認めていただけますね?」メイスは穏やかだが反論できない口調で言った。
ローはしばらくの沈黙の後言った。「認めた・・・ということにしておきましょうか」
メイスは言った。「問題はここからです。あなたは何のためにそんなクローンを作ったんですか?ジェダイと分離主義者、対立する2人を殺してあなたに何の得があったんですか?」
ローは黙っていた。
「答えを聞かせていただきたい。大変重要なことだ」メイスは言った。「私の予想ですが・・・あなたはこれを誰かに依頼されたのでは?ジェダイ暗殺、ゲリョル暗殺、この2つの指令は別々の人間から依頼されたのではないのですか?」
 やはりローは黙っていた。
「たとえば・・・ドゥークー、ダース・シディアス、ダース・ティラナス・・・」メイスは分離主義者の中枢を担っていると思われる名前をゆっくりと挙げていった。
 ローはかすかにに『ティラナス』に反応した。
メイスはそれを見逃さなかった。「ティラナスに依頼された。そうですね?」
ローはしぶしぶ口を開いた。「ええ・・・アルゴーの戦いでのジェダイ暗殺と通信の遮断はティラナスと名乗る男に・・・大金を出すからと。まだ前金しかもらっていませんが」
ドゥークーが・・・メイスは思った。「ゲリョル将軍もその話を知っていたのですね?」メイスは言った。「だからクローンとゲリョルは面会を果たした」
ローは頷いた。
「それとほぼ同時にあなたはゲリョル将軍暗殺の依頼も受けた。ジェダイ暗殺を済ませたクローン・トルーパーがアルゴーを守るゲリョルと面会させるをティラナスから聞いていたあなたは、都合がいいと思い、ティラナスの依頼とその依頼を同時に1人のクローン・トルーパーで済ませようとした、ということですか。でリョル将軍の方は誰に?」メイスは尋ねた。
ローは言った。「わかりません。本当に・・・ゲリョル将軍の暗殺を依頼した男は、共和国軍の勝利を望んでいました。戦争を終わらせようとしているみたいで」
メイスは少し考えた。「まあいいでしょう。そのゲリョル殺害を依頼した男はこちらで別に、調べます。あなたはコルサントまでご同行願います。よろしいですね?」メイスがそういうと、ローは大人しく頷いた。
 カミーノからコルサントへ向かう輸送船の中で、グレイヴはローに聞いた。「そう言えばそのクローン・トルーパーはどこへ?」
 ローは言った。「さっきから通信を試みているんですが、繋がらないんです。もしかしたら、アルゴーを脱出できなかったのかもしれません」
 グレイヴは思った。殺人のために、命を作られたクローン。その末路はなんとあっけないものだろう。人間の作り出したものはやはり信用ならない。クローンを信用しきっていたら、いつかジェダイは滅ぼされる。

『どうやらユウ・ローは捕まったようです』ホログラムは言った。
「なかなかうまくいったな」男は言った。
『ええ、アルゴーリアンだけが予定外でした』ホログラムが言った。
「おかげでシェリングは死ななかった。まあよいわ」男は言った。
『あなたがゲリョル暗殺を依頼したことは公にはなっていないようですね』ホログラムは言った。
「おぬしのジェダイ暗殺の依頼は、公表されているが・・・」男は言った
『ティラナスが私であることを知るものはわずかです。問題ないでしょう』ホログラムは言った。
「そうか。まあ今回の一件でアルゴーも防衛できたし、ゲリョルも自然に殺すことができた。シェリングは残ったが、仕方あるまい。もともと狙いはウィンドゥだったのだからな。本当ならアルゴーへ向かうのはウィンドゥのはずだったんだが・・・バンゴラが予想以上に早く終わりすぎた。」男はにやりと笑った。「まだ戦争を終わらせるには早すぎる。あせらずとも、共和国は必ず、滅びる。」パルパティーンは言った。


[331] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/20(木) 18:50 q/Cs8lYyebQ)

feylya

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3「脱出」>>326の続き

ベンは薄暗い部屋に辿りついた。プロトコル・ドロイドがさっきなにやら叫んでいたがなんと言ったかな?部屋が急に明るくなり、フートは背中になにかつけられた。
「手をあげろ。そして武器を捨てろ。」べンはしぶしぶ手をあげて後ろを見た。ドロイドだ。プロトコル・ドロイドに近い人間型のドロイドが銃を向けている。以前、アーカイヴの記録でドロイド兵を見たが、これはかなり人間に近い形で、しかも・・・
「武器を捨てるんだ。さもなければ殺すぞ。」このドロイドの台詞はあらかじめプログラムされたものとは違う。彼のよく知るC-3POのように自分の意志でしゃべっている。昔のバトル・ドロイドは違うらしいが。ベンは腰からライトセーバーをとり、捨てた。床に円柱型のつつが落ちた。
「こっちに来い」ドロイドはベンを部屋の扉まで連れて来た。ベンはすばやく床に落ちた剣をフォースで引き寄せ、手に収めた。そして混乱しているドロイドの頭部をはねた。火花と煙が漂う。ベンはスクラップを目の前に考えた。ドロイドの兵士。しかも強力だ。こんな兵士がまだたくさんいるとすれば・・ティルヌ・ワークスは戦争を起こせる。
「ベン」ベンは目の前に師がいることに気付いた。コランは息を切らしている。
「ここに来る途中でも出くわしたぞ。」コランはベンの足元で火花を散らす残骸を示した。
「たくさんいるってことですかね?」べンは尋ねた。
「そうかもしれん。追っ手は来る。さっさと逃げよう。」コランは歩き始めた。
「でも、証拠は?なにか情報をつかんだのですか?」ベンは尋ねた。
「もちろん。有力な情報を入手した。だからこそ急いで出なければ。我々は殺されるぞ。」

ジョースは激怒するアークン会頭を前に冷静さを保った。
「社員は殺しただろうな。」アークンは鋭く言った。
「もちろん。ジェダイはどうします?」ジョースは尋ねた。
「殺せ。まずはベイにある彼らの船を破壊にかかれ。」
「はい、閣下。」

ベイ近くまで来ていた二人のジェダイはすざましい爆発音を聞いた。
「今のは?」コランは尋ねた。ベンはなにか言おうとしたが、コランが再び口を開いた。
「いや、待て、推測させろ。きっと、連中は私らの船を破壊した。」ベンは正解とでも言うような顔をした。
「となると、宇宙船を調達する必要がある。ベイで人暴れする必要もあるな。」

ベイに待機するコンバット・ドロイドは銃を手にし、二人のジェダイの暴動を鎮圧しようと必死に戦った。ジェダイを二人相手にすればこの最新型の戦闘ドロイドも勝ち目はなかった。ある程度ドロイドが残骸へと化すと、ベンとコランは近くにあるシャトルに乗りこんだ。
「操縦の腕を見てやろう。父親や祖父の才能を受け継いでいるかな?」コランは弟子に言った。ベンはやってやるというような顔で操縦桿をにぎった。シャトルは唸りながらベイを飛び出した。だが第2ラウンドが待っていた。ティルヌ・ワークスの巨大ステーションは火器を隠し持っており、逃げ出すシャトルを狙ってレーザーを振らせた。シャトルはレーザーをすいすいくぐった。
「流石、スカイウォーカーだな。」コランは言った。

秘書官ジョースはイライラしてオフィスのディプレーをにらむ会頭に恐る恐る報告をした。
「ベイからシャトルが一隻盗まれ、それが脱出しました。」ジョースはアークンの反応を待った。驚いた事にアークンは落ちついた。
「そうか。ならこれでけじめがついた。ヴォジャー卿の命令通りに、思いきった行動に出れる。ジェダイが我が組織の秘密を新共和国に持ちかえったとなれば・・」アークンがそう言ったことでジョースはほっとした。戦争か。アークンが通信ユニットに手をあてた。まもなく青い幽霊が映し出された。
『なんだね?』ヴォジャーは義眼を動かした。
「ジェダイが汚職の情報を手に脱出しました。」アークンは堂々と言った。
『ほう、それで君は平気かね?いったいなにがそんなに君に自身を与えているのかね?』
「これで我々はこそこそとした行動をやめ、ついに堂々と銀河同盟に攻撃することができます。つまり、戦争が始まるきっかけができたのですよ!」アークンは暗黒卿の反応を待った。予想通り、まったく怒っていない。
『会頭、私は君を以前よりも気に入ったよ。その通り、これで戦争のきっかけができた。私の計画とおりに事が進んでいる。どこで私が情報をもらそうとしていることがわかったのかね?』
「もし、本気で秘密を守るのならば社員達に噂が流れるのも停めたはず。さらに、社内に証拠となるものは徹底的に隠したはず。」
『気に入ったぞ。君を仲間に迎えて正解だった。では次の命令を出そう・・・』

4「コルサント帰還」>>332


[332] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/19(水) 20:22 q/Cs8lYyebQ)

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4「コルサント帰還」>>331の続き

ベンの目に銀色に輝く惑星が映った。だが、今のコルサントは銀色の中にところどころ緑が見える。これはユージャン・ヴォングの置き土産である自然だ。
シャトルは発着場に降りた。コランとベンを迎えたのは新共和国関係者とジェダイだ。
「マスター・ホーン。無事な生還に喜んでおります。船が出発するときと違うのを見るととても不安になりますが。」ジェダイの一人がそう言った。
「ああ、君の察しとおり、ことは深刻だ。」

元老院の大会議場。かつての旧共和国元老院の会議場とは違い、こちらのほうは少し小さくなった。浮遊ポッドはなく、ホールに並べられた浮遊椅子に議員が座っている。椅子にはモニターなどの装置がつけられ、発言者の前にはリモート・マイクと呼ばれる球体の装置と、記録用のカム・ドロイドが飛んでくる。
「これは事実です。銀河の経済を支える企業の一つ、ティルヌ・ワークスは何者かによってコントロールされ、すでにいくつもの犯罪に手を染めているのです。」コランは特別に設けられた席を立ち、彼の報告に動揺する議員を前にしていた。この議員達は各星系、惑星で選ばれた優秀な議員。のはずだ。かつての旧共和国は議員の数が多すぎて腐敗が増えた。新共和国はこの二の舞をさけるため、議員の数を減らした。
「皆さん落ちついてください。マスター・ホーンの発言は真実です。」国家元首ドセインが席を立ち議員を見渡した。「情報部のボサンによれば爆破テロの犯人としてティルヌアンが逮捕されております。このティルヌアンの証言とマスター・ホーンの情報は矛盾せず、ぴったり合います。」
議員の全員がティルヌアンの汚職を信じた。そして二人のジェダイが遭遇したティルヌアンのコンバット・ドロイドのことも。
「交渉をするべきだ!」
「すぐに攻撃だ!やられる前にやる必要がある!」議員は2つに別れた。
「落ちついてください、皆さん。ここは交渉を優先させましょう。ジェダイの騎士を信じて、まずは見守りましょう。攻撃はそのあとでも間に合います。」ドセインの言葉で議員はおとなしくなり、攻撃派議員はひとまず交渉に賛成した。
「しかし、交渉の際になにがあるかわからない!」ボサンの議員が立ちあがった。
「では、戦艦の護衛をつけましょう。それで異議はありませんね?」レイア・オーガナ・ソロが言った。

ベンはコランとともにジェダイ評議会――コランも評議員である――の部屋に立っていた。元老院に伝えた情報を改めてマスター達に聞かせ、今後の交渉の準備をするためだ。
「ティルヌアンの後ろに何者がいるか調べる必要がありますね?」カラマリのマスター、ラル・モンフは大きな目をぱちくりさせた。
「ああ、それと戦闘ドロイドにも注意するべきだ。それが軍隊なら戦争の恐れもある。」銀河大戦、ユージャン・ヴォング侵略戦争の英雄、ルーク・スカイウォーカーは専用の椅子の上でそう言った。かつてヨーダがいたポジションに彼はいる。
「交渉は?誰を派遣します?」キップ・デゥロンが口を開いた。このジェダイは攻撃派だが、元老院の決定は従わねばならない。
「引き続き、コランとベンに行ってもらおう。いいかな?」ルークは息子に目を向けた。
「はい。」コランとベンは頭を下げた。二人のジェダイが出ていき、コランが座っている評議員の席は空になった。
「マスター・スカイウォーカー、ダーク・サイドを感じないだろうか?」モンフは尋ねた。
「ああ、感じる。どうもいやな予感がするぞ。大きな戦いの序曲かもしれない。」

薄暗い部屋でシスの暗黒卿ダース・ヴォジャーは赤い義眼を動かした。あのティルヌアンの会頭、思ったよりも役に立つ。ヴォジャーは手を振った。ドロイドがとことこと歩いてきた。ドロイドは頭を軽くさげた。
「すぐにティルヌ・ワークスのステーションに向うシャトルを用意せよ。それから…私のアプレンティスを呼べ。」ヴォジャーはそう言って専用の巨大な浮遊椅子に座りこんだ。

5「交渉から戦闘」>>334


[333] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/05/20(土) 13:25 TH23NU/yN/c)

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After story of >>314


 2


 滑走路は二本あるので、スムーズに皆飛び上がることができた。上空で編隊を組み、目的の方向へ向かう。
 太陽は相変わらず輝いていた。少し寒い。ヒーターを調節して、温度を上げた。
 久しぶりの愛機の感触――といってもこれがこいつとの二度目のフライトであり、まだ愛機というほど愛着は持っていないのだが。早く戦いたくてしょうがない。なんだか体がむずがゆくなってきた。
 ぽりぽりと背中を掻いている間に、右前方から飛行機が上がって来るのが見えた。味方が増えたみたいだ。確か、これで二十五機。新しい味方は全て青みがかかったグレーのEウィングで統一されていた。空に溶けて、なかなか見難い。
 自然と笑みが漏れた。心臓が早くなる。
 落ち着け、僕。まだ敵と遭遇すらして無いんだぞ。
 ふぅーっと、深呼吸。眩しい空を見た。
 光を反射させる鏡。その周りに、うっすらと星。
 そこまで飛んでいけるような、錯覚。
 宇宙。三角形の戦艦。ロボットと戦う僕。
 光る剣。半分機械の敵。裏切り者。
 レース。砂。刺青の男。荒野。死。複製人間。
 母親。妻。死。死、死、死。
 悪魔、闇、邪悪。僕を見下ろす。
 息子。父。娘。
 師。死。師。死。
 僕は宇宙を飛んでいた。
 戦争の真っ只中を駆けていた。
 閃光と爆発がうまい具合に混ざり合って、見事なイルミネーションを作っている。
 僕はその中を、見知った戦闘機と並んで飛んでいた。
 Xウィング。その無骨なフォルムはどこか悠然と、見るものに歴戦の勇者の様な印象を与える。戦っている相手もまた、知っている戦闘機だった。長年乗ったT.I.E.の、進化系。TIEファイターだ。
 目の前には灰色の星。星? いや、あれは機械だ。クレーターのようなくぼみがあり、球体のちょうど真ん中には赤道のような線が入っている。
 まるで、夢だな。
 僕は戦いを戦闘気乗りの視点で見ながらも、宇宙全体を見下ろすようにして把握していた。これは一体どういうことか。決まっている。夢だ。だけど、初めて見る夢だ。この後どうなるかは僕は知らない。先を見たい。
 そう思うと夢は急に色あせ、景色が遠のいていった。ぐるぐると回転し、全てが真っ白になって――僕は目覚めた。
 コクピットの中。右手は操縦桿を、左手はスロットルを握っていた。
「キング、しっかりしろ、コースをずれてるぞ!」
 トムの声がする。何故だろう、僕はその声に親しみを感じた。
「ありがとう、ちょっと眠ってたみたいだ」
「お前、大丈夫かよ」
「大丈夫」
 僕は無線のスイッチを切った。なんだか体が軽い。
 機体との一体感。空を自由に飛びまわれそうだ。
 敵はまだか。
 いつの間にか周りは戦闘機だらけになっていて、ちょっと楽しかった。
 レーダーによると総勢五十機、全員集合ってわけだ。
 首を振っって、さっきの夢を頭から追い払う。今はそんな場合ではない。
 お楽しみの時間。ダンスの時間だ。
 来た。
 前方に黒い点の集団。
 心臓が跳ね上がるのを感じた。軽く笑う。
「楽しくなってきた」
 スロットルを少しずつ上げていく。
 敵は綺麗な隊形を組んで、上下に別れ始めていた。
 僕は右上へ、ひたすら進んでいく。
「上の敵に突っ込むぞ」
 トムの声。僕は応じた。
 敵が降下してくる。僕はその正面に向かう。
「骨は拾ってやるよ、キング」
「それはこっちの台詞」
「いやな予感がするんだ。落ち着いていけよ」
「了解」
 言われなくても僕は落ち着いている。多分。
 視界の中で敵機がどんどん大きくなっていた。あれは――Yウィングか? Yウィングが三機だ。
 レーダーをチラッと見て距離を測る。
 ラダーで微調整。狙いは正面。僕は引き金を引いた。
 すれ違ってから、機首を上げて背面に移る。
 僕と打ち合った一機が煙を上げているのが見えた。まずは一機。
 残りの二機がいない。回転して、周りを見渡した。
 見えない。後ろか?
 刹那。機体が揺れた。
「――!」
 警告音と共に赤いランプが光る。
 被弾した。終わりだ。
 急降下が始まる。浮遊感、無重力。
 雲が近づいてくる。濁った色。その中で爆発が見えた。
 背後を振り返る。僕を落とした奴は、追ってきていた。
 何故? 完全撃破したいのか?
 そんな愚かな真似いくらボサンでも――その時、僕は気付いた。
 モニターには、機体損傷率20%と表示されている。
 まだ余裕で生きてる! Xウィングの硬い装甲、T.I.Eと比べ物にならないぞ!
 操縦桿を一気に手前に倒した。さっきとは逆のG。
 機首が少し上を向くくらいで、思いっきりスロットルを絞った。
 速度計を見る。どんどん下がっていた。
 上の敵はこっちに突っ込んできている。
 警告音が鳴った。ストール。
 敵は僕を追い抜いた。同時にスロットル全開。
 後ろを取る。狙い撃ち。
 敵は火を噴いた。
 僕はそれを見て、上昇する。
「ラックの改造も馬鹿にしたもんじゃないかも」
 操縦桿が軽かったので、そんな風に思う。
 突然、真下で爆発が起きた。
 気体が揺れる。キャノピィがガタガタとなった。
 背面になって、確かめる。
 大きな煙。それを突き抜けて下から閃光。
 僕はとっさに操縦桿を引いた。
 遅かった。
 対空砲が正面で爆発し、とっさに目を瞑る。
 轟音と衝撃が同時に訪れた。
 機体が揺れる。警告音が鳴り響く。
 今度こそ正真正銘の――。
 機首が上がらない。操縦不能。
 僕は覚悟を決めた。しかし、こんな時に対空砲なんて、敵も必死だな。
 くるくると景色が回る。軽く吐き気。
 地上が近づいてきた。敵の無骨な基地が見える。
 あのコンクリートに突っ込めば敵にもダメージかな。
 そうだ、トムに連絡入れよう。
 僕は無線のスイッチを入れた。
「トム?」
「なんだ?」ノイズ交じりの彼の声。
「骨は拾ってくれよ」
 返事を待たずに無線をきった。
 キャノピィはもう基地で埋め尽くされている。
 あらん限りの力でスロットルを絞り、操縦桿を引いた。
 少しずつ、ほんの少しずつ、機体が水平になっていく。
 敵施設は目の前だ。
 僕は引き金を引いて、施設を撃ちまくった。
 ドン、振動と衝撃。
 僕は堕ちた。

NEXT >>348


[334] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/20(木) 18:53 q/Cs8lYyebQ)

feylya

スターウォーズ
新たなるシス

5「交渉から戦闘」 >>332の続き

アークン会頭は銀河同盟国家元首のホロの前に立っていた。
『君達の罪は大きい。ひとまず、ティルヌ・ワークスと我が政府とで、会議を開き、君達の今後の方針と君達の所有するコンバット・ドロイドについて話し合いたい。どうかね?』
「いいでしょう。要求を飲みましょう。我々が指定する惑星で会合を開いてもらえますかな?」
『いいだろう。』
「惑星レン・ヴァーです。」アークンの言葉にドセインはなにか考えたが同意した。ホロが消えると、すぐに別のホロが現れた。
「ヴォジャー卿、元老院は会合を要求しました。」アークンはお辞儀もかねてそう言った。
『恐らく元老院はジェダイを交渉人として送るだろう。ジェダイは私の弟子が片付ける。そして、もし、護衛部隊が同行していればそれを君達のドロイド軍で片付けろ。』
「戦争の準備はできているのですか?」
『もちろんだよ会頭。私はハットとブラック・サンの協力を得た。他の組織もな。』ホロは消えた。アークンは秘書や補佐と顔を合わせた。
「ブラック・サン?ハット?」
「恐ろしいことに巻きこまれましたな。」
「弟子とも言っていたぞ。」
「シス卿がここに来ると?」

シスの暗黒卿、ダース・グリターは立ちあがった。瞑想のなかでジェダイが死ぬのが見えた。
「グリター卿、心してかかれ。油断するでないぞ。私の読みが正しければスカイウォーカーの血も姿を現す。」ヴォジャーは弟子に言った。
「ご期待にはそむきません。」グリターは黄緑色の顔をヴォジャーに向けた。「誓います。」
「復讐のときがきた。2度目の復讐がな。」

インペリアル級スターデストロイヤー2隻、XウィングとTIEファイターの中隊が交渉人のシャトルを護衛した。
「レン・ヴァ―・・・・なぜ連中はここを選んだ?なにか仕掛けてあるのか?」コランは言った。パイロットはその問いに答えた。
「注意深くスキャンしましたが、機雷やそれらしきものはありません。安全かと。」
「ならいい。まあ、地上につくまでなにもなければいい。」
氷の地表にある古い遺跡となっている寺院にティルヌアンの一行はやってきた。寒さに震えている。何重も防寒ローブを着込んでいるので元々の体系がわからない。
「会頭、銀河同盟の一行が到着しました。」ティルヌアンの一人が報告した。
「ヴォジャー卿には連絡した。我々は恐れる必要はない。」

会合が始まった。ベンとコラン、アークンと補佐達、元老院の大臣達は顔を向き合わせた。
「まずは、汚職について。これには証拠がいくつもあります。汚職を認めますか?」大臣の言葉にティルヌアンは頷いた。
「コンバット・ドロイドの数は?」
「ざっと10万ほどですが?」アークンの堂々とした態度にコランはなにかを感じた。彼を支える強い者がいる。この部屋のどこかにすでに隠れ、我々を殺す準備をしているかもしれない。
「貴方達は逮捕されます。ドロイドはどう処理しますか?」
「はて…本当に逮捕されるのでしょうかね。ドロイド軍は永久に我々の所有物。」アークンの言葉に今度こそコランは警戒した。ベンに合図し、椅子を立ちあがった。戸惑う大臣は異変に気付いた。ティルヌアンは喜んでいる。

ダース・グリターは赤いライトセーバーを持ち、銀河同盟の交渉人達に向けた。
「ベン、大臣を守れ!」震え上がる元老院スタッフをベンは守りにかかった。グリターは光刃をコランに振り落とし、コランはそれをおさえた。コランとグリターは斬りこみ合い、部屋を飛び出た。氷の地表にライトセーバーの音が響き、二人の光と影はお互いを殺す気で戦った。
ベンはティルヌアンを捕らえた。大臣達はグリターが離れたことで少しリラックスした。そして護衛部隊にすぐに連絡した。
「なんの真似です?」ベンの問いにアークンは笑った。
「君のようなガキには手に負えないことが始まったのだよ。戦争だ。」アークンは笑った。どこからともなく、コンバット・ドロイドの一隊が現れた。
「逃げて!」大臣達はジェダイの警告を聞き、外に出たが待っていたのはドロイドの部隊だった。
ベンは大臣を守れなかったことを悔やんだが目の前のドロイド兵に悩まされた。
「撃て!殺すんだ!」アークンはそう言って補佐を連れて外に出た。
「コマンダー、銀河同盟の部隊、ジェダイを全て全滅させろ。艦隊の準備はよいかな?」アークンの問いにドロイドのコマンダーはきびきび答えた。
「艦隊の準備は完了です。すでに軌道にいる同盟軍と交戦中。地上部隊とジェダイは必ず片付けます!」
「結構。」やはり戦艦を連れてきたか。アークンは自分の予想の的中を祝いながらシャトルに向った。

スターデストロイヤーのブリッジに立っていたジョル・ベピナン大佐は手を背中で組んでXウィングの中隊が敵戦艦から飛び出してくる戦闘機を破壊するのを見守った。
「あの戦闘機の詳細を」ベピナンが命じた。すぐにオペレーターは割り出した。
「パイロットはドロイドです。」
「ドロイドか。クローン大戦時もそんなことがったものだな。全く。だが、今回はちゃんと搭乗しているのかね?」
「はい。ドロイドですが、パイロットはいます。」


[335] (無題) 投稿者:RAITinFukuoka epDgtryRTsw [Web] (2006/06/05(月) 22:05 bZ7KCz/djMk)

jacen

「STAR WARS DARKSIDE THE SITH」
>>317の続き

第二章
瞑想室を誰かが叩いている。
ヴェイダーはアポーが叩いている事を知っていた。
ドアをフォースでヴェイダーが開ける。
「着きました。ヴェイダー卿」アポーが告げると
ヴェイダーはこう聞いた「会議は終ったのか?」
アポーは答える。
「いいえ、ですが、私は早期退場を命令されました」
「そうか」
薄暗い瞑想室でヴェイダーが言うとアポーは、あることを思い出した。
「ヴェイダー卿!」
とっさにアポーが言うと、ヴェイダーが聞いた。
「何だ?」
アポーはかぶっていたヘルメットを取り、こう告げた
「ヴェイダー卿、実はパドメ・アミダラが死去する前に、男の子を産んでいる事が分かったのです。」
ヴェイダーは驚いていた。だが、ヴェイダーの顔はアポーから見えなかった。
アポーは再び話し始めた
「その・・・子は、タトゥイーンにいるのです。」
アポーは話している時少し、つまずきながらしゃべった。
「タトゥイーンに・・・そうか」
ヴェイダーは深く考えた。
自分にとっては行きたくないところだ。
そしてヴェイダーはアポーを部屋から外し深く考え始めた・・・。
その頃発着ベイには小さなスピーダーが一機だけ止めてあった。
皇帝は立ち上がりスピーダーのパイロットを迎えに行った。
「入れ」シディアスがそういうと二人は建物の中に入りに行った。
「依頼は?」
女性のパイロットが聞いた。彼女は賞金稼ぎだ。
「今度、ヴェイダーにコルサントに行かせる。そこで」
「そこで?」
女性は聞いた。
「ヴェイダーとアポーを殺せ」
率直に皇帝はそう答えた。
女性は驚いていた。皇帝は自分の一番頼れる物を殺せ、と言ってるからだ。
女性は落ち着くとこう聞いた
「なぜ?」
「教える必要はない」
そう、皇帝は答えた。

これからも更新して行きます。良かったらコメントください。


[336] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/04/20(木) 19:20 q/Cs8lYyebQ)

feylya

スターウォーズ
新たなるシス

6「戦争へ」>>334の続き

ダース・グリターは光刃を振った。コランがそれを防いだ。
「マスター・ホーンを援護せよ!」同盟軍兵士がレーザーを発射した。グリターは光弾を偏向するため、コランとの戦いを中断した。
コランは味方部隊に走った。グリターは敵の数に圧倒された。コンバット・ドロイドを呼ぶ暇はない。無念だがジェダイの首はお預けだ。グリターは判断をすると近くの兵士をフォースで突き飛ばし、逃走した。

タイ・ファイターで構成されるビース中隊はXウィングで構成されるアンター中隊と合流した。敵のファイターは数を増やした。
「会頭。」ティルヌアンが到着した代表に踏みよった。
「通信を妨害中。さらに敵の戦闘機は減っております。敵はスターデストロイヤー2隻しかありません。」
「よろしい。しかし、徹底的に勝利する必要はないぞ隊長。今からティルヌに向い、ティルヌを我々の支配下にする。」アークンは言った。
「故郷を侵略するので?」
「侵略ではないのだよ。わかるか?我々は”家”を大きくするだけだ。ティルヌの民の全てがティルヌ・ワークスの支援者ではないからな。」

ティルヌ・ワークスの艦隊が動いた。戦闘機は退却し、全てがベイに帰っていった。
「大佐!敵艦隊がハイパースペース・ジャンプの準備に入っています。」士官が伝えた。ベピナンは表情を固くした。
「目的地を割り出せ!すぐだ!」
「了解。」オペレーター達が必死にモニターに向った。データ処理の操作音が司令室に鳴り響く。
「大佐!ティルヌです!やつらはティルヌに向っております。」

コンバット・ドロイドが急に減った。退却か?コランは近くにいる兵士に尋ねた。
「艦から連絡は?」
「あります。えー、敵艦隊がジャンプを始めています。」
「どこに向っている?」
「ティルヌです。」ティルヌ?連中は故郷をまず牛耳る気か。恐らく、ティルヌの政府はティルヌ・ワークスを嫌っているのだろう。
「Xウィングの準備を頼む。」コランは言った。兵士達が返事を返した。
「べン、私はティルヌに先行する。そのあいだに増援を呼ぶんだ。私の連絡をティルヌ軌道で待て。」コランは弟子に言った。
「はい、マスター。フォースとともに。」
「ああ、お前にも、フォースがあるように。」

アークンは補佐達とティルヌの宮殿にいた。彼らの前にはティルヌ首相のオン・マーケルがいる。
「なんの真似だ?君達の会社はいつから惑星を支配するようになった?」マーケルは尋ねた。
「会社?ティルヌ・ワークスはすでに軍隊ですぞ。そして、首相。貴方はティルヌの評議会のほとんどが我々の協力者であることに気づいておられない。」アークンが笑った。
「そんな・・有ってならないことだ!」首相は言った。
「とにかく、これよりこの惑星は我が軍の支配下だ。抵抗すれば子供や女でもドロイドの獲物になるぞ。」

Xウィングがティルヌの上空に現れた。数人のティルヌアンが脅えた顔でジェダイ・マスターを迎えた。
「ようこそ、ジェダイ。こんな惑星までなんのご用かな?」マーケル首相は頭をさげた。
「戦争のことできた。」コランの言葉にティルヌはわずかに目を動かした。
「ここには戦争はないぞ。ジェダイなら、ティルヌアンが気高く、謙虚で紳士だということを知っているであろう?」マーケルは言った。
「隠す事は無いですよ。ティルヌ・ワークス軍がここに来たことは知っています。」コランは言った。マーケルはコランに顔を近づけ、囁いた。
「その通り。我々は捕らえられている。アークン会頭はもうすぐ私を首相の座から引きずり下ろす。ティルヌは君たちを敵に回すだろう。それを防いで欲しい。」


[337] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU (2006/05/07(日) 13:51 9ieoV2QYvaU)

mind_trick

>>312の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


――Move by oneself to find a purpose.
To become strong to train oneself――

――目的を見つけるには自分で動け。
己を鍛える為にも、強くなる為にも――


13 ――出発――


右目の潰れた怪物は倒れ、砂埃を起こした。その姿は小高い丘の様にも見える。ハクロは銀牙刀を収め、軽く深呼吸をした。ジェダイや騎士とは違う、クリーチャーと戦うのは初めてだ。いつもとは違う、別の感覚があった。言葉が通じないだけに、余計な会話もいらない。スムーズに戦えたが、火を噴くとは。
「ふぅ。硬い奴だぜ」
ザルガはやれやれと首を振った。ハクロは顔をしかめ、怪物に背を向けてジェダイ・スターファイターへ戻った。
「硬い……? どういう意味だ?」
風が吹き、砂が巻き上がる。やはりこの惑星は実に不思議だ。はるか先には、宮殿がかすんで見えた。
「言葉通りの意味だ。シスはもっと滑る様に戦うのだがな」
ハクロは足元に転がっていた防具を思い切り蹴る。数十メートル飛び、R2の頭に直撃。ハクロは鼻で笑い、兜を脱いだ。R2は怒っている様だが、ハクロは気にせずザルガに黄金の剣について訊いた。
「何処にあるかは知らんが、黄金の剣の柄に触れた者は、願いを一つ叶えられるという、何処にでもあるような馬鹿げた話の代物だ」
確かに、ハクロはそれを知っていた。黄金の剣を知る者は、騎士、ジェダイ、シス、一部の人物だけ。即ち、手に入れようといている者は限られている。シスは今、姿を現していない。一部の連中とは、犯罪者類だろう。騎士の相手ではない。ジェダイは黄金の剣の確保をしようと、一部のジェダイが動いているようだが……。
「ハクロ。何故騎士は、そんなに光ってる鎧を着るんだ? かえって目立つだろう」
これこそ騎士の最大の謎、だろうか。ハクロがこの銀色の鎧を見つけたのは、ジェダイ騎士団を抜けた二日後。死んだ故郷のウェリスで見つけた。泥がこびり付き、ドロイドの残骸等が覆いかぶさっていた。ハクロはそれを必死で磨いた。すると銀色に光り輝き、その鎧には傷一つついていなかった。ハクロは既に騎士の鎧だという事を知ってて、そ自分は騎士になりたかった。そして鎧を纏うと、銀牙刀が飛んできた。
「……さぁな。中には、地味な鎧の奴もいるかもしれない」


宮殿に戻ったのは、丁度夕日が地平線と重なった時だった。ハクロは大広間でくつろぐアルフォンの所へ向かった。大広間の扉を開けると、愕然としたアルフォンの顔がそこにあった。
「倒したのか?」
殆ど叫び声のアルフォンの問いに、ハクロは無言で頷いた。アルフォンは嬉しさのあまり泣き出し、ソファに飛び込んだ。
「これでもう、怪物に怯えることはない!」
「アルフォン。ディアンは何処にいるか知らないのか?」
アルフォンはピクリと止まり、ハクロを見つめた。そして首をゆっくりと横へ振る。
「悪いが、知らん。私も探しているのだが……!」
「ではもうここにいる意味はない」
ハクロは踵を返し、大広間を出ようとした。アルフォンはそれを必死で止める。
「どういうことだ! 私の用心棒では……?」
金属的な頭蓋骨、ザルガが手に入った。ハクロはそれで満足だった。
「俺がここへ来た理由。それはどうすればいいのか解らなかった事。そしてディアンが何処にいるか知りたかったからだ。しかし、ディアンについての情報は無し。それに、もうやる事が決まった」
ハクロは歩き出した。R2は既に左翼にセットされている。ジェダイ・スターファイターに乗り込むと、素早く離陸。勿論、ザルガは左手首につけている。
「どうするんだ?」
強引すぎるハクロの言動に、ザルガは呆れた様子だ。
「……自分で探す。自力でな。まずはディアン・モスカンタリーを探し、黄金の剣は何処にあるのかを訊く。まぁ、もう既に解っているが、確認の為だ」
ザルガはため息をついた。
「どうやって探すんだ? 剣を探すのも大変だが、人探しも一筋縄ではいかないだろう」
R2もザルガに賛同する様にさえずる。一行は宇宙空間に到達した。
「賞金稼ぎやら情報屋やらを潰していけばその内解る」

>>345『鉄鎖』へ続く

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書いてる途中で何故か強引な展開に……。


[338] (無題) 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2006/06/04(日) 17:30 hkkVWo9Uto2)

piett

>>289の続き

惑星ミーティアは緑が豊かで、人が住める環境にこそあったのだが、共和国軍のアウター・リム包囲作戦でマイギートーよりも激しく荒廃した。
結局、この星の住民は移住し、惑星の文明は滅んでしまった。共和国軍も、戦争終結後、この惑星から引き上げたのだ。
戦争の傷跡が大量に残っている町は日に日に風化していっていた。
くずれた宇宙港の監視センターの窓からやつれた男が外を呆然と眺めていた。
何とか修理したホロニュースを見、外のおとなしい生き物と触れ合う日々が続き、絶望の心が大きくなっている。
ジェイドはこの惑星にクローン兵が居ないのを幸運に感じた。
しかし、残念にも感じた。
他のジェダイと連絡は全く取れない。もはや望みはほとんど無い。
いっその事、殺された方がいい気もした。
だが、何故クローン兵が反乱を起こしたのか未だに分からない。クローン・トルーパーの独立心は弱められている。
反逆は在り得ない。
やはり、パルパティーンか。銀河帝国が誕生したニュースには仰天したものだ。
全くそれに気付かなかった。あまりにも不甲斐なかった。
生き残った仲間は居るだろうか?マスター・ウインドゥも、マスター・ヨーダも死んだのか。
オーダーが一日で壊滅した。信じられない。
どうやらジェダイ騎士団が議長暗殺を企てたと言う話が銀河中に広まっているようだ。
在り得ない。恐らく、任期が切れても議長の大面を突き出している爺さんを議長の席から降ろそうとしたのだろう。
だが、何故その事を隠す?
選ばれし者も死んだのだろうか。アナキン・スカイウォーカーも。
古い友人、ローン・シュラインも。

続く


[340] (無題) 投稿者:アウトライダー gAOWkoB6fl6 [Web] (2006/05/06(土) 15:24 9BqqSEKd4kU)

outrider

「戦場の剣」

プロローグ

遠い昔、大賢者たちがライトセーバーを作り出す前、銀河には刃物の付いた剣が出回っていた。
レーザー技術の発達により、ある会社がレーザー・ピストルを開発。それに伴って、次第にレーザー兵器が出回ると、剣の役目は無くなったかに見えた。

大規模な銀河戦争が起きれば、起用されるのは凄腕のレーザー技師、もしくはそれを扱えるもの。剣の鍛冶屋や、達人の出る幕は無くなったかに見えた。

しかし――

第1章「幼い子供」

大銀河大戦。歴史には綴られていない、裏の世界大戦。
綴られていないのは、書く人が居なかったから。正確に言うと、書ける人が居なかった。
殆どの男性は、戦場に駆り出された。新型の銃を持って。

現在、反政府軍と政府軍との間で、宇宙と地上で戦いが繰り広げられていた。場所は銀河首都、コルサント。
地上戦参加兵は大抵レーザー・ライフルを持っていたが、その中に1人、場所違いのように剣を持った人が居た。

彼は素早く戦場を駆け抜けると、敵が占領している区画に堂々と侵入した。
「止まれ!」数人兵士が出てくる。勿論止まったとしても無傷で返すわけがない。
しかし、彼は笑った。不気味に。嘲笑するかのような笑いを、不快に思ったのか、1人の兵士が引き金を引いた。
ズシャ――ドサ――
「何・・・ぐわあぁぁ!」その兵士が喚き散らす。足元には、腕が落ちている。鮮血が当たり一面に散らばる。
「この糞餓鬼!」残りの兵士が一斉に発砲するが、彼はまだ兆章に似た笑いを浮かべている。

次に、兵士達が瞬きしたころには、自分たちの体の一部が地面に落ち、また自分も地面に倒れていることに気付いた。

「ふん。屑が」彼は一言呟くと、歩き始めた。彼は政府軍剣術部隊師団師団長、エイクォア・ロスト。通称、鮮血のロスト。
彼は19歳だったが、その割には身長も高くなく、幼い子供に見えた。しかし、精神的にはその通りだった。なんといっても、彼の気性は荒く、何か言われるとすぐに抜刀する。そんな性格だった。

この戦いでも、勝つか負けるかより、仲間よりどれだけ多くの敵を殺すかのゲームみたいなことをして遊んでいた。
先日は友人との勝負に200対195で勝っていた。


彼は、セキュリティーシステム・コンソールを切り裂くと、配線をつなぎ合わせ、ブラスト・ドアを開けた。
「簡単だな」そういった彼は、無線を入れると、味方に連絡をつけた。
「今ポイント5-6だ。敵を殺すチャンスだ。今すぐ来い」そういった彼は、相手の返事も聞かずに無線を切ったが、聞く必要はなかった。
既に、南の方角に相手の姿を確認していたからだった。


[341] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/05/06(土) 18:00 q/Cs8lYyebQ)

feylya

短編「聖母の誘拐」

私は賞金稼ぎグラン・ヴェルト。
今回、ティラナスと名乗る男の依頼でタトゥーインに来ている。
内容はモス・アイズリー郊外の農家の女性を誘拐すること。
理由は知らない。だが、大金が入る。
私はタスケン・レイダーという原住民と協力するよう命じられた。
協力というか利用というか。
エイリアンの文化は好きだ。言語もいくつも話せる。
タスケンは暴力的だが、私が武器を用いる方法をとると彼らは協力した。
まだ日が昇らない午前。私は砂族とともに農家に向った。
ターゲットとなる女性を発見。特徴も一致。間違い無い。
私はタスケンに命じた。
畑にいる女性に数人のタスケンが襲い掛かった。
「キャー―――!!貴方達!なん・・・・!」
女性の悲鳴が響いた。家族がくれば殺せばいいだけだが。
武器を持たない女性に暴力をふるうのは私は気が進まない。
紳士を目指している。賞金稼ぎのくせになにをと思われるが。
私は自分の手をよごさない。
タスケンは命令通りやった。
女性を連れてキャンプへと戻り、拷問を行なった。
タスケンも拷問を楽しんでいたようだ。
私はティラナスから賞金をもらうと次の依頼で砂漠の星から旅立った。

* * * * * *

―あとがき―
シミ誘拐はシディアスの仕組んだ作戦という勝手な説を書きました。
これからも映画に出てこない短編を書こうと思います。


[342] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/05/06(土) 18:20 q/Cs8lYyebQ)

feylya

短編「元老院解体」

パルパティーン皇帝はターキン総督のホロと向き合っている。
『陛下、レイア・オーガナは同盟軍の指導者の一人です。デス・スターの設計図をスパイから受信して逃走しているのを逮捕しました。』
「そうか。恐らくベイル・オーガナも反逆者の一人だろう。やっと証拠ができた。」
皇帝は静かに言った。
『レイア姫を逮捕したことで元老院の反応は・・・』
「心配いらん。元老院は今日を持って解体される。」
ターキンは礼をすると消えた。
皇帝は椅子から立つと側近とともに元老院会議場の演台に昇った。
演台は上がっていく。
あの日と同じように。
あの小柄ジェダイと斬り合ったときと同じように。
「諸君、余は失望した。」
皇帝が口を開く。
「元老院のなかからまたしても裏切り者が現れた。」
皇帝の顔はフードで見えない。
「レイア・オーガナ議員が軍の重要情報をスパイから受信し、逃走した。」
議員達が騒ぎ始めた。
「ダース・ヴェイダーとその部隊によって逮捕されたオーガナ議員は収容してある。」
皇帝の言葉には喜びがあった。
恐ろしい喜びが。
「元老院はもう信用できない。機能を果たしていない。」
議員のなかには怒る者もいた。
「そこで、今日を持って帝国元老院を解体すると決定した。」
議員のざわめきが大きくなった。
「クローン大戦中に発布された宙域統治法令のときから実際、元老院は不要だった。」
議員のなかに拳を振るものが現れた。
「一度完全に解散させ、余が最も信頼できる議員だけに政治を任せよう。」
議員達の怒りが頂点に達した。
「元老院を解散する!」
皇帝が手をあげた。これは帝国宣言のときと同じ仕草。
だが、今はもう一つ意味がある。
トルーパーへの合図である。
会議場の至る場所にいるストームトルーパーが銃を持ち、
騒いでいる議員を撃ち殺していった。
パルパティーンに賛成する議員以外にとってこれは悪夢だった。
これで恐怖による政治がようやく始まる。
汚らしい議員達の論争もなければ、
反逆もない。
あとはデス・スターの完成を待つだけだ。

* * * * * *

―あとがき―
EPWの元老院解体の様子です。
映画ではあっさりと説明されていますが、もっといろいろ反論があったはず。ですのでこのようなものになりました。


[343] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/05/06(土) 18:34 q/Cs8lYyebQ)

feylya

短編「邪悪な洞窟」

沼の惑星ダゴバ。
小柄なジェダイ・マスターが歩き回っていた。
危険もない。
やかましさもない。
快適に暮らせそうだ。
チューバッカ達の用意したポッド。
これを分解して家の部品としようかの。

ヨーダはポッドの部品で小屋を建てた。
なかで火を焚き、料理をし…
クワイ・ガンと会話。
ふむ。隠遁もいいものじゃ。
”どうです?隠遁生活は。”
クワイ・ガンの声。
「最高じゃよ。都会の音も匂いもない。」
”同感です。”
「オビ=ワン、オビ=ワンの生活はどうじゃ?」
”荒野の丘の小屋で楽しんでいます。”
「それはいい。クワイ・ガン、シチューはどうじゃ?」
”もちろん頂きたいです。ですが・・”
「そうじゃの。」

沼の散策も楽しいものだ。
新たなる希望がここを訪れたらこの地形を使って訓練するかの。
「ん?」
ヨーダは洞窟を見つめた。
入らなくてはならない気がする。
フォースが呼んでいる。
ヨーダは洞窟に入った。
薄暗い。
蛇や虫がうじゃうじゃ。
滑りやすい足場。
そして・…木の影からなにかが現れた。
ダース・シディアス。
パルパティーン皇帝だ。
皇帝はヨーダに光刃を向けた。
ヨーダは緑色の光刃で皇帝の刃を抑えた。
何度か斬り結び、ヨーダは皇帝を倒した。
皇帝の死体はぐったりその場に倒れ、
煙をあげる。
ヨーダは皇帝のフードを脱がせた。
フードのしたには…・

ヨーダ自身の顔があった。

* * * * * *

―あとがき―
ルークが自分の闇と遭遇したダゴバの洞窟。
もちろんヨーダも闇と戦ったはず。
ということで書きました。


[344] (無題) 投稿者:クローントルーパーAの証言 bTxgvmRBtUk (2006/05/07(日) 00:25 B0OsA3btpD.)

bly

コマンダーラルバギア≠フ場合。

コルサントに太陽がの光が差し込み始める朝。
普通ならとっくにクローン兵は起きているがこのクローンだけは違っていた。
「うーん・・・メロンパンがぁ・・・うーん・・・ライトセイバー・・・。」
奇妙な夢にうなされている彼の名はラルバギア。
共和国軍第444大部隊、通称「ソフィー」のクローンコマンダーである。
と、彼の部屋のドアが開いた。
現れたのは彼の部下、もとい世話役のロキである。
「うーん・・・ああ・・・メロンパンに・・・斬られる・・・。」
相変わらず夢にうなされ続けるラルバギア。
「隊長、起きてください。朝ですよ。」
「はっ!!。ジョンは?、マイケル?。」
突然むくりと起き上がると意味不明な発言を連発するラルバギア。
「あれ、お前は・・・ミスターマックス?。」
「誰ですかマックスって。私はロキです。夢にうなされてましたよ。」
「ああ、急に広い平原でライトセイバー持ったメロンパンに追いかけられてな・・・あの速さはまるでマスターヨーダ並みだったよ。」
ラルバギアは続けて自分が見た夢をロキに話した。
「それからジョンがマイケルになってマイケルがマックスになったらな、いつにまにかブラックホールに吸い込まれてな。」
「隊長、もういいです。とりあえずさっさと顔洗ってきてください。」
ロキが言うと彼はベットからおりそのまま洗面所へと向かっていった。
洗面所で1人顔を洗うとラルバギアは装甲服を着て食堂へと進んでいった。
食堂には彼の部下達、そして別の部隊の隊員達でいっぱいだった。
「今日の献立は・・・・・・・昨日と同じか。ちっ、飽きるっつーの。」
ラルバギアは最近同じ食事が毎日出る事に不安があった。
いくらクローンとはいえ独立心が高くなによりボケが激しい彼には毎日同じ料理では不安だった。
「隊長、昨日と同じですね。」
ロキもまた独立心の高いクローンだ。
やはり不安はあった。
「よし、デックス・ダイナにでも行こうとするか。でもなぁ・・・・。」
ラルバギアは自分の財布を見て肩をおとした。
ほとんどクレジットが無い。これではブルーミルクが買えるか買えないかだ。
そしてロキの方を見る。
「何ですか?。」
「頼みなのだが何クレジットか貸・・・・。」
「断る。」
ラルバギアが全て言う前に、ロキはラルバギアの頼みを断った。
「ちょっとぐらいはいいじゃないか。」
「私も金欠ですから。」
ロキに冷たく言われるとラルバギアはそのまま無言で献立の料理を食べるのだった。
彼の1日はまだ始まったばかりだった。

END?

=========
あとがき

まあたまにはギャグっぽい小説も良いかと(何。
某トピのコマンダーラルバギアとその部下のロキの話でしたがちょっと夢の内容が・・・。


[345] もう最初の英語はいいや。。。 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU [Web] (2006/05/21(日) 18:49 LmcZ.Tw2hrg)

mind_trick

>>337の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


14 ――鉄鎖――


 油で真っ黒に汚れた壁に、松明がかかっていて、他には見慣れない不気味なドロイドがキーキーと金属が擦れる音を発し、カビだらけのソファが置いてあるだけ。そしてこの部屋には、三人の賞金稼ぎがいる。
 一人は装甲服を着込み、背中にブラスターライフルを携え、腰にはサーマル・デトネーターがいくつかついている。
 一人はシスタヴァネンの男で、震動斧を壁に何度も突き刺して、この部屋から出ようとしている。
 もう一人。全身を灰色のローブで覆い、じゃらじゃらと鎖の様なものをぶら下げている。
 この者達は雇われた身。ある情報屋の用心棒として雇われ、数時間前全員が到着し、この部屋へ入れられた。入るときは目隠しをされていたが、この部屋は情報屋、即ち雇い主の家の一室である事を皆確信していた。
「……今扉を開ける。まずここから出ろ」
 ノイズ交じりの声。スピーカーか何かから出ている。不気味なドロイドが硬く閉ざされた扉を、チェーンソーの様なもので斬り壊し、三人に出る様に促す。三人はゆっくりと部屋から出た。
 部屋の外も薄暗く、蒸し暑い。床には所々通気口があり、蒸気を噴出している。
「真っ直ぐに進め。すると階段が両脇にあるコンピュータルームに辿り着く」
 シスタヴァネンの男を先頭に、一行は迷路の様な廊下を歩く。天井には、いたる所に監視カメラがついていて、彼らの動きにあわせて動く。
 監視されているのか……? ローブの男、ヴリーサは思った。監視するという事は、こちらを信用していない証拠。それはこちらも同じだ。しかし、当たり前と言えば当たり前か。まだこいつらとも顔を合わせて数時間だ。それ以前に、雇い主の顔も見ていない。向こうもこっちを信用していなければ、こっちも信用していない。
 しばらく歩くと、コンピュータルームらしき所へ着いた。ただ単にコンピュータがデスクの上に置かれたものが、五つあるだけの小部屋だ。
「中に入れ。階段が両脇にある」
 シスタヴァネンは多少戸惑いつつ、足を踏み入れた。その後、装甲服の男、ヴリーサと続く。異臭が鼻を突いた。その原因は部屋の天井に張り付いた、足が何本もある大きな虫の吐き出す、粘液だろう。その粘液がコンピュータの上に落ち、蒸気を上げて溶ける。
「そいつは気にするな。さて、右の階段は上へ続く。左のは下だ。さて、どちらへ進む?」
 装甲服の男がデスクを蹴り飛ばし、やはりこの部屋にもあった監視カメラに顔を向けた。
「意味が解らねぇ。何で俺達が選ばなきゃならない?」
 すると監視カメラの側面についた、小さな銃口から光弾が発射され、装甲服の男の足元に当たった。だが何とか避けていた男は、唖然としていた。
「言葉に気をつけたまえ。私は仮にもお前達の雇い主だ。……もう一度訊く。どちらへ進む?」
 ヴリーサは静かに右の階段へ足を進めた。二人の賞金稼ぎは呆気にとられたが、ヴリーサへ着いていった。
 階段も薄暗いが、松明の明かりで何とか見える。一体、雇い主は何を考えているのか……。


 銀色のジェダイ・スターファイターが、惑星ホドミスに着陸したのを、警備ドロイドは見逃さなかった。その中から銀色の鎧の騎士が現れた事も。ドロイドは大急ぎで巨大な建物へ向かった。三階建ての建物だが、その地下には三人の賞金稼ぎが戸惑いながらも、雇い主を探している。
「R2、ここで待っていろ」
 ハクロは兜を被り、ドロイドが向かった建物を見つめた。この惑星は空がオレンジ色で、枯れた木々で覆われている。その中に建物があれば目立つ。
「ハクロ、こんな小惑星に来てどうすんだ? 剣はタトゥイーンにあるんだろ?」
 建物へ歩むハクロに呆れながら、ザルガが訊く。
「そうだが、本当かどうか分からないからな。情報屋で確認してから行く」
「面倒な野郎だぜ、けっ」
 

「良く来た」
 円形の薄暗い大きな部屋。三人の賞金稼ぎが佇んでいる。部屋の中央には浮遊するイスに座る、髪をオールバックで整えた熟年男性がいた。その手にはワイングラス。
「私が、君達を雇った者だ。……コードと言っておこう」
 ……偽名か。ヴリーサはそう思い、ちらりと横を見た。装甲服の男が、今にもコードに飛び掛りそうだった。
「まぁそう腹を立てるな。お前達にはすぐ仕事にとりかかってもらう」
 しかし、装甲服の男はブラスター・ライフルを手に取り、コードへ発砲した。コードは浮遊椅子を上昇させてそれを避けた。
「やれ」
 ヴリーサはローブを脱ぎ捨て、鎖を取り出した。そしてそれを装甲服の男へ投げる。だが装甲服の男は、右足を左足にぶつけると、ブーツの裏から火を放ち、飛んだ。まるで足の裏にジェット・パックが付いたかの様だ。
 コードは何時の間にか消え、部屋は明るくなっている。
「逃げたか……! しかし、この時代で鎖とは。ジェダイよりも馬鹿らしい」
 装甲服の男がヴリーサに言う。鎖を手繰り寄せると、ヴリーサは不適な笑みを漏らした。
「お前は動くな」
 シスタヴァネンの男に言うと、ヴリーサは鎖を水平に投げた。鎖はまるで意思を持つかのように垂直に上がり、装甲服の男の体に巻きついた。
「何?」
 鎖は体を締め付け、引き裂きそうだ。
「オートマチック・チェーン。敵を確実に捕らえる鎖」
 にやりと笑うと、ヴリーサは思いっきり鎖を引いた。装甲服の男がいた場所にはそれは無く、落下する肉片と血、そしてブラスターライフルと爆発。鎖はしゅるしゅるとヴリーサの手に戻り、収まった。ローブを着ると、部屋にコードの声が響いた。
「ご苦労。では任務だ。我が敷地内に侵入者が来た様だ。始末してくれ」
「それはジェダイで?」
 ヴリーサは訊いた。
「いや、騎士だ。ジェダイではない方のな。知っているか?」
 シスタヴァネンの男とヴリーサは頷き、外へ走った。


[346] (無題) 投稿者:アウトライダー gAOWkoB6fl6 [Web] (2006/05/07(日) 15:06 9BqqSEKd4kU)

outrider

>>340の続き

第2章「猛者」
残撃を当てるたびに、ロストの表情は明るくなっていった。
敵のブラスター・ライフルの筒を切り落とし、発射した瞬間に誤爆させると言う、なんとも残虐な方法で片付けていた。
最早、彼を止めるのは一般衛兵では不可能だった。
そのことに気づいたときには、反政府軍の第一前哨基地――ロストが殲滅しているところ――の兵士は殆ど殺されていた。
壁と言う壁には、生々しく血痕が。ロストと先ほどまで背中合わせで戦っていた、グレスは、この戦争のために辺境から連れて来られた、剣術の達人で、ロストに剣術を指南していたこともあった。
そのため、グレスとロストは同じ動きで敵を倒していた。

「とりあえず、ここは終わりか?」グレスが尋ねる。既に30を超えているのだが、それには合わない割と高い声。
「あぁ。大体な。弱すぎて話にならねぇっつうの。雑魚がしゃしゃり出てくんなよ」
「そういうな。敵さんも人手不足なんだろう」嗜める様に彼は言った。



爆発音が鳴り響く。崩れ落ちる橋。その橋に自軍の兵士も居ると言うのに、情けをかけることもなく爆発させる。
「向こうには、渡れそうもないな」1人の兵士が呟く。
そういうのも無理はなく、落ちた橋と、自分たちが立っているところでは、峡谷が深すぎて、行けそうにもなかったからだ。
「案ずるな。こんなときこそ♪超頭の良い俺様が作り上げた、ハイテクマシンの登場さぁ!」轟音とともに空から降りてくる。
トランスポートだ。
さほど大きいものではないが、1個分隊は乗れそうだった。
「さてさて乗った乗った♪」わけが分からず乗る兵士たち。
耳をつんざく様な轟音が足元に響き渡る。

一瞬、ほんの一瞬で反対側までたどり着いた。何が起こったかわからない兵士。作った本人、ワクスは誇らしげに鼻を擦っている。
「はい〜着きました〜じゃあ後は頑張ってねぃ〜」無責任にそう言うため、腹を立てる兵士も居たが、その感情はすぐに消えた。
敵軍兵が虫のように湧いて出てきたのだ。なんと、地面から
「おわぁ!」1人の兵士が奇声を上げる。
「ワクス!何とかしろ!」分隊の司令官が怒鳴り散らす。
「分かってますって♪死ね、腐れ外道」突如として現れた2つの砲門からは、レーザー弾が雨霰と降り注いでいた。
一瞬にして敵を“掃除”したワクスは、また反対側にわたって兵をつれてこようとするが――

トランスポートのエンジン音とはまた違う、敵基地からの爆音。それと同時に、エンジン音が消え、深い峡谷に墜落していく。

「ワクス!」兵士の中から声が聞こえる。刹那、物体がトランスポートから飛んでくる。
「うわぁ・・・俺様のトランスポートがぁ・・・」ワクスは無事に分隊と合流する。しかし――彼の目には怒りの焔が灯されていた。
「今やった奴・・・出てこい」激しい殺気にあたりは静寂に包まれる。
その静寂を破ったのは、作った本人、ワクスだった。背中に挿していた剣を抜くと、敵兵の手や足を次々と次々と切り落とし、戦闘不能へと陥らせる。
敵基地に突っ込み、レーザー弾の嵐を掻い潜って、ミサイルを発射した張本人の下へと、人間では追いきれないほどの速さで、進んでいった。


[347] (無題) 投稿者:RAIT epDgtryRTsw [Web] (2006/06/29(木) 19:25 bZ7KCz/djMk)

jacen

久しぶりですが・・・。
すいません題名思いつきません。
若き兵士、ビル・トルマンとベル・トルマンは二児を連れて幸せな家庭を築いていた。
コルサントのある夜、街はまだ明るく活気に溢れていた。
そんな中事件が起こった・・・。
大事件、共和国兵士寮がテロリストに襲われる。
そう書かれた報道記事がコルサント全体に回った。
その中にいたのが、ビル・トルマンを含む兵士達だった。
兵士全員はテロリストに殺され死体はどこかへ消えた。
そしてビルの若き妻ベルは翌日遺体で見つかった。
その二人の二児は二人とも行方不明になった。
12歳の兄のセブ・トルマンは行方不明になった。と告げられた。
だが10歳の弟サイツ・トルマンは誘拐、と告げられた。
それから15年後。その事件を大半の人々は忘れていた・・・

暗い洞窟の中で紅い閃光が蠢いていた。
一人の男の影が狂った様に動き回った。
彼は後ろを向くと憎しみを滾らせながら、ボロボロに敗れた服を着た男を切り去った。男の叫び声と共に男はもろく崩れ、倒れた。殺された男は死ぬと共に言葉を発した。
「サイツ・・・残念だ・・・俺は、殺ってない」
まだ男の息は絶えていなかった。だが、紅き閃光を持っていた男サイツは大きく叫びながら彼の腹に剣を突き刺したのだ。
男は声を出さず静かに死んでいった。
サイツは静かに「もう止められなかった。」と、そう静かに言った。

また更新します。感想もらえるとうれしいです。
>>347


[348] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/05/30(火) 00:11 TH23NU/yN/c)

emp_statue

After story of >>333


 3


 炎上するXウィング。結局二度しか乗らなかった。
 初めての墜落、気分はそんなに悪くない。
 何部屋かぶち抜いて滑って、ようやく止まった時にはこの施設の半分は破壊していたように思う。
 僕は燃え盛る機体の後方で立ち尽くしていた。
 足元には椅子。その周りにパラシュート。
 Xウィングには脱出装置があった。T.I.E.ではこうはいかなかっただろう。
「さて、どうしたもんかな……」
 僕は呟いた。
 もう一度飛びたい。空に戻らないと。
 それとも要人救出船に一緒に乗せてもらううか?
 待ってるのも暇だ。敵の機体で使えそうなものを拝借しよう。
 とりあえず廊下に出ようと歩き出したところで、僕は気づいた。
 ドアの辺りに誰かがうずくまっている。
 視界の端でちらつく炎の不安な明かりが影をいっそう暗くしていた。
 しまった。今日はブラスターを持ってきてない。
 僕はおそるおそる影に近寄った。死んでるかな?
 影が動いた。僕は身構える。それは起き上がり、こちらに向いた。
 小さい。僕より一回りも小さい。子供だろうか。
「あなた……人間ね?」
 影が言った。嬉しそうな声だ。
「よかった、人間に会うのは久しぶりなの。あなた、墜落したの?」
 僕は頷いた。つまり、この人は。
「そ。怪我は無い? 無いならいいわ。私はマリーローズ・アーディマ。あなたたちの救出目標って奴」
 子供ではなく女。漆黒の髪を後ろで束ね三つ編みにし、大きな額を露出している。すっと通った鼻に、大きな瞳。どこか凛とした印象を与える、そんな美人だった。
「無事で何よりですアーディマさん。もうすぐ救出艇が来るんじゃないでしょうか。それよりそこ、通りたいんですが」
 そう言って僕は彼女を押しのけ、ドアに手をかける。
「ちょっと! 待ちなさいよ」
 肩を掴まれた。痛い。意外と力はあるみたいだ。
「どこ行くつもり? 下手に動くよりここで救出待った方が……」
「僕は飛ぶ。もう一度空へ。君はここにいればいい」
「機体は?」
「格納庫にあると思うけど」
「鍵が無いと動かないんじゃなくって?」
 いちいちうるさい女だ。
「何とかなるさ」
 僕はドアを開けて、廊下に出た。そして格納庫に向かう。墜落するときに上から確認していたので、場所はなんとなくわかる。
「ちょっと!」
 あの女、まだいたのか。
「何?」
 僕は振り向いた。
「私が必要になるわ」
 どうやらついてくるつもりらしい。
 やれやれだ。
「邪魔はしないでくれよ」
「それが目上の人に対する態度かしら?」
 彼女は笑い、
 僕は、笑わなかった。

NEXT >>352


[349] (無題) 投稿者:帝国広報部副部長 yiLaBYWHYL2 (2006/05/24(水) 16:15 PLCCWDQNY3Y)

cody

STARWARS オリジナル小説
シスの誘惑

序章

***********************************************************
ジェダイアカデミーの音声記録

時間 200ABY 宇宙標準時 --:--(データ無し)
場所 ベスピン クラウド・シティー ジェダイ・アカデミー
記録者 フェス・ラモーティア

***********************************************************
ハイ、アカデミア・マスター。
あなたがこのメッセージを聞いている時には、
既に僕はこの街、いや、この惑星からいないでしょう。
僕は旅に出ます。
かのグレート・アカデミア・マスターが勇敢に戦い、
崩御される直前に残した言葉にこのようなものがある事を
つい3日前、マスターから習ったばかりでしたね。
「フォースの研究とは永遠の旅である」
永遠の旅に出て、自分の意味を捜します。
あのドロイド、R2に遭遇してから、
僕はマスターのおっしゃる「究極のフォース」を手に入れられるような気がしてきました。
僕は普通のコントローラー(フォースを操作する者の意)とは違います。
全くフォースが使えません。
あのグレート・マスターは僕を何の為に選んだのでしょう。
その意味を知りたいのです。では。
***********************************************************
銀河内乱から190年近くの年月が経過し、銀河も大きく変遷していた。
共和国は戦乱が続くコルサントでついに崩壊した。
反乱や疫病、不況、政争によって荒れ果てたコルサントをついに
放棄する事を決定した新共和国は、避難勧告を出すこともなく、
市民もろとも艦隊の一斉砲撃で首都惑星を消滅させ、新首都をベスピンに定めた。
ベスピン独立共同体は共和国連邦離脱を決定、拠点ビィス、ナブー、タトゥイーンへの攻撃を開始。
そして中立惑星モン・カラマリの大気圏と宇宙の境界線付近に於いて、銀河史上最大規模の艦隊戦が勃発する。
五年以上続いたこの戦いで共和国は勝利した。
この勝利で共和国は、ベスピン併合を宣言した。
しかし、コルサント破壊から辛うじて生き残っていた77人のジェダイは、ベスピンで抵抗を続ける。
しかし、ルーク・スカイウォーカーの戦死により形勢は逆転、
ジェダイは永遠に共和国への服従を誓った。
共和国による銀河の独裁支配が幕を開けたのだった。
***********************************************************
続く

感想求む


[350] (無題) 投稿者:アウトライダー gAOWkoB6fl6 [Web] (2006/05/25(木) 21:37 k3D/i3boKSk)

outrider

>>346の続き

第3章「温故知新」
独特な剣捌きそれに加えて体捌き。踵を返したかと思うと、一気にバック転して高く飛び上がる。
レーザー砲がワクスに向き、砲門を開く。闇雲に撃っても、彼には当たらない。
「俺のトランスポートをよくも・・・」呟きながら斬りつける。
跳び、回転しながら一刀両断にし、その斬った相手の体を踏み台にして、さらに高台へと昇る。
「これで終わりだね」女の声がした。驚いて、目を見開いてその方向を見ると、奇怪な服を着た女が剣の切っ先を彼の喉に向けていた。
「さすがに・・・まずいかも♪」こんなときでも間の抜けた話し方をする。
それに腹を立てた女は、喉を切りつけようとする。
コンマ一秒の差でワクスの反応が勝ち、暫く切り結んでいたが、女が一方後ろに飛びのいた。
すると上から一気に斬りつける。大上段から来るので、まともに受ければ刃毀れするかも知れない。
だが、ワクスには“見えて”いた。それをいとも容易く避けると、女の剣は空をきり、柄を斬ろうとワクスは相手の手のほうに切っ先を向けて、斬りつける。が、斬れたのは柄――否、彼女の親指。
「うわぁぁぁぁ!」あたりに悲鳴が響く。親指が斬られては、最早剣は握れまい。そう思ったワクスは、高速でトランスポートを破壊した犯人の下に進んだ。

「見っけ♪死ねよぉ、雑・魚♪」笑顔で言うので、余計に恐怖心が募ってくる。
トランスポートを撃った犯人、重歩兵は恐怖に顔をゆがめていた。
その後、その恐怖は一気に消えた。腕を斬られたかと思ったら、首を切られて、死んだ。
「俺様を怒らせるからだ」いつもとは違う口調で言った。


「これからどうする?」グレスはロストに聞く。
「ワクスがこの近くに居る。奴と合流して、その後にタクト、ケアレス、レストに合流する」
「じゃあ、ワクスか。ここからどこだろうな?」

その会話を、偵察ドロイドを使ってみていた将校は開いたあごが閉じない様子だった。
いまどきはレーザーを使うのに、金属製の剣を使うとは、酔狂な奴らだと思っていたからだ。
彼らの仕事ぶりは、全く違った。さっきのあの女を使わなければ。
将校はそう思うと、ワクスとの戦いに負けた女――ダアトを迎えに行き、バクタタンクに漬けて回復を待った。


[351] (無題) 投稿者:リキッド xSh6/4VTycM (2006/05/30(火) 23:10 hkkVWo9Uto2)

motti

>>338の続き

訓練用リモートがヘルメットの前に浮いている。簡単に言えば灰色の玉に複数の穴が開いる物だ。
価格は1500クレジットらしいが、この歳の子供にはどうでもいいだろう。
五歳の子供達は目には1500クレッジットの物を見てはいない。感覚を使って見ている。そこらの子供ではないからだ。ジェダイの卵、ベア・クラン。全ての銀河の子供たちがなれるものではない。限られ、数少ない者だけがなれるのだ。
二十人の子供が光刃―――弱めにしてある―――を起動し、ヘルメットを球体に向けていた。ジェイドはその後の方にいた。
ここに来てからだいぶ経つ。それでも未熟だった。ベア・クラン全員が。二十人の子供の前に、緑の物体―――ではなく、エイリアンが立っている。ジェダイは勿論、銀河の人々ほとんどが知っている人物だった。
「あいた!」ジェイドが刺されたような痛みをわずらった。本物のブラスターとは比べ物にならないが。セーバーが彼の手から転がり落ちると、近くにいた同じ人間の子供の足に辿り着いた。
「ジェイドよ。何か気になっておるようじゃな?」エイリアンが言った。顔はしわくちゃだが、威厳が感じられる。杖を持ち、見かけはとてもジェダイとは言えるものかは分からない。
ジェイドは何か言おうとしたのだが、その前に足の近くに堕ちているセーバーを渡された。
「ありがとう・・・・・・ローン」ジェイドは落ち着いてはいない。
「言わんでも分かるとも」その緑の生き物はジェイドに近づき、足を軽くコツンと突いた。そして笑みを浮かべた。
「お主は心配性じゃなな。先を按ずるならば、今を充実させる事を考えるのじゃ」
「はい。マスター・ヨーダ」幼い子供は答えた。ヨーダと言うジェダイは彼から離れると、再開を促した。青と緑の光刃が再び灯る。またベア・クランの修行が開始された。
ジェイドは気持ちが落ち着いたのか、ごく普通に修行をしてる。リモートから放たれるレーザーを跳ね返す。いつ撃たれるか分からない。それを察するの力を付けるのが目的だった。

修行が終わるまで何百と言うスピーダー、貨物船が通り過ぎた。じきにそれは夕日に染まっていく。
「よし。ここらへんにしておくかの」ヨーダの声と共に伸びていた光が消えた。リモートも停止していく。
子供たちは師にかわいらしい礼をすると部屋から出て行った。そして出て行こうとするジェイドは呼び止められた。
「最近お主は不安をずいぶん感じておるようじゃな」緑の師は彼の周りを歩き始めた。普通の子供ならこんな事を言っても無駄だろう。
「はい」ジェイドは小さく答えた。
「今のように毎日生活すれば、立派になれるとも。ああ」ヨーダはさっきと同じ顔をした。
「不安は暗黒面を呼ぶ」ジェダイ・マスターは後へ体を向けた。
「自分を信じるのじゃ」その言葉にジェイドは小さく、かつはっきりと返事をした。やがて小さきマスターは部屋から消え、彼も部屋から出た。外には茶色の髪の男の子が立っていた。
「ローン、行こう」彼は少し気が楽になっている。
「噂なんだけど元老院の誰かがポッドから落ちたらしいんだ」
ローンと呼ばれるジェダイの卵は歩きながら言った。
「そしてグレブレイプスの乗るポッドに落ちたらしい」ジェイドはついにやけてしまった。あんな安定した物から落ちるなんて・・・・・・
「グレブレイプスはかなり怒ってたよ。ヴァローラム議長は無視したらしいけど、多分笑いそうになってたと思うよ」
ジェイドはヴァローラムが笑いをこらえているのを想像した。だが、いかにもまじめな議長だ。笑いも知らないかもしれない。
二人は窓から差し込む夕日を踏み、自分達の部屋へと向かった。
「ドレッドノートを見たいな」今度はジェイドがきり出した。
「ジェダイ・スターファイターくらいしか近くで見たことないもん」
「うん。でもあれって動かすのが大変らしいよ」確かにそうだった。ドレッドノートを動かすには16000人も乗員が必要なのだ。この歳の子供には100でも膨大な数字だが。
二人は話しながらじきに部屋へとついた。そして小さな手を動かすまでもなく、ドアが開いた。
「一人前になれば見れるよ」ジェイドが最後に言った。

結局、ドレッドノートは見れなかった。数年後に消えてしまったのだ。カナタ艦隊が。200隻のドレッドノートが全て。
あの時はあまり残念さは感じなかった。何故ならジェダイ・マスターのパダワンとなっていたからだ。

続く・・・・


[352] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/06/05(月) 18:54 TH23NU/yN/c)

emp_statue

After story of >>348


 4


 しばらく歩いたが、敵には不思議と出くわさなかった。
 マリーローズ曰く(アーディマさんと呼んだら何故か怒られた)敵も人手不足なのだそうだ。
 彼女は終始一人でしゃべり続けていた。僕はそれに適当に相槌を打つ。
 政治、社会、戦争、道徳。話題は豊富だったが、そのほとんどが結局はボサンの悪口を言いたいだけだと言うのはどうやら明白なようだ。
「ボサンって不潔」
 とか、
「何が悪いってあの二重人格よ」
 とか、
「奴らの体臭ときたら!」
 とか、言い出したらキリが無い。
 しかし本当によくしゃべる女だ。僕が付け入る隙も無い。
「聞いてるの?」
 見るとマリーローズが不機嫌そうに僕の顔を覗き込んでいた。
「あなた、黙ってるからしゃべるのは楽なんだけど、聞いてるのか分からないから困るわ」
「そうでしょうとも」
「何の話だったか覚えてる?」
「そうでしょうとも」
「もちろんボサンの全てが悪いって分けじゃないんだけどね。やっぱいい人もいることにいるし」
「そうでしょうとも」
「ここの責任者のブラスト・ビーなんてなかなかいい人よ。あれも二重人格なのかしら?」
「そうでしょうとも」
 そろそろ突っ込んでもいい頃だと思うんだが、実はこの女こそ人の話聞いて無いんじゃないのか。
 まぁ、いいか。
「ところでマリーローズ、君は何で捕まってたんだ?」
「かわいいからじゃない?」
 即答。自信たっぷり。
 んなわけないだろ。
「……ほかに思い当たる理由は?」
「あるけど、秘密」
「……」
 まぁ、いいか。
 それからはまた彼女の他愛ない毒のある会話に付き合わされた。
「まったく、どうしてこんなことになったんだ」
 僕は呟いた。
 飛んでいたのに。
 空にいたのに。
 堕ちてしまった。
 僕には、羽が無いから。
 星には、重力があるから。
 何も無いところへいけたらいいのに。
 あの夢のように。
 周りには何も無い。
 生も、死も、
 空気も、水も、
 重さも、想いも、
 何も、無い。
 あるのは光だけ。
 きらきらひかる、あの星だけ。
「さて、夢を見るのはここまでか」
 これからは、夢に入る時間だ。
「何? ついたの?」
 まぬけなマリーローズが言った。
 僕はそれを無視して扉を開ける。
 三秒硬直。
 あぁ、失敗した。
 少し考えれば分かりそうなもんだったんだけどなぁ。
 格納庫には一機の戦闘機も残っていなかった。
 そりゃ、全機出撃するよなぁ。
 頭を抱える。
「なにやってんの」
 殴られた。
「あれはどう?」
 僕が睨むとマリーローズは格納庫の奥を指差す。
 僕はその方向を見た。
 そこは丁度陰になって見えにくいが、戦闘機のような形のものが布をかぶっていた。
「整備中だったのかな」
 僕はそう言って、そこまで走った。
 布を引く。
 ふわっと舞った灰色。
 僕の目の前には、
 鮮やかな黄色。
 夢かと思った。
 こんなことがあるなんて。
 僕は笑った。
 グレーを基調としたボディ、イエローのペイント。
 真ん中やや後ろにある卵型のコクピット。
 三角形を思わせる船体。
 夢に出てきた、あの機体。
 ロボットは乗ってないけど。
 夢に入るのにこれほど相応しい物があるだろうか?
 僕は早速コクピットに乗り込んだ。
 計器を確認する。キーが無い。
 嘘だろ?
「だめだ、これじゃ飛ばない」
 僕が呟くといつの間にか翼の上からこちらをのぞきこんでいたマリーローズが笑った。
「私が必要になったわね」
「何のこと?」
 彼女は無視してポケットから銀色の鍵を出し、僕に投げてよこした。
 まさかと思いつつ、差し込む。カチリ。
 回った。
 エンジン音。メータを見る。全て正常。
 燃料も十分だ。
「マリーローズ、乗って」
「せまいわ」
「そんな事言ってる場合か」
「男と密着するなんて嫌」
「鍵をありがとう」
 僕はキャノピィを閉めようとした。
「馬鹿!」
 彼女は観念したようにコクピットに滑り込む。
 確かに狭かった。
「というか、何で君が鍵を?」
 僕が聞くと、彼女は鼻を鳴らした。
「私が誘拐されたのは、この戦闘機のオマケだったからよ。私達が新たに発掘したこれを奪って使うつもりだったんだろうけど、肝心の鍵が無かったからどうしようもなかったみたい」
「解体すればよかったのにね」
「あいつら、馬鹿だから」
 彼女はけらけらと笑う。
 さて、そろそろ行くか。
 僕は格納庫のシャッタに向かって引き金を引いた。

NEXT>>355


[353] 初スレデス 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/06/01(木) 15:34 PqJdTrWsntA)

anakin_ep2

garakxy chenge

1 falldown peace

銀河は変化しつつあった。
帝国時代・別銀河からの侵略を生き残った英雄達・ルーク・スカイウォーカーやレイア・オーガナ・ソロは、静かに息を引き取った。
原因は、戦いのしすぎの過労といわれているが、今では真相はわからない。
その後ハン・ソロは、後を追うように交通事故でなくなった。
銀河に英雄はなくなった。
だが、逆に人々はふつ切れたようだった。
今度は自分達が戦えるように、人々は剣を持ち始めた。
そして、ここにも一人・・・・・・・・・・・



ヤヴィン4・ジェダイアカデミー評議室

時代・50ABY(ユージャンウォングの21年後)

「ほう、こいつがか・・・・?」
「はい、マスター。見つけました。」
「こいつが・・・・・」
「ソウです。銀河を救うとされる・・・」
「選ばれし者か・・・」

「この小僧の名は・・・なんという」
「ジーク・ソロです」

時は数年前・・・選ばれしものの予言が出されたときだった・・・・・
> 選ばれし者ガ戦争を終わらせる・・・・・
「馬鹿な・・・戦争だと・・・!?」
「コレはまずい・・・わが弟師よ・・・
 選ばれし者を見つけて来い!!!」


「それが今ここにいる・・・?」
「はい。」
「いいだろう、このものはお前が責任を持って立派なジェダイにしたれあげろ!!」


物語はこの十年後、この場所から始まる・・・・・


[354] (無題) 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/06/04(日) 17:22 PqJdTrWsntA)

jacen

garakussyy  chenge

2,start,story

10年後、ジェダイアカデミー大広場
ここに一人の少年がいた。
その名もジーク・ソロ。
もうお分かりだと思うが、ハン・ソロの息子・ジェイセンの息子である。
彼の弟子はカーム・ヴェルト。
10年前ジークを見つけ出したジェダイ・マスターだ。
ジークは彼の弟子となり、パダワンとなる。
それが今日である。
「やっとだ・・・」
ジーくはうれしくてたまらなかった。
ジェダイのパダワンになれるのだ。
「準備はできてるか、ジーク。」
「はい。マスター・ヴェルト。」
「では、君は今日から私のパダワンだ。」
「今日からあなたは僕のマスターです。」
「じゃあ、いくか。」
「はい。」
彼らに待ち受ける試練とは?


[355] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/06/05(月) 18:55 TH23NU/yN/c)

emp_statue

After story of >>352


 5


 古いこの機体でタイヤだけが新しい。
 昔の戦闘機には何故かタイヤが付いていないのだ。どうやって飛び上がっていたのだろう。
 そんなことを考えながら滑走路をごろごろと滑る僕。
 コクピットに他人がいるのが気に食わない。
 彼女も気に入らないようで、さっきからむすっとしている。
 それよりも、ここからが問題だ。
 飛び上がる前に必ず味方からの攻撃があるだろう。敵と間違われているはずだ。
 右側で火の手が上がった。超加熱したコンクリートが爆発する。
 まぁ、なんとかなるだろう。
「マリーローズ」
「何?」
「怖くない?」
「馬鹿」
「人を乗せて飛ぶのは初めて」
「堕ちたらただじゃおかないわよ」
「死にたくない?」
「当たり前じゃない、馬鹿?」
「幸せだね」
「どうかしら。幸せなんて、その人次第じゃない?」
 僕は頷いた。
「あなたは幸せ?」
「幸せなんて信じない」
「じゃあ、不幸せなんだ」
「違うよ」
「じゃあ何よ」
「全部どうでもいい」
「はぁ?」
 僕は笑い、
 彼女は笑わなかった。
「さて、そろそろかな」
「何が?」
「離陸」
 滑走路はもう穴ぼこで、これ以上走ってても無意味。
 操縦桿を思いっきり引いた。
 ふわっと、浮遊感。
「僕はね、マリーローズ」
 加速、雲を抜けた。
「飛べればそれでいいんだ。他には何もいらない」
「何よそれ」
「そのまんまの意味」
「私は飛ぶのって大嫌い」
 わざと急旋回してみる。マリーローズは小さく悲鳴を上げた。
「馬鹿!」
 僕は顔をしかめた。いつもとなんか違う。
「重い」
「は? 私? 失礼ね、あなたよりは軽いわよ」
「重いよ、マリーローズ。全然スピード出ない。これじゃ絶対勝てない」
「じゃあ、無駄な戦闘はせずにさっさと帰還することね」
「やだ」
 僕は彼女の抗議の声も聞かず、スロットルを全開にした。

NEXT>>356


[356] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/06/05(月) 18:57 TH23NU/yN/c)

emp_statue

After story of >>355


 6


 重い重い重い。その性でスピードが桁違いに遅い。
 と思ったら、そんなわけはなかった。むしろ速い。XよりもT.I.E.よりも、今まで体験したことの無い速さ。
 嘘だろ? 二人も乗ってるんだぜ?
「この機体って、何か改造してあるの?」
「さぁ……。すごい技術だけど、極限までスピードと軽さに重点を置いてる性で、かなり脆いとか何とか聞いたような聞いて無いような」
「先言ってくれよそういうこと」
「聞かなかったじゃない」
 僕はため息をついて敵機を探した。
 あ、そういや。
 急いで通信機を探し、周波数を合わせた。
「なにやってんの」
「君を助けたって連絡しなきゃ」
 通信機から雑音。
 ピーガーガー。
「こちら、えーと、なんだっけな。マリーローズ、僕のコールサインって何だっけ」
「はぁ?」
「えー、こちらコールサインはぁ? です」
 殴られた。
「すいません、嘘です。本当はソウシーです。目標を保護しました。以上」
 雑音。
「こちら……。了解、しかしお前は――か?」
「イエッサー、通信終わり」
 適当。何も聞こえないんだもん。
「適当ね」
 マリーローズの当たり前すぎる突っ込み。無視。
 その時。
「おい! 死んだかと思ったぞ!」
 通信機から爆音。この声はもちろん。
「誰だっけ。ボブ?」
「トムだっ! 馬鹿野郎、心配したんだぞ」
「あぁ、トム。骨は拾わなくてすんだね」
「何よりだ、残党を片付けよう」
「おっけー」
 さっきの上司のときと違って鮮明に聞こえるのはやっぱ近いからなのかな。
 さて。
「マリーローズ、捕まっててね」
「げっ……」
 右下に一機。僕は上昇する。
 太陽を背にして、すぅっと飛ぶ。
 ばれたかな? まぁ、逆光だしね。
 十分な高度をとって、方向を見極める。
 今。
 スロットル全開、操縦桿を思いっきり倒した。
 マリーローズが小さく悲鳴を上げた。
 僕は声を上げて笑う。
 失神しそうなくらいのスピード。
 つかの間の無重力、人差し指に力を込めて一撃。
 そのまま離脱。
「やったわね!」
 うるさい。
「あんた、強いじゃない!」
「黙ってくれ」
 マリーローズはむすっとした。
 僕の方がむすっとしたい。
 しかし、集中しにくいなぁ。
「マリー、気配消して黙っといてくれないと二人とも堕ちるかも」
 ……。
 黙った。よし。
 僕は今、マリーローズの膝の上に座っていた。踏ん張りにくい。ペダル踏めないかも。
 やっぱり一人用に二人って、無理があるだろう。
「ねぇ、やっぱ戻る?」
 ……。
「ほら、この体制きついし、ほんとに堕ちちゃうかも」
 ……。
「いや、今はしゃべっていいんですけど」
 なんだこの女。いつまで沈黙するつもりだ。
 ……。
 スロットル全開、急上昇。
「ッ――」
 強烈な加速度。
「馬鹿ぁ!!」
「あ、生きてたんだ」
「許さないわよ」
「はいはい、帰りますか」
「許さないわ」
 ぼくは無視して通信機に手を伸ばす。
「ボブ、帰還していいと思う?」
「トムだ。要人乗ってるんだからいいんじゃないのか?」
「はぁい。あ、そっちはもう片付きそうなわけ?」
「後一機だ」
「じゃあ、僕も手を貸すよ」

NEXT>>357


[357] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/07/22(土) 15:58 TH23NU/yN/c)

emp_statue

After story of >>356


 7


 最後の一機を落として、帰還して、称えられて。
 いろんなことがあった。だけど全部曖昧にしか覚えてない。どうだって構わない。
 夢の中の機体と出会ってどれくらいたっただろう。あれは僕の機体として使ってもいいといわれた。そして、今。
 僕はまたコクピットにいた。
 滑走路の上でたたずんでいる。
「俺の理論は完璧だ」
 声がした。ラックだ。
「お前の望みが叶うぞ」
 深呼吸して、一言。
「信じるよ」
 エンジンを回して、各メーターチェック。
 吸気音が心地よかった。
「さて、行こうか」
 自分に語りかけ、滑走路を滑り出した。
 加速していく。
 スピードは増していく。
 景色が流れ、線と化し。
 くっと、操縦桿を引いた。
 僕は、飛んだ。
 空を切り裂き雲を突き抜け遥か彼方へ。
 加速し続ける。
 高鳴る心臓。未知の領域。
 どこまでも、どこまでも。
 やがて現れたその先には、
 あの世界がそのままに存在していた。
 僕は還って来た。
 ソラに。
「こちらラック、聞こえるか?」通信機から声が聞こえた。
「あぁ、聞こえる」
 僕は僕らの星を見つめた。
 美しかった。
「どうだ? 念願が叶って?」
「一つ思い出した言葉があるんだ」
「ほう」
「今にぴったりな言葉だと思う」
「言ってみろ」
 僕は輝く鏡を見つめて言った。
「フォースと共にあれ」

 Epilogue >>358


[358] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc (2006/06/05(月) 19:16 TH23NU/yN/c)

emp_statue

Epilogue:エピローグ

 僕は空を飛んでいた。
 いつまでも飛んでいたいと、強く願っていた。
 故に向かってくる相手は全て倒したし、誰も僕を落とすことなどできなかった。
 僕が飛びたいと願うのには理由があるし、敵が僕を狙うのにも理由がある。だけど、そんなことは関係なく、個人を全く無視されながら僕らはただ戦っている。
 故に個々の存在に意味など無いし、誰が死のうとどうでもよかった。
 君たちもそうなのかい?
 僕には守るべき人たちも愛すべき人たちもいないし、君たちと比べて物凄く意味の無い戦いをしてるんだと思う。
 だけど、戦いに意味を見出すなんて無駄なことだと僕は思ってるし、ただ高く速く飛べればそれでいいんだ。飛んでいる間だけは、汚い地上の全てを忘れて、君たちと語り合えるだろ?
 君が守りたかった女性も、君が守りたかった世界も、父も息子も、娘も母も、全部いなくなったけど、それでも僕は君たちの戦いは無駄じゃなかったと思う。
 僕が受け継いだから。全部、受け継いだから。
 君たちの意思をついで、僕は戦う。
 正義のためとか、平和のためとか、愛のためとか、そんなのじゃないけど。
 僕は、君たちのために戦う。
 理由を無くした戦場に、理由を持ち込むよ。
 そして、いつか僕の戦いが終わって、何もかもが収まったときには。
 君たちと一緒に笑うんだ。
 ねぇ、
 僕はこれだけを忘れずに生きていくよ。
 僕の名は、キング・スカイウォーカー。
 最高の戦闘気乗りの末裔であると共に、
 僕はジェダイだ。


 The sky of 1000 is THE END.


[359] 今回ちょっとしたジークの秘密が出てきます(ツーか、長い 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/06/06(火) 15:10 PqJdTrWsntA)

jacen

>>354・2
3・neoss traiall
二人は辺境の惑星・ネオスにいた。
今回の任務は、ネオスのフォースの強いクリスタルを見つけ出すことだった。
ネオスは何もなかった。
「マスター、何にもありませんよ。」
「こういうところにこそ、何かあるものさ。」
とはいったものの、本当に何もなかったことにカームは驚いていた。
ネオスは無の惑星だった。
なぜこんなところに調査団を送り出したのか?
少し疑問に思った。
>妙だな・・・・
カームはつぶやいた。
「何かいいました?マスター。」
>聞こえてたか・・・
カームはまた小声でつぶやいた。
しかし、確かに妙だ。
ところどころに人に生きた痕跡があるし、足跡だって見つけた。
しかし、どこにも人の集落はないし、
第一こんなとこで生きられるわけがない。
ここにあるのは、岩と砂ぐらいだった。
>&$%&’((’$%))$#
!!!!!!!!!!!
「マスター、ここは何も・・・!!?」
ジークもきずいたな・・・・・
>”#”#%&&’(()()&)=
>マスター、何か聞こえます・・・・・
>アア、いったい何が・・・・・
二人は小声で話し始めた。
>何か聞こえる、そういってます。
>・・・・・!!お前、わかるのか!?
>はい、なぜだか。
>・・・・・・・・・・・・・??????????
>それはおいといて、あっちもこっちにきずいてます!
>はなれるか・・・・・>その必要はありません。
>ビシュイン!!
「何!!!!」つい、大声を出してしまった・・・・・・・・・
>ブウン・・・ガがガガガガッガガガ・・・・・
「荒っぽいやつだ・・・・・」
「やっぱり!!マスター、この下に空洞があります!!!」
「よし、飛び降りるぞ!!」
>ばっ
>ずたっ
「・・・・・え!!???」
地上と違い、この下は緑あふれる場所だった。
「きれいだな・・・・・・」
「どうなってる・・・・?なぞの言葉は!?」
「どうやら、あっちにいます。わずかに物音がします。」
「よし、いくぞ。」
>ビクン!!!!!!
「うっ!!!!!!!!」
「!?どうした、ジーク?」
>ばっくん、ばっくん、ばっくん、
「ナ・・・何・・・・・」
>ゴウッ!!
「ナ・・・なんだ!?」
ジークの体が光だし、あたりは一瞬にして光に包まれた。
そこにたっていたのは、ジーク本人だったが・・・・・
「お前ら二人・・・こんなことしてていいのか!!??」
>な、何だ??お前ら二人・・・?こいつはジークじゃないのか!?
「お前らの使命は・・・自分らの気になったこと調べるのか!?それが任務か!?」
「・・・!!!!!
>ブオン
「クリスタルの場所は・・・・・こちらにあります」
>フッ
「・・・・・・・?マスター,どうしました?」
>・・・・・いったい何が・・・?
「ジーク、クリスタルの場所がわかったんだ。いくぞ!」
「ア、はい。」
さまざまな不安を抱え、二人は教えられた場所へと進む−−−−


[360] (無題) 投稿者:シドダイアス gpEBSGbr.5. (2006/06/07(水) 01:20 PrkAxhQVdno)

senate_guard

【闇の誘い】

本来の任務の途中、機体のトラブルで立ち寄った、銀河の辺境、アウター・リムの一惑星。
そこでの事件がセドリックの運命を変えることになるとは、誰も思ってもみなかった。


「どうなんです、マスター?」
セドリックは、師に尋ねた。
「この街の人々の話は事実のようだ。確かにバトル・ドロイドがこちらに向かってきている」
師の言葉に、セドリックは勇躍した。
ジェダイとしてはじめて戦いの場に出るチャンスが訪れたのだ。
機体トラブルで緊急着陸した惑星。
だが、街の人々は歓呼の声で二人を迎えてくれた。
最初は訳がわからなかった二人だが、やがて街の人々の説明で理由が判明した。
この街の裏手にある山の鉱山を狙っている連中が、クローン大戦当時のバトル・ドロイドを起動することに成功し、この街を襲おうとしているというのだ。
街の人々は、共和国と帝国の両方に救援を求めたが無視をされていた。
無理もない話だ。
こんな辺境の星の小さな鉱山ひとつのために動くメリットなど、皆無に等しい。
街の人々の絶望の中で、二人のジェダイが到着した。
歓呼の声で迎えられて当然だ。
「ジェダイが来てくれたんなら、もう大丈夫だよね」
はしゃぎながら言う子供たちの姿を見ては、機体の故障が直っても、すぐに出発するわけには行かなかった。
セドリックの師は、急いで周辺の様子を探りに出た。
そして、数十体のバトル・ドロイドが、この街を目指して進んでいることを確認したのだった。
「機体の修理を手伝ってももらったし…助けないわけにもいかんな」
師の言葉で、どうするかが決まった。


旧式のバトル・ドロイドなど、ジェダイの相手ではない。
もちろん、数で圧倒されれば別だが、それには百体近いバトル・ドロイドが必要になるだろう。
今回の敵は、せいぜいが五十体のバトル・ドロイドだ。
二人の敵ではない。
そこに数体のスーパー・バトル・ドロイドが加わったところで、事情にはなんら変わりがない。
セドリックは、次々とバトル・ドロイドを切り伏せていった。
倒した数を数えていたのは、最初の十体までだ。
後は数えるのすら面倒になった。
「油断するなよ、セドリック。油断さえしなければ、それほど面倒な相手ではないぞ」
師の言葉も耳に届かない。
ただひたすらに敵を切り倒すだけだ。
だが、やがて破滅が音を立ててやってきた。
「何だ、あれは?」
残ったバトル・ドロイドが十体を切った時、遠くから急激な速度で車輪のようなものが二体ほど転がってきたのだ。
「あれは…まさか、デストロイヤー・ドロイドか?」
師が驚愕の声を上げる。
「デストロイヤー・ドロイド?」
「クローン大戦の際に造られた、究極のバトル・ドロイドだ。当時のジェダイですら、デストロイヤー・ドロイドとまともに戦えた者は十指に満たないと言うぞ」
そうこうするうちに、デストロイヤー・ドロイドが目前に迫り、その身体を展開した。
「くそぅ、こんな奴ら、やっつけてやる」
セドリックは、デストロイヤー・ドロイドに向かって突っ込んでいった。


周りに転がっているのは、ドロイドの残骸と街の人々の死骸。
師の身体もまた、黒焦げになって転がっている。
セドリックは、重傷を負いながらも何とか生き永らえていた。
だが、身体が動かない。
これ以上は戦えない。
師と彼の連携攻撃で、デストロイヤー・ドロイドのうちの一体は何とか破壊した。
だが、もう一体は、ダメージを与えはしたものの、倒せなかった。
そして、セドリックが力尽きた後は、虐殺が始まった。
街の人々は逃げ惑うしかできず、次々と光弾の前に倒れていく。
「力があれば…俺にもっと力があれば」
歯噛みするセドリック。
だが、気持ちとは裏腹に、身体は動かない。
その時。
セドリックの前に影が立った。
(力が欲しいか?)
影が囁く。
(力が欲しいか。あ奴らに復讐したいか?)
影の言葉がセドリックの心に染み透ってくる。
「もう大丈夫だよね」
笑顔を浮かべる子供の姿。
光弾に貫かれ、絶命する子供の姿。
(力が欲しくば、怒りと憎しみにその身を任せるが良い)
師を殺し、街の人々を虐殺する敵への怒りと憎しみ。
(余に忠誠を誓うなら、余が汝に力を与えよう)
一瞬、親友のアーサーの顔が脳裏を横切る。
いや、だめだ。
ジェダイには何も変えられない。
ジェダイには大した力など無いことがはっきりと理解できた。
師と街の人々の仇が討てるなら、そして生き残った人々を救えるなら。
自分は悪魔にでも魂を売ってやる。
影の言葉に、セドリックはうなずいた。
(よかろう。汝に我が力を与えよう。ダーク・サイドの力を)
セドリックの身体に力がわきあがった。


立ち尽くすセドリックの前には、ただ廃墟だけが広がっていた。
ダーク・サイドの力の前には、敵の残存勢力など、物の数ではなかった。
あれほど苦労したドロイデカすら、あっさりと叩き壊せた。
だが…敵を叩き潰した後に知った事実は、セドリックの精神を粉々に砕いていた。
敵もまた、この星に住む人々だった。
しかも、貧しさゆえに街から追い出された人々だ。
街に残っていたのは、比較的裕福な人たちだった。
彼らは、当然の権利を求めて、街の人々に復讐を企てていたのだ。
それを、セドリックと彼のマスターは、事情も聞かずに戦ってしまったのだ。
そして、セドリックは、彼らを全滅させた。
女子供も含まれていたのに、だ。
怒りと憎しみに身を任せた結果だった。
「何故…何故こんなことに…」
呆然と立ち尽くすセドリックの前に、再び影が姿を現した。
(これがジェダイと共和国の限界よ。民主主義ではすべての人を救うなどできんのだ。銀河は、一人の強大な力を持つ者によって統治されなければならん。そうすれば、貧富の差などなくなる)
セドリックは影を見た。
(汝の力は余の期待以上だったぞ。余に協力せよ。このような悲劇を二度と起こさぬためにな)
「あなたは…何者だ?」
(余か。余はパルパティーン。この銀河を統べるべき者だ)
パルパティーン。
銀河帝国の皇帝。
死んだはずの男。
(そう、我が肉体は滅びた。だが、世の精神は生きておる。そして、肉体も復活させる。だが、余には剣が必要だ。かのルーク・スカイウォーカーめを貫く剣が。汝が我が剣となれ)
セドリックはうなずいた。
と、廃墟の中に、数人の動く姿があった。
(まず、あの者どもを殺せ。汝が我が弟子となる証拠にな。汝の消息がジェダイに知られれば、われらが悲願も遠のくのでな)
セドリックは無言でライト・セイバーを起動した。
やがて、廃墟にいくつかの悲鳴が響く。
その中には、子供の声も含まれていた。
(よくやったぞ)
「これ以上、このような悲劇を起こさないためにはやむをえない犠牲です」
セドリックは静かに言った。
その目には、狂気の炎が湛えられている。
(よかろう。では、汝に新しい名を与えよう。ダース…サバタス。それが汝の新たなる名だ)
「ありがとうございます、マスター」
彼は誓っていた。
ジェダイにも、共和国にも、そして、この影にも期待はしない。
彼の力で、この銀河に理想の王国を築いてみせる。
このような悲劇を起こさない王国を。
シスの暗黒卿、ダース・サバタスの誕生であった。


============

http://www.starwars.jp/forum/bbs3/bbs.cgi?id=2006051701;ls=30;date=1149589896

のサイドストーリーです


[361] (無題) 投稿者:魑魅 uo5SLPDAPdU (2006/06/09(金) 22:57 Am7Y9PmhV.2)

bly

「・・・・・」
 私は、ただ呆然と、その場に佇む事しか出来なかった。
 空には飛び回る反乱軍の戦闘機・・・・ではない、何処かの違法武装スピーダー。そして、それを追い掛ける帝国軍の戦闘機が轟音を上げていた。
 私の目の前。そこには今さっき、数時間ほど前まであった、私の家が無残な姿となっていた・・・・。


ユズキ・マクファーレン


「ユズキ〜、ユズキ起きなさ〜い!」
 カーテンの隙間から漏れた朝日と、母の声が、私の睡眠を妨害する。時間はまだ6時ちょっと前。目覚し時計だってまだ眠っているのに・・・・。
「起きなさいったらぁ!遅刻するわよぉ!」
 母の声が次第に大きくなり始めた。そして、何かを思いついたかのように、突然起きた目覚し時計が、私の睡眠の妨害に加わった。
「ユズキ!いい加減にしなさい!遅刻するわよ!!」
 来た。ドカドカと足音を立てながら、階段を上り、私の部屋のドアをバンと開いて怒鳴った母。
「もう・・・・ちょっとだけぇ」
 私は母に背を向けるように寝返りをうって、タオルケットにより深く包まった。
「アンタはいっつもそうなんだから!この前は遅刻したくせに!!」
 私の唯一味方してくれていたタオルケットを、母が取り上げてしまう。途端に朝独特の肌寒さが、私を襲う。
「もぉう、学校休むぅ」
「バカ!何寝惚けてるの!!美大に行くんでしょ?!」
 母の拳が、私の頭の頂点に直角に落ちる。
「痛〜い!もぉう!意地悪ぅ〜!」
「意地悪じゃない!早く起きて支度なさい!」
 母はそう言うと、タオルケットを私の届かない場所に置いて、バタンとドアを閉め、階段を降りていく。これが休日以外毎朝の私の習慣。
 私の朝は、地獄なのである。
 仕方なく私はゆっくりとベッドから降りる。重い瞼を擦っても、瞼は重い。喉の底から欠伸がやって来て、まだ眠いと伝えているようだ。グンと両手を上に上げて、伸びをしてみるも、惑星の重力が私を引き戻してしまう。要するに、まだ寝たい・・・・そういうこと。
 ベッドからクローゼットまでの道のりが、数十キロもあるように感じる。よちよちとペンギンや、今さっき立つ事の出来た赤ん坊のような足取りで、クローゼットに向かって歩き、そして到着する。この時点でもうしんどい。そして、RPGゲームのように、私に立ちはだかったモンスターは、クローゼットの扉。それは丸で石の扉のような重さ。それを力の入らない手で開けて、学校の制服を取り出した。パジャマのボタンを外して、ベッドに投げる。パジャマのズボンを脱いで、ベッドに投げる。・・・・はぁ、まだ、眠い。
 その時だ。
「姉ちゃん早く起きろよ!母さん怖い顔――」
 来た。デリカシーのない弟、ショーン。狙っているのか狙っていないのか、いつもいつも私が全裸に近い状態のときにドアを開ける。
 私は咄嗟にベッドの上にあったパジャマのズボンを取って、ドアに向かって投げつけた。
「バカァ!毎朝開けないでって言ってるでしょぉ!!」
 なんとか防げた。パジャマを丸まった状態で投げつけた質量の力で、ドアはガチャンと完全に閉まる。ああ、今ので眠気が消えてしまった・・・・。
「へっ!姉ちゃんの貧乳なんか見ても嬉しくないねぇ!」
 ショーンは態々一部だけを強調して叫ぶ。
「何ぃ?!どうなるか覚えてなさいよ!!」
「うわ〜!怖いよぉ!!ははははは!!」
 ああ、最低な弟を持って悲しい。少し、気にしてるってのに・・・・。うわ!そうこうしてる間に、もうこんな時間!ヤバいよ!!
 慌ててブラを着け、シャツを着てスカートを履き、タイツを履いて上着を羽織って居間のある1階に駆け下りた。

 居間では、母がフライパン片手に「やっぱりな」とでも言いた気な目でこちらを向いている。テーブルを囲んでいたショーンは目玉焼きを貪って、兄はコーヒー片手に新聞を読んでいる。
「ほら、言ったじゃない。母さん知らないからね!」
 私がいつもの定位置に収まると、母は皿に目玉焼きを乗せた。
「もっと早く起こしてよぉ!」
「良く言うわ!早く起こしてもいつもこうなのに!」
 私は母の言葉に痛みを感じつつ、目玉焼きを口にほおりこむ。
「また遅くまで、絵を描いていたんだろう?夢中になるのも判るけどな。体を壊すぞユズキ」
 兄が微笑みながら言った。兄は小説家である。その為家に居るのだが、いつも私より早起きなのだ。
「はっへひはいひひはいんはほん!(だって美大行きたいんだもん!)」
 私の言う『美大』と言うのは、惑星ナブーにある帝国立美術大学のことで、嘗て共和国だった時代からある、由緒正しい美術学校なのだ。でも帝国になってからは、自由な創造はできなくなっているのだが。
「口に物を入れて喋らない!」
「バ〜カ」
「バカって言ったな?!このぉ!!」
 私はそういって、ショーンの目玉焼きの目玉(家ではいつも半熟なのだ)をフォークで貫いた。ショーンはいつもこれを最後の楽しみに残しているのだ。途端に流れ出す黄身。
「ああ?!何すんだよ姉ちゃ〜ん!酷いや!酷いや!!」
「フッフッフ、お姉様に「バカ」などと暴言を吐いた報いよ!」
「こらこら、二人とも」
 兄が苦笑いをしながら落ち着かせる。母がその光景を見て頭を抱えて溜息をついた。
 その時だ。
「ぼ〜くもい〜れてん♪」
 突然背後から抱きつかれる。頬には不精髭が刺さる。
 私はきゃっ!と飛び上がって抱きついた人を突き飛ばす。その人はひげぶ!と謎の悲鳴を上げながら、特撮モノの怪人宛らのオーバーなアクションで吹き飛んだ。
「ふっ、やるなユズちゃん・・・・。いつもながら、技に迷いが・・・・な――」
 カクンと糸が切れた人形のように、死んだフリをするのは私の父である。所謂変人な父で、私が三人兄弟の中の一人だけの娘である為か、異様に可愛がられているのだ。私のベッドに侵入して来たり、お風呂に入って来たり・・・・幼い時は良かったが今でもそれを続けられれば、それは間違いなく迷惑なのである。因みに父も小説家。しかも恋愛モノ専門のである。そして、父が書く作品には絶対に「ユズ」とついた名の女性が一人は登場する・・・・。
「ユズキ!時間!!」
 母が時計を見て怒鳴った。私はそれに反応し時計を見る。時計の針は既に7時半を過ぎている。
「うわ!やっば!」
 私は焦りながら、残っていた目玉焼きを押し込み、コーヒーを喉に流し込んで、鞄を持って走り出した。
「行って来ま〜す!!」
 玄関を開けて、言い忘れそうになった台詞を言う。
 これが、最後の言葉になろうとは、全然思ってもなかった・・・・。


 ――警報。
 それが街に木霊したのは、私が家を出てから3時間ほどが経ってからだった・・・・。
 最近、各地で暴れまわっていた「反乱同盟軍」を名乗るテロリスト集団。それが、この星に、この街に現れた。
 1隻の貨物船を中心にした、ギャングやマフィアが使うような違法武装スピーダー。それが、帝国に属す街と言うだけで、スピーカーで宣戦を布告、遊びのように攻撃を始めたのだった。
 学校は緊急避難所として機能する為に授業は中止、周辺住民の受け入れを始める。生徒も避難の為、学校の地下にあるシェルターに移されることに。
 でも私は嫌な胸騒ぎを抱いて、学校を抜け出した。
 交通網は混乱し、電車もバスも使えない。でも私は無我夢中で走り、家に向かう。その際何十機もの軍戦闘機が空を通過、道路にも軍用の車両がテロリストたちに向かって行く。
 兵隊の人が、走る私に何かを叫んでいる。でも、それが何かが判らない。私は、ただ家に急いでいた・・・・。


「・・・・・」
 私は、ただ呆然と、その場に佇む事しか出来なかった。
 空には飛び回る反乱軍の戦闘機・・・・ではない、何処かの違法武装スピーダー。そして、それを追い掛ける帝国軍の戦闘機が轟音を上げていた。
 私の目の前。そこには今さっき、数時間ほど前まであった、私の家が無残な姿となっていた・・・・。
「母さん・・・・父さん・・・・?」
 気付けば、まだ火が燻る無残な姿になった家に、駆け込んでいた私。熱い瓦礫が足に当たっても、夢中で居間のあった位置に向かう。
「兄さん!ショーン!!」
 必死で瓦礫を掻き分ける。手が熱い。でも、そんな事は関係なかった。
「母さん!父さん!兄さん!ショーン!」
 怖い。なんだか、とても怖い。不安で胸が一杯。
 周りでは兵隊の人が空に向けて鉄砲を撃っている。そして、私に気付いた一人の兵隊が近づいて来る。
「君!危ないぞ!避難しろ!!おい!!」
 肩を掴まれる。でも、私は必死にそれを振り解いた。
「母さん!父さん!兄さん!ショーン!ふざけないでよ!返事をしてよ!!母さん!父さん!兄さん!ショーン!」
 その時だった。
「!」
「見るな!見るんじゃない!!」
 兵隊に、目を塞がれた。
 でも、見えた。見てしまった。
 それは、
 それは・・・・、


 兵隊のトラックの中。私は毛布をかけられていた。
 テロリストの船、スピーダーは撃墜され、街には傷跡だけが残された。
「・・・・大丈夫かい?」
 兵隊の人が隣に座った。インスタントのコーヒーを渡される。それを受け取るが、声は出なかった。寧ろ、出せなかった。
 兵隊の人も、なんと声をかけたら良いのか判らないらしく、ただ、ヘルメット越しに私を見ているようだった。でも、今はそっとしておいて欲しい・・・・。
「おい、これ聞けよ」
「ん?どうした」
「なんだなんだ?」
 向かい側の兵隊が、騒ぎ始めた。一人の手にはホログラムテレビが握られている。
『本日未明、反乱同盟軍を名乗る集団は、我が国に対して正式に宣戦を布告。各地で戦闘が活発化。この戦闘による死傷者は不明、これに内閣総理大臣は、誠に――』
「・・・・戦争・・・・か」
 隣の兵隊が呟いた。その言葉だけ、とても意味深気に聞こえた。


 それから数ヶ月後、死に物狂いで勉強をして、私は士官学校に入った。死に物狂いで訓練を受けて、死に物狂いで勝ち残った。死に物狂いで、軍隊に入隊した。全ては、私から家族という宝物を奪った、テロリストたちへの復讐の為に・・・・。

 そして、非常事の為に即入隊させられた私は、ある基地の一室に居る。
「ユズキ・マクファーレン・・・・か」
「はい」
 執務机に足を投げ出して座っているラッキーの前に、ユズキは凛と直立していた・・・・。

fin

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
はい、魑魅魍魎の魑魅と書いてすだまと読む、魑魅です。
BHのSSの頓挫から数週間、ちっとばかし気分転換に【リレー小説】For my empireに登場するユズキの過去でも書いてみました。
最後の方がグダグダになってしまいましたが、そこは何卒長い目でお願いしますw
宜しければ、感想の一言でも、お願いしたいものですが、そんなこと言える身分ではないのでw
ですが、それでも感想をくれた方には、魑魅体内の細胞一同、感謝感激の極みに御座いますw
BHSSの製作も、ノロノロペースで続けているので、どうか見捨てないで下さいねw
それではこの辺で、マハラジャ!


[362] (無題) 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/06/09(金) 20:48 PqJdTrWsntA)

anakin_solo

>>359 3
4.plan
二人は走っていた。
大きな音を立て、走っていた。
それは、耳を劈くこの雑音をどうにかしたいという思いだった。
走っている先に大きな音が聞こえる。
発掘作業でもしているのか?
そして、先頭を走っていたカームが急停止した。
「うわっ!何ですか、マスター」
目の前はがけだった。いや・・・それよりも・・・・・
数百人入るだろうか、大きい洞窟があった。
そしてその中に、数百人が入っていた。
全員、発掘作業をしていた。
「自分の予想が当たってこんなに悲しいことはないな」
カームはがっくり肩を落としてそういった。
よく見ると、全員同じ服を着ている。
そこには、こう書かれていた。
「クリスタル」。
「クリスタル!?」
「なんかあったんですか、マスター?」
「クリスタルといえば、悪党だらけの集団だ・・・・ある計画を実行していると聞いたが・・・」
「そんなもの、つぶすべきです。」
カームはしばらく考えていった。
「だめだ。命令以上のことをしてはならない。」
「マスター!!!!」
すると、再びジークの体が光った。
出てきたのは、やはりあの男だった。
「カーム・ヴェルト・・・・・」
迫力のある声で男は言った。
「自分のなすべきことをなせ・・・・・・」
男は消え、ジークが現れた。
「”自分のなすべきこと・・・?」
「どうしますか、マスター?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
沈黙が訪れた。がけの下から来る雑音を除いて、だが。
「・・・いいさ、お前の好きにしろ。」
「!」
「降りるぞ。」
−がけの下で−
「ム、貴様何者だ!?」
「一般人だ、害はない。」ジークは手をかざした。
「アア、確かに。通れ。」
−奥−
「ええ、隊長。計画は十分に進んでおります」
「アア・・・俺達は、クリスタルの力を使って世界を滅ぼす」
「!!!!!!!」
「聞きました?マスター。」
「アア・・・・」


[363] 疲れた・・・・・・・いろいろやりすぎた(笑い) 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/06/10(土) 20:06 PqJdTrWsntA)

anakin_solo

garacxy,chenge
>>362.4
5・organizationcontfront,whth
「ええ、隊長。計画は十分に進んでおります」
「アア・・・俺達は、クリスタルの力を使って世界を滅ぼす」
「!!!!!!!」
「聞きました?マスター。」
「アア・・・・」
「!隊長、何者かに聞かれています。」
「誰だ!?」
迫力のある声は、部屋全体に響いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
部屋は静かなままだった。
「フン・・・・気のせいだ、ほっておけ。」
彼はこの場を立ち去り始めた。
「隊長、どこへ?」
「寝る。起こしたら殺す」

「いったか・・・・?」
「いきました。」
「よし、いくぞ。」
ライトセーバーの起動音とともに、男の首は吹っ飛んだ。


「なア、さっきから切り傷の死傷者多くね?」
「オウ。なんか熱で切られたみたいな跡ができるんだってよ。」
「熱で?じゃあ、まるでジェダイのライトセーバーみたいだな。」
「そのジェダイのライトセーバーで、お前も死ぬか?」
男二人の背後から声がする。
「ま・・・マジかよ・・・・・じぇ・・・ジェダイ・・・?」
悲鳴が二つして、その声は洞窟全体に響いた。
隊員全員が悲鳴の場所へ集まる。
そこにはジェダイが二人たっていた。
「やろオおおおお!!!」
ブラスターがいっせいに発射される。
ライトセーバーがめまぐるしく動き、ブラスターが偏向される。
再び悲鳴が聞こえる。
最後のほうは、雑音で何も聞こえなくなった。
吹っ飛ぶ人の部分部分・・・・・・・
ブラスター音が響く。
その音が響くと、それが偏向される音も聞こえた。
その音が聞こえると、人の悲鳴も聞こえた。
時に爆発音、時に骨のきしむ音・・・・・・
こんな声も聞こえた。
「隊長を呼んで来い」
「命だけは助けて」
後者のほうの声が聞こえると、カームは顔を緩めた。
しかし、助かるかと思ったものはジークに殺された。
ジークの中にひとつの感情が生まれた。
命だけは助けて?
人に恐怖を与えつずけて、自分は助かろうとする?
自分だけが自分だけの平和を勝ち取る?
ふざけるな。
万死に値す。
死んで当然だ。
僕が殺す。
こいつらが憎い。
いろんな感情が頭の中をよぎる。
逃げる人々・・・・
いや、人じゃない。
醜い化け物だ。
邪悪な感情の中に、輝く光があった。
ジークはそれにきずいた。
光の中から、声がした。
「こっちへ来い」
ジークは行った。
光の中は、カームがいた。
ソウだ、僕はこいつらを殺そうとして・・・・・
「もう止めておけ、暗黒面に飲まれるぞ。」
「・・・マスター・・・・・」
カームの腹からは血が滴っている。
「どうしたんですか?それ。」
「何言ってる、お前にやられたんだ。」
「僕が・・・・?」
よく見ると、周りには人の死骸がいっぱいあった。
「全部、僕が・・・・・?」
「こいつらを、そしてオレも殺そうとした。」
「僕が・・・・・・?」
ジークの目から涙が落ちる。
「なくな、これから強くなればいい」
「でも・・・・・でも・・・・・・」
「いいさ、コレくらい・・・かすり傷だ」
その二人の前に、一人の男がたっていた。
「お前らのせいで、おきちまった・・・・・どうしてくれる」
「お前は・・・・?」
「た、隊長・・・・・・」
「!!!」
「オレの名はデストロイヤー。クリスタルの隊長だ」
「貴様が・・・・?」
ジーク、カームはライトセーバーを起動した。
「やるか?」
デストロイヤーもライトセーバーを起動した。
最終決戦が始まる・・・・・


[365] (無題) 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/06/11(日) 15:12 PqJdTrWsntA)

anakin_solo

今かいてる話の途中ですが、ねたが思い浮かばないので別。

BACKACTIVETYWARAR
T  墜落
砂塵が舞う。
砂嵐が吹き荒れる。
目の前には荒廃の砂漠しか見えない。
まあ、迫ってくるドロイドの大群以外、だが。
ここは砂漠惑星ジオノーシス。
僕はここにジェダイと一緒に来た。
約200人のジェダイと一緒に。
今僕は、スターファイターの中にいる。
マスターやナイトたちは、外に出て調査している。
パダワンの僕は、外に出ることは許されない。
調査が終わるまで、暇だった。
自己紹介が遅れたが、僕の名前はスカイ。
スカイ・リープ。空を飛ぶという意味らしい。
外で話しているのはメイス・ウィンドゥ。
知ってると思うが、偉大なジェダイマスターだ。
マスターウィンドゥと話しているのは僕のマスター。
ゲイル・グライム。マスターグライムだ。
そのほか、たくさんのジェダイがいる。
さっきまでキ・アディ・ムンディっていう有名なジェダイもいたのに、もういない。
暇だから、空を飛んで待っていた。
余談だが、僕の名前どうりに。
すると、ひとつのものを見つけた。
円形アリーナだ。
その周辺だけ砂塵が出ていない。誰かいる。
僕はみんなを呼んだ。
みんなは飛んで円形アリーナに向かった。
やっと集中しだした。
僕は飛んで、アリーナの中へ入った。
目の前には、ドロイドの大群が待っていた。
マスターウィンドゥとドゥークーが何か言っている。
よく聞こえない。
わかったのは、ドロイドが攻撃してきたことだった。

少し戦ってから・・・・・

また二人が何か話してる。最初のほうは聞こえなかった。
「命だけは助けよう」
「われわれは戦争の人質になるつもりはない」
「そうか、残念だ、友よ。」
その言葉を待っていたかのように、ドロイドが再び動き出す。
その行動を待っていたかのように、クローンがきた。
ここからすべてが狂い始めた。
戦争が始まった。
多くのジェダイが死んだ。


僕はマスターと一緒に分離主義者の要人を追った。
周りには誰もいない。僕とマスターの二人だけだった。
マスターが何かいってる。戦争の音で聞こえない。
後になってわからないといったら怒られるから、聞きなおそうと思った。
その瞬間。
クローン軍が僕達に向かって攻撃してきた。
必死でブラスターを偏向する。
そして横から、緑の光刃が伸びてきた。
その光刃は、マスターの腹を貫いた。
貫いたのは・・・・・・・見たくない人だった。
ジェダイマスターグレイム。
僕を息子のようにかわいがってくれた人だった。
はずだった。
マスターは倒れた。
僕の父、僕の愛すべき人が。
なぜ、死んだ・・・・・?
僕の中で、何かが壊れ、何かが生まれた。
何が壊れたのか知らないが、生まれたものはわかった。

偉大な力だ。

ジェダイマスターグレイムが、何か言おうとしている。
いや、違う。
反逆者、愚かなグレイムだ。
何か言う前に、僕はやつを襲った。
お前の言うことなんて、知ったことか。
僕の青の光刃と、やつの緑の光刃がぶつかる。
しかし、周りにはクローンもいる、分が悪い。
僕は逃げた。スターファイターに乗って。

付近の惑星に飛び降りた僕は、考えていた。
そこに、分離主義者の要人がいた。
「ひ、ひいい・・・ジェダィ・・・・・」
僕は何も言わなかった。
「た、頼む、命だけはどうか・・・・・!!」
「僕は今機嫌が悪いんだ。とっとと消えろ。目障りだ」
「に、逃がしてくれるのか!?本当にありがとう!!」
男は謝ってばかりで、なかなか動かない。
目障りだ。
「僕はなんていった?消えろ、って言ったんだ。」
「え・・・・・?」
「消えないのなら、消してやる」
悲鳴が聞こえ、周りは静かになった。
ジェダイ・スカイ・リープが暗黒面に堕ちた瞬間だった。
目的ができた。ジェダイを皆殺しにしてやる。
待っていろ。
ジェダイ。


[366] (無題) 投稿者:八〓酔 tFKexm843Tw (2006/06/11(日) 15:20 dFIJBWJs9QE)

trooper

「応答せよ」

私は何度も通信機に向かって叫んだ。
「ET5982、応答せよ、何があった?」
しかし、帰ってくるのは雑音だけだ。
「ザビ――――――」
私は、帝国軍の将校のピッシリン。
一昨日、トルーパーのET5982がキャッシークに行ってから帰って来ず、昨日からずっとこうして通信機に話しかけていたのだ。
「ET5982!応答せよ!いい加減にしろ!」
私はでかい声で叫んだ。
すると、横の扉から誰か出てきた。
「ET5982!」
扉から出てたのは、ET5982だった。
「おい!何してた!私は昨日からずっと・・・」
すると、ET5982は言った。
「将校、私はET5985ですよ。」
将校は、昨日からずっと別人の通信機にかけていたのだった。


[367] (無題) 投稿者:sss v9mlBFYuSck (2006/06/12(月) 13:10 uvup.7RxXTg)

tie

コールファー

しんとむなしい空気が彼の体を包み込む。
みんな、何のためにこの鋼鉄の戦艦に乗って、何のために戦うんだろう・・・。
「全員気をつけ!!」
そんなことを考えていた彼の頭に、艦長の怒鳴り声がする。
「おい、おまえ緊張してんのか?大丈夫だぜ、いつものことだし。」
ロンが横でこそこそ言っている。ロンはこういう所でこんな発言をする、神をも恐れぬ者だ。
俺に気を使ってくれているのか、と一人感じた。俺は何度もそういう奴を見てきたが、そいつが本当にその気持ちでいるのかはわからなかった。
艦長がこっちをみて怒鳴る。「またおまえかぁ!!今日もデッキの掃除だぁ!!おまえもだ!!」
とんでもない貧乏くじをひいたものだ、とコールは思った。
他の艦からきた奴は絶対こうなる、とロンの周りは言うほどだ。
クスクス笑いをこらえたものが何人もいる。
これにて終了!」
艦長が最後に言った。
「ち、意味も無いのにいつまでもたたせやがって・・・!」
ロンがブラシを持ち出して言った。
ただでさえ広いデッキなのに、SDときたらもう見るのもいやになる。
「しっかりやれよ、1時間後にくるからな!」
コールは寮監が去ったのと同時に画材を出した。宇宙を描き、とても美しい。絵など本で少し見たのが最後というくらいのロンでもそのすごさがわかった。
「へー絵なんか書くんだな、おまえ。」
ロンが後ろで言った。
「ああ」
と短い返事をした。もし、寮監がみたらなんていうだろう、なんて創造し、おかしくなった。

非常ベルがなった。
タイパイロットはただちに出撃せよ!
ロンとコールはハンガーにいそぐ。
「掃除終わったてのについてないねぇ」
ロンがタイに乗り込み言った。
コールとロンが宇宙に放り出される。
新共和国の船だな、とコールにはわかった。
そのとき、後ろに2機のウイングがついた。
うかつだった、彼はつぶやいた。
改造シールドも破られた。終わり、か。
そう思ったとき、ロンのタイが割り込む。
「おまえの絵、今度みせてくれよー」
その言葉を最後にロンの機体は悲鳴をあげて砕けた―
「ロー―――――――ン!!!」
コールの声が濃くピットにこだまする。
そして気がつくと彼は医務室にいた。
「ティルファング10だ。君は。」
ラッキーロンド隊長の声が頭に入る。
この戦いを終わらしてやるぞ、待ってろ、ロン

あとがき
某トピの私の登録キャラの過去です。興味があれば、言ってみてください。


[369] (無題) 投稿者:ハンダース=ロクダー卿 edsdgQ5BOgA (2006/06/13(火) 20:24 4vQUGkAukCI)

jarjar_kaadu

短編〜ジオノーシスにて〜

その日、ジオノーシスの砂漠には強烈な風が吹き荒れていた。
砂という砂が巻き上げられ、少しも前が見えない。
そんな中、岩陰に1人の男が座っていた。
―失敗した。かつて聞いたことがあったのに。
ジオノーシスには近づくな。生きて帰ってきた奴は1人もいない―
男はそんな事を思いながら、堅く握っていたブラスターをさらに強く握りなおした。
彼は数々の星を股にかけて様々な物を売る、言ってみればごく普通の商人だ。
名前はライル―
彼は自慢の愛機の燃料が少ない事に気づき、丁度近くにあったこの星に着陸し、燃料を補給した。
だが、不幸なことにその後彼はそこで偶然『見てはいけないもの』を見てしまった。
そのため彼は身を追われ、こうして寂しい砂漠の岩場に隠れているのだ。
―次にもしやつらに見つかったら・・俺は死ぬかもしれん・・・―
そんな事を思っていた時だった。
風の音に混じって、砂に何か突き立てるような音が連続して聞こえてきたのだ。
―間違いない・・奴が来た・・―
音は段々と近づいてくる。間違いない―どういうわけか奴は自分の場所を知っている・・。
・・ダメだ。このまま奴が来るのを待っていたら殺されるだけだ・・覚悟を決めるしかない・・。―
ライルはブラスターを再び握りなおすと、岩陰から飛び出し音のする方へ撃った。
その瞬間、ジュッという何かが焦げるような音と、耳を劈くような悲鳴が聞こえた。
だが、それは致命傷にはならなかったらしい。
今度は連続して鳴っていた突き立てるような音の間隔がさっきよりも短くなってきた。
―・・クソッ・・―
再びライルは音の方向へブラスターを撃つ。2発―3発・・こげるような音は聞こえるのだが、突き立てる音は止まない。
―・・畜生・・倒れろ!・・―
ライルはブラスターを撃ち続ける。
8発目を打ち終えたときだった。突き立てるような音が消えた。
―ハァ・・ハァ・・やったか?・・―
内心そう思いながらも、ライルは依然プラスターをさっき音のしていた方向に向けたまま、しばらく静止していた。
―・・・・やったようだな・・―
ライルはフゥと息を吐くと、額の汗をぬぐった。
その時だった。突然後ろから突き立てるような音がした。
振り向いたときにはもう遅い。次の瞬間ライルは体が宙に浮くのを感じた。
ライルは2メートルほど吹っ飛ばされ、砂の上に落下した。
ライルは向かってきた『そいつ』の攻撃を転がってかわし、
十分に距離を置いてから立ち上がって『そいつ』をまじまじと見た。
4メートルはあろうかという巨大なアクレイだった。
自分を殺すために砂漠に放たれたのだ。
ライルは荒い呼吸を整えて、自分を殺そうとゆっくりと歩いてきているアクレイにブラスターを向け、撃った。
ジュッという焦げる音が続く。
だがアクレイは全く受け付けていない様子で、依然足を遅めずこちらに向かってくる。
―・・くっそぉ・・―
アクレイがライルの目の前にやってきた。
そして鎌を振り上げ、大きく吠えた。
その時だった。ブラスターの光線が、アクレイの大きく開けた口の中に入った。
次の瞬間アクレイは再び耳を劈くような悲鳴をあげ、しばらくの間のた打ち回り・・やがてゆっくりと倒れた。
―・・ハァ・・ハァ・・―
ライルはその場でへたり込み、しばしの間勝利の喜びに息を荒げていた。


その後彼は愛機でこの恐ろしい惑星を脱出する。
そしてそのライルが死闘をくりひろげた砂漠で、クローン大戦は会戦したのだった。
                           完
                            

あとがき
・・つ・・疲れた・・。
ジオノーシスについてなにか書こうと思いかきはじめました。
本編に出ているキャラクターはキャラ壊しそうで怖いのでオリジナルキャラを主人公にしました。


[370] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/06/13(火) 21:00 q/Cs8lYyebQ)

battle_master

「審判のコイン」

コインが舞う。
グラン・ヴェルトの手のひらに向ってそれは落ちてきた。
クローン・トルーパーの姿をした若い賞金稼ぎはこのコインに疑問を持った。私の決断にケチをつけていた。もちろん、知らない人間ならそう思う。コイントスで物事全て決めるなど。
話して聞かせよう。コインの秘密を。

その日、私は友人ムナイルの骨董品店にいた。
「新しい品があるんだ」
ムナイルは箱を出してきた。
「なにかね?」
私は箱の蓋を開けた。
赤い布がしかれている。
真中にポツんと置かれたコイン。
表――こちらに向いている側ーだが――には木のような絵が掘られている。ムナイルに許可を得て私はコインを手に取った。
裏には醜いクリ―チャ―の絵だ。
それにしても心を奪われるような見事なコイン。
欲しい。
「くれ」
私の単刀直入なたのみにムナイルは首を横に振った。
「駄目駄目。絶対駄目だ。金をもらわんとな」
ムナイルはコインを私から取り上げ、箱に入れて蓋を閉めた。
「入手口は?」
私は尋ねた。
「知り合いの考古学者だ。ナブーの遺跡で見つけたらしい。ほんとはマズイが、くれたんだよ」

私は数時間後、ビルの屋上で賞金首に銃を向けていた。
「殺せ」
賞金首は言った。
「…」
私は今まで殺したことが無い。
いずれ直面するとは思っていたが。
しかし、勇気がいる。
…サイレンの音…
セキュリティー・ポリスだな。
「殺してくれといっている!」
賞金首が言った。
「生け捕りにする…」
この頃の私にはまだ焦りがある。
不安定。
なにか自分の背中を押すものがなければ決断ができない。
全く。
サイレンの音と足音が近い。
時間がない。
どちらか決めろ。
はやく。
「来い。立て。さあ」
私は賞金首を立たせた。
間に合わなかった。
屋上にセキュリティー・ポリスが流れ込んでくる。
「動くな」
私は銃を向けられた。
糞。
私はベルトに手をそっとあて、玉をとった。
それを地面に投げつけた。
たちまち濃い煙が充満する。
敵はなにも見えない。
「糞!どこにいる!」
「急げ!逃げてしまう!」
賞金首はすきをついて逃げたらしい。
手ぶらで帰るしかない。
私はベルトにある装置のスイッチを入れた。
すぐに自動操縦のスピーダーが飛んできた。
それに飛び乗ると私は去った。
屋上の煙は消えていた。
「大丈夫ですか?議員」
賞金首は元老院議員のジョー・ダル。
「ああ。無事だ。あいつを殺せ。探すんだ。絶対にな」

私はムナイルの骨董品にいた。
「相談がある」
ムナイルは深刻な顔で言った。
「どうした」
私は尋ねた。こんな顔をしたムナイルを見た事が無い。
「実はな・・・店を追い出されそうだ」
ムナイルは言った。
「ん?この店はお前のものだろう。借りてるわけではなかろう」
私は言った。
「もちろん。俺の店だ。だがな。ジョー・ダル議員がここにマンションを立てようとしている。この場所はなにかと便利だろう?景色もいいし、それを邪魔する建物がない」
ムナイルが落ちこむ。
「売ったらどうだ?」
私は言った。ムナイルは首を横に振った。
「俺に金を払うようなやつじゃない。お尋ねモンだぞ。議員は」
その通り。昨夜私が追い詰めた。
ちょっと待て・・。
私が迷ったからムナイルが悩むハメになったのだろう。
私が殺していれば・…
「なんとかしてくれ。賞金稼ぎだろう?この店を守ってくれ。やってくれんなら・・・」
ムナイルは昨日の箱を出した。
「コインをやる」

私は骨董品店の近くに潜んでいた。
スピーダーがやってきた。
私は盗聴機のアンテナを伸ばした。
『それで。考えてくれたかな?』
昨日の糞議員。
『いえ、この店はやれねえ。金出すなら別だ』
ムナイルは言った。
『君ねえ。こんな店に1クレジットもやれないよ。さっさと出ていけ』
ダル議員は言った。
『そんな・・・共和国の議員がそんな汚い…』
ガチャっという音。ダルがブラスターをつきつけたのだろう。
出ていくべきか・・
いや、様子を見ろ。
『ちょっと待て…殺さないでくれ!』
『店をよこせ』
『・…』
銃声。
糞!
まただ。
迷ったせいだ。
店から人影が出ていった。
スピーダーが去った。
店内はがらんとしていた。
ムナイルはいない。
・・・迷ったせいだ…
昨夜同じ失敗をしてるではないか・…

私はスピーダーで街を飛んだ。
ダル議員のスピーダーがあった。
奇跡だ。
見つけられるなんて…
だが、数秒後、見つけなければよかったと思うだろう。
スピーダーの窓からなにか投げ出された。
頭だ!
生首だ!
ムナイルの生首が落ちていく。
糞!
自分を殺したい。
全て迷いのせいだ。
自分の背中を押すものさえあればあんなことにならなかった。
糞!
昨夜の屋上で殺しておけば…先ほど銃が出されたときに店にかけこんでいれば・…
糞!
愚かだ!
グラン・ヴェルト、貴様は・・…

クズだ。

私はコインを取り出した。
…・
私はここで考えた。
コインに裏表がある。
これで全て決められれば。
そうだ。
これを使わせてもらうぞムナイル。
このコインで2度と過ちを犯さない。
表と裏で、全ての決断を・…

私がコインを決断に用いる理由。
これなのだ。
決断を迷わないため。
自分の背中を押す為のもの。
遅すぎないように。
迷わないように・…

コインが私の手の上で裏を表した。
裏・…これは…そう、殺しを実行するサイン。
私はブラスターの引きがねを引いた。

END

----------
あとがき

BHのキザ紳士、グラン・ヴェルトのエピソード。
セブンがコインにケチをつけたのでコインにまつわるエピソードを書きました。
コイントスの理由が理解できればと・・・


[371] (無題) 投稿者:sss v9mlBFYuSck (2006/06/14(水) 19:56 uvup.7RxXTg)

tie

コールの過去
まだ彼が帝国に入ったばかりの頃・・・


「これと、これとあとこれも・・・」
彼は帝国の新米パイロット、コール・ファーだ。
「よくきてくれるねぇ。今日はいつにも増して買ってるけど」
店員の一人がしゃべりかける。
「今度の新型タイインターセプターのパイロットになれたんだよ」
コールは笑みをうかべてレジに向かった。
「新型工具セットに、改造パーツ一式。1500クレジットだよ」
彼は金を取り出すと、宇宙港にいそいで、この雑多な惑星を後にした。



彼の故郷の惑星ハルウについた。この惑星は帝国の巨大な宇宙基地や、造船所がある。その近くの、自分の家に帰ってきた。
久しぶりの家。彼は工具や部品を、荷物に入れ始めた。明日から、また勤務が始まる。そのとき、彼の後ろに一人の男が来た。彼の父、ハルーだ。
「いまさら何をしに来た。帰れ。」
コールが言った。
「私は反乱軍に入ってね。おまえにスターデストロイヤーの事や帝国の企業機密なんかを聞きに来たのだよ。」
ハルーが傲慢に言った。
「知らん。それにそんな事では戦いはできない。」
コールは鋭い目つきでいい,また工具をいじり始めた。
「タイパイロットは1人でも消えた方が良いからな。消えろ」
ハルーがブラスターを向け、コールにねらいを定めた。
そのとき、コールの手に握られたブラスターがレーザーを吐いた。
ハルーは倒れ、うつぶせになった。
もう、この家に帰ってくる事もないだろう。
彼はスターデストロイヤーの停泊する宇宙港に急いだ。
俺が、帝国の敵になる者を全員殺してやる―

あとがき
またまたコールの話です。ティルファングには絵を描くひとが多いという事だったので、家族とは決別の道を選んだという設定にしました。まあその辺が彼の暗さ(?)の原因と考えてください・・・。


[372] (無題) 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/06/14(水) 20:11 PqJdTrWsntA)

anakin_solo

短編集ISカット
短編1・暗黒卿の誕生

怒りがこみ上げてくる。
ただ呆然と立ち尽くす。
なのも残らない。
何も残さないから。


いつものように、自由な日々。
喜びとは、ここにあった。
この世のすべてがここにある。
ソウ思えた。
家族や家のない人のための施設・コルサントステーション。
ここは、みんなが家族だった。
幸せな日々・自由な時間・・・・・
しかし、いつからか不満があった。
いつもソウなのだ。
何かを必ず求める。
飽きるとまた何かを求める。
欲望がとまらない。
今度ほしいと思ったのは、ここの平和ではなく、ここだった。
ここで暮らす一人ではなく、ここの支配者になりたい。
無理と知りつつ、求めてみる。
翌日ーーーーー

怒りがこみ上げてくる。
ただ呆然と立ち尽くす。
なのも残らない。
何も残さないから。
目の前には、燃えたコルサントステーション。
仲間を探した。
声が聞こえる。
生き残った人はいた・・・・
違った。
また声が聞こえる・・・・
また違う
一回ごとに不安と期待が胸を埋め尽くす。
うそだ、コレはうそだ。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
!!!!!
ようやく一人見つけた。
嬉し涙すら出た。
声をかけようと走る。
生存者もこっちを振り向いた。
何かいおうとしているーーー
そして。
瓦礫が振ってきて、男に当たった。
直撃した。
生存者はつぶれ、無残な姿になった。
生存者を見つけると、絶対こうなった。
おかしい。
また生存者を見つけた。
見たくないと、立ち去りかけたそのとき。
生存者はこういった。
「やったのはすべて俺だ。」
ソウ聞こえた。
男は笑っていた。

怒りがこみ上げてくる。
ただ呆然と立ち尽くす。
なのも残らない。
何も残さないから。

叫びたかった。
何かが来た。
力だ。
喜びだ。
この世のすべてが今手に入った。
私は男にひざまずいた。
力を与えてくれると信じて。
そして私は名前をもらった。
私の名は・・・・
ダース・シディアス。
この世のすべてを手に入れてやる。
この男を利用して。
もう誰も信じない。
私は笑った。


[373] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/06/14(水) 21:59 q/Cs8lYyebQ)

battle_master

「黄色」

コム・アスターは筆で絵の具を混ぜた。
黄色だっていろいろある。
きつね色の黄色。
レモンっぽいやつ。
それに俺にしか作れない色もある。
名前は知らないが綺麗だから描いてるこの黄色の花。
他の生徒は外で遊んでる。
こんな天気のよい日にこんなことやってるのは俺だけ。
つーか、ボールで遊んで面白いのかね?
まあ、人の好みだからよし。
周りから見れば、絵なんか面白い?
って言われる。
いつもだ。
描けば描くほどうまくなる。
描けば描くほど嫌われるし、馬鹿にされる。
「また、おかしなコムちゃんはお絵かきをしてるでちゅか?」
「キモ!」
「ほんとだよな。行こうぜ」
ふう。馬鹿な人間ばかり。
芸術の芸の字も知らないアホ。
あんなやつら反乱軍に殺されちまえ。
反乱軍…
ひどいやつらだ。
帝国の今のやりかたも問題有りかもしれない。
だが、あんなテロリスト集団・…
時間だ。
帰るとしよう。
コムは画材を片付けた。

帰り道もコムにとっては地獄だ。
近所の子供、ガキ。
皆そろってコムを馬鹿にする。
我慢できない。
それでもコムは前向きだ。
いつか自分と同じような芸術家の集まるところに行くのだ。
こんな田舎は・・・全てじゃない。
母さんがおかえりと言ってくれた。
母親は偉大な芸術家だ。
いつも言ってくれる。
”黄色のような人間になりなさい”
意味はまだわからない。
だが絵を習得する上で黄色の姿を知るだろう・・
今わかってる黄色というのは・・・
”明るく、どんな色とも合う”ということだ。
明るい人間で、どんな人間とも相性がいいように・・・
どんな人間?
無理だ。
腐った人間といい関係はつくれない。
コムは部屋で画材を広げた。
黄色い花の続きだ。
母さんがご飯のため呼ぶまで描いていよう。
父さんはまだ仕事かな。
帝国軍の整備士。
パイロットだったころもある。
TIEファイターは大好きだ。
物心つくころからあの戦闘機を見てきた。
パイロットも悪くない。
灰色というのが気に入らないが。
…そうだ、もしパイロットになったら愛機を黄色に塗ろう…
そのときだった。
異変に気づいた母親が飛んできた。
「逃げるわよ!」
「え?どうしたの?」
母親は聞いてなかった。
命がかかってるらしい。
コムは絵の具をひっくりがえしたが気にせず、部屋を出た。
家に火がついていた。
どうして・・・・・・
火はどんどん広がる。
隣の家も同じだった。
放火?単なる事故?
どっちにせよ黄色い花を描いてる邪魔をされたのが気に食わない。
母親は銀行の通帳を持って、その他大切なもの全てを持ち出した。
コムの大切なもの・・
手に持っていた黄色い花だった。
父の声だ。
近くの整備工場でもなにかあったのか・・・
父さんは母さんとコムを連れ出した。
どこに向ってるのか…・
住人は皆飛び出した。
赤い空にはX字型の戦闘機の大群。
Y字の戦闘機は爆弾を整備工場に落した。
あれが反乱同盟軍・・…
母さんがつまづいた。
「エリー!」
父さんは母さんを起こそうとした。
そのとき、父さんにレーザーが当たる。
「父さん!!」
コムが叫んだ。倒れる父さん。
母さんは足をくじいている。
コムは黄色い花を手放した。
ひらひらと落ちる花。
母さんに光弾が当たった。
ウーキー族が武器を持って走ってくる。
あの忌々しい非人類め。
人間の銀河になぜいるのだ?
コムは怒りの声をあげた。
花は地面に落ちた。
ウーキーは銃を乱射している。
コムが突進する。
そして・・
ストームトルーパーが猿人を撃ち殺した。
「大丈夫かい?」

あれから何年たったのだろう。
TIEファイターパイロットになり、TIEを黄色に塗った。
そして今は……

新共和国となった反乱軍と正面から対決するのだ。

見ていろよ愚か者。
非人類。
暴力者。
犯罪者!

殺してやる


―――――――――
ティルファングのコム。
今回は黄色のTIEの誕生秘話。
また絵描きですみません。
真似じゃないんですよ。
ティルファングの初期からコムは芸術家ってわけだったんで・・・
なんか魑魅さんのと同じような流れですが、皆反乱軍へ復讐を燃やしてるというわけで・・・・


[374] (無題) 投稿者:ハンダース=ロクダー卿 edsdgQ5BOgA (2006/06/16(金) 14:50 ZPFN3PxNWW.)

jarjar_kaadu

 オリジナルストーリー『暗黒卿の遺産』
    
    第1話 片目

惑星ホス―上質な絨毯の様な一面の雪に、
時折巨大な氷山が立っているだけの殺風景な辺境の惑星である。
そんな極寒の星に何年も前からそこに住み続けている2人のジェダイがいた。
むしろ住み続けているというのは間違いで、
一歩外の星に出れば帝国に見つかってしまうため、住み続けるしかないのだ。
2人の名はコールとザード。
二人は師弟の関係に当たり、ホスの中でも辺境にあたる場所に小さな小屋を建てて暮らしている・・―

雪の中、青年を乗せたトーン・トーンがかけていく。
やがて小屋に着くと、青年はトーン・トーンから降り、師の名前を呼んだ。
「マスター・コール。マスター・コール!」
しばらくして、小屋の中からヤギの鳴き声のようなしわがれ声が聞こえてきた。
「合言葉は?」
若きジェダイ、ザードはもううんざりだというように顔をしかめ、こう言った。
「もうやめにしません?合言葉なんて作っても帝国軍はドアをノックしたりはしないでしょう。」
「いいや。だめだ。さあ早く。合言葉を・・。」
マスター・コールがさっきよりも少し声を荒げて言った。
「クリスタル。・・本当にもううんざりだ・・。」
ドアがガチャリと開き、しわくちゃの片目のつぶれた老人が顔をだした。
マスター・コールは声もヤギに似ていたが、長い山羊髭といい、顔もどことなく山羊に似ている。
服装は簡素だが暖かそうなシャツとズボンの上に、だいぶ汚れた白いマントを羽織っていた。
彼がいうには白いマントを着ることで体が雪にまぎれて敵に見つかりにくいそうなのだが、
ここまで汚れているとその効果は期待できないだろう。
「お入り。」
マスター・コールが言った。
小屋の中は赤いカーペットが敷かれていて、奥に丸テーブルがあり、
部屋の壁際には暖炉がある。そこでは火が煌々と燃えており、それを囲むようにソファが2つ置かれていた。
今時にしては質素な小屋で、ハイテクな物は一つも無かった。
ザードは部屋に入ると、暖炉のそばのソファの一つに座った。
このソファはマントと同じように今はずいぶん汚れているため黄土色だが、元々は明るい黄色だった。
「本当にいい加減やめましょうよ・・なんでそんなに合言葉を大切にするんですか?」
ザードが身を乗り出して暖炉に両手のひらをかざしながら聞いた。
「・・それにはちゃんとわけがあるのだ。」
コールが暖炉の前のもう片方のソファに腰掛けながら、思慮深そうな顔で返答した。
「そうやって何年も前から教えてくれないじゃないですか。」
ザードが不満そうに言った。
「・・フム。そろそろ話してやってもいいかもしれん。聞きたいか?」
「はい。」
「・・そうか。そのことは私の片目が光を失ったわけと密接に関係している・・。あれはたしか・・何年前だったかのう・・」
その時だった。コンコン・・という音が小屋の中に響いた。
ドアをノックする音だ。
「・・帝国軍・・!?・・いや・・そ・・空耳かもしれない・・。」
ザードが腰のライトセイバーに手をかけながら言った。
コールは稲妻に打たれたような顔をしている。
「・・帝国の奴等なら問題ない・・2,3人ならなんとかなる・・・だが・・・やつだったら・・」
コールがボソッとつぶやいた。
「やつ?やつって誰ですか?マスター?」
自分の師の今までにない慌てぶりに驚きながら、ザードが聞いた。
「・・今から話そうとしていた奴じゃよ・・私の片目を奪ったダークジェダイ・・ラルナック・・」
再びコンコン・・という音が小屋にこだました。
もはや空耳ではないのはあきらかだった。


[375] (無題) 投稿者:XT-72 OFZAWR1dL8E (2006/06/15(木) 20:04 zI5L6Qbb2p.)

trooper

オリジナル小説
『ただの軍人』


「はぁ…」
彼は個室でため息をついていた。
家族の期待を背負ってアカデミーに入学し、そこそこの成績で卒業した。
前途洋々かと思われたが…待っていたのは辺境宙域での検問や、
パトロールだけ、という退屈極まりない毎日だった。
彼、パルト・クラッセンは軍人である父に憧れ、帝国アカデミーを目指した。
生まれはコレリアだったので入学には相応の苦労はあったが、特に問題もなく入学し、
4年間、兵員管理、戦闘機操縦技能、戦闘兵器操縦技能、戦略などを学んだ。
卒業した後は、どこに配属されるか待ちわびていた彼だったが、通知の中身は
<拡張領域パトロール隊 配属先:コメナー>というなんともスリルのかけらも無いところだった。
もちろん、前線送りは希望していなかったし、はずれのはずれであるケッセル勤務よりは
数段マシであることは言うまでも無かったが、やはり退屈なことには変わりはない。
同期生の中にはエリート・ポストであるコルサント防衛艦隊や、デス・スターに配属されたものも多く、
彼は焦燥と劣等感にかられていたのだった。
しかし、そんな気持ちを抱いたとしても、この巨大な帝国軍の中では、どうしようもない…
それに、デス・スターやコルサント防衛艦隊へ行くのに必要なのは、高級ポストの親のコネ、
優秀な成績と身体能力、そしてなによりも上官への絶対服従…この3つとも無い彼にはどうしようもなかった。
「まぁ、あせってもしょうがない。 今ある仕事をやるだけさ…」
彼は誰にともなくそうつぶやくとホロパッドを持ち、
いつものように定時報告のためにパトロール艦のブリッジへと向かった。
ブリッジではいつものように艦長が椅子にふんぞり返って頬杖をつき、
乗員達がインターフェイスパッドに向かって黙々と仕事をしている…

はずだった。

一目見て彼が感づいたのは、あのふんぞり返っているはずの艦長が柄にも無く慌てていると言う事だ。
それだけではない、ブリッジ全体に落ち着きがなくなっている。
彼は士官の一人に質問してみた。
「何があったんですか?」
そうするとその仕官は鳩が豆鉄砲を食らったような顔で言った。

「確かではないが、デス・スターが破壊され、モフ・ターキンはじめ多数の戦死者が出たそうだ…」

一瞬前にはきょとんとしていた本人が豆鉄砲を食らった顔になってしまった。
帝国の力の象徴とされ、多くの軍人の憧れとなっていたデス・スターが壊された…
しかも破壊したのはたった33機の戦闘機と、1機の違法改造のYT-1300貨物艇だという。
(あのハン・ソロが一役買ってたのか…)
コレリア出身である彼はハン・ソロのことも知っていた。
友情のために軍籍を蹴った彼は、コレリアンの間ではならず者の英雄だった。
その彼が反乱軍に協力した…彼にとってはちょっとショックだった。
このとき、彼にははじめて「野心」が芽生えた。
(あのハン・ソロを超えてみたい…)
そのチャンスは、以外にも数ヵ月後に、人事異動という形で訪れることになる…


[376] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM [Web] (2006/06/16(金) 19:32 ZeNHixmi89A)

anakin_solo

空の王者 第一章

「敵に近づいているぞ、ダヴィシャン」
ヴァラムはクローンパイロットに言いながら、自分の宇宙船、新型ジェダイスターファイターを操縦しながら敵に向かっていく。ここは惑星マイギート、極秘任務の真っ最中だ。少数のクローンパイロット部隊を率いながらヴァラムは敵の駐屯基地へ飛んでいく。今はクローン戦争が始まり三年過ぎた。相変わらず、戦況は厳しい。先日、グリーヴァス将軍率いる分離主義同盟が共和国軍の首都コルサントを攻撃した所だ。市民は皆、戦争に負けると思っている。その通りになるかもしれない。昨日も共和国を脱退し、分離主義同盟に加わる惑星が出た。だが、現在は任務の真っ最中、任務に集中しなければならない。敵の駐屯基地にはクローンだけに感染するウイルスを入れた容器があるとスパイから情報が入り、それを破壊しに行くところだ。現在は右にARC-170が六機、左にV-ウイングが6機、ちょうど一中隊分の宇宙船だ。眼下には惑星マイギートの氷河が見える。もうすぐ敵の駐屯基地に着く。
「将軍、あと10キロで基地につきます」とダヴィシャンが報告してくる。
「ああ、わかってる。全員戦闘準備をしろ、今日の任務は重要だ。だが、本当に容器があるか確かではないがな」微笑を浮かべ、少し心配しながらヴァラムは言う。全てはフォースの導きに従えば良いだけだ。フォースが彼の中を流れる。あと、3キロだ。基地が見える。
「行くぞ、ダヴィシャン」
クローンパイロット中隊の隊長である彼に言い、更に加速し、飛んでいく。あと1キロ・・・・・・
肉眼でちゃんと見える、分離主義同盟の基地、もうすぐだ。
突如、戦闘機が揺れる。
「敵の攻撃だ。回避しろ」と冷静に彼はクローンパイロットに司令を出す。この戦いに負ける事は無い。彼はフォースと調和したからだ。何も心配しなくて良い。フォースが彼を動かす。フォースに全て任せれば良いだけだ。右に少し寄る。ヴァラムの戦闘機が居た場所にレーザービームが浴びせかけられる。あと1秒遅かったら彼は死んでいた。敵の宇宙船の上を旋回する。爆発音が聞こえる。ARC-170が爆発したようだ。
「俺に続け、隊列を乱すな」とヴァラムは言い、少しずつ敵の基地に近づく。今は九機が撃墜され、残っているのは三機だけ、その三機が彼に続く。レーザービームの数が倍に増える。また二機撃墜された。
「大丈夫かダヴィシャン?」焦りながらヴァラムは聞く。
「ええ、将軍、大丈夫で―――」そこで爆発音が聞こえる。彼もやられたらしい。もう自分しかいない。レーザービームが雨あられのように飛んでくる。さすがに回避できない。
「こりゃ、ヤバイな」一言呟く。シールドの耐久率が10%に下がる。突如爆発音が聞こえる。それと炎と闇。
闇が広がる。どこまでも長く。
彼の意識は無くなり、自分の愛機と共に基地に落ちていった。

第二章へ続く


[377] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM [Web] (2006/06/16(金) 19:32 ZeNHixmi89A)

anakin_solo

空の王者 第二章

ここは何所だ?俺は誰だ?彼はまわりを見回す。俺はヴァラム、そうだ。宇宙船が墜落したんだ。彼のまわりには戦闘機の残骸、200メートル程離れたところにバトルドロイドだ。自分の腰に手をおく。ない。何所だ?ライトセーバーがない。敵は近づいてくる。
「フォースを使うか・・・」呟きながら準備する。フォースでドロイドを吹き飛ばすつもりらしい。ヴァラムは構える。ドロイドがレーザービームを撃ってくる。すぐ隣にあった戦闘機の残骸が爆発する。ヴァラムは空を飛び、5mほど吹っ飛ぶ。その時、目のはしに光るものが見える。ライトセーバーだ。すぐにヴァラムはライトセーバーを取り、静かに起動する。おなじみの音が流れ、水色の光刃が敵を切り裂く。ダンスをしていろように軽やかに敵を倒していく。ライトセーバーをくるくるまわし、バトルドロイドをいとも簡単に切り裂いていく。どのレーザービームもライトセーバーで跳ね返され、ヴァラムには到達しない。フォースに完全に浸っているとき、フォースが警告する。ダークジェダイだ、と。彼はふりむく。そこには一人の人間がたっている。
「お前は誰だ?ダークジェダイか?」
ライトセーバーを向けながら、ヴァラムが聞く。
「俺の名はゾアダだ。そして、お前を殺す者さ」
答えた瞬間に彼は動いた。ライトセーバーを起動し、ヴァラムに近づいていく。彼の光刃の色は赤、シスの象徴だ。ヴァラムはとっさにかわし、難を逃れたが、ゾアダはまた攻撃してくる。光刃を何度も交わしながらヴァラムは問う。
「お前は一体何者だ?赤い光刃を使う、シスか?」
「いいや、違うさ、俺は賞金稼ぎだ。死んでもらおうか」と言い放つと彼は攻撃をしかけてくる。何度も光刃は交わり、離れ、また交わる。戦い始めて何時間たっただろうか?他の敵は現れないのか・・・・・・ 不安を募らせながらゾアダとヴァラムはたがいに戦う。ヴァラムの光刃が飛び、ゾアダがヴァラムの喉元に光刃をつきつけたとき、共和国軍のガンシップが十機、雲の隙間から現れた。ゾアダの行動は素早かった。すぐにヴァラムから離れ、基地にある。長い穴へ入っていく。ヴァラムは追いかけようとしたが、ゾアダとの戦いで体力を消耗していた。すぐにガンシップは地上に降り立ち、ヴァラムの所に駆けつける。
「大丈夫ですか?将軍」クローンコマンダーは聞く。
「ああ、大丈夫だ。敵に逃げられたがな・・・・・・、これはヨーダに報告しないとな」と呟き、ガンシップに乗った。ガンシップは上昇し、雲に入るか入らないかぐらいの高さに来るとガンシップに積んであった爆弾を落とし、その場を去った。こうして、この任務は成功したのだった。

第三章へ続く


[378] (無題) 投稿者:ハンダース=ロクダー卿 tEQY0c/In62 (2006/06/16(金) 15:49 ZPjDvyh4Oy.)

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『暗黒卿の遺産』 
 第2話 過去

ドアのノック音が三度部屋に響いた。
コール弟子の見ている手前平静を装おうとしているが、
びっしょりと汗をかいているのをザードは見逃さなかった。
そしてコールはゆっくりと立ち上がると、言った。
「・・・わしが出よう。お前はどこかに隠れていろ。」
「隠れていろ?僕も戦います。もう子供じゃありません。」
ザードも椅子から立ち上がり反論する。
「それじゃあ聞こう。お前はわしにかなうか?やつはわしと同じぐらいの実力を持っておるのだぞ。」
「・・・かないません。マスター。」
ザードが残念そうにつぶやいた。
事実コールとはライトセイバーの稽古で何回か戦ったことがあったが、まるで歯が立たなかった。
「そうだろう。なら例の部屋に引っ込んでいろ。」
コールが満足そうに言った。
例の部屋というのは、もし敵が来た時に隠れるための地下室である。
「はい・・わかりました。」
ザードは少しは自分の意見も少しは尊重してくれてもいいじゃないかと思いながら、
暖炉の脇の壁を軽く叩き、自分の名を小声で言った。
するとその部分が突然開き、地下への階段が現れた。
この小屋の唯一のハイテク技術である。
ザードが階段を下りていくと、入り口は勝手に閉まり、また壁にしか見えなくなった。
「・・まぁこれで、ザードの事は一安心だな・・」
老いたジェダイ・マスターはそうつぶやくと、ライトセイバーを片手にドアの方へ歩いていった。
一方ザードの方は、いかにも不機嫌そうな地下室の壁にもたれかかっていた。
ザードが不機嫌なわけは三つあった。
一つは合言葉の話を聞き損ねたこと、
二つ目は自分は戦わせてもらえないこと、
そして三つ目はこのじめじめした地下室のことだった。
地下室には上のような明るさと清潔さは微塵も無く、古風な石造りの、狭い部屋だ。
脇に細い通路が伸びているが、これは脱出用の通路らしい。
そういえば何年もこの小屋に住んでいるがこの通路の先は行ってみたことが無い・・
「・・・!」
そんなことを考えていた時だった。上の階から声が聞こえてきたのだ。
ザードは耳を澄まし、その声を聞いた。
「久しぶりだな・・コール・ドラス。」
聞いた事の無い声だ。間違いない。来訪者はラルナックだったのだ。
「ラルナック・・!」
そのコールの声に、ザードは驚いた。
その声は、いままで聞いてきたマスター・コールの声とはかけ離れた憎しみに満ちた声だった。
その時、ザードはなぜマスターが十分戦力になりえる自分を隠れさせたかを知った。
コールはおそらく自分が憎しみに身を任せて戦う様を弟子に見せたくなかったのだろう。
「覚えていてくれたか。俺はてっきりお前が忘れていたと思ったぞ。」
ラルナックが言った。からかうような調子の声だ。
「忘れんさ・・自分の兄弟弟子に殺されかけるなんてことを忘れると思うか?」
コールがさっきよりもさらに憎しみに満ちた声で言った。
「・・兄弟弟子?」
ザードがつぶやいた。
「お前は私たち3人の中で一番劣っていた!だからその劣等感を付け入られ闇に堕ちた!」
コールが吐き捨てるように言う。
「そうだ。その通りだ。そして自分の師を殺して・・兄弟弟子を一人殺した。
そしてお前を殺しにかかったんだよなぁ・・」
コールとは対照的に、ラルナックはあざ笑うように話す。
「次は片目だけじゃすまさんぞ・・コール・ドラス。」
ライトセイバーを起動する音が二つ聞こえてきた。
ザードは暗い地下室で会話の意味を考えていた。


[381] (無題) 投稿者:ゼイド k7hS68HPbNM [Web] (2006/06/17(土) 16:12 ZeNHixmi89A) [SAGE]

anakin_solo

空の王者 第三章

ヴァラムはガンシップの中で瞑想していた。あのゾアダとは何者なのか、賞金稼ぎと名乗っていたが赤いライトセーバーを使う・・・・・・ グリーヴァスのように半ドロイドなのか?これはヨーダに伝えなければなるまい。偉大なるマスターに。
「将軍、もうすぐヴェネター級スターデストロイヤーの近くに来ます。キ=アディ=ムンディ将軍と行動を共にするのですか?」クローンコマンダーは聞く。
「いいや、ジェダイカウンシルに直接伝えなければならない事がある。キ=アディ=ムンディ将軍にここは任せよう」
ヴァラムは言い終えるとさっさとガンシップを降り、宇宙船を借りて飛び立っていった。無限に広がる宇宙空間、ヴァラムは共和国軍の宇宙船、V-ウイングスターファイターに乗り飛んでいる。もうすぐ、惑星マイギートから離れる。惑星マイギートは宇宙から見れば綺麗だ。フォースが何かを察知する。

以下未投稿


[382] (無題) 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/06/17(土) 16:27 PqJdTrWsntA)

jacen

ジェットチーム
封印

オレは誰だ?
ここはどこだ?
何が起こった?
俺は今何を言っている?
オレはありったけの記憶をたどった・・・・・・・


ソウだ。
オレは・・・・・・



コルサントにいた。
オレは・・・・・・


ジェダイだ。
いや・・・・ジェダイだった・・・か?


任務にイって・・・
確か、女にあった。
任務に行く前に。
女に連れられて、俺は・・・・・どこに行った?
深い森・・・だったか?
その間に何かあったような・・・
悲しい何かが。
そのあと・・・・・・・森で俺は何をした?
いや・・・・・それ以前にここはどこだ?
ここは・・・・・どこだろう?

近くに何かある。
何て名前だ・・・?
何か書いてあるな。
JEDISTARFIGHTER・・・・・?
読めない。
さっき思いだしたけど・・・・・
ジェダイってなんだ?




なぜだか・・・・・・
コレの操作方法は覚えている。
名前もわからない・・・・・・
おれ自身の名前さえも。
っデモオレは旅に出た。
はじめは・・・・・・
コルサント。
なぜかそれも覚えている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


[383] (無題) 投稿者:ハンダース=ロクダー卿 tEQY0c/In62 (2006/06/18(日) 10:52 iHrpoLv84wo)

jarjar_kaadu

『暗黒卿の遺産』
第3話 逃亡

それからしばらくは何も聞こえなかった。
いや。何か言ったかもしれないが、ザードの頭は師匠の過去のことでいっぱいだった。
そして、ふいにラルナックが静寂を破った。
「・・行くぞ・・!」
ラルナックがライトセイバーを振る音と、コールがそれを払う音が何度か続く。
そして光刃が交わる音・・鍔迫り合いだ。
何秒たっだだろうか。いきなり暖炉の火の音が大きくなり、ギャッというの悲鳴が聞こえてきた。
間違いない。どちらかが鍔迫り合いをしながらも、暖炉の炎をフォースで操り攻撃したのだ。
そして床を歩く音・・ライトセイバーを振り上げる音・・うっといううめき声・・
次の瞬間、小屋中に閃光が溢れた。
その後に荒い息。そして聞こえて来たのは・・ラルナックの高笑いだった。
「・・嘘だ・・!」
ザードがつぶやいた。そんなバカな。師匠が負けたのか?
・・だが何か妙だ・・なんだか妙に苦しそうな高笑いだ・・まさか。
「・・とどめだラルナック。」
しわがれ声がした。そしてドスッという鈍い音・・高笑いが止まった。マスターが勝ったのだ。
ザードはため息をつくと、安堵の表情でその場にへたり込んだ。
しばらくすると、たった今戦いに勝利を収めたコールが地下室に降りて来た。
「マスター!やったんですね。」
ザードが嬉しそうに言う。
しかし、コールはなにやら険しい顔だ。
「ウム。だが話は後だ。奴が死ぬ直前に帝国軍をよんだ。ここから逃げるぞ。」
そういうとコールは横に伸びた通路に入っていき、ザードもその後に続いた。


[384] 暗黒の誘惑番外編 投稿者:Y 9AY/oks7XrQ [Mail] [Web] (2006/06/24(土) 19:32 BHKT32UfpoA)

polis_massan

「仮面」

惑星ジオノーシスは、かつてクローン大戦が始まった場所である。そしてこの惑星に住んでいるジオノーシアンの大半がバクトイド・コンバット・オートマタ社や独立星系連合に関与していたことから、戦犯として帝国に捕らえられたり処刑されたりしたものの、残された僅かな者達が小規模な社会を作り上げ、同時にこの惑星へと移住した人間達がこれとは違った社会を形成していた。そして、帝国の崩壊後には人間達が作った宇宙港には新共和国の目から逃れたがっている多くの犯罪者がはびこり、その治安は日に日に悪くなっていた。そして、そんな場所の路地裏に、10人ほどのダーク・ジェダイが集まっていた。彼らは赤い刃のライトセーバーをスタンモードにセットして先頭の練習をしており、彼らのリーダーだと思われる人間のダーク・ジェダイがその様子を見ながら時々アドバイスをしていた。
「ゼルス、守ることに気を取られすぎているぞ。もっと積極的に攻めろ」
「はい、ブラティスさん」
その時、通りの方から黒いフード付きのローブを付けた2人組の男が現れた。片方は身長180センチ弱ほどの人間、もう片方は身長170センチほどの赤いザブラクだった。そして、人間の方がダーク・ジェダイの集団のリーダーに話しかけた。
「最近ジェダイ騎士団への攻撃を企てている、ナイトメアナイツとはおまえたちのことか?」
「そうだ。そして俺がそのリーダーのブラティス・ゾヌロだ。だが、俺達の素性を聞くのなら、先に名乗るのが筋ではないのか?」
「そうだな。俺の名はセドリック・エドガー、そして俺の後ろにいるザブラクはオーガン・ドマホン、俺の部下だ」
「・・・・・なるほど。で、用件は何だ?」
「おまえ、パルパティーンが遺言で隠させていたホロクロンやクリスタルを盗んだだろ。それを返してもらおう」
「おいおい、何でお前なんかに渡さなきゃならないんだ?まさかお前がパルパティーンの亡霊か何かだなんて言い出すんじゃないだろうな」
「俺はパルパティーンの魂の意志によって任命されたシスの暗黒卿、ダース・サバタスだ」
「ほら来た。パルパティーンの遺品は掘り出し物揃いだからな。その手の詐欺なら耳にたこができるぐらい聞いたぜ。おまえさん、俺達の強さを分かって言っているのか?おい、例の物を出せ」
「はい」
ブラティスの部下がなにやら大きな袋を取り出し、中身を地面にばらまいた。それは、動物の骨か何かで出来た、何十枚もの仮面だった。
「何だこれは?」
「カリーシュの仮面だ。昔カリーシュの傭兵部隊を潰したことがあってな。これはその時の戦利品って訳だ。これで俺達の強さが分かっただろう」
「ふん、どうせ相手はフォースが使えない雑魚だ。ところで、奇遇なことに俺も倒した相手の戦利品を奪い取る癖がある。オーガン、例の物を見せろ」
「はい」
オーガンは肩から提げていた黒い鞄を空に向かって投げ、その中身が地面へとばらまかれた。それは、ブラティスが見せたカリーシュの仮面よりも明らかに多くのライトセーバーだった。
「言っておくが、これを手に入れるときにオーガンは一度も手を貸していない。これで俺の強さが分かっただろう」
「だ、だからどうした。実力で決めればいいだけだ」
ナイトメアナイツのダーク・ジェダイ達は一斉にライトセーバーを起動した。
「やれやれ・・・・・」
サバタスは彼らを呆れた目で見ると、ベルトから何かをごそごそと取り出そうとした。そして、次の瞬間には、ナイトメアナイツのダーク・ジェダイの一人が、胴体と首を真っ二つにされていた。
「ゼルス!おまえ、一体何をした?」
「教えてやろう。これが遙か昔に忘れ去られた幻のフォーム、ティラだ」
ブラティスはかなり驚いた様子だったが、部下達に物陰に隠れるように合図しただけだった。同時にサバタスも、オーガンに隠れるように合図した。そして、2つの赤い光が激しく激突し、近くに置いてあったものはことごとく切り刻まれ、血のような赤い光に満たされた。しかし、ほんの僅かな隙が勝負を分けることになる。サバタスが一瞬ライトセーバーに気を取られた隙にブラティスが強烈なキックをお見舞いし、体勢が崩れた彼をフォースで吹っ飛ばしたのだ。サバタスは近くの工事現場の資材に激突し、ブラティスは彼の上に何本もの鉄骨を落とした。ブラティスの部下達から、歓喜の声が上がった。
「やりましたね、ブラティスさん!さすがのあいつもこれであの世行きでしょう」
その時、鉄骨の下から怒りのこもった声が響いた。
「確かに、大抵の人間ならこれでお陀仏だろう」
いきなり鉄骨が青い電撃によって吹き飛び、下から血だらけになったサバタスが出てきた。
「ずいぶん派手にやってくれたな」
「うるさい!どうせおまえは虫の息だ。これでとどめを刺してやる!」
ブラティスはライトセーバーを高々と掲げ、サバタスに斬りかかった。しかし、次の瞬間に斬られていたのはサバタスではなくブラティスの方だった。両腕を失ったブラティスの体はバランスを崩し、ドサリと倒れ込んだ。
「くそ!こんな力があるなんて・・・・・」
「さあ、パルパティーンの遺品を返してもらおうか」
この時、ブラティス達はようやく理解した。目の前にいる相手は紛れもなくシスであり、逆らえば確実に命はないということを。
「そうだった・・・・・いや、そうでしたね、サバタス卿」
「それでいい」
ふと、サバタスは近くの建物の窓に映った自分の顔を見た。彼の顔は目も当てられないほど傷だらけになっていた。
「さてと、何か戦利品をもらおうか」
彼はブラティスの部下が地面にばらまいたカリーシュの仮面の中から、一番位が高い人物のものだと思われる最も大きな仮面を拾い上げると自分の顔に付け、他の仮面を粉々に踏みつぶした。
「もう一つ渡してもらおうか」
「何でしょうか?」
「ナイトメアナイツの支配権だ。ナイトメアナイツは正式な帝国直属のダーク・ジェダイによるオーダーとなってもらおう。すでに確実に共和国に見つからないようなアジトを用意してある。そこでおまえ達は修行を積み重ね、ジェダイを打ち破るための鉄槌となるのだ。これもパルパティーン陛下の意志だ」
目の前の恐ろしいシス卿の支配下に置かれることを考えると、ダーク・ジェダイ達は一斉に顔を引きつらせたが、ゆっくりと跪き、召使いが主人にするような格好で礼をした。
「はい、サバタス卿」
「おい、そこの者」
サバタスはいきなりダーク・ジェダイの一人を指さした。
「は、はい!」
「地面に落ちているライトセーバーを集めろ」
ダーク・ジェダイは震える手でサバタスがジェダイを倒して手に入れたというライトセーバーを拾い集めてオーガンが投げた鞄に入れ、サバタスに渡した。
「それでいい。さて・・・・・」
サバタスはブラティスを見下ろした
「パルパティーンの遺品はどこだ?」

ブラティスは部下に抱えられてゆっくりと立ち上がると、サバタスにパルパティーンの遺品の隠し場所を説明し始めた。サバタスとその部下達はそのままどこかへと去っていった。


[385] FME番外編というかパロディ 投稿者:灰色の騎士団 hs1tqbc4R2Y (2006/06/23(金) 23:15 Mk7Ca9ag/WI)

ewok_baby

3年E組 テ ィ ル フ ァ ン グ 先 生

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン♪
今日も始業のチャイムが学校に鳴り響き、授業が始まります。

ガラガラと教室の引き戸を開け、3年E組担任のラッキー・ロンド先生が教壇の上に立ちます。
「きり〜つ!」
クラス委員のキール・ゾセインティーくんが号令をかけます。
「礼!着席!」
生徒たちは一礼すると、ガタガタと椅子に座ります。
「みんなおはよ〜う。今日は前から出していた“航空力学のレバニラ炒めへの応用”のレポートを提出してもらいます」
先生のその一言に、生徒たちは「マジかよ〜」とか「やってね〜」とか苦悶の声を出します。
「先生」
そう言って手を挙げている勇猛果敢な少女は、転校生のユズキ・マクファーレンさんでした。
「なんだ、マクファーレン?お前は転校生だからレポートの事知らんだろう。やってなくても別にいいぞ」
ラッキー先生はそう言いますが
「いえ。私も先日、アスター君からレポートの事を聞き、書き上げようと努力しました。しかし・・・・・・」
ユズキさんはプルプルと小刻みに身体を震わせながら、一息おいて
「“航空力学のレバニラ炒めへの応用”って何ですかっ!?」
大声で先生に問います。ある意味マトモな質問でしょう。しかしクラスの一同たちは、「は?」といった具合に不思議そうな顔をしていました。
「何言ってんだ、マクファーレン?」
「ほら転校してきたばかりだから。授業の内容知らない・・・・・」
呟きあう生徒たちの声を
「どんな授業ですかっ!」
ユズキさんは一蹴します。そこでラッキー先生は妥協案を思いつきました。
「クラフスコフ、お前のレポート写させてやれ」
「分かりました〜」
そう言ってエドリアン・クラフスコフくんは鞄の中を漁ります。ところが・・・
ドサッ
そんな感じに沢山の本が彼の鞄から零れます。ですがそれは教科書などではありませんでした。女性の裸体が沢山写っている本、いわゆるエ○本です。
「オイオイ、なんてモノ持ってきてんだクラフスコフ」
先生はポリポリ頭を掻いて、めんどくさそうに本の落ちている所へ歩み寄ります。
「これは先生が没収して、自宅で大切に保管するから。安心しろ」
ラッキー先生は迅速かつ確実にエ○本を拾い、懐へ仕舞い込みます。
「せんせ〜い」
そう言って手を挙げているのはテル・ヴァースくんです。
「それは僕がクラフスコフ君に貸してた物です。だから所有権は僕にありますので、返してください」
「バカヤロー、お前らはこんなもん見ちゃいけないの!もっと女の子とときめく恋愛をしなさい」
「けど先生が先生なんで、その生徒である僕たちも女子から白い目で見られてるんですけど・・・」
「それは思い過ごしだよ。多分その女子は『ラッキー先生ってカッコイイよね〜。あの生徒にラブレター渡したら、届けてくれるかな〜』って言いたいんだよ」
「いや、ポジティブシンキングにも程があるでしょ。つ〜か自分がモテることしか考えてねぇじゃねーか!」
ワーワーギャーギャー
そんな感じに1限目は過ぎていきました・・・・・・・・

昼休みの屋上でユズキさんは携帯電話を取り出しました。







「もしもし?お母さん?・・・・・・・うん、転校したいの」


〜FIN〜


[387] (無題) 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/06/28(水) 20:08 0wPE7b1O7vQ)

corran

『銀河のエース』

序章

パルパティーンが皇帝になってから、20年経った。ほとんどの人が、あの時、パルパティーンの銀河帝国の設立に反対していれば、と思っていた。
一部の者は、反乱同盟軍に入ったが、大半は死ぬよりは生活が苦しい方がマシだ、と考えていた。
惑星コレリアにもそんな人がたくさんいた。しかし、中には、少年なのに、反乱同盟軍に入って帝国を倒そうと思う少年もいれば、帝国に入って楽に暮らしたいと思った少年もいた。
反乱同盟軍に入ろうと思っている少年、ザン・セルルカと、帝国に入って楽に暮らしたいと思う少年、ウォス・ヘイヴェン。二人が別れたとき、世界は変わった。


[389] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/06/25(日) 14:19 q/Cs8lYyebQ) [SAGE]

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「グラン・ヴェルト」

彼はグラン・ヴェルト。
賞金稼ぎでありながら、上流階級者であり、正義のヒーローである。
彼が活動を始めたのはナブーの戦いの5年前。2年後には立派な賞金稼ぎとなっていた。
コルサント警察にもコネがあり、グランは警察の情報も提供され、悪人を逮捕するという特権も与えられている。(賞金稼ぎとしても捕獲はできるが)
グランはコルサントの英雄なのだ。

コイン。このアイテムはグランに大きなものだ。
死んだ友人のかたみであり、グランの決定力を高めるための道具でもある。
表。これは成功を意味する。
裏。これは悪い決断。つまり、相手を殺したり、この計画は失敗するという警告。
グランのコインはトレードマークだった。

ギャラクシーオペラ。
グランの目の前には大富豪オットー・マクルがいる。
「私は君の職業に興味があるのだよ」
マクルは言った。「正義の賞金稼ぎという」
「ありがとうございます」
グランが軽く頭を下げた。
「しかしまあ、全ての悪人を退治できるかね?」
マクルが意地悪な笑みを浮かべる。
「さあ。私は自分にできるところまでやりたいのですよ」
グランは言った。
マクルは笑顔を見せるとシャンパンを飲んでどこかへ歩いていった。
グランは飲み物を飲んだ。あの男も犯罪に手を染めているのだろう。
後をつける価値はある。
グランは人ごみをかきわけてマクルの後を追った。
マクルもそれに気づいていたようだ。
「グラン・ヴェルトが俺に感づいた。始末しろ」
マクルはコムリンクで命じた。
グランが建物の外に出るとブラスターが飛んでくる。
「死ね!ヴェルト」
ならず者が3人、こっちに撃ってくる。
グランはすざましいスピードでそれをかわし、ブラスターを握ると光弾を放った。
3人は倒れた。
そして駐車場ではリムジン・スピーダーに走るマクルの姿。
「待て!」
グランがブラスターを放ち、スピーダーを撃った。
マクルは大急ぎでスピーダーに乗ろうとしたが足を滑らせた。
「動くな」
グランがマクルの頭にブラスターをあてた。
悔しそうな顔をするマクル。

もちろん朝のホロネットでは大富豪マクルの犯罪が報道されている。
”コルサントの大富豪 殺人 麻薬売買”
”大富豪の犯罪組織壊滅”
グランは満足げな態度でポットからコーヒーを注いだ。
マクルをムショ行きにできたのだ。
だが、喜びもつかの間、あっというまに事件は起きる。
鳴り響くグランの特別コムリンク。
「私だ」
『グラン、俺だ。ヴァンだ。すぐ警察署の屋上へ』

ヴァン・ジャックスリーは優秀な警部だ。
彼はグランとも中が良く、情報も提供している。
短い髪は茶色く、顎には髯が少々。
「やあ」
グランは屋上から街並みを眺めるヴァンの後ろから声をかけた。ヴァンは振りかえる。
「ああ、来たか」
ヴァンがファイルを持っている。
「どうした」
グランはスピーダーから降りた。
「マクルだが、賄賂を払って釈放されるかもしれん」
「警察に呼びかければいい。賄賂を受け取る警官も捕まえる」
グランは言った。
「それもあるが、ミスター・レプトルもマクルを助けようとしててな」
あの忌々しいトカゲ男め。
「ミスター・レプトルは君もてこずってるだろう?」
ヴァンは言った。
「あいつを味方につけたのならマクルが独房にいるのもあと少しだ」
ヴァンはため息をついた。
「なんとかしてみせる」
グランはコインをはじいてキャッチする。
裏。
まさかな。
彼はスピーダーを飛ばし、署を去った。

赤紫のスーツを着たトランドージャンは一人ビルの屋上で歌っていた。
「…ダーリン、ダーリン、スタンドバイミー♪」
ミスター・レプトルは笑った。
「マクルを脱獄させるかねえ。あの賞金稼ぎさんが来ないうちに」
レプトルは屋上を去った。

コルサント刑務所の独房。マクルはうずくまっていた。
「なぜ賄賂を受け取らない?」
声がかすれている。
ろくに水も飲んでいないのだ。
ボンと鈍い音がしたと思うと看守が倒れた。
マクルは目を見開いて立ちあがった。
トランドージャンと武装した男が数人。
「牢を開けろ!ひゃひゃひゃ!」
レプトルだ。
「・・ミスター・レプトル…よく来てくれた…」
マクルは言った。
「金を忘れるなよ?そのためなんだからな!」
トランドージャンの部下が牢を開けた。

グラン・ヴェルトは騒ぎを聞いて刑務所前に来ていた。
「ヴァン」
グランが呼んだ。
警部は振りかえった。
「グラン、マクルが逃げたぞ」
ヴァンが言った。
「なんとかならなかったようだ」
グランが吐き捨てるように言った。
「ミスター・レプトルの仕業だな」
ヴァンの部下が言った。
「なぜわかる?」
「これが」
警官はなにかを見せた。
トカゲの人形だった。

トランドージャンと大富豪はソファに腰かけていた。
「金は払う。だが協力してもらいたいことがある」
マクルは言った。数分前に食事もして声も元通りだ。
「なんだよ、水臭い。なんでもいえって」
ミスター・レプトルは陽気に言った。
「君もグラン・ヴェルトは邪魔だろう?」
マクルは言った。
「ああ、もちろん。やつの骨を砕きたいね」
「なら協力してくれ。やつを殺そうじゃないか」
マクルは机のワインをレプトルのグラスに注いだ。
「OKOK。いいだろう。やったる」

グランは大きく息を吸った。
「いやな予感がする」
彼は自分の部屋を行ったり来たりした。
「レプトルはどこにいる?最後にやつがいたのは廃墟だ…今度は別の場所だろう」
「俺もそう思うぞ」
グランははっとして窓を見た。
銀色のマンダロアアーマーを身につけた男が窓際にいた。
「いつからいたジャンゴ?」
グランは微笑しながら言った。
「ずっといたぞ。レプトルの居場所が知りたいのか?」
「ああ」
「悪いが俺も知らない。やつを殺したがってるクライアントはやまほどいる。俺は引きうけないがな」
ジャンゴ・フェットは言った。
「あいつを相手してるのは私だけだと?」
グランは言った。
「そういうわけじゃない。だが無理しないほうがいいだろう」
ジャンゴは言った。
「ロザッタが待ってる行かなくては」
「あのトイダリアンか?」
グランは笑った。
「ああ、じゃあな」
ジャンゴはジェットパックを使って窓から飛び立った。
「…」
グランは咳をすると部屋を出た。

警察のスピーダーがサイレンを鳴らしてスピーダーバイクを追っていた。
白いバイクに乗っているのはまた白い女性だ。
ワンパ・ガール。
白い特殊スーツの上にところどころワンパの毛皮を見につけている美貌の怪盗。
「止まれ!」
警察は言った。
「いやだね」
ワンパガールはブラスターを2、3発撃った。
バイクは猛スピードで走り、ビルとビルの間を抜けた。
正面から飛んでくるスピーダーも難なくかわす。
まいたわ。
ワンパガールは警察をまいた。
バイクはとあるビルの屋上に止まった。
ワンパガールはため息をついた。
「終わった」
ワンパガールは盗んだばかりの指輪を眺めた。
だがそんな静かな雰囲気を陽気な声が壊す。
「へいネーちゃん」
ミスター・レプトルはタバコを吸いながら立っている。
「なによ、あんたか」
ワンパガールは指輪をしまった。
「悪かったねハンサムなハット人じゃなくて」
レプトルはワンパガールに近寄った。
「仕事の話しがあるんだけど。聞きたくないか?」
「いいわよ。話しな」
ワンパガールは言った。
「マクルだ。やつがグラン・ヴェルトを殺す計画をたててる仲間が欲しい。おまえさん、協力しないか?」
レプトルは言った。
「引きうけるわ。ヴェルトには貸しがあるし」
ワンパはトランドージャンの手を掴んだ。

ジリリリリリリ!!
鳴り響く警報。
宝石店に3人の人影。
「ひゃひゃひゃ!こりゃいいや」
数十人の部下とともに宝石をとるレプトル。
「これ綺麗」
ワンパガール。
「急げ、長居はできん」
マクルまで。この3人はグラン・ヴェルト殺しの計画を始めた。
まずは騒ぎを起こす。そうすれば彼は必ずやってくる。
警察のサイレン。
「二人とも、速く」

ぶっとばすスピーダー。
レプトルは笑い、ワンパガールは宝石に魅せられ、マクルはグランに復讐を燃やした。


[390] (無題) 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/06/28(水) 20:07 0wPE7b1O7vQ)

corran

>>387の続き

『銀河のエース』

第一章


コレリアには、都市と田舎、両方ある。ザン・セルルカとウォス・ヘイヴェンの家は、田舎に近い所にあった。
「俺達もそろそろ自立しなくちゃなあ・・・」
コレリアの草原に、親友ウォスと共に寝そべりながら、ザンが言った。隣には、ウォスがいる。
ウォスはザンに顔を傾けた。
「そうだなあ・・・お前自立したら、最初どうする?」
ウォスが言った。ザンはしばらく考えながら、空を見た。当然ながら空は青。雲一つ無い。しかし、ザンには、雲がたくさん掛かっているように見えた。
雲が掛かっているように見えた理由は、将来反乱同盟軍に入ろうとしているからだ。そして、ウォスは帝国軍に入ろうと思っている。
「はあ・・・」
「どうしたんだよ。ザン。いきなりため息吐いて」
ウォスにはまだ、反乱同盟軍に入ることを言っていない。言ったら絶対に仲違いするからだ。
ザンは静かに立ち上がった。
「いや・・・自立できるかな、て思ってさ」
適当なごまかしをして、ザンは急いで家に戻った。自立できるかな、と思ったというのは本当だった。しかし、ウォスと仲違いするのが嫌だから、というのが本音だった。
ザンの家族は波乱同盟軍派。昔コルサントで共和国に仕えていた。パルパティーンが帝国を設立してからは、見つかって殺されないように、コレリアの田舎に移住した。
一方、ウォスは帝国派。ウォスの家族は貧しく、ウォスは薦められた訳でもなく、家族を楽にさせる為に、自分が楽になる為に帝国軍に入ろうとしていた。
ザンもウォスも、アカデミーの成績は良かった。特に、飛行授業は抜群の成績だった。ザンは親が元パイロットだから、ウォスは、今までのコレリアンと同じく、天性の才能。
家に戻り、アカデミーを卒業後、ウォスにどう言おうか考えた。だが、いい考えも浮かばず、数日後、アカデミーの卒業式に出た。


[391] (無題) 投稿者:灰色の騎士団 hs1tqbc4R2Y (2006/06/25(日) 12:46 Mk7Ca9ag/WI) [SAGE]

ewok_baby

>>388

言いたくないけど言わせて貰う

勝  手  に  パ  ク  る  な  


3年E組 テ ィ ル フ ァ ン グ 先 生 グ レ ー ト
                       副題〜正義の鉄槌と雨雲の精霊〜


キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン♪
今日も始業のチャイムが学校に鳴り響き、勉学に励む一日が始まります。

ここは校長室。威厳タップリの校長先生が机に座っているのですが・・・・・・
「むぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・・っ」
なにやらイライラした空気が流れています。校長のゲンジュウベエ・オオガワラ先生は不機嫌そうな表情で、人差し指でコンコンと机を叩いています。校長先生がこんなんになっている原因、それは生徒のモラルの低下です。近頃この帝国立エンパイア航空アカデミーでは生徒たちによるトラブルが多発し、問題になっているのです。

例を挙げてみましょう。例えば昼休み。チャイムと共に生徒たちが食堂に殺到します。普通に列を作って並べば問題はないのですが、この学校が違いました。
「オルァ!俺が先に並んでたんだよ!」
「うるせぇ!俺が先じゃあ!」
「ちょっとレディーファーストよ!退きなさいよ、タマ無し野郎!」
「んだとメス豚!くたばるのはテメェだ!」
飛び交う罵声、椅子、カッターナイフに生卵。たちまち食堂は戦場と化します。飛び散る鮮血。砕ける肉体。
『今日は皆さんに殺し合いをしてもらいます』
北野たけしがそう言うまでもなく、醜い争いを繰り広げます。

その他にも常軌を逸した問題が校内で目立つようになったのです。
「特に問題は・・・・・・・」
オオガワラ校長は一番の問題児が集まっているクラス、3年E組の事を考えると胃が痛くなってきます。特に担任のラッキー・ロンド。生徒を止めるどころか、生徒より問題ある行動をする教師です。
「だがそれもここまでよ・・・・・・・」
オオガワラ校長は微笑を浮かべます。同時にコンコンとドアをノックする音。
「入りたまえ」と校長が言うと、ガラガラと引き戸を開けて一人の男が校長室に入ってきました。
「お呼びでしょうか、校長先生?」
男の名はデイン・ジャー。風紀部の顧問で生徒指導部の主任でもあります。今まで何百人という不良児、問題児を摘発、指導してきたベテランで、トイレでタバコを吸っていた12人の不良を3分で一網打尽にした伝説を持つ男です。
「3年E組の事は聞いておるだろう?」
「はい」
「なら今すぐ現場に行って、問題行動を起こした生徒を補導だ。もちろんラッキー・ロンド教諭が問題を起こした場合もだ」
「フッ・・・・・。ようやくE組の問題児と決着をつける事が出来るのですか」
デイン先生は不敵な笑みを浮かべます。
「いいかね?失敗は許されんぞ、デイン君」
「ご安心ください、校長。E組全員を捕らえて見せましょう」
そう言うとデイン先生はゆっくりと校長室を後にしました。

デイン先生は廊下を3年E組の教室目指して闊歩します。
ようやく最後の時だ、E組の問題児ども。今で私の手を煩わせてきたどころか、コケにまでしてくれた代価を払ってもらうぞ。
復讐に燃えるデイン先生はE組の教室の前に到着しました。ところが様子がおかしい事に気がつきます。
「電気がついてない・・・・・・・・?」
E組はこの時間は教室でラッキー先生の授業を受けている筈です。ところが電気はついていません。教室の中からは薄い明かりと怪しげな声が漏れてきます。
「これは・・・・・・・チャンスだ」
きっと中で何か怪しいことをやっているに違いない。ここで乗り込めば、全員を一網打尽にできる!そう考えたデイン先生は教室のドアを開け、室内へ乗り込んでいきました。

薄暗い教室の中で
「ハ〜イオ〜♪ハ〜イオ〜♪アメャンフレ〜インフレ〜イン♪」
ラッキー先生が叫ぶと
『ハ〜イオ〜♪ハ〜イオ〜♪アメャンフレ〜インフレ〜イン♪』
男子生徒たちがそれに続きます。
「・・・・・・な・・・・・・・・・な!」
それを見てデイン先生は絶句しました。目の前の異様な光景に。
ラッキー先生とE組の生徒たちは、カーテンを閉めきり、教室内で松明を焚き、上半身裸に腰蓑で顔に変なペイントを施し、松明の周りでドンドコドンドコ踊っているではありませんか。
「な・・・何をしているんだ君達は!?」
デイン先生は思わず叫びます。
「あ、デイン先生。丁度良かった」
「ラ・・・ラッキー先生!貴方は何をしているんです!」
ラッキー先生は理科担当の筈。なのに何故、原住民みたいな格好して、バンブーダンスを踊っているのか、誰だって不思議に思うでしょう。 
「いやぁ、今日は雨天時におけるカビの増殖についての実験をやろうとしていたんですが・・・・・」
ラッキー先生は窓を指差して
「天気は晴れでしょ?だから雨乞いの儀式してたんですよ」
「雨乞いって・・・・・・・そこまでして実験してーのか!?つーか、理科の先生が神頼みかい!」
ツッコむデイン先生。
「人間の信じる力はね、時として奇跡を起こすんですよ。俺達はその軌跡を信じてます」
「しらねぇよ!」
尚もデイン先生はツッコみます。ラッキー先生はそんなデイン先生の方をガッシリと掴んで
「いやぁ、本当に来てくれてよかった。何せ生贄がいないもんで」
「い・・・・・・生贄!?」
デイン先生は顔色を変えました。気付けば石槍で武装した生徒たちがデイン先生を取り囲んでいました。どいつもこいつもなんか目がイッてます。なんか危ないカルト教団です。
「神聖なる儀式に生贄を〜」
「聖なる神に血肉を捧げよ〜」
生徒たちはデイン先生を床に押さえつけ、縄で縛り始めます。
「な・・・・・何をするんだ君達!や・・・・・・やめなさい、停学に・・・・・・う、うわぁぁぁぁぁぁ!」
「ハ〜イオ〜♪ハ〜イオ〜♪アメャンフレ〜インフレ〜イン♪」
『ハ〜イオ〜♪ハ〜イオ〜♪アメャンフレ〜インフレ〜イン♪』

放課後、傷だらけで包帯でグルグル巻きになったデイン先生は、携帯電話を手にして屋上にいました。







「もしもし?ハローワークですか?・・・・・・・ええ、転職したいんですが」

                           〜FIN〜


[392] (無題) 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/06/25(日) 00:19 0wPE7b1O7vQ) [SAGE]

corran

灰色の騎士団さんの
『3年E組 テ ィ ル フ ァ ン グ 先 生』は面白いですね・・・(僕にはそんなギャグセンスが無い)


[393] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/06/25(日) 14:18 q/Cs8lYyebQ)

tie_screen

「グラン・ヴェルト」

『ミスター・レプトル、ワンパガール、オットー・マクルの3人はいまだ逃走中。共和国治安部隊も全力で捜査をしています。ジェダイ評議会にも協力を要請中とのことです』
ホロネットではここ数日の3人の凶悪犯罪者の行動を報道していた。
グランは呆れたような表情で見ていたがなんとか手をうたねばならない。
「ヴァン、大変そうだな」
警察署の屋上でグランが言った。
ヴァン・ジャックスリーも疲れているようだ。
「全くだよ。宝石店やカジノがつぶれかかってる。トランドージャンと犯罪王、ワンパ女で大騒ぎさ」
ヴァンはコーヒーを飲んだ。
「ジェダイまで出てくるのか」
「ああ。そのうちだ。それは最悪の場合と考えて、我々だけでなんとかしたい。ほら、ジェダイに要請できるのは元老院だろう?手続きが面倒だ」
ヴァンは言った。
「せめてレプトルの居場所さえわかれば」
グランは呟いた。
「無理だ。賞金稼ぎや情報ブローカーにコネのある捜査官は皆調べてるが…ヴァロン・パパノイダでも知らないほどの謎だ」
ヴァンがため息をつく。
「・・・」

カボチャ頭。
人は彼をこう呼ぶ。パンプキン・ヘッドと。
ハロウィンのカボチャを被った犯罪者はキャンディ型の爆弾を投げた。
警官隊は悲鳴をあげて飛ぶ。
「ははは。俺を捕まえられるもんか!」
パンプキンヘッドは走り去った。
と、路地のあたりでなにかに捕まった。
もこもこしてて鍵爪のついたグローブ。
女。
「やあ、ワンパちゃん」
パンプキンは言った。
「久しぶりね」
ワンパガールはパンプキンヘッドの襟をつかんでいた。
「仕事よ。ミスターレプトルが計画に参加しろって」
ワンパガールは言った。
「ああ、いいだろう。どこにいるんだ?」

コルサントの怪物犯罪者が集結し、グラン・ヴェルトを殺す計画を練っていた。
ミスターレプトルは笑いと血を好み、ワンパガールは美しさを好み、パンプキンヘッドは甘さを好んだ。
マクルはただたんに殺したかった。
「まずはやつの自宅におしかける。我々が協力すれば流石の彼も逃げられない」
マクルはワインを飲んだ。
「ワンパガール。君は”素顔”でグランに近づいてくれ」

「こんにちわグラン」
カタリーナ・ジョンソンはにっこりしてグランに近寄った。
「ああ、カタリーナ。元気かな?」
グランはスピーダーの座席から答えた。
「乗ってもいい?貴方のうちに行きたくて」
カタリーナはいいとも言われないままスピーダーに乗りこんだ。
「いいよ」
グランはスピーダーを飛ばした。

グランの高層マンションの最上階でカタリーナはこっそりブレスレッドに装備された通信機でミスター・レプトルを呼んだ。

「あー、えー、たったいま、ワンパちゃんからお知らせが入りましたー。グラン・ヴェルトの自宅に行くとしましょう!」
ミスターレプトルが呼びかけた。
マクル、パンプキンヘッド、レプトルレディ、犯罪ドロイドのC-4POはグラン・ヴェルトの暗殺に乗り出した。


[394] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/06/25(日) 14:17 q/Cs8lYyebQ)

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「グラン・ヴェルト」

カタリーナはトイレ。グランはソファに腰掛けた。
いやな予感がする。
たいてえこの予感はあたるのだ。
「ヴァン、私だ。警官隊を私のマンションによこせ。やつらがくる」
グランにはわかっていた。

レプトルファミリーの戦闘員は銃を持ってマンションの警備員を殺し、他の犯罪者の侵入を可能にしていた。
パンプキンヘッドはキャンディ爆弾、レプトルレディはエレクトロスタッフ、C-4POはブラスターライフルを片手に走った。
そしてマクルとその部下が続いた。
「グラン・ヴェルト。てめえは終わりだ」
ミスターレプトルは銃を持ち部下とともに部屋に流れ込んだ。
グランはブラスターをとった。
どこからかワンパガールも現れる。
グランは家具に隠れて銃撃戦を開始した。
これまでか。
敵が多い。
入り口には戦闘員が数人。その前にレプトルレディ。そしてプロトコルドロイド。
「隠れんなよ!出て来い!」
レプトルは乱射した。
そのとき…
窓の外にポリスガンシップが現れる。
『ミスターレプトルとその一味に告げる。おとなしくしなければ一斉射撃を開始する』
ポリスガンシップにはヴァンが乗っている。
「そんな脅しきかねえぞ」
レプトルの合図で犯罪者達が別の窓を割った。
「まて!」
犯罪者達は流れ込みように窓から飛び降りた。
リムジンスピーダーが待っていたのだ。
ポリスガンシップはスピーダーを追った。
グランは静かになった部屋を眺めた。
修復は簡単そうだ。

リムジンスピーダーは第4区画から第3区画までつっぱしった。
ポリスガンシップはレーザーを放ち始めた。
「どうすんだマクル?」
レプトルは言った。
「これは俺のリムジンだ。お前らは自分の乗り物で逃げろよ!」
マクルは必死だ。
「なんだとおお?ああ?ふざけんな」
パンプキンヘッドが怒る。
「黙れ怪物め。このなかでまともな人間は俺だけだろう?トランドージャンもワンパもドロイドもカボチャ野郎もしらねえ!」
マクルは言った。
「あ?」
犯罪者達の頭でなにかがきれた。

リムジンで銃声が聞こえる。
「どうした?」
ヴァンが部下に尋ねる。
「さあ」

結局犯罪者達はリムジンのエンジンを壊され通りに不時着した。
走り去る犯罪者。
スピーダーにはマクルの死体が残された。
「追え!捕らえるんだ!」
レプトルは追ってくる警官に向けて乱射した。
だが・・・
グラン・ヴェルトが現れたのだ。
「終わりだ」
レプトルにとびかかり抑えつけるグラン。
そこに参戦する警官。
グランはレプトルを警官に任せると、プロトコルドロイドに向って光弾を放った。
レプトルレディは倒れ、ワンパガールはジェットパックで逃げ去った。
パンプキンヘッドはカボチャマスクが落ちるのを恐れて逃げさった。
正体は不明のままだ。
だが、他の犯罪者は捕らえることができた。

”オットー・マクル ミスターレプトルにより射殺”
”ミスターレプトルとレプトルレディ 刑務所で同居”
”C-4PO スクラップ中に逃走”
”パンプキンヘッドとワンパガール捕まらず”
グランはホロ新聞を読んだ。
マクルは死に、二人のレプトルは刑務所。
ドロイドは破壊される寸前に逃げ出し、
ワンパとパンプキンは取り逃がした。

だが、いつか全員捕まえて見せる

コインが宙を舞った。


[395] (無題) 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/06/25(日) 19:59 0wPE7b1O7vQ)

corran

>>390の続き

『銀河のエース』

第二章

「・・・お前、冗談で言ったのか?それとも、本気で反乱同盟軍に入るつもりなのか!?」
草原のど真ん中に、二人の少年、ザンとウォスが立っていた。
ザンは、アカデミーの卒業式後、昔から馴染みある草原に、ウォスを呼び出した。
「本気だよ。俺は反乱同盟軍に入る」
決意の満ちた言葉と声だった。しかし、その言葉を言うということは、ザンとウォスの今までの関係、全てが崩れる言葉だった。
ウォスは、更に問い詰めた。
「ふざけんなよ・・・昔、一緒に帝国軍に入る、て約束したじゃねえか!」
ウォスが、ザンの服の襟を掴んだ。ウォスの顔は、落胆の表情だった。
「そうだけど・・・俺、前コレリアの都市部に行ったことがあるだろ?そのとき、俺は見たんだ・・・。帝国のやった残虐な行為を・・・」
ウォスの顔は、落胆の表情から、信じられない、という表情に変わった。が、すぐに信じられないという表情は消えた。
「そんなことあるもんか・・・。アカデミーの教科書では、帝国は立派なことを行ってる、て書いてあったぞ・・・!」
ウォスはまだ納得していなかった。
ザンが、親から聞いた、帝国がよくやる手口。帝国アカデミーの教科書は、どこかの有名な教科書製造会社の会社名を無断で使い、帝国は、良い事をやっていると、皇帝が書く。そして、それを帝国アカデミーに送り、生徒に教えさせる。一種の洗脳だ。
ウォスは、この手に引っ掛かっている。そして、帝国軍に入ろうとしている。
しかし、さっきの「帝国の残虐な行為」の話をしても、納得しなかったのなら、今のことを話しても意味が無い。
ザンは、今のことは何も言わなかった。
「お前のことを親友だと思っていた・・・なのに、最後の最後、裏切るなんて・・・」
ウォスの目には、涙が浮かんでいた。ザン自身も、「裏切る」という言葉を聞いたとき、心が痛んだ。
ウォスは、後ろに振り返り、そのまま突っ立っていた。
「俺はもう、入隊してる。お前を反逆者として、捕まえることも出来る。だけど、見逃してやる。昔からの親友だからな・・・」
ザンはしばらくそのままでいた。しかし、ウォスに「さっさと行け!」と言われ、しかたなく、草原を跡にした。
今まで親友だった。この関係を崩したくなかった。対立なんかしたくなかった。ウォスと戦うことはしたくなかった――
様々な事が、ザンの脳裏を横切った。後悔でいっぱいだった。しかし、二人とも、引き返せない。永遠に。


[397] (無題) 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/06/26(月) 19:02 PqJdTrWsntA)

jango_mask

>>397
ジェダイの戦い

ジェダィ。
共和国の守護者であり、不思議な力を持つ彼ら。
しかし、ジェダイがすべて強いとは限らない。
そんなパダワンの日常を描く・・・・

あわただしい朝・・・・・
「あーーーヤベえ!!!宿題やってねえ!!!」
「お、お前もか。」
「お前も忘れたの!?」
この二人はパダワンのメルとハル。
いわゆる堕ちこぼれだ。
「ヤベーナ、今度の担任はメイスだぜ・・・」
ハルが恐ろしそうに言う。
「マジ!?やっときゃよかったーーー」
メルもおびえて言う。
「オビワンやヨーダならまだしも・・・・・」
子供のつぶやき。
「絶対廊下行きだな。」
二人はしぶしぶ教室へ・・・・・


教室で。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・!!!!!・・・・!!!」
「・・・・・・?・・・、・・・・!」
「・・!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「・・・・・・・・・・・」
一瞬静まり・・・・・
教室から二人が出てくる。
「くそ・・・・説得も無理か!!!」
ハルが怒号を出す。
「結局廊下行きだし・・・・・・・」
メルが半べそで言う。
「また宿題増えたーーー!!!」
二人が言う。
「なア、宿題何個?」
メルが聞く。
「九十五個・・・・・」
ハルが言う。
「甘いな。俺は九十九個だ。」
メルがはっきりという。
「やばくネ!?お前!!!」
ハルが驚いて言う。
「おう・・・百個言ったら、退学になるかも・・・・・」
「オレはまだセーフだ・・・・・」
「いや、俺とお前の差、四個を俺らで分ける!!」
「何でだよ!!!」


食堂で。
「ああああああああああああああああ!!!!!!」
メルが叫ぶ。
「どうした!!?」
「金がない!!!!!!」
「そんなことかよ・・・」
「ヤベ・・・・ブルーミルクも買えねえ。ハル、金かーーー」
「言っとくが、金は貸さんぞ。」
「まだ何も言ってねえ!!!」
「大体わかるぞ!!!!」
「シャアネエ・・・力ずくでいくぞ。」
「こいよ、貧乏人。」
「金はなくても度胸はある!!!」
二人ともライトセーバーを起動する.
しかし食堂だけあって、二人は注目の的だった。
「ク・・・勝負はお預けだ!!!!」
「結局金はどうすんの」
「くれ」
「断る」
「よこせ」
「死ね」
「いきなり!?」
「金はやらんぞ」
「くそ・・・オレもついに借金生活か・・・・・」
「ハンバーガーくらいおごるぞ」
「マジ!?」
「コレで借金は三万二千九百四十六円だ。」
「覚えてたか・・・・・・」


演習場で。
「ああああああああああああああああああああああああああ」
「今度は何だ?」
「さっき食堂でライトセーバー落とした・・・・・・」
「へ!?」
「・・・・・・・」
「ああああああああああああああああああああああああああ」
「俺もああああああああああああああああああああああああ」
授業まであと二時間。
「取りに行くぞm!!!」
「御衣!!!」

食堂で。
「誰かが持って言ったよ。」
「ああああああああああああああああああああああああああ」
「ああああああああああああああああああああああああああ」

落し物置き場で。
「さっきかが俺のかもってもって言ったけど・・・・・・」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


きーーーーんこーーンかーーんこーーーん
「終わったな・・・・・・」
「俺達お終いだ・・・・・」


演習場で。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!」
「・・・・・・、・・・・・・。」
「・・・・」
「・・・・!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「俺らって・・・・いったい・・・・・」
「ランニング百週って・・・いったい・・・」
男達は生きるのに命がけだった。



あとがき
ギャグ?ショートストーリーです。
詰まんないけどがんばった・・・・・
最後のほうは詰まったね。ネタに。
感想よろしく・・・・・


[398] EU関係なし。頑張ります。 投稿者:空を歩くもの gaoWblK2Sds (2006/06/28(水) 19:19 pSGwtwKt8FA)

20thfox

遠い昔、遥か彼方の銀河系で…

STAR WARS epsode7 「王族の血筋」



惑星ローフォン…
一見灰色に見えるのは巨大なビル群である。それが惑星の半分を覆い尽くしていた。だが、もう半分は自然が育ち美しい緑を表現し、海が壮大な青を表現していた。


惑星ローフォンは通信技術に優れたところで、あらゆる電波のメカニズムの研究に長けている。そのおかげで経済は発展し、大規模な都市化が進んでいる。しかし、その政治を動かしているのは王族である。さらに言うと、たった一人の王であった。この絶対王政は古くからの伝統として伝わっている。何度かこの制度は崩れかけたが、祖先、または子孫のために、この形を維持し続けているのだ。もともと旧共和国に最後まで従っていたこの惑星は帝国の誕生という衝撃的なニュースに動揺を隠せなかった。当時の―そして今でも―王であったセオロンはおとなしく帝国に服従した。しかしセオロンは、ローフォンの通信技術を帝国には教えなかった。反乱軍に秘密に教えたのである。これは彼にとっては大博打であったが、セオロンの読みは見事に当たり、反乱同盟軍は帝国軍を圧倒的に倒していき、新共和国の設立を宣言した。ローフォンへの報酬は多大なものとなった…


王子であるフォーマス・レンジは小型宇宙船レジーナの窓から自分の惑星を眺めていた。まるで、そこから何らかの答えを見出そうとするかのように。
「今回の旅はいかがでしたか。」
「ああ、レイン。いい旅だったよ。あんなスパイス工場が我々の惑星にも欲しいところだな。」
側近のレインは銅像のように、その場に立っている。
「では、今の意見はセオロン様にお伝えしましょうか?」
「結構だ。」
フォーマスの即答にレインは全く驚く素振りも見せなかった。レジーナ号は間もなくプラットフォームに着床し、中から金髪の若い青年が降りてきた。そして、その向こうには赤毛の女性が迎えに来ていた。
「お帰り。フォーマス。」
「ウェルビン、お迎えありがとう。王妃の仕事は、はかどっている?」
「暇よ。全部セオロンがする。あれもこれも。」
二人は護衛が聞こえない位置まで歩いてから話を再開した。
「最近の父はおかしい。このままじゃ、この星で暴動が起る。」
「確かに、父はセオロンらしくないわ。まるで経済のことしか頭に無いのよ。」
「今からはなしに行こう。」
二人が何を話しているかレインには、いや周りの護衛全員が明白だった。皆はわざと黙って、彼らを見送った。



フォーマスとウェルビンはセオロンの閲覧室についた。彼は終始広大な都市風景を見つめている。フォーマスは耐えかねて訊ねた。
「父方、民衆の反感は今募りに募っています。このままだと、政府の崩壊に繋がりかねません。」
ウェルビンもそれに続いた。
「今、民衆の貧困を助ければ、昔のような平和な時代が訪れるはずです。」
「平和…とな?」
セオロンは重い口をようやく開いた。
「おぬしらは、その『平和』という一言で何でも解決できると思っているようだな。だが、現実はそう甘くない。私の意志は君たちには変えられん。」
「なぜ…?」
「言ったはずだ。これは絶対王政だ!子孫の為だ!私がこの星をぶち壊そうとは一時たりとも思ったことは無い。そして、お前たちは私の政治に不満をもらす必要など無いのだ。いや、そんなことは、してはいけないのだ。」
このセオロンの厳しい言葉にも屈せず、ウェルビンは主張を続けた。
「確かに、父の持っている絶対王政の理念は正しいものではあります。今まで伝統的に繰り返されてきた考えです。だからこそ、この伝統を守らねばならないのです。お願いです。私たちの願いを聞き入れてください。民衆のためです。」
「私は、伝統に従って行動しているだけだ…」
セオロンは突然言葉を止めた。フォーマス、ウェルビンもその理由がわかった。緊急作動ホログラムがついたからだ。そのホログラムはある兵士を映していた。
“緊急事態です。帝国軍の大艦隊が接近しています。今からおよそ3時間後にはこちらに到着する見込みがあります。”
ウェルビンは息を呑んだ。
「わかった。」
セオロンはホログラムの兵士とは対照的に特に驚いた様子も無く、ホログラムのスイッチを切り、深いため息をついた。
「近くに共和国軍が駐在している。援護を頼もう。応戦するぞ。だが、何事があっても私の指示に従え。」
フォーマスは最後の一言を彼が強調したのをはっきりと感じた。
「共和国側にはウェッジとかいう名将もいるようだ。」
セオロンは、すっと立ち上がり、足早に閲覧室を出てっていった。その時ウェルビンはちらっと彼を見た。その口元には微かな笑みが込められていた。

フォーマスは小声でウェルビンに言った。
「嫌な予感がする。」


[399] 久々です。 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU [Web] (2006/06/26(月) 22:21 LmcZ.Tw2hrg)

mind_trick

>>345の続き


『黄金の剣−Gold sword−』


15 ――衛士――


 ハクロは高速で忍び寄る何かに気付き、銀牙刀を抜いた。それは弾丸の様にハクロの腹に当たり、怯ませた。
「騎士!」
 ヴリーサは怒鳴り、茂みから現れた。シスタヴァネンの男、グラスは震動斧を構え、今にも襲い掛かろうとヴリーサのすぐ後ろについている。
 自動鎖(オートマチック・チェーン)を手繰り寄せたヴリーサは、銀色に輝く騎士を瞠目した。その美しさは、噂以上だ。
「本当に、いたのだな騎士は。そして、本当に黄金の剣を手に入れようとしている」
 ヴリーサは語り掛ける様にゆっくりと言い、再び自動鎖をハクロに投げつける。
 ハクロは態勢を低くしてそれを避け、駆け出す。
 銀牙刀はヴリーサの脇腹を捉えた。一気に斬り込もうとするが、ローブの向こうの何か、固い物に遮られた。
「甘いわ」
 ヴリーサは不敵な笑みをこぼし、もう一本の鎖を取り出した。それを投げつけられる前に、ハクロはヴリーサの元から飛び退き、再び地面を蹴って、今度はグラスの元へ。
 縦に銀牙刀を振り下ろすと、グラスは震動斧でそれを受け止めた。
 しかし、震動斧は無残にもぽっきりと音を立てて折れ、刃はそのままグラスを切り裂いた。
 低く唸った後に、グラスは血を吐き出しながら糸の切れた人形のように倒れた。
「来てるぜ」
 ザルガの警告に、素早く振り返ると、三本の鎖がハクロ目掛けて飛んできた。
「チィ!」
 激しい舌打ちをしたハクロは、一本を刃で跳ね返し、地面を蹴って数メートル距離をとった。
「やるな。やはり、とでも言うべきか」
 ハクロは近くにあった大木の陰に入った。
「隠れたつもりか? 何を馬鹿な事を」
 ヴリーサは高笑いし、そして冷笑を浮かべた。
「いくつか聞きたいことがある。お前はここの情報屋の用心棒だな?」
 ハクロは銀牙刀の柄を握り締めた。
「言う必要は無いだろう」
 ヴリーサは言い放ち、鎖を空高く上げ、そのまま垂直に落とした。地面すれすれの所で急に方向転換をし、ハクロの元へ。
「……そうか」
 ハクロは素早く銀牙刀で大木の根元辺りを切断した。その勢いで一回転し、銀牙刀の刃がついていない、側面で空中を浮遊する大木を打った。
 一瞬の出来事だ。大木は猛スピードでヴリーサへと飛んでいく。
 だが、ハクロへと向かっていた鎖が当たり、大木を貫いた。
「馬鹿め」
 ヴリーサは唾を吐き、嘲笑った。
 しかし鎖に貫かれて浮いている状態の大木が真っ二つに割れ、ハクロが飛び出して来たのを見て、余裕の顔は恐怖の顔へと変貌した。
「終わりだ」
 ハクロは短く言い、ヴリーサの真上で銀牙刀を振り下ろした。
「鎖!」
 そう叫んだヴリーサは、素早く鎖を大木から戻し、両手でそれを掴み、何とか銀牙刀を受け止めた。
 着地したハクロは力を込め、銀牙刀を押す。火花が散り、鍔迫り合いとなる。
「ほう。面白い」
 ザルガは言い、ヴリーサの異変を感じた。嫌な予感がする。
 ザルガの予感は的中した。ヴリーサのローブの中から十数本の鎖が飛び出し、ハクロとヴリーサを締め付けていく。金属が擦れ合う音が響く。
「不味い……道連れにするつもりだ」
 ハスキーボイスのザルガが、何時に無く焦っている。
「どうする……ハクロ」
 しかし、その言葉にはどこか楽しんでいる感じさえする。
 だんだんと鎖の力は強くなり、銀の鎧から火花が散りだす。ヴリーサのローブは既にずたずたになってしまい、血肉が露になっている。
 ハクロは鎖と鎖の隙間に銀牙刀を差込み、思いっきり後ろへと引いた。そして身体を捻りながら飛んでみると、鎖が砕け散った。
 着地し、素早くヴリーサの腹に斬り込む。背後へ回り、一刺しし、十字に斬る。
 ヴリーサは振り返り、片手をハクロの元へ。助けを求めているかの様だった。
 その顔は痛みと恐怖で歪み、体中に付いた血と、露になった肉が痛々しかった。
 ヴリーサは倒れこみ、微動だにしなくなった。
「ピンチだったな」
 ザルガの言葉に、ハクロは我に返った様な気がした。


[400] (無題) 投稿者:XT-72 OFZAWR1dL8E (2006/06/27(火) 12:26 1Ghm3LT9vGI)

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STAR WARS オリジナル小説

<He is Dark Lord Of The Sith>


遠い昔 遥か彼方の銀河系で…

アウター・リムのある惑星に反乱軍の基地が発見されたが、そこにはジェダイの反応もあったという。
そこで皇帝は暗黒卿ダース・ヴェイダーを司令官に任命し、インペリアル級4個艦隊をもって
制圧を命じたのだった…

どれくらい瞑想していたことだろう。―――――ヴェイダーは目覚めた。
「いやな物を感じたな…」そうつぶやく彼の周りは、狭くて白い瞑想室の中。
彼はこの中でしか漆黒の仮面を取れない。
しかも、その仮面を取るという動作さえ、自分では出来ず機械に任せているという事実…
彼は鏡を見てみる。
手術当時の黒く焼け焦げた皮膚ではなくなったが、
そこには火傷でひび割れた痛々しい傷跡と、生気を失ったかのような白い肌…
だが、そこに写っている目は、禍々しい輝きに満ちたシスの赤と黄色の目ではなかった。

やさしい光に満ちた、海のように澄んだ青い目…そう、アナキン・スカイウォーカーの目だ。

彼はいつでもこの部屋の中で、後悔の念に苛まれていた。
「なぜ僕はあの時、パドメの首を絞めてしまったのだろうか…わが師よ、
なぜ僕の寂しさをわかってくれなかった…」
涙を流し、部屋の中で1人すすり泣くアナキン…だが。
「いや、忘れよう…パドメは死んだし、倒してやりたいオビ=ワンも、もうどこにいるのかさえわからない…
それよりも…俺はもっと強くなりたい…そしてあの忌々しい皇帝を倒して、
俺がこの銀河を作り変える! 争いも無い、皆が平和に暮らせる世界を!
そのためには、もっと強い力がほしい!
…だが、命を蘇らせる術を学ぶまではおとなしく皇帝に使えよう…」
彼の目は再びシスの目となった。
そして天井からゆっくりとアームが降り、漆黒の仮面が装着されていく。

仮面が着けられると同時に、よどみの無い呼吸音がこだまする。

――――数分後、部屋に士官が入ってきた。
「ヴェイダー卿、まもなく目的地に到着いたします。」
彼は一言一句よどみなく、多少声が震えつつも事務的な連絡を行った。

「ご苦労、艦長。 トルーパー隊を待機させ、TIE飛行隊と同時に降ろせ。
すぐに私も地上へ行く。 この惑星にはジェダイのフォースを感じる。」
「仰せのままに、閣下。」
仕官は一礼すると部屋を出た。
そう、今すべきことは…

忌々しい反乱軍を叩き潰して反抗の根を絶つこと。

かつての同胞を根絶やしにすること…

そして自分の力を託すだけの才能があるダーク・ジェダイを見つけ出すこと…

ヴェイダーはスーツの上に漆黒のローブを纏い、艦橋に出て惑星を見下ろした。
TIEを満載したエスコート艦やAT-ATを積んだセンチネル級シャトルが次々と惑星へと降りてゆく。
自分には従う部下もあり、戦ってくれる兵士もいるし、強大な兵器もある。

「銀河帝国」 という

人 智 や 価 値 観 す ら も 超 越 し た 強 大 な る 国 家 の 力

だってあるのだ。

だが、やはり最後に頼りになるのは、

己 の フ ォ ー ス と 赤 き 光 の 剣 

だけなのだ。
なぜなら彼は、人の心を、そして闇を支配する

D a r k  L o r d  O f  T h e  S i t h
        シ ス の 暗 黒 卿

      ダ ー ス ・ ヴ ェ イ ダ ー。

なのだから。


「ヴェイダー卿、現在降下率57%、順調に各部隊降下しています。
反乱軍の航空攻撃もありますが、制圧にそう時間はかからないでしょう。」
艦長らしき将校が報告する。
「よし、私の専用機を用意しておいたか?」
「はい、閣下。 閣下のTIEアドバンスでしたらハンガーに。
しかし航空攻撃や対空攻撃が予想以上に激しいので、閣下はシャトルでお降りになられては…」

一呼吸置いた後、ヴェイダーはエコーの利いた言葉を切り出す。

「いや、TIEで行く。 ウィングマンはブラック1とブラック2だ。」
「はい、閣下、仰せのままに。」

それだけ言うと、ヴェイダーはハンガーへと向かったのだった…



「反乱者達よ、つまらぬ理想のために国に逆らった報いを受けるが良い…」


「ヴェイダーの日常」をつづってみました。
「ただの軍人」は現在推敲中ですのでもう少しお待ちください。


[401] (無題) 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/06/27(火) 17:22 0wPE7b1O7vQ)

kitster

>>395の続き

『銀河のエース』

第三章

ザンは、親から貰ったVウィング・スターファイターに乗り、親から教えてもらった反乱同盟軍の基地に向かっていた。
コレリアにある反乱同盟軍の基地は、都市の位置とは正反対の位置にあった。ザンは向かう途中、追跡がいないか、ビクビクしながら反乱同盟軍の基地に向かったが、何事も無く、無事基地に着いた。
「お前は誰だ!?」
反乱同盟軍の見張りに呼び止められた。
「俺はココに住んでいる、セルルカ・ザンです。いきなりで申し訳ないんですが、俺を反乱同盟軍に入れて下さい!」
見張りは驚いていた。いきなり、十五歳くらいの少年に、「反乱同盟軍に入れて下さい!」と言われたからだ。
「お前は少しここで待ってろ」
見張りはそう言ったあと、見張り同士で話し合いながら、基地の中に入った。微かに聞こえた言葉は、「あいつ、正気か?」だった。
数十分たった頃、やっと一人の男が入ってきた。胸には、階級章があった。それを見る限り、中佐だった。歳は、ザンと五歳くらいしか変わらなかった。
「俺の名前は、ルーク・スカイウォーカーだ。よろしくな」
男の名前は、ルーク・スカイウォーカー。反乱同盟軍のことを少しでも知ってる者は、必ず聞いたことのある英雄。帝国軍の最終兵器とも言えるデス・スターを破壊した男。その英雄が、目の前に立っていた。
しかし、ザンは親から、ルークは英雄でありながら、悪人なのだ、と聞かされていた。ルークの父親は、共和国を壊滅させ、数多くの人間やエイリアンを虐殺したのだ、と。
ザンは、ほんの少し、怒りに支配された。
ルークは、それをフォースで察知していないらしく、話を続けた。
「これから、君の入隊試験をやる。スパイを送り込まれたら大変だからな」
ザンは、もしかしたら攻撃してくるかもしれない、と思って、身構えた。だが、ルークは何もしなく、ただ不思議そうにしていた。
ルークは、親のことを聞かされてないのか?
ザンはそんなことを思ったが、そんなことを思っているうちに、ルーク基地の中に入っていた。
小走りでルークに近寄った。
「入隊試験って何やるんですか?」
ザンが聞くと、前を見ながらルークは言った。
「まあ、ちょっと任務をやって、合格基準っていうかなんていうか・・・まあ認められたら反乱同盟軍に入れるんだ」
基地の一室に入り、ザンは近くのソファに腰掛けた。
ルークから、任務内容の説明があった。
「今回、帝国軍から反乱同盟軍に入りたい、という連絡があって、その連絡者ここまで連れて来るのが任務内容だ」
「って、何で俺には入隊試験があって、その連絡者には入隊試験が無いんですか?」
「偶然、君が入隊する数分前にこの連絡があったからだよ」
て、適当すぎる・・・!
ザンはそう思った。
ルークは話を続けた。
「で、その連絡者がいるのは、コレリアの中心都市のB地区にいる。B地区は全然人が来ないから、一発で分かるだろう。連れてくるまでには、ほぼどんな手段を使ってもいい。使ってはいけない手段は、一般市民を殺す事と一般市民の住居を壊す事。俺らはテロリストじゃないからな。追跡されたときは、その追跡者を迎撃しろ。以上」
こうして、任務は始まった。


あとがき
結構適当なので!ルークがコレリアの基地にいたとか、もう適当!


[402] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/06/27(火) 18:57 q/Cs8lYyebQ)

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「エンパイア・サーガ」


スノートルーパーの一団がAT-ATから降ろされ、反乱軍兵士と交戦を始めた。
「こちらフリーザー小隊、援護を」
「了解」
AT−ATが重い足音を響かせ、少しずつだが反乱軍のシールドジェネレーターに接近している。
リュフ・ティンダー中佐は短くも無く長くも無い黒髪の男だ。彼はAT−ATのコックピットで逃げ惑う反乱軍兵士を見て楽しんでいた。
「上から見るのも面白いものだな?」
リュフが笑みを浮かべながらドライバーに尋ねた。
「ええ、まあ」
ドライバーはそう言ったきり操縦を真剣に行なう。
「ヴィアーズ将軍は?」
「先頭にいます」
将軍がシールドジェネレーターを壊せば勝ったも同然だ。
リュフは座りこみ、リラックスした。

「こっちだ!部下が撃たれた!」
スノートルーパーが衛生兵に向って手で招いた。
「弾薬補充だ!急げ!」
別の場所では機銃の弾薬の補充を部下に命じているトルーパーがいる。
巨大な洞窟のようなエコー基地にはすでにブリザードフォースの1派が侵入していた。
「裏口に回れ!敵はそこから逃げるつもりだ!」
スノートルーパーは叫んだ。 それにしたがってトルーパー達が奥に向って走っていく。
奥から反乱軍の一隊が走ってきた。
汚い軍服に身を包み、ブラスター・ライフルをこちらに向けている。
「撃て!」
反逆者は引きがねを引き、前列にいたトルーパーを撃ち殺した。

エコー基地の洞窟が揺れ、壁がくずれる。
天井から雪が落ちてくる。
壁にくくりつけられた太いコードからは火花が散り、煙が出る。
これはマキシミリアン・ヴィアーズ将軍のAT−ATがシールドジェネレーターを破壊した影響だ。
帝国軍の勝利は確実だ。
「艦隊に連絡。敵の輸送艇が逃走していく」

リュフはAT−ATから大破していくジェネレーターを見ていた。
少しまぶしかった。
すると、雪山の奥からコレリアン・エンジニアリング社製のYT-1300貨物艇が飛び出した。噂ではあれがヤヴィン戦でヴェイダー卿のTIEファイターのソーラーパネルを傷つけた船だろう。

エコー基地にはほとんど反乱軍がいなくなり、残っているのは取り残された死体だ。
壁は崩れ、通路は雪でうもれている。
積み上げられたコンテナは滅茶苦茶になり、そこらじゅうブラスターの焼け跡だらけだ。
「合流地点はどこだ?」
背の高い人物が生き残った若い反乱軍兵士を拷問していた。マスクを被り、不気味な、耳障りな呼吸音を発している。ダース・ヴェイダー卿のフォースの手が兵士の首をしめる。
「…知らない…」
兵士の顔は青ざめている。
「言うんだ」
ヴェイダー卿の手に力が入る。
兵士の首からにぶい音がすると兵士がぐたっとした。
「始末しておけ」
ヴェイダー卿は死体をまたぐと待機している士官たちに顔を向ける。
「すぐに逃走した船を追跡しろ」
ヴェイダー卿の声は強かった。
「ヴェイダー卿」
リュフは勇気をふりしぼって声を出した。
「なんだ中佐?」
ヴェイダー卿のマスクがリュフを見た。
「ヤヴィン戦でヴェイダー卿の愛機を傷つけた貨物艇が逃げていくのを見ました。まだ軌道にいるでしょう」
リュフは冷静な顔をつくり話し終えた。
「よく発見した中佐。今からお前は大佐だ」
ヴェイダー卿は別の部下に顔を向けた。
「艦隊に連絡しろ。改良型YT-1300貨物艇を発見次第生け捕りにしろ。殺してはいけない」
ヴェイダー卿はマントを翻してその場から去った。
リュフは他の士官とともにそれを見送った。
「大佐。おめでとう」
リュフの肩に手がおかれる。
「ああ、ありがとう」

スーパー・スターデストロイヤー<エグゼキューター>の待機室で一息ついていたリュフに親しい士官が続いてやってくる。
「昇進おめでとう。全く先をこされちまったよ」
「今度どこかでおごるよ」
いろいろ言われたがリュフは本当にうれしかった。
もちろん、あんな流れで大佐になったのは少しすっきりしないことでもあるが、ダース・ヴェイダー卿に階級を上げられたことがとても名誉に思えた。
「貨物艇を今すごいいきおいで攻撃してるらしいぞ」
ジャン・サンディスコ中佐が隣で言った。
「お前の…あ、いや、大佐のおかげですよ」
ジャンが口調を変える。
「敬語はいい。気持ちが悪い」
リュフは笑いながらプラスチック製の使い捨てマグカップにコーヒーを注いだ。
帝国軍の艦隊はすぐにホス星系から逃走した反乱軍の船を追跡しはじめた。とくに例の改良型YT-1300貨物艇の追跡はかなり力が入れられた。
リュフはそんななか、同僚とともにインペリアル・スターデストロイヤー<ホーンテッド>に移された。リュフもクルーとして反乱軍追跡に参加するのだった。
「君の地上戦での活躍はいろいろ聞いているよ。それに例の改良型YT-1300貨物艇の発見もしたそうじゃないか?中佐」
ハズ・グ―ン提督は体格のいい男だった。髪は白髪が混じった黒髪で、顎には顎鬚がたくわえられていた。
「ありがとうございます。それと、もう大佐です」
リュフは言った。
「そうだったな。ん?おい、あれは反乱軍の輸送艇じゃないか?」
グ―ン提督がオペレーターに尋ねる。
「そのようです。攻撃を開始しますか?」
「気づかれているかもしれん。不意を狙え。合図したら砲撃を開始せよ」
リュフはグ―ンの横で状況を観察した。
反乱軍の基地や艦隊は、あらゆる種類におよぶ多くの物資を必要としている。主要な貨物には食料、燃料、軍需品、武器、スペア部品、機器、薬品、そして数多くの非精錬金属などが含まれる。さらに反乱軍の輸送船は兵員、指揮官、技術者、そしてその家族たちを乗せ、緊急時に速やかに基地から撤退する任務も請け負っている。
今、<ホーンテッド>の前にいるのはその中型輸送船の二隻だった。周りにはXウィングが6機。
「始め!」
グ―ン提督の合図で主砲をはじめとしたターボレーザーからレーザーが放たれ、輸送船に当たる。
「シールドを張ってる。デビル・ハンド中隊を出撃させろ」
提督が命じた。オペレーターがすぐに中隊に連絡を入れる。

ハンガーラックから12機のTIEインターセプターがはずされ、次々にベイを出ていった。
『こちらデビル・ハンド・リーダー、報告せよ』
『デビル・ハンド2、準備良し』
『デビル・ハンド3、準備良し』
『デビル・ハンド4、準備良し』
『デビル・ハンド5、準備良し』
『デビル・ハンド…』
パイロットのマスクを通した声が聞こえ、デビル・ハンド中隊が輸送船奇襲を開始した。
リーダー機が1機のXウィングを追いかけまわした。
「援護射撃だ」
グ―ンが命じた。
<ホーンテッド>はインペリアル・スターデストロイヤーの<ヴァンパイア>と<モンスター>にはさまれるようにして並んでいた。
「<ヴァンパイア>の艦長から連絡です」
オペレーターの言葉にグ―ンが振りかえった。
「繋げ」
『提督、我が艦の戦闘機中隊も出撃を命じたほうがよいのでしょうか?』
背の低いアルフォンス・ディプカスター艦長は提督に目を向けた。
「ああ、そのほうがいいな。出撃してくれ」
『わかりました』
デビル・ハンド中隊にバット中隊が加わり、反乱軍は危機にひんしていた。
「将軍、敵の戦闘機中隊が倍になりました!Xウィングは全滅です!」
中型輸送船の若いオペレーターは恐怖の入り混じった声で報告した。
年老いたミット・ファーグル将軍は気難しい顔だった。
「ハイパースペースジャンプの準備だ。急げ」

輸送船のツイン・レーザー・キャノンの砲火を避け、デビル・ハンドのリーダー機が耐えず攻撃を続けた。
『提督、敵の輸送船はあと15分もすれば沈むでしょう』
この報告にグ―ンは満足げだった。
「よろしい。さあ、ティンダー大佐、あの船の最後を見届けようじゃないか?」
リュフも満足げにそれを眺めていた。


[403] (無題) 投稿者:たまごん xhV2V5NiP6w (2006/06/29(木) 10:39 8ztZ1UIcqOI)

c_3po_cw

「起きろ」

 男の声で、目が覚めた。
 瞼を開けて最初に視界に入ったのは、削り取られたかのような無数の傷と、形容しがたい皺だらけの人相。そして、幾十もの年月を経て、死闘と経験を積み重ねて来た者の、狩の全てを熟知したかのような、鷲の如き鋭い眼だった。

 目を覚ます前の、記憶を辿る。まず、老人が見えた。海を割ったモーセのように、人山人海を割って歩いてくる、今目の前に立っている人物と、瓜二つの老人。
 俺は、壁を背凭れに、血を流して倒れている。
 後頭部、額、口腔、肩甲挙筋、上腕、前腕、肘、胸筋、腹筋、鳩尾、脇腹、大腿、下腿、脹脛、踵、爪先…、全身の至る所の神経という神経が、激痛の信号を脳に送り込み、悲鳴と悶絶の入り混じった、断末魔の叫びを上げている。
 尤も、その堅く閉ざされた唇だけは、呻き声はおろか、一言の弱音さえ零さず、恰もそれらの全てを否定し、痛みを無に帰そうとするかのように、沈黙を保っていたが。

 "死"という単語は、とっくに聞き飽きていた。どうせこの仕事を引き受けていなくとも、飢えで死んでいた身だ。今更そのような言葉にうろたえるほど、安い精神は持ち合わせていない。どうせ死ぬなら、最期まで足掻いて、最後まで勝った気でいようじゃないか、そう思っていたから。
 だが皮肉な事に、相手の頭を地面に擦り付けさせる事を、仕事としている者にとって、相手が自分達に屈服しないという現象は、この上なくもどかしく、苛立たしく見えるはずだ。
 おそらくは、彼らの逆鱗に触れた理由も、そのあたりにあるのだろう。
 老人を取り巻く、いかにもな風貌の男達は、老人の制止を無視して次々と拳を振り上げ、再び俺を殴り始めた。
 大文字の如く燃え盛る篝火の光を前に、集る事しかできない蛾のような連中だったが、確かに腕節だけは強かったようだ。案の定俺は、襤褸雑巾になるまで殴られ続け、今に至ったのだから。

「お前、良い根性しとるやないけ」
 俺が目を覚ますのを、待ち構えていたかのように、老人は言う。褒められた…のか?それに気がつくまで、少し時間がかかった。
 やはり、その筋の人が口を利く姿は、よしんば笑っている時でも、無意識に警戒してしまうものなのだろう。特にこの老人の場合、普段からそれらしい喋り方をして定着させたようで、やけにさまになっていた。
「何や自分、ミイラみたいな格好しとるクセして。ここがどこだかわかってへんのやろ?」
 老人の後ろで、どっと笑い声が起こる。高級ビジネスホテルの従業員が、総出で出迎える時に見せるあの行列が、部屋の入口にあった。
 俺はそこまで視界に入れて、漸くこの場が病室である事に気づく。老人は呆れたと言わんばかりにため息がてらかぶりを振って、背後の行列を睨み回した。
 黒いスーツ姿の物々しい男達は、突然電流が走ったかのように全身を震わせ、ふざけた笑みを打ち消す。怜悧な顔立ちに浮かぶ明らかな狼狽が、権力者としての優越を誘うのだろう。老人も、片方の口端を軽く吊り上げて、満足気に笑っていた。

「サブ、ゲン、うるさいぞ。黙らんかい」
 今日、俺は銀河に二つと無い、有名な美術館を訪れている。
 この世界は、何時何処で何が起きるかわからない。美術品に目が眩み、部下が突然強盗に走る可能性も、帰路の途中で、スナイパーに待ち伏せされている可能性も、無いとは言い切れない。
 念の為、いつも服の下に防刃ジャケットと防弾チョッキを重ね着させてはいるが、それでも限界はある。
 どんな著名人でも、死んでしまえばその時点で全てが終わり。葬儀にどれだけの人が集まって涙を流そうと、死んだ人間がそれを知る事は無い。
 それだけの理由だ。俺がいつも、この人の傍で身を捧げているのは。
 まして自分の命を奪いに現れた男を生かし、剰え部下として置いてくれた人にできる恩返しと言ったら、そのくらいしか思い浮かばない。


───────────────────────────────────────────
某所よりネタ拝借。向こうじゃ主題に添えないからこっちでひっそりとうp


[404] そういえば主人公達の名前間違えてた! 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/06/28(水) 20:06 0wPE7b1O7vQ)

kitster

>>395の続き

『銀河のエース』

第四章

ザンは、反乱同盟軍から借りた二人乗り型のYウィングで、B地区に急いでいた。
B地区は、ほとんどが密林。居住区は無い。一つだけ、建物があるが、それは製紙工場。このB地区の密林の木を伐採し、この製紙工場に運ぶ。そして、紙が作られる。この紙は、二通りの販売ルートがある。一つ目は、普通に店に持っていったり、個人に売ったりする。二つ目は、格安で反乱同盟軍に提供する。工場長が反乱同盟軍の協力者だからだ。
製紙工場しか無い為、夜になるまでまったく人はいない。
普段は人がいないから、一発で亡命者は分かった。だが、ザンは一応、亡命者かどうか聞いてみた。
「ええと・・・あなたが亡命者ですか?」
ザンがそう聞くと、目の前にいた人は顔をあげた。
「あ・・・!」
顔をあげたのは、ザンの年齢と同じくらいの少女。髪型は長めのショートカットヘアーで、服装は当然ながら、帝国軍の制服だった。
ザンは、その少女に、目が釘付けになった。ザンは、その少女に人目惚れしてしまった。今まで、どんな美女や、美少女にも、惚れたことがないザンなのに、この少女にはなぜか惚れた。
「あなたは、反乱同盟軍の人?」
ザンは、我に返った。
「あ、うん。一応」
少女は、その言葉を聞くと、ほっとしていたようだった。
「良かった・・・もしかしたら、尾行が着いてたかもしれないから・・・」
「とりあえず、早く基地に行こう」
ザンは、少女の手を引き、Yウィングが着陸していた所に急いだ。
少女を、先にYウィングの後部の席に乗せ、ザンもYウィングの前部の席に乗った。
「出発するから、シートベルトちゃんと付けといてよ!」
ザンが言うと、少女は急いでシートベルトを付けた。
ザンがボタンを押すと、低いエンジン音が鳴り、Yウィングは動き始めた。
「そういえば、君の名前ってなに?」
「あ、私はルナ・ヘクト。よろしくね」
「君の親は――」
ザンが言葉を発すると、いきなり後ろから緑色の煌くレーザーが飛んできた。
「TIEだ!!くそ!尾行が付いていたのか!」
ザンはそう叫ぶと、方向転換した。敵はTIEボマー五機。Yウィングの武装では、TIEボマー五機と戦うのは難しい。Yウィングの武装は貧弱すぎるからだ。
赤いレーザーが、Yウィングのレーザー・キャノンから放たれる。しかし、その赤いレーザーは、TIEに当たっても、TIEにはそこまでの損傷は無かった。
「くそ!」
ザンは、どんどんレーザーを撃った。だが、ほとんどは宙に飛んでいて、TIEボマーには当たらない。
TIEボマーがプロトン魚雷らしき物を撃つ。そのプロトン魚雷らしき物は、Yウィングのエンジンに当たった。
「やばい!エンジンが――」
今度は、レーザーがYウィングに当たる。
「R3−D1!急いで火を消火してくれ!」
ザンが、そう叫ぶと、R3は消火を始めた。しかし、状況は変わらない。
「ルナ!君は射撃できるか!?」
ザンは、後ろのルナに聞いた。返事は「出来る」だった。
「よし!イオン・キャノンでTIEボマーを一機ずつ動けなくしてやれ!」
ルナは、イオン・キャノンを移動させ、的確にTIEボマーにイオン・キャノンから射出されたレーザーを当てていた。
全部の戦闘機はイオン・キャノンによって落ち、何とかザンは反乱同盟軍の基地に着いた。


あとがき
小説にはヒロインが必要かな、と勝手に思って、ヒロインを入れました。


[405] (無題) 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/07/01(土) 18:07 0wPE7b1O7vQ)

corran

>>404の続き

『銀河のエース』

第五章

ウォスは、用意された自分の部屋で、休んでいた。
コレリアを離れてもう一ヶ月か・・・
ウォスは今、べスピン基地に勤務していた。帝国アカデミー卒業したばっかりのウォスは、反乱同盟軍の活動があまり無い、べスピン基地に移されたのだ。べスピン基地にいる隊員は、ほとんどが落ちこぼれか、新人や学歴が無い者だった。
べスピン付近の基地に勤務している者は、いつも、少尉以上の階級を持つ、エリート隊員に見下されていたり、差別を受けていた。中には自殺する隊員もいるほど酷いものだった。
絶対、エリートになってみせる・・・!
ウォスは、今の言葉を、強く心に秘めた。
外から足音が聞こえてきた。その足音は、だんだんウォスの部屋に近づいていった。そして、その足音の主は、ウォスの部屋の扉を開けた。
「よ〜う!元気かい?新人クン!」
こんなお気楽な声を出したのは、エリート隊員の一員でもある、ハンジル・スパナ大尉だ。エリート隊員なのに、このべスピン付近の基地の隊員に優しくしてくれる、変わった男だった。
「どうしたんですか?また偵察任務をやれとか言うんですか?」
ウォスが言うと、ハンジルは首を横に振った。
「じゃあ偵察任務じゃ無いんですね?」
今度も首を横に振った。
「・・・ふざけてんですか?」
ウォスがこう言うと、ハンジルは首を縦に振った。
よく、エリート隊員になれたな・・・
ウォスがそう思った。
「あ!!お前、よくエリート隊員になれたな、て思ったろ!」
ハンジルは、まるでウォスの心を読み取ったように言った。
「その通りですよ。ホントによくエリート隊員になれましたね・・・」
「まあ、ここから本題だ」
ハンジルの顔は、急に厳しくなった。
「お前らは、べスピン付近の偵察などをやってるだろ?だが、ここから離れた所だが、コレリアに反乱同盟軍の基地を見つけたんだ。その基地には、あのデス・スターを破壊した奴がいるらしい」
デス・スターを破壊した奴だって・・・?
ウォスの顔は、急に真剣になった。デス・スターを破壊した奴を撃墜したりしたら、自分の階級もかなり上がるからだ。
ハンジルは続ける。
「でなあ、そこの基地は結構大規模らしくって、お前らも投入されることになったんだ」
ウォスにとっては、二度と来ないかもしれない、最大の、昇格する為のチャンスだった。
「で!?いつ行くんですか!?」
ウォスは、ハンジルの肩を掴んだ。
「おいおい、そう力むなって!詳しい日程は、後でここの基地の隊長が言うから!じゃあな!」
ハンジルは、それだけ言うと、ウォスの部屋から出て行った。
ウォスは、急いで任務説明室に行った。
そこに着くと、ハンジルが既に報せたのか、たくさんの隊員がいた。
空いている席にウォスが座ると、そのときを見計らっていたように、基地の隊長、アヴラン・スカット少尉による、任務の説明が始まった。
「今回の任務は、ハンジル大尉からもう聞いているかもしれんが、これからコレリアにある、反乱同盟軍の基地を攻撃する」
これからか・・・TIEの整備をしっかりしなくちゃな・・・
ウォスが、どう整備しようか考えている間に、アヴランは、話を続けた。
「この基地には、あのデス・スターを破壊した者がいるらしい。だからこのべスピン基地の隊員も投入されることになった。いいか。絶対に気を抜くなよ!分かったら一番ドッグのスター・デストロイヤーに乗り込め!」
アヴランが言う。全員立ち、一番ドッグに格納されている、スター・デストロイヤーに急いだ。


[410] (無題) 投稿者:空を歩くもの gaoWblK2Sds (2006/07/03(月) 20:20 pSGwtwKt8FA)

red_leader

>>398を編集しました。というわけで、そのつづき…



セオロンは中央管制塔で部下に直接指示を出していた。部下は、それを手際よく忠実に実行していく。
「セオロン様、あと1時間もありません。」
「わかった。最近出来たばかりの共和国軍に信号を送れ。」
「了解。」
部下の手元がスムーズに動く。ローフォンの近くに駐屯している第43飛行中隊は、前ローグ中隊のメンバーが多く所属しており、共和国の中でも一流の飛行部隊であった。彼らは帝国軍艦隊がいたという情報を確かめに来ていたのであった。

今から一年前、反乱同盟軍がコルサントを奪還し多くの星系が新共和国に加わった。元帥のモン・モスマは以前にも増して正義感を発し、その他の惑星も次々に新共和国の統治下となった。もはや帝国の滅亡も時間の問題と目された。

「セオロン様。向こうからの電波を捉えました。至急応援に来るそうです。メイディーンという名の総督から来ています。」
「うむ。帝国の到着は間もなくだ。皆、ターボレーザー、その他砲塔の準備をしろ。イオン電波通信妨害機も起動するように。」
「了解。」


メイディーン総督はリパブリック・エンゲージ・スタークルーザーのブリッジに立ち、現場の指揮をしていた。この戦艦は共和国最新のクルーザーで、火力・シールドが最強な上にスピードも今までより遥かに速かった。
だが、ブリッジでの操作は熟練の技師でも悲鳴をあげるほど困難なものであったため、モン・カラマリ族が多数を占めていた。
「メイディーン総督、敵艦隊がローフォンに到着するまであと10分です。」
「ハイパージャンプの準備をしろ。ウェッジ将軍の率いるXウイング部隊を先頭に同時にジャンプするぞ。」
メイディーンはウェッジに通信をいれた。
「将軍、準備はいいか?まもなくハイパースペースにジャンプする。合図と同時に跳ぶんだ。」
「了解。相手はスターデストロイヤー三隻。ちょろいもんです。なあタイコ?」
「もちろんだ。」
旧ローグ中隊のいつもの陽気な声を聞いて、メイディーンは思わず微笑んだ。だが気を抜いてはならない。この真新しい戦艦を試すには良い訓練だ。

共和国艦隊は一気にジャンプした。そして、すぐについた。

「な…!?」
「総督!待ち伏せです!」
「うわぁぁぁぁ!!!」
前方のXウイング三機が一瞬で火達磨と化した。
「何事だ!」
メイディーンの顔から血の気が引いた。近くのカラマリが焦りながら言った。
「これは罠です!惑星付近にはスターデストロイヤーが無数にあります!そしてスーパースターデストロイヤーも…」
「全機退却!罠だ!」
メイディーンはカラマリの言葉を遮り、必死に通信した。しかし、ウェッジから返ってきた言葉は想像を絶した。
「退却できません!周りを囲まれました!まるで帝国軍の全てがここにあつまっているようだ。」
メイディーンはその場に倒れそうになった。しかし、かろうじてそれを抑え、新たな指示を出した。
「共和国に応援を頼む。それまで、持ちこたえてくれ…」
ウェッジはこの返事を待っていたと言わんばかりに声を張り上げた。
「久しぶりの死闘だ。Aウイング部隊が必要だ。グリーンリーダー!部隊を半円形に飛ばしてスターデストロイヤーからの放火の防御体制をとれ!他はTIEだ!」
「了解。ゴールドリーダー。」
Xウイング部隊は目にも見えないスピードでレーザーを交わし、敵艦に近づいていった。しかし一機、また一機とやられていく。
「いくらなんでも、このクルーザーにはきつすぎる。」
メイディーン将軍は困難な操作を頭を駆使してやり遂げているカラマリ族を見ながら一人呟いた。


[411] (無題) 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/07/03(月) 22:15 0wPE7b1O7vQ)

corran

>>405の続き

『銀河のエース』

第六章

「・・・遂に見つかったか・・・ココが・・・」
コレリアにある、反乱同盟軍の基地で、見張り役をやっているスパート・エルサスは、言った。少しの間、何故ここが見つかったのか考えていたが、途中で考えるのをやめ、司令室に連絡をした。
「大変だ!帝国軍の大編隊が攻めてきた!しかもエリート部隊も一緒だ!」
スパートが連絡をすると、基地全体が警戒態勢に入った。
サイレンみたいな音が鳴り響き、基地の廊下などでは走る音がたくさん聞こえ、基地の出入り口からは、反乱同盟軍の歩兵部隊が出てきた。戦闘機ドッグでも、様々な声が聞こえた。
「早く出撃準備しろ!」
誰かが叫ぶと、パイロット達がどんどん戦闘機ドッグに入っていく。それぞれのパイロットが、自分の相棒のアストロメク・ドロイドを乗せ、自分の愛機に乗った。
ザンとルナは、基地の廊下を走って、戦闘機ドッグに急いでいた。警戒態勢になる前は、ザンとルナは、ザンの部屋で色々な話をしていた。
「ルナ、君は反乱同盟軍の戦闘機は操縦出来るか?」
走りながら、ザンはルナに聞く。
「・・・多分操縦出来るよ」
多分操縦が出来る、と聞いたザンは安心した。エリート部隊も攻めてきたから、操縦が出来ないと一瞬で撃墜されてしまうからだ。
「ほら!急いで出撃しろ!」
メンテナンスを担当する反乱同盟軍兵士に言われ、急いでザンとルナはXウィングに乗り込んだ。ザンが乗せたアストロメク・ドロイドは、R3−D1、ルナが乗せたアストロメク・ドロイドは、R4−D4だった。
ザンはレッド12、ルナはレッド13として、出撃した。
ルークから、コムリンク通信が入った。
「皆。準備はいいか?」
「レッド2、準備よし」
「レッド3、準備よし」
「レッド4から11、準備よし」
「レッド12、準備よし」
「レッド13、準備よし・・・」
「全員、準備はいいな?これより戦闘を開始する!」
ルークがそう言うと、レッド2から6とザンは、直接TIEの大編隊に向かい、レッド7から9は、地上部隊の迎撃に当たった。レッド10、11とルナはルークの援護に向かった。
TIEの大編隊の中から、一機だけ、大編隊から外れた。TIEファイターだった。そのTIEファイターが、早速ルークの後ろに着いた。
「もらった!」
TIEファイターのパイロットは叫び、レーザーを発射した。しかし、ルークは簡単に避け、すぐさまそのTIEファイターの後ろに回り込み、TIEファイターを撃墜した。
ルークのXウィングは、TIEの大編隊の中に突っ込み、一機のTIEファイター撃墜した。そのTIEファイターは、他のTIEファイターに当たり、そのTIEファイターが、他のTIEファイターに当たる・・・というような連鎖を繰り返し、TIEの大編隊の半分は無くなっていた。
「何てすごいんだ・・・」
ザンは、小さい声で言った。見事な戦闘機の操縦。見事な回避。攻撃も見事だった。ルークの操縦は、全てが見事だった。
そうだ・・・俺もやらなくちゃ・・・
ザンは、攻撃を始めた。ザンのXウィングから、赤いレーザーが発射される。しかし、そのレーザーは当たらない。
何度も何度も発射はするが、そのレーザーは全然当たらない。
「どういことだ!?全然当たらない!」
ザンは、ガムシャラにレーザーを発射した。しかし、ほとんど当たらない。
「レッド12!落ち着け!落ち着いて当てろ!」
ルークに指示された。ザンは我に落ち着いて当てようとした。落ち着いたら、急に当たるようになった。
TIEの大編隊が壊滅しかけたが、そこで終わらず、第二のTIEの大編隊がやって来た。まだまだ戦闘は終わらなかった。


[413] 初めて小説書くんで表現力とか云々は見逃してくらさい・・・。 投稿者:Integrity Knight(自宅からは、この名前にします) NXB5gG5AxqE (2006/07/04(火) 00:16 n21/.yq2Htw)

plo


『仮面の騎士』
 =第0話= 〜プロローグ〜

目を覚ました時には既に、この世界は地獄だった。

自分の皮膚が溶けているのが分かる。
神経の一本一本全てが絶え間無い責め苦を受けて喘いでいる。
喉には焼け爛れた空気しか入ってこない。
指を動かそうとしたら皮膚がくっ付いて離れない。
足は先程からこの地獄からできる限り離れようともがいている、がまるで腱が切れたみたいにすぐ"だらん"とへたれてしまった。

早くこの地獄から抜け出したいのに自分にはその力が無い。
苛立ちともどかしさで目の前にある物を全てめちゃくちゃにしたくなったのだが、瞼が溶けて張り付いていたので何も見えなかった。

あぁ・・・。
今まで、自分に敵意を向けていた感覚が薄れていく。
なんだか体が宙に浮いている様な良い気分だ。

「・・ぉぃ。ぉい・・・おい!!」
だが、凄まじい揺れと戻ってきた痛覚に思わず悲鳴を上げずには居られなかった。
「おい!こっちだ!!まだこっちに生存者が居るぞ!」
「酷い状態だな・・・。事は一刻を争うと、医療主任に伝えてくれ!早く!!」

唐突に、急に辺りが異常な喧騒に掻き乱されている事に気づいた。

「こいつは重症患者だ!設備の整った他所の医療ステーションに回してやってくれ!それと・・・こいつはジェダイの騎士らしいぞ、腰に真っ黒な筒みてーなのがくっ付いてる」

        〜プロローグ 完〜

はい、感想もくそも御座いませんね(苦笑)
まあ、まだプロローグなので次回に期待と言うことで・・・。


[414] (無題) 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/07/04(火) 18:10 0wPE7b1O7vQ)

corran

>>411の続き

『銀河のエース』

第七章

あれは人間の出来ることなのか?俺には絶対無理だ・・・
第二のTIEの大編隊に所属していたウォスは、ルークのXウィングの操縦を見て、そう思った。
あの戦闘機に乗ってる奴が、デス・スターを破壊した奴なのか・・・?
ウォスがそう思っていると、突然、TIEの大編隊の中から一機が急に飛び出していった。その一機は、真正面からルークのXウィングに向かった。当然、撃墜された。一瞬で。
その一機が飛び出し、撃墜されると、次々とTIEファイターが飛び出していった。ルークのXウィングからは、赤い煌くレーザーが発射された。そのレーザーは、飛び出していったTIEファイターの一機に当たり、その一機が他のTIEファイターに当たり、連鎖して、飛び出したTIEファイターのほとんどを破壊された。
どんどんTIEの大編隊の中からTIEファイターが飛び出していく。それらの機体も、当然撃破された。
実力の差が分からないのか?
ウォスは今すぐ逃げたくなった。どんな事をしても。
帝国アカデミーに通っていた頃、好成績だったので、ルークの戦闘機の操縦が上手いのは十分分かるから、今すぐ逃げたくなったのだ。すぐさまあの戦闘機がこちら側に飛んできて、自分を撃墜しようとしているように感じるほどだった。
だが逃げない。俺は誇り高き帝国軍人だ・・・!
ウォスも、他のTIEファイターと同じように、ルークのXウィングに向かった。全速力で。

「ん・・・?あのTIEファイターだけ動きが違うな・・・」
ルークは小さく言った。そのTIEファイターとは、ウォスの乗っているTIEファイターのことだった。
他のTIEファイターはあそこまでスピードを出さない・・・何をしようとしてるんだ?
ルークは、少し警戒した。今までの勘が、ヤバイ、と告げている。
ウォスのTIEファイターは、射程距離の外からレーザーを発射した。当然当たらない。だが、ルークのXウィングが射撃を行う瞬間。ウォスのTIEファイターのレーザーの方が、ルークのXウィングに当たるのが速かった。
ルークのXウィングは、大きく揺れた。そして、ルークがレーザーを発射しようとすると、ウォスのTIEファイターは視界から消えていた。
ヒット&アウェイか・・・!
主に、反乱同盟軍が使う戦法。ルークもたまに使っている戦法だが、敵が使って来るとは、夢にも思わなかった。
『こちらは脱出準備が出来ました!急いで基地に戻って下さい!』
コムリンク通信が入った。どうやら、基地の方では脱出準備が出来たようだ。
「今向かう」
ルークはそう言うと、コムリンク通信で、他の隊員に伝えた。
「全員!基地の脱出準備が終わった!急いで輸送船の援護をするぞ!」
ルークがそう言うと、全員一斉に基地に戻った。
「これから輸送船の援護を行う!一機の輸送船につき、四機か五機が護衛に付け!」
レッド隊は、レッド1から4は第一輸送船に、レッド5から8は第二輸送船に、レッド9から13は第三輸送船の護衛になった。それぞれ目的地が違い、全部違う基地に向かうことになっていた。第一輸送船はホス、第二輸送船はべスピン、第三輸送船はナブーに向かうことになった。
何故か宇宙の防備はほとんど無く、全部の輸送船は無事コレリアを出た。


[417] 第0話との関わりは第2話以降を待て! 投稿者:Integrity Knight NXB5gG5AxqE (2006/07/06(木) 01:02 30QZbL/vgBY)

plo

『仮面の騎士』
 =第1話= 〜その威容は騎士に似て〜

突然ガンシップの左手から突然爆発音が聞こえて来た。
「左の推進装置がやられました、スピーダーバイクで脱出を!」
「分かっている。『シーク』達は?」
「無事合流地点に到着した模様です。貴方も早く向かって下さい!」
「そうか、それでお前たちはどうするんだ?」
「・・・運が良ければ、また逢えるでしょう。」
「そうか、・・・私も運が良ければ、お前と逢える・・だろう」
「!、クランプを外します。この程度の高さなら木にぶつからない限り安全に降下できる筈です。・・それでは!」
私が一番親しかったクローンの中尉が敬礼し、近くのトルーパーもそれに習い私に敬礼をした。
私も敬礼を返そうとしたが、ガンシップを急な揺れが襲い、気が付けばガンシップの後ろに付く形で降下していた。ガンシップはそのまま黒い帯を引きずりながら視界から消えた。

バイクが地表に近づくにつれて木や地面から生え出た鋭い岩が進路を阻んだ。
何とか地上に着いたが、身に纏っていた特注の『蒼いマント』の端っこや威力の高いチャージ(爆弾のことです)を数個、おまけに通信用ホロも木の枝に持っていかれてしまったようだ。
有能な部下の安否は不明、装備も不完全、スピーダーは着地の衝撃でバランサーがいかれたらしくまともに操縦出来ない有様だ。
「この作戦のシナリオは上出来とは言えないな。」
思わず溜め息が漏れてしまうが、そんな事よりも先ずは一刻も早く『シーク』達と合流しなくては。

『シーク』とはクローン諜報部とは独立した『議長専属』の諜報部。公には第302中隊と言う事になっている。
今回の作戦ではスター・デストロイヤーが陽動の爆撃をしている隙に独立星系連合のイクタ・ズラァウという将軍を暗殺し、彼が持っているとされる『ある兵器』の設計図を奪取するのが今回の作戦の最優先、最重要任務だったが・・・。
「このザマじゃ先が思いやられるな・・・」
私は、自分の失態に自分で渇を入れながら合流地点まで走り出した。

一時間程歩き続け合流地点に指定した遺跡が見えた時、紅い閃光が見えた気がした。それを見た瞬間、私は無意識に背中の長柄に手を伸ばし、遺跡に向かって猛然と駆け出していた。

やはり先に到着していた『シーク』達がドロイド達に襲われている様だ。
こちらの部隊は陣形を組み、湧き出てくるドロイド達を確実に仕留めていく。流石は選りすぐりのエリートだ。
一方ドロイド達は殆ど戦術的な動きが出来ていない。恐らく、指揮官のドロイドがやられて母艦から戦術データを受信出来なくなったのだろう。
一見私の部隊が有利に見えたが、ドロイドは戦術を上回る物量でトルーパー達を追い詰めていく筈だ。
「これ以上作戦に差し障りがあっては面倒だ!」
そう叫びながら私は自らドロイド達に斬りかかって行った。


[418] (無題) 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/07/06(木) 18:03 0wPE7b1O7vQ)

kitster

>>414の続き

『銀河のエース』

第八章

漆黒とも言える宇宙の中、数機のXウィングと一機の輸送船が浮かんでいた。その数機のXウィングと一機の輸送船は、惑星ナブーの反乱同盟軍基地に向かっていた。既に目の前には、ナブーが視野一杯に見えている。
『そろそろナブーに着くぞ。着陸準備しろ』
コムリンク通信で連絡が入る。声の主は、レッド9のフート・ザットだ。階級は大尉。フートには様々な噂があり、悪い噂では、二十五歳なのに大尉までなれたのは、ワイロなどを使ってるんじゃないか、という噂が流れた事もある。しかし、若いのに百戦錬磨といえるほどの状況の判断力と、正確な射撃などが行える。その実力がルークに買われ、レッド隊にいるのだった。
ルークからの命により、フートは第三輸送船の護衛のリーダーでもある。
全員は、Sフォイルを閉じ、着陸体勢になった。
全部の機体がナブーに向かっていく。大気圏突入の開始だ。ナブーの大気圏に入ると、全部の機体が、大きく振動している。衝撃もある。ほとんどの機体は、真っ赤に燃え上がっているように見えた。
「だんだん熱くなってきた・・・」
『何だ、レッド12?大気圏突入したことが無いのか?』
フートがザンに聞いた。
「はい・・・コレリアを出たことも無かったもので・・・」
『まあ何とかなるよ!どうせXウィングは溶けないから!ただ熱いだけ!』
こんなマイナス思考を持たず、プラス思考だけなのは、レッド10のジューク・クォーターだ。ザンと同じ年齢だが、ジュークの方が早く反乱同盟軍に入っている。
「ホントに何とかなるのか?ジューク・・・」
どんどん熱くなっていき、コクピットは蒸し風呂ぐらいの温度まで上がっていた。ザンは少し気分が悪くなり、ほんの少し、生きてナブーに行けるのか?と思い始めた。

結局何ともなく、無事大気圏突入は終わった。
『全員。無事か?聞くまでも無いと思うが』
「レッド12、無事です」
『レッド11、無事ですよ』
『だったら聞かなければいいじゃないですか!レッド10、無事です!』
『レッド13、一応無事です・・・』
ルナだけはどうやら微妙に無事ではないようだった。
『一応とは何だ。何が悪い?』
『いや・・・何故かまだコクピットの温度が上がってるんです』
「もしかして、エンジンがオーバーヒートしてるんじゃ?」
ザンが言うと、ルナのコムリンクから何やら、ガサゴソと音がした。
『あ・・・ザンの言う通りだ・・・』
『・・・まさか大気圏突入でエンジンがオーバーヒートするなんてな・・・』
レッド11のザッツ・ドールが言った。レッド11のザッツ・ドールは、二十歳の反乱同盟軍パイロット。階級は曹長。どうやら、曹長の中では一番強いらしい。ザッツ自身が言うには。
『とりあえず、ここから基地まで近いから、ルナのXウィングを解体して、使える部品だけ基地に運ぼう』
こうして、先に輸送船とレッド9からザンのXウィングが基地に戻り、あとから運ぶことにした。
「そうえいば、ルナの親って誰だっけ?」
持てる部品を持ち、基地に向かって歩きながら、ザンはルナに聞いた。
「え?私の親?お父さんもお母さんも、帝国軍で働いてるんだけど」
「あ!ごめん、亡命したのに、そんなこと聞いて・・・」
「別に大丈夫だよ。色々同年代の人達に聞かれたから、それで馴れちゃった。そういうこと聞かれても」
今のと似たようなやりとりは、基地に着くまで続けられた。

基地に着くのと同時に、急に警戒態勢になった。
「え!?何で!?」
ザンが叫ぶと、見張りが叫んだ。
「まだまだ遠くにいるが、宇宙にTIEの大編隊がいる!」
全員が驚いた。
「まさか・・・お前ら尾行されてたのか!?」
誰かが叫んだ。すかさず、ザンが答えた。
「いや!そんなことは絶対にありえません!レーダーにも反応はありませんでした!」
「じゃあどうして・・・!?」
皆、驚き戸惑っていた。
「あれ?」
急にルナが言った。ルナの服には、何か光る物が付いていた。ルナの持ち物ではなかった。
「あ・・・!これは発信機!」
どうやら、ルナが亡命することは、事前に知っていたようだった。しかし、ルナに発信機を付け、あえて逃がしたのだった。
「だからあのとき、敵が少なかったのか・・・!」
ザンが小さく、しかし力強い声で言った。
そのとき、ジュークが口を開いた。
「ちょっと待ってくれ!確かこの辺には、昔捨てた基地があるだろ!?そこに移ればいいんじゃないか!?」
「だが、時間稼ぎは何人必要だ!?」
ある一人の兵士が言うと、フートが言った。
「とりあえず、まずここの基地を小規模と思わせよう。パイロットだけで出撃しろ」
それからフートはしばらく同じ所を歩き回った。
「大体・・・十五人だな。あくまでも戦うんじゃなくて、逃げるんだ。輸送船も五機ほど行け。残りの輸送船は、乗せれるだけ物資と兵士を載せて、その捨てた基地に行け。捨てた基地に行くパイロットも、出来るかぎり物資を載せろ。出撃するパイロットも輸送船も、出来るかぎり高速で逃げろ。敵の追跡を撒いたら捨てた基地に戻って来い。必ず敵を撒いてから来るんだ」
こうして、ザン達は休まず戦闘を行うことになった。


[419] (無題) 投稿者:ハンダース=ロクダー卿 tEQY0c/In62 (2006/07/07(金) 18:48 qiIaCkcepJM)

jarjar_kaadu

『暗黒卿の遺産』
第4話 逃亡

「早く・・こっちへ。」
コールがザードを急かした。二人が通路に入ってからすでに10分ほどたっている。
意外にも通路は短い一本道ではなく、迷路のように曲がりくねっていた。
かなり複雑なため襲撃者は道に迷い、正しい道を知っているコール達だけが抜け出せる・・という寸法らしい。
この作戦は見事に成功した。
しばらくすると、後ろのほうから帝国軍の声が聞こえ、
どこかで迷っているのだろう、声の調子からしてあきらかにイラついているのがわかった。
それからまたしばらく歩いていくと階段があり、それを上りきると奥に小さな光が見えた。出口だ。
しかし、そこでコールは壁のほうを向いた。今まで気づかなかったが、そこには赤いドアがあった。
コールはそのドアを開けると、奥からなにやら引っ張り出してきた。
「・・これは?」
ザードが聞く。どこかで見たことがある気がするが、それが何なのか思い出せない。
「これか?スピーダーじゃよ。奥にお前の分がある。取って来い。」
・・スピーダー。思い出した。昔乗せてもらった覚えがある。
しかし、操作方法はさっぱりわからない。
「無理です。一度も操縦したこと無いのに・・」
「・・フォースを信じろ。それだけで十分操縦できる。」
コールは白いヘルメットを被りながらそれだけ言うと、自分のスピーダーに跨り行ってしまった。
それを見たザードも慌ててヘルメットを被ると、
さっきコールがやった通りに見様見真似でスピーダーを起動させ外に出た。
ザードが外に飛び出した瞬間出口の付近に光線が飛び、出口は轟音と共に雪に埋もれていった。
危なかった・・そんなことを考えながらも、スピーダーの操縦の方は難無く出来た。
さっきは慌てていて気づかなかったが、基本的にはレバーしか使わないので操作は単純だ。
そうしている内に、無線からコールの声が聞こえてきた。
『・・ザード・・聞こえるか。ここからずっと真直ぐ行った所にエースファイターがある。
友人から古くなったから譲ってもらったやつだ。それさえあればこの星から逃げられる・・
それと・・敵が迫っている。我々と同じようにスピーダーで追跡してきている。気をつけろ。』
そこで無線が切れた。後ろからは唸りを上げて追跡してくるスピーダーのエンジン音が聞こえた。


[420] (無題) 投稿者:コーラン EZ6MlWYV9nQ (2006/07/07(金) 23:36 0wPE7b1O7vQ)

corran

>>418の続き

『銀河のエース』

第九章

敵を引き付けるのをやるのは、レッド9から13、及びナブーの反乱同盟軍基地のパイロット十人がやることになった。
計十五人のパイロット達は、全員Xウィングに乗り、それぞれのアストロメク・ドロイドを一緒にXウィングに乗せた。輸送船は、基地の表出入り口に置いており、ほとんどの隊員がナブーの反乱同盟軍基地から逃げ出したら、宇宙に逃げる事になっていた。
戦闘機ドッグには、大小のエンジン音が聞こえる。それと同時に、Xウィングの数機が戦闘機ドッグから飛び出した。残りのXウィングも、それに釣られているように飛び出した。戦闘機ドッグに残っているのは、Yウィングだけだった。
『こちらレッド9。全員、準備はいいか?』
レッド9のフートが聞いた。全員、「準備よし」だった。
『いいか!前に述べた通り、敵を攻撃するんじゃなくて時間稼ぎだからな!逃げ回れ!これより、戦闘を開始する!』
フートが言い終わった瞬間、即座に飛び出したXウィングがいた。ジュークの機体だった。
「おい!ジューク!何命令に背いてるんだよ!」
ザンが大声で叫ぶと、ジュークは
『別にいいだろ!どうせ逃げても戦っても一緒なんだから!』
と、適当なことを言い出した。
ジュークの機体は、真っ直ぐ空に向かい、大気圏突入が済んだTIEの大編隊に突っ込んだ。いきなり敵が突っ込んで来たので、敵は相当慌てたらしく、数機は仲間に機体をぶつけ、十数機のTIEは消えた。
「逃げると戦うは大違いだ!馬鹿!」
ザンがまた叫んだが、ジュークはその言葉を無視し、TIEの大編隊の中で暴れまくった。

ジュークがTIEの大編隊で暴れた瞬間、ザンは奇妙な感覚に襲われた。体の周りの平衡感覚が無くなるように感じ、周りが全く見えなくなった。
どうなってるんだ――?
『おい!レッド12!応答しろ!どうした!?何故地面に向かっていく!?』
フートは叫んだ。しかし、ザンにはほとんど聞こえていなかった。
ジュークが敵機を破壊するたび、ザンには悲鳴が聞こえた。ジュークが敵機を破壊しなくても、ザンには直、悲鳴が聞こえた。この戦闘だけではない。宇宙全体から、死んだ者や生物の悲鳴が聞こえた。絶える間も無く、聞こえ続けた。ザンは、狂いそうになった。
『どういうことだ!?レッド12から全然反応が無い!まるで放心状態だ!』
レッド11のザッツが言った。確かにこの表現も合っているが、どちらかというと、精神の暴走だった。
『やばい!レッド12の機体が地面に激突する!』
フートがまた叫んだ。ザンのXウィングは、もう地面と数百メートルしかない。
『起きろ!レッド12!起きるんだ!』
『起きないと死ぬぞ、ザン!』
ザッツとジュークからもコムリンク通信が入った。しかし、ザンは一行に反応しない。
『あ!激突する!』
ルナが叫んだ。もう、ザンのXウィングと地面は数十メートルしかない。ルナは、ザンが死んだと思うと、怖くなり下を見なかったが、いつまでも爆音が聞こえない。恐る恐る下を見ると、ザンの機体は急上昇していた。
「う・・・」
やっとザンは起きた。眩暈がし、ザンは少し顔を叩いた。
『ザン!大丈夫だった!?』
『おい、ザン!大丈夫か!?』
ルナとジュークが同時に言った。ザンは小さな声で答えた。
「うん・・・もう大丈夫だ・・・」
さっきのは何だったんだ・・・?
『こちらは全員基地から脱出出来ました!急いで宇宙に上がりましょう!』
輸送船の乗組員からコムリンク通信が入った。どうやら下では、隊員が全員裏出入り口から脱出出来たらしい。
『よし!行くぞ!レッド12、これからはしっかりしろ!』
フートは、ザンを元気付けるような口調で言った。
しばらく、大気圏突破を行った。TIEには二回も大気圏を突破したり、突入は出来なかったようだ。
『よし、もう大丈夫だ――』
フートが言いかけると、急に緑色のレーザーが飛んできた。
『TIEの第二大編隊だ!』
ザッツが驚きながら叫んだ。
『まずい・・・二分割される・・・!レッド12!レッド13!急いでこちら側にこ・・・』
ナブーの反乱同盟軍基地にいたパイロットの一人が、言葉を言い切る前に、TIEに撃墜された。
「やばい!囲まれた!ルナ!俺の言った座標を入れろ!ハイパースペースに逃げる!」
ルナは少し迷ったが、ザンの言うとおりの座標を入れ、ハイパースペースに逃げ込んだ。


[421] 今回は過去話  次回第3話 「敵地強襲」 をお楽しみに! 投稿者:Integrity Knight NXB5gG5AxqE (2006/07/13(木) 01:22 4ou.mDPxfbI)

plo

『仮面の騎士』
 =第2話= 〜"戦士"の繋がり〜

どうやら今回も助けて貰った様だ。
今回の助太刀でとうとう借りの数は両手の指で数えられなくなってしまった。
「有難う御座います、指揮官殿。また助けられました。」
「私の指揮している部隊だ、助けるのが当たり前だろう。」
そう言いながら彼は背中に得物をしまった。
相変わらず無愛想な返事だが穏やかな口調から我々の今回の失態を怒っているわけではなさそうだ。
「何をしている?早く出発するぞ、唯でさえ遅れているんだ・・・」
彼はそう言って先に樹海の方向に歩き出した、敵の司令部がある方角だ。


「あの、指揮官殿・・・中尉・・TP−2403Kはどうなりました?」
一人の(と言うよりも唯一人の)クローン・トルーパが自分の"仲間達"がこの場に居ない事にようやく気が付いたようだ。
「TP−2403K、通称コマンダー・アーレの安否は目下のところ不明だ」
「そう・・ですか。
大変、残念に思います・・・。」
「あまり落ち込まない事だ、TP−2609K・・・ルプス中尉。」私は何時も彼が呼ばれている愛称で呼んだ。
「それに戦死したと決まった訳じゃない。奴なら自力で、(樹海の向こう側を指差して)あちらさんの司令部まで辿り着いているかもしれん。」
「そうですね・・奴がそう簡単に死ぬとは思えません!」



ふぅ・・・、兵の士気を保つのも・・楽じゃないな・・・。
こいつら、ルプスとアーレの"2体"のARCコマンダー候補の育成は私の数ある"最優先"任務の1つだったが、もしアーレがガンシップと運命を共にしていたらルプスの精神状態に多大な影響を与える事は必至だ!
アーレとルプス、この2体は単なるクローン・トルーパではない。
彼らのオリジナルであるジャンゴ・フェットにより近しい能力を有した第1世代ARCトルーパ、『アルファ』によって見出された兵士達、その中でも異彩を放っていたのがアーレとルプス。

ルプスは早撃ちとその命中精度の高さを買われて、栄えある第2世代ARCの訓練を受けていたが、情緒不安定な所がカミーノ人に危険視されていた。

アーレは狙撃兵だったが砲撃手としての才能、そしてリーダーシップを積極的に執ろうとする点が評価された。

ルプスは懸念された通り最初の任務で問題を起こした。
情緒不安定になっていたルプスが民間のシャトルを敵機だと思い込み撃墜したのだ。死者が10数名、重傷が1人、行方不明者3人の被害を出した。
ルプスは即刻"処分"されそうになったが、戦闘の際の成績は優秀だった為にアーレと組んで行動させる様にしたのだ。
この試みは上手く行きルプスはアーレによって導かれていた。
しかし・・・今の状況では心の支えを失ったルプスが勝手な行動を起こして作戦を危機的状況に追い込みかねない、どうすれば・・・。



「指揮官殿!」
部下が鋭く叫んだ瞬間、自分の横顔のすぐ傍を熱い粒子が走ったのを感じた、どうやら部下の手信号に気づかずに敵から身を隠すのが遅れてしまった様だ。
「私とした事が!」

「確固で応戦せよ!」
ルプスは自分のチームに命令を出しつつコマンド・ピストルの水平撃ちで敵を薙いでいた。
「皆!これからが決戦だ!こんな所で遣られていては敵本陣まで辿り着けないぞ!」

私はルプスを過小評価しすぎていたのかもしれない。
彼は十分成長していた、だが私はまだ"兵士としての自覚"が足りなかった。
この戦場で一番情緒不安定だったのは私かもしれない。
"兵士は"間違っても戦場で過去に浸ったりはしない。
アーレの事が気掛かりなのはルプスだけではなかったと、この時初めて気づく私が居るのだった。


[422] (無題) 投稿者:空を歩くもの gaoWblK2Sds (2006/08/21(月) 18:52 /NwnSZCRI36)

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STAR WARS EPZ  「王族の血筋」


>>410のつづき

メイディーンは必死に考えていた。それはローフォンから発せられた信号の内容についてだった。
「スターデストロイヤー3隻に奇襲されている。援護頼む。」
なぜ、ローフォンは嘘の情報を我々に流したのだ?まさか、これは罠なのか!

気づいたときは手遅れだった。巨大な敵艦隊に囲まれた今、自軍は何も出来ずに必死に敵の放火を免れている。だが、彼にはこうなった理由がさっぱりわからなかった。だが考えている暇は無い。目の前の宇宙では、次々と赤々とした炎が燃え上がっている。メイディーンは近くの司令官を呼んだ。
「状況は?」
「大変です!惑星から放たれた通信妨害電波のせいで共和国に応援を要請できません。我々は孤立したのです!」
「そうか…やはりな。Owingを出動しろ。そいつらに徹底的に防御にまわらせろ。他は一つのエリアに集中攻撃を仕掛けて、ハイパースペースルートを繋いでくれ。」
「は、はい。」
この指令は、全ての戦闘員を驚かした。自軍の旗艦を見捨てて敵に特攻するというのだ。こんなことはありえない。クルーザーから多量のOwingが出撃した。これは、新型の戦闘機で地上でいうオートターレットのようなものだ。1人の操縦士と3〜4人のターボレーザーの砲撃手による完璧に動く砲台であった。
ウェッジ達はこの指令に敏感に反応し、ルートを変えて側面から敵の戦艦に攻撃を仕掛けた。しかし、このときのXwingの数は16。最終的に何処まで減るかは想像がつかなかった。
「タイコ、向こうのインターディクター艦を破壊しないと、ジャンプ出来ないぞ。」
「あんなの、破壊できるか!2、3隻のスターデストロイヤーに守られているんだぞ!あれを破壊するには駆逐艦が必要だ。」
「もうこちらの戦艦は旗艦しか残っていない。」
「争いは止めろ。」
メイディーンの声が二人に伝わってきた。妙に落ち着いている。
「インターディクターは俺達に任せて、君たちは任務を遂行しろ。ローフォンは、我々を裏切った。」


フォーマスとウェルビンは心配そうにホロネットの戦況を見つめていた。だが、帝国軍の戦艦が邪魔でよく見えない。少なくともわかるのは、激戦が続いている、ということだ。
「早く、この目の前の戦艦を破壊してくれよ。見えないじゃないか。」
フォーマスは苛立っていた。
「あんまり苛立っても意味が無いわ。黙って見ていましょう。今に共和国軍が帝国軍を一掃してくれるわ。」
しかし、次の瞬間出てきたのは共和国の勝利ではなく…セオロンの顔だった。
「父上…!」
二人とも驚いてホロを見つめた。何を話すつもりなのだろう。セオロンはゆっくりと口を開き、話し始めた。
「全人民に宣言する。我々は、今までの共和国との同盟を破り、銀河帝国と同盟する。これから、我々は今まで以上に発展し帝国の規律により平和な社会が出来るだろう。このことは…」
これより先の言葉はウェルビンには聞こえなかった。彼女はそこに倒れそうになり、危うくフォーマスに受け止められた。
「こうなることは、薄々感づいていたんだ。」
「考えうる最も恐ろしい事態だわ。」
それから二人はしばらく何もいえなかった。惑星中でデモや抗議が起こるだろう。しかし、帝国はそうしたものの対処には十分に慣れている。これから何をすればいいのか…


戦局は悪くなる一方だった。敵の砲火はおさまることを知らず、ローフォンから出撃した護衛戦闘機も共和国に攻撃を仕掛けてきた。
「こちらグリーンリーダー。この惑星の戦闘員は異様に腕がある。日々訓練しているに違いない。我々は彼らの相手をする。」
「了解。死ぬなよ。」
ウェッジもそろそろ余裕が無くなって来た。こいつはエンドアよりきついぞ。さっさと片付けて帰りたいところだ。
リパブリック・アタック・クルーザーはOwingのおかげでなんとか原型をとどめてはいるが、今にも10片ほどに解体しそうであった。そんな中、メイディーンは心の中である決意を固めていた。こういう状況でよくある兵士魂だ。


帝国軍の旗艦スーパー級スターデストロイヤー<グロスデヴォニアン>は戦場から少し離れたところで全軍の指揮をとっていた。艦長であるグランドモフ・グリークはそのブリッジで勝ち戦を楽しんでいた。その横にいるのは、誰もが全身で身震いしそうなほどおぞましい機械のような司令官だ。彼は体中をデュラスチールで覆い、その上から赤と黒の毒々しいペイントを施していた。彼の顔には口がなく、目だけ生き物を思わせる眼球がある。だが、ブリッジの中で彼がドロイドなのか生物なのかは誰も想像がつかなかった。グリーク以外は。

「我が帝国では人間を司令官にするのが当たり前であることは知っているな。」
「はい、閣下。」
「では、お前はなぜ選ばれた?」
「私は有能だからです。」
「ずばぬけてな。本当に万が一の為にお前の遺伝子を保管していた者に感謝したい。おかげでクローンを作ることが出来た。」
そのおぞましい司令官は荒っぽい咳を数回した。
「わがアプレンティス、グリーヴァスよ。」


つづく…


[423] (無題) 投稿者:ハンダース=ロクダー卿 tEQY0c/In62 (2006/07/14(金) 16:07 E4fBu5MuY.E)

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『暗黒卿の遺産』

第5話 帝国軍〜スピーダー部隊〜

ヴン・・。
独特の起動音と共に手に心地よい震動が走る。
恐らくもうそろそろ攻撃してくる頃だろう・・そう思いながら後ろを振り向く。
案の定後ろにはすでに何人かスピーダーに乗った帝国兵がついており、
全員が全員ブラスターの銃口を向けていた。
「ファイア!」
隊長だろうか、中央の帝国兵が怒鳴った。
しかし光線は一発たりともザードには当たらず跳ね返される。
跳ね返された光線はある物は雪原の雪を溶かしたが、ほとんどは帝国軍のスピーダーに当たった。
光線を受けたスピーダーは煙を出して動かなくなり、ほぼ全ての兵士が戦線離脱した。
「よし。あとはエースファイターまでこのまま一直・」
言い終える前に、ザードはあることに気づいた。
目の前からスピーダーが向かって来ている。
「まずいっ・・」
ザードかがすばやく進路を右にそらす。
しかし、その時あることに気づいた。スピーダーに乗ったが何か手に持っている。
しかし、気づいたときにはもう遅かった。
バチッと言う音がしたかと思うと、ザードは大きく吹っ飛び、雪の上に叩きつけられた。
吹っ飛ばした張本人の男は向きを変え、スピードを最大にしてザードに向かっていった。


[424] (無題) 投稿者:ハンダース=ロクダー卿 tEQY0c/In62 (2006/07/16(日) 10:28 u.N64/hh23c)

jarjar_kaadu

『暗黒卿の遺産』

第6話 帝国軍〜刺客〜

ザードはすぐさま起き上がると、猛烈な勢いで突進してきたスピーダーをかわした。
スピーダーに乗っていた『それ』は背の高い内側の機械がむき出しになっているドロイドで、
手にはエレクトロスタッフを持っていた。
先ほどは咄嗟にライトセイバーでうまく防いだのでよかったが、
直撃したらひとたまりも無いだろう。
「グギギギギギギギッ!」
ドロイドは奇妙な雄たけびを上げると、向きを変えて再び突進してきた。
ザードはそれを横跳びしてかわすと、スピーダーの側面に光刃を突き立てた。
後は横にスライドさせるだけでスピーダーは真っ二つになるはずだったのだが、ここで予想外の出来事が起こった。
相手がザードの腕を掴んだのだ。ザードは転倒し、スピーダーに引きずられる形になった。
「はっ・・放せ!」
ザードが叫ぶ。しかし放してくれるはずも無い。
ドロイドがエレクトロスタッフを振り上げる。今攻撃されたら終わりだ。
「グガガ!」
ドロイドが凶器を振り下ろす。
「そうだ!」
それとほぼ同時に、ザードが出し抜けに言った。
次の瞬間、ザードはライトセイバーの光刃を消滅させた。
今ドロイドは右手でザードの腕、左手でエレクトロスタッフを持っている。
そのためザードがライトセイバーを消した時、ドロイドをスピーダーに固定する物は無くなってしまい、
結果ドロイドはスピーダーから投げ出されてその拍子にザードの腕を放した。
雪の上に落ちたザードは、立ち上がり再びライトセイバーを起動させた。
ドロイドの方もすでに立ち上がっており、エレクトロスタッフを構えている。
そして次の瞬間、ドロイドがザードに向かって行き、再びエレクトロスタッフをザードに振り下ろした。
ザードはそれを払うと、ライトセイバーでドロイドを真っ二つに切り裂いた。
真っ二つになったドロイドはその場に崩れ落ち、動かなくなった。
ザードは無言で辺りを見回し、スピーダーが近くに無いのを確かめた後エースファイターのある方角へ歩き始めた。


[426] FMEのキャラクター、ウィンターの過去 投稿者:ガルバ EZ6MlWYV9nQ (2006/07/25(火) 16:52 0wPE7b1O7vQ)

corran

「ただ〜いま〜!」
まだ七歳のウィンターの声が、平凡な家の中に響く。返事は無い。
「あれ?またあそこかな?」
持っていたカバンを自分の部屋に置き、ウィンターは走りながら父親の職場に向かった。
「あ!やっぱりここにいた!」
ウィンターの声と同時に、父親がウィンターのいる方に振り返る。
「お!帰ってたのか!」
「うん!」
ウィンターは普通のスピードで歩きながら、父親の前にある戦闘機を見た。ウィンターはそれを嬉しそうな表情で見ている。
「ウィンターは本当に戦闘機が好きなんだな」
「だってカッコイイから!」
ジッと戦闘機を見ているウィンター。何を思ったか突然自分の将来の夢について語った。
「僕の将来の夢はね、パイロットになることなの!」
「へえ・・・どういうパイロットになりたいんだ?」
ウィンターは考え出した。将来の夢がパイロットと言っても、帝国軍なのか、反乱同盟軍なのか、賞金稼ぎなど色々あるからだ。
「僕は・・・帝国軍に入る!」
父親の表情が変わった。
「・・・なんで帝国軍なんだ?」
「友達が皆入ろう、て言ってるから!」
ウィンターの年齢だったらしょうがないことだった。この歳で反乱同盟軍に入ろうなんて思う者はまずいない。そもそも反乱同盟軍のことさえ知らないからだ。
「まあ・・・個人個人自由だからな・・・」
ウィンターはしばらく、父親から戦闘機の種類を教えてもらったり、直し方なども教えてもらった。
一時間ほど経つと、母親が買い物から帰ってきた。ウィンターは友達の家に行く、と言った。
「帰ったらまた教えてね!」
ウィンターはそう言った。だが、父親から戦闘機の直し方などだけではなく、会話するのもこれが最後だった。

既に時刻は六時を過ぎていた。ウィンターは急いで帰ろうと走っていた。
走っている間、突然轟音が鳴り響いた。遠くでも、近くでも轟音は聞こえた。
「なんだろう・・・?」
ウィンターの好奇心は、自然と調べたいと思い始めた。調べたいと思った理由は、戦闘機のエンジン音も聞こえたからだ。
ウィンターは轟音が聞こえた方向に向かった。向かった先には、反乱同盟軍のXウィングとYウィングが数機停まっていた。数人の反乱同盟軍の兵士もいた。だが、ウィンターにはその軍人達が反乱同盟軍とは知らなかったので、つい
「帝国軍だ!」
と言ってしまった。
何故かしらないが、ウィンターの近くにいた反乱同盟軍兵士は、ウィンターに走って駆け寄ると、ウィンターの頭に向かってブラスターを突きつけた。
「動くな」
そう言われたが、幼いウィンターにはその意味は分からない。とりあえず動かなかったが、突然反乱同盟軍兵士はウィンターの足にブラスターの弾を発射した。レーザーが足を貫く。
「う・・・うわああああああん!!!!!」
ウィンターは突然の激痛を足に感じたので、泣いた。子供なら到底耐えられない痛みだろう。
他の兵士は今の銃声でブラスターを撃った反乱同盟軍の兵士を見た。ブラスターを撃った兵士は、「何でもない。帝国軍だ」と言った。当然、嘘。
ウィンターは痛みを感じる足を引きずりながら、家の方向に向かった。眼からは次から次へと涙が流れていく。
後ろから追撃のブラスターのレーザーが飛んできた。ほとんどは当たらなかったが、それでも何発かは足に当たったり、腕に当たったりした。
やっとの思いで家に着くと、そこでは反乱同盟軍と帝国軍が銃撃戦を行っていた。家には小さな穴が何個も開いていた。
「お父さ〜ん!お母さ〜ん!」
ウィンターは叫んだが、その声は空での戦闘音と、目の前の銃撃戦の音で掻き消された。
今、自分の出せる最高の速さで家に入った。入った瞬間、目の前には荷物を纏めていた父親と母親の姿が見えた。
「お父さ〜ん!お母さ〜ん!」
ウィンターは泣きながら二人に駆け寄った。父親も母親も無事だった嬉しさで心の中が一杯だった。父親と母親も、ウィンターに気付いたらしく、ウィンターに駆け寄ろうとした。
だが、その嬉しさは一瞬にして無くなった。壁を貫通したブラスターのレーザーが、目の前で父親と母親に当たった。
父親と母親は即死だった。レーザーが当たった場所から血が流れ始める。ウィンターの父親と母親を殺したレーザーは、反乱同盟軍が陣取っている方向から飛んできた。
ウィンターは泣き叫んだ。泣き叫んだが、誰一人として聞いていない。有一泣き声を聞き、慰めてくれたりしてくれる父親と母親は、もうこの世を去っていた。
数分後、帝国軍は撤退を始めた。空中戦でも負け色が濃くなったのだろう。
そして、ウィンターの家の近くで起きた銃撃戦は終わった。
偶然か、必然か。ウィンターは生き残った。暗い夜。暗い夜の中で、ウィンターは泣き叫んだ。周りに答えてくれる人はいない。暗い夜は、ウィンターの心の中と一緒だった。

次の日、父親と母親を殺した反乱同盟軍の兵士がノコノコとやって来た。
ウィンターは怒りを覚えた。父親と母親を殺した奴が、ノコノコと何もしていないという表情で家に入ってきたからだ。
「君・・・災難だったね・・・。お父さんとお母さんが殺されたのは、悲しい事だろう・・・。君のお父さんとお母さんを殺したのは帝国軍だ。一緒に帝国軍を倒そう・・・」
何故、ウィンターの父親と母親が殺されていることを知っているのかは、ウィンターには分からなかった。
「ふざけないでよ・・・僕を撃ったくせに・・・!僕のお父さんとお母さんを殺したくせに・・・!」
ウィンターは、反乱同盟軍の兵士を睨んだ。
「そんなことないよ。とりあえず、一緒に行こう」
反乱同盟軍の兵士はウィンターの腕を無理矢理掴んだ。ウィンターは暴れた。だが、反乱同盟軍の兵士の力は強く、振り解けなかった。
「さあ、行こう」
反乱同盟軍の兵士がそう言った瞬間、銃声が響いた。ブラスターを撃ったのはウィンター。当たったのは反乱同盟軍の兵士。
反乱同盟軍の兵士は仰向けに倒れた。丁度心臓の位置から血が流れている。
ウィンターは、これを悪い事だとは思っていなかった。何故なら、自分の父親と母親を殺した奴は死んでもいい、と思っていたからだ。
――絶対、仇は取りたい。反乱同盟軍という悪者に、罰を与えたい。
ウィンターはそう思いながらその場を逃げ出した。

その後、ウィンターは自分の住んでいた家を、裏ルートで売り、帝国アカデミーに入学した。
何故、七歳のウィンターが裏ルートのことを知っていたのかは分からない。恐らく、反乱同盟軍に対する復讐心が裏ルートを探り出したのだろう。
そして、帝国アカデミーを主席で卒業し、ティルファング中隊に入った。

――ケリを付けてやる。絶対に復讐する。


あとがき
今回はあるリレー小説のキャラクターの過去です。このリレー小説のキャラクター達の過去はなんか親を反乱同盟軍に殺されて復讐するっていう奴が多いですね・・・。


[427] (無題) 投稿者:ピッグーン中将 /FFzIXtI8us (2006/07/28(金) 19:38 KqVWS0IIIms)

ssd



皇帝が死んだ
それは銀河帝国の崩壊の始まりであり、新たなる歴史の始まりであった
そんな中、デス・スターのハンガーベイではこの巨大要塞の崩壊のなか、一人の戦士がこの世を去ろうとしていた。名を『アナキン・スカイウォーカー』
という・・。

「ルーク、このマスクをはずしてくれ…。」

ヴェイダーは言った。

「死んでしまいます。」と、ルーク

「私はもう、助からない…せめて、お前の顔をじかに見たい・・。」

ルークはマスクを取った。そこには、醜悪ではあるが、笑みに満ちた顔があった。

そのままヴェイダー、いやアナキンスカイウォカーの一生は終わった。




そのすぐ近く、ランドとウェッジは主反応炉の破壊の成功し、まさに崩壊していく宇宙要塞からの脱出しようとしていた






ギイイインという核融合反応の音と巨大要塞の崩壊の音しか彼には聞こえない
ランド・カルリジアン はこの機体の力を理解していた、しかし、この〈ファルコン〉でさえ、爆風から逃れられるか不安だった
ニエン・ナンが不安の声をあげる中、ランドは飛び続けた



もうすぐここから逃げ出せる



そのとき後ろにいたTIEが炎上した


あと少しだ・・・


ファルコン・・・。



次の瞬間、<ミレニアム・ファルコン>は滅びゆく宇宙要塞からの脱出した

「いやっほおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
ランドはそう大声を上げた
だが、そのとき、
「こちらローグ3!ルークの乗ったラムダ級シャトルが接近!地上まで援護されたり」
「了解!」


エンドア

「やったじゃないかルーク」
ハンはそういってルークを出迎えた・・・・・・が

ルークの様子が変だ

「おい、どうしたんだ?なんか気味の悪いものみたのか?」
しかし、ルークはハンに何も言わずレイアに静かに言った
「父さんがよろしくって」

「ええ・・・・。」

そのときハンの相棒であるチューバッカがハンにこう吼えた

『ルークの父さんは死んだって言ってたよな』
「確かに」

「ハン!」突然ルークが呼んだ
「何だ?」ハンは言った
「どっかに運搬用のりパルサーリフトがある?」
「たしか、ラムダの中にあったはずだ。ってなんか運び出すのか?」
「・・・聞かないでくれ」
「おいおい、戦利品を独り占めか?」
「それはち・・・。」
そういっているさなか、ハンは中に入っていった
「やめろ!」ルークは怒鳴った
しかし、それは少し遅かったようだ



「おおおおおお!よくやったぜルーク!ダースヴェーダーの亡骸じゃねえか!」
「ハン!やめ・・・」
「おーいみんな!ルークの戦利品は黒仮面のなき・・・」

どかっ

「ハン・・・・」
「な、何で殴るんだよ・・・・。」
そこにルークはけりをいれた
「馬鹿・・・・馬鹿・・・・馬鹿」
そしてルークの口からとんでもない言葉が出た。

「僕の・・・父さん・・・なんだ・・・。」

ハンは完全に言葉を失った。




「うそ・・だろ」




ルークは泣きながら言った



「ホントなんだ!師匠・・・ベンもそういっていた」
「・・・・。」
ソロはなんといっていいか分からなかった。


「葬儀・・手伝います」
若い兵士がそう言った
「私も手伝います!」
「俺も手伝わせてください」
「俺も!」

「みんな・・・。」

「俺も手伝うぜ・・。」
「ソロ!」
「俺たちにとっては『敵』だが、お前にとっては「父」なんだろ・・・・。」


銀河全体がこの戦いの勝利を喜び・・・・

兵士たちが原住民の軽快なリズムに合わせて踊る中・・・・

一人の男の壮絶な人生が終わった・・・・


その後、霊となって現れた彼の顔には・・・

長い間忘れていた笑顔が蘇っていた・・・。



あとがき
これは、勝手に作っている連載小説の最初のところを修正したものです

EP6・・・・の裏話ということで作りましたが・・・下手ですいません


[428] (無題) 投稿者:クシャオトトス zqg3LWuxx1s (2006/08/01(火) 11:58 OA8XH7zrWSU)

krayt

題名 ガルの宇宙港での戦い

あたりは霧に包まれ、目の前が見えないぐらいだ。
どこが足場なのかもわからなく、あっけなく落ちていったトルーパーも沢山いる。
そんな中、ぺスピンでカーボン冷凍されたハン・ソロをジャバ・ザ・ハットに引き渡そうとする賞金稼ぎボバ・フェットだった。
フェットは他の賞金稼ぎに狙われ、姿を隠すことを余儀なくされた。
ここなら帝国が管理する宇宙港で他のライバルハンターに見つからないとフェットは考えていた。
一方<スレーブT>の着陸地点から遠く離れたところでカスタマイズされたコレリアの輸送船が来た。
その中から一人の男性が出てきた。
彼の名はダッシュ・レイダー、どうやらレイア・オガーナ姫に雇われフェットを探していたみたいだ。
そうすると相棒のターボの声が聞こえた、ダッシュの腕につけているコムリンクからだ。
「この谷の先に監視塔があります、そこのコンピューターにアクセスしてください、そうすれば見つかります」
「ありがとうターボ」
そいうとダッシュは谷の方向にいった。
少し歩くとあたりはトルーパーが数人いたさらに偵察ドロイドも
だ、ダッシュは霧の中に入り見つからずに先を急いだ。
そうすると奥のほうにドッキングベイが見えてきた。
続く


[429] (無題) 投稿者:アルテマ k4iuMPKMi9Q (2006/08/02(水) 15:39 yxTszA5epRk)

default

FootPrints Of Metal 外伝



『君の配属先が決まったよ』
上官のひとりがアーロン・アレイズがに呼びかけてきた。
『まぁ、詳しい事は、この書類に書いてあるから。後は、ヴォルツェン少佐のところに行って聞いてくれ』
書類をアレイズの胸元に押し付け上官は歩いていった。

アーロン・アレイズ少尉を第9008機甲師団の地上兵器ドライバーに任ずる。
 第9008機甲師団師団長アルベルト・ヴォルツェンより

地上兵器か、やっぱりな。アレイズは思った。訓練でもウォーカーの操縦の成績は良かった。
乗るならAT-STがいいな。AT-ATに比べると小型だが、スピードもあり、攻撃力もある。欠点は・・・無いな。
冷房設備が無いと言うことを除いて。全ての地上兵器にいえることだが。

アレイズは地上兵器格納庫へ向かっていた。どうやら此処に自分が乗るウォーカーがあるらしい。
格納庫に到着すると、誰がリストのような物を見ながらこちらに話しかけてきた。
『アーロン・アレイズ少尉かね?』
『はい』
『いいところにきてくれたよ。ああ私はアルベルト・ヴォルツェンだ。君の所属する第9008機甲師団の歩兵師団長―すなわちリーダーのことだな―をつとめる。そしてこちらが』
ヴォルツェンがとなりに立っていた男のことを指した。
『ギン・ボージャックだ。階級は少尉だ・・・まぁお前と一緒だな。お前と同じAT-ST2号車の砲手をつとめる。まぁよろしく頼む』
ヴォルツェンに答えてボージャックは自己紹介をした。
『ああこちらこそよろしく・・・・』1度、ヴォルテェンのほうを見てアレイズは付け加えた。『お願いします』

AT-STか。良かった。だけどあの男―ボージャック―が俺と同じウニットの砲手をつとめるということは、俺は操縦士か。
しかしあの男は気があいそうだな。今まで出会ってきたどの人間とも違い。同じ隊のどのメンバーよりもあの男の雰囲気は俺とあいそうだ。

夜、ベットの中でアレイズは考えていた。


[430] アルテマさんに倣って自分も。 投稿者:アウトライダー gAOWkoB6fl6 [Web] (2006/08/02(水) 16:00 dor9I4vJSy2)

outrider

ギャラクシー・スコードロン――アウト・ファントム――

「ぐぅ・・・姉・・・さん?」隣に横たわっている女性。
間違うことなく彼の姉、ローレライ・ファントム。目立った外傷はなく、ただ煙を吸って倒れているだけのようだ。


事件は30分前
ユージャンヴォングが突如進行してきた。それを食い止めた新共和国に天晴れといってやりたい。
貴様らのやることは市民を護ることだ。壊してどうするのだ。
彼らが撃墜した奴らの戦闘機が突如として突っ込んできた家屋。
それが俺の家だった。
丁度倉庫の整理を手伝っていた姉と俺は助かったが、父と母は居間にいたため即死した。

逆恨み。そんなことは分かっている。新共和国が迎撃せねば被害は広まっていたことも。
彼らが撃墜した戦闘機が“偶々”俺の家に落ちてきたことも。

倒れている姉を病院に運び、精密検査が行われている間、ずっとそのことを考えていたアウト・ファントム。
涙こそ流さなかったが既に人間としての形をとどめていなかった両親の姿を思い出して身震いが止まらない。

滑稽だ。そう思っていたが身震いは止まる気配を見せない。
姉が気を失っていて心底良かった。
彼女が見たら発狂してしまいそうだから。

突如開かれる扉の音にビクつき、戒める。
“奴らに復讐するんだ。是が非でもこの性格を叩きなおす”
隣に腰掛けた姉は精密検査の結果を淡々と告げ、
「行こう」と俺に手を差し伸べた。


それから2年間、ユージャン・ヴォングの滅亡で混乱していた世界も収まり、惑星間での貿易も盛りを見せてきた。
奴らによって残された傷跡も事前業者が片付け、次々と新共和国の傘下へと入っていった。

―――これまではヒゲキの序章だった。
銀河生命体、キリックが反乱を起こした。
その規模に新共和国は対処しきれずについに義勇軍の募集をはじめた。
それは「ギャラクシーズ・スコードロン」と名づけられていた。

そんなものに興味はなく、当時16になったばかりの俺は貨物船の運輸業者を小さいながらたてて
生計をやりくりしていた。
ライセンスを取得したばかりの姉に貨物船は任せていたのだった。

会社を立ち上げ早1ヶ月。
軌道には乗っていないが、飯を食えるだけの稼ぎはあった。
しかし、コルサントから戻ろうとしていた姉の貨物船がキリックの集団戦闘区域に
誤って侵入してしまう。
そのことに怒りをあらわにしたキリックはほぼ逃げ場がないほどの火力で、姉の貨物船を宇宙へと沈める。

殺してやろうかと思った。
本当に。苦痛と共に死ぬことが相応しいと思った。

その衝動か、俺はギャラクシーズ・スコードロンに入隊していた。


[432] 先のお二人に倣って・・・ 投稿者:オッドボール 29RByGKe.EA (2006/08/03(木) 21:45 2AVjD98d/gA)

default

ギャラクシー・スコードロン――ブレイブ・ウィラードの場合


俺が今生きているのは、一人の戦士のおかげだった。

両親が死んで数年、俺が一人で暮らしていた惑星も戦乱の渦に巻き込まれた。
帝国軍と反乱軍が熾烈な争いを繰り広げる内、食料を得られなくなって俺は戦場を彷徨った。さながら、亡霊にでも見えたに違いない。
だが、食べ物を得られる筈も無く、遂には静かに倒れた。
その時、彼はやってきた。
「大丈夫か、坊主?立てるか?」
そう言うと、俺を無理矢理立たせて反乱軍の基地に連れて行った。
そこで僅かながらも食べ物を貰い、何とか生活する事ができた。

数年後、反乱軍は新共和国軍となった。俺は工作員として経験を積んでいった。スローン大提督やレムナントの脅威も退け、新たなる脅威――ユージャン・ヴォングとも和平が成って数年。

今の連絡によれば、俺はギャラクシーズ・スコードロンに選ばれたらしい。


>>432


[433] みなさんに見習って 投稿者:THX-1139 9wtJ3JY.8Kk [Web] (2006/08/04(金) 13:07 HafHML.GfkY)

talon

ギャラクシー・スコードロン――ティルク――

銀河の支配者が変わろうと、密輸業者の生活は変わらない。
たしかに帝国の時代よりは新共和国の時代のほうが快適になったかもしれない。
だが俺らが求めていたスリルや冒険は離れていった。
だがそんなとき転機がおとずれた。

あれはいつものようにハットにたのまれたスパイスを目的地に運んでいた時のことだった。
偶然にも立ち寄っていたスルイス・ヴァンで帝国の奇襲にあったんだ。
突然現れたTIEファイターの群れに誰もが驚いた。
帝国軍は奇妙な乗り物で貨物船に侵入していた。
もちろんおれの船にもストームトルーパーが侵入しようとしていた。
その時助けてくれたのがウェッジだったんだ。
おれもローグ中隊と一緒に戦った。
そしてみごとに勝利をつかんだ。
あの時の快感は今も忘れられない。
そのあとウェッジとは仲良くなった。
そのときウェッジにローグ中隊に入らないかといわれたが、断った。
おれには密輸の暮らしが似合ってると思ったからだ。

それから新共和国ではいろんな事が起こった。
でもおれはあの時と変わらずいつものように密輸をやっていた。
ユージャンヴォングの侵攻のさいも変わらなかった。
生活が苦しい時はユージャンヴォングにも協力した。
ユージャンヴォングはいい取引相手だったよ。

スルイス・ヴァンの襲撃から26年。
やはりおれはあの時と変わらずいつものように密輸をやっていた。
キリックが反乱を起こしたと聞いたが俺たちには関係ないと思っていた。
しかしキリックの反乱はユージャンヴォングとの争いが終結して間もなかったため、裏の世界に驚異的な打撃を与えた。
俺の密輸の暮らしは崩壊した。
おれは途方にくれた。
そのときウェッジはおれに手を伸ばしてくれた。
おれはよろこんでギャラクシー・スコードロンのメンバーになった。
きっとこれはこれまでの人生の中で、これからの人生の中でも一世一代の仕事になるような予感がした・・・・。

>>433


[434] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/08/05(土) 21:57 q/Cs8lYyebQ)

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スター・ウォーズ ディム・レイスター
#1

警報装置は3つ。
バトル・ドロイドは…7体。
目標までの距離は…8メートルってとこか。
ディム・レイスターはスコープを覗きながら考えた。窓ガラスを割らずに侵入する方法は…無いな。ディムは腰に手を当て、音もなく取ったものをガラスにそっと当てる。カッターが静かにガラスに線を描く。バトル・ドロイドは出入り口のほうを向いたままだ。
ディムがいるのは高層ビルの表面だ。窓ガラスの下部にワイヤーを引っ掛けたまま、わずかな足場に足を乗せているのだ。コルサントなら自分のすぐ近くをスピーダーが大量に飛ぶはずだが、ここはコルサントじゃない。独立星系連合軍が潜む辺境の惑星カムルの唯一の高層ビル。高層ビルというより、基地だ。ディムは窓ガラスから部屋の内部をそっと覗いているのだ。任務達成のために――
カッターがガラスを切り終わる。いよいよ侵入だ。まずは警報装置を全て破壊。それからドロイド兵。
ガシャンという音に反応したドロイド兵が振り向く。それと同時に男が部屋に飛び込んできて、手に持った2丁のブラスターで壁にある警報装置を撃ちぬいた。1つ、また1つとランプが消え、3つの警報装置が壊れる。バトル・ドロイドはようやく状況確認をし、ブラスターを発砲するが、すでにディムは動いており、目の前にやってきていた。ディムのブラスターが火を吹き、バトル・ドロイドの頭が飛ぶ。後ろからもう一体やってくるが、ディムは察知し、足で蹴り上げる。続いてブラスターを発射。あっというまに部屋の中は金属の溶ける匂いで充満する。煙が漂い、床にはドロイドの残骸が転がる。
この男が何故ドロイドの電子神経より速く動けるのか。
彼はジェダイだからだ。
ディムはまだ銃口から煙が吹いているブラスターを両脇についたホルスターに治め、部屋の中央にあるコンピューターに向った。
「おっと…」
ディムは額に上げたスコープ付きゴーグルを下ろす。台に乗ったケースの周りには赤い線が伸びている。線が張られていない場所からそっと入るディム。急がないと、バトル・ドロイドと通信ができないことに気づいたニモイディアン達が援軍を連れてやってきてしまう。ディムはコンピューターの端末にポーチから取り出した特殊小型コンピューターのジャックを差し込む。センサーは無反応だ。
ディムはコンピューターを操作し、保存されていた敵軍の機密情報を自分のコンピューターにコピーし、そのままそれを暗号ロックをかけてコルサントのジェダイ聖堂に転送した。ディックは作業が終わるとすぐにコンピューターを片付け、窓に向って助走をつけて走った。そして――
窓ガラスが全て割れ、ディムは外に飛び出した。そしてもちろん引力に引き寄せられて地上に落下する。ディムは腰のスイッチに手を当てる。背中の小型ジェットパックが火を吹いた。ディムはたちまちそこで停止する。
「ふう」
ため息をついたディムは体を傾けてビルから離れて飛んでいく。


[435] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/08/05(土) 21:56 q/Cs8lYyebQ)

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スター・ウォーズ ディム・レイスター
#1>>434

#2

コルサントのビルの窓に夕日が反射してきらめき始めた。ジェダイ聖堂の格納庫に唸りを上げて入ってくるジェダイ・スターファイターを一人の男が静かに出迎えている。スターファイターのコックピットからジェダイが降りてきて、連れのアストロメク・ドロイドがソケットから飛び出した。
「マスター・オクジョス、」
ディムがゼイシーに踏みよってきた。後ろから電子音を鳴らすR5-F3が滑るようについてくる。
「ディム、本当によくやってくれたな。転送したデータはすでに解読済みだ」
「いえいえ、勤めですから」
ディムは腕を背中で組んだ。黒いジェダイの着物がかすかに汚れている。服の上からたくさんのポーチやベルトを巻いているため、ジェダイの正装が見難くなっているが、腕の部分や裾からジェダイだと見える。
「マスター・ヨーダがお呼びだ」
ゼイシーは顎鬚をなでながら言った。

暗闇の中で彼は音を感じ取った。彼は腰に手を置き、呼吸をする。そして――
振りかえった瞬間に赤いプラズマ光が伸び、背後にいたなにかを斬り倒した。火花が光ったため、斬られた物の位置がわかる。次の瞬間、拍手とともに部屋の電気がつく。
「見事だ。実に見事だ」
セレノーの伯爵、シスの暗黒卿、ドゥークー伯爵がエレガントで気品のある雰囲気を引きつれて歩いてくる。
「ティラナス卿」
彼、マクタ・マーグスは頭を深く下げる。いつのまにか訓練ドロイドを破壊するために使われたライトセーバーは光りを消していた。黒いジェダイの服、黒い革靴。そして腰にぶらさがる武器。なんといっても印象深いのは彼の顔だ。人間なのにどこか怪物を思わせる黄色い目。赤く染められた髪は燃える炎のようだ。
「君はすでに優秀なダーク・ジェダイだ。教えることはない」
ダース・ティラナスはそう言った。「最後の試験とする」
「はい」
「惑星ビーザスへ向うドロイドの侵略軍を指揮し、共和国クローン軍を指揮するジェダイの騎士を殺すのだ」
「はい、マスター」
マクタはいつのまにかドゥークーの足元にひざまついている。「ですが、ビーザスの攻撃は共和国軍に知られてはいないはずでは?」
「それがその情報がジェダイに漏れたようだ。行くがよい、我が僕よ」
「はい」
マクタはそう言うとフォースの力を借りて天井に高く飛んだ。天井は吹きぬけになっており、そこには小型発着場がある。黒くペイントされ、シスの紋章が施されたジェダイ・スターファイターが待っていた。

「マスター・オクジョス、そして若きレイスターよ。よくやってくれたの」
小柄なエイリアンの老ジェダイがディムのコピーして転送したデータの解読結果のものを読みながらそう言った。ディムとゼイシーは頭を下げる。
「この情報によれば、分離主義者は惑星ビーザスに総攻撃を・・」
ゼイシーは言った。ヨーダは静かに頷いた。彼らがいるのはジェダイ評議会の会議室ではなく、ヨーダの部屋だった。置かれた家具の1つ1つにヨーダが800年かけて思いを込めたような感覚がする。
「惑星ビーザスは資源の惑星じゃ。工業地帯と大都市が連なっているコルサント並みの巨大都市惑星じゃ。この惑星を不意打ちされ、敵の手に渡れば、多大な資源が敵へと渡ってしまう。レイスターの情報はおおいに役だったぞい」
ヨーダは頭のわずかな白い髪をなでる。
「そこで、もう一仕事して欲しい。惑星ビーザスに大隊を連れて向って欲しい。二人でな。レイスター、ビーザスには開発中の共和国軍兵器の設計図が保管されておる。それをドロイド軍に奪われる前に持ち出すのじゃ」
ヨーダの言葉にディムが頭を下げる。
「マスター・オクジョスは、クローン軍を指揮せよ」
「はい、マスター・ヨーダ」
オクジョスとディムはもう一度頭を下げると、部屋を静かに出ていった。


[436] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/08/05(土) 21:55 q/Cs8lYyebQ)

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スター・ウォーズ ディム・レイスター
#1>>434,#2>>435

#3

コルサントの巨大な滑走路付きの軍事基地は太陽に照らされている。クルーザーに次々とウォーカーが乗り、クローン・トルーパーが列を作って乗りこんでいく。それはまるで白いカーペットだ。
「マスター」
ディムが物思いにふけっているゼイシーに声をかける。
「ああ、どうかね」
ゼイシーが肩から腰につけた武器や道具、ポーチを見せる。
「初めての出陣だ。少しだが、緊張している」
ゼイシーの言葉にディムが笑顔を見せる。
「僕もです。クローン軍との仕事は。ですが、今までスパイとか捜査しかやっていない僕と比べればマスターなんて、クローンの指揮官にぴったりです」
ディムの言葉に今度はゼイシーが笑う。
「そうだといいな。さあ、そろそろ出発だ」
やがて共和国軍のスターデストロイヤーはゆっくりと浮かび上がるのだった。クローン大隊と、二人のジェダイ、そして大量の兵器を乗せて。

黒いジェダイ・スターファイターは流星のごとく飛んでいた。静かに、エレガントな、無駄のない動きで飛んでいる。だが、スターファイターは1機だけではなかった。その後ろには艦隊がいたのだ。通商連合の戦艦が5隻、そのベイから惑星ビーザスに向けて飛ぶ上陸艇や輸送船団が出発している。ジェダイ・スターファイターは艦隊の先頭を飛んでいるのだ。上陸艇を指揮して惑星に降りていくスターファイター。ビーザスの共和国軍駐留部隊は突然の敵の侵攻になにもできなかった。通信システムは破壊され、コルサントと連絡もできない。やがて、クローン達は殺され、首都は制圧された。
「都市を制圧しました。現在、工業地帯へ侵攻中です」
バトル・ドロイドの司令官がマクタに向って報告した。
「よろしい。首都の守りを固めることと同時進行せよ」
マクタはそう言ったまま先程奪ったばかりのビルのオフィスの窓から都市を眺めた。数時間前までは綺麗な都市で、活気にあふれ、スピーダーや輸送スピーダーが飛び交っていたが、それも今ではビルの最上階は黒く染まり、煙を上げている。スピーダーのほとんどは撃ち落され、歩道でぐしゃぐしゃに潰れている。さっきまでにぎわっていた歩道には歩行者の死体やバトル・ドロイドでいっぱいだ。マクタの足元にも先程までビーザスの総理だった男が倒れている。もはやビーザスは分離主義勢力の手に渡ったのだ。
「マスター」
マクタがホログラム再生機に向って言った。青い”幽霊”がぼんやりと浮かび、輪郭や表情がはっきりしてくる。
「マスター、惑星ビーザスの首都を制圧しました。現在、ドロイド軍を工業地帯へと侵攻させております」
マクタが静かに報告した。フードのなかから黄色い目が光っている。
『よろしい。それでは、引き続き指揮をとってくれたまえ。それと――』
ドゥークーが目を細くした。
『正面にある高層ビルが見えるかね?』
ドゥークーの言葉に反応してマクタが広い窓を覗く。確かに目立つ高層ビルがある。ビーザスの紋章が表面に設置され、屋上から緑色のライトを点滅させている。
「見えます。マスター」
『そこは共和国の研究所だ。そこの一室に共和国軍の新兵器の設計図が保管されている。共和国軍がもうすぐ到着する。それまでに設計図を入手せよ。邪魔する者は消せ』
ドゥークーのホロが消える。マクタは再生機を切り、部屋を静かに出ていった。

ブリッジの広い窓にようやくビーザスが見える。ディムは腕を背中で組んだまま、頭のなかで作戦を考える。クローン軍がドロイド軍の注意を引き、その間に研究所に侵入。だが、敵軍も兵器の設計図に目をつけている。いずれにせよ、”こっそり”となどはできないのだ。
「オクジョス将軍」
黄緑色の肩当、黄緑色のラインの入った装甲服のクローン・コマンダーがゼイシーに声をかけた。ゼイシーは振りかえる。
「輸送船団の準備が整いました。指示をお願いします」
ついに来たか。ゼイシーはそう思う。ついに自分も戦場に立つ・・・
「よし。すぐに輸送船を首都郊外へ上陸させろ。首都の守りは固いから注意せよ。私もガンシップに乗る」
「了解しました」
コマンダーはそのまま立ち去ろうとする。
「待ちたまえ」
ゼイシーはコマンダーを呼びとめた。
「なにか?」
「君の名前は?」
「ソークです。コマンダー・ソークとお呼びください」
クローン・コマンダーはヘルメットの下で笑顔を作った。


[437] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/08/06(日) 17:11 q/Cs8lYyebQ)

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スター・ウォーズ ディム・レイスター
#1>>434,#2>>435.#3>>436

#4

ガンシップが騒音を響かせて飛行している。ハッチが開き、外を観察するためにクローン・トルーパーが顔を出している。やがてパイロットが敵軍のレーダー範囲に入ったと報告した。ゼイシーが予想していた通り、ミサイル弾が飛来する。
「回避せよ」
「了解」
全ガンシップが同じように回避運動をする。ミサイルは一直線に飛んでいき、崩壊した建物の残骸に当たり、爆発した。ガンシップは着陸し、そこからクローン・トルーパーが走っていく。
「ここで待機せよ」
ゼイシーがパイロットに向ってそう言った。
「了解」機械を通した独特の感情の伝わってこないトルーパーの声が返ってくる。ここでガンシップを待機させたのは、ガンシップが都市に侵入すれば、撃ち落されるのがオチだからである。都市内である程度敵を片付けたあとにガンシップには来てもらうつもりだ。
「全軍、ついてこい!」
ゼイシーは緑色のライトセーバーを光らせ、それを高くかがげた。白い装甲兵士達は先頭に立つジェダイ・マスターにしたがって走り出す。
都市のとある建物の最上階に設置されたバトル・ドロイドの待機所では5体のドロイドが攻め寄せてくる白い絨毯を眺めている。
「本部へ連絡だ!」
「了解、了解」バトル・ドロイド達はすぐに通信機に向う。他の建物でも同じような状況になっていた。バトル・ドロイドの司令官はすぐに攻撃命令を下した。あらゆる砲台が火を吹き、あらゆる建物からドロイド兵が走り出す。
「撃て撃て!!」
「了解、了解」
ドロイドの隊長が砲手とそんなやりとりをしているかと、思えば、後ろでは弾薬を詰めこむドロイドがいる。飛来するレーザーに倒れるクローン・トルーパー達。ブラスターが吹いたレーザーでバラバラになるバトル・ドロイド。あたりは一瞬のうちに金属の溶ける匂いや生物の焼ける匂いでいっぱいになる。
「ソーク!」
ゼイシーが手首に巻かれた通信機に向って爆風に負けないぐらい大声で叫ぶ。
『はい将軍』
「二手に分かれよう。私の部隊が中央通りで敵を引き寄せる。お前と残りの部隊は本部のビルへ侵入しろ!」
『了解しました』
ゼイシーは通信機を切ると、正面から走ってくるバトル・ドロイドの首を緑のプラズマによって切り落とした。別の方向から3体、もう一方の方向から3体のドロイドがブラスターを発砲しながら走ってくる。ゼイシーは光弾を全て光刃ではじき返し、一番最初に自分のところまでやってきたバトル・ドロイドを蹴り飛ばす。さらに後からやってきたドロイドの腹部にライトセーバーを突き刺し、それを抜くと同時に反対側にいたドロイドの上半身を下半身から切り離す。一通りドロイドを破壊すると、すきを見つけて通信機にスイッチを入れる。
「ディム!」

ゼイシーとその部下であるクローン・トルーパーの部隊が中央通りでバトル・ドロイドの防衛線を崩しているころ、中央通りから数キロ離れたビルに黄緑色のラインの入ったガンシップが静かにやってくる。陽動作戦はうまくいっているようだ。ディムはそんなことを思いながらパイロットに指示を出すと、持っている武器や道具を確認し、ガンシップから飛び降りる。それと同時に、ガンシップは機体を傾け、別の方向へ飛行していく。ディムはいつものように落下している間にジェットパックを働かせる。近くの窓に手を当て、足場を見つけるとそこに張りつくようにして立った。
『ディム!』
通信機から師の声がすると、ディムは頭を傾けて返事をした。
「なんです?」
『どこにいる?』
ゼイシーの声の後ろはクローン・トルーパーの悲鳴や爆弾の爆発、光弾の飛び交う音でいっぱいだ。
「例の研究所のビルにいます。順調です。作戦通り、周辺にはバトル・ドロイドがほとんどいません」
『よし。幸運を祈る。オクジョス終わり』
ディムは腰からカッターを取ると、手馴れた手付きで窓を切り始める。わずかな火花が散り、窓を切ると、ディムはそこから中へ転がりこむ。そこはビルの通路だった。侵略の際に戦闘があったようだ。壁や天井に焦げ後があり、通路の電気は消えている。非常用ライトが足元を照らしているだけだ。ディムは額にあげられていたゴーグルを下ろし、スコープの電源を入れる。壁を透視し、敵を探すが、ずっと向こうにバトル・ドロイドがうろうろしているだけだ。ゼイシーの話では敵軍も例の設計図を探している。どうやらこの建物の警備システムに敵軍も悩まされているようだ。ディムは足音1つ立てずに角を曲がる。ブーツの裏に装着された特殊なクッションのようなものが足音を最小限に抑えてくれているのだ。角を曲がっても敵はいない。ディムはゴーグルをかけたまま歩きつづけた。

ディム・レイスターをビルに降ろしたガンシップは一直線に敵軍の本部に向かっていた。撃ち落される可能性が高いため、低空飛行をしている。ゼイシーはディムにこのクローン特殊部隊を任務に同行させてはどうかと提案したが、ディムはいつものように一人で行くと言って拒否した。もちろん、クローンがいればなにかの助けにはなるが、慣れたスタイルで任務を行ないたかったのだ。
従ってこのクローン特殊部隊はコマンダー・ソークの部隊と合流し、敵軍の本部を奇襲することになった。
「コマンダー・ソーク」
隊長のトルーパーが通信機に向って言った。
『こちらソーク。なんだ?』
「まもなくそちらに到着します」
『よし、到着したらすぐに本部のビルに侵入してもらう。ソーク終わり』
隊長はパイロットに合図した。パイロットは頷いて返すと、ガンシップをレーザーが飛び交う戦場から少し離れたところに着陸させた。黄緑色のラインが入ったクローン・トルーパー達はブラスターを構え、戦場に向って走り出した。彼らは黄緑色の肩当をして銃を発砲するコマンダー・ソークを見つけると、すぐに援護についた。バトル・ドロイドに蹴りを入れるトルーパー、バトル・ドロイドの頭を撃ち抜くトルーパーと、様々なスタイルの戦闘をするトルーパーとドロイドがおり、これを録画したホロ番組なら何度も飽きずに見る事が出きるだろう。


[438] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/08/06(日) 18:51 q/Cs8lYyebQ)

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スター・ウォーズ ディム・レイスター
#1>>434,#2>>435.#3>>436.#4>>437

#5

「まだ開かないのか」
マクタは苛立ちながら言った。
「申し訳ありません。すぐにロックを解除します」
ドロイドは焦りながら必死にコントロール・パネルを操作するが、ロックを解除することはできない。
「まだ、ここまでしか進んでいないのか。こうなれば屋上から侵入するしかないな・・」
マクタは言った。だがドロイドが振りかえる。
「屋上はもっと危険です。なにがあるかわかりません。バトル・ドロイドの調査隊によれば通路に対人用地雷が仕掛けてあるそうです」
「なら、私が地雷で命を落す前に、この扉のロックを解除したまえ」
マクタはドロイドの首元を掴む。
「了解しました」
その様子を通路の角から伺うディム。あの男からはかなりのダークサイドを感じる。ドゥークーの配下だろう。
「いやな予感がする」彼は呟いた。あのままドロイドがロックを解除してくれればあとはこっそり後からついていくだけだ。まだ男は自分の存在に気づいていない。他のことに夢中になっているため、ジェダイの存在に気づかないのだ。
「やりました!ロックを解除しました!」
「よろしい。下がれ」
扉が開く。男はドロイドに待つように言うと、一人で中に入っていった。数秒後、ディムはドロイドに近寄る。
カチャという音で振返るドロイド。銃口がこちらを向いている。
ドロイドの残骸をまたいで部屋に入るディム。先程の男はすでに設計図を入手しただろうか。
いや、まだのようだ。部屋にはたくさんのコンピューターや電子器具がある。コンピューターからはホロがいくつも浮かび上がっている。いずれも宇宙船や武器類だ。どうやらこのホロが目的の設計図らしい。だが男は何処に行った?先程から全くダークサイドを感じない。とにかくディムはコンピュ―ターからデータカードを取り出す事にした。
ディムはゴーグルをかける。思っていた通り、コンピューターの周りにはセンサーが働いている。センサーの装置の電源を切るしかないな。ディムは小型データパッドを取り出し、センサー装置に繋いだ。汗が頬をつたっていく。ディムは指をせわしく動かし、データパッドを操作していく。そして持っているあらゆる知識を利用してセンサー管理システムにリンクした。そして――
センサーが消えた。音もなく。ディムはデータパッドを装置から抜くと、ポーチに戻した。こういう時にアストロメク・ドロイドがいるといい。ディムはコンピューターの差込口にあるカードを取り出した。同時にコンピューターのホロ投影機から浮かび上がっていた兵器の設計図は消える。あとはこれを持ちかえるだけ――
「それを取ってくれて助かったよ」
男の声がする。ディムは振りかえった。燃えるような赤毛の男が腰にぶらさがったライトセーバーに手を置いてこちらを眺めていたのだ。
「その設計図を、君に取ってもらおうと思ってね。さあ、こっちへ渡してくれ」
「ふん。流石シスだな。お前の親玉にそっくりだ」
ディムは笑いながら言った。
「私はシスではない。ダーク・ジェダイだ。シスはティラナス卿とシディアス卿の二人だけだよ」
マクタが目を細める。
「この設計図は共和国のものだ。渡すわけには行かないな」
まずいな。どうやってこの場を出しぬく?ディムは必死にその場を観察する。
「逃げ場などない。唯一、逃げる方法は設計図を渡すことだな。命は見逃してやる。だが――」
マクタがライトセーバーを抜き取る。「渡さなければ、死ぬだけだ」
「なら、三つ目の選択肢を選ぶとしよう」
ディムが腰にぶらさがったライトセーバーを取った。「お前を殺して、設計図を持ちかえる」
「できるかな?」
「できるさ」
次の瞬間に二人は同時に動いた。ディムの黄色い光刃がマクタの紅い光刃とぶつかり合う。部屋に響くライトセーバーの音。そして飛び散る火花。
「ジェダイにしてはやるじゃないか」
プラズマ光ごしにマクタがディムに話しかける。
「まだまだ序の口だ」
ディムが手を押し出した。フォースが働き、マクタが後ろへ飛ばされる。コンピューターのコントロール・パネルにぶつかるマクタ。ディムはフォースの力を借りてマクタに飛びかかる。マクタがかすかに動き、ディムのライトセーバーは標的をはずし、コントロール・パネルを叩く。
マクタは体勢を整えると落ちているライトセーバーをフォースを使って拾おうとする。だが、ディムがそこに飛び蹴りを入れる。マクタはディムの足を掴み、ディムを床に叩きつける。マクタはそのまま床に倒れたディムに蹴りを入れる。ディムは痛みをこらえて床に倒れた体勢のまま、マクタの足を思いきり蹴る。マクタは足を取られて倒れる。ディムはいっきに立ちあがり、落ちたライトセーバーをフォースでキャッチし、起動する。ライトセーバーをマクタに振り落とすが、マクタもフォースでライトセーバーを拾い、それを使ってディムのライトセーバーを抑える。
マクタは倒れたままディムを蹴り上げる。ディムは高く飛び、マクタがそこを突こうとするが、ディムはかわした。

ビルが大爆発を起こした。ガンシップから発射されたミサイル弾が直撃したのだ。
破片が落下してきて、下にいたバトル・ドロイドの一隊を押しつぶした。
「続け!!」
ゼイシーが爆発音に負けない声を上げ、クローンに命じた。クローンは走り、ジェダイ将軍に続いていく。もはやバトル・ドロイドは完全に敗北に近づいており、ほとんどが煙を上げる残骸と化していた。
「よし、全軍、敵の本部へ向うぞ!」
「イエッサ!!」

コマンダー・ソーク、特殊部隊、そして大勢のクローン兵がビルの内部を走っていく。
「最上階に向え!」
「了解」
ソークの声で活気づくクローン達。バトル・ドロイドが大急ぎで階段を降りてくるが、すぐにただの金属の塊となってしまうのだった。ソークは次の瞬間、通路で援軍に出くわした。
「将軍、あとは最上階にいる指揮官達を捕らえるだけです」
ソークの言葉にゼイシーが笑みを浮かべる。
「よし、一気に行くぞ」

「敵軍が侵入しています」
バトル・ドロイドの中佐が報告する。ニモイディアンの指揮官が次の命令を出す前に、オフィスの扉が爆発する。
「動くな」
ゼイシーの声に続いてカチャカチャという音がしてクローン達がブラスターを構える。ニモイディアン達は脅えながら手を上げる。
「ああ、頼む殺さないで」
ニモイディアンの言葉など気にも止めずにゼイシーが近寄ってくる。
「連行する」


マクタがフォースを使って機材をディムに向って放った。ディムは機材が自分の肩に当たる直前に前転し、かわした。今度はディムがフォースでマクタを押し倒す。マクタはライトセーバーを拾い、立ちあがろうとするが、ディムのほうがわずかに先に動いていた。
「降参しろ」
黄色い光刃を突きつけられたマクタは無言でライトセーバーを床に置こうとする。ディムがそれを見て少し勝利を感じるが、油断したすきにマクタが蹴りを入れた。そしてライトセーバーを起動する。
「死ねえええええ!!」
マクタがライトセーバーをこちらに向けてジャンプする。ディムは置きあがってライトセーバーを振った――
マクタは腹を斬られ、床に転がり込む。
「アアアアア!!」
そのままマクタは勢いづいて転がっていく。その先には先程までのフォース戦でガラスの割れた窓。
マクタはガラスの無い窓に突っ込み、そのまま外に飛び出した。
ダーク・ジェダイが落下するのを疲れきって無言で眺めるディム。落下していくマクタの悲鳴が聞こえなくなったところでディムはしゃがみこむ。
「ふう」
汗でぬれた額をぬぐうディム。設計図はポーチに入っている。
「将軍」
かすれた声で通信機に向ってしゃべるディム。「設計図を入手しました」
『ご苦労だった。こちらも戦いに勝ったぞ』
「でしょうね…」

黒いジェダイ・スターファイターがクローンの部隊によって運ばれる。
「恐らく僕が戦ったダーク・ジェダイが乗っていたのでしょうね」
ディムがそれを見ながら言った。
「そうだろうな。まあ、ダーク・ジェダイを一人破るとは。よくやったぞディム」
ゼイシーがディムの肩をポンっと叩く。
「ええ、でも、初出陣でまんまと勝利を手にしましたね。これから評議会は貴方に専用コマンダーとクローン部隊をつけますよ」
ディムが笑顔でそう言った。
「ああ、恐らくコマンダー・ソークと、今回の部隊がつくだろうな」
ゼイシーが後ろで作業を行なうクローン達を親指で示す。
「僕を研究所まで運んでくれたクローン部隊はどうです?なかなか気に入りましたよ」
ディムが黄緑色のラインの入ったクローン・トルーパーを示した。
「ああ、彼らは君専用のクローン部隊だよ」
「本当ですか?」
「ああ、これまでの任務を見て、マスター・ヨーダが言っていたよ。褒美だそうだ」
ゼイシーの言葉にディムが驚きと喜びの混じった表情をつくる。

…END


[441] (無題) 投稿者:AGITO urFs3ZXM8Kc (2006/08/25(金) 20:08 HTx8ju6EiuE) [SAGE]

vader_young

太陽の敵 〜NEW CHOOSERS〜

「すみません、急に呼び出しまして。こちらとしてもあまり武力は使いたくなかったんですがね、まぁあなただけ生かしたのは強いていうなら停戦協定とでも言いましょうか」
薄暗いバーのはじっこで、私は席につく。起きたらバーだ。わけがわからないがさっきから頭痛がひどい。だが、頭痛が酷くてよかった。体を見渡してみれば打撃痕だの、切り傷だのひどいありさまだ。この頭痛のおかげで痛くもないわけだ。いつも着ている服も泥と血で台無し。

目の前の男は何かの軍服に身を包んでいる。それがどこの軍服であるのかが大事でなくて目の前の男が軍人であることがいけないのだ。
狡猾な目をして、さらには髪はかなり整えられている。もはや、出世したい男の鏡だ。
ごますりのような態度で始終俺をあつかうが相変わらずその見下したような態度は変わらない。むしろ私を軽蔑しているような目だ。目の前に泥まみれ、血だらけの男がいたら仕方ない。それが地方の男ならなおさらだ。きっとこいつは都市出身だ。
話すこともないので相手に要求は何か急いで聞く。

「なに、簡単なことです。ヤシチについて教えていただければよろしいです」
相手と俺との間にはテーブルがある。ナイフを手にとって刺しにかかっても届く距離じゃない。とかいいつつも逃げようとしても相手に電気ショック器具を首にはめられて、手錠をかけられたんじゃ妄想でしか攻撃できないが。ちょっと笑いが出た。この不利な状況は相手から見ての話。
貴様に教えるものはない。つっけんどんに言い放ってやった。話を引っ張って、笑ったあとのこの言葉に相手はびびったようだ。

「いえいえ、いいんですよ。そんな態度でも。でもこれがある限り反抗できるんですか?」
あいつは手に持ったスイッチを入れて微笑んだ。私はその笑みを不気味に思ったと同時に首から電気ショックを感じた。予想以上の痛みだ。思わず、苦悶の声が出てしまう。
分かった。分かった。了承しつつも相手に乗る。あくまでも強気でいこうと思う。

「さすが物分りがいいですね。では教えてもらいましょう。ヤシチとは誰なんですか?」
「教えてやるよ、すべてな。だが、知ったところで得しないぜ。こんなちっぽけな賞金首一人追ってるだけじゃいつまでたってもてめぇはちっちゃな軍人だぜ」
少しばかり怒気を強めて言ってやった。相手はまたびっくりし飛び上がったようにまたスイッチに手をかける。相手がスイッチに手をかけたとき、私はテーブルを全力で蹴り上げて相手のスイッチインを阻止する。そして話をしてやる。
「分かっての通り、ヤシチは一人のテロリストだ。地域紛争で自分の理想を持って動いている過激派って見方が普通だろうな。だが、そんなテロ行為はあいつ自身が行ってるものなんてほんの少し。いいな、ここからが大事だ。あいつが行った武力いや、制裁はあいつの身のまわりの人だれひとりとして、悲しませやしないんだ。だけど正義のヒーローでもなければ、神でもない。普通の人間だ。」
私は自慢げに椅子の背もたれによしかかり相手に向かって鼻をふんとならしてやった。
「おもしろい人ですね。テロを肯定して、ましてやこの銀河帝国に忠誠を誓ったものを逆賊扱い。あなたは洗脳されてます。そんな男生かしておく価値なんてないでしょう。」
「腐ってるのはそっちだ。こんど俺の星に連れて行ってやるよ。帝国すら腐ってやがる」
私は心底こいつが嫌いだ。頭痛の原因も今思えばこいつである。頭痛がして顔をしかめたあと、私は立ち上がった。

「見てな。俺は今から後悔をひとつ積む。それからもっとお前があの世で後悔する。」
私はいつでもはずせた手錠をはずすと胸ポケットから消音ブラスターを取り出し憎き将校を額から順に下へ打ち抜いた。相手の驚いた顔を見た暇もない。
私は将校の胸ポケットから帝国の情報センターのパスワードや身分証明書をとりだす。
「マスター。ほとけだ。川流し。」
店の明るい方にいるマスターの方を向いて、人差し指をビシっとさしてこのせりふを決めた。マスターも人差し指を返す。
「すまねぇ、ヤシチ。」
私は店を出る際に思ったことを口にだして、痛む頭を抑えて、ふらふら店を後にした。


[442] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/08/16(水) 19:34 q/Cs8lYyebQ)

k_3po

For my empire
狂気のパイロット


宇宙空間に浮かぶ帝国のメディカル・ステーション。ラムダ級シャトルがベイに着陸する。タラップを降りてきたのは数人のストームトルーパーと一人の士官。トルーパーは担架をかついでおり、担架にはベルトで固定された男が横たわっている。
「ふむ。病状は?」
医者は横たわる男を診察し始める。薬品の匂いがプンプンする診察室は静かだ。だが、少し離れたエリアは精神病患者の収容エリアとなっている。
「パイロットなんですがね。戦闘中に人格が変化するのです」
士官は上官だろう。部下をここへ連れてきたのだ。
「ほう。2重人格ですか。少なくないケースです。お名前は?」
医者はデータパッドになにか書きとめる。患者は静かに横たわっている。ベルトで固定は大げさではないかと医者は考え始めた。
「コム・アスターです」
医者は名前を書きとめる。
「二人目の人格になるのは戦闘中だけですか?」
医者は士官を見る。
「ええ。なにか・・復讐に燃えてるような・・強暴になって・・」
士官は言った。医者が信じているかはわからない。医者はデータパッドを黙読している。
「味方を攻撃するのですか?」医者は気の無い言葉でそう言った。
「いえ、刺激しなければそれはありません。やつは反乱軍だけを憎んでおります」
士官は熱心に伝えた。やはり医者は別のことを考えているのような表情だ。今夜の食事でも考えているのだろうか。医者はようやく口を開いた。
「反乱軍によっぽど辛い思いをさせられたのですね?それで、復讐心を燃やし、精神的に不安定、2重人格と…」
なんだ。ちゃんと聞いてるじゃないか。士官はほっとした。
「治療してみましょう。それで、今の彼はどっちの彼ですか?あー、そのー、強暴なほうか、通常のほうか・・」 医者は男に近づく。男は上半身裸で、ベルトが腹筋のあたりに食い込んでいる。
「通常かと。静かなのでね。先程の戦闘で・・狂ってました」
医者は士官の説明をよそに男の額に手をあてる。眠っているのか・・
「いつもですが・・発狂のあと、元に戻ると同時にかなりのエネルギーを消費しているようで、いつもこうして眠ってしまいます」
士官は言った。
「ふむ。貴方、正直言って、厄介払いをしたいのですか?」
医者の言葉に士官はギクリとくる。
「図星ですね。わかりますよ。こんな精神病はここに閉じ込めておくべきだ。しかしまあ、寝顔はそうは思えませんね。美男子だ」
医者は言った。
「操縦の腕のいいです。ただ、この病気があるので・・で、入院させていただけますかな?」
「ええ」
「では私はこれで。おい、」
士官は待機するトルーパーに合図し、部屋を出ていく。数分後、シャトルがステーションを出て、宇宙の闇へと消える。
「さあ、君の部屋だ」
「…ここが」
コム・アスターはいつかこうなると思っていた。帝国軍には2重人格者の病人はいらない。そう、パイロットなどなるものではない。
「戦闘機に乗らなければ”二人目の君”は現れないだろう」
「・・・」
コムは冷たい地下牢のような収容室に恐る恐る入る。粗末なベッドに横たわるコム。
「おやすみ」医者はそう言うと、通路からいなくなる。
”フフフフフ。とうとう病院送りか?え?”
「うるさい。黙れ」
”おいおい、俺はお前の相棒だぜ?冷たくするなよ〜。な?今日も俺のおかげでXウィングやらYウィングやら殺すことができたぜ?”
頭の中で響く声。二人目のコム・アスターは笑いつづける。
”ヒャヒャヒャヒャ!!愉快だな?おい!”
「この道化め!」
コムは固い壁に自分を叩きつける。
”無駄だ!自分を痛めるだけだぜえ?”
コムは壁から突き出た洗面台に手をかける。壁にかかった小さく粗末な鏡に目を移す。自分の顔がみるみるうちにゆがんでいき、口がありえないほど釣りあがる。しわも刻まれ、パルパティーン皇帝顔負けの不気味な笑顔がつくりあがる。
「もし、今度お前が現れれば、俺は死ぬぞ」
”へえ、それで脅してるつもり?”
「冗談じゃない。お前が俺の体の支配権を握るたびに俺の肉体はボロボロになっていく。デススティックの中毒者のようにな。そろそろ俺とお前は終わりだよ」
冷たい笑顔をつくる本物のコム。鏡のなかのコムの笑顔は消え、少し驚いた表情になる。コムは思いきり鏡を握った拳でパンチする。鏡は割れる。
「いったい・・いつまでこんな幻覚が…」
コムはしゃがみこむ。
”ふん、死ぬって?まさか、そのうち死ぬかもしれんが、まさか…”
「信じろよ。次だ。次お前が現れれば俺は死ぬ」
”嘘だろ…お前が死ねば・・俺は・・…”
「死ぬ」
”くそ!覚えてろ!!”
コムの頭が急に軽くなる。二人目のコムは逃げていった。もちろん、コムのなかにまだいるが…
「とうぶん来ないな…」コムは目をつむり、横になった。

2ヶ月後・…
医者が男を連れて部屋にやってきた。コムはベッドから起きあがり、挨拶する。医者は挨拶を適当に返すが、同行している男は笑顔で挨拶を返した。帝国軍の軍服を着ている。しかもパイロットの。胸を張り、きりっとしたその男の姿はコムが昔夢見た姿そのものだ。
「こちらは帝国軍パイロット中隊の隊長の、ラッキー・ロンド中尉だよ」
医者が紹介する。
「やあ、アスター君だね。初めまして」
ロンド中尉は握手を求めた。コムはその手を握る。
「本当に、護衛は不要で?」医者は尋ねるが、ロンドは拒否する。
「心配要りません。彼はそこまで危険じゃない」
ラッキーの言葉を聞いた医者はブツブツ言いながら部屋を出ていった。
「さてと。辛かっただろう?アスター准尉」ロンドは尋ねた。
「ええ。でも、まあ、精神病患者には変わりませんから・・当然の報いでしょう」
コムはそう言った。
「なるほど。思ったより勇敢だね。今日ここへ来たのは君をここから連れ出すためだ。また現場に戻って欲しい」
この言葉はコムに鋭く突き刺さる。
「まさか…今更僕を引き取る隊は無いでしょう・・」
「私の隊だ」
この言葉も同じくらい突き刺さった。
「本気ですか?」
「本気だとも。君の成績を拝見したよ。確かに2重人格という悪い噂もあるが…それでも君を隊に招待したくてね」
「…戦闘の際に貴方を間違って撃ち殺すかもしれません。僕は2重人格です。もう一人の強暴な僕が中にいるんです」
信じてもらおうとして言ったわけではない。ただ言いたいことを言っただけだ。だが、ロンド中尉は…
「ああ、信じるとも。だが、もう一人の君もうまく制御できると思ってね」
ロンド中尉は信じている。さらに、あの道化野郎を制御しようとまで考えている。
「そこまでしてどうして…」
「中隊の仲間は多いほうがいいだろう?それに…君にここから出て欲しいし、再び空に、宇宙に戻って欲しい」
ロンド中尉のその言葉にコムは言葉が見つからない。まだ出会って1時間経っていないというのに、この男に命をささげたくなった。
「…」
「来てくれるか?」
「・・ええ、行きますよ」コムの返事にロンド中尉はほっとする。
「じゃあ、出発しよう」
「ちょっと待ってください。貴方の中隊の名前は?」
「ん?ああ・・」

「ティルファング中隊さ」

この名は死ぬまでコムの脳に刻まれる。

発着ベイに停まっているシャトル。入り口では女性が立っている。
「中尉?」
女性は尋ねる。「彼は・・」
「引きうけてくれたよ、マクファーレン伍長」
シャトルはコム・アスターを乗せて彼を新たな人生へと運んでいく。

END


[445] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/08/19(土) 20:58 q/Cs8lYyebQ)

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ぼくたちの、てぃるふぁんぐ

バスティオンの都市のなかにある中央公園。広い公園には記念碑や銅像があり、一部には子供が遊べる一角もある。今日も帝国首都に住むチビッ子達が遊んでいる。
「よおし、ティルファングごっこしようぜ!」
一人のリーダーらしき男の子がはしゃいで言った。最近、統一軍との戦争が始まってその戦いのなかで活躍を見せるティルファング中隊がよくホロ新聞やニュースに出てくるのだ。首都に住んでいる子供達は皆、帝国軍の戦士に憧れている。
「ブラック・ハルシオンだってかっこいいぞ!」
こういうことをたまに言う子がいるが、皆と違う部隊のことを言い出すと仲間はずれにされるのだ。
「おれ、ラッキー・ロンド少佐!」
「おれ、エドリアン・クラフスコフ大尉な!」
「ぼく、ヴァース大尉ね!」
「あたし、ユズキ・マクファーレン曹長」
「ぼくはあ…」
と、こういう具合に始まる。
「やっぱTIEハンターだよなあ」
「かっこいい。ブーン」
「なにいってんだよお、TIEオプレッサーに決まってるだろう」
「はあ?」
と、喧嘩になる。
「ハンターはロンド少佐の愛機だぞお!」
「ふん、TIEディフェンダーが一番だよ。ヴァース大尉はエリートなん・・」
「うるせえ!」
と、子供達も戦争を始める。
「エリッヒ様かっこいい!」
「そうかなあ」
と女の子の声。男の子達はいまだに機体のことで言い争っており、やがてパイロットの話に移る。
「誰がなんと言おうとテル・ヴァース大尉が一番だ!」
「うう・・・!ロンド少佐は隊長だぞ!ティルファングごっこやるなら隊長役のぼくの言う事聞け!」
「まあまあ」
「サフレットって人もかっこいい!ミュージシャンみたいだモン」
女の子のほうもどのパイロットがかっこいいか言い争っている。
「あの人変わってるよ。やっぱエリッヒ様でしょ」
公園はいつも騒がしくなる。
「やっぱキール・ゾセインティー大尉でしょ。クールだし」
「ふん、静かなだけだろ!ロンドは隊長だぞお!」
「ヴァースはエリートなんだってばあ!」
ティルファングごっこがしっかり行なわれた日はない。いつもこうして言い争いになるのである。
あたりが夕日に染まり、子供達は疲れ果てた。
「ぐすん。あ、夜ご飯カレーだった。早く帰らなきゃ」
「ぼくも宿題忘れてた」
「あたしも…」
こうして子供達は母と夕飯の待つ家に帰宅する。そして明日の遊びに備えて休むのだ。

翌日、再び子供達は公園に来る。
「だから、ロンド少佐だって言ってるじゃん!」


[447] (無題) 投稿者:空を歩くもの gaoWblK2Sds (2006/08/21(月) 19:29 /NwnSZCRI36)

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STAR WARS EPZ  「王族の血筋」

>>422のつづき…


クルーザーは限界に近づいていた。ブリッジの天井からは絶え間なく何らかの破片や火花が飛び散り、次々に操縦士たちに襲い掛かっていた。砲台もほとんどが機能停止で発射した途端にその場で爆発することが続いたのでその場の現場指揮官は打ち方止めを言わざる負えなかった。さらに宇宙空間では共和国軍が必死に目の前の戦闘機と戦艦に攻撃をし続けていたにもかかわらずに敵の放火は修まることを知らなかった。

ウェッジは真剣に身の危険を感じていた。それは彼自身の生命のことではなく、共和国軍の存亡に関わる重要なことだった。
「タイコ、俺達が幾ら頑張ってもハイパースペースへはジャンプ出来ないぞ。」
「…何?まさか…」
「スーパーインターディクターだ。」
彼らの戦闘機の遠く向こうに多くの戦艦に囲まれた巨大な一つの球状の船が静かにそこにいた。その球体からは様々な突起が出ていて、見るからに恐ろしげな雰囲気であった。
「こんな怪物がいたとは…」
タイコの声はしばらくウェッジに届かなかった。

共和国は帝国に勝ち続けた理由は、実はある科学者が素晴らしい発明をしたからなのである。それはトレインサーと言って、インペリアルスターデストロイヤーのトラクタービームなどの重力井戸が効かなくなる装置だった。だが帝国はその惨敗の後、さらに恐ろしい兵器を対トレインサーの為に作った。それがスーパーインターディクター艦である。これは今までと比べて次元が一つ高い超重力を最大限に発生させる事で、ハイパースペース航行を完全に阻止できるものであった。これのせいで、一時期共和国では激しい混乱が生まれたが、戦力が増えた為にその混乱も次第に収まっていった。


「こちらブルーリーダー、ウェッジ将軍、あのどでかい奴を破壊しないと話になりませんよ。」
「わかってる。作戦を今考えているところだ。あの艦にはシールドが張れない代わり、強力な護衛が付いている。また、あのスーパー級スターデストロイヤーの射的距離内だ。」
「無理かもな」
「諦めるなタイコ。まだ策はある!」


<グロスデヴォニアン>のブリッジで、グリーバスは出撃の準備をしていた。といってもやることは、特に無かったが。
「本当に皮肉だな。せっかく生き返ったお前まで事故の災難に出会うとは。」
グランドモフ・グリークはとなりのグリーバスが咳払いをするのを苦笑いしながら見た。
「どうやら昔のお前もそういう風に咳をしていたそうだぞ。ま、お前にはそれがお似合いだ。」
グリーバスは小さくお辞儀をすると、ブリッジを出て行った。そして急いでハッチへと向かった。


「前方のインペリアル級スターデストロイヤー二隻が我々への集中攻撃の為に前進してきました!しかし、おかげで突破口が開いきました!あとはスーパーインターディクター艦だけです。」
「だけ…?」
メイディーンは部下の報告に不満そうに首をかしげた。
「お前はあの艦の意地悪さを知らないのか?」
「い、いえ…ただ戦闘機部隊が破壊してくれると…」
「無理だ。我々がやるしかない。」
メイディーンはひそかに胸のポケットに目をやった。
「私を除く全船員はすぐに脱出ポッドで避難せよ!この艦は自動操縦で、あの丸い船に方角を向けろ!!」
部下は目を真ん丸くして、彼の前に立ち尽くした。


つづく…


[448] (無題) 投稿者:RAIT jX0Hy3Imcis [Web] (2006/09/23(土) 20:06 bZ7KCz/djMk)

jacen

題名:『ジャック・コール』
第一章:旅の始まり
オーダー66が発令された
ジェダイは消え暗黒の時代がやってくる。シスの代行人、ヴェイダーが誕生したのだ。
「ジャック、これからどうするの?」
美しい女性の声が小さなハンガーのメカの下から聞こえた。
『さぁな、まだ分からん。とにかくここは離れるぞ』
コルサントのハンガーで小さな声の会話が聞こえる。ジャックはメカの上で作業をしている。
『帝国樹立?嫌気が差すね』
「・・・逃亡?」
『ああ、どこか遠くの惑星にな』
「やっとここになれてきたのに・・・」
『・・・。荷物をまとめろ、家の物は全て詰め、証拠を消す。』
会話をしているのは銀河盗賊の一団「フラッグ・コール(名前未定)」のメンバー2だ。
そこに他のメンバーが帰ってきた。
「食料は揃えてきた。金はほとんど払った。」
「あとは、<ブラック・ゲート>で宝を売るだけだ」
「あと部品も揃えてきた。大分そろってる」
四人のメンバーが帰ってきた。コルサントの“ホーム”に。
“ホーム”とは家が無くなった盗賊たちの仮の家で小さいハンガーにホームを開き仲間と共に生活すること。
やっと住み慣れた“ホーム”だったのだが出て行くことになってしまい、皆残念だ。だが全メンバーがそろった。
人間でタトゥイーン出身のキステル・ニッシュ、イリドニア出身でザブラクのニメアス・テイル、同じくザブラクでタトゥイーン出身の、サール・ケスト、人間でイリドニア出身のディメス・ベストそして唯一、若い女性、レン・エルバそして若いキャプテンのジャック・コールだ。
『出るぞ皆、早く乗れ。』
ジャックが言うと六人全員が船に乗った。
『皆頼むぞ』
ジャックもそう呟くと、心に持った勇気とともに地面に飛び降り、船、<スカイリバー>の入り口に入った。
女性が右席の捕手パイロットを務めジャックは左席のメインパイロットを勤めている。
キステルとディメスはエンジニアを務め、砲手はニメアスとサールだ。
その“船”というのも銀色でブーメランのような形をしている。後ろから見るとたいらで。機体の中心からは加速や減速するための金色の長く細いフィンが付いている。
内部は白色でコクピットから扉無しで、砲撃主の配置やエンジニアのところに繋がっている。
武装は改造されたもので、砲塔などレーザー砲が大量についている。ハイパースペースもついていた。
全員が持ち場に着き発進の準備を終えて、ふわりと飛びだった。
「行く先は?さっぱり分かんないのかい?船長」
老人でそれなりの風格をもったディメスが聞く
『まずは<ブラック・ゲート>だ、暗黒通路で宝を売る』
「またあんなところ行ったら、今度は誰か死んじまうぜ」
今度は椅子にもたれながら銃の手入れをしているキステルが笑いながら答えた。
『とにかく向かう、だがまず“ここ”から離れないとな』
全員がジャックの方を向いた。代表してキステルが聞く。
「何か、悪いことがあるのかい?」
逆にジャックは聞いた。
『皆知らないのか?共和国は帝国に変わっちまったんだよ。』
「それが、どうなんだ?」
『つまり、帝国は法を作り俺たちはそのコルサントの“法”のさくに入っていないんだ。住民でもない』
「つまり?・・それで」
『だから俺らは論外だ、見つけられると殺されるかもしれない。俺らはジェダイのおかげで“ホーム”に住んでんだ。だけどジェダイは消えたんだ。』
「なら、急がないとな」
<スカイリバー>は徐々に速度を上げて行き、大空に出る。
帝国軍はそれを見逃さなかった。かなりのスピーダーが舞ってる中から<スカイリバー>を見つけた。
銀色でブーメラン型なら目立つが、そうとう見つけにくい、だが、いとも簡単に見つけたのだ。
帝国軍はVウイング・ファイターの部隊で追撃させた。
だが<スカイリバー>はハイパースペースを使い、コルサントから消えた。
彼らが向かってるのは惑星ダリオン、彼らが言う、<ブラック・ゲート>がある惑星だ。
しばらくして大きな空を駆け抜けていく、だんだんと騒がしいコルサントの街中は・・やがて小さな点になった。
そしてスピーダーの群れは、消えた。
「・・ん・・船長!Xウイングだつけて来やがった」
キステルの声と共に<スカイリバー>の船中は慌しく、騒がしくなった。
「4機だ、4機いる!俺らを落とすつもりだぞ!」
『一気に離す!ハイパースペースだ。ニメアスとサールは砲手に着け!』
「了解」
「ジャック、ダメよ、まだエネルギーが足りない」
キステルに答えたジャックをレンが止めた。
Xウイングは刻々と迫ってくる。
ジャックとレンは頭上の機械を操作し始めた。
『スピード落としてプロトン一発でやる。キステルとディメスは念のためにレーダーを張れ』
「Ok、船長!レーダー展開」
キステルがそういった。
Xウイングは<スカイリバー>の双方と後方に二機ずつ付いた。
『ラッキーだ、このフォーメーションは』
それを見たジャックがそう言った。
『俺が落とす!レーダー強く!』
<スカイリバー>は一気にスピードを落としXウイングの後方に着いた、発射音が聞こえた。すさまじく・・・。
緑色のレーザーは真っ先にかわし遅れた全機体の中の一番後方のXウイングに当たった。
ほんの少しの間だが、火をまとい炎上し爆発した。
寄せて来た双方のXウイングは爆発に巻き込まれ、同じく他の機体も消え、かすになり消えた。
『終った、』
「ハイパースペースが溜まったわ」
宇宙に出てレンがそういうとジャックは何も言わずにすぐハイパースペースを起動した。
一瞬で星は長い線になった。
『ハイパースペースでも<ブラック・ゲート>までは結構かかるからな』
「どのくらい?」
レンが聞く
『分からん、前行った時は時間が狂った。』
「そんなに危険なの?」
『ああ、覚悟しとけ』
話を終えた皆は休んでいる。
だがつかの間の休みもすぐ終ってしまった。
「レーダーが反応した。今度はARCだ。」
『スピード上げて逃げるぞ』
ジャックのその声と共に、皆は慌しく動くはじめた。


[449] 連投すいません 投稿者:RAIT jX0Hy3Imcis [Web] (2006/09/09(土) 07:21 bZ7KCz/djMk)

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短編オプション小説Episode7/8/9/外伝小説
『アーサーの戦い』
『アーサー・デオン、任務を言い渡す!!!単独任務、黒コートの男ジェスト・ブラックの殺害!!!』
大勢のジェダイが居る大きな会議室でジェダイ・マスターがそう言い放った。全員に聞こえ、もちろんアーサーにも聞こえた。
アーサーは嬉しそうに笑ったがテムザは少し苦い顔をしていた。
「アーサー・デオン、即、お前のジェダイ・スターファイターで、ダルスに向かえ。逃げられるなよ」
そう言い放つと、そのジェダイはすぐに会議室を出た。
アーサーも同じくらいのときにだ。
だが、会議室にいたジェダイ達は動揺を隠せず、テムザも同じだった。
「あんな若いジェダイ一人に任せるなんておかしい」、「だれかの動きか?」等の声が聞こえた。
その頃もうアーサーはもうファイターに乗っていた。
『R2(R2‐D6)急いで飛ばそう』
すぐR2は答えて、発進する用意を終えた。
その時テムザが走ってきて別れの言葉を交わす。
「頑張れよ、アーサー、じゃあな、フォースと共にあらんことを」
『はいマスター、ありがとうございます。では、フォースと共に』
アーサーはそう言い終えると緑と銀色のファイターのハッチを閉め、テムザに小さくお辞儀をして、コルサントの空に飛び立った。
すでにファイターは光る惑星がちりばめられている銀河を飛んでいた
『ハイパースペースはつまらない、小惑星間を通ろう。危険地帯だ』
R2は嬉しそうに答えた。
ファイターは全速力で飛び、あっという間に危険地帯に入った。
危険地帯に入っても全くスピードを落とさずに、飛んで行く。
『よし、来るぞ』
アーサーがそういうと、行ったとおりに小惑星域があらわれた。
『行くぞR2』
R2はすぐ答え、ファイターは揺れた。揺れるとともにスピードを最小限に下げ小惑星の目の前で下に急降下した。
そこにもまだ大量に小惑星がありそれを急にスピードを最大にして交わしていく。
領域を駆け回っているうちに小惑星は消えた。
『突破したぞ、もうすぐだ。』
R2はまた嬉しそうに答えた。
また全速力で飛んで、すぐにダルスに到着した。
『いよいよだな、降りるぞ!』
アーサーが言うとR2は答える暇もなく、ファイターは大きくゆれ下に降下して行った。
すぐに大気圏を突破し、霧が立ち込めているマイギートーのような空を飛んでいる。
緩やかに朽ちた着陸所に着陸し、アーサーはファイターから降りた。R2も着いていこうとしたがアーサーが止めた。
『R2、お前はここで待ってろ』
アーサーは一気に素早く走り、ボロボロに朽ちている、大きな基地のような拠点にたどり着いた。
だが、その大きな扉の前にはジェスト・ブラックが腕を組み待っていた。
『あんたがジェストだな、すぐ終らせようぜ』
「フンッ、お前と同じことを望む」
二人はほぼ同じ時にライトセイバーを起動した。
アーサーは正義の緑でジェストは憎しみの紅だ。
だが、アーサーの顔は憎しみに溢れている。
アーサーは急に高くジャンプしジェストに切りかかった。
戦いが始まったのだ。
ジェストは大きく弾かれたが、ライトセイバーはがっちり止まっていた。
「そんな力か」
『悪いかい?』
もう一発強烈にアーサーは切り込んだが、弾かれてよろけてしまった。
ジェストは小さく笑うとアーサーの胸を目指してライトセイバーを突っ込もうとした。
だがアーサーも間一髪でバックステップをしてかわす。
地面に降りたと同時にアーサーは切り込んだがそれもジェストに弾かれた。もう一発、重く早く打ち込むと、つばぜり合いが始まった。
アーサー優勢だったがジェストが一気に力を込めて振りほどいた。
そこで急にジェストが攻撃に移りアーサーの肩を一閃した。
ローブごと胸の少し上まで一気に紅いライトセイバーが斬った。
アーサーは無念にも地面に倒れこんでしまった。
「雑魚め、ジェダイの恥だな」
『ちっ、』
アーサーは突然立ち上がり憎悪に溢れたシスのような顔をして、ジェストに切りかかった。
前よりも強く早くそして邪悪だ。
ジェストは精一杯守っていく。
隙を見つけ攻撃をかけようと思ったジェストだが隙が見つからない。
だがさすがのジェストは簡単にアーサーの攻撃を跳ね返した。
「どうした、来ないのか?」
『言われないでも行くさ』
アーサーが思いっきり振った青い閃光はまた簡単に止められた。
ジェストは初めて、このときに隙を見つけ、初めて攻撃を開始した。
思いっきり振り回し、アーサーを疲れさせていく。
アーサーは打ちこまれている。
「チッ」

続く

>>449


[451] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU [Web] (2006/09/04(月) 22:29 THCf.4fEVM6)

mind_trick

【短編・太陽のあるところ】





「少年よ。人生は良い事だってあるさ」
 そう呼び止められたので、少年は足に力を入れて踏ん張り、体が落ちないようにした。
 少年は振り向き、呼び止めた男を横目でじろりと見る。
 男は人間ではなかった。左目に切り傷があるザブラクの男で、薄汚れた茶色のローブを羽織り、腰にはちらりとあれが見える。騎士の証であるあれだ。
 男は今にも体ごと命を落とそうとしている少年に対して、笑顔で言った。
 そして両手を広げ、眠らない街の空を見上げる。
「見て、この空。信じられる?」
 少年も見上げてみる。やはりそこにあったのは、数え切れないほどのスピーダーが、目に見えな様な速さで飛び交う夜空。
 故郷では在り得ない光景に、再びため息が出る。
「こんな凄い光景を見ると、小さな悩みなんて吹っ飛ぶだろう?」
 それを聞いた少年はむっとした。視線を前に向け、口を開いた。
「小さな悩み? 俺にとっては重大なんよ」
 この男が何故、自分が悩みを抱えているのか分かったのか。という疑問は浮かばなかった。
 少年は、目を閉じる。大きく息を吸い、吐く。それを数回続けると、いよいよ青年は落ちようとする。
「人間、死ぬ気になればなんでも出来るさ」
 ザブラクの男はぼそりと言い、少年に歩み寄る。まるでスキップをしているかの様に、軽く。
 少年は再度振り返り、にやりと笑った。
「人間じゃないくせに、人間の可能性が分かるのかい?」
 男はゆっくり頷くと、左目の傷を指差した。
「これが証拠」
 少年は冥土の土産に、この男の話を聞いてやろうと思った。しかし、最期を看取られるのが見ず知らずの男とは。
 少年は首を捻り、
「なんで?」
 と尋ねた。
 しかし返ってきたのは答えではなく、問いであった。
「悪いが逆に訊こうか。君は人間の可能性を知らないのかね?」
 予想しなかった答えに、少年はたじろいだ。
 そして前へ向き直し、目を伏せた。
「人間なんて、所詮何も出来ない様な奴らだ」
 再び少年は深呼吸をする。男はそれを見て微笑した。
 少年は横目で、それを見ていた。何がおかしいのだろうか。自分を哀れでんいるのか。
 その気持ちありがたくいただこう。
「人間、空だって飛べる」
 男は言うと、少年は意を決した。
 飛び降りた。高い高いビルの屋上から。強い逆風がびゅうびゅうと吹き、少年は翻弄させられる。くるくると回ったり、ロケットの様に垂直になったり。
 ほら見ろ、飛べやしない。これは落ちているんだ。
 スピーダーが幾重にもなっている上に、高速で移動しているのだから、少年はいつそれに衝突してもおかしくない。
 しかしどういう訳か、スピーダーには当たらない。避けてくれている訳ではない。
 変だ。体が右へ左へ勢い良く移動して、スピーダーを避けている。しかも何故か、落ちるスピードが緩くなってきた。それどころか、体が浮いてくる。浮き上がってくる。
 そして飛んだ。落ちている時よりも速い速度で。鋭い弾丸の様に、落ちてきた路を戻る。
「人間……やってみるもんだな」
 屋上に足をつけた少年は、震える声で言った。ザブラクの男はまだいた。
 男は拍手を、少年に送った。
「人間は死ぬ気になれば何だって出来る。それを君は自分自身で証明した」
 確かに飛んだ。絶対に在り得ない様な出来事。しかし飛んだと言うよりも、引き寄せられたという方が正しい様な気もした。
 特にスピーダーを避けた時。あれは糸で引っ張られた様な感覚だった。
 「分かったか? 人間の可能性は無限だ。君の悩みだって、きっとその可能性でさ」
 そこで言葉を切った男は微笑み、そしてふらりと消えた。
 何故か少年の心は清々しかった。


[452] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/08/31(木) 17:47 q/Cs8lYyebQ)

k_3po

銀河海賊物語

その貨物船は本当にゆっくり飛んでいた。とくに急ぐ予定も無く、到着予定は5日後だった。
「ふああ…暇ですね」
「なんだ?襲撃でもされたいのか?」
「いえ、そういうわけじゃ」
副官と船長がそんな会話を始めた。
「なんも重要なもんは積んでない。確かに金目なもんだけどな。反乱軍に襲われる心配もない」
船長は酒をぐいと飲んだ。
「いいんですか?飲んで」
「大丈夫だよ」
貨物船の後方から大きな宇宙船が迫っていた。かなり改造が施された貨物船だ。レーザー砲も多い。
「船長、レーダーに妙な影が・・・」
「なんかの見間違いだ」
「いえ、確かに・・・」
その瞬間、船体が大きく揺れたかと思うと、警報が鳴った。
「なんだなんだ!」
「海賊です!!!」
貨物船<ディーター>は改造型の貨物船から攻撃を受けていた。
海賊船は<スターバード号>。銀河に名を轟かす恐ろしい海賊船だ。
<スターバード>号のブリッジで<ディーター>を眺める。男。彼こそジータ・スターバード船長だ。
「乗りこむぞ」
「イエッサ!」
汚い身なりの船員が船長に指示される。彼らが襲った船はこれまで999隻。本日のこれが1000隻目だ。
海賊達がドッキングアームを走って<ディーター>に侵入する。<ディーター>の船員は両手を上げる。なかには本当にマイペースで状況を理解するまで時間がかかってる者もいる。
「荷物を積みこめ!」
スターバード船長の言葉で海賊は活気づき、貨物室から積荷を運び出す。
「やあ、君が船長?」
スターバード船長は<ディーター>の酒臭い船長に尋ねた。
「ああ・・そうだが・・殺さないでくれ!」
「殺さないよ。そんなことしたら面倒じゃん」
スターバード船長は積荷だけを要求していた。彼は今の今まで人を殺したことが無い。帝国軍は別だ。ストームトルーパーはゴミのように転がっていくのだから勘定には入れない。
「ありがとよ。じゃあね」
スターバードが自分の愛機に戻っていく。からっぽになった<ディーター>は切り離され、取り残された。<スターバード>はスピードを上げて去っていく。
「船長、助かりましたね」
副官がほっとため息をついて言った。
「いや・・・勝負はこれからだ」
船長の以外な言葉に副官は自分の耳を疑った。
「は?」
「・・連中…燃料を全部持っていった。我々はここからどこにも行けないよ」
「・…」

<スターバード>号は記念すべき1000隻目の船の襲撃を終えた。彼らは今夜、船のなかで大きなパーティを開くだろう。

END


[453] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc [Web] (2006/09/03(日) 21:22 JFTTkjkCVjs)

emp_statue

 序章、始まりの狂気

 いつからだろう、私がこうなったのは。
 わからない。気が付けばこうだった。私はいつもそうだ。大事なものに気づかない。
 あの時もそうだ。私の人生最大の汚点を残した日。あの日を境に、私はこうなったのかもしれない。いや、間違いなくそうだ。
 あの敵、あの裏切り者が私に牙を剥き体を焼けるように男に腹が殴った。手にした武器がそういえば代価に払い私をおいしく空が上は白い足が痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
 明日になれば気分は晴れるだろうか。あの店に行けばいつものようにこのまま生きていけるのだろうか。
 私の記憶を永久に遺したい。力が欲しい、あの男を倒す力が。あぁ、あの男。憎きあの敵、あの裏切り者が私に牙を剥き体を焼けるように男に腹が殴った。手にした武器がそういえば代価に払い私をおいしく空が上は白い足が痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
 記憶を探ると昔の記憶がまるで昨日の記憶のようにありありと記憶が蘇ってきた。
 少女が銃で食べられ腕に足を明日は明後日で黒い仮面に醜い私は権力者か。それも政府に一番必要とする決して必要の機関が最高権力者ではない老人に私を食い明日は明後日であの男もあの敵、あの裏切り者が私に牙を剥き体を焼けるように男に腹が殴った。手にした武器がそういえば代価に払い私をおいしく空が上は白い足が痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛痛痛痛痛痛痛痛いた……!


【プレッシャー】


 第一章、バターからの悪夢


 1


 彼の懐には今流行の新薬、デイ・ダスが入っていた。もちろん、違法ドラッグである。彼――イラッシャ・ライグはもちろん、そのことを知っている。イラッシャは違法ドラッグを売りさばく闇商人だった。
 彼の売り場はコルサント下層、レベル72第6区画の真ん中を貫く大通り、『カース・ストリート』を北ゲートから南へ3km行ったところにある宇宙船の残骸を更に進んだ突き当りを曲がった所にある、狭く、薄暗く、生臭い、いかにもな路地だった。そこを通る通行人をキャッチしては巧みな話術でデイ・ダスを法外な値段で売りつける(デイ・ダス自体が違法なのだからおかしな比喩である)ハイエナのような男だった。
 彼は亜人種だった。背の丈3mほどのがっしりした体系に角刈りのような金髪で、皮膚がざらざらの紫色をしている。顔はお世辞にも整っているとは言いがたい、豚のような鼻に飛び出した目、小さな口からは犬歯が覗いていた。彼は今日もその体系と不似合いな真っ白のリクルートスーツに身を包み、にやにやしながら路地に立っていた。
「お兄さん、浮かない顔して、どうかしたのかい?」
 顔ににやにや笑いを貼り付けたまま、彼は通行人に声をかけた。
 通行人は小麦色の肌をした背の高い――といっても、イラッシャほどではないが――人間の男で、ボロを纏っていた。おぼつかない足取りをしているところを見ると、恐らくドラッグ常習犯だろう。何より特徴的なのは、長い髪に隠れながらも見える、男の後頭部から生え、耳を覆っているヘッドホンのような機械である。それは男がサイボーグであることを示していた。イラッシャは心の中でガッツポーズをした。こいつには絶対高値で売れるぞ!
「どうだい、景気付けに一つ。元気出るぜ?」
 そう言ってイラッシャは男を追い越し、懐からデイ・ダスを取り出して、男の顔の前で振って見せた。
「こいつはブライトス種のドラッグで、最近出たばっかりだ。これから絶対流行る。一吸いで一日中夢の中だ。安くしとくよ。50万でどうだ?」
 男が立ち止まった。
「お前は、誰だ」
「俺はイラッシャってもんで、ここらじゃちょっと名の通った商人だ。保障する、政府にゃばれない」
「あいつはどこだ」
 男の目は、明らかに狂気を宿していた。イラッシャは少し後ずさる。こういう所じゃ、狂人は当たり前なのだが、何故か恐怖を感じた。
「あいつ? あぁ、あいつか。もうすぐ来るよ。だから、まずはこのデイ・ダスを買ってみないか?」
 男がピクリと動いた。
「あいつが、来る?」
「あぁ、50万だ」
 突然、男が叫んだ。それは獣のような咆哮だった。怒りに満ちた、人間とは思えないおぞましい叫び声だった。
「なんだよ!?」
 イラッシャが叫び返した瞬間だった。男は腰から銀の筒を取り出し、それをイラッシャの顎に押し付けてきた。ひんやりとした感触が顎に広がる。イラッシャはぎょっとした。それは昔、彼がまだまっとうな暮らしをしていた頃、銀河がまだ平和な共和国だった頃に、一度だけ見たことのある物――。
 イラッシャが最後に感じたのは顎から頭にかけて何か熱い物が駆け抜けた感触だった。


 2


 路地から少し離れた小さなバーでフェリックス・ロードバックは酒を飲んでいた。そこは今にも崩れそうなひび割れた鉄筋デュラクリートの内装、丸いスチールの机に椅子が四つのセットが三組、あとはカウンターしかないあまり流行っていなさそうなバーだった。客はフェリックスただ一人だ。
 彼はボロボロになった薄茶色のローブを纏い、ぼさぼさの髪、無精ひげに無骨な顔、いかにもならず者といった感じの人間の男だった。
「マスター、今、悲鳴が聞こえなかったか?」フェリックスは言った。
 カウンターの中でグラスを拭いていたマスターが答える。
「いや、何も聞こえなかったがね」
 フェリックスは、そうかと言って黙り込んだ。マスターもそれで会話は終わったと思ったらしく、またグラスをきゅっきゅと拭き始めた。店内には、陽気なジャズが流れ、真夜中ということもあり、どこかけだるいムードが漂っていた。
「いや、あれは間違いなく悲鳴だ。それも、生命の危機に関わるような類の悲鳴だ」フェリックスはまた、独り言のように言った。
「マスター、本当に聞こえなかったのか?」
 マスターは面倒くさそうにグラスから顔を上げ、フェリックスを見た。
「私がグラスを拭く音と、音楽以外には何も。もし本当に聞こえたとしても、放って置くといい。関わるとろくなことが無いよ」
「すると、俺だけに聞こえたわけか」フェリックスはマスターの台詞の後半部分を無視して一人で納得していた。
「なんだい、あんた、薬のやりすぎかい?」
 マスターがそう言うと、フェリックスは驚いた顔をする。
「いいや、そうじゃない。俺は薬に縋るほど弱い意志は持ち合わせていないのでな」
「じゃあ、きちがいか?」
「それも違う」フェリックスは否定した。
「じゃあなんだい」
「フォースの意思だ」
 それだけ言ってフェリックスは立ち上がり、金を置いてバーを出て行った。
 後には溜息を付くマスターだけが残された。


[454] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc [Web] (2006/09/04(月) 20:01 ENHP7D/i5C6)

emp_statue



 3


 フェリックスは走っていた。『カース・ストリート』を南へ下り、大きな宇宙船の残骸を追い越し、突き当たりに路地を見つけた。彼は一人得心したように頷く。
 路地には一人の亜人が倒れていた。フェリックスはそれを覗き込む。死後間も無いようである。顎から頭の天辺にかけて大穴が開いていた。
「まぁ、痛みを感じずに死ねただけ、よかっただろう」
 彼は呟く。
 亜人の頭を貫いたであろう物体は、血が出ていないこと、焼ききられた傷の太さから推測するに――推測するまでも無く、フェリックスはこの傷跡を知っていた。ライトセイバーだ。やはり、彼がここに導かれたのは、フォースの意思らしい。先刻、フェリックスが悲鳴だと思ったのは、ここに倒れている亜人の断末魔の叫びが、意思が、フォースの波となってフェリックスに訪れたからであろう。しかし、彼には一つ納得いかない点があった。
 邪悪な意思を持ってライトセイバーを振るうものは今ではこの世にたった一人しかいない。しかし、それがこの下層に来ているのなら、感じたはずだ。シスではない誰かが、殺しをなんとも思わないほど純粋な心で、ライトセイバーを駆使し、殺人を犯した。これは、由々しき事態である。
 そう、そういえば悲鳴の前に獣が狩りをするときの興奮に似た感情も感じた。恐らく、それが犯人のものだったのだろう。
 フェリックスは溜息をついた。たまたまライトセイバーを拾った狂人か、それとも狂ったジェダイか、いずれにせよ、骨の折れそうなことだった。
「あぁ、面倒臭い。何で俺がこんなことを……」
 彼は、たった一人だった。元々親族と呼べる存在には会った事が無い。彼の家族と言っても過言ではなかった人々は、もうフォースの向こう側へ行ってしまった。だが、たとえたった一人でも、彼はジェダイだった。まだ幼い頃に、自らをジェダイとして自覚してから、彼は永遠にジェダイであり続けることを承認した。彼は悪魔のようなオーダー66から生き残った、ただ一人にして今現在この銀河系に存在する、唯一無二のジェダイだった。
「こっちです!」叫び声がした。
 フェリックスははっとする。つまらない事を考えていた性で、周囲に気を配るのをすっかり忘れていた。彼は落ち着いて、深呼吸をする。フォースが体全体に満ちていくのが分かった。この感覚は、池に足からゆっくり沈んでいく感覚に似ている。全身にフォースが行渡ったのを確認し、彼は周囲を”詮索”した。
 路地の『カース・ストリート』側の出口――つまり、フェリックスが入ってきた方向に、トゥイレックの女性がいる。その向こうから、帝国のパトロール部隊、ストーム・トルーパーが三人、歩いてきている。
 どうやらトゥイレックの女性が通報したらしい。ここで捕まるのは色々と面倒なので、彼は急いで路地の裏側に消えた。
「ここです! ここにさっきまで不振な男が立ってました! あぁもう、あなたたちがもう少し早ければ……」


 4


「おはようございます」
「ん? あぁ、おはようね、おはよう。何か用?」
「実は、先日この近くの路地で殺人事件が起きたのですが……」
 フェリックスは今、『カース・ストリート』の例の路地の近くに存在する店に片っ端から聞き込みしていた。今は昨日飲んでいたバーと宇宙船の残骸の丁度中間辺りにある、小さなパン屋だった。老舗らしく、パンと書いた看板の文字が薄れている。時刻は午前7時。このパン屋の主人は眠そうである。主人は、さっぱりとした小奇麗な老人だった。白髪を刈り上げ、立派な口ひげを蓄えている。たくましい肉体は年齢を感じさせない。白髪さえなければ、まだ30代で通せそうだ。総じて、いい人そうな老人である。
「あぁ、あの路地か。そうねぇ……昨日は特に、何もなかったように思うけど」
「何でもいいんです。最近、怪しい奴を見かけたとか、変な噂を聞いたとか」
 そう言うと、パン屋の親父は苦笑した。
「怪しい奴ってあんた、ここがどこだかわかって言ってるのかい? 行く人来る人、皆変な奴らばっかさ。たまに純粋で優しい、何も知らない可愛そうな子供もいるがね。そう、そう言えばあんたも十分怪しいぞ。そんなならず者みたいな格好してるのに、やけに礼儀正しいし」
 今度はフェリックスが苦笑する番だった。
「いつもはこんなのじゃないんですが、今は何分人に頼んで話を聞く立場なので。それより、最近事件とかは?」
 パン屋の主人が少し思案顔になった。
「うーん、どうも連続殺人らしいな。あんた、このレベルに来たのはいつごろだ?」
「昨日です。連続殺人なんですか?」
「そんなら知らないのも無理は無い。ここ数ヶ月、ずっとだ。最初は裏の通りでトランドーシャンが、次に人間の女が、宇宙船の残骸の中で。場所が場所だけに発見されたのは数日後で、腐ってたとか。その後は……まぁ、いいだろう。最初の頃は一週間に一人だったんだが、ここ二週間はやけに多いな。三日に一人って感じだ」
「計画殺人でしょうか」
「いや、そんなこと無いだろう。場所も被害者も適当に選んでるって感じだ」
 フェリックスはうんうんと頷いて、少し間をおいてから言った。
「犯人は、どんなやつだと思いますか?」
 パン屋の主人は笑った。
「狂ってるね。それだけは言える。巷じゃジェダイの亡霊だって噂だ」
「ジェダイ……何故?」
「皆、ジェダイの武器で殺されてるそうだよ。それに、出るそうだ」
 パン屋の言葉がうまく飲み込めずに、フェリックスは聞き返した。
「出るって?」
「夜道を一人で歩いていると、ライトセイバーを持ったボロボロの男があいつはどこだって、聞いて来るそうだよ」
「それ、会った人が生きているのはおかしくないですか?」
「さぁ……噂なんてどれも曖昧なものさ」
「でも噂には少なからず真実が混じっているものです」
 フェリックスがそう言うと、老人は少し驚いたような顔をした。
「あんた、手馴れてるな。どうみても帝国のものじゃないし、一体何なんだ? 何故この事件を調べてる?」
「これ以上犠牲者が出る前に、ジェダイの名が穢れる前に、犯人を止めなければいけないんです。それが俺の……使命なんですよ」
「フォースの意思ってか? あんた、ジェダイ信者かい」
「そこら辺はノーコメントです」
 そう言うと、老人は快活に笑った。口髭の下に白い歯がチラッと見えた。
「あんた、賢いよ。気に入った! このパン持ってけ!」
 そう言って彼は棚に並べてある焼き立てであろうパンを袋に詰めて、フェリックスによこした。
「え、あ、いや、悪いですよ」
「いいんだ! 持っていけ! いやむしろ持っていってくれ!」
 気が付くと老人は泣きそうな目をしていた。一体何にそれほど感動したのだろうか。その時だった。店の奥から甲高い怒鳴り声が聞こえたのは。それにビクッと反応するパン屋の主人。
「あ、女房が起きちまった。さぁ、行くといい。またなんかあったらココに来なよ」
「はぁ……」
「早く行けって! パンあげたのばれたらまた怒られるんだよぉ!」
 焦りながらフェリックスの背中を押すパン屋の主人。
「では、また近いうちに……」
 フェリックスは適当に返事して、店を出ようと背を向けた。
「そうだ、一つ忘れてた」
 背中からパン屋の主人の声がした。
「なんです?」フェリックスは振り返る。
「犯人は、スカイウォーカーとか言――」
「あんたっ!」
 主人の言葉は後ろから出てきた恰幅のいい婦人に遮られた。大声で主人を怒鳴りつけている。彼は渋い表情をしながら、フェリックスに、行けと目で合図をした。話の続きが気になってしょうがないが、ひとまずフェリックスは退散することにした。また、午後にでもくればいい。
 それが、間違った決断だとも気づかずに、彼はそのままパン屋を出た。


[455] (無題) 投稿者:帯=one nOdJjTUaoJU [Web] (2006/09/04(月) 23:10 THCf.4fEVM6)

mind_trick

【短編・太陽のあるところ】 >>451





 彼の日常は一瞬にして砕け散った。
 
 未開発の惑星、ウー。一言で言えば田舎だが、そこに住まう者に言わせれば、静かで温かくて優しい、という。惑星かどうかも危ういウーは、平和の一番似合う惑星かもしれない。争いが起こった事もなければ、異常現象さえも彼らを笑顔で見守った。人口は五百人程度。水と食べ物に恵まれた場所に街をつくり、彼らはそこで生活をしている。残りは緑と青。
 笑顔の絶えないこの街を、彼は駆けていた。混雑する市場。人と人とのを間を縫うように抜け、丘へ。今日は死んだ母親の誕生日。丘につくらてた墓地に、花を添えようと思っていたのだが、生憎お金が無い。その辺りで摘めば良いのだが、自然は大切に、が父のもっとうだった。こんな平和で優しいところにも、やはり貧乏はいるものなのだ。
 母に手向ける花を買う余裕すら無い。こんな不幸がどこにあるだろう。何度この家に生まれたきた事を後悔しただろうか。その度に、前を向いて生きていかなければと、何度思っただろうか。自分を慰めては、どうしようもない現実に絶望する。
 しかし、母の前ではそんな事は考えない。凄く悪い様な気がしたからだ。
 家が貧乏な理由、それは目の前の母にある。どうしても欲しかったという旅行用の船。いつか家族旅行をしよう、というつもりで買ったらしいが。そのせいで彼はこうなっている。そして母は早くに死んだ。父は笑いもしなければ、泣きもしなかった。ただ彼らに残ったのは、旅行用の船だった。
 彼は擦り切れそうなポケットから半透明な薄茶の小石をとりだし、墓前に添えた。一度だけした万引き。それで手に入れた宝石だった。
「母さん、僕は元気ですよ。嫌になる事もたくさんあるけどね」
 手を合わせた後、彼は語りかける様に呟いた。
「皆で行きたかったね、家族旅行。一緒に、皆で星を見たかった」
 彼は自然と、目頭が熱くなるのを感じた。涙が頬を通って、そのまま宝石の上に落ちた。
「父さんはアウトドアだから……危ないけどタトゥイーンに行きたがってたよ」
 涙を隠す為に澄んだ青空を見上げた。隠す必要など無いけれど、何故だか気恥ずかしくなった。雲ひとつ無い、真っ青な空。何もこの青さを邪魔するものはない。彼は、瞳を閉じた。大粒の涙がこぼれた。何故だろう。ここに来るのは二度目だけど、前も泣いてたな。さんざん迷惑をかけたのに。
 彼は顔を墓石に戻した。墓石の向こうには、海が広がっていた。
「母さんは……都会に行きたがってたよね。こんな田舎を抜け出したいって、年中言ってたから」
 微かに、ざわめきが聞こえた。悲鳴の様な声も、微かに。聞き間違えだろうと、彼は涙を拭った。
「母さん――」
 ついに悲鳴が聞こえた。彼はびくりとし、思わず立ち上がった。周りを見回す。何も無い、何もいない。
 しかしすぐに分かった。大空から降ってきた。まだ小さな点にしか見えないが、あれは紛れも無く、隕石だ。勢い良く、それはこっちへ向かってくる。彼は稲妻に打たれた様なショックを受けた。隕石が、来る。彼の頭はパニックに陥っていた。
 ただこれだけは分かった。反射、というやつか。逃げる事だ。ごった返す市場。商店の屋根に登り、その上を飛んでいく。
 隕石が落ちる前に家に着いたのが信じられなかった。父は家にいなかった。逃げたい。生きたい。そうだ。旅行用の船だ。あれを使おう。でも父は? 隕石が来る。でも父は?
 巡りに巡った思考の中で、彼が出した結論は、一人でも生き延びる。
 この惑星で、宇宙へ飛び立つ手段を持つ者はいないはずだ。彼は船のマニュアルを操縦席に投げ入れ、窓から空を見上げた。近い。もう何十秒もない。何かを入れている余裕は無かった。
 シャッターを開き、コクピットに乗り込む。四人が座れるソファが前と後ろに二つずつある、戦闘機よりもちょっと大きめなこの船。果たして、この船で自分は生きられるのだろうか。
 キャノピーを閉め、手当たり次第にボタンを押していく。横からコーラが飛んできた。違う。発進するボタンがない。マニュアルを読んでいる時間も無い。彼は足をばたつかせた。船はゆっくりと浮き、ガレージから出た。
「飛んだ!」
 思わず叫ぶと、足元に板の様なものが二つある事に気付いた。それを踏む事で、船を移動させる事が出来る様だ。
 高く舞った船から、彼は街を見下ろした。街中が、こちらを見ては手を伸ばしている。初めて思った。なんという事をしてしまったのだろうか。自分だけ逃げるなんて……。
「あぁ……僕は何も出来なかった。自分一人が逃げる事で精一杯だった……」
 彼は嘆いた。隕石とすれ違った。そのまま、隕石は地上にぶつかった。船が揺れ、恐ろしい程の爆音が、彼の耳に突き刺さった。
 思わず壁を叩いた。モニターが現れ、機械的な女性の声が鳴り響いた。
「この度は、フェイン社家族旅行用トリップ・シップをご利用頂き、誠にありがとうございます」
 家族旅行という言葉を聴き、彼はぐったりとした。船はいつの間にか黒い宇宙へ来ていた。宇宙を見るのは初めてだった。まさに星の数程の星が煌き、微かに彼の心を和ませた。振り向くと、ウーにひびが入っていた。これ以上、後ろを見ないことにしようと思った。
「ご希望の目的地を、このマイクに向かって言って下さい。オートパイロットモードに切り替えます」
 そうとも。彼はいつの間にかこぼれていた涙を拭った。前を向いて生きていかなければ。
 彼はマイクに向かって言った。
「コルサント」


[456] 新作です これから面白くしていきます 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/09/05(火) 19:13 PqJdTrWsntA)

default

grand.menace

遠い昔、遥か彼方の銀河系で・・・・・・・

T.menace
痛い。
胸が苦しい。
暑い。
寒い。
楽しい。
怖い。
苦しい。
悲しい。
痛い。
殺・・・・・・・
殺殺殺殺・・・・・・・・・・・・・
「殺せ。」
僕は・・・・・・殺したんだ。
すごい気持ちよかった。楽だった。殺せといわれたから殺した。
憎かったから殺した。
人を殺すのにそれ以上の理由がいるかい?


ジェダイ聖堂で


「パダワン。本当に大丈夫か?」
隣からマスターの声。
僕はうなされてた。
「ひどい夢を見ました・・・僕が人を殺した夢・・・・・」
いや・・・・僕?声が機械的で、目が人じゃなかった・・・・
なんにせよ、ひどい夢だ。
「パダワン・・・・それは・・・・たぶん夢じゃ・・・・・」
マスターが何か言いかける。僕は次の言葉を待った。
「何です?マスター。」
「いや・・・・何も」
「それよりこれからヤヴィンに向かう・・・・・ドロイドが反乱を起こした」
「はい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
殺殺殺殺殺殺・・・・・・・
あの声はやまなかった。

>>456


[457] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc [Web] (2006/09/05(火) 19:30 ckZhYUQ16Jw)

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 5


 犯人は、スカイウォーカーとか言。この言葉が、耳について離れない。フェリックスはパンをちぎって食べながら、この言葉の意味を考えた。
 犯人は、スカイウォーカーとか言 の後に続く言葉。
 犯人は、スカイウォーカーとか言う奴かもしれない。
 犯人は、スカイウォーカーとか言う奴を探している。
 犯人は、スカイウォーカーとか言う奴と知り合いだ。
 犯人は、スカイウォーカーとか言う奴のことが嫌いだ。
 犯人は、スカイウォーカーとか言っていた。
 犯人は、スカイウォーカーとか言う事は決してなかった。
 駄目だ、どれも確信を持ってこれだと思えるようなものが無い。やはりあの主人にもう一度会うしかないようだ。
 スカイウォーカー、予言の子。彼のことはよく覚えている。フェリックスよりも一回りは下の、やんちゃな坊主だった。彼もまた、オーダー66で死んだのだろう。何故、今更そんな名前が出てくるのかフェリックスには理解できなかった。スカイウォーカーが事件に関係しているのだろうか。ジェダイの亡霊とは、そう言う意味か。だが、亡霊などと非科学的なことはフェリックスは信じない性質だった。フォースを駆使するジェダイがそんなことを言っても全く説得力が無いのだが。
 彼はふぅ、と溜息を吐いて手元にあるメモ帳を開いた。今朝調べたことが全て書き記されてある。まずは、これまでの被害者。

 第一の事件:二月二十五日午前二時頃、パン屋の裏の通り
 被害者:トランドーシャンの男性
 死因:心臓をライトセイバーで一突き
 備考:なし

 第二の事件:三月二日午後四時頃、宇宙船の残骸の中
 被害者:人間の女性
 死因:ライトセイバーでバラバラに切り刻まれていたので、直接は不明
 備考:発見に数日かかった

 ・
 ・
 ・
 
 第二十六の事件:四月五日午前一時頃、路地
 被害者:亜人種の男性
 死因:ライトセイバーで顎からの頭にかけて一突き
 備考:とくになし

 次に、噂話など。

 犯人の噂は、ジェダイの亡霊、ブラック・サンの生き残り、帝国の生体実験の犠牲者など、多岐に渡っている(一番ひどかったのは、犯人はクレイトドラゴンだという説だった)。しかし、犯行の動機は皆どれも帝国への復讐心から来る狂気だと、不思議に一致していた。噂話とはそう言うものだろう。犯人の今後の動きについては皆興味が無いらしく、どこかで運の無い誰かが殺されるだろう、という程度だった。したがって犯人の現在の居場所も皆目見当が付かない。

 以上。あまり、役に立ちそうに無いメモである。
 フェリックスはメモ帳を閉じて、残ったパンを全て口の中に押し込んだ。パンを貰ってから数時間が経過しているので、もう冷めていたが、バターがしみこんでいて思いのほかおいしかった。
 あのパン屋の後にもいろいろなところを聞き込みしたので、もう昼前である。しかし、昇る太陽とは裏腹に、フェリックスは激しい睡魔に襲われていた。そういえば、昨晩は寝ていなかった。フェリックスは一人頷き、太陽の光がぎりぎり当たらない道の影に入り、座り込んで目を閉じた。あとはフォースのなすがままに。


 6


 目が覚めると夕方だった。ビルとビルのわずかな隙間から、赤く染まった空が見える。フェリックスは伸びをして立ち上がった。もう一度、パン屋に行こうと思っていた。
 この時間の『カース・ストリート』は、一番人の多い時間帯だ。大通りは人で溢れ、皆が憂鬱そうな顔で目的地に向かっている。その中で、特に人の多い場所があった。誰もが足を止めている。フェリックスは人の多さに辟易した。丁度パン屋の周辺に、バリケートのような人だかりがあり、邪魔でしょうがない。
「ちょっとすいません、通してください」
 そういいながら、無理やり人の間を通り抜ける。押し合い圧し合い、時には大男の股の下を通りながら、ついに目的地に辿り着いたときだった。帝国のトルーパーが見えたのは。フェリックスは反射的に人ごみに身を隠した。
 パン屋の周りには黄色いテープが張ってあり、立ち入り禁止と書いてある。そのテープの内側に、トルーパーが数人、野次馬に睨みを聞かせていた。パン屋の中には、トルーパーのほかに帝国軍の制服を着た男が数人、現場検証のようなものをしている。店の奥のほうは見えないが、何か事件があったことだけは確実であろう。いやな予感がした。
「すいません、パン屋のおじさんと親しいものですが……」
 一番近くのトルーパーに話しかけてみる。
「駄目だ、帰れ」
 即答だった。フェリックスは溜息をつきながら、右手をトルーパーの目の前にかざした。
「何だ?」
「俺はこの中に入る必要がある」フェリックスは右手をひらひらと振る。
「あなたはこの中に入る必要がある」トルーパーが繰り返した。
「通ってもいいかな?」
「通っても構いません」
 フェリックスは満足して頷き、黄色のテープをまたいで中に入った。後ろから野次馬の叫び声が聞こえたが、気にしない。


[459] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc [Web] (2006/09/06(水) 19:03 zsHsmVLHteA)

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 7


 店の中は朝来たときとなんら変わり無いように見えた。四畳半くらいの部屋の壁には、所狭しとパンが並べられ、奥のカウンターの上にはレジがちょこんと置いてある。違う箇所は、四畳半の床のど真ん中に人の頭が転がり、カウンターの裏側に首を無くした死体が力なく倒れていると言うところだけだった。
 フェリックスは目眩を感じた。パン屋の主人が死んだ。それはつまり、朝の証言の続きが聞けなくなったということである。彼は首だけになった主人を見つめた。大きく見開かれた目には、生気が宿っていない。今朝、あんなに元気に話していた人が、今目の前で死んでいる。死は、クローン大戦で慣れたつもりだった。しかし、ここは戦場ではない。フェリックスは精神を立て直すのに数分かかった。
「事件について詳しく教えてくれませんか」
 近くのトルーパーに声をかける。
「誰だ、お前は」
 フェリックスは面倒くさそうに右手を振った。
「事件について教えてくれ」
 トルーパーはフェリックスに疑いを持つのをやめたように、話し始める。
「ついさっき、1時間ほど前のことだ。このパン屋の奥さんが買出しから帰って来ると、主人の首が無くなっていた」
「犯人は?」
「まだ不明だが、首の切断部分から見て、例の通り魔だろう」
「成る程。目撃者はいないのか?」
 トルーパーは首を振った。
「奥さんに話は聞けるか?」
「奥で泣いてるよ」
 フェリックスは頷き、店の奥の扉を開いた。中では、パン屋夫人が号泣していた。帝国の奴らは、付き合いきれないと言う顔で夫人に付き添っている。
「奥さん、ちょっといいですか」
 声をかけると、夫人はこちらを見上げた。目が真っ赤に晴れ上がっている。
「あなたは、だれ?」
「ご主人のことは本当に気の毒でした。彼について聞きたいことがあるのですが」
「ジョージが殺される必要なんてどこにもなかったわ! 彼は優しすぎたのよ。私が子供ができないのをあの人の性にした時だって……」
 そう言うと夫人はまた泣きだした。帝国士官がこちらを睨みつけている。
「お前は誰だ」
 フェリックスは、帝国のこの問いかけにはもううんざりしていた。適当に右手を振って、パン屋を後にしようと、死体のある部屋に戻り、ふと、死体を検分したくなった。レジ裏で倒れている首なし死体をじっと見る。次に、転がっている首に注意を向けた。屈み込んでそれに触れる。その上に、水滴が落ちた。フェリックスは驚いて、上を見上げる。何も無い。そして、気づいた。彼は泣いていた。


 8


 気が付くとレジの裏に立っていた。窓から入る日差しが明るい。ここで一晩過ごしてしまったのだろうか。帝国のトルーパーももういなかった。フェリックスは、ただボーっと、カウンタの上にひじを置き、通行人を見ていた。色々な人種が歩いている……。
 カラン、ドアが開いた。小麦色の肌をした、背の高い人間の男が入ってきた。フェリックスは「いらっしゃい」と、無意識に口にしていた。まるで、あの主人の跡を継いだようだな、と一人自嘲する。
 客の男は店内をうろつき、色んなパンを見ていた。手にとって香りを確かめたりしている。しかし、あの男にパンを買う金があるとは到底思えなかった。ひどくボロボロな茶色い布を上半身に羽織、下半身は膝の辺りで破れているズボン、足ははだしで、伸び放題で脂っこい不潔な髪と髭、耳には何か機械が付いている。その機械だけが、彼の持つ物の中で唯一高級そうなものだった。彼は気まずそうにしばらくフェリックスをちらちらと見ていたが、やがて決心したように頷き、こちらに近づいてきた。
「すいません、一番安いパンをください」
 客の男が言った。フェリックスは頷き、カウンタから出ようと後ろを向いた瞬間だった。
 不吉な音がした。
 耳元で、不協和音が鳴り響いた。
 彼はその音をよく知っていた。


[460] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc [Web] (2006/09/07(木) 18:45 .dETMuhiPuU)

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 9


 フェリックスはとっさに身を翻し、自らのライトセイバーを起動した。そして、気づく。周りに数人のトルーパーがいること。自分の足元に主人の首が転がっていること。
 トルーパーの一人が、銃を構えた。
「ジェダイだ! ジェダイの生き残りが出た!」別のトルーパーが叫んでいる。
 後悔しても遅かった。フェリックスはセイバーを軽く振ってトルーパーの光弾を弾き返し、確実に撃った本人に当てた。それから、パン屋の中にいるトルーパーを皆殺しにし、店の奥のドアを蹴り開け、その部屋にいた帝国兵も殺した。夫人は驚愕している。だが、今は構っていられない。裏口を探し、そこから外に出る。見張りのトルーパーが二人いた。彼らの首も一刀両断する。後ろから夫人の声が聞こえた。
「あっちよ! 夫を殺したジェダイは、あっちに行きました!」
 フェリックスは今や、連続殺人犯、狂ったジェダイだった。



 第二章、憂鬱な会合


 1


 円形の部屋の真ん中に、大きな机が一つある。後ろの窓には、コルサントの夜景がキラキラと輝いていた。ダース・ヴェイダーは机に向かう階段を一段一段、踏みしめるように降りた。耳障りな呼吸音がする。
 彼は、何年も前のことを思い出していた。このオフィスで死んだジェダイのことを。三人は、今目の前で机に座っている男が殺した。最後まで抵抗した一人は、ヴェイダーが殺したといっても過言ではない。あの日を境に、彼はダークサイドの使者になった。アナキン・スカイウォーカーは、メイス・ウィンドゥと共に、ヴェイダーが殺した。今はもう、後悔などしていない。後悔は、弱い者のすることだ。その手の感情は、アナキンを葬った時に、既に捨てていた。
「灯台下暗しとはこのことよの……」
 ヴェイダーは声の主、机の向こう側で椅子に座っている男を見る。醜い、皺だらけの老人。異様なほど白い肌に、真っ黒のフードを被っている。
「誰かはわかっておるのか?」
「わかりません。ただのナイトでしょう」
 ヴェイダーは跪いて俯いていた。これが、皇帝陛下に謁見する時の基本スタイルである。
「しかし、今更こんな行動を取る意味が分かりません」
「狂ったのじゃろう。運がよければ、ダークサイドに取り込めるかもしれん。よろしく頼むぞ、わが弟子よ」
「はい、マスター。貴方の望む通りに」
 そう言ってヴェイダーは立ち上がり、皇帝のオフィスを後にした。


[461] 前作は早くも離脱。 投稿者:カット君 Be2JFhBUK6w (2006/09/07(木) 21:06 PqJdTrWsntA)

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スターウォーズ・ダークデストラクション

偉大な戦いを遂げたユージャン・ウォングとの戦いから数年。
平和を迎えた新共和国はある舞台に首を傾げてた。
戦争を好むもの、テロ集団だ。



「マスター・スカイウォーカー、緊急事態です!!」
これを通告したのが午前六時。緊急事態が起こった。
「・・・・議長が暗殺されました!!」

1・序章「欺き」
「馬鹿な・・・・・・議長が!?」
「はい。故議長・ベルシック・フォーラーは真に残念ながら遺体となって発見されました」
馬鹿な。テロ集団の仕業か!?
議長の特使や護衛兵に感ずかれず議長を暗殺ーーーーー!!
「有り得ない。」
そうつぶやいて、ルークは第二声にこういった。
「わかった。すぐそっちに向かう!!場所はどこだ!?」
「元老院・・・・」
そこまで言うと通信は途切れた。
くそ・・・・・・・・・・・・!!


しかし人々はきずいていなかった。
これはただの序章だということに。


[462] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc [Web] (2006/09/08(金) 19:30 7Y474hsKOkc)

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 2


 フェリックスは走っていた。フォースの導きどおりに、適当に走り回っていた。時には建物に隠れることもあった。帝国は人数が多い。それだけが厄介だった。
 彼は思う。何故、あんな不可解な現象が起こったのかと。恐らく、あの主人の首に触れたとき、なんらかの反応が起こって、彼の記憶を見ていたのだろう。つまり、主人はあのボロボロの格好をしたジェダイに殺されたことになる。あんな奴、ジェダイにいただろうか……。少なくとも彼の記憶しているジェダイの中にあんな奴はいなかった。といっても、ジェダイは一万人以上いるのだ。彼の記憶に無い人物がいても当たり前だろう。しかし、引っかかるのは、パン屋の主人の首に触れたときに、フェリックス自身が流した涙だ。何故だろう。しかし、あの首に触れたとき、とても懐かしいフォースに触れたような気がする。
「観念するんだな」
 トルーパーの声がして、フェリックスの意識は現実に戻った。
 考え事をしていると周りが見えなくなるのは悪い癖だ。彼は舌打ちをしながらライトセイバーを起動した。敵は三人、応援を呼んでいる所を見ると、まだまだ増えるだろう。面倒だ。逃げたほうが早い。
 フェリックスは振り向いて駆け出した。後ろから飛んでくる光弾は見なくても偏向出来る。フォースを使ったダッシュは、並の人間に追いつかれることは無い。あっという間にトルーパーは離れていった。フェリックスは少しスピードを緩めて、近くに隠れれそうな建物を探す。小さな倉庫のような場所がいい。丁度いい建物が目の前にあったのはフォースの導きだろう。
 彼は何の躊躇いも無く、そのドアに手をかけた。


 3


「それで、その男はどこへ行った」
「目下捜索中であります!」
 トルーパーが声を張り上げる。ヴェイダーはこの言い方が大嫌いだった。
「三十分以内に見つけろ。さもなければ……お前の首が飛ぶことになる」
「い、イェッサー!」
 急いで退室していくトルーパーを目の端で確認しながら、ヴェイダーは目の前に転がっている死体を眺めた。死んでいる男はパン屋の主人らしい。彼は転がっている首を眺めた。そこに、フォースの痕跡が残っている。誰のものかはわからないが、これを頼りに探し出すことはできる。骨の折れそうな仕事だった。
 彼は念のため、屈み込んで首の切り口を確かめた。間違いなくライトセイバーの傷だった。右斜め後方から一撃、かなりの熟練者のようである。パン屋の主人は振り向く暇もなかっただろう。
 ふと、奇妙な引っ掛かりを感じた。この首から感じられるフォースは、狂っている男のフォースとは思えない。しかし、微かに感じる狂気があった。どういうことなのか。まぁ、本人にあってみれば分かることだ。
 ヴェイダーはニヤッと笑った。
 久しぶりにジェダイを狩ることができる。
 彼は目を閉じ――装甲服の上から見ると何の変化も無いが――フォースに身を委ねた。心の奥から湧き出る力が全身に広がっていく。彼の中で、フォースは燃えていた。ムスタファーの溶岩のような熱で、ヴェイダーを内側から焼く。両手足は冷たい機械のままだった。だが、それは仕方の無いことだ。
 彼は指先に触れている首から感じるフォースの痕跡を頼りに、詮索網をレベル72全体に広げる。すぐに輝くフォースが見つかった。それは焦っている。興奮も感じた。戦っているようだ。しかも、その戦いの相手も――ジェダイ?
 純粋な怒りのフォースだった。闇の中で、輝くフォースと怒りのフォースが戦っている。光と闇ではない、光と輝くことの無くなった光の対決だ。ヴェイダーはこれを感じ、真相がつかめたような気がした。
「トルーパー」ヴェイダーは目を開けて立ち上がり、近くの部下を呼んだ。
「はい、何でしょう」
「敵は複数だ。ポイントC−56に集まっている」
「イエッサー。すぐに――」
 ヴェイダーは手を上げてトルーパーの言葉を遮った。
「私が行く。手出しは無用だ」


[463] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc [Web] (2006/09/08(金) 19:33 7Y474hsKOkc)

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 4


 倉庫に入った途端に異様な気配に気づいた。フェリックスはライトセイバーを起動し、辺りを見渡し、少しずつ前進した。突然、後ろから殴打され、何とかそれを避けた。そして今、こうしてにらみ合っている。
「お前は誰だ?」
 フェリックスが声を張り上げても何の返答も無い。ただ、ぎらつく目が、こちらを睨みすえているだけだ。暗闇で、フェリックスのライトセイバーに負けないくらい光っている男の目は、怒りに燃えているようだった。
「パン屋を襲った犯人はお前だな? 元ジェダイか?」
 男が頷いた。話が通じるようだ。
「もうすぐ、あいつが来る」
 男が言った。ガラガラに枯れた、苦しそうな声だった。
「あいつ? 誰だ?」
 男は答えない。
「誰なんだ?」
 フェリックスはもう一度聞いた。
「お前は、逃げろ」
 男が言った。
「なぁ、お前は誰なんだ? いい加減こんなことやめようぜ。ジェダイの誇りを忘れたのか?」
 男は俯いて首を振る。悲しそうな目になっていた。
「俺は俺以外にジェダイの生き残りがいるってわかって、めちゃくちゃ嬉しいんだ。他にもオーダー66から逃れた奴がいるかもしれない。一緒に探さないか?」
 フェリックスがそう言うと、男は顔を上げた。だが、すぐに思い直したように目を伏せる。
「駄目だ。駄目なんだよ、フェリックス。今の私なんてお前の足手まといになるだけだ」
「お前、俺を知ってるのか?」
 フェリックスは驚いた。知り合いにこんな髭野郎がいただろうか。オビ=ワンが髭伸ばすとこんな感じかもしれない。しかし、あのオビ=ワンが殺人を犯すわけが無い。
「誰なんだ、お前」
 男は首を振るだけだった。
「もう時間が無い。あいつが来る。フェリックス、逃げろ」
「嫌だ。誰だ、あいつって。逃げるならお前も一緒だ」
「駄々をこねないでくれ。お前はジェダイの意思を後世に伝えるんだ。かつてシスのように、目立たず、密かに弟子を育てろ」
「お前も一緒に育てよう。もう一人は嫌なんだよ……頼む」
 男は首を振った。
「私にはもう力は残っていない。気の毒だが、一緒にいることはできない」
 そこで男は一息ついて、苦しそうに呟いた。
「一緒にいると、私はお前を殺そうとするだろう」
「何故。お前、本当に誰なんだよ!」
「すまないが、それはいえない。私が誰か知ったら、失望するだろう」
「誰だっていいんだよ、俺たち同じジェダイじゃないか!」
「その言葉だけありがたく受け取っておくよ。あぁ……」
 男が急に真剣な表情になった。ライトセイバーの光に照らされた顔が引き締まる。
「逃げろ……私はもうすぐ自分のコントロールを失う」
 男はそう言って倉庫の出口の方へと走り始めた。
「おい!」
 フェリックスは後を追う。
「やめてくれぇ、もうたくさんだ!」
 男の叫び声が聞こえる。ドアが開いて彼は出て行った。フェリックスも後を追う。外の明かりがまぶしかった。反射的に目を覆う。その時、気づいた。邪悪なフォースが迫っている。男が逃げろといったのは、その為か。一人で立ち向かおうと言うのか。あの、シスに。
「待て! 二人で戦うぞ!」
 叫んだが男からの返答は無い。邪悪なフォースのする方向に向かって獣のように四つんばいで走っている。ぼさぼさの髪の隙間から、サイボーグ化の機械がチラッと見えた気がした。フェリックスも走る。
 やがて、路地の先にシスは姿を現した。黒い甲冑に身を包み、赤いライトセイバーを起動して、静かに佇んでいた。
「ダース・ヴェイダー……」
 フェリックスが呟いた頃にはもう、通り魔の男はヴェイダーに向かって突進しているところだった。


 5


 不気味な呼吸音が聞こえる。不吉な予感が頭を襲う。通り魔の男は、ヴェイダーとぶつかる直前に跳躍し、二、三刃交えて逃げ出していた。
「フェリックス・ロードバックだな」
 機械的な音声が路地に響いた。
「あぁ、そうだ。光栄だね、ダース・ヴェイダーと対決できるなんて」
「仲間に見捨てられたか」
 ヴェイダーが鼻で笑う。仲間とは、あの通り魔のことであろう。
「あいつはあんたを倒したがっていたように見えたんだがな」
「私を倒すことはできない。本能でそう感じて逃げたんだろう。野生化したサルのような男だったからな。少なくともお前よりは賢明だったわけだ」
「黙れ。アイツは……ちょっと頭がおかしくなっちまってるだけなんだよ、多分」
 ヴェイダーは快活に笑った。
「まぁ、今はそんなことはどうでもいい。お前はここで死ぬんだからな」
 フェリックスは大げさに驚いて見せた。
「俺はそうは思わないね。死ぬのはヴェイダー、お前だよ」
 ヴェイダーは鼻で笑った。
「やってみろ」
 それが合図だった。フェリックスは跳躍し、ヴェイダーを上から斬りつける。ヴェイダーはそれを受け流し、振り向いてフェリックスの着地地点を狙った。しかし、フェリックスが空中で宙返りしたのでこの攻撃は当たらなかった。
 ヴェイダーは右斜め下からフェリックスを狙った。フェリックスはそれを受け止め、後退する。その瞬間を狙ってヴェイダーは突いた。受け止めきれずに右に側転するフェリックス。
「力の差は歴然だな。死ぬ前に投降するのも一つの道だぞ。皇帝陛下は新しいアプレンティスを探している」
「そしてお前のようになれというのか? ナンセンスだね」
 フェリックスは舌を出した。
「残念だ。それよりも、お前はあのジェダイが誰か知っているのか?」
 フェリックスはライトセイバーを正眼に構える。
「知らない。あいつは答えてくれなかった」
「そうか。お前は彼のフォースを感じる機会は少なかったからな、気づかないのも無理は無い」
「何が言いたい?」
「あの男は、今や堕落しきっているが、かつてはジェダイの――いや、まぁいい。今から死ぬお前に話しても意味の無いことだ」
「お前は……誰だ?」
 ヴェイダーは沈黙した。呼吸音が響く。
「これが最後だ、アナキン・スカイウォーカーの友だった男よ」
「アナキン?」
 フェリックスの困惑をよそにヴェイダーは容赦なく攻撃した。二人は激しく切り結んだ。赤と青のライトセイバーが綺麗なネオンのように光り、交差する。
 ヴェイダーは確実に勝てると思っていた。フェリックスなど、ただの雑魚だろうと。だが、その油断がフェリックスの小さな動きを見逃した。
 ヴェイダーの腕が急にライトセイバーを離した。気づいたときにはもう遅かった。フェリックスはヴェイダーをフォースで吹き飛ばし、ヴェイダーが起き上がったときにはもう路地から走り去っていた。
「フォースで私の腕の回路に細工をした、か。まったく、オビ=ワンを思い出させてくれる忌々しい男だ……」
 雨が降り始めていた。ヴェイダーは冷静にライトセイバーを拾い、一人その場に佇んでいた。
 雨脚が強まり、土砂降りになっても、彼はその場で一人立っていた。
 やがて雨がやんだ頃、そこには死体が溢れていた。


[464] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc [Web] (2006/09/09(土) 18:53 fwyfeV6F0T.)

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 第三章、殺人魔の正体


 1


「ボロボロの、汚らしい男?」白衣を着たエイリアンが呟いた。フェリックスはゆっくりと頷く。
「ちょっと待てよ。いつ頃か分かるか?」
 そういいながら彼は近くの棚の中にあるファイルをばさばさと取り出し始めた。
「そうですね……少なくとも、帝国樹立より後です。或いは、ごく最近かもしれません」
「そんな曖昧な情報しかないのか?」
「ええ。人間の男です。髪は伸びてましたが、手術後伸びたものと思われます」
「うーん、ここ数年でサイボーグ化の手術を受けたものは五人いるが、人間は一人もいないぞ」
 フェリックスは溜息をついた。
「わかりました。ありがとうございます」
 そう言って立ち上がろうとすると、エイリアンに呼び止められた。
「何?」
「ほら、口止め料と、相談量」ニヤニヤしながらエイリアンは言った。
 フェリックスはもう一度溜息をついて、チップをテーブルの上に少し置き、その場を立ち去る。これで4件目だった。彼は手当たり次第に闇医者を訪ね歩いていた。通り魔の男の後頭部に、サイボーグ特有の機械がついているのを見たからである。しかし、闇医者はその名の通り闇に潜っている場合が多い。探すのだけで一苦労だった。もしかしたら、あの男は元からサイボーグジェダイだったのかもしれないと、そんな思考も生まれ始めていた。
 フェリックスは首を振って、姿勢を正す。まだだ、あの男を救うためには、もっと闇医者を探さねば。しかし、どこを探せばいいのか……。


 2


 ダース・ヴェイダーはにわかには信じられなかった。何故やつが生きている? しかし、見つけることができたのは幸いだった。あの男は、確実にしとめなければならない。それに、もう一人死に損ないがいる。まぁ、あちらは放って置いても問題は無いのだが……。
 そんなことを考えていると、目の前にホロが現れた。彼は跪いた体制のまま、その半透明の物体を見る。
「どうした、もう始末したのか?」
 青白い皇帝が言った。
「いえ、発見したので報告を」
「いらぬ。早う始末しろ」
「それが、奇妙なものを見たので」
 皇帝の顔が歪む。訝しんでいるようだ。
「先ほど、二名のジェダイを発見し、交戦しました。片方はあなたもよく知っている者です」
「二名? そうか、奴ら、まだそんなに生きておったのか。楽しませてくれる」
 皇帝は不敵に笑った。
「二人とも取り逃がしましたが、ご安心を。すぐに見つけ出します」
「そうするがよい、ヴェイダー卿」
「イエス、マスター」
 青白い皇帝が縮んで消えた。
「トルーパー」
 近くにいたトルーパーが飛んできた。
「レベル72を徹底的に調べ上げろ」
「イエッサー」
 ヴェイダーは立ち上がり、ホロ投影装置をポケットにしまう。
 さて、どうしたものか。敵はどちらも厄介だ。フェリックス・ロードバックもかつてシン・ドローリグに剣術を習っただけあって、相当強い。しかし、路地での決闘で彼が優勢だったのは偶然ではない。奴の腕が落ちているのか、ヴェイダーの突然の登場に驚いていたか、どちらかだろう。或いは、両方かもしれない。きっとそうだ。結果的にフェリックスを取り逃がしたものの、次はない。あの時は、そう、少し、油断していた。最後の最後で妙なトリックをされて、迂闊だった。ジェダイらしいしぶとさだ。
 ヴェイダーはふと、気づく。先ほどのトルーパーがまだ傍らで硬直していた。
「どうした? 命令に従え」
「いえ、あの、恐れ多いのですが……」
「何だ」
 トルーパーはおずおずと、腰を低くして言った。
「何故、あなた様の力、その、フォースでジェダイをお探しにならないのでしょうか」
 ヴェイダーは感心した。ヴェイダーに働けといってきた部下は、こいつが初めてである。
「奴らは身を隠している。フォースも閉じているだろう」
「あ、成る程。では、全力で捜索します」
 そう言ってそそくさと退出しようとするトルーパーを呼び止めた。
「私が探せれば、全力で探すつもりはなかったのか」
「え、あぁ……だって、ヴェイダー卿のその力があれば……」
 トルーパーは言葉を濁した。
「一ついいことを教えてやろう」
「何でしょう」
「お前は出世するが、長生きしない」
 トルーパーは驚いた顔をした――ように思う。
「それは予言ですか?」
「いや、勘だ。私の勘はよく当たる」
 トルーパーは噴出した。
「失礼。それはフォースが言っているのでしょうか」
「お前のような者の為にわざわざフォースを使うことは無い」
「そうですか。その予言、ありがたく頂いておきます。では」
「もう一つ」
 ヴェイダーは指を立てた。
「何でしょうか」
「今の私は気分がいい。よかったな。いつもの私にあんなことを聞いていたら、お前の首が飛んでいた」
 トルーパーは微笑む――これは、フォースで感じた。
「ありがとうございます、閣下」
「お前、名は何と言う」
「形式番号ですか?」
「どちらでもいい」
「なら、名前を名乗らせていただきます。私はそちらの方が気に入っているので」
 彼は胸を張った。そんなに名前が誇らしいのか。
「ユリエルと申します」
「ユリエルか、いい名前だ」
「光栄です、閣下」


[465] THE VISION 投稿者:フィロンパ卿 vGT0/UTV3kM (2006/09/09(土) 23:19 B.gMKNzgwzc)

sunset

彼が自分の異変に気付き始めたのは、およそ一週間ほど前からだった。
レイマス・ウォルトマンは銀河首都コルサントの商業区の一角に小さな工場を構えるドロイド整備士。短く刈った茶色い髪と全体的に“細長い”という印象を受ける華奢な体が特徴的な、ごく普通の一般市民。そんな彼に突如起きた異変…一体なんだというのだろうか。
自分でもここ最近までそれがなんなのか分からなかった。ただ、自分の住む世界が今までと違って見える。そんな曖昧な不自然さを感じるだけ。自分を取り巻く世界自体が変化したのか、それとも……妙な恐怖感と疑惑、次第にウォルトマンは日々を怯えて過ごすようになった。目に見えない恐怖に怯える毎日。彼自身もそんな生活にうんざりしてきたところだった。そんな矢先である。ウォルトマンは決定的な異変に遭遇することになる。なんの前触れもなく。
彼はのちにこの日のことを“覚醒の日”と呼ぶ。


T 覚醒

いくら自分の住む世界が信じられなくなろうとも、見えざる異変に恐怖を感じていようとも、工場長であるウォルトマンは毎日決まった時間に出勤し、決まった時間ドロイドやスピーダーの修理、整備をして、決まった時間に帰宅しなければならない。どんな精神的な負担があろうと、それはこの小さな工場を立ち上げた彼に課せられた義務であり、使命だった。ただ、そんな“義務”でさえも今のウォルトマンの精神にはかなりのダメージを与えていた。苦痛ですらあったかもしれない。今までごく普通に見ていたものが異常に感じ、それは自分を脅かす存在だと彼の脳が認識する。果たして、これは夢なのか現実なのか見境がつかない…つかみどころのない恐怖。
「工場長」
ハイドロスパナを握ったまま、虚空を見つめるウォルトマンの意識を若手作業員の声が現実へと引き戻す。いや、現実であるべき世界と呼ぶべきだろうか。
「あ、あぁ…すまない」
力のない笑顔を浮かべ、申し訳なさそうに謝ると再び作業に取り掛かるウォルトマン。その顔にはかつて彼の最大の武器だった“爽やかな笑顔”は既になく、代わりに目の下に大きなくまを作っていた。ここ数日満足に寝ていないらしい。
「どうしたんですか?最近変ですよ?」
「僕が…変?」
若者の言葉にウォルトマンは思わず、手を止める。
「毎日ぼ〜っとして、作業も進んでないですし…」
「いや、なんでもないよ。大丈夫だ」
僕が変?変なのは僕なのか?いや、そんなはずはない。変なのはこいつだ。この工場だ。この街だ。この星だ。この銀河だ。この宇宙だ……この世界が変なんだ。この僕は…僕は……僕はまともだ。正常なんだ。
そう自分に言い聞かせるが、容赦なく若手作業員の言葉が頭の中で反響する。

変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ
へんですよへんですよへんですよへんですよへんですよ
ヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨ
変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ
へんですよへんですよへんですよへんですよへんですよ
ヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨ
変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ
へんですよへんですよへんですよへんですよへんですよ
ヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨ
変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ変ですよ
へんですよへんですよへんですよへんですよへんですよ
ヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨヘンデスヨ

それはただひたすら、彼の脳内を駆け巡る。言葉の光弾となって、ウォルトマンの脳細胞一つ一つに確実に染み込んでいく。
「本当に大丈夫ですか?」
もはや若者の言葉もまともに聞こえない。ウォルトマンは今にも耳を塞いで叫び出しそうな自分自身をなんとか抑え込み、またしても力の入らない微笑みで返した。その凄まじい精神力はジェダイをも驚かせるだろう。
「あぁ、もちろん。心配かけてすまない…さ、作業を続けよう。そこのボルトをとってくれるかい?」
とは言ったものの、なおも引きつった笑顔のウォルトマン。若手も不安な顔つきで恐る恐る工場長の手にボルトを乗せる…と、その時だった。一瞬、ほんの一瞬だ。ウォルトマンの汚れた手に若者の指先が触れた。同時に雷に打たれたような衝撃がレイマスを襲い、彼の意識がそこで途切れる。それは彼の感じる異変とはなにか、その謎を解き明かすための大きな前進であり、レイマス・ウォルトマンが完全なる覚醒を遂げたことを知らせる合図だった。


[466] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc [Web] (2006/09/10(日) 19:36 b9o7MHgqeNw)

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 3


 これで13件目だった。我ながらよく探したと思う。フェリックスは、小さな部屋にいた。そこは横長の長方形で、端っこに手術台、目の前に診療机、そこにドクター・ストレイカーがいた。彼は闇医者のなかでも良心的な方で、反乱軍よりらしい。フェリックスは安心して話に臨めた。
「ストレイカーと言うのは、本名ですか?」
 でこの禿た白髪の老人は顔をゆがめる。
「どうしてそんなことを聞く? 闇医者は偽名が基本だろうに」
「いえ、昔、同じ名の議員と知り合いでしたので、親族の方かと思いました」
 するとドクターは大きく溜息をついた。顔は少し笑っている。
「わしは、その議員を保護した。娘と、その付き添いも後になってな。この偽名は彼らから頂いた。もちろん、無断だがね」
「そうだったんですか……彼は元気でしたか?」
「あぁ、ぴんぴんしておったよ。君、娘のほうは知っているか?」
「ええ、何度かお会いしたことがあります」
 フェリックスは過去に思いを馳せる。あれはまだ、フェリックスがパダワンだった頃、護衛についたことがある。あの娘は7歳程度だった。小さくとも聡明で、美しかった。付き添いと言うのは、あの時一緒にいたクローンのことだろうか。あの頃のクローンには珍しく、名前がついていた――たしか、モス。
「そうか。美しいお嬢さんだったろう。わしは、あの子が好きでね」
「えぇ。私がお会いしたのはまだ7歳の頃でしたが、素晴らしい才能を持っていました」
 老人は満足そうに頷く。
「あの子は勘が鋭かった。小さな会話からあらゆることを見抜く。わしも、見習おうと思ってね」
「はぁ、そうですか」
「あんた、ジェダイだろ?」
 フェリックスはとっさに腰にあるライトセイバーに手をかけた。
「まぁ、そう怒るな。通報する気は無い」
「何故わかったんです?」
「議員、そしてその娘にまで会ったことがあると言う時点で、限られてくる。元老院の者か、ジェダイか、その関係者か。それから、あんたの話し方、物腰、そしてその目から判断した。まぁ、半分以上ただの当てずっぽうだったが」
 フェリックスは溜息をついた。反応した自分が迂闊だった様だ。老人は笑っている。
「それで、そのジェダイがわしに何の用だね?」
「ジェダイを匿ったことはありますか?」
 老人はゆっくりと頷く。
「二人いた。一人はひどい怪我していて、もう一人はその付き添いだった」
「その怪我をしたジェダイについて聞かせてください。サイボーグ化はしましたか?」
 老人は驚く。
「そう、その通りだ。そうしなきゃ命を保てないほど弱っていた。右手を失い、体中の細胞が死んでいた。あれは、ジェダイ同士の戦いでできた傷だろう。普通じゃ考えられん」
「ジェダイ同士ではなく、シスですね」
「どっちでも同じだとわしは思うがね。あんたらは、正義とか悪とか、そう言った物にこだわりすぎておる。執着を捨てるという執着をしている」
 この老人は賢い、なんとなくヨーダを思い出した。胸の奥が熱くなった。
「その、匿ったジェダイの名前は?」
「待ってくれ」
 老人は棚からファイルを取り出す。プラスチックの薄いファイルだった。それをパラパラとめくり、読む。
「名前は名乗らなかった様だ。よくあることだがね」
 フェリックスは溜息をつく。
「そうですか……」
「役に立てなくてスマンね」
「サイボーグ手術は完璧だったんですか?」
「それはどういう意味だね」
「私は、彼に会いました。彼は今は一人で、精神に異常をきたしているような、そんな印象を受けたんです」
 老人は目を見開く。そして、肩を落としてた溜息を吐いた。
「そうか……やはり、そうか……」
 彼はゆっくりと立ち上がり、ファイルを見ながら部屋を歩き始める。
「あの男につけた装置は、ボーグ・コンストラクトAj^6と言って、バイオテック社の新作だった。今までに無い斬新な機構で、確かに完璧だったが、わしは完璧と言う言葉を信じておらん」
 彼は部屋を一周して、椅子に座った。
「おそらく、副作用が精神異常を引き起こしたんだろう」


 4


 サイボーグ装置、二人のジェダイ、そしてヴェイダー。フェリックスはあの男が誰か分かり始めていた。だが、確信がもてない。考えれば考えるほどに思考は関係ない方向へ流れていった。オーダー66は、フェリックスには辛すぎる記憶だ。
 彼はレベル72の、事件のあったパン屋付近の路地にいた。暗い、じめじめした路地で、浮浪者が寝転がっている。ここでも一度あの男は殺しをしている。そう考えていた矢先だった。
 低い唸りと共に路地に明かりが煌き、飛び出してきたそれはフェリックスに向かって突進してきた。最初の一撃を横転して避け、距離をとり、セイバーを起動する。視界の端で浮浪者が急いで逃げていくのが見えた。
 今度はフェリックスから襲い掛かる。右、左、右。男は連続的に突きを繰り出してきた。それを受け流しつつ、後ろに下がる。これはオビ=ワンの戦術だった。ヴェイダー相手に失敗したのは、彼がフェリックスの予想通りの男なら、まぁ、仕方の無いことだった。
 フォースで男を吹き飛ばし、壁にたたきつける。フェリックスはセイバーを消した。
「探していたが、そちらから出てきてくれるとは思わなかったよ、ジェダイの誰かさん」
 男は、この前と同じぎらつく目をして、しばらく獣のような荒い呼吸をしていたが、やがて、大きく深呼吸をした。
「フェリックスか……去れと言ったはずだ」
「いや、あなたを止めるまでは、去りません」
「まだそんなことを言っているのか。さっきの私を見ただろう? もはや自分をコントロールするのすら難しい。こうして今話せていること自体が奇跡に近いんだ」
「それは、サイボーグマシンの副作用ですか?」
 男が驚いて目を見張った。
「何故それを」
「ドクター・ストレイカーに会いました」
 男は目を伏せた。
「あなたは、ジェダイ・マスターですね?」
「否定はしない」
「オーダー66のとき、コルサントに残っていて、シスと対戦したマスターの中で人間は、あなただけです」
 男は今や泣きそうな表情だった。
「あなたは、恥じる必要など無い。皆が、あの男、パルパティーンに騙されていた」
「私は、アナキンを止められなかった!」
 男が叫んだ。
「聞かせてもらえませんか、あの日、何があったのか。昔を思い出している間だけは、あなたは、過去の自分を取り戻しているように見える」
 フェリックスは右手を振った。
「そうだな……。お前には、聞かせておこう。私の懺悔だ」
「俺がヨーダじゃなくて、残念でしたね」
「あぁ」
 男――メイス・ウィンドゥは微笑んだ。何年も前に笑い方を忘れていたような、ぎこちない微笑だった。


 5


 私は、とメイスは語る。
「私は、あの日、アナキンの訴えでパルパティーンのオフィスに行った。そこまでは知っているね」
 フェリックスが頷く。
「その後、私以外は皆殺された。パルパティーンは強すぎた。私は彼を倒せると思っていたが、あれは、奴のアナキンを手に入れるための作戦だったに違いない」
 メイスは一人で頷いていた。
「そう、議長を追い詰めたときだった。アナキンが私と議長の間に割り込んだ。彼は、殺してはいけないと主張し、私と対立した。議長は笑っていたよ」
「そして、アナキンにビルから落とされた……」
「あぁ、私はアナキンの主張を無視することにした。議長に正義の鉄槌を下してやりたかったんだ。だが、振り上げた私の腕は、アナキンによって切り落とされた」
 そう言ってメイスは自分の右手を示した。かつてのアナキンのような、機械の腕だった。
「その瞬間、パルパティーンは本性を表した。ライトセイバーを失った私は、奴のフォースライトニングを止めるすべがなかった。そして、後は君の言ったとおりだ」
「そうですか……。その後は? ドクターの所に言ったとき、あなたは一人ではなかったんでしょう?」
「あぁ、そうだ。あまり思い出したくない過去なんだがな……」
「話してください」
 メイスは頷いた。


[467] (無題) 投稿者:きぃ svS8.Wq.urc [Web] (2006/09/12(火) 00:18 kBXg8lpGDac)

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 第四章、灰色の記憶


 1


 痛い。それしか感じなかった。ここはどこだろう? 少なくとも、コルサントの下層であることに間違いはあるまい。メイスは立ち上がろうとする。しかし、体がまったく動かない。全身が石になったようだった。視力もおぼつかない。全てがぼやけて見える。
 メイスのいるところは、四畳半くらいの小さなスペースで、四方を高い壁に囲まれており、一人じゃ上れそうに無い。遥か上空にジェダイ聖堂が見えるような気がした。
 自分は何故、こんなところにいるのか。思い出せない。思い出そうとすると思考が逃げていく。何もかもが胸の奥に沈んで……掴めない。全てが曖昧だ。
 とにかく、体中が痛い。メイスはゆっくりと目を閉じた。


 2


 次に目を開けたのは、太陽が真上にある時間だった、どれくらい眠っていたのだろう。体の痛みは大分治まっていて、目もはっきりと見えた。軽く息を吐き、思い切って立ち上がる。すんなり立ち上がれたが、目眩がした。壁にもたれかかり、上を見上げる。フォースを使えば上れるだろうか。しかし、今のメイスにそれだけの力が残っているとは考え難かった。
 三日後には体力はほぼ回復したように思えた。といっても、健康の時と比べると天と地の差だが。それでも、フォースを使うことはできる。危険だが、フォースに心を開き、助けを探すことにした。誰でもいい。ここから出してくれるのなら。
 色々な奴の意識を感じる。下賎な奴らばかりだ。元老院よりはマシかもしれない。しかし、どれもメイスを助けてくれるほどマシではなかった。何か助けてもらう変わりに払える代価があれば別なのだろうが、今のメイスには、何も無い。本当に、何も無かった。
『ジェダイの生き残りか?』
 突然、フォースを通じて誰かの声が聞こえた。私のほかにもジェダイがいるのか?
『私は、シレン・マッケンジーです。答えてください』
 シレン・マッケンジーと言えば、ソード・マスター並の実力の持ち主だが弟子、カイリの育て方を間違えたばかりにカイリはダークサイドに堕ち、確かシレンもそれ以来コルサントの地下に潜っていたはずだ。
「本当にシレンなのか?」
『その通りです。貴方のそのオーラ……マスター・メイス・ウィンドゥ?』
「あぁ、助かった。本当に。私の場所がわかるか?」
『えぇ、微弱ですが感じます。困っているのですね?』
「妙なところに落ちてしまって抜け出せない。恥ずかしいことだが」
『いえ、今の貴方のフォースはベア・クラン並に弱ってるようです。丁度私が近くにいてよかった。今から向かいます』
「頼む……」
 そこでメイスの意識は途絶えた。


 3


 太陽を背にして、黒いシルエットがはっきりと浮かぶ。光と闇のコントラストが美しかった。
「マスター・ウィンドゥ。大丈夫ですか?」
 シルエットが次第に人の顔になり始める。栗色の髪、優しそうな顔、青い瞳。
「あぁ、シレン……君か」
「助けに来ましたよ」
 シレンの手がメイスの体を助け起こす。そのままシレンはメイスを抱えたまま跳躍した。
「大分弱っていますね。私の知っている医者のところへ連れて行きますが、よろしいですか?」
 地上――と言ってもコルサント本来の地表からは何万メートルも上で、コルサントで一般に地上と認識されている場所からは何万メートルも下だ――に着地したシレンの腕の中でメイスはゆっくりと頷いた。

『これはひどい。衰弱しきってるぞ。細胞一つ一つにひどいダメージがある』
『助かりませんか?』
『普通の手術じゃ無理だな……できることなら、あんたらの力で自然治癒とかしてほしいもんなんだが』
『いくらジェダイでもそれは無理です。彼は助からないんですか?』
『……一つだけ、方法がある。奥の手だ』
『何ですか?』
『サイボーグ技術だ』
 メイス・ウィンドゥは微かな意識の中で会話を聞いていた。この数時間後から、彼は生まれ変わることになる。


 4


「そうですか……マスター・シレンが……」
「しばらくは、普通に過ごすことができた。シレンと一緒に」
 目を伏せながらメイスは語る。フェリックスはただただ、聞いているだけだった。
「異変に気づいた時には、私は既にサイボーグ装置に支配されていた。狂気が、私を襲った」
「マスター・シレンと戦ったんですか?」
 メイスは哀しげに頷いた。
「奴は、私とカイリを重ねて見てしまった様だ。あの時の私に、奴の真突を受け止める力は無かったのに、奴は、あの技を使おうとはしなかった」
 カイリ。シレンの愛弟子。実の息子のように可愛がっていたカイリが堕ちて、シレン自身が息の根を止めた。彼の奥義、真突で。
「私が死ぬべきだったのに」
「……マスター・メイス・ウィンドゥ。貴方はジェダイだ。どれだけ哀しくても、それだけは忘れてはいけない。貴方にはまだ、やるべきことがあるはずです」
 俯くメイスにフェリックスが言う。メイスははっとした様に顔を上げた。
「まるでヨーダのような台詞だな……。私が見ない間に、お前も成長していたんだな」
「マスター・ヨーダには敵いませんよ」
 フェリックスは微笑んだ。そして、さぁ、と促す。
「二人で帝国を倒しましょう」
 メイスは手に握ったライトセイバーを見つめる。緑色の光刃、洗礼された美しいフォルム。
「あぁ……それが、シレンの、死んで行った者達への手向けだ」


[468] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/09/12(火) 22:08 q/Cs8lYyebQ)

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第1章「砂漠へ」



コルサントの宝石店では、今、宝石展覧会が開かれている。
ストーム・トルーパーの3人が宝石の入ったガラスケースを警備している。
ガサッ
トルーパーは音に反応して銃を構えた。音がした場所にはなにか転がっている。
隊長トルーパーが床にあるそれを拾い上げた。ボールだ。すると、ボールから煙が噴出す。
だが、ストーム・トルーパーのヘルメットに内臓されたゴーグルのおかげで煙の影響を受けずにまわりを見れた。
影が見える。
「撃て!」
隊長の声でブラスターを発砲するストーム・トルーパー。だが、なにも当たらない。
「隠れてないで出て来い。ぐわっ・・・・・」
隊長は後ろからなにかに襲われる。男はトルーパーの腹になにか刺した。光りの剣だ。
「じぇ、ジェダイだ!ジェダイが出たぞ!」
ストーム・トルーパーは無駄だとわかっていながらブラスターを乱射した。男は黄色いライトセーバーで飛んでくる光弾を全てはじいた。
二人のストーム・トルーパーは頭を無くし、床に倒れた。
男は笑みを浮かべてガラスケースに踏みより、ライトセーバーでガラスを割る。そして宝石を取り出した。
ポリス・スピーダー3台が猛スピードで飛んでくる。宝石店の前には警官隊やトルーパーが集まっており、騒ぎを聞きつけた住民もいる。
宝石店の裏口からスピーダーの音が聞こえた。ストーム・トルーパー隊は音を聞きつけて裏に回る。
怪盗はライトセーバーを腰にかけ、ハンドルを握ると、スピーダーをコルサントの夜空へと飛ばした。ストーム・トルーパーは小さくなっていくスピーダーに光弾を発射した。

作:MIZUMARU

< 怪盗ジェダイ・ナイト ス ラ ッ チ >

”俺の名はスラッチ・デゥー。オーダー66を生き延びた、数少ないジェダイのなかの一人”
スラッチのスピーダーの後ろにコンバット・スピーダーが追いつく。
スラッチはハンドルを切った。
”今の俺は怪盗だ。フォースと剣の技を自分のために使うことにしたのさ。生き延びたジェダイは皆、自分の命を最優先にしてるだろうからな”
スラッチはハンドルの横のスイッチをいじる。スピーダーの後方部からブラスターが突き出し、光弾を連射した。
ストーム・トルーパーの運転するスピーダーのフロントに光弾が直撃し、フロント部は火を吹いた。
”俺はもうジェダイじゃない。だが、シスでもない。帝国に味方するなんてご免だね”
スラッチは急降下した。コンバット・スピーダーは反応がにぶく、そのまま前方に向って飛んでいった。
”ヴェイダーの処刑が実行されても俺は不死身だぜ?”
コンバット・スピーダーはスラッチを見失った。


[469] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/09/12(火) 22:04 q/Cs8lYyebQ)

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2

スラッチはナイト・アンダー・クラブにいた。店内ですれ違うのは人間やウェイトレス・ドロイドばかり。エイリアンは一人もいない。皇帝の馬鹿げた政策のせいだな。
「スラッチじゃねえか、座れよ」
「ああ、ハフ」
スラッチは太った男の向いの席に座った。
「よくぞ、まあ、捕まらないな」
ハフは声を小さくした。スラッチへの気遣いだろう。
「ああ、俺は怪盗スラッチだからな」
「フハハ。だが、帝国軍も、いつまでもジェダイの生き残りをほっとかないぞ。しかも、怪盗だからな」
ハフはコップの中身を飲み干した。「ダース・ヴェイダーに目をつけられたら終わりだぜ?」
「心配するな。俺は死なないよ」
スラッチは笑みを浮かべた。なにか策があるのか?と、ハフは考えた。
スラッチのスピーダーはコルサントのビルの間を飛んでいた。他のスピーダーがつくる列に入って。
帝国軍。連中は俺を血眼になって探してる。いまや世間を騒がす大泥棒だ。
ハフの言うように、ダース・ヴェイダーがスラッチを見つけるのも時間の問題かもしれない。
スラッチはため息をついた。さっきは強気に言ったが、ヴェイダーと戦う勇気はない。
そうさ、戦わなけりゃいい。逃げるだけさ。
スラッチはビービーと鳴り出したコムリンクを取り出した。
「もしもし?」
『ああ、スラッチ。よかった』
相手はリミュ・リター。スラッチの仕事仲間で、泥棒だ。
「なにがよかったのよ?」
『いや、別に。それより、例の仕事、考えてくれたか?』
「ああ、ハットの秘宝だろ?やってやるよ」
『よかった。じゃあ、かけなおす』
コムリンクの通信が切れた。
スラッチの仕事。盗みのことである。今、しようとしている仕事は、ハットの秘宝。犯罪王ジャバ・ザ・ハットの宮殿の奥底に隠されている伝説の秘宝だ。本当にあるかはわからないが、依頼主はそれを欲しがっている。
リミュの頼みだから断ろうにも断れない。やつとの付き合いは長い。
スラッチはスピーダーを宇宙港へ向けた。コルサントのスペース・ポートから宇宙船で目的地に向うのだ。


[470] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/09/12(火) 22:06 q/Cs8lYyebQ)

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3

コルサント・スペース・ポートには安い金で乗れる輸送船がいくつもある。難民や旅人は皆、こうした輸送船に乗り、他の惑星へ行くものだ。スラッチも目立たない服装でここに乗りこんだ。スピーダーは貨物室にある。
スピーダーを積んだせいで金が通常よりかかったが、仕方がないことだ。
ドロイドが食事を運んでくる。スラッチは金を払い、それを食べ始めた。すると、一人の女性が隣にやってきた。
「隣、座ってもいい?」
難民なのだろうか?いや、旅人か?ギャングかもしれない。
「どうぞ、どうぞ」
食べ物を頬張りながらスラッチは言った。女性は笑いながらそこに座った。
「この人と同じものを」
彼女はドロイドに言った。ドロイドは了解し、カウンターへと消えた。
「どこに行く予定なんです?」
女性は尋ねた。
「タトゥーインだ」
スラッチは食べ物をとりながら言った。大事な目的地を見ず知らずの女に言っちまった。まあ、大丈夫だろう。スラッチは自分の服装を見直した。目立たない難民の服装だ。ライトセーバーは上着の中に入っているから、外からは見えない。
「タトゥーインへ観光?」
「いや、仕事だ」
馬鹿野郎、観光って言っとけばよかったのに。スラッチは自分に腹が立った。彼女を見ていると必要以上にしゃべってしまう。なにかの術か?待て待て。俺はジェダイだった男だぞ?
「君は、俺のことに首をつっこんじゃいけない」
スラッチは言った。効くだろうか・・
「私は貴方のことに首をつっこまない」
女は言った。スラッチはほっとした。だが・・
「・・とでも言うと思ったの?私には効かないよ」
スラッチはどきっとした。逃げる方法はないぞ・・・
「通報する気なんてないよ。安心して。私は賞金稼ぎのエニー・ボーザ」
エニーと名乗った女は握手を求めてきた。だが、スラッチはその手を握らなかった。
「あそう。俺になんの用だ?」
「仕事の話。悪いけど、貴方の通信を盗聴しちゃった。全部聞いたの」
「いつごろからだ?」
「二日前」
「というと、俺の今回の仕事内容を全部知ってるわけか」
「うん」
スラッチはエニーの目を見た。
「フォースの技が効かなかったからマシなやつだろうな?お前、ハットの宝に興味あんのか?」
スラッチはコップの中身を飲み干した。
「ある。興味あるよ。ね、私も混ぜてよ」
「ふむ。そう簡単には許可できんな。俺の連れにも会わせないと」
「貴方の連れ?ああ、リミュ・リターね。彼ならもう会ったよ」
スラッチは口に含んだ飲み物を吹いた。
「…なんだって?やつと会った?」
「うん。別にいいって言ってたよ」
「…」


[471] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/09/12(火) 22:09 q/Cs8lYyebQ)

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4

輸送船はやがてタトゥーインのモス・エスパ港に到着した。砂ぼこりを上げて着陸したり離陸したりする宇宙船が目につく。
スラッチとエニーはタラップを降りてきた。他にも数人難民や旅人が降りてくる。
「どこ行くの?」
「リミュがカンティーナにいる」
スラッチはエニーにはぐれるなと言って歩き出した。
「賞金稼ぎなのに俺を捕まえないのか?普通のやつなら俺を捕まえて警察か帝国軍に突き出すぜ?」
スラッチは言った。
「へへ。捕まえるなんてできるわけないじゃん。貴方、大泥棒スラッチでしょ?それに元ジェダイ。私に捕まえられるわけないでしょ」
エニーは言った。だんだん温度が上がってくる。二人は大通りを歩いていた。コルサントと違って人間よりエイリアンのほうが多いほどだ。流石辺境惑星だ。
スラッチはローディアンの酔っ払いから離れて歩いた。ローディアンはそのままよろけながら屋台につっこんだ。
「おい、なにしやがる!」屋台の主人がローディアンを怒鳴り散らす。
「うるせぇ!やんのかこんにゃろ!」
ローディアンはしゃっくりをしながら主人の胸倉を掴んだ。
「最後に来たときより荒れてる感じがするんだけど」
エニーがぼそりと言った。
「確かに。これも帝国のせいだろうな」
スラッチがカンティーナに入った。エニーも後ろから続く。
薄暗い店内にはイソーリアンのバンド・グループの演奏が響き渡っている。様々なエイリアンの言語があちこちで飛び交い、にぎやかである。
「いたいた」
スラッチに向って片手を上げた一人の男。リミュを見てスラッチは笑った。
「全く。なんで言ってくれなかったんだ?」
スラッチは椅子に座りながら言った。
「なにが?」
リミュは言った。
「こいつさ」
スラッチが座りこんだエニーを示した。
「ああ、忘れてた」
「忘れただと?」
スラッチは言った。エニーはいつのまにか飲み物を注文しており、それを飲んでいた。
「ああ、美味しい」
スラッチは落ちついて座りなおした。そして声を小さくした。
「それで?ハットの秘宝は?」
「噂によると、ジャバの宮殿だな。多分。なけりゃ他を探す」
リミュは飲み物を飲んだ。
「ていうか、ジャバの宮殿なんて入れるの?あそこには怪物がたくさん飼われてるんだよ?」
エニーが尋ねた。
「俺を誰だと思ってるんだ?」
スラッチが笑みを浮かべた。


[472] (無題) 投稿者:RAIT jX0Hy3Imcis [Web] (2006/09/26(火) 20:51 bZ7KCz/djMk)

jacen

『ブラック・コーデット』
稀に誕生する彼等を、全銀河は恐れていた。

「危険すぎるよ、入るのは・・・やっぱり、やめようぜ」
臆病な声が、暗く、青く光っている空の下、ポツンと響いた。
『けど、ヤツラを倒す為にはこうするしかないだろ?』
「倒さなくて、に、逃げればいいんだよ、どこか、遠くの、惑星に」
有閑な声もしたが、途切れ途切れに臆病な声もする。
霧があたりを霞めながら進んでいる。亡霊のように。
地面にはゴミが溢れ、見たこともないクリーチャー達が蠢いている。
二つのサーチライトがその中を進んでいく。
やがて、二つのサーチライトは一転を差した。
大きな一つのビルの前だけを――。
『やっとついたな』
「や、やっぱり、も、戻ろうよ」
『ここまで来たんだぜ?』
「だ、だけどさ・・・」
『じゃあ、俺は行くぜ』
また動き始めたサーチライトは一つだった。
そのビルの、入り口の下には「コルサント・コーデット・ラボ」
と書いてあった・・・。
雨が降り始めた。
まだ動かないサーチライトを持った男は、上を向いた。
雨が目に入った。
先に言った男はもう見えない。
「ま、まって、おいてかないで!!」
動かなかった彼も、もう一人の男についていった。
落ちていた看板は跡形もなく、音も立てずに、消えた。


ビルに入った二人は左手にサーチライト、右手に銃を構えゆっくりとすすんでいった。
ビルの中も霧で霞んでいて、真っ暗だった。
つまり、廃墟と化していたのだ。
二人は研究室を見つけた。
『研究室に入ろう』
「う、うん」
二人は研究室に入った。冷たい息がした。
彼らの物と、そうでない物の・・・。
彼らが歩いていた廊下にはよだれが垂れた。
酸性が強く、銀色の廊下は色を無くし溶けている。
よだれを垂らした、そして天井に張り付くように着いていた大きな怪物は地面に降り立った・・・。
二本の足で立ち、体はどす黒かった。体の中では銀色が光り。
尻尾は長く、その尾には危険な毒針が付いていた。
口は大きく、歯は数えられないほどある。
常によだれが垂れていて、おぞましい姿だ。
きっと二人を見て動き始めたのだろう、二人を殺す為に・・・。
そう、黒い彼らの名は「ブラック・フォース」・・・。

二人は研究室の奥まで行った。
天井はボロボロに崩れ、水が大量に垂れていた。流れは少しも衰えていなかった。
地面には深い傷が残っていて、深く長い跡に血痕だらけだ。
研究する道具も使えなくなっていて、埃を被り、ほとんどが壊れていた。
窓の外から少しだけ入ってくる光も途切れ、部屋にはサーチライトの光しかなかった。
辺りを見渡していた二人は大きな本棚を見つけた。


[473] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Mail] [Web] (2006/09/23(土) 19:38 q/Cs8lYyebQ)

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短編集

1:亡霊の遊び
コルサントの郊外にある不気味な墓場。ハロウィンの夜、ここに子供がやってくるが、皆、悲鳴を上げて逃げてしまう。本物の亡霊がいるからさ。手入れがされていない、墓石、すでに半壊している墓石、全てに「R.I.P」というお決まりの文字が彫られている。地面には無残に転がる頭蓋骨。墓場を見守るように聳え立つ大きな枯れ木。そこらを飛びまわるコウモリのようなクリーチャー。さまよい続ける魂の影響で、墓地はそこらじゅう霧に包まれている。ここでは科学的根拠は無意味である。
「ふう。なあ、サッカーやんね?」
上半身だけの男が両手を器用に使ってちょこちょこっと歩いてきた。顔が赤と黒の刺青で包まれたザブラクだ。彼の足は上半身の後ろから一人でに歩いている。
「いいね。やろうやろう」
片手がなく、胸元に毒矢が刺さった紫色の衣装をまとった賞金稼ぎが返事をした。その昔ジェダイの騎士に切り落とされた片腕は指を使って地面を這っている。
「どうせまた俺達の頭でやるつもりだろ」
「私の頭かもしれん」
そう言ったのは自らの腕によって脇に抱えられた頭。片方は銀色のアーマーに包まれた胴体からはずれ、もう片方はセレノーの伯爵の胴体から切り離されている。
「うるせえ、はやくサッカーやんぞ!」
ザブラクの下半身が伯爵の頭を蹴り上げた。クローダイトの賞金稼ぎがマンダロリアンの頭を蹴り飛ばした。
「おい、手を使うなよ!」
ザブラクの上半身は言った。
「わかってるよ。片手しかないし」
クローダイトは返事をした。
「俺も混ぜて!」
そう言ったのは全身丸焦げのローディアン。
「私も混ぜろ」
胸を裂かれたニモーディアンが駆け寄ってきた。伯爵とマンダロリアンの頭は青い顔をして地面を転がる。気付けばそこらじゅう亡霊だらけ、悪臭を漂わせる死体でいっぱいだ。頭の無い高貴な服装のゴッサムは自分の頭をボールに使われると嫌なので、急いで隠れる。胸に穴の空いたスカコアンはもはや胸の操作パネルをいじる必要がなくなった。もう死んでるのだから。
今夜もこの墓地では亡霊の声が聞こえるのだ。




[474] (無題) 投稿者:空を歩くもの gaoWblK2Sds (2006/10/07(土) 19:14 h7FfDmRXNcU)

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STAR WARS EPZ  「王族の血筋」

>>447のつづき…

リパブリック・クルーザーのブリッジの正面の窓には巨大な球形宇宙戦がたたずんでいた。この状況でのメイディーン総督の命令は他の乗組員たちには唐突すぎていた。しかし、彼の目の前の部下は静かに全てを悟ったようであった。
「了解。直ちに避難させます…。」
とたんにサイレンが船内に鳴り響き、乗組員たちは激しい轟音のなかを走り去って行った。一人を除いて。
「なぜです!?」
メイディーンのコムリンクからタイコの叫びが聞こえてきた。
「あなたは逃げるべきです!なぜそこまで…」
「何も考えるな。これが私の最期なのだ。タイコ、理解してくれ。」
「………はい。」
メイディーンの目の中でスーパーインターディクター艦が次第に大きくなっていった。
「他の輸送船の為、また君達の様な優秀なパイロットの為に。」
「良き指揮官でした。」
ウェッジの声が聞こえてきた。


フォーマスとウォルビンは急いでセオロンのところへ向かった。彼は第一放送室にいるにちがいない。フォーマスの拳は小刻みに震えていた。広大な大理石の廊下を抜け、プログラムセンターを通り越し、セオロン専用の放送室へと向かう…前に警備隊長のレインとその部下が道を封鎖していた。
「どいてくれ。父親に用がある。」
フォーマスは怒鳴った。
「今は誰も通す事は出来ません。」
「何?」
「王陛下の命令です。」
ウォルビンとフォーマスはレインの警備員に抑えられた。
「何事だ!何が何でもここを通るぞ!」
「あなたが、そのおつもりでしたら…」
レインは腰のサックからブラスターを取り出した。それに応じて部下達も武器を取り出した。ウォルビンはひるむ気配が無い。
「言っとくけど、あなたたちは事態を重く見てないわ。これは国の存亡に関わることよ。」
「ですから?」
フォーマスとウォルビンもブラスターを取り出した。
「王子…あなた達は2人ですよ?勝てるわけがありません。第一、私はあなたと戦いたくない。」
「なら、どくんだ。」
「出来ません。」
レインはブラスターを二人に向けた。
「いいですか?今すぐここを立ち去らないと引き金を引きます。」
フォーマスらも構えた。
「それはこちらのセリフだ。」
突然レインは左手を上に挙げた。すると後ろの部下がブラスターでフォーマスらの足元を狙い打った。光線は彼らの足をかすめ、二人とも地面に呻きながら倒れた。
「これは…間違っている!!」
「それは、あなたが決める事ではありません。」
レインはブラスターをしまった。
「王子と姫君を拘束室へ連行しろ。」


リパブリック・エンゲージ・クルーザーは着実にインターディクターに向かっていった。スーパーインターディクター艦も逃げ切れないと判断したらしく、沢山の脱出ポッドがそこから出ていた。メイディーンはとてつもなく巨大ではあるが、かのデススターに比べれば何とも無いこの球形の宇宙戦をじっと見つめていた。
…とその時、一つの戦闘機がこちらに向かってくるのが見えた。それは方向を変えることなく真っ直ぐに、メイディーンの方に飛んできている。
「故障機か?」
メイディーンは不安を憶え、後ずさりした。すると、途端に戦闘機が速度を増し…ブリッジに衝突し、窓をぶち破って突っ込んできた。緊急作動で窓にシャッターがかかる。
「くそっ!」
メイディーンは戦闘機を間一髪でよけ、ブラスターを取り出した。すると戦闘機が停止し、中から奇妙なドロイドのようなものが飛び出した。
「見つけたぞ…総督…」
「何!?」
メイディーンはそれに向かって乱射したが、それはことごとく光線をかわし、メイディーンの喉を掴んだ。
「お…お前は…グ……」
「そう、昔の亡霊グリーヴァスだ。」
グリーヴァスはメイディーンの首を絞め続け、とうとう彼は息絶えた。そしてグリーヴァスは彼の胸のポケットからチップを取り出した。
「チップはもらっとく。」
そしてグリーヴァスは素早く戦闘機に乗って―もちろん窓を破壊して―宇宙空間に消えていった。その直後、リパブリック・アタック・クルーザーとスーパーインターディクター艦は正面衝突を起こし、大爆発した。

その光景を見ながら、ウェッジ・アンティリーズは今スピーカーから聞こえてきた、とんでもない会話を信じられずにいた。


[475] (無題) 投稿者:RAIT jX0Hy3Imcis (2006/10/29(日) 03:21 bZ7KCz/djMk)

jacen

題名「KR」
不眠の星コルサントはいつもよりも明るく、騒がしかった。。
「コルサントでレース!!初レースです!!ポッドレースとは違う、スピーダーのレースです!!」
「司会は私、フォードとビードです!!」
イェーーーーーーイ!!!!
客達は大喜びで叫んだ。
初めて行われるレースは最高の娯楽。
レースを行うパイロット達は特設のハンガーで準備を始めていた。その頃もう、パイロット紹介は終っている。
準備を終らせたパイロットは早速ハンガーを出ていく。
「あなたも早くハンガーを出てください。もうすぐレース開始ですよ」
「分かりました」
インフォメーションドロイドがパイロットに話しかけた。
そのパイロットはサグラ・ライド。
黒と赤のユニフォームを着ている彼は美男子だ。
それなりに人気があると思えば、すこしもないのだ。
サグラもハンガーを出た。
彼の黒と赤のスピーダーも、ハンガーを出てスタンバイされていた。
サグラはエレベーターではるか上空まで行った。
そこにサグラ専用のスピーダーが泊めてある。
『よし、始めるか』
彼はそう呟きスピーダーにしぶしぶ乗った。
『あーー』
彼は両腕をグイっと伸ばし、ボーっとした。
「では!!レースが始まります!!」
『早くしろーーー』
サグラはスピーダーをふわりと浮かせ、仮に出来たスタートラインの上空に到着する。
他のレーサーのスピーダーも、スタートラインに付いていた。
観客達はスタートラインの丁度横に設置されたスタンドで見ていた。
もちろん観客の9割が博打もうけ目当て。。
「レーサー全員がスタートラインに付きました!!!レース開始です!!」
その声と共に、サグラ含め、レーサー全員が操縦桿をグイッと握る。
1、2・・・3!!スタート!!!
ビュン・・・。。
全スピーダーが一瞬で消える。
スタートの瞬間にサグラが見たものはすごいものだった。
コルサントの全ての光が、一瞬で一つの線になった。
それを見てニヤけたサグラはフルスロットルで一位を狙う。
お客は風で髪をなびかせる。
全員の鼓動が高まっていく。
サグラは大きく下降して、速度をさげた。
他のスピーダーに抜かれながらも


[476] (無題) 投稿者:リキッド lXBeb8jdYgA (2006/10/29(日) 22:06 hkkVWo9Uto2)

lando

>>351の続き

突如、古びて埃とサビに塗れたレーダーがなり始めた。軌道上に何か居るようだ。帝国軍か?
自分が見ているレーダーは半分壊れており、何が軌道に居るのか分からない。ジェイドは一発機械を叩いてみるが、何も変わらない。悪態を付いていると彼は何かのレバーを見つけた。彼はそれを拾うと、機械に振りかざした。
原始的な方法だ。とジェイドは思った。
そして力一杯振り下ろし、鈍い音を響かせた。
だが、またしても無駄だった。
ジェイドはレバーを放り投げ、自分の“命”が腰に付いているか確かめ、光が漏れているドアへと向かう。瓦礫と金属片が床に散らばっている為、足場がろくに確保できなかった。
外に出ると丁度赤い炎の塊が空から降ってきていた。始めは一つだけだったが、後から一つ、二つと落ちてくる。普通の隕石では無いらしい。
それは落ちると遠くでミーティアの荒れ果てた地表を激しく掘り返した。粉塵が巻き上がり、しばらくの間舞い始めた。
嫌な予感がした。彼は等の昔に破棄された輸送船の陰に隠れた。粉塵が微少な風に運ばれていくと、何やら黒い物が現れた。それは奇妙な形をしていた。胴体は色々な種類の腕が付いており、楕円形の頭は複数の目が付いている。一際大きな赤い目が頭と一緒に回転し始め、地面から浮いている体が動き始める。その体は真っ黒だった。
ジェイドは思考を巡らした。
あれは帝国軍の偵察ドロイドだ。
見つかっては面倒だ。
ジェイドはゆっくりとドロイドから目を離し、立ち並ぶ廃墟と化した建物の間を音を立てずに走っていった。とは言っても無闇に逃げてはドロイドに見つかる可能性がある。彼は元は巨大な宇宙船の店だったと思われる所に逃げ込んだ。多くの船が灰色となっている。
ジェイドは真っ二つに割れたコレリアの輸送船を見つけた。彼はその割れ目に入り込んだ。ここに居ればしばらくは大丈夫だろう。なるべく奥に入り込み、貨物室らしき場所で腰を降ろした。少し機体全体が斜めに傾いているが、十分にくつろげる。
しかし状況が状況なのでゆったりとしては居られない。彼は壁に空いた隙間から外を見張った。何かが来る気配は無い。
この惑星には自分以外人間は居ないのか。
クローン戦争は多くの惑星を荒廃させたらしいな。
その結末がこれか。
突然何かが動く気配がした。外で何かが。違う隙間から入り口を見ると壊れた扉のすぐ近くを黒いドロイドが通り過ぎていくではないか。しかしここに入ってくる様子は見られない。彼は呼吸を小さくし、体を硬直させた。だがその行動が不運を呼んだ。
近くに置いてあったドライバーが微妙な船内部の傾斜をすべり落ち、建物の床に落下したのだ。
音に気付いたドロイドは室内にゆっくりと入ってくる。くそ・・・・・・。
薄暗い室内をライトで照らしながら赤い目を動かしている。恐らくあのドロイドには熱源探知が備わっているだろう。
もし見つかった場合はフォースでドロイドの回路を狂わせるしか無い。だが爆発する恐れがある。
赤い目の持ち主は彼ののぞき穴に近づいてくる。彼は隙間から目を離し、その下の壁に張り付き、ドロイドの目が中を覗いたときに自分が見えないようにした。目が放つ明かりがだんだんと隙間から漏れてくる。
頼む。出て行ってくれ。
だが穴を覗くのはやめても偵察ドロイドは部屋から出ようとしない。他の割れ目から見るとそれはジェイドの居る輸送船に近づき、割れ目から内部を覗き始めた。ジェイドのいる部屋は割れ目からは見えない。
だがドロイドは出来るだけ内部に入ろうとしている。
そしてドロイドの目が光った。そして突然ブラスターを放った。
見つかったか・・・・・・!
しかし彼は見つかっていなかった。ドロイドが撃ったのは船から出た小さな鼠の様な動物だった。
偵察ドロイドは異常無しと見たのか入り口へと向かっていった。
ジェイドの額は汗だくになり、手も濡れている。
ドロイドが出て行ったのを確かめると、彼は姿勢を正し、心を落ち着かせ始めた。

続く・・・・


[477] (無題) 投稿者:ライト(RAIT) Fj4woaBbfHc (2006/11/15(水) 17:43 bZ7KCz/djMk)

jacen

「デス・ザ・サン 包囲作戦」 EPISODE7、8、9スピンオフ
夥しい数のX-170スターファイターが、次々に戦艦から飛び出していく。
「哀れな共和国軍だ。今ごろ、もう遅い」
戦艦の中―――――
帝国軍の提督が、大きなメインルームのハッチから、広大な宇宙に一つ、浮いている共和国軍の戦艦を見ながらそう呟く。
提督はうっすらと笑みを浮かべる。
彼の名前はリュー・ゴッド、40歳を少し越えたぐらいの年だ。彼だけ他の兵士とは違い、階段を上がった特別展望台にいる。
「やつらの目的は、“デス・プロトタイパー”(デス・ザ・サン)だ!DHSは常にプロとタイパーの周りで回って・・・・」
リューは一度、話すのを止めた。
赤や黄色のライトが付いた灰色の機械だけが何度も同じ音をならす。
「警告!警告!」
兵士の誰かが叫んだ直後、メインルームは炎に包まれていく。
「伏せろ!!」
リューは叫び、伏せる。
メインハッチのガラスは勢い良くバラバラに割れ、メインルームに飛び込んできた。
すぐに二枚めの予備パネルがリューの背中に当たり、リューは助かった。
階段を下りている暇は無かった。
全員が息を呑んだ。他の兵士も数名生き残っている。
『何故だ?すぐ前はあんなに遠くにいたやつらが、急に目の前を・・・・』
「提督!二次部隊です。恐らく、先発隊が上空をハイパースペースで・・・・」
『DHSは!?』
「DHSの反応は消えました。共和国軍に破壊されたようです」
『ちっ!軍備だ!私もすぐ出る』
「了解!」
リュー含め全員は持ち場を離れハンガーを訪れた。
「あちらに、援護の戦艦がいます!接近してスーパートルーパー部隊と合流して下さい!」
『分かった!ココは頼んだぞ!諸君!』
「はっ!」
リューは彼専用のTIEファイターに乗り込んだ。
発進準備を軽く終らせたリューはハンガーから飛び出した。
『コントロール、チェック!エネルギー、チェック!システム、チェック!準備完了!発進!』
発進準備を軽く終らせたリューはハンガーから飛び出していく。
ハンガーからはシールドが放出される。
リューは最大スピードで飛んで行き、すぐに合流し、滑走していく・・・。
「我々も攻撃を仕掛けなければな・・・テル、シロン!すぐ発進だ」
『分かりました!』
二人は声をそろえてそう言い、走り出す。
彼等は同期で最強のメンバーの二人。
『俺らは最強の』
続く


[478] (無題) 投稿者:ライト(RAIT) Fj4woaBbfHc (2006/11/11(土) 19:13 bZ7KCz/djMk)

jacen

>>448の続き。
第二章:『逃走、到着、孤立・・・』
ARCスターファイターが猛スピードで追いかけてくる・・・。
「レン!ハイパースペースは・・・」
「無理よ、使ったばかりで!・・・・故障した。」
「治すんだ!急いでくれ!」
レンは席を外れ、コクピットから飛び出しコクピットの上にあるスペースへと急ぐ。
ニメアスとサール、砲手二人は


[479] 初めまして 投稿者:6 cx42tNmuEoA (2006/11/11(土) 22:58 7Xo7eU/LwZo) [SAGE]

tie

短編
題名「孤立・殺戮」
主観・共和国軍

本文
わが中隊は廃墟と化した市街地でなんとか敵の追撃を防いだものの、その後の敵増援部隊に市街地を包囲されていた。
主力のタンクも破壊され武器弾薬も敵の拙攻部隊との戦闘により日に日に消費していく・・・。時折聞こえてくる味方の悲鳴、嘆き、怒りの声。
どのようなことを考え、叫ぼうが無情な敵には何も伝わらない。

今日もまた敵の攻撃が始まった。今日は本気で我々を消すらしい
乗り込んでくる数が桁外れだ。郊外では休むことなく迫撃砲が鳴り響く
爆発物が近くで爆発した。咄嗟に振り返ると後続の二人が跡形もなく消えていた。血の赤さえ残ることなく。建物も崩壊していく。建物の下敷きになった兵士のなんともいえない悲鳴が響く。

「死にたくなかったらついて来い!!行くぞ!!」
集中砲火の中コマンダーが叫ぶ。
死にたくはないが生き残るすべもない。それが事実だ。
また一人、胸を撃たれて倒れた。爆音が再び鳴り響く、今度は目の前、先程のコマンダーは次の瞬間には部下三人と共に姿を消していた。
逃げることはできない。まるで逃れることのできない運命のように破滅を待つだけ。

今頃は残りの兵士も敵のドロイドに装甲を焦がされていることだろう。
自分もあと少しであの世に行く気がした・・・。

空を見上げた。暗い煙の中に明日は見えなかった・・・。


[480] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/11/13(月) 17:43 q/Cs8lYyebQ)

ackbar

劇作家とシス



僕はいつも失敗ばかり。
なにもうまくいきやしない。
ふう。
少年はため息をついてナブーの通りを歩いていた。シードの街並みは少年の感情とは対照的に明るく美しい。
少年は背筋を曲げた。高く綺麗な鼻、豊富な髪、身長も高いほう。
この少年の名はパルパティーン。彼はいつも失敗ばかりし、友人をなくし、恋もできない。不幸な少年だ。
だが、この日を境に彼は変わる。
いつもと同じように太陽がシードの街の建物の円形の屋根を照らし、人々ががやがや騒ぎ、森から鳥類の声が聞こえるようなこの日。パルパティーン少年はある男に出会う。

ナブーのスペースポートにはコルサントからやってきた貨物船が到着していた。難民や金のない旅人、賞金稼ぎたちはこの安く乗れる貨物船を好んで使っていた。この日、この男もそんな理由でこの通行手段を使い、ナブーの土地に足を運んでいた。
男は背が高く、髪が豊富、そしてどこか不気味な雰囲気を漂わせる男だった。パルパティーン少年と同じような感じなのにどこか少年とは異なり、押されるイメージがある。
男は売店を見て廻った。このナブーにやってきた理由はただ一つ。
研究。
なんの研究かは今は伏せておいて…この男は故郷ナブーに戻ってある研究にふけることにしたのだ。そのためにはまず助手が必要だ。かつて師が自分を育ててくれたように彼もまた新たな見習を育てなくてはならない。
ゴツン。
なにかにぶつかった。

パルパティーンはなんの理由もなくなんとなくスペースポートに足を運んでいた。にぎやかな場所は好きだし、学校の人間がいなければいろいろ文句を言われたり、追いかけられることもない。
丁度、コルサントから貨物船が到着したようで、客が降りてきた。いつか自分もコルサントに行きたいものだ。それから、周りのものに目を奪われて歩いていると――
ゴツン。
なにかにぶつかった。
自分よりもずっと大きな人間。


[481] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/11/13(月) 17:44 q/Cs8lYyebQ)

ackbar

男とパルパティーン少年がこうしてぶつかったのもフォースの導きがあったからだろう。
「す、すみません!」
少年の謝罪に男は笑った。
「うむ。大丈夫だ…」
男は少年の目を覗きこんだ。見ただけでわかった。この少年はフォースが与えてくれたものだ。間違い無い。男の目はなにもかも見てきた。シスの戦い、銀河の腐敗…
このパルパティーン少年こそ自分の探してきたものだ。
「あの、なにか」
「いや、君,名前は?」
「パルパティーンと申します」
「パルパティーン…偉大な人間になるな。帝王とか」
「本当ですか?皆この名前を馬鹿にするんです」
「その連中はいずれ死ぬだろうな」

男と少年はしばらく歩いて会話をかわした。男は少年の詳細を知り、少年は男の詳細を知った。
「いつも、失敗する?」
男は繰り返した。
「はい。僕はなにをしても失敗するんです」
「原因があるはずだ。君はきっと…」
「計画性がない?」
パルパティーンが言った。
「・・その通りだ。君は毎日を計画して行動したほうがいいな。面倒であっても。いいかい?学校から帰って家につく。寝る前にベッドのなかで明日の計画を立てる。どんな発言をどの順序でするのか、誰としゃべるか、なにをするか、全て計画して動くんだ」
「なるほど」
パルパティーンは素直に納得した。男は直感的に考えた。この少年は最高だ。
「1日のシナリオを君が書き上げる。君が劇作家。君を馬鹿にする人間どもは皆、君の”役者”だ」
この言葉はずっと未来のパルパティーンがそのまま実行することになる。
「いろいろありがとうございます。どうして僕にそんなことを?」
「君に会いたかったからだ」
「…お名前は?」
少年の問いに男は答えた。
「プレイガス…とでも呼んでくれ」

パルパティーンは翌日、プレイガスの助言通り、実行した。それが、うまくいったのだ。プレイガスはナブーの街に新たな住居を手に入れ、そこで生活を始めていた。午後になってプレイガスが研究用のホロジェクターの電源を落としていると、パルパティーン少年が家の戸をドンドン叩いてきた。
「プレイガスさん!」
ドアが開いて、プレイガスが出てくる。
「どうしたんだ。一体」
「貴方のおかげです。貴方の言う通りでした。僕は、今日、何一つ失敗をしませんでした!」
パルパティーンの喜びようから彼がどれだけ失敗を繰り返してきたかがわかるだろう。人間などちょっとのことで変わることができるのだ。
パルパティーンは毎日プレイガスを訪ねた。そのたびに学校での自分の行動や言動を説明し、プレイガスにお礼を言った。プレイガスも次々にアドバイスを追加し、彼を成長させた。
パルパティーンは人生のなかで最も感謝した人間はプレイガスだろう。彼がいなかったら今ごろパルパティ―ンはナブーの街でひっそり暮らしていたはずだ。まあ、そのほうが我々銀河市民はありがたいだろう。パルパティーンがひっそり暮らしていたということは銀河が平和であることにイコールするからだ。ナブー侵略も起こらなかっただろうし、クローン大戦も起きなければ帝国も生まれなかっただろう。

プレイガスとパルパティーンが出会って1年近くの月日が流れた。パルパティーンはプレイガスの予想通りに成長し、すばらしい人生を送っていた。成績も上がり、彼は政治に興味を持ち始める。
「政治に興味を持つのはいいことだ。だが、政界は汚職と腐敗だらけ。そこで生きていく覚悟があるかね?」
「ええ、僕がそれらを変えてみせます」
1年で少年がここまで成長するとは、誰が予想できただろうか。
「その調子だ。少年よ」
プレイガスは部屋にある装置の操作を始めた。ホロジェクターや、通信機、宇宙船の部品のようなもの。そしてスキャナー、モニター。
「なにをしてるんです?1年もたったんですから教えてくれてもいいでしょう?」
「ああ、そうだな。私はフォースについて学んでいる」
プレイガスは言った。
「ジェダイだったんですか?」
パルパティーンは驚いた。
「ジェダイ?あんな連中と一緒にせんでくれ。私はジェダイ以上にフォースを知っている」
プレイガスはパルパティーンを見た。
「学びたいかね?シスのフォースを」

こうしてパルパティーンのフォースの訓練が始まる。最初はプレイガスによる講義でしかなかったものの、時がたつにつれ、プレイガスは剣術を教え始めた。お馴染みの光りを剣で。
「ライトセーバーはジェダイとシスの発明品だ。厳密に言えばジェダイから始まったんだがな。そこは素直に受けとめねば。ジェダイが現れ始めたとき、ライトセーバーはなかった。ジェダイはただの剣にフォースを送り、光りを発することができた。それがライトセーバーの起源だ」
プレイガスは短い筒を手に持って説明した。筒から空気を裂く音がしたかと思うと、紅い光りが伸びた。
5年の時がたった。パルパティーンはナブーの森の奥でプレイガスとライトセーバーの訓練を始めた。
「いいか?集中を切らすな?常に集中し、動きは直感に頼れ、余裕ができたら体勢を整えよ」
プレイガスの光刃とパルパティーンの光刃がかみ合った。もちろんプレイガスはかなり力を抜いている。本気でやればパルパティーンは死んでしまう。
「戦いは剣だけで決まるわけではない。時にはフォースを用いることもある」
プレイガスが手を伸ばし、エネルギーをこめた。パルパティーンは見えない手によってつかみあげられる。
ライトセーバーを握るパルパティーンの手は血まみれだった。手が荒れるまで訓練を続け、プレイガスが休んでいる間も剣を振った。
そしてまた剣の戦いが始まる。今度は沼だ。鳥類が鳴きながら飛んでいるなか、動きづらい沼でプレイガスとパルパティーンが紅い剣を振った。
プレイガスは今度ばかりは手加減できなかった。このパルパティーンは時がたてばたつほど、それが1時間でも30分でも、成長する。彼は驚くほど強くなっていた。
プレイガスの腹に見えないエネルギーが伝わった。パルパティーンはすでにフォースを習得し、それをコントロールできた。パルパティーンが指先に力を入れる。怒りと憎しみのこもった力を。
「ぬう・・」
プレイガスが後ろにかすかに押された。パルパティーンはその間にも剣をついてくる。プレイガスは疲れきっていた。そしてわざとすきをつくる。ライトセーバーのグリップが宙を舞った。パルパティーンはそれを片手でキャッチした。
「見事だ」
プレイガスは笑った。パルパティーンも少し大人びた顔で笑顔をつくる。
「だが、すきをつくるな」
プレイガスがパルパティーンの足に向けてフォースを送った。パルパティーンは足を滑らせ、沼にバシャッと倒れた。


[483] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/11/13(月) 17:44 q/Cs8lYyebQ)

ackbar

わからない人のためにおさらいしておこう。
暗黒卿ダース・プレイガスは弟子を探すことと、研究をすることを目的にナブーにやってきた。
そこでパルパティーンという憎しみと恐怖を覚えている最適な少年を見つける。
この一連の出来事がこの先、銀河にどれだけの影響を与えたか、銀河史をよく知る人間ならわかるだろう。
パルパティーンはプレイガスの期待通りに成長し、シスとなった。
プレイガスにはもう一つやることがある。研究と実験の成功。
彼はフォースの研究を長い間続け、弟子の訓練の合間もこれに取り組んだ。それがそろそろ熟そうとしていたのだ。

「政治の勉強もせねばなりません」
パルパティーンは言った。ナブー大学ではナベリーという男と知り合ったとも話した。
「知り合いか。だが必要以上に感情を移してはいけない。命取りになるぞ」
プレイガスは言った。
「大丈夫です。彼は利用するだけの知り合いでしかありません。ナベリー家は名家です」
「政治の勉強は?」
「順調です。もちろんフォースも学びます。今日はなにを?」
パルパティーンは言った。
「シディアス。今日は君に新たなことを教えようと思う。私が最初から取り組んでいた研究の内容だ」
プレイガスは話した。

ミディクロリアンを操り、生命を誕生させ、生命を死から救う。
このプレイガスのプロジェクトを耳にしたとき、パルパティーンはとてつもないほど感動を覚えた。
パルパティーンはプレイガスから新たな話しを聞き,活気づいた。そしてさらに政治の学習にはげんだ。数年後には大学を無事卒業し、彼はナブーの政治に関わりを持ち始めた。
プレイガスは実験を繰り返した。最初は小さな小動物を実験体にしていたが、スケールは大きくなり、ついに人体実験に入った。
「死んだ人間を復活?ですが、それをすると、周囲の人間達は・・」
「蘇ったことが確認できたら、また殺す。それだけだ」

墓地から運び込んだ遺体はひどい匂いを放っていた。パルパティーンは目をそむけたくなるような遺体をじっと観察した。
プレイガスのシスの魔術は素晴らしいものだ。フォースを操り、ミディクロリアンを操作し、遺体が少しずつ動きを覚えてくる。意識があったかはわからないが、生ける屍が誕生したことは間違い無い。ゾンビはプレイガスの手によって処分された。

さて、プレイガスが求めていたのは、フォースの化身の誕生だった。
神の子が処女の子宮に宿ったことと同じように、処女の子宮にフォースの息子と言える子供を誕生させることがプレイガスの最終目的だ。銀河史を知っている人間なら、これがタトゥーインの奴隷の女の体に起きる現象だということわかるだろう。
プレイガスがタトゥーインをただ選んだ。そしてたまたま偶然、奴隷の女性にこの実験台になってもらっただけだ。全て偶然だ。
だが、偶然など本当はあり得ない。プレイガスやシディアスにとって偶然でも、奴隷の体に赤ん坊ができたのは偶然ではなく、フォースの意志だ。
プレイガスは死者を復活させるときと同じように大量のフォースを使いこんだ。奴隷の女性の子宮にはこのフォースによって操作されたミディクロリアンが存在し、やがて赤ん坊が誕生したのだ。

プレイガスはパルパティーンと実験の成功を祈った。パルパティーンはこのころ、元老院議員を目指し始める。また、プレイガスとともに旅していた最中、無断で内緒で連れかえってきたザブラク人の少年を自宅に隠したのだ。プレイガスがこの少年に気付いていたかはわからない。フォースの息子をつくるために大量のフォースを使ったのだ、体がもたないだろう。パルパティーンは秘密裏にザブラク少年の訓練を始めた。

「師よ」
「なんだね」
パルパティーンはプレイガスの部屋にいた。
「フォースの息子をつくってどうするのです?」
「ふむ。これは歴史に残る最高の実験だろうな」
「フォースの息子に意味はあるんですか?」
パルパティ―ンは質問を繰り返した。
「あるとも。我々は誕生した子供を育てる。そう、我々はフォースの息子を育て、銀河最強のシスへと成長させるのだ。やがて、銀河はシスのものになる。ジェダイが表でどうこうしていられなくなるのだよ!」
プレイガスは上機嫌だが、パルパティーンは嫉妬と憎しみを抱いていた。いつのまにかこれは師への殺意になっていた。もし、計画通り、フォースの子が生まれればプレイガスは自分を使い捨てにし、その子供を最強の戦士にする。それはまずい。
ダース・プレイガスを殺す必要がある。

パルパティーン、ダース・シディアスはこうして師を殺す。恩師を殺す事に多少の抵抗はあったが、後戻りはできない。フォースの子が生まれても、プレイガスがこの世にいなければ、自分のものだ。

夜。シディアスはザブラクの少年に短い食事をさせ、いろいろと言いつけると、外出した。ナブーの街は眠り込んでいて、森では夜行性の動物が鳴いている。
プレイガスの家も暗かった。パルパティーンは気配を消すと、家に侵入した。プレイガスは実験のことで完全に浮かれていた。だが、なんとなく恐怖を感じていた。
シディアスはかつて師が与えてくれた剣をつかんだ。その師といえば目の前のベッドの上で眠っている。
剣が振り落とされた。一瞬の出来事だ。
だが、プレイガスは死ななかった。
ダース・プレイガスは自分のライトセーバーでシディアスのライトセーバーをおさえた。
「まさかな」
「…」
プレイガスは多少動揺したものの、すぐに弟子の抹殺を試みた。だが、同時に弟子を恐れていた。模擬戦闘をしていてもシディアスは常に自分を上回っていたのだから。
シディアスはダークサイドの雄叫びを上げた。その音は部屋のガラスを割るかのようだった。


[484] (無題) 投稿者:MIZUMARU KUajmIzXyGs [Web] (2006/11/13(月) 17:45 q/Cs8lYyebQ)

ackbar

シディアスの剣とプレイガスの剣はしばらくの間、交わった。暗い部屋ではライトセーバーだけが光りだった。紅い光りが2人の顔を照らしたのだった。
シディアスはフォースを送った。指先からフォースの稲妻を放った。青白い稲妻がプレイガスの体に伝わる。プレイガスは完全に疲れていた。実験のこともあるが、年齢のためでもあった。
プレイガスは倒れこんだ。それも、先ほどまで横たわっていたベッドに。シディアスが最後に飛びかかってきた。
プレイガスには紅い剣が最後に見えた。

後にパルパティーンは元老院議員として世に知られるが、賢人プレイガスはこの夜、死ぬ。弟子よりも名が知られることもなく死んだ。フォースの息子の誕生も確かめられないまま。
シディアス卿はザブラクをモールと名付けた。シディアスは元老院であるパルパティ―ンの顔を利用して権力を握っていく。
この先は説明などいらないだろう。パルパティーンはナブーの選出議員となり、ナブー侵略でいろいろ名を売り、最高議長ヴァローラムを裏切る。
シディアスは通商連合と手を組み、ナブーを侵略。そして師のプロジェクトの結果をその目で確かめる。

アナキン・スカイウォーカー。
彼は自分がどうして生まれたのかわからない。

パルパティーンとシディアス。2人は一つの体を共有して銀河を恐怖で包みこみ、支配した。クローン大戦を一人で起こし、帝国を一人で誕生させる。全て、計画だ。そう、プレイガスに初めて教わった計画というもの。自分がシナリオを書き、周りの人物は役者。
ナブーの女王も、ザブラクのシス卿も、アナキンの師も、ジェダイの長も、戦場で倒れていくクローン兵士もドロイド兵士も。全て彼の役者。彼のために戦い、彼のために死んだ。
銀河で最高の劇作家。それはパルパティーンでありダース・シディアスである。


あとがき
長編とは呼べないけど、短編とも呼べない微妙な作品です。
パルパティーンとプレイガスの師弟関係や戦いなど、好き勝手に描いてみました。


[485] (無題) 投稿者:リキッド lXBeb8jdYgA (2006/12/12(火) 22:58 hkkVWo9Uto2)

lando

>>476の続き

彼はそのうち深い眠りに落ちた。それは限りなく深くなり、彼を一時的に無防備にする。
だが問題は無かった。
ジェイドの存在をドロイドは知る事も無く、ゆっくりとミーティアは夜を迎える。そしてミーティアの月、衛星バックが青白い色を輝かせながら地平線上に輝き始め、時が経つにつれてそれは高度を確実に上げていく。
ジェイドの目蓋は突然開いた。何か殺気を感じ取ったのだ。近くにドロイドの気配は無く、ゆっくりと彼は外に足を踏み出し瓦礫の影に身を潜めた。青白い光は全てを不気味に染めている。
金属音が遠くで唸っていた。それはだんだんと近づいてくる。月の色にも負けずに不気味である。勿論この星の動物では無いだろう。
では一体・・・・・・?
答は直後に出た。男の声が聞こえる。それも何十もの声。それは少しくぐもった声だ。ヘルメットをしているらしい。
そして、喋り方も同じだった。ジャンゴ・フェットのクローンと。
「ウォーカーを全て建物の壁に寄せろ!重火器部隊はこっちだ!」
ジェイドは今叫んだ兵士を見た。今までのクローン兵じゃない!
兵士達の装甲服は別の物になっている。更に冷酷さが増した装甲服だった。クローン・トルーパーの装甲服は大戦末期にデザインが変わり、今もそのままだと思っていた。
だが、検討違いだった。
ジェイドはすぐに事態を察し、その場から音を立てずに走り去った。
彼は自分の失態を感じる。ビーコンを・・・・・・察知された。


既に数ヶ月の日がクローン大戦終結から経とうとしている。帝国の勃興は大きな変化を銀河にもたらした。帝政は全てを支配し始めた。共和国軍も形を変えている。
それは銀河帝国軍となり、人々を救う役目を捨て、弾圧する方向へと走り始めている。
そして既に反乱の肺が呼吸を始めていた。帝国を破壊しようとする正義が。計画が。陰謀が。それはじきに身を結ぶだろう。そして皇帝は死ぬ。
インペレーター級スター・デストロイヤー<イグザクター>はコルサントの朝日を浴びていた。ヴェネター級の赤色は完全に抜かれており、真っ白に覆い尽くされた戦艦だった。
帝国軍情報部大佐のヴィルヘルム・シュトルリッヒは体の後に組んだ手を絶えず震わせている。大佐まで登り詰めた男がたった一人の男に恐怖をそそられるとは。自分の階級も長くは無いだろう。
耳障りな呼吸音はシュトルリッヒの耳を貫通し、脳内に響き続けている。それは突然途切れた。
「それは本当か」骸骨の様な真っ黒な仮面は声を発した。
機械音の様な声の問はシュトルリッヒ以外に返す相手は存在しない。
「はい。惑星ミーティアはクローン戦争にて荒廃し、今は―――」
「そんな事はどうでも良い!さっさと要点を述べよ」対した大きさの怒鳴り声では無かったが、まるで悪魔の力でも働いているかの様にブリッジ内の操縦士、砲主長、宇宙軍兵士に恐怖を与えた。
「失礼しました」シュトルリッヒは姿勢を崩さずにいる。
「ミーティア付近を航行していたヴィクトリー級スター・デストロイヤー<ダス・ライヒ>の報告だと、ジェダイ専用のビーコンをキャッチしたとの事です」
大佐の話し相手は黙ったまま、朝日を眺めている。上空には民間人のスピーダーは飛んでおらず、帝国軍の新型戦闘機が舞っている。それはARC−170と違って小さく、変質的な飛行音を轟かせていた。
「いかがなさいますかヴェイダー卿?」
ヴェイダー卿・・・・・・か。それが自分の呼び名。そして自分の永遠となる呼び名。この世に二人しか存在しないシスのうちの二人の名だ。
「<ダス・ライヒ>にその惑星の探索を続けるように伝えておけ」ヴェイダーはマントを翻し、シュトルリッヒを一瞬見据えて言った。
「私の出番はまだだ」そう言い残すと暗黒卿は<イグザクター>のブリッジから消えた。シュトルリッヒは肩の力を抜くと、ヴェイダーの後に従わなくて済む様に時間を置いて<イグザクター>から出る道を歩み始めた。



続く・・・・


[488] (無題) 投稿者:XT-72 OFZAWR1dL8E (2006/12/09(土) 17:29 Z0L3Gl/vv/Y)

wat

あるハッカーの1日


魔都・ナー・シャダー。

この惑星は犯罪という名の霧に覆われていて、
強盗・窃盗・小規模な殺人など日常茶飯事、普通の旅行者はまず入らない。
また一方で「情報」という、買い手にとっては甘美な、
盗まれたものにとってはとても苦い物もまた、取引の対象となっているのだ。
今日もまた、魔都の人気のない路地でその取引は行われていた。
人間と変わった服を着た男が話しこんでいる。
「よし、いいだろう。 サーブ・O・ドロイドコープのドロイド売買記録に、
メレンデータのEVドロイドシリーズの設計図、
そして銀行グループのヘルファイア・タンクの設計図か。悪くない。
全部見積もって2000クレジットだな。」
「OKOK,悪くない。 で、上のほうにはあたりを付けておいてくれたか?」
変わった服を着たほうの男は機械で変換されたかのようなモゴモゴした声で話す。
「まぁあせりなさんなって。 ボスは今麻薬の売人の囲い込みに忙しくてな。
だがハッカーは重宝されると思うぞ、気を長くして待ってなって。
だがあんた、何だってうちなんかにこんな貴重なデータを提供するんだ? 
あんたの同属のファミリーがあるだろうに」
売人はトランクに入った札束をながめながら訪ねる。
「ローレンツォは好かん、評判が悪いし、やることがえげつないし・・・・ゴホゲホゲホッ・・・」
男は咳き込んだが、胸のパネルを操作してどうにか落ち着かせる。
「・・・ああすまん、それにそちらさんのボス・・・ハイアさんとかいったな、堅気の世界でも評判がいいからな。」
「そうか、伝えとくよ。 じゃ、サツにみつかんねぇようにな。」
トランクを男に渡すと、売人らしき男が先に路地から出ていき、
しばらくして反対の方向から変わった服の男が出てきた。
「むふふ、儲かったぜ。 さて、引ったくりに合わないよう用心しなきゃな。」
ホクホク顔で歩を進めるこの男の名はリーマス・フェザーランド。
種族はスカコアンだ。
元アラキッド工業社のドロイド開発部門研究主任だったドロイド工学者だが、
裏の顔はその卓越したコンピュータの知識を生かした、ハッカーだ。
先ほどのようにナー・シャダーに移ってからはドロイド企業のコンピュータにアクセスし、
データを引き出して、裏組織に流し金を得ているのだ。
ただし、元の職場のアラキッド社と、大手二社のサイボット・ギャラクティカ、
インダストリアル・オートマトンは外している。
この2社はセキリュティがとても厳重だからだ。
彼の目下の目的はヴォルフシュテイン・カルテルへと接触することである。
ヴォルフシュテインならば政府にも顔が利き、他の組織から狙われる危険性も減るからだ。
「ま、しばらくはこのちまちました生活だな・・・」
リーマスはそういうとトランクを大事そうに抱えながら、ナー・シャダーの街路へとまぎれていった。


[489] (無題) 投稿者:妖蛇 epDgtryRTsw (2006/12/16(土) 12:33 7T/BpYIAjRg)

boss

〜レコンキスタ〜
惑星ナブーの住民グンガンがボスギャロの元統一国家を形成してから数百年の時が流れた。其の間にグンガンの技術は発展し文化も栄えた。
しかしナブーは当時銀河の辺境とされ、他の惑星との交流はなかった。グンガンはこの閉じられた世界の中でつかの間の繁栄を謳歌していたのだ。
だが其の繁栄は、人間の入植によって崩れ去ろうとしていた。





グンガンの都市のひとつ、オータ・サフラはグンガンの領土全体からすれば辺境に位置している。
本来海岸や島嶼、湿地帯や湖沼のほとりを領土とするグンガンの中では例外的ではあるが、この町は水辺からやや内陸に踏み込んだ平原地帯に建設されており、其の為町の構造も通常のグンガンの都市とは異なっていた。
オータサフラはグンガンの治めるフロンティアであり、この町の統治者であるボス・テンコはグンガンの内陸への進出と新天地開拓に意欲的であった。
そしてそれだけに新たな情報も入りやすい。
この惑星に近頃人間という新たな種族が入植し、平原を中心に勢力を拡大しているらしいことも彼の耳に入ってきていた。
彼自身、自分の領地に迷い込んで保護された人間を直接目にしたこともある。
他のグンガンのボス達は人間のことなどせいぜいうわさ程度にしか知らないものが多く、全く人間について聞いたことも無いボスも少なくない。
しかしボス・テンコは人間の動きに注意を払っていた。
今はグンガンの領土と人間の領土は近接していないが、もし両者の境界が接した時何が起こるのか?
彼は其の時に備えて準備は怠っていないつもりだった。


[490] (無題) 投稿者:RAIT(ライト) Conf8H2cTW6 (2006/12/20(水) 22:53 bZ7KCz/djMk)

jacen

『ターゲット』

ただ、ひたすら逃げていた・・・・。

錆びた鉄の階段を上がる音。
ジオノーシスの荒野を荒れまわる猛獣の叫び声。
そして、俺の息の音。

誰なんだ?
俺が何をしたんだ?
何故?追われている?

よし、武器を構えろ。殺すんだ。
殺っちまえば、簡単だ。

俺は元帝国軍人、だが、戦場に。
怖さは・・・知っている・・・・はずだ。

自分のタグを見た。
スレア・ロック・・・・。
名前など、生まれたときに捨てた。
俺には家族など・・・・居ないんだ。


ふと、気がついた。
階段を上がる音が大きくなっていく!
隠れろ!死ぬぞ!
自分の中をその声だけが駆け抜ける。
冷たい空気が駆け抜けた。
「死ね!」

その直後、銃声がした。
俺が撃ったのに、俺が倒れてる?
なぜだ?撃ったのは、俺だ。
「死ね」と言った男も倒れたんだ。
血も流してる!!
殺っちまったんだ。
隠れろ!

階段を上がる音がまた、大きくなる。
次第に少しずつ、俺の、心臓みたいに・・・・。
「隠れろ。逃げろ。」そう思い出すと、身体が勝手に動き出した。
後ろを振り向き、走り出した。
失うものなど無い。
走るのをやめ、もう一度、振り向いてみる。
俺の目の先には、予想通り二人の男がたっていた。
銃を構え、二人とも瞬殺し、彼らが持っていた銃を奪い、彼等のマシンガンの銃口を常に前に向けたまま、走って行った。
だが、ふと俺は気づいた。
驚いて、急に浮き上がった。
彼らの服のポケットに入っていたものは、帝国軍のタグだったのだ。
自分のと、比べてみてみる。
同じ大きさで、名前の位置が全く同じ位置。
だが彼らのタグには帝国軍のマークが入っている。
なのに、俺のには入っていない。


続きます


[491] (無題) 投稿者:妖蛇 epDgtryRTsw (2006/12/24(日) 15:36 8pZ8quxwEL.)

boss

レコンキスタ

しかしその平和はもろくも崩れ去った。
『ボス、敵襲です!』
突然執務室に駆け込んできた兵士の叫びにボス・テンコは仰天した。
『ナブーの軍隊こっちに向かってきます。五千人以上!ミー達勝てません、もう周り町町みんなやられました!』
なんと、ナブーの軍勢がこちらに迫ってきているというのだ。しかも五千人もの大軍!
いまボス・テンコが動員できるのは精々八百人余り、到底勝ち目はない。住民を全員避難させるだけの時間を稼ぐ以外に方法はない。
『ミーの軍隊直ちに出撃させろ!市民は全員周りの町に避難させろ!』
ボス・テンコは直ちに軍装を身にまとい、司令部へと向かった。



ナブー軍の司令官ポナカはオータ・サフラの防衛線を望みながら笑いをこらえ切れなかった。
いよいよあの野蛮な蛙どもを征伐できるのだ。
『全軍攻撃開始!野蛮な蛙どもを粉砕してくれるわ!』
ボナカの命令で遂に戦闘が開始された。
グンガンの陣地からもナブー軍への砲撃が飛んでくる。しかしその何倍もの銃弾が嵐のようにグンガンの陣地に降り注いだ。
ナブーの圧倒的火力の前に、僅か一時間でグンガンの防衛軍は壊滅した。
『よし、オータ・サフラに乗り込むぞ!避難民の連中も逃がすんじゃないぞ、あいつ等は貴重な奴隷なんだからな!』



ボス・テンコは崩れきった陣地を見つめながら肩を落とした。結局グンガン軍は一時間余りで壊滅、殆どの避難民は逃げる暇もなくナブーに捕らえられた。
彼の前にはポナカが仁王立ちに立ちふさがって降伏文書への調印を迫っている。
『ナブー女王陛下に忠誠を誓うんだ!この蛙が!』
罵声を浴びせながらポナカが机を叩いた。
『・・・・忠誠誓えばミーの領民の安全保障するか?』
『ああ、貴様の支配権もそのまま認めてやる。但しこれから我々の命令には絶対服従だ!』
ボス・テンコは重々しく頷いた。
『分かった、ミー降伏する。』
こうしてナブーのグンガン国侵略が始まった。


[492] (無題) 投稿者:妖蛇 epDgtryRTsw (2006/12/24(日) 15:43 8pZ8quxwEL.)

boss

ナブーの支配下に入ったオータ・サフラでは早くもグンガンが奴隷のように搾取されていた。男達は鞭で打たれながらナブーの為の苦役に従事する。軍属の人夫として、輜重兵として、または労働者として。
『オラァ!蛙の分際で生意気なんだ!』
ナブーの現場監督はそう喚き散らしながら鞭を振るう。これが征服されたグンガンの運命なのだ。


ナブーの毒牙に掛かったのはオータ・サフラだけではなかった。
同じ頃、少し離れたオータ・ウルバでは壮絶な空襲が続いていた。
『もう駄目ですボス、対空砲全部やられました。このままじゃみんな死にます!』
オータ・ウルバのボスは悲しそうに目を閉じた。
『ミー降伏する。ナブーの司令官にそう伝えろ。』
こうしてこの日だけでも七個もの町がナブーの支配下に入った。


[493] (無題) 投稿者:フィロンパ卿 vGT0/UTV3kM (2007/01/12(金) 23:41 USefebTOnTM)

sunset

『記念すべき日』

今日は記念すべき日だ。彼女と師弟というバッテリーを組んでから十五年。私の教え方がよかったのか、彼女の才能か、あるいは影ながらの努力の成果か、過程はなんでもいい。今日の任務に成功すれば、彼女は修行の身から解放され、一人前のジェダイ騎士として認められるのだ。
長いようで短かった日々が今日終わりを告げ、そして新たな日々が始まろうとしている。娘のように可愛がっていた弟子が巣立つということは師の私にとって少々複雑な気分だが、やはりそれでも嬉しいものは嬉しい。思わず口元が緩む。
今、私は共和国軍の軍用プラットフォームにいる。愛弟子の出発を見届けるためだ。季節が季節なだけに、少々手足が冷たい。吐く息もレンヴァーの雪のように白かった。
「少し早かったかな」
私は静かに呟くと小さくため息を吐き、ポリポリと頭をかいた。最近、独り言が増えた。そしてこれからはもっと増えることだろう。いつ、如何なる時も一緒だった彼女は、今日私の元から離れていくのだから。
ふと寂しさが私を襲う。しかし、どんなことにも終わりは来るのだ。師と弟子という関係ならば、なおのこと以前から別れを意識していなければならなかった。これは弟子育成に関して、私の唯一の誤算だった。
「情けない…」
と再び心情をため息と共に吐き出した私。するとその直後、背後から何者かの、いや、紛れもなく彼女の気配を感じた。
「マスター、もう来てたんですか?」
振り返れば、そこにはいつもと変わらぬ笑顔があった。いつもと変わらぬローブを羽織り、いつもと変わらぬポニーテールのヘアスタイルで、いつもと変わらぬ優しい声で私を呼ぶ。私の弟子、サラ・ハーディーソンである。
「お前が巣立っていく姿を誰よりも早く見届けたくてね」
「“巣立っていく”だなんて大袈裟ですよ、マスター」
春の日のひだまりを思わせるサラの微笑み。この笑顔を毎日見ることができなくなると考えると、胸が痛くなった。
「心配しないでください。マスターは何年経っても私のマスターですから」
少しうつむきながら、照れくさそうにサラは言った。気のせいか、私の瞳が湿っぽい。
「ところで、任務の内容はしっかり覚えているだろうな?」
このまま目から汗が吹き出ることを恐れた私は話題を任務のことに逸らした。サラは自信ありげに顔を上げる。
「勿論です。現地の調査団と合流してジオノーシスの現状調査を行います。地表だけではなく、惑星付近の宇宙空間の調査も任務には含まれていて、私は地表の部隊の指揮をとります。戦闘は極力避け、あくまで調査が目的であることを忘れてはいけません」
私は驚きと嬉しさの入り混じった気持ちになり、彼女を見る目を細めた。立派になったものだ。
「どうです?私も成長したでしょう?」
サラの姿に呆然としていた私は彼女の言葉で現実に引き戻された。
「任務の内容を覚えるなんて当たり前のことだろう。記憶力が悪いのは昔から知っているが、お前は異常だよ」
こうして憎まれ口を叩いてしまうのは本心からではない。ただ、素直になれないのだ。
「マスターは相変わらず、意地が悪いですね」
クスッと笑うサラ。胸の痛みが再び私を襲う。しかし、そんなことには構わず時計は別れの時を告げる。時間ほど非情なものはない。この時、私は心の底からそう思った。
「そろそろいかないと…」
一瞬、サラの表情が曇ったように見えたが、気のせいだろうか。
「うむ……気をつけるんだぞ」
今の私は、こんなありきたりな言葉でしか彼女を応援してやることができない。最後まで情けない師だ。
「頑張ってきなさい」
「はい、マスター」
私は精一杯の笑顔をサラに送った。サラもいつもの笑顔で頷いた。そして彼女は駆け出す。
「マスター?」
足を止め、振り返るサラ。そして、おもむろに口を開いた。
「マスターには夢ってありますか?」
「夢?」
サラの突然の問いに私は戸惑ってしまった。この年になってしまうと、夢なんてそう簡単には見つけることはできない。
「なんだろうな……お前が帰ってくるまでに考えておくよ」
「私には夢があるんです」
私の言葉が言い終わらないうちに、彼女は言った。
「サラの夢か…なんなんだ?教えてくれ」
「…私の夢は――」
少しためらいがちにサラは話し始めた。しかし、フォースが悪戯したのだろうか。運悪く、その言葉のほとんどがクルーザーのエンジン音にかき消されてしまった。私の耳にも彼女の言葉は届いていない。
「……いかなきゃ」
何故か頬を赤らめたサラは船の方に向き直り、急に駆け出した。今度こそ別れの時だ。私は彼女の頬が赤い理由が気になりながらも、最後の言葉を必死に探した。これが師弟としてサラと交わす最後の会話となる。
「サラ!!」
そして、なんとか船に乗り込む彼女を呼び止めた。それは周りの整備士や兵士達が思わずこちらを見てしまうほど大きな声だった。
「マスター」
「サラ」
サラと目が合う。彼女の頬は相変わらず、むしろ先程よりも赤みを増していた。そして何故か私の頬も…微かな熱を帯びていた。
「この前、安くて美味い料理店をナブーで見つけたんだ」
唐突な私の言葉をサラは黙って聞いている。
「なかなかお洒落でな。店の雰囲気もいい」
だんだんと顔が赤くなっていくのが分かった。サラのではない。私の顔がだ。
「帰ってきたら、一緒にディナーでもどうかな?」
サラの顔に微笑みが戻った。優しくて、暖かな、いつもの笑顔が。そして、彼女は大きく頷いた。
「はいっ!!」

サラを乗せたクルーザーが飛び立っていく。親鳥の元を離れる小鳥のように空高く、どこまでも遠くへ、無限の可能性を秘めた若き魂が飛び立っていく。
「夢か……」
空を見上げながら、サラの言葉を思い返す。もう一度、夢を探してみるのも悪くないかもしれないな。
そんなことを考えていると、雲の合間から摩天楼に明るい光がこぼれてくるのが見えた。それは優しくて、暖かな、まるで彼女の笑顔のような光。
「今日は記念すべき日だ」
私も負けじと心からの笑顔を空に向ける。一点の曇りもない、彼女に負けないほどの笑顔を。
雲が晴れ、次第に空は光でいっぱいになった。それはまるで、空が私に微笑み返してくれているようだった。

もうすぐ、春である。



 〜あとがき〜
物凄い駄作だと思いますが、個人的には嫌いではありません。たまにはこういうのほほんしたのもいいかなぁなんて……言い訳ですかね。
あえて一人称に挑戦し、主人公の名前を出さなかったんですが…どうでしょうか?
できれば、感想いただけると嬉しいです。


[494] 以前書いてたやつの書きなおし 投稿者:Knight SLDVhWbFMRM (2007/01/07(日) 00:40 Hun1NFy4rH6)

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これは私が経験した戦闘の模様の克明な記録をまとめた戦史であり、回顧録である。

私はヴァルダー・ハウザー・シュミット。17歳で帝国アカデミー入学し、あらゆる戦闘に関する事を学び、卒業した。そして、ある出来事を経て反乱軍に入隊することとなった。
私は反乱軍の軍事物資の半分以上を生産していた工場があった惑星ノヴォトニーのグリュン基地の第305師団に配属された。
この惑星を死守するための防衛戦における戦死率は40%を超え、多くの者が異動を拒否し、深刻な兵員、武器の不足に苦しみ、各師団は慢性的な定員割れ、兵士全員に武器と弾薬が行き渡らなかったという最悪な状況下で帝国軍と戦うことになった。
(防衛戦の中期から末期にかけては武器不足は解消されたが、兵員不足は解消されなかった)。
兵士の士気は低下していき、深く掘った塹壕で身を守り最初に支給された武器のみで、ウォーカー、爆撃機、重兵器を備え、兵站面において完璧を誇っていた帝国軍の猛攻を防がねばならない過酷な状況下で戦わねばならなかった。
(深い塹壕を掘り、配置された重砲塔、兵員の4割しかなかった火器のみで帝国軍の猛攻を防いだ師団もあった。この師団は帝国軍の猛攻を2日間に渡って食い止めたが、最後は全滅した)。

「ノヴォトニーの戦い」と呼ばれるこの戦いは両軍に大きな出血をもたらしながらも反乱軍の最後の大反攻によって帝国軍は完全包囲され、降伏した。守りきった反乱軍の戦略的勝利に終わる事になったが、敗北した帝国軍にとっては致命的ダメージにはならなかった。しかし、最終的には勝った反乱軍だが、帝国軍が新たな軍を呼び、次の攻勢をかけていたならば反乱軍は全滅していたと言われるほどかろうじて勝った状況だった。いや、何とか負けなかったというのが正しい。

このようなデータがある。

ノヴォトニーの戦い

反乱軍
参加兵力:30万人
戦死:15万人
負傷:8万人

帝国軍
参加兵力:40万人
戦死:12万人
負傷:15万人
捕虜:5万人

と反乱軍がいかなる犠牲を払ってでもこの惑星を死守したかったのは明らかであり、帝国軍もここを叩き潰せば銀河内乱はすぐに終わると思っていた。
事実、この惑星が帝国の手に渡ってしまえば反乱軍はエンドアの戦いで勝ったとしても兵站の理由上の攻勢が続かず、反乱軍が銀河の主権を得る前にスローン大提督との戦いを迎えていたかもしれない。
私の初陣がこの防衛戦だった。生き残れたのはまさに運が良かったとしか思えない。ノヴォトニーにおける反乱軍の各師団の中でも一番の功績を上げた第305師団はあらゆる戦線で戦い、一度も兵員を補充される事もなく、戦死者は7割を超えた。初めて言葉を交わした戦友が1時間の戦闘では戦死していたというのは珍しくもなかった。
しかし、この防衛戦における第305師団の活躍は反乱軍の士気向上に多大な影響を与えたのは言うまでもなく、反乱軍の生命線を守りきったで銀河内乱の勝敗にも影響を与えたのは多くの歴史家も認めている。
さて・・・私が始めて経験した戦い「ノヴォトニーの戦い」のドルフ川死守作戦を語るとしよう・・・。


[495] (無題) 投稿者:RAIT(ライト) Conf8H2cTW6 (2007/01/12(金) 23:16 bZ7KCz/djMk)

jacen

アウター・リムを飛ぶ緑と白に塗装されたコルヴェットCはコクピットのメインビュアーから不気味な緑と漆黒の星、ダゴバが見える。

コルヴェットCに乗っているのは銀河のならず者、ブラッド・スパイダーズクラブ。もちろんコルヴェットは反乱軍の基地からくすんだ物。
有名ではないが腕は本物で、創立始まってから危険な任務も続けて契約している。
報酬は何に使われてるのが分からないが、かなり儲けているらしい。
そのクラブのリーダーがセブ・ローダーなのだ。彼の腕前は・・・・。

『ハイパースペースで中に入れてくれ。ニック』
「了解」
パイロットの一人のニックがセブの指示でレバーを下げた。
戦闘に優れていないコルヴェットなのだが、彼らによって相当改造されてある。
星々が線になり、気がつけばコルヴェットはダゴバの不気味な空を飛んでいる。。
大気の煙はコルヴェット一気に渦をまき、地上に近づいていく。
『全員気をつけろ!速すぎて地面に激突する!』

セブは必死にレバーを引いた。
地面に当たるギリギリの所でコルヴェットの船頭はきれいにスロープを描き、ドロッとした植物に触れないで済んだ。
だが、

後でまた書きます


[496] (無題) 投稿者:フィロンパ卿 vGT0/UTV3kM (2007/01/14(日) 14:35 USefebTOnTM)

sunset

『過ちの代償』

人は誰しも過ちを犯すものだ。人間は失敗を経験として積み重ね、より大きく成長していく。過ちは決して、悪しきことではない。
しかし、世の中には許されない過ちが存在する。例えるならば…そう、今現在私が置かれている状況だ。最もよい例と言えるかもしれない。
「貴方に俺を斬ることができますか?マスター」
「私のパダワンはもう死んだよ…闇という名の猛毒に侵されてな」
私はジェダイの騎士だ。騎士団内ではレインという名で通っている。
私には一人、弟子がいた。名はシャイン。かつては私の自慢の弟子だった。しかし、もはやそれも過去の話。彼は怒りと憎しみ、私欲に支配された暗黒面の住人へと成り下がってしまった。
弟子の育成に失敗した。これが私の許されざる過ち。
そして、私の目下の務めはこの手でかつてのパダワンを…殺すことにある。
名もない惑星の名もない荒地、私の気持ちを具現化したかのような曇り空の下で意を決した私はライトセイバーを起動した。重低音の唸りをあげて蒼い刃が姿を現す。
「闇?可笑しなことを言うんですね…」
鮮やか、それでいてどこか不気味な緑色の光を発するシャインのライトセイバー。その切っ先を私に向け、かつての弟子は微笑む。その笑顔には以前の面影は見られず、やはりどこか不気味な印象を受けた。
「ジェダイこそ、マスターこそ闇じゃないですか」
思わず私は身震いする。本当に、本当に私の知っているシャインは死んでしまったのだ。
「善悪の区別もつかなくなったか」
「何が善で何が悪かなんて自分で決めますよ…もう餓鬼じゃないんですから」
また、あの微笑みだ。光を忘れてしまった闇の微笑みだ。
「ジェダイは腐ってる…そう思いませんか?」
シャインは、いや、かつてシャインだった男は私に目を向け、おもむろに言った。
「奴らの腐り具合といったら…まるでトーントーンの内臓だ。反吐が出る」
「何故そこまでジェダイに怒りをぶつける?お前を突き動かしているものは一体何だ?!」
私の必死の問い掛けにも彼は答えず、ただただジェダイを、共和国を、銀河を貶し続けた。それはまるで、自分こそが宇宙の頂点に立つ者であるかのように。
「ヨーダも、ウィンドゥも、パルパティーンも、ドゥークーも…皆自分の利益しか考えていない。あいつらの頭は腐ってるんだ」
訳が分からなかった。彼が何を考え、何を訴えているのか。分かりたくもなかった。現実から目を背けたくなった。
「だから」
闇に汚染された男はニヤリと笑った。
「全部リセットしてあげるんですよ。この俺がね」
「なんだと…?」
「皆殺してやる」
直感的に私は思った。この男は悪魔だ。シャインの姿をした悪魔なのだ。
そして、迷いは消えた。この男を殺そう。
「それがお前の望むことならば、私にはそれを止める義務がある」
「止める?この俺を?」
かつての弟子は動きを止めた。その顔からは不気味な微笑みすら消えた。そこにあるのは怒り。怒りだけ。ついに悪魔が姿を現したのだ。
「残念だな…もしかしたら、マスターなら分かってくれると思ったのに」
シャインは、悪魔はゆっくりとライトセイバーを構えた。皮肉なことに私が直々に指導した対ライトセイバー用の構えだった。
「お前も腐ってる!!」
そう叫んだ悪魔は有無を言わせず、私の首を獲ろうと斬り掛かってきた。その形相は憎しみに支配されている。まともに構える暇もなく、私は立て続けに迫りくる斬撃を防ぐしかなかった。
「私はお前を信じていた!!」
「黙れ!!」
斬り結んだ際、私は悔しさと情けなさに背中を押され、叫んだ。
「お前なら光の道を歩んでいけると信じていたのに!!」
「黙れぇっ!!」
悲痛な叫びと共に悪魔の光刃が私の光刃を弾く。
「銀河は、銀河は――」
そこまで言いかけた悪魔の口を私の斬撃が塞いだ。右上段、左下段、正面に突き、多彩な攻撃で敵を惑わすのが私の昔からの十八番だった。
しかし、迂闊だった。相手がかつてのパダワンだということに気付くのが遅すぎたのだ。奴は私の攻撃パターンを熟知している。
「邪魔だぁっ!!」
ダーク・サイドの力強い攻撃の前に私のライトセイバーは右手を離れ、地面を転がった。万事休すだ。
「銀河は俺の物だ!!」
怒りか憎しみか、狂気に満ちた叫びと同時にライトセイバーを大きく振り上げる悪魔。すかさず私は彼の腹部に左手をかざした。
悪魔は驚きと更なる怒りの表情で吹き飛んだ。その隙に私は命とも呼ぶべき武器にフォースを送り、再び右手にそれを収める。
「ウゥ……」
悪魔というよりも獣のような唸り声をあげ、立ち上げる悪魔。その口元からは真っ赤な血が流れている。
そして血をペロッと舐め、ゆっくりとライトセイバーを構えた。一方の私も、同じ手は食うまいと隙のない構えをとる。
その時である。一滴、二滴と水の粒が私の手に落ちた。見ると空もよどんだ灰色からどす黒い闇の色へと変わっている。やがて、水の粒は音をたてて滝のように降り注ぎ始めた。
戦いも佳境である。
「お前には…こんな暗い空を照らす太陽になってほしかった」
「俺は俺のために生きる……誰のためにも生きない!!」
何故彼が堕ちたのか、何が善で何が悪なのか、私が正しいのか彼が正しいのか…もはや、そんなことは関係なかった。私は自分が犯した過ちの責任を取らなくてはならない。
一気に間合いを詰め、光の剣を悪魔に向けて勢いよく振り下ろす。奴は負けじと蒼い刃を振り払い、縦に横に斜めに攻めてきた。しかし、私はそれを全て受け止め、一瞬の隙も作ることなく反撃した。黒い空とは対照的な光のアーチが辺りを照らし続ける。
そろそろいいだろう……再び悪魔と斬り結び、私は思った。やるなら今だ。ジェダイとしてではなく、シャインの師としてではなく、レインという一人の人間としての責任の取り方。義務の果たし方。実行するならば、今しかない。
「シャイン!!」
そして、私は確かな決意を胸にその方法を実行した。奴の右手を掴んで押さえつけ、間髪入れずに彼の背中にライトセイバーの光刃を突き立てる。微かなうめきが奴の口から漏れるのが聞こえた。刃は確かにシャインの背中から腹部にかけてを貫通しており、それは奴の、悪魔の死を意味していた。
しかし…貫通していたのはシャインの体だけではなかった。シャインの腹を貫いた光刃はそれだけでは留まらず、私の…胴に突き刺さっていた。
私は薄れゆく意識の中でなんとかライトセイバーのスイッチを切った。全身の力が抜け、無様にも地面に倒れ込む。その横にはシャインが私と同じように倒れていた。いつの間にか雨はやんでいる。
私は最後の力を振り絞り、パダワンの表情を見た。彼は…微笑んでいた。不気味な闇の微笑みではなく、苦しみから解放された安らかな微笑みだった。
これでよかったんだ……これが私のやり方、これが私の過ちの代償なんだ。
私はシャインの手を握り、小さく囁いた。
「よく…頑張ったな」
これが私の最後の言葉だった。


「閣下…堕ちたジェダイとそのマスターが遺体で見つかったようです」
青い肌をしたシャグリアンが老年の男に耳打ちした。それを聞いた男は優雅なそぶりで椅子から立ち上がり、つまらなそうに言った。
「くだらん茶番だったな」
男はゆっくりと窓際に足を進めた。
「私の計画は完璧でなくてはならない…」
シャグリアンが男の言葉に無表情で頷く。
「不運なことだ…あの男は知らなかったのだろう」
男は、パルパティーン最高議長は暗い微笑みをコルサントの摩天楼に向けた。
「過ちは過ちでしか償うことはできない…この世に許される過ちなど存在しえない……」
つられてシャグリアンも怪しげに微笑んだ。
「この世で過ちほど、愚かなことはないのだ」
暗い夜にシスの笑い声が響いた………。

 〜あとがき〜
ごめんなさい…言い訳はしません。反省してます。
まあ、この作品を書いたことが“過ち”だというオチで…おk??


[497] 連続すみません…抗議があったら即刻削除致します 投稿者:フィロンパ卿 vGT0/UTV3kM (2007/01/14(日) 18:39 USefebTOnTM)

sunset

『GAME』

こんな言葉がある。
“戦争とはゲームである”
伝説では、かつて古の地獄絵図と呼ばれたシス大戦で、名のある暗黒卿が残した言葉とも囁かれているが、実際のところは定かではない。
ただ、確かなのはシスとは“そういう輩”だということだ。人の死を、殺し合いを単なる暇潰しのゲームとしか考えていない。彼らにとって戦争とは、銀河を舞台にした大掛かりなチェスでしかないのである。
そして、そんな血みどろの大戦から長い年月を経て、今ここに、この銀河共和国にその邪悪な思考の継承者が存在した。無論、心から共和国を愛し、崇拝する者にとっては想像もしえないことだが。

「どうお考えになります?」
無造作に髭を蓄えた白髪の男はポーンを一つ前のマスへ進め、尋ねた。
「何のことかね?」
「おとぼけにならないで下さい」
一方の優雅な衣を羽織った老年の男はビショップを右斜めに三つ動かして、質問を返した。
「増大する分離派の件です」
白髪の男、ジャニオス・ストレイカー元老院議員はナイトで相手のポーンを蹴散らしながら言った。
彼らは度々、こうしてチェスをしながら今後の共和国について話し合っていた。今回も例外ではない。
「ふむ…」
身なりだけでなく、その行動一つ一つが優雅な老年の男はポーンに伸ばしかけた手を止め、顔を上げた。
「民衆は不安にかられております…最高議長」
「何度も言っているが――」
銀河元老院最高議長パルパティーンはうんざりした表情でジャニオスの目を見た。
「これ以上の投票延期は難しい。正規の共和国軍を創設し、ジェダイ騎士団に支援の手を差し伸べるべきか否か」
「民は早急な答えを欲しております。一刻も早く、心に安らぎを求めているのです。それは私を始めとした元老院の者達も同じことです」
ナイトを取られたパルパティーンは苦い顔をしながら、ルークに手を伸ばした。
「君らの気持ちや働きに関しては重々承知しているとも」
ため息混じりでジャニオスのポーンを奪うパルパティーン。
「仮に分離派同士が手を組んで軍事国家を築き上げたらどうします?共和国に攻めてきたら?」
「君は軍の創設に賛成なのかね?」
わざとらしい驚きの表情でパルパティーンは尋ねた。ジャニオスは複雑な顔だ。
「そういうわけではありません…ですが、交渉なり守りを固めるなり、何か手を打たなくては」
「同感だな」
そう言ってパルパティーンはジャニオスの組んだ陣営を崩した。
「こういった場に私情を持ち出すのは好まないのですが、私にも守るべきものがあります。なんの対策も練らぬうちに戦争でも始まってしまえば、このコルサントでさえ……」
パルパティーンがこれほど不安げなジャニオスを見たのは初めてだった。彼にはたった一人の娘がいるという。なるほど、彼にとっては自らの命と引き換えにでも守りたい“宝”であろう。
「家族、友人、恋人…この宇宙では数え切れぬほどの守るべきものが存在する」
口を動かしながらも、議長は確実に駒を進める。それは普段、彼が進行する元老院議会のスムーズさを彷彿とさせた。
「民が守りたいと願うものをあらゆる面から守り抜く。それが我ら元老院に課せられた使命。そうは思わんかね?ストレイカー議員」
「仰るとおりです」
同時にジャニオスのルークがパルパティーンのビショップを奪った。
「安心したまえ。銀河共和国元老院最高議長として、ベストを尽くす所存だ」
そして、パルパティーンはニヤリと笑うとビショップをゆっくりと動かした。
「チェック」
「参りましたね…」
ジャニオスは唸った。キングを斜めに動かせばこの場をやり過ごすことができるが、そのためにはクイーンを犠牲にしなければならない。
「しかしだ…このように――」
先程の安心感のある優しい声ではなく、どこか怪しげな暗い声でパルパティーンは言った。
「何かを守るためには、何かを犠牲にしなくてはならない場合もある」
得体の知れない恐怖がジャニオスの背中を伝った。一瞬、二人を取り巻く空間が歪んだような、そんな感じだった。
「何を…仰りたいんです?」
「いや、単なる例え話だよ」
いつもの様子でにこやかに微笑むパルパティーン。正直、ジャニオスも目の前の男に不信感を抱く時がしばしばあった。今の言葉も妙に引っ掛かる。しかし、それでも彼は意を決してキングを動かした。そうするしかなかったのだ。
「すまんね」
クイーンを倒して、パルパティーンは言った。
「軍創設の件だが」
続けざまに議長は口を開く。
「近々、ジェダイ評議会を交えて話し合いの場を設けようと考えておるのだよ」
「それは良い考えです」
ジャニオスはほっとした様子でナイトを前に進めた。今のようなどっちつかずの状況よりも、何か結論を出した方が良いに決まっている。ジェダイ評議会との対談ならば、少しはましな話し合いが期待できるだろう。ジャニオスは共和国の守護者であるジェダイ騎士団に絶対的な信頼を置いていた。
「しかし、そうする間にも離脱組は増える一方だ…」
悩ましい様子でうつむくパルパティーン。
「フォースの意思を信じましょう議長。我らが諦めずに戦い続ければ、きっと共和国にも平和が戻ってきますよ」
「君は議員よりもジェダイに向いているかもしれんな」
弱々しい笑みと共にパルパティーンは言った。ジャニオスはそんな議長を見て、彼を一瞬でも疑ったのは間違いだったかもしれないと思い直した。
「私は君のような友人を持って本当に幸せだよ」
そう言いつつ、最高議長は滑らかな手つきでクイーンを進める。それを見たジャニオスは思わず頭を押さえた。
「しかし、勝負は勝負だ」
いつもの微笑みでそう言うと、パルパティーンは言い放った。
「チェックメイト」
ジャニオスは小さなため息を吐き出した。
「また負けましたか」
「今日は特別楽しませてもらったよ…ストレイカー議員」
そそくさと席を立つパルパティーン。それに倣い、ジャニオスも立ち上がった。
「まだ目を通していない資料が残っているものでね」
申し訳なさそうに議長は執務室の扉の方へ歩き出した。その横にジャニオスが並ぶ。
「また、お手合わせ願えますかな?」
「いつでも来たまえ」
ジャニオスの言葉に、パルパティーンはにこやかな表情で答えた。
「問題の件に関してはまた議会で詳しく説明することにしよう」
「ええ、それでは後日議会で…」
ジャニオスは議長の微笑みに見送られ、扉が完全に閉まるまで深々と頭を下げた。
それは、最後まで諦めることなく戦い続けようという彼なりの改まった決意の現れだったのかもしれない。

「単純な男だ……」
最高議長、いや、シスの暗黒卿は鼻を鳴らして言った。
「平和だと?愚かな」
漆黒のローブを身に纏ったダース・シディアスはコルサントの摩天楼を見下ろした。
「銀河には破滅という道しか残されてはいないというのに」
堪えきれず、シディアスは歯を見せて笑った。
「さて、これから楽しいゲームが始まる……世がプレイヤー、他の者は世に忠実な駒でしかない」
コルサントは今日も眠ることなく動き続けている。あの街だけでも何千、何万のヒューマノイドが呼吸をし、心臓を動かしているのだ。その全ての者達がシス卿ダース・シディアスの前では彼に従順なポーンと成り下がる。
どんなに足掻いたところで、銀河はシスの手のひらで踊らされるしかない。彼らに選択肢は残されていないのである。
「全ては予定どおりに運んでおるわ」
第一銀河帝国皇帝パルパティーン。彼の暗い微笑みが銀河を覆い尽くす日が来るのも、そう遠い未来の話ではない。


こんな言葉がある。
“戦争とはゲームである”
人々はその考えを“邪悪だ”“闇の思考だ”と罵った。
しかし、ダース・シディアスにとってそんな考えは取るに足らないもの。それもそのはずである。

彼にとっては、人生そのものが退屈しのぎのくだらないゲームでしかないのだから。



 〜あとがき〜
私はチェスが好きです。あの限られた空間でキングを守るために数多くの駒達が犠牲になる…将棋とは違ったドラマがあります。
ホイルス銀河にチェスというものが存在するかどうかは別として、チェスっぽいものと解釈してくださいw
パルパティーンの偽善者ぶりをAOTCの直前を舞台に書いてみました。正直、自己満足です。自己でも満足しきれていません。
いつものように言い訳はしません。反省しています。


[498] (無題) 投稿者:エビケン・スカイウォーカー(別PC) C.BausS3o7g (2007/02/05(月) 12:45 dIa3gj8DA4U)

anakin_ep3

題名未定
とある惑星で・・・・・
 昼前、若い男がブラスターで武装した部下4人を引き連れ、廃墟の中を歩いていた。男の右手には電源を切ったライトセイバーが握られている。
 昨晩まで続いた帝国軍の攻撃で、市街地は惨憺たる状態だった。路上のあちこちに死体が転がり、時折戦闘用のウォーカーやスピーダーの黒焦げになった残骸が横たわってるのが見られた。摩天楼も全てボロボロになり、町中に物が燃える臭いと死臭が充満していた。

 きょうはここら辺でやめます。続きは明日書きます。


[499] (無題) 投稿者:エビケン・スカイウォーカー(別PC) C.BausS3o7g (2007/02/06(火) 12:44 dIa3gj8DA4U)

anakin_ep3

>>498の続き
 男はこの惑星の出身だった。五歳のとき、特別な能力―他ならぬフォースのことだが―を見出され、両親の元を離れてコルサントへ行った。そこで彼はジェダイ騎士団へ入った。師匠は彼の能力を見出したジェダイがなった。男は騎士団で多くの教えを師匠から受け、多くの友人も得た。19歳のとき、一人前と認められジェダイとなった。
 程なく、クローン大戦が勃発した。男は師匠や友人とともにクローントルーパーを率いて分離主義者の軍隊と戦い、銀河各地を転戦した。クローントルーパーたちは指揮官である男たちの命令に忠実で、まさに優秀な部下だった。彼らの中にも男は友人を作った。
 やがて戦況は好転した。そんなある日、これまで忠実かつ優秀な部下であり、良き友でもあったクローントルーパーたちは男と師匠に反旗を翻した。男は逃げおおせたが、師匠はレーザーキャノンの直撃弾を喰らい帰らぬ人となった。跡でわかったことだが、パルパティーン―他ならぬダース・シディアスだが―が全銀河のクローンへ勅令を発し、ジェダイの抹殺を命令したのだ。多くのジェダイが殺された。さらに信じがたいことに、男の友人の一人であるアナキン・スカイウォーカーはパルパティーンの弟子となって彼へ忠誠を誓い、クローンたちを率いてジェダイ聖堂へ向かい、そこにいたジェダイやパダワンたちを皆殺しにしたというのだ。その後、パルパティーンは元老院で演説し、共和国の解体と帝国の建国を宣言、自ら皇帝に即位した。
 一方男は故郷のこの惑星へ命からがら逃げてきた。男は年老いた両親のもとに隠れた。そんな中、親戚のある女性がこんな話を持ってきた。

明日に続く


[500] (無題) 投稿者:エビケン・スカイウォーカー(別PC) C.BausS3o7g (2007/02/07(水) 12:35 dIa3gj8DA4U)

default

―帝国を打倒し、民主主義と自由の復活を望む人々が集まり、反乱同盟軍を結成しつつある―とのことだった。男は進んでこれに加わった。集まった人々の中にはオビワン・ケノービの姿もあった。
 男は何者かの殺気を感じて立ち止まった。敵は突如現れた。不意を突かれた部下2人が斬り捨てられた。相手は赤いライトセイバーを持ち、全身黒ずくめで黒いヘルメットとマスクを身に着けていた。黒ずくめの男は不気味な呼吸音を立てながら男たちを漆黒のマスクの内側からねめつけた。残りの部下二人は黒ずくめの男に向かって一斉に発砲した。しかし黒ずくめの男はそのうち一発を片手で受け止め、残り一発をライトセイバーで跳ね返した。跳ね返った光弾が部下の一人に当たった。黒ずくめの男はライトセイバーを振りかざすと、残った一人の部下に襲い掛かり、切り伏せた。そして黒ずくめの男はライトセイバーを振り上げると、男に向かって振り下ろした。男はそれをライトセイバーで受け止めた。
 廃墟の静まり返った路地にライトセイバーのうなるような音が響き渡る。男は守勢に立たされた。黒ずくめの男は圧倒的なパワーを持っていた。男は黒ずくめの男の隙を見つけ、刃先を突き出した。しかし黒ずくめの男はそれをよけると、男の首に切りつけた。男の首は地に転がった。

明日に続く

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